JPH06279817A - 硫黄含有スラグから抽出した還元・中和用硫黄含有水溶液 - Google Patents

硫黄含有スラグから抽出した還元・中和用硫黄含有水溶液

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JPH06279817A
JPH06279817A JP6784193A JP6784193A JPH06279817A JP H06279817 A JPH06279817 A JP H06279817A JP 6784193 A JP6784193 A JP 6784193A JP 6784193 A JP6784193 A JP 6784193A JP H06279817 A JPH06279817 A JP H06279817A
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sulfur
slag
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waste liquid
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JP6784193A
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Kenichi Katayama
賢一 片山
Koreaki Ishida
惟昭 石田
Tomiya Fukuda
富也 福田
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Nisshin Steel Co Ltd
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  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 鉄鋼製錬工程で排出される硫黄含有スラグか
ら、廃液処理に有効な硫黄含有水溶液を得る。 【構成】 鉄鋼製錬工程で排出されカルシウム化合物と
して硫黄を含む硫黄含有スラグを水中浸漬,散水等によ
ってエージングする際に抽出される水溶液であり、トー
タルS濃度:100〜2000mg/l及びチオ硫酸イ
オン濃度:(0.90〜1.75)×トータルS濃度に
調整されている。酸化性イオンを含有する液に対する還
元剤及び/又は中和剤として使用される。 【効果】 クロム酸イオン等の酸化性イオンを含有する
液に対する還元剤及び/又は中和剤として硫黄含有水溶
液を使用するとき、廃液処理に必要なコストが低減さ
れ、スラグ自体のエージングも促進される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、脱硫スラグ等の硫黄含
有スラグから得られ、スラグ自体のエージングを促進さ
せると共に、クロム酸イオン等の酸化性イオンを含む廃
液の処理に有効な硫黄含有水溶液に関する。
【0002】
【従来の技術】製銑,製鋼等の鉄鋼業では、硫黄を含有
するスラグが副生している。このスラグは、徐冷固化後
に破砕し、或いは徐冷固化したスラグ中に懸濁混入して
いるメタル分を種々の選鉱方法によって回収した後でエ
ージングし、粗骨材、細骨材等として利用されている。
また、水砕スラグを、セメント原料等として使用するこ
ともある。脱硫反応が生じる製錬炉から排出されたスラ
グは、反応生成物である硫化カルシウム等の硫黄化合物
を含んでいる。そのため、スラグをたとえば骨材として
使用すると、含まれている硫黄化合物が水と反応し、環
境に悪影響を与える黄水を生成する。そこで、水蒸気加
熱等でスラグの酸化を促進させたり、黄水の抽出を散水
等で完了させた後で骨材とすることにより、黄水の流出
を防止している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】黄水は、従来から種々
研究されており、スラグ中の硫黄化合物が水と反応して
生じる物質を含んだ水であることが判明している。しか
し、黄水自体を何らかの処理に有効利用した例は、いま
だ報告されていない。黄水は、還元剤として作用すると
共に高アルカリ性を呈するものであるが、酸の中和等に
利用された例もない。スラグは、風化や崩壊の原因であ
るフリーのCaO等を含んでいる。そのため、たとえば
路盤材等としての使用に先立って、スラグヤードに堆積
しスラグを十分にエージングさせている。屋外での自然
エージングでは、場合によっては1年以上の長い期間が
必要となる。強制的にエージングを促進させるとき、散
水,水蒸気処理等が採用されているが、その際にスラグ
に硫化カルシウム等が含まれていると黄水が排出され
る。排出された黄水は、排水処理を施した後で廃棄して
いるのが現状である。
【0004】また、溶融スラグに添加材を加えてスラグ
の結晶構造を変えることにより、スラグを安定化させる
手段も採用されている。しかし、この処理方法は、コス
ト高であり、多量に発生するスラグを安価に処理するこ
とには適さない。ところで、鉄鋼製造工程や加工工程等
では、種々の有価資源を含む廃液が排出される。たとえ
ば、鋼板の品質向上のために通常行われる焼鈍酸洗工程
では、各種の重金属類を含む廃液が排出される。廃液
は、公害防止及び有価資源の回収の観点から、中和等に
よって重金属類が中和・除去され、清浄化後に系内循環
水として使用されたり、系外に一部排出されている。
【0005】廃液処理により、廃液から取り出された金
属が有価資源としてリサイクルされる。しかし、ステン
レス鋼等の合金鋼を製造・加工する工程では、クロム酸
イオン等の酸化性イオンを含む廃液が発生する。排水管
理の厳しい現状では、酸化性イオンの還元や重金属類の
除去等のために必要とする処理コストが大きな負担とな
っている。本発明は、このような問題を解消すべく案出
されたものであり、硫黄含有スラグから得られた水溶液
を廃液処理に組み合わせることにより、安価な廃液処理
を可能にすると共に、スラグ自体も短期間でエージング
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の硫黄含有水溶液
は、その目的を達成するため、鉄鋼製錬工程で排出され
カルシウム化合物として硫黄を含む硫黄含有スラグを水
中浸漬,散水等によってエージングする際に抽出される
水溶液であり、トータルS濃度:100〜2000mg
/l及びチオ硫酸イオン濃度:(0.90〜1.75)
×トータルS濃度に調整され、酸化性イオンを含有する
液に対する還元剤及び/又は中和剤として使用される。
【0007】
【作用】硫黄含有スラグを水中に浸漬し、或いは堆積し
た硫黄含有スラグに散水してエージングを促進させると
き、硫黄を含有した水溶液、すなわち黄水がスラグから
流出する。本発明者等は、黄水が還元性物質を含み、ア
ルカリ性を呈することから、廃液に含まれる酸化性イオ
ンの還元,酸性溶液の中和等に利用可能であることに着
目した。還元処理,中和処理等に対する黄水の適性を調
査していく過程で、トータルS濃度及びチオ硫酸イオン
濃度が特定条件下にある水溶液は、実用的な還元力及び
中和作用を呈することを解明した。また、廃液中の重金
属類も、不純物の混入なく沈澱除去されることを見い出
した。その結果、従来必要であった酸,クロム酸イオン
等に対する消石灰等の中和剤や還元剤を必要とせず、処
理コストを大幅に低減した廃液処理が可能となる。
【0008】還元製錬工程で発生する硫黄含有スラグか
ら抽出される水溶液には、チオ硫酸イオン (S23 2-)
を始めとして硫黄イオン(S2-),亜硫酸イオン (SO
3 2-),硫酸イオン (SO4 2-)等の形態で硫黄が存在す
る。本発明者等は、これら硫黄系イオンのうち、主にチ
オ硫酸イオンが還元反応に関与していることを見い出し
た。他方、硫黄イオン,亜硫酸イオン,硫酸イオン等
は、どのような処理工程を経たものでも共存する。なか
でも、亜硫酸イオン及び硫酸イオンは、廃液処理工程の
最終段階で消石灰等を使用した中和によって、硫酸カル
シウムや亜硫酸カルシウムとして沈澱する。その結果、
硫酸カルシウムや亜硫酸カルシウムが有価金属の沈澱物
中に混入する原因となり、スラッジ量の増加等の問題と
なる。したがって、硫黄イオン,亜硫酸イオン,硫酸イ
オン等の共存は、可能な限り避けることが望まれる。し
かし、還元作用を呈するチオ硫酸イオンの濃度が高くな
るほど、亜硫酸イオンや硫酸イオンの濃度も高くなり、
これらの合計割合がS純分でトータルS量の30%近く
まで増加することがある。
【0009】このようなことから、本発明においては、
還元作用を呈するチオ硫酸イオンの有効量を確保しなが
ら、亜硫酸イオンや硫酸イオンの濃度を可能な限り低く
抑えるため、トータルS濃度を100〜2000mg/
l及びチオ硫酸イオン濃度を(0.90〜1.75)×
トータルS濃度に規制している。トータルS濃度の規制
により、亜硫酸イオンや硫酸イオンに起因する悪影響が
抑制される。また、トータルS濃度との関連でチオ硫酸
濃度を規制することにより、チオ硫酸イオンの効果的な
還元力が確保される。トータルS濃度及びチオ硫酸イオ
ン濃度が規制された水溶液は、通常のステンレス鋼製造
工程から排出される廃液、具体的には酸化性イオンとし
て数十〜数百ppmのクロム酸イオンを含む廃液に対し
て、還元剤としての効力を十分に発揮する。また、廃液
から回収されたクロム等の有価金属に亜硫酸イオンや硫
酸イオンに起因する沈澱物が混入することが抑制される
ため、回収された有価金属の処理・再利用も容易にな
る。
【0010】本発明で使用される硫黄含有スラグは、現
在工業的に操業されている高炉,サブマージドアーク
炉,電気炉,溶融還元炉等の製錬炉において、脱硫反応
を伴った製錬工程で排出される。硫化カルシウム,多硫
化カルシウム等の形態で硫黄を含有するものである限
り、何れのスラグも使用可能である。スラグを使用する
際の形状としては塊状でも粉粒状でも良いが、反応性を
考慮するとき粉粒状のスラグが好ましい。硫黄含有水溶
液は、硫黄含有スラグから硫黄を抽出することにより得
られる。抽出方法としては、硫黄含有スラグを水中に浸
漬して硫黄分を抽出する方法,スラグヤードに堆積した
スラグの上に水を噴霧し下部から流出する水溶液を回収
する方法,強制的なエージングのためにスラグの堆積層
内に水蒸気を透過させて水溶液を回収する方法等を採用
することができる。何れの処理によっても、エージング
が促進され、短期間で黄水流出の虞れがないスラグ製品
が得られる。
【0011】硫黄含有水溶液は、抽出方法の如何に応じ
てS濃度が異なってくる。しかし、トータルS濃度が1
00〜2000mg/lで、チオ硫酸イオン濃度が
(0.90〜1.75)×トータルS濃度である限り、
各種廃液に対して有効な還元剤及び/又は中和剤として
使用される。トータルS濃度が100mg/l未満で
は、通常のステンレス鋼製造工場から排出される廃液の
処理には不十分である。逆に、2000mg/lを超え
る高濃度になると、後続する処理工程で悪影響を及ぼす
亜硫酸イオンや硫酸イオンがスラグ抽出液中に多量に含
まれるようになる。また、トータルS濃度が2000m
g/lを超える高濃度では、スラグから抽出される水溶
液のpHが高くなりすぎ、却って後続する工程で中和す
る際に必要とされる酸の使用量が増加することから経済
的でない。そのため、抽出方法によっては2000mg
/lを超える高濃度で水溶液が得られることがあるが、
そのような場合には酸化しない条件で水溶液を希釈する
ことが好ましい。
【0012】トータルS濃度100〜2000mg/l
でチオ硫酸イオン濃度を(0.90〜1.75)×トー
タルS濃度の範囲に維持するとき、還元剤として必要な
量のチオ硫酸イオンが確保される。チオ硫酸イオン濃度
が0.90×トータルS濃度未満では、トータルS濃度
が100〜2000mg/lの範囲内であっても、チオ
硫酸イオン濃度が低いために廃液処理に効果がない。ま
た、チオ硫酸イオン濃度の上限は、理論的に1.75×
トータルS濃度を超えることはない。硫黄含有スラグか
ら抽出された水溶液は、クロム酸イオン等の酸化性イオ
ンを含有する液体に対する還元剤及び/又は中和剤とし
て使用される。水溶液中の硫黄は、主としてチオ硫酸イ
オンの形態で存在しているため、被処理液に含まれてい
る酸化性イオンに対して還元剤として働く。また、アル
カリ性を呈することから、酸の中和剤としても有効であ
る。
【0013】なお、本発明者等の実験によって確認され
たことであるが、硫黄含有水溶液で処理した後の液体に
は、液のpHを酸性側に移行させることにより還元作用
を発揮する物質が含まれる。そのため、僅かな酸化性イ
オンが処理後の液体に残留していても、酸性廃液と混合
してpHを酸性側に移行させることによって、残留する
酸化性イオンを完全に還元することができる。この点で
も、硫黄含有スラグから得た硫黄含有水溶液は、酸洗廃
液の処理に有効である。
【0014】
【実施例】本実施例で使用した硫黄含有スラグを、表1
に示す。また、硫黄含有スラグから抽出した硫黄含有水
溶液で処理される廃液を、表2に示す。
【表1】
【表2】 実施例1:表1に成分を示す溶解炉スラグを大気温度に
冷却した後、水1m3 を収容している水槽にスラグ10
0kgを投入した。撹拌機で約1時間撹拌することによ
り、スラグ中の硫黄分を水に抽出した。次いで、固液分
離によって硫黄含有水溶液を得た。この硫黄含有水溶液
は、トータルS濃度が510mg/l,チオ硫酸イオン
濃度が800mg/lであった。他方、硫黄抽出後のス
ラグは、屋外で養生したとき、50日間で骨材として使
用可能な状態になった。硫黄含有水溶液100リットル
を廃液A100リットルと混合し、3分間撹拌して反応
させた。反応後の溶液は、分析結果を表3に示すよう
に、クロム酸イオンが6.5ppmまで還元され、その
他の金属は溶存量が減少した。これは、廃液処理後のp
Hが11となり、溶存した金属の大部分が沈澱したもの
と考えられる。このことから、硫黄含有水溶液は、酸化
性イオンに対する還元剤として、またアルカリとして有
効であることが判る。
【表3】
【0015】スラグから抽出した硫黄含有水溶液で処理
した廃液Aは、表3の組成をもっていた。この廃液Aを
pH1.5の酸性廃液B100リットルと混合したとこ
ろ、スラグ処理で残留していたクロム酸イオンは分析に
よって検出されず、混合廃液からFe,Ni,Cr等の
沈澱物が生成した。また、処理後のスラグのエージング
効果について、スラグの水浸膨張比試験で調査したとこ
ろ、通常のエージングよりも約2割程度促進された。
【0016】実施例2:表1の電気炉スラグ1000k
gを堆積し、堆積層に水蒸気を吹き付けて硫黄含有水溶
液(黄水)100kgを回収した。得られた硫黄含有水
溶液は、トータルS濃度が1100mg/l,チオ硫酸
イオン濃度が1045mg/lであった。この硫黄含有
水溶液100リットルを廃液A1000リットルと混合
し、次いで廃液B200リットルと混合した。反応後の
廃液を分析したところ、表4に示すように、金属成分は
ほとんど沈澱してしまい、クロム酸イオンの濃度は0.
05ppmであった。すなわち、還元率99.9%でク
ロム酸イオンが三価のクロムイオンCr3+に還元され
た。処理後の廃液は、pHが6.5であり、硫黄含有ス
ラグから抽出した水溶液が酸化性イオンに対する還元剤
及び廃液Bに対する中和剤として作用したことが確認さ
れた。
【表4】
【0017】実施例3:硫黄含有量が表1に示すように
多い高炉スラグを使用して、実施例2と同様に硫黄含有
水溶液を抽出した。得られた水溶液は、トータルS濃度
が1850mg/lで、チオ硫酸イオン濃度が3145
mg/lであった。この水溶液100リットルを廃液A
1000リットルに混合し、次いで廃液B200リット
ルに混合した。その結果、表5に示すように、処理後の
廃液中に残留するクロム酸イオンは、濃度0.01pp
m未満の低い値であった。このときの還元率は、ほぼ1
00%である。また、その他の金属元素も、廃液から同
様に沈澱した。
【表5】
【0018】比較例1:実施例1と同様に、表1に成分
を示す溶解炉スラグを大気温度に冷却した後、水1m3
を収容している水槽にスラグ100kgを投入した。撹
拌機で約1時間撹拌することにより、スラグ中の硫黄分
を水に抽出した。次いで、固液分離によって硫黄含有水
溶液を得た。この硫黄含有水溶液は、トータルS濃度が
80mg/l,チオ硫酸イオン濃度が136mg/l
と、実施例1で得た硫黄含有水溶液に比較して低濃度で
あった。硫黄含有水溶液100リットルを75℃の廃液
A1000リットルに混合し、3分間撹拌して反応させ
た。反応後の廃液には、55ppmと多量のクロム酸イ
オンが残存していた。この廃液を更に廃液B200リッ
トルと混合したが、処理後の廃液に含まれているクロム
酸イオンの濃度は、50ppmと依然として高い値を示
した。
【0019】比較例2:実施例2と同様に、表1の電気
炉スラグ1000kgを堆積し、堆積層に水蒸気を吹き
付けることにより硫黄を含有した抽出水(黄水)を回収
した。抽出水を更に加熱して得た蒸気をスラグに吹き付
けて、抽出水を回収した。この操作を繰り返し、トータ
ルS濃度1300mg/l及びチオ硫酸イオン濃度10
40mg/l(=0.8×トータルS濃度)の硫黄含有
水溶液を得た。硫黄含有水溶液100リットルを廃液A
1000リットルと混合し、次いで廃液B200リット
ルと混合した。反応後の廃液を分析したところ、クロム
酸イオン濃度は5.5ppmであった。このときの還元
率は、91.5%であった。しかし、廃液から沈澱した
重金属類には、製鋼原料として使用できない程度に多量
の硫酸カルシウム及び亜硫酸カルシウムが混入してい
た。この混入は、堆積したスラグが実施例2と比較して
大きな単位重量当りの表面積をもっていたため、チオ硫
酸イオンが空気によって酸化され亜硫酸イオンや硫酸イ
オンに変化した割合が大きいことに由来するものと推察
される。
【0020】比較例3:実施例2と同様に、表1に組成
を示した高炉スラグ1000kgを堆積し、堆積層に水
蒸気を吹き付けることにより硫黄を含有した抽出水(黄
水)を回収した。抽出水を更に加熱して得た蒸気をスラ
グに吹き付けて、抽出水を回収した。この操作を繰り返
し、トータルS濃度2100mg/l及びチオ硫酸イオ
ン濃度1450mg/l(=0.75×トータルS濃
度)の硫黄含有水溶液を得た。トータルS濃度に比較し
てチオ硫酸イオン濃度が低いことは、抽出の繰返しによ
りチオ硫酸イオンの酸化が進行したことに起因するもの
と推察される。抽出された硫黄含有水溶液100リット
ルを廃液A1000リットルに混合し、次いで廃液B2
00リットルと混合した。反応後の廃液は、pHが依然
として11前後の高い値を示しており、中和のために更
に20%硫酸等の新酸を添加することが必要であった。
最終的に得られた廃液のクロム酸イオン濃度は0.01
ppm未満であり、このときの還元率は実質的に100
%であった。しかし、沈澱した重金属類に、製鋼原料と
して使用できない程度に多量の亜硫酸カルシウム及び硫
酸カルシウムが含まれていた。
【0021】実施例1〜3及び比較例1〜3の結果を、
表6に比較して示す。表6から明らかなように、トータ
ルS濃度が100〜2000mg/lの範囲にあり、こ
のトータルS濃度に対して0.9〜1.75倍のチオ硫
酸イオン濃度をもつ硫黄含有水溶液を使用する実施例1
〜3にあっては、何れも廃液に含まれている酸化性イオ
ンをほぼ完全に還元しており、廃液から沈澱した重金属
類も有価資源として再利用できるものであった。これに
対し、トータルS濃度が低い硫黄含有水溶液を使用した
比較例1では、酸化性イオンの還元率が低い値を示し
た。また、チオ硫酸イオン濃度が0.90×トータルS
濃度未満の硫黄含有水溶液を使用した比較例2及び3で
は、酸化性イオンの還元率は高くなっていた。しかし、
廃液から沈澱した重金属類は、亜硫酸カルシウムや硫酸
カルシウムが多量に混入しているため、製鋼原料として
使用できないものであった。
【表6】
【0022】
【発明の効果】以上に説明したように、硫黄含有スラグ
をエージングする際に抽出される黄水のトータルS濃度
及びチオ硫酸イオン濃度を規制することにより、酸化性
イオンを含有する液に対する還元剤及び/又は中和剤と
して使用される硫黄含有水溶液をえている。この硫黄含
有水溶液は、従来有効に利用されていなかったものであ
り、廃液処理に用いることにより処理コストを低減す
る。また、硫黄含有水溶液を積極的にスラグから抽出す
ることが操業計画上から可能になるため、スラグ自体の
エージングも促進される。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄鋼製錬工程で排出されカルシウム化合
    物として硫黄を含む硫黄含有スラグを水中浸漬,散水等
    によってエージングする際に抽出される水溶液であり、
    トータルS濃度:100〜2000mg/l及びチオ硫
    酸イオン濃度:(0.90〜1.75)×トータルS濃
    度に調整され、酸化性イオンを含有する液に対する還元
    剤及び/又は中和剤として使用される硫黄含有水溶液。
JP6784193A 1993-03-26 1993-03-26 硫黄含有スラグから抽出した還元・中和用硫黄含有水溶液 Withdrawn JPH06279817A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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