JPH0775639B2 - ミシンの内かまの製造方法 - Google Patents

ミシンの内かまの製造方法

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JPH0775639B2
JPH0775639B2 JP5052555A JP5255593A JPH0775639B2 JP H0775639 B2 JPH0775639 B2 JP H0775639B2 JP 5052555 A JP5052555 A JP 5052555A JP 5255593 A JP5255593 A JP 5255593A JP H0775639 B2 JPH0775639 B2 JP H0775639B2
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徳三 廣瀬
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    • DTEXTILES; PAPER
    • D05SEWING; EMBROIDERING; TUFTING
    • D05DINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES D05B AND D05C, RELATING TO SEWING, EMBROIDERING AND TUFTING
    • D05D2209/00Use of special materials
    • D05D2209/12Metals or metal coatings

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  • Physical Vapour Deposition (AREA)
  • Sewing Machines And Sewing (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 産業上の利用分野 本発明は、ミシンの内かまに関する。
【0002】
【従来の技術】従来からの全回転かまの内かまおよび外
かまは、ステンレス鋼または鋼鉄などが鍛造加工されて
構成され、内かまに形成された軌条が外かまの軌溝に嵌
り込み、外かまが高速度で回転されて縫い目が形成され
る。したがって内かまの軌条と外かまの軌溝とが摩擦接
触して摩耗しやすく、そのような摩耗が生じるとがたつ
きを生じ、縫い性能が低下し、また騒音が発生する。
【0003】また内かまの軌条と外かまの軌溝との摩擦
係数が大きいので、上糸が内かままわり止め凹所とそれ
に嵌り込んでいるミシン機体に取付けられている内かま
まわり止め部材との当接面を通り抜けるときに上糸に大
きな張力が作用し、縫い性能が低下し、また糸切れを生
じやすいという大きな問題がある。
【0004】また先行技術では、上糸または下糸と内か
まなどのミシンの部品との接触時の摩擦係数が大きく、
それらの上糸または下糸に作用する張力が大きくなって
縫い性能が低下するという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、改良
されたミシンの部品を提供することである。
【0006】本発明の他の目的は、内かまの軌条と外か
まの軌溝との摩擦係数を低減し、また摩耗を低減して長
寿命とすることができるようにした内かまの製造方法を
提供することである。
【0007】本発明の上述の目的およびその他の目的
は、次に述べる本発明の実施例から明らかになるであろ
う。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、鋼鉄製内かま
本体35に、チタンイオンをぶつけて表面の酸化膜を排
除して洗浄し、アーク放電によるイオンプレーティング
装置37の真空容器38内で、第1電源40aと、第2
電源40bとを、前記洗浄された内かま本体35に接続
するとともに、TiNから成る第1蒸着金属39aと、
TiAlNから成る第2蒸着金属39bとにそれぞれ接
続し、第1電源40aによってTiNから成る最下層4
5を形成し、第1および第2電源40a,40bの電圧
を徐々に変化させて、その組成がTiNからTiAlN
に変化する中間層46と、第2電源40bによってTi
AlNから成る最上層47とを、この順序で形成し、最
下層45と中間層46と最上層47とから成る複合被覆
層の厚みを2〜5μmとすることを特徴とするミシンの
内かまの製造方法である。
【0009】
【0010】
【0011】
【作用】本発明に従えば、ミシンの内かまは、その表面
に、TiNからTiAlNに変化した複合被覆層を有
し、こうして硬度を上昇し、摩擦係数を小さくし、した
がって長寿命とすることができ、摩耗が低減することに
よって内かまの軌条と外かまの軌溝とのがたつきを防い
で縫い性能の向上を図り、また騒音を低減することがで
きるようになり、さらに酸化を抑制し、長期間にわたっ
て使用することができるミシンの部品が実現される。
【0012】
【実施例】図1は本発明の一実施例の本縫ミシンの垂直
全回転かまに用いられる内かま1の正面図であり、図2
はその内かま1を外かま2に装着し、後述のボビン19
(図13参照)およびボビンケース18(図12参照)
を収納した状態を示す斜視図であり、図3はその垂直全
回転かまの縦断面図であり、図4はその内かま1の背面
図である。これらの図面を参照して、外かま2の下軸で
ある回転軸4は水平軸線L1まわりに矢符5の方向に回
転駆動される。内かま1は基本的には、筒部7と、この
筒部7の外周に形成された軌条8と、筒部7の開放側の
端部に形成された内かままわり止め凹所9を有するフラ
ンジ部10と、筒部7の他端部に形成された底部11と
を有する。軌条8は、内かままわり止め凹所9に関して
外かま2の回転方向5の下流側に糸掛け部12が形成さ
れ、上流側に糸抜け部13が形成される。内かま1の底
面11には、スタッド17が立設され、このスタッド1
7はボビン19の中央孔28を挿通し、そのスタッド1
7の先端部の切欠き29は、操作レバー30によって軸
線L1に垂直方向に変位する係止片31に係止してボビ
ンケース18の抜け止めが達成される。レバー30はピ
ン32によって角変位可能にボビンケース18に設けら
れ、このピン32の軸線は前記軸線L1に垂直である。
ボビン19には下糸が巻回される。内かままわり止め凹
所9には、本縫ミシンの機体に固定されたまわり止め部
材33の突起34が嵌り込み、外かま2の回転中におけ
る内かま1の回転を阻止する。
【0013】内かま1の筒部7に形成された軌条8は、
外かま2の外周面に形成された軌溝34に嵌り込む。
【0014】針14は、昇降往復駆動され、上糸15は
針14に挿通される。内かま1には針落ち穴16が形成
されている。参照符35は上糸ループを捉える剣先であ
る。
【0015】図6は内かま1の一部の拡大断面図であ
る。この内かま1は、鋼鉄の材料から成り、かつ鍛造さ
れて形成された内かま本体35の表面に被覆層36が形
成されて構成される。被覆層36の厚みd1は、たとえ
ば2〜5μmである。被覆層36はTiAlNから成
り、この材料はTiNよりも硬度が高く、耐摩耗性に優
れる。この被覆層36は、ダークバイオレットの色を有
している。この被覆層36は、840℃まで酸化が起こ
らない。耐酸化性が高いことは、ミシンの部品において
重要なことである。たとえば軌条8と軌溝34との接触
面の温度が、外かま2の高速度回転によって上昇したと
き、機械的摩耗に加えて化学反応による摩耗の度合いが
強くなることを抑制する。したがって被覆層36は前述
のようにTiAlN製とすることによって、ミシンの外
かま2の高速回転時における安定した縫い性能が達成さ
れる。
【0016】被覆層36を母材である内かま本体35に
付着するにあたり、その密着度を向上する必要がある。
そこで本発明では、被覆層36をコーティングする際に
密着力を高めるために、チタンイオンをコーティング前
の母材である内かま本体35にぶつけ、したがってその
内かま本体35の表面の酸化膜などを排除し、これによ
って被覆層36の付着強度を向上する。
【0017】次に、このようにチタンイオンをぶつけて
洗浄された内かま本体35に、図7に示されるアーク放
電によるイオンプレーティング装置37によって被覆層
36を形成する。この装置37において内かま本体35
が接続されている真空容器38と蒸着金属(TiAl
N)39との間に電源40によって電圧を加えて蒸着金
属39a,39bにアーク放電を発生させる。このアー
ク放電によって金属は蒸発し、さらに放電中の電子など
との衝突によってイオン化し、真空容器38に接続され
ている内かま本体35に付着する。このようなアーク蒸
着では、金属は固体から直接気化する。したがって合金
であれば、合金のままで蒸着する。このようなイオンプ
レーティングの手法によれば、電子ビームを使って金属
を蒸着させる方法に比べて、合金TiAlNの融点が違
う物質に依存して、成分が偏った被覆層36が形成され
てしまうことを防ぐことができ、しかも複雑な表面形状
を有する内かま本体35の全表面に均一な膜厚d1を有
する被覆層36を形成することができる。本件発明者の
実験によれば、被覆層36を形成しない内かま本体35
だけの垂直全回転かまの特性は図8の参照符41で示さ
れるとおりであり、その内かま本体35にTiNの被覆
層をコーティングしたときの特性は参照符42で示され
るとおりであったけれども、本発明に従いTiAlN被
覆層36を有する内かまによれば、図8の特性43が得
られ、これによって耐摩耗性がきわめて優れていること
が確認された。
【0018】TiAlN被覆層36のビッカース硬さH
vは2700〜3000であり、耐酸化性および耐摩耗
性がきわめて高いことが確認された。このような物理蒸
着(略称PVD)コーティングの手法によって、安定し
た被覆層36のコーティングが可能となる。このような
被覆層36は、ワインレッドとすることもまた可能であ
る。
【0019】図9は本発明の一実施例の内かま1の表面
付近の拡大断面図である。この実施例では、前述と同様
な内かま本体36の表面に形成される被覆層44は、3
層から成り、前述の厚みd1とほぼ同一の値であり、母
材である内かま本体35と密着性が大きいTiN層45
と、高い硬度を持つ層46と、耐酸化性および高い硬度
を有する層TiAlNの層47とがこの順序で重ねて形
成されて複合膜が形成される。中間の層46は、TiN
層45とTiAlN層47との中間の組成を有し、その
組成が層45から47にわたって傾斜化されており、こ
れによって熱応力による歪みによって被覆層44が剥離
することが防がれ、また高い密着強度を達成し、さらに
最上部の層47の結晶が微細化して表面がきわめて平滑
となり、上述のようにクラックが生じにくく、そのクラ
ック伝播が最小に抑えられる。このような3つの層4
5,46,47を形成するには、前述の図7に示される
装置37を用い、蒸着金属39aとしてTiNを用い、
またもう1つの蒸着金属39bとしてTiAlNを用
い、被覆層44の形成初期には、電源40aによってT
iN蒸着金属39aを用いて層45を形成し、その後電
源40a,40bを用い、TiAlNの蒸着金属39b
をも蒸着させ、その電源40a,40bの電源電圧を徐
々に変化させ、中間層46の組成がTiNからTiAl
Nに変化するように、電源電圧を変化させ、最後の層4
7を形成する際には、電源40aを遮断し、電源40b
のみによってTiAlN蒸着金属層39bによる層47
を形成する。このようにして単一の装置37を用いて、
複合膜の被覆層44を形成することができる。蒸着金属
39a,39bを総括的に参照符39で表し、また直流
電源40a,40bを総括的に参照符40で表し、これ
らの電源40の出力電圧は、可変とする。この実施例で
は蒸着金属39は、TiAlNである。
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】本発明のTiAlNから成る合計3層の被
覆層をミシンの部品の表面に形成することによって、
(a)表面がダークバイオレットまたはワインレッドな
どの色とし、その美感を向上することができる。
【0029】(b)その表面のビッカース硬度Hvを2
000以上、特に2200〜3000にすることができ
る。それによって摩耗を抑制し、がたつきを防ぎ、長寿
命とし、がたつきによる騒音を抑制することができる。
【0030】(c)さらに摩擦係数が小さいので、外か
まを円滑に、回転駆動することができる。
【0031】(d)さらに前述のように摩擦係数が少な
いことによって内かまのまわり止め凹所とそのまわり止
め凹所に嵌り込む内かままわり止め部材との間の圧力を
小さくし、上糸が通り抜けるときにおける上糸に作用す
る張力を低減し、これによって縫い品質を向上すること
ができる。
【0032】(e)さらに摩擦係数が少ないことによっ
て、上糸および下糸との摩擦接触による滑りがよくな
り、上糸および下糸に作用する張力を低減することがで
きる。
【0033】(f)耐熱性が向上され、また耐酸化性が
向上される。このことによってもまた本発明のミシンの
部品を長期間にわたって高い品質で使用することができ
るという優れた効果が達成される。
【0034】(g)さらに優れた高い振動減衰率を有し
ており、振動などの発生を抑制することができ、このこ
とによってもまた縫い品質の向上を図ることができる。
【0035】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、内かまの
表面の硬度が向上され、また摩擦係数が低減され、こう
して内かまの軌条と外かまの軌溝との摩擦力が低減され
て上糸および下糸に作用する張力を低減し縫い性能を向
上することができ、またがたつきを防いで縫い性能を向
上しかつ騒音の発生を抑制することができるようにな
る。また被覆層によって酸化することが防がれ、長寿命
とすることができ、長期間にわたって高い縫い性能を維
持することができるようになる。
【0036】さらに上糸または下糸と前記被覆層との摩
擦係数が低減され、円滑に縫い動作を行うことができ、
上糸および下糸の張力が不所望に高くなることを防ぎ、
このことによってもまた縫い性能を向上することができ
る。また上糸または下糸が切断されてしまうという事故
を防ぎ、このことによってもまた縫い性能を向上するこ
とができるようになる。特に本発明では、ミシンの内か
まを、鋼鉄製内かま本体35の表面に、最下層45とし
てTiNを形成し、中間層46として組成がTiNから
成りTiAlNに徐々に変化するように形成し、最上層
47をTiAlNによって形成し、これらの各組成は、
第1電源40aと第2電源40bとの動作およびその電
圧の変化によって形成することができ、生産性が優れて
いるという効果がある。さらに本発明によれば、内かま
の表面を、このように最下層45と中間層46と最上層
47とから成る複合被覆層とし、その厚みを2〜5μm
とすることによって、糸との摩擦係数を小さくし、糸が
円滑に移動し、縫い性能を向上することができるのであ
る。さらにまた本発明によれば、内かま本体を、既存の
ミシンに取付けることによって、既存のミシンの縫い性
能を容易に向上することが可能となるという優れた効果
もまた、達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の内かま1の正面図である。
【図2】内かま1と外かま2などを備える垂直全回転か
まの斜視図である。
【図3】図1および図2に示される垂直全回転かまの縦
断面図である。
【図4】内かま1の斜視図である。
【図5】内かま1の背面図である。
【図6】内かま1の一部を拡大して示す断面図である。
【図7】被覆層36を形成するためのイオンプレーティ
ングを行う装置37の簡略化した図である。
【図8】本発明による被覆層36の特性を示すグラフで
ある。
【図9】本発明の一実施例の内かま1の表面付近の拡大
断面図である。
【符号の説明】
1 内かま 2 外かま 3 ボビンケース 4 下軸 5 外かま2の回転方向 8 軌条 9 内かま回り止め凹所 35 内かま本体 36,44 被覆層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−262180(JP,A) 特開 昭63−262181(JP,A) 特開 昭59−118879(JP,A) 特開 昭52−95580(JP,A) 特開 平3−253558(JP,A) 特開 平2−133584(JP,A) 特開 昭63−4056(JP,A) 特開 平1−47849(JP,A) 実開 昭58−149176(JP,U) 実開 昭63−15969(JP,U)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼鉄製内かま本体35に、チタンイオン
    をぶつけて表面の酸化膜を排除して洗浄し、 アーク放電によるイオンプレーティング装置37の真空
    容器38内で、第1電源40aと、第2電源40bと
    を、前記洗浄された内かま本体35に接続するととも
    に、TiNから成る第1蒸着金属39aと、TiAlN
    から成る第2蒸着金属39bとにそれぞれ接続し、 第1電源40aによってTiNから成る最下層45を形
    成し、 第1および第2電源40a,40bの電圧を徐々に変化
    させて、その組成がTiNからTiAlNに変化する中
    間層46と、 第2電源40bによってTiAlNから成る最上層47
    とを、この順序で形成し、 最下層45と中間層46と最上層47とから成る複合被
    覆層の厚みを2〜5μmとすることを特徴とするミシン
    の内かまの製造方法。
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