JPH0627025B2 - ヒドロキシアパタイト濾過ケーキ乾燥体 - Google Patents

ヒドロキシアパタイト濾過ケーキ乾燥体

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JPH0627025B2
JPH0627025B2 JP3016622A JP1662291A JPH0627025B2 JP H0627025 B2 JPH0627025 B2 JP H0627025B2 JP 3016622 A JP3016622 A JP 3016622A JP 1662291 A JP1662291 A JP 1662291A JP H0627025 B2 JPH0627025 B2 JP H0627025B2
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hydroxyapatite
porcelain
filter cake
dried
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寛 永井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、未焼成なヒドロキシアパタイト
濾過ケーキ乾燥体に関する。詳しくは、焼成することに
より高密度、高純度且つ熱安定性に優れた白色又は半透
明なヒドロキシアパタイト陶材が得られるヒドロキシア
パタイト濾過ケーキ乾燥体に関する。
【0002】ヒドロキシアパタイトは、Ca10(P
4 6 (OH)2 又はCa5 (PO4 3 (OH)で
示される生体硬組織である骨及び歯等の無機質構成成分
のひとつである。合成ヒドロキシアパタイトの焼結体
(以下、ヒドロキシアパタイト陶材と称す)は、生体に
酷似した人工歯根又は人工骨等のインプラント素材とし
て使用され得るとして公表されている[例えば、青木、
加藤著、セラミック 10(7),469 (1975)]ように、近年
とみに注目を集めている。
【0003】生体に使用する場合、合成したヒドロキシ
アパタイト陶材は、生体で生成されるヒドロキシアパタ
イトの焼結体と物性的に近似していることが好ましい。
即ち、このような生体用途におけるヒドロキシアパタイ
ト陶材は着色がなく、高密度であるとともに、高純度で
生体に対して安全であることが要求される。
【0004】ここで、安全に関する純度とは物理化学的
純度を意味する。即ち、該純度はヒドロキシアパタイト
の本質的構成元素Ca,P,O,H以外の元素をできる
だけ含まないこと、構成元素比Ca/Pがヒドロキシア
パタイトの理論値1.67に近いこと、物理構造がヒドロキ
シアパタイトの構造に近いこと等により決まる。
【0005】このうち、物理構造上の欠陥は、陶材自体
のX線回折により検出されるが、潜在的欠陥が検出でき
ない場合でも、更に試料を1350℃程度の高温で処理した
後には明瞭に検出されることがある。不純物として含ま
れやすいのは、元素比Ca/Pが低く物理構造に於いて
ヒドロキシアパタイトと異なり溶解性の高いウイトロッ
ク石である。
【0006】何れにしても、これ等の不純物が含まれた
り構造欠陥があると、陶材が着色したり使用中に生体内
に溶出したりする。この溶出により生体組織との置換が
促進されることもあるが、溶出により局部的に電解質バ
ランスが崩れたり溶出物自体による有害作用等により安
全上生体に好ましくない影響を与え得る。
【0007】従って、ヒドロキシアパタイト陶材として
は無色、高密度であるとともに高純度であることが強く
望まれ、その工業的な製造法の提供は極めて重要であ
る。しかし乍ら、以下に示すように、これ等の要求を満
たすヒドロキシアパタイト陶材は未だ得られていないの
が現状である。
【0008】ヒドロキシアパタイトの合成法はこれまで
にもいくつか提案されている。例えばR. W. Mooneyら,
Chem. Rev.,61, 433(1961)、金沢等,化学の領域,27,
622(1973)等である。しかし乍ら、該ヒドロキシアパタ
イトを焼成してなるヒドロキシアパタイト陶材の製法ま
で検討したものは少ない。その中にあって、Monreoは合
成ヒドロキシアパタイトの粉末を圧縮成形し、次いで常
圧下、1300℃の温度で焼成してヒドロキシアパタイト陶
材を得たと報告している[J. Dent. Res.,50,860 (197
1)]。しかし乍ら、該ヒドロキシアパタイト陶材は30%
ものウイトロック石(α‐トリリン酸カルシウム)を含
み、高純度のヒドロキシアパタイト陶材とは言い難い。
高純度のヒドロキシアパタイト陶材が得られない理由と
しては、用いたヒドロキシアパタイトが化学量論的組成
を有していないか或いは構造欠陥を有しているため、焼
成時に異種構造であるウイトロック石を副生したものと
考えられる。
【0009】また、化学量論的組成のヒドロキシアパタ
イトを合成し、次いで該ヒドロキシアパタイトを焼成す
る試みもなされている。しかし乍ら、従来の合成法によ
って得られるヒドロキシアパタイトは純度或いはそれ自
体の結晶構造、結晶粒子の形態の問題から焼結性及び熱
安定性が悪く、従って熱的に安定で且つ高密度、高純度
の陶材を得るに至っていない。例えば、特開昭52-64199
は、通常の合成法によって得られる化学量論的組成を有
するヒドロキシアパタイト陶材前駆体の焼結性の不足を
改善するためにMgO等の異種金属化合物を添加するこ
とを提案している。しかし乍ら、上記方法は積極的に異
種元素を焼結性改善のため導入することを根底とするも
ので、後述する如く本発明とは思想を異にする。
【0010】一方、M. Jarcho が提案したヒドロキアパ
タイトの合成方法は下記の反応を利用している。
【0011】 5Ca(NO3 2 +3(NH4 2 HPO4 +4NH3 +H2 O → Ca5 (OH)(PO4 3 +10NH4 NO3 即ち、反応系内の pHをアンモニアで10〜12に調整しな
がら硝酸カルシウムとリン酸水素二アンモニウムを反応
させる方法によりヒドロキシアパタイトを合成し、更に
該ヒドロキシアパタイトの濾過ケーキ状物を1100〜1200
℃の温度で焼成して約 0.2〜3 μmの平均結晶サイズ、
密度3.10〜3.14g/cm3 を有するヒドロキシアパタイト
陶材を得ることを報告している[特開昭51-40400、特開
昭52-94309;J. Material Sci., 11, 2027(1976)]。し
かし乍ら、該文献には、1250℃以上で1時間以上焼成し
た場合前記のヒドロキシアパタイト陶材は一部分解して
ウイトロック石を副生することが開示されている。即
ち、該方法によって得られるヒドロキシアパタイト陶材
は未だ構造的に不安定な要素を含み、本質的に構造欠陥
を有し、熱安定性の乏しいものである。また、該方法は
硝酸アンモニウムを副生するという難点を有する。
【0012】更に、ヒドロキシアパタイトの別の合成方
法として、水酸化カルシウムとリン酸の下記反応 5Ca(OH)2 +3H3 PO4 →Ca5 (PO4 3
(OH)+9H2 O を利用した合成方法も提案されている。該反応は、(1)
出発原料が異種元素を含んでいないこと、(2) 反応副生
物が水のみであること故に、化学量論的組成のヒドロキ
シアパタイトの工業的製造法への展開が期待されるもの
である。しかし乍ら、Mooney[Chem. Rev., 61, 433 (1
961)]は、該反応では化学量論的組成(Ca/P理論値
=1.67)のヒドロキシアパタイトを得るのが困難であ
り、元素比Ca/P=1.50(トリリン酸カルシウムに相
当する)のヒドロキシアパタイトが得られるに過ぎない
と指摘している。
【0013】他方、R. Wallaeys [Ann. Chim.(Paris)
,7 ,808 (1952)]は該反応を完全に進行させる為に
反応完結後に煮沸したり、或いは煮沸状態でフェノール
フタレン中和点まで反応を進める等の方法でCa/P=
1.61〜1.67のヒドロキシアパタイトを得ている。しかし
乍ら、Wallaeysの方法を追試した結果、該方法によって
得られるヒドロキシアパタイトの濾過ケーキの乾燥体は
焼結性に劣り、この為高温下で直接圧力をかけ焼成する
ホットプレス法によっても3.11g/cm3 程度の密度を有
する陶材しか得られず、しかも焼結時に着色(ブルー)
するものであった。着色の原因については明らかでない
が、微量の不純物の存在の他に陶材としての構造欠陥も
考えられる。依って、Wallaeysの方法では本発明の目的
を達成し得ないことが明らかとなった。
【0014】以上の如く、公知のヒドロキシアパタイト
陶材は、合成ヒドロキシアパタイトの焼結性の改善のた
め異種元素を包含するものであったり、熱安定性に劣る
構造欠陥を有するものであったり、更に焼結時に着色す
る等の特性上或いは構造上の問題を残すものである。換
言すれば、上記問題を解決し、生体への応用に適する高
純度、高密度且つ熱安定性の優れたヒドロキシアパタイ
ト陶材は未だ完成されていないのが現状である。
【0015】本発明者らはこの様な実情に鑑み、焼結性
或いは熱安定性と合成ヒドロキシアパタイトの結晶形
態、構造等の関係について鋭意研究の結果、特定の性状
を有する化学量論的組成の合成ヒドロキシアパタイトの
濾過ケーキの乾燥体を焼成することによって高純度、高
強度で且つ構造欠陥を有せず、しかも1350℃で1時間焼
成してもウイトロック石を分解生成することのない熱安
定性に優れた無色の陶材が得られることを見い出し、本
発明に到達したものである。
【0016】即ち、本発明では、多孔性微粒状の酸化カ
ルシウムを過剰の水と反応せしめてなる微粒子状水酸化
カルシウムの乳液とリン酸水溶液とを不活性雰囲気下で
反応させることにより、ヒドロキシアパタイトを得る。
こうして得られた未焼成なヒドロキシアパタイトは、 ・Ca/Pの分析値=1.67〜1.69 ・平均サイズ 長さ= 187〜1200オングストローム 巾 = 50〜320 オングストローム 長さ/巾=3.75〜10 の特性を有している。
【0017】該ヒドロキシアパタイトを含有する懸濁状
反応液を濾過し、水洗し、乾燥すると、下記特性 ・空 隙 量 = 0.2〜0.8 cm3 /g ・結晶間の平均細孔半径=50〜150 オングストローム を有するヒドロキシアパタイト濾過ケーキ乾燥体が得ら
れる。
【0018】上記ヒドロキシアパタイト濾過ケーキ乾燥
体を焼成すると、 ・元素比Ca/P=1.67〜1.69 ・断面の平均結晶サイズ= 4〜20μm ・密 度 =3.14〜3.16g/cm の特性値を有するヒドロキシアパタイト陶材が得られ
る。得られた該陶材が従来の合成ヒドロキシアパタイト
陶材と比較して大きな結晶サイズを有していることか
ら、結晶学的により高純度の原料から得られた陶材であ
ることが明らかである。更に、ヒドロキシアパタイトの
集合体である濾過ケーキ乾燥体を1350℃の温度で1
時間焼成してもヒドロキシアパタイトが分解して生成す
るウイトロック石が認められないことから、分解反応を
誘発する成分を保持していないこと及び熱安定性に優れ
ていることが明らかである。
【0019】以下、本発明を詳細に説明する。
【0020】本発明のヒドロキシアパタイト濾過ケーキ
乾燥体は、(a) 高純度の粉末状炭酸カルシウムを不活性
雰囲気下、 800〜1300℃で 0.5〜10時間熱分解して酸化
カルシウムに変換し、(b) 高温状態にある該酸化カルシ
ウムを少なくとも 500℃まで不活性雰囲気下で冷却し、
(c) 引続き冷却した酸化カルシウムと水とを高速攪拌し
ながら反応させて水酸化カルシウムに変換し、(d) 該水
酸化カルシウムの乳液状懸濁液とリン酸水溶液とを不活
性雰囲気下、 0〜50℃の温度で高速攪拌状態で反応さ
せ、濾過分離、乾燥することにより得られる。
【0021】本発明に関する多孔微粒状の酸化カルシウ
ムは、粉末の炭酸カルシウムを熱分解することにより得
られる。原料炭酸カルシウムとしては99.8%以上の高純
度で且つ微小質のものが好ましい。熱分解条件は不活性
雰囲気下、 800〜1300℃好ましくは 950〜1200℃の温度
で、 0.5〜10時間好ましくは 1〜5 時間である。炭酸カ
ルシウムは該条件下での熱分解により、炭酸ガスを脱離
し、極めて多孔性で反応性の高い酸化カルシウム微粉末
に変換される。この際、熱分解条件が緩やかであると生
成酸化カルシウム中に未分解の炭酸カルシウムが混在す
る。こうして混在した炭酸カルシウムは除去が困難であ
るばかりか、最終製品のヒドロキシアパタイト陶材の構
造欠陥、熱安定性の低下の一因となるので好ましくな
い。また、熱分解条件が強すぎると炭酸カルシウムの表
面が溶融して熱分解が不十分となり、水酸化カルシウム
乳液生成反応が遅れる。更に、熱分解後の冷却は、空気
中の炭酸ガスによる炭酸カルシウムの生成を防止するた
め、少なくとも 500℃好ましくは 200℃の温度まで不活
性雰囲気下で行う必要がある。
【0022】なお、不活性雰囲気とは炭酸ガス、アンモ
ニアの如く生成する酸化カルシウムや水酸化カルシウム
との二次反応を誘発する成分を含まない雰囲気を言う。
【0023】該不活性雰囲気を得る為に窒素、ヘリウ
ム、アルゴン等の不活性気体を熱分解反応系に吹込むこ
とにより、発生する炭酸ガスを有効的に逐次除去でき
る。
【0024】本発明に関する微粒子状水酸化カルシウム
乳液は前述の不活性雰囲気下、高速撹拌状態にある多量
の水中に前記の酸化カルシウムを添加することにより生
成し得る。酸化カルシム1重量部に対する水の量は特に
限定されないが、通常10〜100 重量部である。上記反応
は高速撹拌下に好ましくは低温、長時間行うことが好ま
しく、通常 0〜80℃好ましくは 0〜50℃の温度で、 0.5
〜96時間好ましくは 1〜24時間行うことが好ましい。
【0025】該反応の終結はX線回折分析から決定す
る。即ち、反応生成物の1部を取り出し、そのX線回折
チャートの酸化カルシウムのd200 の消失をもって反応
完結とする。
【0026】なお、本発明における乳液中の水酸化カル
シウムの平均粒子サイズは0.05〜0.1 μmであり、通常
の市販特級品の水酸化カルシウムを水に分散した場合に
得られる平均粒子サイズ1〜10μmよりはるかに微細な
ものである。
【0027】上記微粒子状の水酸化カルシウムの乳液は
後述する良焼結性ヒドロキシアパタイトを得るための重
要な要件である。
【0028】本発明のヒドロキシアパタイトは、不活性
雰囲気下、高速撹拌状態で前記微粒子状水酸化カルシウ
ム乳液にCa/P=1.67〜1.69に相当するリン酸水溶液
を添加反応させることにより懸濁状態で生成される。該
ヒドロキシアパタイトの製造に際し、水酸化カルシウム
の乳液生成反応完了後、引続き撹拌を続行し、その系内
へ直接リン酸水溶液を添加し、反応せしめることが好ま
しい。リン酸は通常1〜10 wt%の水溶液とし、滴下等の
方法で前記乳液に徐々に添加する。
【0029】なお、本明細書において高速撹拌とは反応
系内の液体が乱流の状態にあることを意味する。
【0030】反応温度は 0〜50℃である。反応温度が低
すぎると乳液の粘度が上昇するため均一な反応の遂行が
困難となり、逆に高すぎるとヒドロキシアパタイト濾過
ケーキ乾燥体の焼結性が損われる。即ち、該反応温度は
焼結性に関与する結晶サイズ或いは後述の易沈降性等に
対し極めて重要な因子である。反応時間は通常 0.5〜20
0 時間好ましくは 5〜100 時間である。該反応は反応系
内のpHが当初の高アルカリ性(pH=13程度)からpH 8〜
9 に低下して完結する。
【0031】反応系内のヒドロキシアパタイトは懸濁状
態を呈しているが、極めて沈降性にすぐれ容易に濾過分
離できる。該ヒドロキシアパタイトは顕微鏡観察による
と通常、長さ 187〜1200オングストローム、巾50〜320
オングストローム、長さ/巾=3.75〜10程度の平均結晶
サイズを有する。このような結晶サイズは、従来公知の
硝酸カルシウムとリン酸水素二アンモニウムとの反応で
得られる長さ 200オングストローム、巾 200オングスト
ローム程度の板状結晶とは明らかに異なる。本発明のヒ
ドロキシアパタイトの易沈降性はこうした結晶サイズ、
形態、更には結晶表面の電荷状態に起因するものと考え
得る。また、これらの因子が本発明の良好な焼結性を有
する濾過ケーキ乾燥体の形成に寄与するとも推察され
る。
【0032】本発明に関する濾過ケーキ乾燥体は前述の
製法によって合成されたヒドロキシアパタイトの濾過ケ
ーキを通常の乾燥により得ることができる。
【0033】本発明に関する濾過ケーキ乾燥体は下記特
性 ・元素比(Ca/P)=1.67〜1.69 ・結晶サイズ 長さ(L)=187 〜1200オングストロー
ム 巾(W) = 50 〜320 オングストローム L/W =3.75〜10 ・空隙量= 0.2〜0.8 cm3 /g、 ・平均細孔半径=50〜150 オングストローム を有する。該諸特性は後述のヒドロキシアパタイト陶材
の特性に影響を与える。
【0034】本発明に関する濾過ケーキ乾燥体は極めて
焼結性が良好であり、そのまま焼成することにより、後
述の如き優れた性質の陶材を得ることができる。
【0035】勿論、通常の方法、例えば金型、ラバー等
を用いて成形、次いで焼成或いは高温下で直接圧力をか
け、減圧下で焼成する方法も行い得る。
【0036】また、本発明に関する濾過ケーキ乾燥体を
加圧成形後、減圧下に焼成することにより、極めて透明
性の高い、高密度、高純度且つ熱安定性に優れた陶材を
得ることもできる。焼成条件は 850〜1400℃好ましくは
1250〜1400℃、 0.5〜5 時間好ましくは 1〜3 時間であ
る。焼結により、本発明のヒドロキシアパタイトの結晶
は大きく成長する。
【0037】本発明のヒドロキシアパタイト濾過ケーキ
乾燥体を焼成して得たヒドロキシアパタイト陶材は下記
特性 ・元素分析値Ca/P=1.67〜1.69 ・平均結晶サイズ=4〜20μm ・密 度 =3.14〜3.16g/cm3 ・熱 安 定 性=1350℃で1時間焼成してもウイトロ
ック石の生成が認められない。
【0038】を有し、公知のヒドロキシアパタイト陶材
が1200℃以上更には1300℃以上の苛酷な条件で焼成する
とウイトロック石の生成を来たすのに対し、本発明のヒ
ドロキシアパタイト濾過ケーキ乾燥体から得られた陶材
は1300℃以上の温度でも極めて安定であり、また結晶サ
イズが大きく、公知のヒドロキシアパタイト陶材とは明
らかに区別されるものである。
【0039】なお、前記陶材の特性中、熱安定性は1350
℃で1時間焼成して得られた陶材のX線回折測定により
確認した。
【0040】本発明のヒドロキシアパタイト濾過ケーキ
乾燥体から得られた陶材は、上記特性の他に構造欠陥の
ないためと推察できるが生体内での安定性に優れてい
る。
【0041】また、反応溶液から得られる未乾燥ヒドロ
キシアパタイト濾過ケーキを乾燥工程、焼成工程と連続
して行うことによりヒドロキシアパタイト陶材を製造す
ることも可能である。
【0042】上述した如く、本発明によれば、特定の水
酸化カルシウムとリン酸を緩和な条件下で反応せしめる
ことにより焼結性に優れた化学量論的なヒドロキシアパ
タイトを容易に得ることが可能であり、本発明の方法は
工業的な製法として極めて有効である。しかも、本発明
のヒドロキシアパタイト濾過ケーキ乾燥体から得られる
ヒドロキシアパタイト陶材は化学的・物理構造的に極め
て高純度故、生体に対して安定且つ安全であり、人工歯
根、人工骨等のインプラント材として有用である。
【0043】本発明のヒドロキシアパタイト濾過ケーキ
乾燥体を焼成して得たヒドロキシアパタイト陶材は、イ
ンプラント材特に人工歯根材としての実際の応用に際し
て以下の如き方法で生体に適用され得る。即ち、インプ
ラント義歯法は人工歯根を顎骨等に埋植後、 2〜3 ヶ月
後に該歯根上に義歯を結合させる方法であるが、その間
に人工歯根の位置ずれ、欠損或いは炎症等の不都合が生
じた場合には速やかに該歯根を修正除去する必要があ
る。この場合、人工歯根と顎骨等の天然骨との接着力が
あまりに強すぎると顎骨等を削って人工歯根を抜き取る
等の手段を講じなければならず、患者に対して苦痛を与
えたり、天然骨をいためることになる。
【0044】本発明のヒドロキシアパタイト濾過ケーキ
乾燥体から得られたヒドロキシアパタイト陶材を有機重
合性結合材或いは有機結合性重合物と組合せることによ
りインプラント材が提供される。
【0045】有機質結合材としては、長時間生体内に埋
植されるので樹脂の劣化、生体細胞の崩壊などのないこ
とが必要であり、ビスフェノールAジグリシジルメタク
リレート重合物、トリエチレングリコールジメタクリレ
ート重合物、トリフロロメタクリレート樹脂、シリコー
ン樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリ‐2-ヒドロキ
シエチルメタクリレート、ポリエチレン、ポリサルフォ
ン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ四弗
化エチレン、ポリ弗化ビニリデン、ポリカーボネート樹
脂より選ばれた1種もしくは2種以上の混合物又はこれ
らのポリマーを構成するモノマーの2種以上からなる共
重合物が好ましい。
【0046】上記インプラント材は成形加工性、取扱い
易さ、機械的強度等から、粒径1000μm以下、好ましく
は 100〜0.01μmのヒドロキシアパタイト陶材と有機質
結合材とを混合後、公知の方法により成形するか、又は
本発明のヒドロキシアパタイト濾過ケーキ乾燥体から得
られたヒドロキシアパタイト陶材を多孔性として有機質
結合材を含浸させて得られるが、ここで重要なことは骨
との接着面にあたる部分のヒドロキシアパタイト陶材相
と結合材相の面積比が 5/95〜70/30の範囲に成形加工
することにある。ヒドロキシアパタイト陶材相の表面占
有面積比が70%を越える場合には天然骨との接着が強固
となり、抜き取り時に天然骨の欠損を生じる。逆に、ヒ
ドロキシアパタイトの表面占有面積比が5%未満の場合
には排除されて好ましくない。人工歯根としての耐久
性、接着性を考慮すれば該表面面積比は10/90〜60/40
の範囲が好ましい。
【0047】なお、本明細書において適度な接着性と
は、埋植後排除されることがなく、また義歯の上部構造
を連結後は充分実用に耐える程度の接着力を有すると共
に不都合の生じた場合の抜き取りに際しては天然骨を折
ったり、欠損させることのない程度をさす。
【0048】その他、セルロース、コラーゲン等の有機
質との共存成形焼結体、穿孔による多孔体、多孔体に有
機レジンを含浸もしくは重合させた組成物、粉末陶材と
有機又は無機マトリックスとの複合体またはそれらの組
合せ等により生体材料として使用できる。
【0049】本発明のヒドロキシアパタイト及びその集
合体は前述の如く、焼成により陶材とする以外にクロマ
トグラフィー充填剤としても使用し得る。
【0050】以下、実施例により本発明を詳述する。
【0051】
【実施例】実施例 1 炭酸カルシウム粉末(キシダ化学株式会社製,試薬特
級) 600gを窒素ガス流(1l /分)雰囲気下の電気炉
内に入れ、 3℃/分の昇温速度で1000℃の温度まで昇温
し、3時間熱分解した。次いで、 200℃までは窒素ガス
流(1l /分)雰囲気下で冷却して酸化カルシウム 335
g(収率99.7%)を得た。得られた酸化カルシウムはX
線回折から炭酸カルシウムを含まないことが確認された
(EDTA法による純度99.8%)。また、この酸化カルシウ
ムは顕微鏡観察によると、原料炭酸カルシウム結晶その
ままの形態を保持し、多孔性であった。
【0052】撹拌機,ヒーター,コントローラー及び温
度計を装備した17 lの三ツ口ホーロー製タンクに脱気
した蒸溜水6l を入れ、撹拌(350 rpm)しながら窒素置
換した。このタンク内に前記酸化カルシウム 280g(5
モル)を10分間かけて徐々に添加した。添加後、窒素ガ
ス雰囲気下、50℃で 5時間、更に室温で15時間反応させ
て平均粒径 0.075μmの微小な水酸化カルシウムの乳液
を得た。
【0053】次に、上記水酸化カルシウム乳液を3000 r
pmで乱流状態に保ちながら撹拌し、この液に 3.5%リン
酸水溶液(3モル)を30分かけて徐々に添加した。添加
後、20℃の温度で48時間反応させた。該反応終了後、得
られた懸濁液を加圧濾過機で濾過、水洗し、次いで 150
℃の温度で16時間乾燥してヒドロキシアパタイト濾過ケ
ーキ乾燥体 497g(試料番号−1)を得た。この濾過ケ
ーキ乾燥体は表1に示す特性を有していた。
【0054】実施例 2 水酸化カルシウムとリン酸水溶液との反応条件(20℃、
48時間)を40℃,24時間とした以外は実施例1と同様に
して、ヒドロキシアパタイト濾過ケーキ乾燥体(試料番
号−2)を得た。この濾過ケーキ乾燥体は表1に示す特
性を有していた。
【0055】比較例 1 試薬特級品の水酸化カルシウム粉末 5モルを脱気した蒸
溜水6l に分散させて分散液を得た。この分散液を実施
例1で用いたホーロー製タンクに入れ、窒素置換しつつ
3000 rpmの撹拌状態で 3.5%リン酸水溶液 3モルを徐々
に添加した。次いで70℃で24時間反応させ、以下実施例
1と同様にして濾過ケーキ乾燥体(試料番号−3)を得
た。この濾過ケーキ乾燥体は表1に示す特性を有してい
た。
【0056】比較例 2 リン酸水素二アンモニウムと硝酸カルシウムの反応によ
る公知方法により得られる濾過ケーキ乾燥体(試料番号
−4)は表1に示す特性を有していた。
【0057】リン酸水素二アンモニウムと硝酸カルシウ
ムの反応は以下の通りであった。
【0058】リン酸水素二アンモニウム 160gを3l の
蒸溜水に溶解し、28%アンモニア水溶液1700mlを加えて
pHを11〜12に調整した。更に、蒸留水を加えて沈澱リン
酸水素二アンモウムを溶解した。次に60mlの濃アンモニ
ア溶液を用いてpHを12に調整した1800mlの蒸溜水に 477
gの硝酸カルシウムを溶解させた20℃の溶液に、高速撹
拌下で前記リン酸水素二アンモニウム溶液を30分かけて
滴下し、次いで全量が7.0 l になるまで蒸溜水で希釈し
た。更に、この希釈液を10分間煮沸後、室温で20時間放
置した。生成したゼラチン状物をブフナー漏斗を用い弱
い真空下で濾過分離、水洗し、更に濾過ケーキに亀裂が
生じた時にラバーダムを用い真空度を高めた。2時間後
にラバーダムを除き濾過ケーキを得た。この濾過ケーキ
を 150℃で15時間乾燥して 197gの濾過ケーキ乾燥体を
得た。
【0059】比較例 3 水酸化カルシウムとリン酸水溶液との反応条件(20℃、
48時間)を60℃,24時間とした以外は実施例1と同様に
して、ヒドロキシアパタイト濾過ケーキ乾燥体(試料番
号−5)を得た。この濾過ケーキ乾燥体は表1に示す特
性を有していた。
【0060】
【表1】
【0061】実施例 3 実施例1で得られた出発試料番号1と比較例2で得られ
た出発試料番号4の各濾過ケーキ乾燥体の焼結性試験を
行った。焼結性試験は、各々20gの濾過ケーキ乾燥体を
1200℃、1250℃、1300℃及び1350℃の温度で1時間焼成
したときの焼結体中のウイトロック石の存在量(%)を
X線回折によって調べたものである。その結果を表2に
示す。
【0062】
【表2】
【0063】参考例 1 実施例1,2及び比較例1,2,3で得られたヒドロキ
シアパタイト濾過ケーキ乾燥体20gを出発試料とし、こ
れらを電気炉内に入れ昇温速度3℃/分で1350℃まで昇
温し、1時間焼成して陶材を得た。得られた陶材の特性
を表3に示した。
【0064】
【表3】
【0065】以上の結果から、本発明のヒドロキシアパ
タイト濾過ケーキ乾燥体から得られた陶材は公知の陶材
と明らかに異なるものであることが判明した。
【0066】参考例 2 実施例1で得られた濾過ケーキ乾燥体(出発試料番号
1)20gを10-2mmHgの減圧下、1250℃で1時間焼成し、
次いで 200℃の温度までは減圧下で冷却し陶材を得た。
この陶材は理論密度3.16g/cm3 の値を持つ無色透明な
ものであった。
【0067】参考例 3 参考例1における出発試料番号1より得られた陶材を破
砕した 200メッシュパスの粉末とビスフェノール‐Aジ
グリシジルメタクリレート/メチルメタクリレート(重
量比 6/4)とを体積比(比重より求めた実質体積比を意
味する)で1:1に混合し、更に重合開始剤として過酸
化ベンゾイルを0.05重量%添加後、撹拌機で均一混合し
た。次いで、該均一混合物を内径5mmのガラス管に入
れ、脱泡後、80℃の温度で2時間重合反応を行い、ヒド
ロキシアパタイト組成物を得た。この組成物を直径 3.5
mm、長さ10mmの円筒状に切削加工し、抜歯直後にドリル
で孔をあけた成犬の顎骨に埋植した。その結果、埋植3
ヶ月を経た後でも排除されなかった。また埋植6ヶ月後
に成犬の顎骨を切り離し光学顕微鏡、X線撮影で検査し
たところ、埋植部は正常に治癒されており、新しい骨組
織が埋植組成物と顎骨との間隙に生成していることが認
められた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 38/00 303 Z

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 元素比Ca/P=1.67〜1.69、平均結晶
    サイズ 長さ= 187〜1200オングストローム、巾=50〜
    320 オングストローム、長さ/巾=3.75〜10のヒドロキ
    シアパタイトから形成され、空隙量が 0.2〜0.8 cm3
    gであり且つヒドロキシアパタイト間の平均細孔半径が
    50〜150 オングストロームであり、1350℃の温度で1時
    間焼成してもウイトロック石の生成が認められないこと
    を特徴とするヒドロキシアパタイト濾過ケーキ乾燥体。
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