JPH06263542A - 熱伝導性に優れた低温焼結型AlN基板 - Google Patents
熱伝導性に優れた低温焼結型AlN基板Info
- Publication number
- JPH06263542A JPH06263542A JP5050246A JP5024693A JPH06263542A JP H06263542 A JPH06263542 A JP H06263542A JP 5050246 A JP5050246 A JP 5050246A JP 5024693 A JP5024693 A JP 5024693A JP H06263542 A JPH06263542 A JP H06263542A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- aln
- particle size
- powder
- sintering
- particles
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Ceramic Products (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】粒径が 0.3〜10μm のAlN粉末を核粒子とし、
その表面が粒径 0.1μm 以下のAlN超微粒子で被覆され
た被覆型複合粒子の焼結体からなるAlN基板。核粒子と
して、前記の粒径の範囲内で、しかも二項分布型の粒度
分布を有するAlN粉末を用いるのが、一層好ましい。 【効果】熱伝導性に優れ、しかも、比較的低い温度での
焼結により製造することができる基板であって、電子機
器製品などに使用されるセラミックスICパッケージや
回路基板として好適である。
その表面が粒径 0.1μm 以下のAlN超微粒子で被覆され
た被覆型複合粒子の焼結体からなるAlN基板。核粒子と
して、前記の粒径の範囲内で、しかも二項分布型の粒度
分布を有するAlN粉末を用いるのが、一層好ましい。 【効果】熱伝導性に優れ、しかも、比較的低い温度での
焼結により製造することができる基板であって、電子機
器製品などに使用されるセラミックスICパッケージや
回路基板として好適である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ワークステーション、
パソコン、ワープロ等の電子機器製品や自動車、航空機
に使用される制御装置等に多用されているセラミックス
ICパッケージおよび回路基板に関し、特に、絶縁性が
あり、セラミックスでありながら熱伝導性に優れるとい
う特長を有する窒化アルミニウム(AlN)基板に関す
る。
パソコン、ワープロ等の電子機器製品や自動車、航空機
に使用される制御装置等に多用されているセラミックス
ICパッケージおよび回路基板に関し、特に、絶縁性が
あり、セラミックスでありながら熱伝導性に優れるとい
う特長を有する窒化アルミニウム(AlN)基板に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ワークステーション、パソコン、ワープ
ロ等の電子機器製品や自動車、航空機には多数のICチ
ップを搭載するパッケージや回路基板が使用されている
が、AlNは高密度化していくICチップの発熱を効率よ
く放熱することが可能なセラミックス基板材料として期
待されている。
ロ等の電子機器製品や自動車、航空機には多数のICチ
ップを搭載するパッケージや回路基板が使用されている
が、AlNは高密度化していくICチップの発熱を効率よ
く放熱することが可能なセラミックス基板材料として期
待されている。
【0003】AlN基板は、AlNの粉末を原料としてこれ
をバインダーと混練し、ドクターブレード法等により厚
みが 200〜500 μm 程度のテープとし、WまたはMoを含
むペーストを印刷し、積層して高温でAlNとWまたはMo
を同時焼成することにより製造される。AlN粉末として
は、一般に、粒径が 0.5〜2.0 μm の微粉が使用されて
いるが、AlNは融点が2150℃と極めて高く、そのため、
このような微粉を使用しても焼結温度を高くせざるを得
ず、多大なエネルギーを要するとともに、高温に耐える
設備が必要となる。
をバインダーと混練し、ドクターブレード法等により厚
みが 200〜500 μm 程度のテープとし、WまたはMoを含
むペーストを印刷し、積層して高温でAlNとWまたはMo
を同時焼成することにより製造される。AlN粉末として
は、一般に、粒径が 0.5〜2.0 μm の微粉が使用されて
いるが、AlNは融点が2150℃と極めて高く、そのため、
このような微粉を使用しても焼結温度を高くせざるを得
ず、多大なエネルギーを要するとともに、高温に耐える
設備が必要となる。
【0004】この問題を解決するために、焼結をできる
だけ低い温度で行う焼結の低温化の研究が行われてお
り、AlN粉末に焼結助剤を添加して焼結温度を低める方
向での研究が主として行われている。また最近では、Al
Nを超微粉末にして焼結温度を低下させる検討もなされ
ている。しかしながら、これらの方法には以下のような
問題がある。
だけ低い温度で行う焼結の低温化の研究が行われてお
り、AlN粉末に焼結助剤を添加して焼結温度を低める方
向での研究が主として行われている。また最近では、Al
Nを超微粉末にして焼結温度を低下させる検討もなされ
ている。しかしながら、これらの方法には以下のような
問題がある。
【0005】先ず、焼結助剤の添加による焼結の低温化
については、焼結助剤としてY2O3、CaO 、YF3 、CaF2、
Al2O3 等の融液生成成分を利用することにより焼結温度
を1650〜1900℃程度まで低下させることが可能となって
おり、この方法による工業生産も行われつつある(例え
ば、「セラミックス」26(1991) No.8 p.738〜743 、同
じくp.744 〜748 、同じく p.733〜737 など参照)。し
かし、これらの成分は、焼成条件にもよるが、一部また
は大部分が焼結体中に、すなわち、AlNの粒内や粒界、
あるいは粒成長したAlNに囲まれた焼結体三重点に析出
物の形で残存し、焼結体の熱伝導率を低下させる。
については、焼結助剤としてY2O3、CaO 、YF3 、CaF2、
Al2O3 等の融液生成成分を利用することにより焼結温度
を1650〜1900℃程度まで低下させることが可能となって
おり、この方法による工業生産も行われつつある(例え
ば、「セラミックス」26(1991) No.8 p.738〜743 、同
じくp.744 〜748 、同じく p.733〜737 など参照)。し
かし、これらの成分は、焼成条件にもよるが、一部また
は大部分が焼結体中に、すなわち、AlNの粒内や粒界、
あるいは粒成長したAlNに囲まれた焼結体三重点に析出
物の形で残存し、焼結体の熱伝導率を低下させる。
【0006】図2はセラミックスの熱伝導率を低下させ
る要因を模式的に示した図である(「セラミックス」21
(1986) No.12、1130〜1135頁から引用) 。結晶の微構造
(粒界、クラック、気孔など)、不純物(固溶不純物、
粒内または粒界析出物など)、転位、格子欠陥などはい
ずれも熱伝導率を低下させる。焼結助剤も熱伝導特性の
観点からみれば不純物であって、一般に、焼結助剤の添
加量が少ないほど熱伝導率は高い。
る要因を模式的に示した図である(「セラミックス」21
(1986) No.12、1130〜1135頁から引用) 。結晶の微構造
(粒界、クラック、気孔など)、不純物(固溶不純物、
粒内または粒界析出物など)、転位、格子欠陥などはい
ずれも熱伝導率を低下させる。焼結助剤も熱伝導特性の
観点からみれば不純物であって、一般に、焼結助剤の添
加量が少ないほど熱伝導率は高い。
【0007】一方、超微粉末のAlNを用いることによる
焼結の低温化は、粉末の粒径が微細になるほど焼結温度
が低下するという粉体の特性を利用するもので、例え
ば、粒径が 0.1μm 以下の超微粉末を使用して焼結温度
を1400℃まで低下させたという報告がなされている
(「日本セラミックス協会」1991年会講演予稿集、1A
16(1991)16頁)。しかしながら、粒子径が小さくなるほ
ど粒子の単位重量当たりの表面付着力が大きくなるため
超微粒子は一般に充填性が不良で、充填の際偏析しやす
いという欠点があり、特に、テープ成形法においては顕
著である。従って、焼結時に不均一焼結となりやすく、
さらに、収縮率が極めて大きいため、AlN基板としたと
きの寸法精度を高めることが原理的に非常に困難であ
る。また、AlNを超微粉末とするためのコストは極めて
高く、工業的に利用しにくいという問題もある。
焼結の低温化は、粉末の粒径が微細になるほど焼結温度
が低下するという粉体の特性を利用するもので、例え
ば、粒径が 0.1μm 以下の超微粉末を使用して焼結温度
を1400℃まで低下させたという報告がなされている
(「日本セラミックス協会」1991年会講演予稿集、1A
16(1991)16頁)。しかしながら、粒子径が小さくなるほ
ど粒子の単位重量当たりの表面付着力が大きくなるため
超微粒子は一般に充填性が不良で、充填の際偏析しやす
いという欠点があり、特に、テープ成形法においては顕
著である。従って、焼結時に不均一焼結となりやすく、
さらに、収縮率が極めて大きいため、AlN基板としたと
きの寸法精度を高めることが原理的に非常に困難であ
る。また、AlNを超微粉末とするためのコストは極めて
高く、工業的に利用しにくいという問題もある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、AlN粉末を
焼結した後の熱伝導率の低下や、AlN粉末の充填性の不
良に起因する不均一焼結あるいは焼結体の寸法精度不良
などの問題を生じることなく、しかも、比較的低い温度
で焼結することにより製造することができるAlN基板を
提供することを目的とする。
焼結した後の熱伝導率の低下や、AlN粉末の充填性の不
良に起因する不均一焼結あるいは焼結体の寸法精度不良
などの問題を生じることなく、しかも、比較的低い温度
で焼結することにより製造することができるAlN基板を
提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、AlN粉末
の焼結温度を低下させるために、熱伝導性を劣化させる
Y2O3、CaO 、YF3 、CaF2、Al2O3 等の焼結助剤成分を使
用せず、AlNの超微粒子を利用する方法について検討を
重ねた。その結果、従来の利用法では超微粒子のみを使
用していたのに対して、比較的粒径の大きい粉末を核と
し、その表面に超微粒子を付着させて複合粒子化するこ
とにより、焼結温度を低下させ、しかも充填性にも優れ
た原料とすることが可能であることを見出した。
の焼結温度を低下させるために、熱伝導性を劣化させる
Y2O3、CaO 、YF3 、CaF2、Al2O3 等の焼結助剤成分を使
用せず、AlNの超微粒子を利用する方法について検討を
重ねた。その結果、従来の利用法では超微粒子のみを使
用していたのに対して、比較的粒径の大きい粉末を核と
し、その表面に超微粒子を付着させて複合粒子化するこ
とにより、焼結温度を低下させ、しかも充填性にも優れ
た原料とすることが可能であることを見出した。
【0010】この知見に基づく本発明の要旨は、『粒径
0.3〜10μm のAlN粉末を核粒子として、その表面が粒
径 0.1μm 以下のAlN超微粒子で被覆された被覆型複合
粒子の焼結体からなる熱伝導性に優れた低温焼結型AlN
基板』にある。
0.3〜10μm のAlN粉末を核粒子として、その表面が粒
径 0.1μm 以下のAlN超微粒子で被覆された被覆型複合
粒子の焼結体からなる熱伝導性に優れた低温焼結型AlN
基板』にある。
【0011】図1は、本発明の低温焼結型AlN基板を構
成する被覆型複合粒子を模式的に示す図である。この図
に示されるように、被覆型複合粒子はAlN核粒子(粒径
0.3〜10μm )の表面にAlN超微粒子(粒径 0.1μm 以
下)を付着させた複合粒子である。
成する被覆型複合粒子を模式的に示す図である。この図
に示されるように、被覆型複合粒子はAlN核粒子(粒径
0.3〜10μm )の表面にAlN超微粒子(粒径 0.1μm 以
下)を付着させた複合粒子である。
【0012】
【作用】以下に、本発明の低温焼結型AlN基板につい
て、詳細に説明する。
て、詳細に説明する。
【0013】先ず、基板を構成する焼結体が粒径 0.3〜
10μm のAlN粉末を核粒子としているのは、粉末の充填
性が粒径によって大きく変化し、超微粉末は、前述のよ
うに焼結性は良好であるが充填性が極めて低いからであ
る。
10μm のAlN粉末を核粒子としているのは、粉末の充填
性が粒径によって大きく変化し、超微粉末は、前述のよ
うに焼結性は良好であるが充填性が極めて低いからであ
る。
【0014】図3は、粒径の異なるAlN粉末を対象とし
て、充填性に及ぼす粒径の影響を調査した結果である。
なお、同図の縦軸の充填性(%)とは、下記(1) 式によ
り算出される数値である。
て、充填性に及ぼす粒径の影響を調査した結果である。
なお、同図の縦軸の充填性(%)とは、下記(1) 式によ
り算出される数値である。
【0015】 充填性(%)=(充填後のかさ密度/真の密度)×100 ・・・(1) この図に示された結果から、粉末の充填性を高めるため
には、粒径を 0.3μm 以上とすることが必要であること
がわかる。粒径が小さくなるにしたがって充填性が低下
するのは、粒子に働く付着力や静電気力などの外力と粒
径の関係を示す図4(神保著「粉体の科学」講談社(198
7)から引用)に示されるように、粒径が小さくなると、
粒子の重さ(重力)に対して付着力、静電気力等の粒子
相互間に働く外力が相対的に増加することによるものと
考えられる。
には、粒径を 0.3μm 以上とすることが必要であること
がわかる。粒径が小さくなるにしたがって充填性が低下
するのは、粒子に働く付着力や静電気力などの外力と粒
径の関係を示す図4(神保著「粉体の科学」講談社(198
7)から引用)に示されるように、粒径が小さくなると、
粒子の重さ(重力)に対して付着力、静電気力等の粒子
相互間に働く外力が相対的に増加することによるものと
考えられる。
【0016】また、図5は、AlN粉末についてその粒径
と焼結後の相対密度との関係を調べた結果を示す図であ
る。焼結後の相対密度が高いほど焼結性は良好である
が、この図に示されるように、粒径が増すにつれて焼結
性が低下し、粒径が10μm を超えると焼結温度を2000℃
としても、 1.5時間では焼結できなくなる。
と焼結後の相対密度との関係を調べた結果を示す図であ
る。焼結後の相対密度が高いほど焼結性は良好である
が、この図に示されるように、粒径が増すにつれて焼結
性が低下し、粒径が10μm を超えると焼結温度を2000℃
としても、 1.5時間では焼結できなくなる。
【0017】次に、上記の粒径を有するAlNの核粒子の
表面が 0.1μm 以下のAlNの超微粒子で被覆されている
ことを条件としているのは、このAlNの粒子を焼結する
際に粉末の充填性を良好に保ちながら焼結開始温度を低
下させるためである。
表面が 0.1μm 以下のAlNの超微粒子で被覆されている
ことを条件としているのは、このAlNの粒子を焼結する
際に粉末の充填性を良好に保ちながら焼結開始温度を低
下させるためである。
【0018】図6はAlN粉末の粒径が焼結開始温度に及
ぼす影響を示す図で、粒径が10μmの粉末の焼結開始温
度(T0 )を基準として、任意の粒径を有する粉末の焼
結開始温度Ti とT0 との比Ti /T0 を等焼結性温度
比として縦軸にとっている。
ぼす影響を示す図で、粒径が10μmの粉末の焼結開始温
度(T0 )を基準として、任意の粒径を有する粉末の焼
結開始温度Ti とT0 との比Ti /T0 を等焼結性温度
比として縦軸にとっている。
【0019】この図に示されるように、粒径が小さくな
るにしたがって焼結開始温度が低下しており、測定方法
(昇温速度一定、および加熱温度一定)の違いによる差
は認められない。
るにしたがって焼結開始温度が低下しており、測定方法
(昇温速度一定、および加熱温度一定)の違いによる差
は認められない。
【0020】上記のように、AlN粉末の粒径が小さいほ
ど焼結開始温度が低く、すなわち焼結性が良好である
が、粒径の小さい粉末、特に、粒径が 0.1μm 以下の超
微粉末のみでは充填性が不良で、緻密化焼結が困難なの
で、本発明の基板は、後述するように、粒径 0.3〜10μ
m のAlN粉末を核粒子とし、その表面が超微粉末で被覆
された複合粒子を原料として用いた焼結体で構成されて
いる。
ど焼結開始温度が低く、すなわち焼結性が良好である
が、粒径の小さい粉末、特に、粒径が 0.1μm 以下の超
微粉末のみでは充填性が不良で、緻密化焼結が困難なの
で、本発明の基板は、後述するように、粒径 0.3〜10μ
m のAlN粉末を核粒子とし、その表面が超微粉末で被覆
された複合粒子を原料として用いた焼結体で構成されて
いる。
【0021】図7はAlNの焼結性に及ぼす超微粉末の添
加量(核粒子と超微粉末の合計量に対する添加量)の影
響を示す図で、粒径が 0.6〜3μm の核粒子の表面を粒
径が0.05μm 以下の超微粉末で被覆し、1650℃で2時間
焼結した後の緻密化度により焼結性を評価した結果であ
る。超微粉末による被覆は、核粒子にバインダーに分散
させた超微粉末を所定量加えて通常の造粒の際に用いら
れる程度の混練条件で混合することにより行った。緻密
化度は比重測定により求めたもので、超微粉末の添加量
が18重量%の場合に最高値を示すので、これを 100とし
て表した。焼結後の緻密化度が大きいほど焼結性は良好
である。なお、図中の破線は核粒子に超微粉末をバイン
ダーを用いず単に機械的に混合した場合である。
加量(核粒子と超微粉末の合計量に対する添加量)の影
響を示す図で、粒径が 0.6〜3μm の核粒子の表面を粒
径が0.05μm 以下の超微粉末で被覆し、1650℃で2時間
焼結した後の緻密化度により焼結性を評価した結果であ
る。超微粉末による被覆は、核粒子にバインダーに分散
させた超微粉末を所定量加えて通常の造粒の際に用いら
れる程度の混練条件で混合することにより行った。緻密
化度は比重測定により求めたもので、超微粉末の添加量
が18重量%の場合に最高値を示すので、これを 100とし
て表した。焼結後の緻密化度が大きいほど焼結性は良好
である。なお、図中の破線は核粒子に超微粉末をバイン
ダーを用いず単に機械的に混合した場合である。
【0022】この図7に示されるように、超微粉末を添
加すると焼結後の緻密化度が急激に増大し、添加量を増
すにつれて緻密化度が大きくなる。特に好ましい添加量
の範囲は5〜30重量%である。このように核粒子の表面
が超微粒子で被覆された複合粒子を原料として用いれ
ば、充填性をあまり低下させることなく、焼結性を改善
することが可能である。なお、超微粉末を単に機械的に
混合しただけでは焼結性向上効果は認められないが、こ
れは、図8に示すように、添加された超微粉末が核粒子
の表面を被覆せず、局部に集まった状態となり、超微粉
末同志の焼結による造粒、粒径拡大現象が先に起こり、
超微粉末添加の効果が発揮されないことによるものと考
えられる。
加すると焼結後の緻密化度が急激に増大し、添加量を増
すにつれて緻密化度が大きくなる。特に好ましい添加量
の範囲は5〜30重量%である。このように核粒子の表面
が超微粒子で被覆された複合粒子を原料として用いれ
ば、充填性をあまり低下させることなく、焼結性を改善
することが可能である。なお、超微粉末を単に機械的に
混合しただけでは焼結性向上効果は認められないが、こ
れは、図8に示すように、添加された超微粉末が核粒子
の表面を被覆せず、局部に集まった状態となり、超微粉
末同志の焼結による造粒、粒径拡大現象が先に起こり、
超微粉末添加の効果が発揮されないことによるものと考
えられる。
【0023】核粒子としては粒径 0.3〜10μm のAlN粉
末を用いればよいのであるが、周知のように、二項分布
型の粒度分布を有する粉末を用いれば充填密度が向上す
るので、上記の粒径の範囲で、しかも二項分布型の粒度
分布を有する粉末を核粒子として用いると、図9に模式
的に示すように、充填密度が向上して焼結時の緻密化が
促進され、一層効果的である。
末を用いればよいのであるが、周知のように、二項分布
型の粒度分布を有する粉末を用いれば充填密度が向上す
るので、上記の粒径の範囲で、しかも二項分布型の粒度
分布を有する粉末を核粒子として用いると、図9に模式
的に示すように、充填密度が向上して焼結時の緻密化が
促進され、一層効果的である。
【0024】本発明のAlN基板は、例えば、核粒子とし
てのAlN粉末と予めバインダー中に分散させたAlN超微
粉末とを混合して核粒子の表面を超微粉末で被覆したも
のをAlN原料とし、これに、通常の方法に準じてバイン
ダー、可塑剤および溶剤を加えてテープ状に成形し、こ
のテープにWまたはMoを含むペーストを印刷した後、積
層して、高温でAlNとWまたはMoを同時焼成することに
より製造することができる。焼結温度は、焼結助剤を添
加する従来の方法におけると同様に1650℃程度で、低温
での焼結が可能である。しかも、このようにして得られ
たAlN基板は、次に述べる実施例に示すように、良好な
熱伝導性を有している。
てのAlN粉末と予めバインダー中に分散させたAlN超微
粉末とを混合して核粒子の表面を超微粉末で被覆したも
のをAlN原料とし、これに、通常の方法に準じてバイン
ダー、可塑剤および溶剤を加えてテープ状に成形し、こ
のテープにWまたはMoを含むペーストを印刷した後、積
層して、高温でAlNとWまたはMoを同時焼成することに
より製造することができる。焼結温度は、焼結助剤を添
加する従来の方法におけると同様に1650℃程度で、低温
での焼結が可能である。しかも、このようにして得られ
たAlN基板は、次に述べる実施例に示すように、良好な
熱伝導性を有している。
【0025】
【実施例】表1に示す粒径を有するAlNを核粒子および
超微粒子として用い、同じく表1に示す配合比率で両者
を配合し、さらに、バインダーとしてPVB、可塑剤と
してDBP、および溶剤(トルエン)を表2に示す割合
で添加し、スラリーとした。このスラリーを脱泡してド
クターブレード法でテープ化した後、60〜120 ℃で乾燥
してグリーンシートとした。なお、比較のため、表1に
示したAlN微粒子にCaO あるいは CaOとY203を添加した
もの(比較例1および2)についても同様の処理を行っ
た。
超微粒子として用い、同じく表1に示す配合比率で両者
を配合し、さらに、バインダーとしてPVB、可塑剤と
してDBP、および溶剤(トルエン)を表2に示す割合
で添加し、スラリーとした。このスラリーを脱泡してド
クターブレード法でテープ化した後、60〜120 ℃で乾燥
してグリーンシートとした。なお、比較のため、表1に
示したAlN微粒子にCaO あるいは CaOとY203を添加した
もの(比較例1および2)についても同様の処理を行っ
た。
【0026】上記のグリーンシートを表3に示す条件で
焼結し、得られたAlN基板について熱伝導特性を調査し
た。
焼結し、得られたAlN基板について熱伝導特性を調査し
た。
【0027】調査結果を表1に併せて示す。この結果か
ら明らかなように、本発明のAlN基板は比較例に比べて
熱伝導率が高く、特に、核粒子として粒径の大きいもの
(3〜6μm )のみでなく、比較的小さいもの( 0.5〜
1.0 μm )も同時に添加した二項分布型の粒度分布を有
するものを用いた本発明例1のAlN基板は極めて優れた
熱伝導特性を示した。
ら明らかなように、本発明のAlN基板は比較例に比べて
熱伝導率が高く、特に、核粒子として粒径の大きいもの
(3〜6μm )のみでなく、比較的小さいもの( 0.5〜
1.0 μm )も同時に添加した二項分布型の粒度分布を有
するものを用いた本発明例1のAlN基板は極めて優れた
熱伝導特性を示した。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】
【発明の効果】本発明のAlN基板は、熱伝導性に優れ、
しかも、比較的低い温度での焼結により製造され得る基
板であって、電子機器製品などに使用されるセラミック
スICパッケージや回路基板として好適である。
しかも、比較的低い温度での焼結により製造され得る基
板であって、電子機器製品などに使用されるセラミック
スICパッケージや回路基板として好適である。
【図1】本発明の低温焼結型AlN基板を構成する被覆型
複合粒子とその生成過程を模式的に示す図である。
複合粒子とその生成過程を模式的に示す図である。
【図2】セラミックスの熱伝導率を低下させる要因を模
式的に示す図である。
式的に示す図である。
【図3】粒子の充填性に及ぼす粒子径の影響を示す図で
ある。
ある。
【図4】粒子相互間に働く付着力、静電気力などの外力
と粒径の関係を示す図である。
と粒径の関係を示す図である。
【図5】AlN粉末の粒径と焼結後の相対密度の関係を示
す図である。
す図である。
【図6】AlN粉末の粒径が焼結開始温度に及ぼす影響を
示す図である。
示す図である。
【図7】AlN粉末の焼結性に及ぼす超微粉末の添加量の
影響を示す図である。
影響を示す図である。
【図8】核粒子の表面が被覆されない状態で超微粒子を
添加した場合の焼結後の状態を示す模式図である。
添加した場合の焼結後の状態を示す模式図である。
【図9】2項分布型の粒度分布を有する核粒子を用いた
場合の被覆型複合粒子の充填状態を示す模式図である。
場合の被覆型複合粒子の充填状態を示す模式図である。
Claims (1)
- 【請求項1】粒径 0.3〜10μm のAlN粉末を核粒子とし
て、その表面が粒径 0.1μm 以下のAlN超微粒子で被覆
された被覆型複合粒子の焼結体からなる熱伝導性に優れ
た低温焼結型AlN基板。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5050246A JPH06263542A (ja) | 1993-03-11 | 1993-03-11 | 熱伝導性に優れた低温焼結型AlN基板 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5050246A JPH06263542A (ja) | 1993-03-11 | 1993-03-11 | 熱伝導性に優れた低温焼結型AlN基板 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06263542A true JPH06263542A (ja) | 1994-09-20 |
Family
ID=12853637
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5050246A Pending JPH06263542A (ja) | 1993-03-11 | 1993-03-11 | 熱伝導性に優れた低温焼結型AlN基板 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06263542A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP5695780B1 (ja) * | 2014-07-09 | 2015-04-08 | 株式会社ジーエル・マテリアルズホールディングス | 高熱伝導性・電気絶縁性・低熱膨張性粉末及びそれを用いた放熱構造体、並びにその粉末の製造方法 |
| WO2019077793A1 (ja) * | 2017-10-18 | 2019-04-25 | 三菱電機株式会社 | 固定子コイルの絶縁被覆材およびそれを用いた回転機 |
-
1993
- 1993-03-11 JP JP5050246A patent/JPH06263542A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP5695780B1 (ja) * | 2014-07-09 | 2015-04-08 | 株式会社ジーエル・マテリアルズホールディングス | 高熱伝導性・電気絶縁性・低熱膨張性粉末及びそれを用いた放熱構造体、並びにその粉末の製造方法 |
| WO2019077793A1 (ja) * | 2017-10-18 | 2019-04-25 | 三菱電機株式会社 | 固定子コイルの絶縁被覆材およびそれを用いた回転機 |
| JPWO2019077793A1 (ja) * | 2017-10-18 | 2019-11-14 | 三菱電機株式会社 | 固定子コイルの絶縁被覆材およびそれを用いた回転機 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| TW396349B (en) | Window for protecting against radiation | |
| EP0196670A2 (en) | Ceramic substrates for microelectronic circuits and process for producing same | |
| JPH0881265A (ja) | 窒化アルミニウム焼結体、窒化アルミニウム焼結体の製造方法、回路基板および回路基板の製造方法 | |
| EP0080213A2 (en) | Highly heat-conductive ceramic material | |
| JPH06206772A (ja) | 窒化アルミニウム焼結体およびセラミック回路基板 | |
| JP3419291B2 (ja) | 低温焼結磁器組成物及びそれを用いた多層セラミック基板 | |
| US5250358A (en) | Palladium thick film resistor containing boron nitride | |
| US20040151925A1 (en) | Oxide ceramic material, ceramic substrate employing the same, ceramic laminate device, and power amplifier module | |
| JPH06263542A (ja) | 熱伝導性に優れた低温焼結型AlN基板 | |
| US5932326A (en) | Ceramic wiring boards and method for their manufacture | |
| JP3087656B2 (ja) | 低温焼結無機組成物 | |
| JPH0616477A (ja) | 半導体装置実装用低温焼結型磁器の製造方法 | |
| JPH0723252B2 (ja) | 低温焼結性低誘電率無機組成物 | |
| JPS6217076A (ja) | 窒化アルミニウム粉末組成物 | |
| CN109336577B (zh) | 一种陶瓷基板材料及其制备方法 | |
| JP2686446B2 (ja) | 低温焼成セラミック焼結体 | |
| JP7831559B2 (ja) | 窒化シリコン用グリーンシート、および、窒化シリコン基板 | |
| JP3037493B2 (ja) | スルーホールを有するセラミックス基板の製造方法 | |
| JP3369749B2 (ja) | 窒化アルミニウム製パッケージ | |
| JPH01298071A (ja) | 窒化アルミニウム焼結体の製造方法 | |
| JP3008548B2 (ja) | 低温焼成セラミック組成物 | |
| JPH0828126B2 (ja) | 複合基板及びその製造方法 | |
| JP3134437B2 (ja) | 多層基板用低温焼結磁器組成物 | |
| JPH06227858A (ja) | セラミックス基板 | |
| JPS62275069A (ja) | AlN系セラミツクスの製造方法 |