JPH06287461A - 二色性結晶 - Google Patents
二色性結晶Info
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- JPH06287461A JPH06287461A JP5080671A JP8067193A JPH06287461A JP H06287461 A JPH06287461 A JP H06287461A JP 5080671 A JP5080671 A JP 5080671A JP 8067193 A JP8067193 A JP 8067193A JP H06287461 A JPH06287461 A JP H06287461A
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- phthalocyanine
- crystal
- iodine
- dichroic
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-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C09—DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- C09B—ORGANIC DYES OR CLOSELY-RELATED COMPOUNDS FOR PRODUCING DYES, e.g. PIGMENTS; MORDANTS; LAKES
- C09B67/00—Influencing the physical, e.g. the dyeing or printing properties of dyestuffs without chemical reactions, e.g. by treating with solvents grinding or grinding assistants, coating of pigments or dyes; Process features in the making of dyestuff preparations; Dyestuff preparations of a special physical nature, e.g. tablets, films
- C09B67/0025—Crystal modifications; Special X-ray patterns
- C09B67/0026—Crystal modifications; Special X-ray patterns of phthalocyanine pigments
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C09—DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- C09B—ORGANIC DYES OR CLOSELY-RELATED COMPOUNDS FOR PRODUCING DYES, e.g. PIGMENTS; MORDANTS; LAKES
- C09B67/00—Influencing the physical, e.g. the dyeing or printing properties of dyestuffs without chemical reactions, e.g. by treating with solvents grinding or grinding assistants, coating of pigments or dyes; Process features in the making of dyestuff preparations; Dyestuff preparations of a special physical nature, e.g. tablets, films
- C09B67/0098—Organic pigments exhibiting interference colours, e.g. nacrous pigments
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- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 フタロシアニンおよびフタロシアニン誘導体
を偏光性材料として使用可能な二色性を発現させる結晶
とすること。 【構成】 フタロシアニン、フタロシアニン誘導体、中
心金属を導入したフタロシアニン、中心金属を導入した
フタロシアニン誘導体の一種または二種以上と沃素とか
らなり、前記のフタロシアニン、フタロシアニン誘導
体、中心金属。を導入したフタロシアニンまたは中心金
属を導入したフタロシアニン誘導体の一種または二種以
上の溶液に該沃素を添加した時に析出する二色性結晶で
あって、該沃素は二色性結晶中にI3 - およびI5 - の
イオン状態で含まれていることを特徴とし、耐熱性、耐
候性に優れた微粒子分散型調光材料として有用な二色性
結晶。
を偏光性材料として使用可能な二色性を発現させる結晶
とすること。 【構成】 フタロシアニン、フタロシアニン誘導体、中
心金属を導入したフタロシアニン、中心金属を導入した
フタロシアニン誘導体の一種または二種以上と沃素とか
らなり、前記のフタロシアニン、フタロシアニン誘導
体、中心金属。を導入したフタロシアニンまたは中心金
属を導入したフタロシアニン誘導体の一種または二種以
上の溶液に該沃素を添加した時に析出する二色性結晶で
あって、該沃素は二色性結晶中にI3 - およびI5 - の
イオン状態で含まれていることを特徴とし、耐熱性、耐
候性に優れた微粒子分散型調光材料として有用な二色性
結晶。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、種々の電子材料、光学
材料(たとえば偏光板、液晶表示板、粒子分散型表示素
子(SPD))として利用される高い二色性を有する二
色性結晶に関する。
材料(たとえば偏光板、液晶表示板、粒子分散型表示素
子(SPD))として利用される高い二色性を有する二
色性結晶に関する。
【0002】
【従来の技術】従来光学材料の偏光性フイルムなどに
は、細長い分子構造をもつ二色性色素や沃素を偏光材料
としてポリビニルアルコール(PVA)などのポリマー
マトリックスに染着させて延伸したものが用いられてき
た。これら従来の偏光材料は二色性比が大きいものの耐
熱性がやや劣るという難点があり、耐熱性の高い色素に
よる高度な二色性を発現する二色性色素が望まれてい
る。
は、細長い分子構造をもつ二色性色素や沃素を偏光材料
としてポリビニルアルコール(PVA)などのポリマー
マトリックスに染着させて延伸したものが用いられてき
た。これら従来の偏光材料は二色性比が大きいものの耐
熱性がやや劣るという難点があり、耐熱性の高い色素に
よる高度な二色性を発現する二色性色素が望まれてい
る。
【0003】フタロシアニンは、光、熱などに対して安
定で堅牢性に優れた物質である。このフタロシアニン
は、分子中にπ電子共役系が存在するために興味深い種
々の電子、光特性を示し、電子写真感光体、太陽電池、
光記録材料の素材として注目されている。しかし、フタ
ロシアニンが偏光性材料として用いられることは少な
い。これは、フタロシアニン分子が全て平行に整列した
結晶を形成しないためである。たとえば、銅フタロシア
ニン結晶の場合には、分子面がα型で52.4度、β型
では89.6度傾いている。このため、フタロシアニン
の分子内では遷移モーメントの向きが分子面内に限ら
れ、大きな二色性を有しているにもかかわらず結晶とし
てみたときには二色性が小さい。
定で堅牢性に優れた物質である。このフタロシアニン
は、分子中にπ電子共役系が存在するために興味深い種
々の電子、光特性を示し、電子写真感光体、太陽電池、
光記録材料の素材として注目されている。しかし、フタ
ロシアニンが偏光性材料として用いられることは少な
い。これは、フタロシアニン分子が全て平行に整列した
結晶を形成しないためである。たとえば、銅フタロシア
ニン結晶の場合には、分子面がα型で52.4度、β型
では89.6度傾いている。このため、フタロシアニン
の分子内では遷移モーメントの向きが分子面内に限ら
れ、大きな二色性を有しているにもかかわらず結晶とし
てみたときには二色性が小さい。
【0004】このフタロシアニンを二色性色素として用
いるためには、偏光を発現するように結晶中のフタロシ
アニン分子の分子配向を制御する必要がある。従来フタ
ロシアニンの分子配向を制御する方法の一つとして、ア
ルキル置換フタロシアニンを用いて二色性を有するLB
膜を作製する方法がある(特開平3−262639
号)。
いるためには、偏光を発現するように結晶中のフタロシ
アニン分子の分子配向を制御する必要がある。従来フタ
ロシアニンの分子配向を制御する方法の一つとして、ア
ルキル置換フタロシアニンを用いて二色性を有するLB
膜を作製する方法がある(特開平3−262639
号)。
【0005】他のフタロシアニン分子の配列制御方法と
してMarksらは、J.Am.Chem.Soc.1
980,102,6702−6713で、ニッケルフタ
ロシアニン沃素化物を合成し、得られた単結晶のX線構
造回析から沃素化物結晶がニッケルフタロシアニンの積
層したカラムの束の隙間に沃素が入り込んだ構造となっ
ていることを明らかにしている。この結果より、フタロ
シアニンの結晶構造が沃素錯体を形成することによって
変更可能であると考えられる。
してMarksらは、J.Am.Chem.Soc.1
980,102,6702−6713で、ニッケルフタ
ロシアニン沃素化物を合成し、得られた単結晶のX線構
造回析から沃素化物結晶がニッケルフタロシアニンの積
層したカラムの束の隙間に沃素が入り込んだ構造となっ
ていることを明らかにしている。この結果より、フタロ
シアニンの結晶構造が沃素錯体を形成することによって
変更可能であると考えられる。
【0006】しかしながら、フタロシアニンは一般的に
多結晶体粒子(粒径数百Åの微細な結晶の集合体で全体
として分子面配向はばらばらとなっている)として得ら
れるために、溶媒に不溶性のフタロシアニンを用いた場
合は、得られるフタロシアニン沃素化物も多結晶体とな
る。フタロシアニン粒子を二色性色素として用いる場合
には、結晶粒子がそれぞれ単結晶(粒径が数μm〜数m
m)であるとき始めて二色性(光の偏光面が変化するこ
とにより特定波長帯の光の透過率が著しく変化するこ
と)を発現するのであって、結晶粒子が多結晶体である
場合には、個々の結晶粒子は二色性を示さない。したが
って、従来のフタロシアニンを用いた場合、個々の結晶
粒子が二色性を示すものは容易に得られなかった。
多結晶体粒子(粒径数百Åの微細な結晶の集合体で全体
として分子面配向はばらばらとなっている)として得ら
れるために、溶媒に不溶性のフタロシアニンを用いた場
合は、得られるフタロシアニン沃素化物も多結晶体とな
る。フタロシアニン粒子を二色性色素として用いる場合
には、結晶粒子がそれぞれ単結晶(粒径が数μm〜数m
m)であるとき始めて二色性(光の偏光面が変化するこ
とにより特定波長帯の光の透過率が著しく変化するこ
と)を発現するのであって、結晶粒子が多結晶体である
場合には、個々の結晶粒子は二色性を示さない。したが
って、従来のフタロシアニンを用いた場合、個々の結晶
粒子が二色性を示すものは容易に得られなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の事情
に鑑みてなされたもので、耐熱性、耐候性に優れたフタ
ロシアニンおよびその誘導体系の物質を偏光材料として
使用可能な二色性結晶とすることを目的とする。
に鑑みてなされたもので、耐熱性、耐候性に優れたフタ
ロシアニンおよびその誘導体系の物質を偏光材料として
使用可能な二色性結晶とすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、耐熱性、耐候
性に優れたフタロシアニンおよびフタロシアニン誘導体
と沃素の錯体化合物や、これらに中心金属を導入したも
の(以下これらを一括して「フタロシアニン類」と言う
こともある。)を二色性結晶とすべく鋭意検討した結
果、フタロシアニンおよびフタロシアニン誘導体を溶解
した溶液に沃素を添加した時に沈澱として生成する結晶
が二色性を有することを見出して得られたものである。
性に優れたフタロシアニンおよびフタロシアニン誘導体
と沃素の錯体化合物や、これらに中心金属を導入したも
の(以下これらを一括して「フタロシアニン類」と言う
こともある。)を二色性結晶とすべく鋭意検討した結
果、フタロシアニンおよびフタロシアニン誘導体を溶解
した溶液に沃素を添加した時に沈澱として生成する結晶
が二色性を有することを見出して得られたものである。
【0009】すなわち、本発明の二色性結晶は、フタロ
シアニン、フタロシアニン誘導体、中心金属を導入した
フタロシアニン、または中心金属を導入したフタロシア
ニン誘導体の一種または二種以上と沃素とからなり、前
記のフタロシアニン、フタロシアニン誘導体、中心金属
を導入したフタロシアニンまたは中心金属を導入したフ
タロシアニン誘導体の一種または二種以上の溶液に該沃
素を添加した時に析出する二色性結晶であって、該沃素
は二色性結晶中にI3 - およびI5 - のイオン状態で含
まれていることを特徴とする。
シアニン、フタロシアニン誘導体、中心金属を導入した
フタロシアニン、または中心金属を導入したフタロシア
ニン誘導体の一種または二種以上と沃素とからなり、前
記のフタロシアニン、フタロシアニン誘導体、中心金属
を導入したフタロシアニンまたは中心金属を導入したフ
タロシアニン誘導体の一種または二種以上の溶液に該沃
素を添加した時に析出する二色性結晶であって、該沃素
は二色性結晶中にI3 - およびI5 - のイオン状態で含
まれていることを特徴とする。
【0010】ここでいうフタロシアニン誘導体とは、化
1式に示すフタロシアニン骨格のベンゼン環上のX位に
は、少なくとも1つが、窒素、酸素、硫黄、ハロゲン、
珪素、燐などの原子を含む置換基または不飽和結合を含
む炭素鎖からなるアルキル基の置換基を有するものであ
る。また、該フタロシアニン誘導体はベンゼン環を他の
芳香族環で置換されたものであってもよい。
1式に示すフタロシアニン骨格のベンゼン環上のX位に
は、少なくとも1つが、窒素、酸素、硫黄、ハロゲン、
珪素、燐などの原子を含む置換基または不飽和結合を含
む炭素鎖からなるアルキル基の置換基を有するものであ
る。また、該フタロシアニン誘導体はベンゼン環を他の
芳香族環で置換されたものであってもよい。
【0011】
【化1】
【0012】さらに中心金属は化2式中のMに相当し、
Na、Kなどのアルカリ金属、Mg、Beなどのアルカ
リ土類金属、Al、Si、Ge、Sn、Pb、P、A
s、Sbや、遷移金属のCr、Mn、Fe、V(あるい
はVO)、Co、Ni、Cu、Zn、Ru、Rh、O
s、Pt、Pdなどや、ランタニド、アクチニドのD
y、Er、Eu、Gd、La、Nd、Tb、Yb、Tm
などである。また、これら金属にはCN- やO、S、ハ
ロゲン化物のイオン、ピリジン、ピラジンなどのような
対イオンなどの配位子が配位していてもよい。
Na、Kなどのアルカリ金属、Mg、Beなどのアルカ
リ土類金属、Al、Si、Ge、Sn、Pb、P、A
s、Sbや、遷移金属のCr、Mn、Fe、V(あるい
はVO)、Co、Ni、Cu、Zn、Ru、Rh、O
s、Pt、Pdなどや、ランタニド、アクチニドのD
y、Er、Eu、Gd、La、Nd、Tb、Yb、Tm
などである。また、これら金属にはCN- やO、S、ハ
ロゲン化物のイオン、ピリジン、ピラジンなどのような
対イオンなどの配位子が配位していてもよい。
【0013】
【化2】
【0014】この二色性結晶は、図5の模式図に示すよ
うにフタロシアニン類の分子1が多数平行に積層したカ
ラム2がI3 - 、I5 - のイオン状態の沃素により接合
された形状の結晶構造を有している。これはフタロシア
ニン結晶構造が単体のときと異なる構造に変化し、結晶
粒子がそれぞれ単結晶となり二色性を発現していると考
えられる。
うにフタロシアニン類の分子1が多数平行に積層したカ
ラム2がI3 - 、I5 - のイオン状態の沃素により接合
された形状の結晶構造を有している。これはフタロシア
ニン結晶構造が単体のときと異なる構造に変化し、結晶
粒子がそれぞれ単結晶となり二色性を発現していると考
えられる。
【0015】すなわち、フタロシアニン類のうちフタロ
シアニンを例にとって説明すれば、フタロシアニンを上
記のような沃素錯体とすることにより、フタロシアニン
環の環平面が互いに平行になるように配列した結晶を形
成する。このためフタロシアニンの遷移モーメントが巨
視的な異方性を生じ、二色性が発現する。また、フタロ
シアニンと沃素種であるI3 - 、I5 - との間で電荷移
動が生じることによって可視スペクトルに新たな吸収を
生じる。この吸収は遷移モーメントが結晶中で偏光性と
なるように分子が空間的に配置された構造の場合に生じ
るのであり、二色性が発現することは電荷移動が起きて
いる。この電荷移動が起きやすいことは、結晶粒子の二
色性がより大きくなる。
シアニンを例にとって説明すれば、フタロシアニンを上
記のような沃素錯体とすることにより、フタロシアニン
環の環平面が互いに平行になるように配列した結晶を形
成する。このためフタロシアニンの遷移モーメントが巨
視的な異方性を生じ、二色性が発現する。また、フタロ
シアニンと沃素種であるI3 - 、I5 - との間で電荷移
動が生じることによって可視スペクトルに新たな吸収を
生じる。この吸収は遷移モーメントが結晶中で偏光性と
なるように分子が空間的に配置された構造の場合に生じ
るのであり、二色性が発現することは電荷移動が起きて
いる。この電荷移動が起きやすいことは、結晶粒子の二
色性がより大きくなる。
【0016】上記のような結晶構造とするには、フタロ
シアニン溶液に沃素を添加することによりフタロシアニ
ンと沃素との間で電荷移動が起こり、フタロシアニン結
晶中に沃素がI3 - 、I5 - の形で含まれるようになり
図5の模式図に示すような二色性を示しやすい構造の結
晶が生成される。ところが、フタロシアニンの溶解度の
低い溶媒中、いわゆるサスペンジョンの状態でフタロシ
アニンの沃素錯体を形成すると不均一系での結晶生成と
なる。このためフタロシアニンの環平面の配向が揃った
単結晶を得ることができない。
シアニン溶液に沃素を添加することによりフタロシアニ
ンと沃素との間で電荷移動が起こり、フタロシアニン結
晶中に沃素がI3 - 、I5 - の形で含まれるようになり
図5の模式図に示すような二色性を示しやすい構造の結
晶が生成される。ところが、フタロシアニンの溶解度の
低い溶媒中、いわゆるサスペンジョンの状態でフタロシ
アニンの沃素錯体を形成すると不均一系での結晶生成と
なる。このためフタロシアニンの環平面の配向が揃った
単結晶を得ることができない。
【0017】上記のようにフタロシアニンの環平面の配
向が揃ったフタロシアニン沃素化物を形成するには、フ
タロシアニンを有機溶媒に溶解させることが必要であ
る。ところが、フタロシアニンは、フタロシアニン環同
士が重なって強く引き合うために溶媒に対する溶解性が
極めて低い。このためフタロシアニンを溶媒に可溶とす
るため本発明では、1.中心金属にNa、Li、Alな
どの特定の金属を導入してフタロシアニン環同士の重り
を弱めた中心金属を導入したフタロシアニンを用いる、
2.フタロシアニンのベンゼン環上に少なくとも1以上
のアルキル基、アルコキシル基、スルホン酸基、アミノ
基、カルボキシル基などのバルキーな置換基を導入して
フタロシアニン環同士の重りを弱める、3.中心金属と
置換基の両者を有するフタロシアニン誘導体を使用す
る。これによりフタロシアニン類はフタロシアニン環の
平面の重なり合いが乱され溶媒和をうけて溶媒にたいす
る溶解性が大きくなる。このようにフタロシアニン類が
溶解された均一系の溶液にイオン化可能な沃素が添加さ
れるとフタロシアニンの環平面の揃った単結晶が得られ
る。
向が揃ったフタロシアニン沃素化物を形成するには、フ
タロシアニンを有機溶媒に溶解させることが必要であ
る。ところが、フタロシアニンは、フタロシアニン環同
士が重なって強く引き合うために溶媒に対する溶解性が
極めて低い。このためフタロシアニンを溶媒に可溶とす
るため本発明では、1.中心金属にNa、Li、Alな
どの特定の金属を導入してフタロシアニン環同士の重り
を弱めた中心金属を導入したフタロシアニンを用いる、
2.フタロシアニンのベンゼン環上に少なくとも1以上
のアルキル基、アルコキシル基、スルホン酸基、アミノ
基、カルボキシル基などのバルキーな置換基を導入して
フタロシアニン環同士の重りを弱める、3.中心金属と
置換基の両者を有するフタロシアニン誘導体を使用す
る。これによりフタロシアニン類はフタロシアニン環の
平面の重なり合いが乱され溶媒和をうけて溶媒にたいす
る溶解性が大きくなる。このようにフタロシアニン類が
溶解された均一系の溶液にイオン化可能な沃素が添加さ
れるとフタロシアニンの環平面の揃った単結晶が得られ
る。
【0018】これは、たとえば、置換基を有しない無置
換フタロシアニンで中心金属にNi 2+、Cu2+などの遷
移金属を有するものは溶媒に不溶性であるが、アルカリ
土類金属であるMg2+や、アルカリ金属であるNa+ 、
Li+ を中心金属に導入したフタロシアニンでは、大き
な溶解性を示す。これは中心金属がフタロシアニン環の
配位子場にとじこめられないことによりフタロシアニン
環平面から金属がはみ出し、環同士の重なり合いが妨げ
られためである。このようなフタロシアニン環同士の重
なり合いを妨げることは、フタロシアニン環のペリフェ
ラル置換によっても可能である。このタイプで溶解度を
向上している例としてテトラ−t−ブチルフタロシアニ
ン銅(II)、オクタブトキシフタロシアニン銅(I
I)などの置換基と中心金属とが導入されたフタロシア
ニンがある。
換フタロシアニンで中心金属にNi 2+、Cu2+などの遷
移金属を有するものは溶媒に不溶性であるが、アルカリ
土類金属であるMg2+や、アルカリ金属であるNa+ 、
Li+ を中心金属に導入したフタロシアニンでは、大き
な溶解性を示す。これは中心金属がフタロシアニン環の
配位子場にとじこめられないことによりフタロシアニン
環平面から金属がはみ出し、環同士の重なり合いが妨げ
られためである。このようなフタロシアニン環同士の重
なり合いを妨げることは、フタロシアニン環のペリフェ
ラル置換によっても可能である。このタイプで溶解度を
向上している例としてテトラ−t−ブチルフタロシアニ
ン銅(II)、オクタブトキシフタロシアニン銅(I
I)などの置換基と中心金属とが導入されたフタロシア
ニンがある。
【0019】また、中心金属に強く軸配位する配位子が
存在する場合にもフタロシアニン環同士の重なり合いが
妨げられ、無置換のフタロシアニンでも溶解性が向上す
るものがある。このようなものとしてCr−F、Al−
Clを中心金属とするフタロシアニンがある。上記のフ
タロシアニン類を溶解する溶媒としては、たとえば、中
心金属にNa、Li、Alを有するフタロシアニンの場
合は、DMF(ジメチルホルムアミド)、DMSO(ジ
メチルスルホキシド)、ピリジンなどの極性の大きなド
ナー性溶媒を用いることができる。また、置換フタロシ
アニン誘導体にテトラ−t−ブチルフタロシアニン銅、
オクタブトキシフタロシアニン銅などを用いる場合に
は、溶媒としてDMF、DMSOの他にそれよりも極性
の小さいテトラクロロエタンのような溶媒も使用でき
る。
存在する場合にもフタロシアニン環同士の重なり合いが
妨げられ、無置換のフタロシアニンでも溶解性が向上す
るものがある。このようなものとしてCr−F、Al−
Clを中心金属とするフタロシアニンがある。上記のフ
タロシアニン類を溶解する溶媒としては、たとえば、中
心金属にNa、Li、Alを有するフタロシアニンの場
合は、DMF(ジメチルホルムアミド)、DMSO(ジ
メチルスルホキシド)、ピリジンなどの極性の大きなド
ナー性溶媒を用いることができる。また、置換フタロシ
アニン誘導体にテトラ−t−ブチルフタロシアニン銅、
オクタブトキシフタロシアニン銅などを用いる場合に
は、溶媒としてDMF、DMSOの他にそれよりも極性
の小さいテトラクロロエタンのような溶媒も使用でき
る。
【0020】二色性のフタロシアニン沃素錯体を合成す
る際には、フタロシアニン類が溶媒であるDMSO、D
MFに対して1μg/ml程度以上の溶解度を有してい
ることが好ましい。フタロシアニン類とハロゲン化物と
の錯体の安定性は、ハロゲン化物の電気陰性度によって
決められる。したがって、電気陰性度の大きな原子番号
の小さいハロゲン化物ほど錯体形成の安定化エネルギー
が大きく、フタロシアニンと安定な錯体を作ると考えら
れる。ところが、原子番号の小さいものは同時に酸化力
も大きいため、フタロシアニン類の酸化が起こりやすく
なり、フタロシアニン類とハロゲン化物との分解とは別
のフタロシアニン類とハロゲン化物との反応により分解
が起こる。沃素はそれらの条件のバランスがとれたハロ
ゲン化物であると同時に、沃素はI3 - 、I5 - などの
ポリ沃素イオンとしても包接錯体を作りやすいという特
徴をもっており、その意味からもハロゲン化物のうちで
特に好ましい。また、ポリ沃素イオンはI5 - の方がI
3 - よりもカラムの接合範囲が大きくその分二色性結晶
生成に有利となる。
る際には、フタロシアニン類が溶媒であるDMSO、D
MFに対して1μg/ml程度以上の溶解度を有してい
ることが好ましい。フタロシアニン類とハロゲン化物と
の錯体の安定性は、ハロゲン化物の電気陰性度によって
決められる。したがって、電気陰性度の大きな原子番号
の小さいハロゲン化物ほど錯体形成の安定化エネルギー
が大きく、フタロシアニンと安定な錯体を作ると考えら
れる。ところが、原子番号の小さいものは同時に酸化力
も大きいため、フタロシアニン類の酸化が起こりやすく
なり、フタロシアニン類とハロゲン化物との分解とは別
のフタロシアニン類とハロゲン化物との反応により分解
が起こる。沃素はそれらの条件のバランスがとれたハロ
ゲン化物であると同時に、沃素はI3 - 、I5 - などの
ポリ沃素イオンとしても包接錯体を作りやすいという特
徴をもっており、その意味からもハロゲン化物のうちで
特に好ましい。また、ポリ沃素イオンはI5 - の方がI
3 - よりもカラムの接合範囲が大きくその分二色性結晶
生成に有利となる。
【0021】なお、本発明の二色性結晶を作製するにあ
たり、二種以上のフタロシアニン類を併用しても良い。
フタロシアニン沃素錯体の熱的な安定性をDSCで調べ
ると、ナトリウムフタロシアニン、銀フタロシアニン、
リチウムフタロシアニン、マグネシウムフタロシアニン
は、室温から300℃までの範囲で沃素の脱離、フタロ
シアニンと沃素との反応による吸、発熱ピークは認めら
れず安定である。また、テトラブトキシフタロシアニン
銅の場合には、258℃にピークがみられた。このピー
クは該当温度で沃素の脱離あるいは沃素とフタロシアニ
ンとの反応が起こっていると考えられるが、これ以下の
温度では安定な結晶である。したがって、本発明のフタ
ロシアニン沃素錯体類は高温領域まで熱的に安定であ
り、二色性色素として有用である。
たり、二種以上のフタロシアニン類を併用しても良い。
フタロシアニン沃素錯体の熱的な安定性をDSCで調べ
ると、ナトリウムフタロシアニン、銀フタロシアニン、
リチウムフタロシアニン、マグネシウムフタロシアニン
は、室温から300℃までの範囲で沃素の脱離、フタロ
シアニンと沃素との反応による吸、発熱ピークは認めら
れず安定である。また、テトラブトキシフタロシアニン
銅の場合には、258℃にピークがみられた。このピー
クは該当温度で沃素の脱離あるいは沃素とフタロシアニ
ンとの反応が起こっていると考えられるが、これ以下の
温度では安定な結晶である。したがって、本発明のフタ
ロシアニン沃素錯体類は高温領域まで熱的に安定であ
り、二色性色素として有用である。
【0022】
【作用】本発明の二色性結晶は、フタロシアニン類の沃
素化物で沃素がI3 - 、I5 -の状態で含まれている。
このため結晶中でフタロシアニン環平面が互いに平行と
なるように配列しており、遷移モーメントの巨視的な異
方性を生じ、フタロシアニン類とI3 - 、I5 - との間
で電荷移動が生じて可視スペクトルに新たな吸収を生じ
大きな二色性を示す結晶となる。しかもフタロシアニン
類は耐熱性、耐候性を有するので微粒子分散型調光材料
として使用することができる。
素化物で沃素がI3 - 、I5 -の状態で含まれている。
このため結晶中でフタロシアニン環平面が互いに平行と
なるように配列しており、遷移モーメントの巨視的な異
方性を生じ、フタロシアニン類とI3 - 、I5 - との間
で電荷移動が生じて可視スペクトルに新たな吸収を生じ
大きな二色性を示す結晶となる。しかもフタロシアニン
類は耐熱性、耐候性を有するので微粒子分散型調光材料
として使用することができる。
【0023】
【実施例】以下実施例により具体的に説明する。 (実施例1)ナトリウムフタロシアニン100mgと沃
素30mgをN、N−ジメチルホルムアミドに溶解して
3日間攪拌した。その後、140℃で2分間加熱して1
日放置した。次いで、N、N−ジメチルホルムアミドを
減圧下で留去し、10時間60℃で真空乾燥して黒色粉
末として100mgの沃素化ナトリウムフタロシアニン
結晶を得た。この結晶は、針状で、二色性比および透過
率は、偏光顕微鏡下での明状態と暗状態とをCCDビデ
オカメラで記録し、記録画像の結晶上の各点での明るさ
を画像解析装置(PLAS製LA−555WS)で数値
化したものから求めた。結果を表1に示す。この試料の
ラマン散乱の測定によって錯体中にI3 - 、I5 - に対
応する110、170cm-1の散乱ピークが認められ
た。 (実施例2)リチウムフタロシアニン100mgと沃素
30mgをN、N−ジメチルホルムアミドに溶解して3
日間攪拌した。その後、140℃で2分間加熱して1日
放置した。次いで、N、N−ジメチルホルムアミドを減
圧下で留去し、10時間60℃で真空乾燥して黒色粉末
として100mgの沃素化リチウムフタロシアニン結晶
を得た。この結晶は、針状で、二色性比は6.9、透過
率は、明時69%、暗時10%であり他の結果と共に表
1に示す。この試料のラマン散乱の測定によって錯体中
にI3 - ,I5 - に対応する110、170cm-1の散
乱ピークが認められた。 (実施例3)テトラスルホン酸ナトリウムフタロシアニ
ン銅100mgと沃素30mgをN、N−ジメチルホル
ムアミドに溶解して3日間攪拌した。その後、140℃
で2分間加熱して1日放置した。次いで、N、N−ジメ
チルホルムアミドを減圧下で留去し、10時間60℃で
真空乾燥して黒色粉末として100mgのテトラスルホ
ン酸ナトリウムフタロシアニン銅沃素化物の結晶を得
た。この結晶は、針状で、二色性比は6.7、透過率
は、明時92%、暗時58%であった。他の結果と共に
表1に示す。この試料のラマン散乱の測定によって錯体
中にI3 - 、I5 -に対応する110、170cm-1の
散乱ピークが認められた。 (実施例4)テトラ−t−ブチルフタロシアニン銅10
0mgと沃素30mgをN、N−ジメチルホルムアミド
に溶解して3日間攪拌した。その後、140℃で2分間
加熱して1日放置した。次いで、N、N−ジメチルホル
ムアミドを減圧下で留去し、10時間60℃で真空乾燥
して黒色粉末として100mgのテトラ−t−ブチルフ
タロシアニン銅沃素化物の結晶を得た。この結晶は、針
状で、二色性比は4.9、透過率は、明時71%、暗時
21%であった。他の結果と共に表1に示す。この試料
のラマン散乱の測定によって錯体中にI3 - 、I5 - に
対応する110、170cm-1の散乱ピークが認められ
た。 (実施例5)他のフタロシアニン誘導体の沃素化物の合
成も基本的に実施例1〜4と同様におこなった。得られ
た結晶の二色性比、明状態、暗状態の透過率および結晶
の色を表1に示す。二色性比は吸光度(暗状態)/吸光
度(明状態)で算出した。この試料のラマン散乱の測定
によって錯体中にI3 - 、I5 - に対応する110、1
70cm-1の散乱ピークが認められた。
素30mgをN、N−ジメチルホルムアミドに溶解して
3日間攪拌した。その後、140℃で2分間加熱して1
日放置した。次いで、N、N−ジメチルホルムアミドを
減圧下で留去し、10時間60℃で真空乾燥して黒色粉
末として100mgの沃素化ナトリウムフタロシアニン
結晶を得た。この結晶は、針状で、二色性比および透過
率は、偏光顕微鏡下での明状態と暗状態とをCCDビデ
オカメラで記録し、記録画像の結晶上の各点での明るさ
を画像解析装置(PLAS製LA−555WS)で数値
化したものから求めた。結果を表1に示す。この試料の
ラマン散乱の測定によって錯体中にI3 - 、I5 - に対
応する110、170cm-1の散乱ピークが認められ
た。 (実施例2)リチウムフタロシアニン100mgと沃素
30mgをN、N−ジメチルホルムアミドに溶解して3
日間攪拌した。その後、140℃で2分間加熱して1日
放置した。次いで、N、N−ジメチルホルムアミドを減
圧下で留去し、10時間60℃で真空乾燥して黒色粉末
として100mgの沃素化リチウムフタロシアニン結晶
を得た。この結晶は、針状で、二色性比は6.9、透過
率は、明時69%、暗時10%であり他の結果と共に表
1に示す。この試料のラマン散乱の測定によって錯体中
にI3 - ,I5 - に対応する110、170cm-1の散
乱ピークが認められた。 (実施例3)テトラスルホン酸ナトリウムフタロシアニ
ン銅100mgと沃素30mgをN、N−ジメチルホル
ムアミドに溶解して3日間攪拌した。その後、140℃
で2分間加熱して1日放置した。次いで、N、N−ジメ
チルホルムアミドを減圧下で留去し、10時間60℃で
真空乾燥して黒色粉末として100mgのテトラスルホ
ン酸ナトリウムフタロシアニン銅沃素化物の結晶を得
た。この結晶は、針状で、二色性比は6.7、透過率
は、明時92%、暗時58%であった。他の結果と共に
表1に示す。この試料のラマン散乱の測定によって錯体
中にI3 - 、I5 -に対応する110、170cm-1の
散乱ピークが認められた。 (実施例4)テトラ−t−ブチルフタロシアニン銅10
0mgと沃素30mgをN、N−ジメチルホルムアミド
に溶解して3日間攪拌した。その後、140℃で2分間
加熱して1日放置した。次いで、N、N−ジメチルホル
ムアミドを減圧下で留去し、10時間60℃で真空乾燥
して黒色粉末として100mgのテトラ−t−ブチルフ
タロシアニン銅沃素化物の結晶を得た。この結晶は、針
状で、二色性比は4.9、透過率は、明時71%、暗時
21%であった。他の結果と共に表1に示す。この試料
のラマン散乱の測定によって錯体中にI3 - 、I5 - に
対応する110、170cm-1の散乱ピークが認められ
た。 (実施例5)他のフタロシアニン誘導体の沃素化物の合
成も基本的に実施例1〜4と同様におこなった。得られ
た結晶の二色性比、明状態、暗状態の透過率および結晶
の色を表1に示す。二色性比は吸光度(暗状態)/吸光
度(明状態)で算出した。この試料のラマン散乱の測定
によって錯体中にI3 - 、I5 - に対応する110、1
70cm-1の散乱ピークが認められた。
【0024】
【表1】
【0025】(実施例6)テトラ−t−ブチルフタロシ
アニン銅100mgと沃素30mgをN、N−ジメチル
ホルムアミドに溶解させた時に生成する析出物をガラス
板とガラス板の間に挟み、図2に示すように一方向
(a)に剪断を加えるとテトラt−ブチルフタロシアニ
ン銅沃素化物が配向した膜を得ることができた。この膜
を剪断方向に平行な方向と垂直な方向に偏光面を有する
直線偏光を入射して観察したところ、平行な場合にはう
すい黄色、垂直な場合は濃い青色を呈した。それぞれの
場合の透過光スペクトルを図3に示す。二色性比は50
0mmで3.7、600mmで9.4、700mmで
4.5と高い値を示した。この試料のラマン散乱の測定
により図4に示すようにa軸方向、b軸方向ともに錯体
中のI3 - 、I5 - に対応する110、170cm-1の
散乱ピークが認められた。しかし、a軸方向の散乱ピー
クの方が大きい。
アニン銅100mgと沃素30mgをN、N−ジメチル
ホルムアミドに溶解させた時に生成する析出物をガラス
板とガラス板の間に挟み、図2に示すように一方向
(a)に剪断を加えるとテトラt−ブチルフタロシアニ
ン銅沃素化物が配向した膜を得ることができた。この膜
を剪断方向に平行な方向と垂直な方向に偏光面を有する
直線偏光を入射して観察したところ、平行な場合にはう
すい黄色、垂直な場合は濃い青色を呈した。それぞれの
場合の透過光スペクトルを図3に示す。二色性比は50
0mmで3.7、600mmで9.4、700mmで
4.5と高い値を示した。この試料のラマン散乱の測定
により図4に示すようにa軸方向、b軸方向ともに錯体
中のI3 - 、I5 - に対応する110、170cm-1の
散乱ピークが認められた。しかし、a軸方向の散乱ピー
クの方が大きい。
【0026】フタロシアニン分子は可視光線の吸光度に
異方性があり、図1に示すように分子平面の方向に大き
な吸光係数を有している。一方、ポリ沃素イオンは、ラ
マンスペクトルの散乱強度に大きな異方性を有してお
り、図1に示すように分子軸に一致する方向に大きく散
乱が起こる。したがって、得られた試料のラマンスペク
トルと可視吸収スペクトルの異方性を調べることにより
分子の配向状態を知ることができる。これから、フタロ
シアニンの分子平面が図5のa軸の垂直平面内にあるこ
とがわかる。また、沃素の存在形態がI3 - 、I5 - で
あり、両者のいずれも軸方向がa軸に一致していること
がわかった。立体的なパッキングの要請を考慮すると、
これらフタロシアニン沃素化物の構造は図5のようであ
ると結論される。 (比較例1)ニッケルフタロシアニン銅100mgと沃
素30mgをN、N−ジメチルホルムアミドに分散させ
て3日間攪拌した。その後、140℃で2分間加熱して
1日放置した。その後、N、N−ジメチルホルムアミド
を減圧下で留去し、10時間60℃で真空乾燥して黒色
粉末として100mgのニッケルフタロシアニン銅沃素
化物の結晶を得た。この結晶は、顕微鏡下で二色性を全
く示さなかった。この試料のラマン散乱の測定によって
I3 - に対応する散乱ピークが認められた。
異方性があり、図1に示すように分子平面の方向に大き
な吸光係数を有している。一方、ポリ沃素イオンは、ラ
マンスペクトルの散乱強度に大きな異方性を有してお
り、図1に示すように分子軸に一致する方向に大きく散
乱が起こる。したがって、得られた試料のラマンスペク
トルと可視吸収スペクトルの異方性を調べることにより
分子の配向状態を知ることができる。これから、フタロ
シアニンの分子平面が図5のa軸の垂直平面内にあるこ
とがわかる。また、沃素の存在形態がI3 - 、I5 - で
あり、両者のいずれも軸方向がa軸に一致していること
がわかった。立体的なパッキングの要請を考慮すると、
これらフタロシアニン沃素化物の構造は図5のようであ
ると結論される。 (比較例1)ニッケルフタロシアニン銅100mgと沃
素30mgをN、N−ジメチルホルムアミドに分散させ
て3日間攪拌した。その後、140℃で2分間加熱して
1日放置した。その後、N、N−ジメチルホルムアミド
を減圧下で留去し、10時間60℃で真空乾燥して黒色
粉末として100mgのニッケルフタロシアニン銅沃素
化物の結晶を得た。この結晶は、顕微鏡下で二色性を全
く示さなかった。この試料のラマン散乱の測定によって
I3 - に対応する散乱ピークが認められた。
【0027】なお、沃素を含まないナトリウムフタロシ
アニン、リチウムフタロシアニン、テトラスルホン酸ナ
トリウムフタロシアニン銅、テトラ−t−ブチルフタロ
シアニン銅などを顕微鏡下で観察したが、二色性は全く
示さなかった。表2に比較例の化合物の二色性を測定し
た結果を示す。表2に示すように二色性比は1.0であ
り透過率は明状態と暗状態とが同じであった。
アニン、リチウムフタロシアニン、テトラスルホン酸ナ
トリウムフタロシアニン銅、テトラ−t−ブチルフタロ
シアニン銅などを顕微鏡下で観察したが、二色性は全く
示さなかった。表2に比較例の化合物の二色性を測定し
た結果を示す。表2に示すように二色性比は1.0であ
り透過率は明状態と暗状態とが同じであった。
【0028】
【表2】
【0029】
【発明の効果】このような二色性結晶は、偏光フイルム
の材料として用いられる他、絶縁流体中に微結晶を分散
し、電場による配向制御で透過率を変化させる微粒子分
散型調光材料に用いることができる。特にフタロシアニ
ンが耐熱性、耐候性に優れことから、自動車、屋外デス
プレーなど過酷な条件でも使用できる。粒子の形状は、
偏光フイルムとして用いる場合には、形状異方性の大き
い針状が好ましく、微粒子分散型調光材料の場合は繊維
状あるいは針状が好ましい。
の材料として用いられる他、絶縁流体中に微結晶を分散
し、電場による配向制御で透過率を変化させる微粒子分
散型調光材料に用いることができる。特にフタロシアニ
ンが耐熱性、耐候性に優れことから、自動車、屋外デス
プレーなど過酷な条件でも使用できる。粒子の形状は、
偏光フイルムとして用いる場合には、形状異方性の大き
い針状が好ましく、微粒子分散型調光材料の場合は繊維
状あるいは針状が好ましい。
【図1】 この図はラマンスペクトルの散乱および可視
光線の異方性を説明する模式図でaはI3 - イオン、b
はI5 - イオンのラマン散乱を、cはフタロシアニンの
可視光線吸収の様子を示すものである。
光線の異方性を説明する模式図でaはI3 - イオン、b
はI5 - イオンのラマン散乱を、cはフタロシアニンの
可視光線吸収の様子を示すものである。
【図2】 この図は実施例6の試料の偏光フイルム作製
の際に加えた剪断方向を示す模式図である。
の際に加えた剪断方向を示す模式図である。
【図3】 この図は実施例6の試料のa軸方向とb軸方
向の可視光線吸収スペクトルである。
向の可視光線吸収スペクトルである。
【図4】 この図は実施例6の試料のa軸方向とb軸方
向のラマンスペクトルである。
向のラマンスペクトルである。
【図5】 この図は実施例6の二色性結晶中のフタロシ
アニン分子および沃素イオンの積層構造を示す模式図で
ある。
アニン分子および沃素イオンの積層構造を示す模式図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G02B 1/02 8807−2K (72)発明者 竹内 久人 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 臼杵 有光 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 戸島 和夫 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 白澤 淳 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 小林 愛 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内
Claims (1)
- 【請求項1】 フタロシアニン、フタロシアニン誘導
体、中心金属を導入したフタロシアニン、または中心金
属を導入したフタロシアニン誘導体の一種または二種以
上と沃素とからなり、前記のフタロシアニン、フタロシ
アニン誘導体、中心金属を導入したフタロシアニンまた
は中心金属を導入したフタロシアニン誘導体の一種また
は二種以上の溶液に該沃素を添加した時に析出する二色
性結晶であって、該沃素は二色性結晶中にI3 - および
I5 - のイオン状態で含まれていることを特徴とする二
色性結晶。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5080671A JPH06287461A (ja) | 1993-04-07 | 1993-04-07 | 二色性結晶 |
| US08/633,516 US5656751A (en) | 1993-04-07 | 1996-04-17 | Dichroic crystal |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5080671A JPH06287461A (ja) | 1993-04-07 | 1993-04-07 | 二色性結晶 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06287461A true JPH06287461A (ja) | 1994-10-11 |
Family
ID=13724831
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5080671A Pending JPH06287461A (ja) | 1993-04-07 | 1993-04-07 | 二色性結晶 |
Country Status (2)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US5656751A (ja) |
| JP (1) | JPH06287461A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007161828A (ja) * | 2005-12-13 | 2007-06-28 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 有機微結晶の配向制御法 |
| JP2007231122A (ja) * | 2006-02-28 | 2007-09-13 | Canon Inc | 液体組成物の製造方法、液体付与形成方法および液体付与装置 |
| US7450305B2 (en) | 2001-02-07 | 2008-11-11 | Sumitomo Chemical Company, Limited | Polarizing plate and liquid crystal display device using the same |
| JP2014508195A (ja) * | 2011-01-10 | 2014-04-03 | ケンブリッジ・エンタープライズ・リミテッド | 光学デバイスにおいて使用するためのスメクチックa組成物 |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE69931149T2 (de) * | 1998-02-26 | 2007-04-05 | Research Frontiers Inc. | Lichtpolarisierende Teilchen und diese umfassende flüssige Suspensionen und Lichtmodulatoren |
| US6682702B2 (en) * | 2001-08-24 | 2004-01-27 | Agilent Technologies, Inc. | Apparatus and method for simultaneously conducting multiple chemical reactions |
| US20040224182A1 (en) * | 2003-01-07 | 2004-11-11 | Lazarev Pavel I. | Backlight polar organic light-emitting device |
| US7166161B2 (en) * | 2003-01-17 | 2007-01-23 | Nitto Denko Corporation | Anisotropic film manufacturing |
| US7831387B2 (en) * | 2004-03-23 | 2010-11-09 | Google Inc. | Visually-oriented driving directions in digital mapping system |
| US7211664B2 (en) * | 2004-03-26 | 2007-05-01 | Toyo Ink Mfg. Co., Ltd. | Process for the production of epsilon crystal form copper phthalocyanine |
| JP2005306840A (ja) * | 2004-03-26 | 2005-11-04 | Toyo Ink Mfg Co Ltd | 銅フタロシアニン・ヨウ素分子間化合物およびその製造法 |
| WO2015063692A1 (en) * | 2013-10-31 | 2015-05-07 | Sabic Global Technologies B.V. | Process for making axially fluorinated-phthalocyanines and their use in photovoltaic applications |
Family Cites Families (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5358813A (en) * | 1902-01-13 | 1994-10-25 | Fuji Xerox Co., Ltd. | Crystals of chlorogallium phthalocyanine and method of preparing them |
| JPS615121A (ja) * | 1984-06-19 | 1986-01-10 | Kajima Corp | 既設杭の引抜き工法 |
| JPH03262639A (ja) * | 1990-03-13 | 1991-11-22 | Kawamura Inst Of Chem Res | フタロシアニン薄膜およびそれを用いた偏光フィルム |
| US5350843A (en) * | 1990-11-06 | 1994-09-27 | Mitsui Toatsu Chemicals, Incorporated | Halogenated phthalocyanine compound, method for preparing same |
-
1993
- 1993-04-07 JP JP5080671A patent/JPH06287461A/ja active Pending
-
1996
- 1996-04-17 US US08/633,516 patent/US5656751A/en not_active Expired - Fee Related
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7450305B2 (en) | 2001-02-07 | 2008-11-11 | Sumitomo Chemical Company, Limited | Polarizing plate and liquid crystal display device using the same |
| JP2007161828A (ja) * | 2005-12-13 | 2007-06-28 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 有機微結晶の配向制御法 |
| JP2007231122A (ja) * | 2006-02-28 | 2007-09-13 | Canon Inc | 液体組成物の製造方法、液体付与形成方法および液体付与装置 |
| JP2014508195A (ja) * | 2011-01-10 | 2014-04-03 | ケンブリッジ・エンタープライズ・リミテッド | 光学デバイスにおいて使用するためのスメクチックa組成物 |
| JP2017133018A (ja) * | 2011-01-10 | 2017-08-03 | ケンブリッジ・エンタープライズ・リミテッドCambridge Enterprise Limited | 光学デバイスにおいて使用するためのスメクチックa組成物 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| US5656751A (en) | 1997-08-12 |
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