JPH06275650A - 電界効果トランジスタの製造方法 - Google Patents

電界効果トランジスタの製造方法

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JPH06275650A
JPH06275650A JP5085798A JP8579893A JPH06275650A JP H06275650 A JPH06275650 A JP H06275650A JP 5085798 A JP5085798 A JP 5085798A JP 8579893 A JP8579893 A JP 8579893A JP H06275650 A JPH06275650 A JP H06275650A
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直樹 佐野
Masateru Hara
昌輝 原
Atsushi Kono
淳 香野
Toshiyuki Samejima
俊之 鮫島
Mitsunobu Sekiya
光信 関谷
Yasuhiro Kanetani
康弘 金谷
Michihisa Yano
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 nチャネルFETの意図しないディプリーシ
ョン型化による不良やpチャネルFETのしきい値電圧
が負に大きくずれる不良を防止する。 【構成】 nチャネルTFTのゲート絶縁膜6を形成し
た後に、酸素雰囲気中またはオゾン雰囲気中において1
0〜600℃の温度で10秒間以上アニールを行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電界効果トランジス
タの製造方法に関し、特に、薄膜トランジスタ(TF
T)の製造に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】TFTは例えばアクティブ・マトリクス
型の液晶ディスプレイにおける画素スイッチング素子な
どに用いられており、より高性能のものを得るべく研究
開発が活発に行われている。近年、安価なガラス基板の
使用を可能とすることなどを目的として、このTFTの
製造プロセスの低温化が進められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、nチャ
ネルTFTを600℃以下の低温プロセスで製造する場
合には、低温では良質のゲート絶縁膜(SiO2 ) を作
製するのが困難であることから、能動層(活性層)とし
て不純物ドーピングを行っていない真性(i型)の半導
体薄膜を形成しているにもかかわらず、MISダイオー
ドのフラットバンド電圧が大きく負にずれて、本来なら
ばエンハンスメント型であるトランジスタ動作がディプ
リーション型になってしまうという不良が頻繁に発生す
る。また、pチャネルTFTの場合には、しきい値電圧
Vthが負に大きくずれて、負のゲート電圧を印加しても
ターンオンしにくくなってしまうという不良が生じやす
くなる。これらの不良はいずれも、ゲート絶縁膜中の欠
陥や不純物に起因する正電荷が原因であると考えられる
が、通常行われている水素化などの処理法では解決され
ていない。
【0004】従って、この発明の目的は、ゲート絶縁膜
中の欠陥や不純物に起因する正電荷を中性化することに
より、nチャネルTFTなどのnチャネル電界効果トラ
ンジスタの意図しないディプリーション型化による不良
やpチャネルTFTなどのpチャネル電界効果トランジ
スタのしきい値電圧Vthが負に大きくずれる不良を防止
することができる電界効果トランジスタの製造方法を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】すでに述べたように、低
温プロセスで製造した場合にnチャネルTFTがディプ
リーション型化する不良やpチャネルTFTのしきい値
電圧Vthが負に大きくずれる不良はいずれも、ゲート絶
縁膜中の欠陥や不純物に起因する正電荷によるものと考
えられる。この不良の原因はnチャネルTFTおよびp
チャネルTFTとも同じであるので、以下においてはn
チャネルTFTについて説明する。
【0006】ゲート絶縁膜中の正電荷は、イオン化しや
すいNaなどのアルカリ金属その他の不純物が陽イオン
となったもの、水素原子あるいは水素分子がH+ やH2
+ として働くもの、SiO2 中の電気陰性度の高い酸素
原子が欠落してそれによる空孔VO+ が正に弱帯電して
安定化するために生ずるものなどであることが一般的に
知られている。
【0007】本発明者は、酸化性の強い酸素原子が固体
中で負に帯電して安定化しやすい性質を持つことに注目
し、その性質を利用することにより、TFTのチャネル
部に正電圧を印加する原因となっている上記のSiO2
中の正電荷を中性化(不動態化)させる反応を引き起こ
すことができることを見出した。すなわち、模式的には 2Na+ +O- →Na2 O (1) H2 + +O- →H2 O (2) VO+ (SiO)+O- →SiO2 (3) などと書かれる反応を引き起こすことによって、ゲート
絶縁膜中の正電荷を中性化することができる。これによ
って、MISダイオードのフラットバンド電圧は0Vに
近づき、nチャネルTFTの動作はディプリーション型
からエンハンスメント型に変わってゆく。
【0008】特に、(3)式のように酸素空孔VO+ に
対する作用である場合は、明らかにゲート絶縁膜の膜質
改善効果があり、これが素子特性改善につながる。
【0009】ゲート絶縁膜中の正電荷の中性化に酸化性
雰囲気が効果的であることは、次の実験結果からも明ら
かである。すなわち、図14は製造直後のnチャネルT
FTのドレイン電流(ID )−ゲート電圧(VG )特性
の測定結果を示し、図15はこのnチャネルTFTに対
して真空中において300℃で1時間アニールを行った
後のID −VG 特性の測定結果を示し、図16はその後
にさらに300℃で1時間水素プラズマ処理を行った後
のID −VG 特性の測定結果を示す。ただし、これらの
ID −VG 特性の測定に当たってはドレイン電圧VD =
5Vとした(以下同様)。また、このnチャネルTFT
の能動層は多結晶Si薄膜により形成した。図14に示
すように、アニールを行う前のnチャネルTFTはディ
プリーション型であるが、図15からわかるように、こ
のディプリーション型特性の改善は真空中アニールでは
あまり効果がない。また、図16からわかるように、水
素の還元性雰囲気中アニールではかえってディプリーシ
ョン型化の度合いが大きくなってしまう。
【0010】以上のようなゲート絶縁膜中の正電荷の中
性化の効果は、酸素の代わりに、やはり酸化性が高いオ
ゾン、さらにはフッ素のようなハロゲンガスを用いても
得ることができる。また、ゲート絶縁膜がSiO2 膜で
ある場合ばかりでなく、ゲート絶縁膜が例えばSiNx
膜やSiON膜、さらにはこれらの積層膜超格子であっ
ても、同様の効果を得ることができる。
【0011】この発明は、本発明者による上記検討に基
づいて案出されたものである。
【0012】すなわち、上記目的を達成するために、こ
の発明の第1の発明による電界効果トランジスタの製造
方法は、ゲート絶縁膜(6)を形成した後に酸化性雰囲
気中で10秒間以上熱処理を行う工程を含むことを特徴
とするものである。
【0013】この発明の第2の発明による電界効果トラ
ンジスタの製造方法は、この発明の第1の発明による電
界効果トランジスタの製造方法において、酸化性雰囲気
は酸素を含む雰囲気であることを特徴とするものであ
る。
【0014】この発明の第3の発明による電界効果トラ
ンジスタの製造方法は、この発明の第2の発明による電
界効果トランジスタの製造方法において、酸素を含む雰
囲気は大気であることを特徴とするものである。
【0015】この発明の第4の発明による電界効果トラ
ンジスタの製造方法は、この発明の第1の発明による電
界効果トランジスタの製造方法において、酸化性雰囲気
はオゾンを含む雰囲気であることを特徴とするものであ
る。
【0016】この発明の第5の発明による電界効果トラ
ンジスタの製造方法は、この発明の第1の発明、第2の
発明、第3の発明または第4の発明による電界効果トラ
ンジスタの製造方法において、熱処理の温度は10℃以
上600℃以下であることを特徴とするものである。
【0017】
【作用】この発明の第1の発明による電界効果トランジ
スタの製造方法によれば、ゲート絶縁膜(6)を形成し
た後に酸化性雰囲気中で10秒間以上熱処理を行うよう
にしていることから、この酸化性雰囲気中での熱処理の
効果によりゲート絶縁膜(6)中の正電荷を中性化する
ことができる。これによって、nチャネルTFTなどの
nチャネル電界効果トランジスタの意図しないディプリ
ーション型化による不良やpチャネルTFTなどのpチ
ャネル電界効果トランジスタのしきい値電圧Vthが負に
大きくずれる不良を防止することができる。また、この
ようにnチャネルTFTなどのnチャネル電界効果トラ
ンジスタおよびpチャネルTFTなどのpチャネル電界
効果トランジスタの動作が一挙に改善されることによ
り、CMOS回路を容易に作製することができる。
【0018】この発明の第2の発明による電界効果トラ
ンジスタの製造方法によれば、酸化性雰囲気が高い酸化
性を有する酸素を含む雰囲気であることにより、ゲート
絶縁膜中の正電荷の中性化を効果的に行うことができ、
これによってnチャネル電界効果トランジスタの意図し
ないディプリーション型化による不良やpチャネル電界
効果トランジスタのしきい値電圧Vthが負に大きくずれ
る不良を有効に防止することができる。
【0019】この発明の第3の発明による電界効果トラ
ンジスタの製造方法によれば、酸素を含む雰囲気が大気
であることにより、大気中に電界効果トランジスタを放
置するだけでゲート絶縁膜の中性化を行うことができ、
簡便である。
【0020】この発明の第4の発明による電界効果トラ
ンジスタの製造方法によれば、酸化性雰囲気が高い酸化
性を有するオゾンを含む雰囲気であることにより、ゲー
ト絶縁膜中の正電荷の中性化を効果的に行うことがで
き、これによってnチャネル電界効果トランジスタの意
図しないディプリーション型化による不良やpチャネル
電界効果トランジスタのしきい値電圧Vthが負に大きく
ずれる不良を有効に防止することができる。
【0021】この発明の第5の発明による電界効果トラ
ンジスタの製造方法によれば、熱処理の温度が10℃以
上600℃以下であることにより、ゲート絶縁膜中の正
電荷の中性化を効果的かつ効率的に行うことができると
ともに、電界効果トランジスタの製造工程の低温プロセ
ス化にも適合する。
【0022】
【実施例】以下、この発明の実施例について図面を参照
しながら説明する。
【0023】図1はこの発明の第1実施例によるnチャ
ネルTFTの製造方法を示す。
【0024】この第1実施例においては、まず、図1A
に示すように、例えばガラス基板のような基板1上に能
動層形成用のi型のSi薄膜2を例えば熱CVD法やプ
ラズマCVD法により形成した後、このi型のSi薄膜
2にn型不純物を選択的にドーピングしてi型領域2a
およびn+ 型領域2bを形成する。ここで、Si薄膜2
は、多結晶Si薄膜や水素化アモルファスSi(a−S
i:H)薄膜などである。
【0025】次に、図1Bに示すように、Si薄膜2を
所定形状にパターニングしてアイランド化する。図1B
中、符号3はi型のSi薄膜から成る能動層、4、5は
n+型のソース領域およびドレイン領域を示す。この
後、例えば熱CVD法やプラズマCVD法により600
℃以下の低温で例えばSiO2 膜から成るゲート絶縁膜
6を全面に形成する。
【0026】次に、図1Cに示すように、ゲート絶縁膜
6の所定部分をエッチング除去してコンタクトホールC
1 、C2 を形成した後、ゲート絶縁膜6上にゲート電極
7を形成するとともに、コンタクトホールC1 、C2 を
通じてそれぞれソース領域4およびドレイン領域5にコ
ンタクトするソース電極8およびドレイン電極9を形成
する。
【0027】次に、図1Dに示すように、必要に応じて
基板加熱を行いながら、酸素雰囲気中において10秒間
以上アニールを行う。この酸素雰囲気中アニールによっ
てゲート絶縁膜6中の正電荷が中性化され、後に詳述す
るような種々の効果が得られる。
【0028】次に、図1Eに示すように、例えば熱CV
D法やプラズマCVD法により600℃以下の低温で例
えばSiNx 膜から成る層間絶縁膜10を全面に形成し
た後、配線コンタクトのためのコンタクトホールの形成
を経て配線(図示せず)を形成し、目的とするnチャネ
ルTFTを完成させる。
【0029】上述の酸素雰囲気中アニールは、具体的に
は、酸素分圧が約2×104 Paである大気中で行って
もよいし、試料を入れたチャンバーに例えば105 Pa
以下の圧力に酸素を充填して行ってもよい。さらには、
例えば10ccmから10lm程度の流量の酸素気流に
試料を加熱しながら曝すことによりアニールを行っても
よい。
【0030】また、上述の酸素雰囲気中アニールの際の
基板加熱の方法は問わないが、例えば、基板サセプター
を抵抗型ヒーターで加熱しておく伝導型加熱でもよい
し、基板やサセプターが高誘電率材料から成るものであ
れば高周波誘導加熱でもよい。さらには、IR(赤外
線)ランプなどを用いる輻射型加熱でもよい。
【0031】さらに、上述の酸素雰囲気中アニールの際
の基板の加熱温度については、例えば酸素雰囲気が大気
である場合、室温(約20℃)においても酸化効果はあ
る。この室温での酸化効果は実験的に確認されている。
すなわち、図2はこの第1実施例において電極形成まで
行った直後のnチャネルTFTのID −VG 特性の測定
結果の一例を示し、図3はこのnチャネルTFTに対し
て大気中において室温で26日間エージングを行った後
のID −VG 特性の測定結果の一例を示す。ただし、こ
のnチャネルTFTの能動層3は多結晶Si薄膜により
形成した。図2および図3を比較すればわかるように、
電極形成直後のnチャネルTFTはディプリーション型
であったが、大気中において室温で26日間エージング
を行った後には、ディプリーション型からエンハンスメ
ント型に改善されている。すなわち、大気中に約1ヶ月
間放置するだけで、nチャネルTFTをディプリーショ
ン型からエンハンスメント型に改善することができる。
【0032】このように、上述の酸素雰囲気中アニール
は室温で行っても酸化効果を得ることができるが、実際
には短時間で酸化効果を得るのが望ましい。より短時間
でこの酸化効果を得るためには、アニールを600℃を
越えない範囲内の高温で行うのがよい。ただし、一般に
400℃以上の温度では、能動層3として用いられてい
るSi薄膜、例えばa−Si:H薄膜や多結晶Si薄膜
における未結合手(いわゆるダングリング・ボンド)を
終端している水素原子の脱離が起こり、素子特性上支障
をきたすおそれがある。この場合、再び水素化を行うこ
とにより特性を回復させることができるが、その分だけ
工程は増すことになる。従って、このような場合には、
アニール温度は400℃以下とするのが好ましい。
【0033】図4はこの第1実施例において電極形成ま
で行った、図2および図3にID −VG 特性を示したも
のとは別のnチャネルTFTのID −VG 特性の測定結
果の一例を示し、図5はこのnチャネルTFTに対して
大気中において300℃で20分間アニールを行った後
のID −VG 特性の測定結果の一例を示す。図4および
図5を比較すればわかるように、大気中において300
℃で20分間アニールを行った後には、電極形成直後と
比較してオフ電圧が0Vに近づくのみならず、オフ電流
の低下、オン電流の増大、さらにはキャリア移動度の増
大も起きる。さらに、いわゆるサブスレッショルド・ス
イング(subthreshold swing)値も低下しており、これ
よりゲート絶縁膜6と能動層3との界面、すなわちSi
O2 /Si界面における界面凖位密度が低下しており、
SiO2 /Si界面特性が向上していることがわかる。
これは、TFT集積回路の高速動作化にも寄与するもの
である。また、上述の酸素雰囲気中アニールは、ディプ
リーション型化の度合いがあまり大きくないnチャネル
TFTに対しては、しきい値電圧Vthの低下の効果もあ
る。さらにまた、図4および図5を比較すればわかるよ
うに、ゲートのリーク電流IG の抑制効果もあり、明ら
かにこの酸素雰囲気中アニールによるゲート絶縁膜6の
改質効果が認められており、膜質は向上している。この
ため、素子の高耐圧化および特性の安定化を図ることが
でき、ホットエレクトロンによる劣化の抑制効果も得る
ことができる。
【0034】図6および図7はこの第1実施例において
電極形成まで行った後に大気中において300℃でそれ
ぞれ1時間および2時間アニールを行ったnチャネルT
FTのID −VG 特性の測定結果の一例を示す。図6お
よび図7を例えば図4と比較すればわかるように、サブ
スレッショルド・スイング値、オフ電流およびしきい値
電圧Vthとも低下している。しきい値電圧Vthについて
は、アニールを行う前には5.75Vであったものが、
4.72Vに低下した。また、ゲート電圧VG=15V
でのドレイン電流ID は、アニールを行う前には0.9
83mAであったものが、アニールを行った後には1.
35mAに増大した。この結果、電子の移動度μは、ア
ニールを行う前には103cm2 /V・sであったもの
が、アニールを行った後には128cm2 /V・sに増
大した。これらの測定結果から、ゲート絶縁膜6を形成
した後の酸素雰囲気中アニールにより、ゲート絶縁膜6
と能動層3との界面、すなわちSiO2 /Si界面の界
面特性の向上を図ることができることがわかる。
【0035】図8および図9は同一ウエハー内の互いに
異なる三つの場所における三つのnチャネルTFTにつ
いてのID −VG 特性の測定結果の一例を示し、図8は
この第1実施例において電極形成まで行った直後の測定
結果、図9はこれらのnチャネルTFTに対して大気中
において300℃で20分間アニールを行った後の測定
結果である。図8および図9を比較すればわかるよう
に、酸素雰囲気中アニールを行う前には、ゲート絶縁膜
6を低温で形成したことによるSiO2 中の欠陥や不純
物の不均一分布のためにウエハー内で素子特性のばらつ
きがあるが、大気中において300℃で20分間アニー
ルを行った後には、SiO2 中の欠陥の低減によってウ
エハー内での素子特性のばらつきが低減されている。こ
れはTFTの集積化を容易にする効果をもたらす。
【0036】以上のように、この第1実施例によれば、
ゲート絶縁膜6を形成した後に酸素雰囲気中においてア
ニールを行っているので、ゲート絶縁膜6中の欠陥や不
純物に起因する正電荷を中性化することができ、これに
よって負側に寄ったフラットバンド電圧を0Vに近づ
け、ディプリーション型化したnチャネルTFTの動作
をエンハンスメント型に改善することができる。また、
ゲート絶縁膜6中に不均一に存在する欠陥や不純物に起
因する正電荷の中性化により、ウエハー内の素子特性の
ばらつきを小さくすることができ、それによってTFT
の集積化を容易に行うことができる。さらに、ゲート絶
縁膜6と能動層3との界面の界面特性の向上により、サ
ブスレッショルド・スイング値の低下、オン電流の増
大、オフ電流の低下およびしきい値電圧Vthの低下を図
ることができ、TFT集積回路の高速動作化を図ること
ができる。また、ゲート絶縁膜6の改質により絶縁特性
が向上することから、ゲートのリーク電流IG の低下、
素子の高耐圧化、ホットエレクトロンによる素子の劣化
を防止することができ、TFTの長寿命化および長期信
頼性の向上を図ることができる。さらにまた、酸素雰囲
気中アニール自体には、必ずしも真空装置を必要とせ
ず、従って短時間で大量処理が可能である。
【0037】次に、この発明の第2実施例によるnチャ
ネルTFTの製造方法について説明する。
【0038】この第2実施例によるnチャネルTFTの
製造方法は、ゲート絶縁膜6を形成した後に行うアニー
ルの雰囲気としてオゾン雰囲気を用いることを除いて、
上述の第1実施例によるnチャネルTFTの製造方法と
同様である。
【0039】このオゾン雰囲気中アニールは、具体的に
は、試料を入れたチャンバーに例えば105 Pa以下の
圧力にオゾンガスを充填して行ってもよいし、例えば1
0ccmから10lm程度の流量のオゾン気流に試料を
加熱しながら曝すことにより行ってもよい。また、基板
の加熱温度や基板加熱の方法は、上述の第1実施例と同
様である。
【0040】図10はこの第2実施例において電極形成
まで行った直後のnチャネルTFTのID −VG 特性の
測定結果の一例を示し、図11はこのnチャネルTFT
に対してオゾン雰囲気中において300℃で1時間アニ
ールを行った後のID −VG特性の測定結果の一例を示
す。図10および図11を比較すればわかるように、オ
ゾン雰囲気中において300℃で1時間アニールを行っ
た後には、オフ電圧が0Vに近づくのみならず、オフ電
流の低下も起きている。また、オン電流の増大やキャリ
ア移動度の増大も起きる。さらに、サブスレッショルド
・スイング値も低下し、これよりゲート絶縁膜6と能動
層3との界面、すなわちSiO2 /Si界面における界
面凖位密度が低下しており、SiO2 /Si界面特性が
向上していることがわかる。これは、TFT集積回路の
高速動作化にも寄与するものである。また、上述のオゾ
ン雰囲気中アニールは、ディプリーション型化の度合い
があまり大きくないnチャネルTFTに対しては、しき
い値電圧Vthの低下の効果もある。
【0041】図12および図13は同一ウエハー内の互
いに異なる三つの場所における三つのnチャネルTFT
についてのID −VG 特性の測定結果の一例を示し、図
12はこの第2実施例において電極形成まで行った直後
の測定結果、図13はこれらのnチャネルTFTに対し
てオゾン雰囲気中において300℃で1時間アニールを
行った後の測定結果である。図12および図13を比較
すればわかるように、電極形成直後では、ゲート絶縁膜
6を低温で形成したことによるSiO2 中の欠陥や不純
物の不均一分布のためにウエハー内で素子特性のばらつ
きがあるが、オゾン雰囲気中において300℃で1時間
アニールを行った後には、SiO2 中の欠陥の低減によ
ってウエハー内での素子特性のばらつきが低減されてい
る。
【0042】以上のように、この第2実施例によれば、
ゲート絶縁膜6を形成した後にオゾン雰囲気中において
アニールを行っているので、ゲート絶縁膜6中の欠陥や
不純物に起因する正電荷を中性化することができる。そ
して、これによって、第1実施例と同様に、ディプリー
ション型化したnチャネルTFTの動作のエンハンスメ
ント型への改善やnチャネルTFTの高性能化などを図
ることができる。
【0043】以上、この発明の実施例につき具体的に説
明したが、この発明は、上述の実施例に限定されるもの
ではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が
可能である。
【0044】例えば、上述の第1実施例および第2実施
例においては、ゲート電極7、ソース電極8およびドレ
イン電極9を形成した後に酸素雰囲気中アニールまたは
オゾン雰囲気中アニールを行っているが、例えば、ゲー
ト電極形成プロセスがゲート絶縁膜6の膜質に影響を及
ぼさなければ、ゲート絶縁膜6の形成後にこの酸素雰囲
気中アニールまたはオゾン雰囲気中アニールを行い、そ
の後にゲート電極7の形成を行うようにしてもよい。し
かしながら、例えばゲート電極7の材料としてA1を用
いる場合には、A1の還元作用のためにゲート絶縁膜6
に酸素空孔が生成されやすくなり、ディプリーション型
化してしまうことがあることから、ゲート電極形成前に
この酸素雰囲気中アニールまたはオゾン雰囲気中アニー
ルを行っても、ゲート絶縁膜6中の正電荷の中性化の効
果は少ない。従って、このような場合には、ゲート電極
形成後に酸素雰囲気中アニールまたはオゾン雰囲気中ア
ニールを行うのがよい。
【0045】また、層間絶縁膜10が、これを通してゲ
ート絶縁膜6に対して酸素雰囲気やオゾン雰囲気による
酸化効果があるものであれば、層間絶縁膜10の形成後
に酸素雰囲気中アニールまたはオゾン雰囲気中アニール
を行うようにしてもよい。
【0046】また、ゲート電極7を形成した後にこのゲ
ート電極7をマスクとしてSi薄膜中に不純物をイオン
注入することなどによってソース領域4およびドレイン
領域5を形成するセルフアラインプロセスを用いること
もできるが、この場合には、イオン注入後にこの酸素雰
囲気中アニールまたはオゾン雰囲気中アニールを行うよ
うにしてもよい。
【0047】さらに、上述の第1実施例および第2実施
例においては、基板1から見て能動層の上側にゲート電
極7があるトップゲート型のnチャネルTFTを製造す
る場合について説明したが、基板から見たゲート電極と
能動層との上下関係が逆になったボトムゲート型のnチ
ャネルTFTを製造する場合にもこの発明を適用するこ
とが可能である。この場合には、例えば、ゲート絶縁膜
形成後、能動層形成前に酸素雰囲気中アニールまたはオ
ゾン雰囲気中アニールを行うようにする。
【0048】また、この発明は、nチャネルTFTばか
りでなく、pチャネルTFTを製造する場合にも適用す
ることが可能である。また、この発明は、例えば、いわ
ゆるスタックト型CMOSスタティックRAMのCMO
S型メモリセルにおいて負荷素子として用いられるpチ
ャネルTFTの製造に適用することも可能である。さら
に、この発明は、バルク半導体を用いたMISFETの
製造に適用することも可能である。
【0049】また、上述の第1実施例および第2実施例
においては、Si薄膜を能動層として用いたTFTを製
造する場合について説明したが、能動層としては、Ge
薄膜やSiGe化合物薄膜やSiGe系超格子薄膜など
を用いてもよい。また、これらの薄膜は、単結晶状態、
多結晶状態、アモルファス状態のいずれであってもよ
い。
【0050】さらに、ゲート絶縁膜6としては、SiO
2 膜以外に、SiNx 膜やSiON膜やこれらの積層膜
超格子薄膜を用いてもよい。
【0051】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
ゲート絶縁膜を形成した後に酸化性雰囲気中で10秒間
以上熱処理を行う工程を含むことにより、ゲート絶縁膜
中の正電荷を中性化することができ、これによってnチ
ャネルTFTなどのnチャネル電界効果トランジスタの
意図しないディプリーション型化による不良やpチャネ
ルTFTなどのpチャネル電界効果トランジスタのしき
い値電圧Vthが負に大きくずれる不良を防止することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例によるnチャネルTFT
の製造方法を説明するための断面図である。
【図2】この発明の第1実施例において電極形成まで行
った直後のnチャネルTFTのID −VG 特性の測定結
果の一例を示すグラフである。
【図3】この発明の第1実施例において電極形成まで行
った後に大気中において室温で26日間エージングを行
ったnチャネルTFTのID −VG 特性の測定結果の一
例を示すグラフである。
【図4】この発明の第1実施例において電極形成まで行
った直後のnチャネルTFTのID −VG 特性の測定結
果の一例を示すグラフである。
【図5】この発明の第1実施例において電極形成まで行
った後に大気中において300℃で20分間アニールを
行ったnチャネルTFTのID −VG 特性の測定結果の
一例を示すグラフである。
【図6】この発明の第1実施例において電極形成まで行
った後に大気中において300℃で1時間アニールを行
ったnチャネルTFTのID −VG 特性の測定結果の一
例を示すグラフである。
【図7】この発明の第1実施例において電極形成まで行
った後に大気中において300℃で2時間アニールを行
ったnチャネルTFTのID −VG 特性の測定結果の一
例を示すグラフである。
【図8】この発明の第1実施例において電極形成まで行
った直後のnチャネルTFTのID −VG 特性の測定を
同一ウエハー内の互いに異なる三つの場所の三つのnチ
ャネルTFTについて行った結果の一例を示すグラフで
ある。
【図9】この発明の第1実施例において電極形成まで行
った後に大気中において300℃で20分間アニールを
行ったnチャネルTFTのID −VG 特性の測定を同一
ウエハー内の互いに異なる三つの場所の三つのnチャネ
ルTFTについて行った結果の一例を示すグラフであ
る。
【図10】この発明の第2実施例において電極形成まで
行った直後のnチャネルTFTのID −VG 特性の測定
結果の一例を示すグラフである。
【図11】この発明の第2実施例において電極形成まで
行った後にオゾン雰囲気中において300℃で1時間ア
ニールを行ったnチャネルTFTのID −VG 特性の測
定結果の一例を示すグラフである。
【図12】この発明の第2実施例において電極形成まで
行った直後のnチャネルTFTのID −VG 特性の測定
を同一ウエハー内の互いに異なる三つの場所の三つのn
チャネルTFTについて行った結果の一例を示すグラフ
である。
【図13】この発明の第2実施例において電極形成まで
行った後にオゾン雰囲気中において300℃で1時間ア
ニールを行ったnチャネルTFTのID −VG 特性の測
定を同一ウエハー内の互いに異なる三つの場所のnチャ
ネルTFTについて行った結果の一例を示すグラフであ
る。
【図14】従来の製造方法による製造直後のnチャネル
TFTのID −VG 特性の測定結果の一例を示すグラフ
である。
【図15】従来の製造方法による製造直後に真空中にお
いて300℃で1時間アニールを行ったnチャネルTF
TのID −VG 特性の測定結果の一例を示すグラフであ
る。
【図16】従来の製造方法による製造後に真空中におい
て300℃で1時間アニールを行い、さらに300℃で
1時間水素プラズマ処理を行ったnチャネルTFTのI
D−VG 特性の測定結果の一例を示すグラフである。
【符号の説明】
1 基板 2 Si薄膜 3 能動層 4 ソース領域 5 ドレイン領域 6 ゲート絶縁膜 7 ゲート電極 10 層間絶縁膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 27/10 371 7210−4M 9056−4M H01L 29/78 311 G (72)発明者 鮫島 俊之 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 関谷 光信 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 金谷 康弘 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 矢野 三千久 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゲート絶縁膜を形成した後に酸化性雰囲
    気中で10秒間以上熱処理を行う工程を含むことを特徴
    とする電界効果トランジスタの製造方法。
  2. 【請求項2】 上記酸化性雰囲気は酸素を含む雰囲気で
    あることを特徴とする請求項1記載の電界効果トランジ
    スタの製造方法。
  3. 【請求項3】 上記酸素を含む雰囲気は大気であること
    を特徴とする請求項2記載の電界効果トランジスタの製
    造方法。
  4. 【請求項4】 上記酸化性雰囲気はオゾンを含む雰囲気
    であることを特徴とする請求項1記載の電界効果トラン
    ジスタの製造方法。
  5. 【請求項5】 上記熱処理の温度は10℃以上600℃
    以下であることを特徴とする請求項1、2、3または4
    記載の電界効果トランジスタの製造方法。
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