JPH06290941A - 磁性体薄膜 - Google Patents
磁性体薄膜Info
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- JPH06290941A JPH06290941A JP5075574A JP7557493A JPH06290941A JP H06290941 A JPH06290941 A JP H06290941A JP 5075574 A JP5075574 A JP 5075574A JP 7557493 A JP7557493 A JP 7557493A JP H06290941 A JPH06290941 A JP H06290941A
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B82—NANOTECHNOLOGY
- B82Y—SPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
- B82Y25/00—Nanomagnetism, e.g. magnetoimpedance, anisotropic magnetoresistance, giant magnetoresistance or tunneling magnetoresistance
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01F—MAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
- H01F10/00—Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure
- H01F10/32—Spin-exchange-coupled multilayers, e.g. nanostructured superlattices
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- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
- Nanotechnology (AREA)
- Magnetic Heads (AREA)
- Power Engineering (AREA)
- Thin Magnetic Films (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 成膜直後から軟磁気特性に優れ、耐熱処理性
に優れた、高飽和磁束密度を有する磁性体薄膜を提供す
る。 【構成】 磁性体であるA物質と、前記A物質に含まれ
る少なくとも一種以上の金属元素及び酸素または窒素を
含むB物質と、前記A物質に含まれる少なくとも一種以
上の金属元素を含み、かつ前記B物質よりも酸素または
窒素含有率の高いC物質の少なくとも3種類の物質より
なり、前記A物質よりなる複数の結晶粒界の一部が、前
記B物質またはC物質によっておおわれた磁性薄膜層
と、前記C物質で構成される絶縁薄膜層とが交互に積層
してなる磁性体薄膜。
に優れた、高飽和磁束密度を有する磁性体薄膜を提供す
る。 【構成】 磁性体であるA物質と、前記A物質に含まれ
る少なくとも一種以上の金属元素及び酸素または窒素を
含むB物質と、前記A物質に含まれる少なくとも一種以
上の金属元素を含み、かつ前記B物質よりも酸素または
窒素含有率の高いC物質の少なくとも3種類の物質より
なり、前記A物質よりなる複数の結晶粒界の一部が、前
記B物質またはC物質によっておおわれた磁性薄膜層
と、前記C物質で構成される絶縁薄膜層とが交互に積層
してなる磁性体薄膜。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気ヘッドをはじめ、
トランス、各種フィルター、可飽和リアクトル、チョー
クコイル、各種センサ等磁気回路を利用する電子部品、
電子機器に使用する磁性材料に関するものである。
トランス、各種フィルター、可飽和リアクトル、チョー
クコイル、各種センサ等磁気回路を利用する電子部品、
電子機器に使用する磁性材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の高密度磁気記録用磁気ヘッドや小
型化に進む磁気回路部品の要望に伴い、従来よりスパッ
タリングや蒸着などの薄膜化技術を用いてFe系、Co
系等の高飽和磁束密度を有し且つ軟磁気特性のよい磁性
体材料の薄膜の形成が試みられている。例えば、金属磁
性体の薄膜と、Cu等の非磁性体を積層し、金属磁性体
の粒成長を抑えることで磁性体の軟磁気特性を向上させ
た薄膜や、金属磁性体内にTiやN等の不純物を分散さ
せ金属磁性体の結晶粒径を下げた金属磁性体薄膜が考案
されており、またこれらの金属磁性体の薄膜を酸化アル
ミニウム等の絶縁層と積層することで、渦電流損を減少
させ、高周波領域での透磁率の低下を抑えたものが提案
されてきた。
型化に進む磁気回路部品の要望に伴い、従来よりスパッ
タリングや蒸着などの薄膜化技術を用いてFe系、Co
系等の高飽和磁束密度を有し且つ軟磁気特性のよい磁性
体材料の薄膜の形成が試みられている。例えば、金属磁
性体の薄膜と、Cu等の非磁性体を積層し、金属磁性体
の粒成長を抑えることで磁性体の軟磁気特性を向上させ
た薄膜や、金属磁性体内にTiやN等の不純物を分散さ
せ金属磁性体の結晶粒径を下げた金属磁性体薄膜が考案
されており、またこれらの金属磁性体の薄膜を酸化アル
ミニウム等の絶縁層と積層することで、渦電流損を減少
させ、高周波領域での透磁率の低下を抑えたものが提案
されてきた。
【0003】一方、電子機器の小型化の要求にともな
い、電子部品の小型化、動作周波数の高周波化が進展し
てきているが、その中で磁気素子が電子機器の容積を決
定することが多い。このためにIC回路に実装可能な、
微小なトランス、各種フィルター、可飽和リアクトル、
チョークコイル、各種センサ等のマイクロインダクタ素
子の形成が強く望まれており、マイクロインダクタ素子
を基板上に作製する場合、他の素子の耐熱性の問題か
ら、熱処理無しで軟磁気特性が優れた磁性体薄膜が望ま
れている。
い、電子部品の小型化、動作周波数の高周波化が進展し
てきているが、その中で磁気素子が電子機器の容積を決
定することが多い。このためにIC回路に実装可能な、
微小なトランス、各種フィルター、可飽和リアクトル、
チョークコイル、各種センサ等のマイクロインダクタ素
子の形成が強く望まれており、マイクロインダクタ素子
を基板上に作製する場合、他の素子の耐熱性の問題か
ら、熱処理無しで軟磁気特性が優れた磁性体薄膜が望ま
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の積
層磁性体薄膜では、軟磁気特性の向上や、ヘッド基板と
の融着を目的とした薄膜の熱処理工程で、非磁性体と磁
性体の熱膨張係数の差による熱応力の発生や、薄膜界面
の相互拡散による、磁性層の非磁性層化、組成ずれなど
のために、期待される軟磁気特性を得ることができない
という課題があった。また、積層効果を出すためには主
磁性体に対する非磁性体の体積割合を大きくする必要が
あり、見かけの飽和磁束密度や透磁率を著しく減少させ
るという課題があった。
層磁性体薄膜では、軟磁気特性の向上や、ヘッド基板と
の融着を目的とした薄膜の熱処理工程で、非磁性体と磁
性体の熱膨張係数の差による熱応力の発生や、薄膜界面
の相互拡散による、磁性層の非磁性層化、組成ずれなど
のために、期待される軟磁気特性を得ることができない
という課題があった。また、積層効果を出すためには主
磁性体に対する非磁性体の体積割合を大きくする必要が
あり、見かけの飽和磁束密度や透磁率を著しく減少させ
るという課題があった。
【0005】また従来の磁性体に異種原子を分散させ結
晶粒を微細化させた磁性体薄膜、例えばNを分散させた
Fe系磁性体薄膜では、熱処理時にNがFeと解離する
ために結晶粒が増大して軟磁気特性が劣化したり、Ti
やMgなどを分散させたFe系またはCo系磁性体薄膜
に於いては、これらの異種元素のために飽和磁束密度が
1〜3割程度低下するという課題があった。
晶粒を微細化させた磁性体薄膜、例えばNを分散させた
Fe系磁性体薄膜では、熱処理時にNがFeと解離する
ために結晶粒が増大して軟磁気特性が劣化したり、Ti
やMgなどを分散させたFe系またはCo系磁性体薄膜
に於いては、これらの異種元素のために飽和磁束密度が
1〜3割程度低下するという課題があった。
【0006】また従来の高飽和磁束密度を有する磁性体
薄膜の場合、薄膜内部の応力解放のためや、異方性をつ
けるため、または相変態をさせるために、200℃以上
で熱処理する必要があり、他のIC部品を実装した基板
上でマイクロインダクタ素子として使用できないという
課題があった。
薄膜の場合、薄膜内部の応力解放のためや、異方性をつ
けるため、または相変態をさせるために、200℃以上
で熱処理する必要があり、他のIC部品を実装した基板
上でマイクロインダクタ素子として使用できないという
課題があった。
【0007】本発明は、前記従来の問題を解決するた
め、薄膜形成直後及び熱処理後の何れにおいても優れた
軟磁気特性を示し、また高周波領域に於いても高透磁率
を維持し、高飽和磁束密度を有する磁性体薄膜を提供す
ることを目的とする。
め、薄膜形成直後及び熱処理後の何れにおいても優れた
軟磁気特性を示し、また高周波領域に於いても高透磁率
を維持し、高飽和磁束密度を有する磁性体薄膜を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の磁性体薄膜は、磁性体であるA物質と、A
物質に含まれる少なくとも一種以上の金属元素及び酸素
または窒素を含むB物質と、A物質に含まれる少なくと
も一種以上の金属元素を含み、かつ前記B物質よりも酸
素または窒素含有率の高いC物質の、少なくとも3種類
の物質よりなり、A物質よりなる複数の結晶の粒界の一
部が、B物質またはC物質によっておおわれた磁性薄膜
層と、C物質で構成される絶縁薄膜層とが、交互に積層
してなるという構成を備えたものである。
め、本発明の磁性体薄膜は、磁性体であるA物質と、A
物質に含まれる少なくとも一種以上の金属元素及び酸素
または窒素を含むB物質と、A物質に含まれる少なくと
も一種以上の金属元素を含み、かつ前記B物質よりも酸
素または窒素含有率の高いC物質の、少なくとも3種類
の物質よりなり、A物質よりなる複数の結晶の粒界の一
部が、B物質またはC物質によっておおわれた磁性薄膜
層と、C物質で構成される絶縁薄膜層とが、交互に積層
してなるという構成を備えたものである。
【0009】前記構成においては、B物質は酸素含有率
a(原子パーセント)が、10≦a≦60atom%、また
は窒素含有率b(原子パーセント)が10≦b≦50at
om%、且つ、10<a+b≦60atom%で表わされる範
囲であり、C物質は酸素含有率c(原子パーセント)
が、20≦c≦67atom%、または窒素含有率d(原子
パーセント)が20≦d≦57atom%、且つ20≦c+
d≦67atom%、且つa+b<c+dで表わされる範囲
であることが好ましい。
a(原子パーセント)が、10≦a≦60atom%、また
は窒素含有率b(原子パーセント)が10≦b≦50at
om%、且つ、10<a+b≦60atom%で表わされる範
囲であり、C物質は酸素含有率c(原子パーセント)
が、20≦c≦67atom%、または窒素含有率d(原子
パーセント)が20≦d≦57atom%、且つ20≦c+
d≦67atom%、且つa+b<c+dで表わされる範囲
であることが好ましい。
【0010】また前記構成においては、B物質がA物質
に含まれる磁性金属元素を含むことが好ましい。また前
記構成においては、A物質が酸化物生成自由エネルギー
がFeより低い物質、又は窒化物生成自由エネルギーが
Feより低い物質を少なくとも一種類以上含む磁性体で
あることが好ましい。
に含まれる磁性金属元素を含むことが好ましい。また前
記構成においては、A物質が酸化物生成自由エネルギー
がFeより低い物質、又は窒化物生成自由エネルギーが
Feより低い物質を少なくとも一種類以上含む磁性体で
あることが好ましい。
【0011】また前記構成においては、A物質は酸素含
有率e(原子パーセント)が、0.1≦e≦10atom
%、または窒素含有率f(原子パーセント)が0.1≦
f≦20atom%、且つ、0.1≦e+f≦25atom%で
表わされる範囲であることが好ましい。
有率e(原子パーセント)が、0.1≦e≦10atom
%、または窒素含有率f(原子パーセント)が0.1≦
f≦20atom%、且つ、0.1≦e+f≦25atom%で
表わされる範囲であることが好ましい。
【0012】また前記構成においては、A物質の平均膜
厚が300〜5nm、B物質の平均膜厚が10〜0.0
5nm、C物質の平均膜厚が50〜1nmであることが
好ましい。
厚が300〜5nm、B物質の平均膜厚が10〜0.0
5nm、C物質の平均膜厚が50〜1nmであることが
好ましい。
【0013】また前記構成においては、磁性薄膜層を構
成する物質のうち、C物質の層と隣合う物質がB物質で
あることが好ましい。この磁性体薄膜は、酸素または窒
素供給量を制御した反応性スパッタにより製造できる。
成する物質のうち、C物質の層と隣合う物質がB物質で
あることが好ましい。この磁性体薄膜は、酸素または窒
素供給量を制御した反応性スパッタにより製造できる。
【0014】
【作用】本発明の磁性体薄膜はA物質とB物質とC物質
より構成される。主磁性体であるA物質は、その粒界の
一部をB物質またはC物質におおわれることで成膜直後
はもちろん、熱処理後も結晶粒が微細で、結晶が高配向
しており、実効的な結晶磁気異方性、磁気異方性分散が
小さいために軟磁気特性がよい。またA物質より高抵抗
であるB物質、C物質により膜内に生ずる渦電流が抑え
られ、高周波領域での透磁率の低下が抑制される。また
B物質、C物質にはA物質に含まれる元素が含有される
ために、成膜直後より内部応力が小さく、軟磁気特性に
優れる。また熱処理後も、相互拡散による磁性体の非磁
性化、組成ずれ、界面における局所応力が小さく、耐熱
処理性が高い。また積層体磁性膜全体が酸化物または窒
化物を含むため、耐摩耗性、耐腐食性が向上する。
より構成される。主磁性体であるA物質は、その粒界の
一部をB物質またはC物質におおわれることで成膜直後
はもちろん、熱処理後も結晶粒が微細で、結晶が高配向
しており、実効的な結晶磁気異方性、磁気異方性分散が
小さいために軟磁気特性がよい。またA物質より高抵抗
であるB物質、C物質により膜内に生ずる渦電流が抑え
られ、高周波領域での透磁率の低下が抑制される。また
B物質、C物質にはA物質に含まれる元素が含有される
ために、成膜直後より内部応力が小さく、軟磁気特性に
優れる。また熱処理後も、相互拡散による磁性体の非磁
性化、組成ずれ、界面における局所応力が小さく、耐熱
処理性が高い。また積層体磁性膜全体が酸化物または窒
化物を含むため、耐摩耗性、耐腐食性が向上する。
【0015】
【実施例】本発明の磁性体薄膜のA物質に適用される物
質としては、特に限定はないが、例えばFe、Co、N
i、Fe−Co、Co−Ni、Fe−Ni、Fe−Co
−Ni等の磁性体金属、または以上の磁性体金属中に、
酸化物生成自由エネルギー又は窒化物生成自由エネルギ
ーがFeより低い値を持つ元素、例えばAl、Si、T
a、Ti、Mg、Zr、Mn、Ca、Cr、ボロン等か
ら選ばれた少なくとも一種以上の元素を含む磁性体合金
であることが望ましい。
質としては、特に限定はないが、例えばFe、Co、N
i、Fe−Co、Co−Ni、Fe−Ni、Fe−Co
−Ni等の磁性体金属、または以上の磁性体金属中に、
酸化物生成自由エネルギー又は窒化物生成自由エネルギ
ーがFeより低い値を持つ元素、例えばAl、Si、T
a、Ti、Mg、Zr、Mn、Ca、Cr、ボロン等か
ら選ばれた少なくとも一種以上の元素を含む磁性体合金
であることが望ましい。
【0016】また磁性体合金Aが、酸素含有率e(原子
パーセント)が、0.1≦e≦10atom%、または窒素
含有率f(原子パーセント)が0.1≦f≦20atom
%、且つ、0.1≦e+f≦25atom%で表わされる範
囲の窒素または酸素を含有していると、熱処理での結晶
粒子の成長や、B物質またはC物質を構成する元素の相
互拡散が生じにくくなるので望ましい。
パーセント)が、0.1≦e≦10atom%、または窒素
含有率f(原子パーセント)が0.1≦f≦20atom
%、且つ、0.1≦e+f≦25atom%で表わされる範
囲の窒素または酸素を含有していると、熱処理での結晶
粒子の成長や、B物質またはC物質を構成する元素の相
互拡散が生じにくくなるので望ましい。
【0017】本発明の磁性体薄膜のB物質に適応される
物質としては、相互拡散、及び格子定数のミスフィット
や熱膨張係数の相違などに起因する界面の局所応力緩和
のために、A物質に含まれる、少なくとも一種類以上の
元素を含んでいることが望ましく、特にA物質に含まれ
る磁性金属元素を含むことが望ましい。さらに主磁性体
のA物質の結晶同志の分離を明確にし、熱処理時の粒成
長を抑えるために、B物質が、酸素含有率a(原子パー
セント)が、10≦a≦60atom%、または窒素含有率
b(原子パーセント)が10≦b≦50atom%、且つ0
<a+b≦60atom%の範囲で酸素または窒素を含有し
ていることが望ましい。
物質としては、相互拡散、及び格子定数のミスフィット
や熱膨張係数の相違などに起因する界面の局所応力緩和
のために、A物質に含まれる、少なくとも一種類以上の
元素を含んでいることが望ましく、特にA物質に含まれ
る磁性金属元素を含むことが望ましい。さらに主磁性体
のA物質の結晶同志の分離を明確にし、熱処理時の粒成
長を抑えるために、B物質が、酸素含有率a(原子パー
セント)が、10≦a≦60atom%、または窒素含有率
b(原子パーセント)が10≦b≦50atom%、且つ0
<a+b≦60atom%の範囲で酸素または窒素を含有し
ていることが望ましい。
【0018】本発明の磁性体薄膜のC物質に適応される
物質としては、相互拡散を抑制するために、A物質に含
まれる、少なくとも一種類以上の元素を含んでいること
が望ましい。また高電気抵抗化、高硬度化ために、C物
質が、酸素含有率c(原子パーセント)が、20≦c≦
67atom%、または窒素含有率d(原子パーセント)が
20≦d≦57atom%、且つ、20≦c+d≦67atom
%で表わされる範囲で、しかもB物質以上の含有率で窒
素、または酸素を含有していることが望ましい。本発明
の磁性体薄膜を構成する磁性薄膜層の膜厚は高周波領域
での渦電流抑制の必要から2μm以下であることが望ま
しい。
物質としては、相互拡散を抑制するために、A物質に含
まれる、少なくとも一種類以上の元素を含んでいること
が望ましい。また高電気抵抗化、高硬度化ために、C物
質が、酸素含有率c(原子パーセント)が、20≦c≦
67atom%、または窒素含有率d(原子パーセント)が
20≦d≦57atom%、且つ、20≦c+d≦67atom
%で表わされる範囲で、しかもB物質以上の含有率で窒
素、または酸素を含有していることが望ましい。本発明
の磁性体薄膜を構成する磁性薄膜層の膜厚は高周波領域
での渦電流抑制の必要から2μm以下であることが望ま
しい。
【0019】本発明のA物質の平均膜厚または柱状晶の
粒径は結晶粒の微細化、及び結晶の配向性を高めるため
に300〜5nmの範囲が望ましく、B物質の平均膜厚
は、主にB物質に隣合う他の物質間をほぼ分離できる、
10〜0.05nmの範囲であることが望ましい。C物
質の平均膜厚はC物質に隣合う他の物質間をほぼ絶縁で
きる50〜1nmの範囲であることが望ましい。
粒径は結晶粒の微細化、及び結晶の配向性を高めるため
に300〜5nmの範囲が望ましく、B物質の平均膜厚
は、主にB物質に隣合う他の物質間をほぼ分離できる、
10〜0.05nmの範囲であることが望ましい。C物
質の平均膜厚はC物質に隣合う他の物質間をほぼ絶縁で
きる50〜1nmの範囲であることが望ましい。
【0020】本発明の磁性体薄膜の磁性薄膜層を形成す
る物質の内、C物質の層と隣合う物質は、相互拡散の抑
制ができ、さらに局所応力の緩和効果が期待できるB物
質であることが望ましい。
る物質の内、C物質の層と隣合う物質は、相互拡散の抑
制ができ、さらに局所応力の緩和効果が期待できるB物
質であることが望ましい。
【0021】本発明の磁性体薄膜の製造方法は、例えば
MBE、レーザーアブレイション法、蒸着法、メッキ
等、何れの薄膜化技術を用いても実現できるが、工業的
効率、作成の容易さからかんがみて、例えばイオンビー
ムスパッタや対向ターゲット式スパッタ、マグネトロン
スパッタに代表されるスパッタリング法であることが望
ましい。用いるターゲットの数に特に限定はないが、工
業的には、一種類の磁性体ターゲットを用いたスパッタ
で、ガスの種類を変えることで異なる薄膜を連続的に積
層する製造方法が望ましい。
MBE、レーザーアブレイション法、蒸着法、メッキ
等、何れの薄膜化技術を用いても実現できるが、工業的
効率、作成の容易さからかんがみて、例えばイオンビー
ムスパッタや対向ターゲット式スパッタ、マグネトロン
スパッタに代表されるスパッタリング法であることが望
ましい。用いるターゲットの数に特に限定はないが、工
業的には、一種類の磁性体ターゲットを用いたスパッタ
で、ガスの種類を変えることで異なる薄膜を連続的に積
層する製造方法が望ましい。
【0022】本発明の磁性体積層薄膜は1.3〜1.9
Tの高飽和磁束密度を有し、且つ低保持力で初透磁率の
高周波特性がよいため、基盤上に形成し磁気ヘッドとし
て用いることで、高保持力媒体に、高密度信号を記録す
ることができる。さらに耐熱性、耐摩耗性に優れた特性
を持つために、磁気ヘッドの経時劣化が小さい。
Tの高飽和磁束密度を有し、且つ低保持力で初透磁率の
高周波特性がよいため、基盤上に形成し磁気ヘッドとし
て用いることで、高保持力媒体に、高密度信号を記録す
ることができる。さらに耐熱性、耐摩耗性に優れた特性
を持つために、磁気ヘッドの経時劣化が小さい。
【0023】本発明の磁性体薄膜は高飽和磁束密度を有
し、100℃以下の成膜温度で作成可能で、しかも成膜
直後の状態より優れた軟磁気特性を有するために、IC
基板上に、他のIC電子回路部品とともに実装できるマ
イクロインダクタ素子として用いると特に効果がある。
し、100℃以下の成膜温度で作成可能で、しかも成膜
直後の状態より優れた軟磁気特性を有するために、IC
基板上に、他のIC電子回路部品とともに実装できるマ
イクロインダクタ素子として用いると特に効果がある。
【0024】以下の実施例中に示す組成は、ICP、R
BS及びEPMA、EDSの分析に加え、酸化、窒化に
よる重量増の計測を組み合わせることで評価した。尚、
以下では磁性薄膜層を構成する主物質が、例えばA物質
とB物質である場合、この磁性薄膜層を薄膜ABと呼
び、さらに薄膜ABと積層する物質が例えばC物質であ
る磁性体薄膜を、磁性体薄膜ABC、また薄膜ABと積
層する物質が例えばB物質である磁性体薄膜を、磁性体
薄膜ABBなどと呼ぶことにする。
BS及びEPMA、EDSの分析に加え、酸化、窒化に
よる重量増の計測を組み合わせることで評価した。尚、
以下では磁性薄膜層を構成する主物質が、例えばA物質
とB物質である場合、この磁性薄膜層を薄膜ABと呼
び、さらに薄膜ABと積層する物質が例えばC物質であ
る磁性体薄膜を、磁性体薄膜ABC、また薄膜ABと積
層する物質が例えばB物質である磁性体薄膜を、磁性体
薄膜ABBなどと呼ぶことにする。
【0025】(実施例1)A物質及び、A物質に含まれ
る少なくとも一種以上の元素と、酸素或いは窒素を含有
するB物質、C物質の3種類の物質より構成される磁性
体薄膜の優位性を検証するために以下の実験を行った。
る少なくとも一種以上の元素と、酸素或いは窒素を含有
するB物質、C物質の3種類の物質より構成される磁性
体薄膜の優位性を検証するために以下の実験を行った。
【0026】組成がFeのA1物質、組成がFe−42
atom%、Si−39atom%、O−19atom%のB1物
質、Fe−20atom%、Si−25atom%、O−53at
om%のC1物質を、RFマグネトロンスパッタ法によ
り、非磁性基板上に、まずA1物質を平均膜厚で20n
m、B1物質を平均膜厚、2nmを交互にスパッタリン
グした2μmの薄膜A1B1を形成し、続いて平均膜厚
20nmのC1物質を形成し、次に再び2μmの薄膜A
1B1を形成し、磁性体薄膜A1B1C1を作成した。
尚、A1物質は、Feターゲットを、8mTorr、Ar雰
囲気で、B1物質はFe−Si合金ターゲットを、8m
Torr、Ar+5%O2 雰囲気で、C1物質はB1物質と
同一のFe−Si合金ターゲットを、8mTorr、Ar+
15%O2 雰囲気で、基板温度を200℃、投入電力4
00Wで作成した。
atom%、Si−39atom%、O−19atom%のB1物
質、Fe−20atom%、Si−25atom%、O−53at
om%のC1物質を、RFマグネトロンスパッタ法によ
り、非磁性基板上に、まずA1物質を平均膜厚で20n
m、B1物質を平均膜厚、2nmを交互にスパッタリン
グした2μmの薄膜A1B1を形成し、続いて平均膜厚
20nmのC1物質を形成し、次に再び2μmの薄膜A
1B1を形成し、磁性体薄膜A1B1C1を作成した。
尚、A1物質は、Feターゲットを、8mTorr、Ar雰
囲気で、B1物質はFe−Si合金ターゲットを、8m
Torr、Ar+5%O2 雰囲気で、C1物質はB1物質と
同一のFe−Si合金ターゲットを、8mTorr、Ar+
15%O2 雰囲気で、基板温度を200℃、投入電力4
00Wで作成した。
【0027】また、比較のため、非磁性基板上に、A1
物質の単層膜、4μm を作成した。尚、成膜条件は、上
記A1物質と同じである。また、比較のため、非磁性基
板上に、まずA1物質20nm、B1物質、2nmを交
互にスパッタリングした2μmの薄膜A1B1を形成
し、続いて20nmのB1物質を形成し、次に再び2μ
mの薄膜A1B1を形成した磁性体薄膜A1B1B1を
作成した。尚、A1物質、B1物質の成膜条件は上記と
同じである。
物質の単層膜、4μm を作成した。尚、成膜条件は、上
記A1物質と同じである。また、比較のため、非磁性基
板上に、まずA1物質20nm、B1物質、2nmを交
互にスパッタリングした2μmの薄膜A1B1を形成
し、続いて20nmのB1物質を形成し、次に再び2μ
mの薄膜A1B1を形成した磁性体薄膜A1B1B1を
作成した。尚、A1物質、B1物質の成膜条件は上記と
同じである。
【0028】また、比較のため、A1物質と、組成がC
uのB2物質を、RFマグネトロンスパッタ法により、
非磁性基板上に、まずA1物質20nm、B2物質、2
nmを交互に合わせて積層した2μmの薄膜A1B2を
形成し、続いて20nmのB2物質を形成し、次に再び
2μmの薄膜A1B2を形成した磁性体薄膜A1B2B
2を作成した。尚、A1物質は上記の条件で、B2物質
はCuターゲットを、8mTorr、Ar雰囲気で、基板温
度を200℃、投入電力400Wで作成した。
uのB2物質を、RFマグネトロンスパッタ法により、
非磁性基板上に、まずA1物質20nm、B2物質、2
nmを交互に合わせて積層した2μmの薄膜A1B2を
形成し、続いて20nmのB2物質を形成し、次に再び
2μmの薄膜A1B2を形成した磁性体薄膜A1B2B
2を作成した。尚、A1物質は上記の条件で、B2物質
はCuターゲットを、8mTorr、Ar雰囲気で、基板温
度を200℃、投入電力400Wで作成した。
【0029】また、比較のため、A1物質と、組成がA
l−40atom%、O−60atom%のB3物質を、RFマ
グネトロンスパッタ法により、非磁性基板上に、まずA
1物質20nm、B3物質2nmを交互に合わせて形成
した2μmの薄膜A1B3を形成し、続いて20nmの
B3物質を形成し、次に再び2μmの薄膜A1B3を形
成した磁性体薄膜A1B3B3を作成した。尚、A1物
質は上記の条件で、B3物質はAlターゲットを、8m
Torr、Ar+40%O2 雰囲気で、基板温度を200
℃、投入電力400Wで作成した。以上のようにして得
られた磁性体薄膜を1×10-6Torrの真空中で、600
℃温度で、2時間アニールした。
l−40atom%、O−60atom%のB3物質を、RFマ
グネトロンスパッタ法により、非磁性基板上に、まずA
1物質20nm、B3物質2nmを交互に合わせて形成
した2μmの薄膜A1B3を形成し、続いて20nmの
B3物質を形成し、次に再び2μmの薄膜A1B3を形
成した磁性体薄膜A1B3B3を作成した。尚、A1物
質は上記の条件で、B3物質はAlターゲットを、8m
Torr、Ar+40%O2 雰囲気で、基板温度を200
℃、投入電力400Wで作成した。以上のようにして得
られた磁性体薄膜を1×10-6Torrの真空中で、600
℃温度で、2時間アニールした。
【0030】成膜直後及びアニール後の、1MHz、1
00MHzでの初透磁率μ、抗磁力Hcを(表1)に示
す。尚、初透磁率は1mOe印加状態での8の字コイル
法、抗磁力はMHループトレーサーを用いて測定した。
平均膜厚はそれぞれの成膜速度から求めた値である。
00MHzでの初透磁率μ、抗磁力Hcを(表1)に示
す。尚、初透磁率は1mOe印加状態での8の字コイル
法、抗磁力はMHループトレーサーを用いて測定した。
平均膜厚はそれぞれの成膜速度から求めた値である。
【0031】
【表1】
【0032】(表1)に示した、A1B1C1、A1B
1B1、A1B2B2、A1B3B3の4種類の磁性体
薄膜の成膜直後及びアニール後のTEM観察、及びED
S分析を行った。
1B1、A1B2B2、A1B3B3の4種類の磁性体
薄膜の成膜直後及びアニール後のTEM観察、及びED
S分析を行った。
【0033】成膜直後では、すべての磁性体薄膜におい
て、薄膜面内にほぼ垂直な方向に沿って柱状晶ができて
おり、薄膜面内に垂直方向に隣合う柱状晶間には、2n
mのB1〜B3の何れかのB物質層が部分的に存在して
いた。また薄膜の隣合う柱状晶の間にはC1、B1、B
2、B3物質の何れかの層が膜面内にほぼ平行、且つ連
続に形成されていた。
て、薄膜面内にほぼ垂直な方向に沿って柱状晶ができて
おり、薄膜面内に垂直方向に隣合う柱状晶間には、2n
mのB1〜B3の何れかのB物質層が部分的に存在して
いた。また薄膜の隣合う柱状晶の間にはC1、B1、B
2、B3物質の何れかの層が膜面内にほぼ平行、且つ連
続に形成されていた。
【0034】一方、500℃のアニール後においては、
A1B1C1、A1B1B1、A1B3B3の磁性体薄
膜においては膜面内に平行に隣合う柱状晶間の一部に、
それぞれC1、B1、B3の何れかの物質が、極薄く層
をなしており、A1B2B2では磁性体内部まで拡散し
ていることが分かった。
A1B1C1、A1B1B1、A1B3B3の磁性体薄
膜においては膜面内に平行に隣合う柱状晶間の一部に、
それぞれC1、B1、B3の何れかの物質が、極薄く層
をなしており、A1B2B2では磁性体内部まで拡散し
ていることが分かった。
【0035】A1B1C1、A1B1B1、A1B3B
3の磁性体薄膜はアニール前後において粒径はほとんど
変化がなく平均20nm程度であったがA1B2B2磁
性体薄膜の粒径がアニール前後で20nmから40nm
程度に、またA1単層膜の粒径はアニール前後で30n
mから100nm程度に粒成長してた。
3の磁性体薄膜はアニール前後において粒径はほとんど
変化がなく平均20nm程度であったがA1B2B2磁
性体薄膜の粒径がアニール前後で20nmから40nm
程度に、またA1単層膜の粒径はアニール前後で30n
mから100nm程度に粒成長してた。
【0036】これらのことから、A1B1C1、A1B
1B1、A1B3B3の磁性体薄膜においては、膜面内
に垂直に隣合う柱状晶間に形成されたB物質の層と、膜
面内に平行に隣合う柱状晶間に形成されたC物質の層
が、アニール時の粒成長を抑制し軟磁気特性の耐熱処理
性を高めたものと考えられる。
1B1、A1B3B3の磁性体薄膜においては、膜面内
に垂直に隣合う柱状晶間に形成されたB物質の層と、膜
面内に平行に隣合う柱状晶間に形成されたC物質の層
が、アニール時の粒成長を抑制し軟磁気特性の耐熱処理
性を高めたものと考えられる。
【0037】また、(表1)の初透磁率の変化を見る
と、磁性体薄膜A1B1C1、A1B3B3、A1B1
B1、A1B2B2の順に、高周波領域での減少が少な
く、磁性薄膜層間が絶縁されていることが分かる。
と、磁性体薄膜A1B1C1、A1B3B3、A1B1
B1、A1B2B2の順に、高周波領域での減少が少な
く、磁性薄膜層間が絶縁されていることが分かる。
【0038】A1B1C1、A1B3B3は共に透磁率
の高周波特性がよいが、アニール後においては、A1B
3B3の抗磁力が増大している。これはXRDの測定結
果からA1B3B3の積層界面に大きな熱応力が発生し
ていることが原因であると考えられる。
の高周波特性がよいが、アニール後においては、A1B
3B3の抗磁力が増大している。これはXRDの測定結
果からA1B3B3の積層界面に大きな熱応力が発生し
ていることが原因であると考えられる。
【0039】以上の結果から、磁性体の粒成長を抑制を
主目的とするB物質、または高抵抗であるC物質中に、
磁性体中に含まれる元素を1種類以上含むことで熱処理
後の相互拡散と界面応力を抑えることができ、軟磁気特
性の劣化抑えることができることがわかった。また、
A、B、Cの組成はできるだけ互いに近い組成であるこ
とが望ましい。すなわち、本発明に述べる磁性体薄膜に
おいては、次の実施例2のなかでも再記するように、特
に主磁性体であるA物質との接触表面積が最も広いB物
質中にはA物質中の磁性金属元素を含んでいることが望
ましい。
主目的とするB物質、または高抵抗であるC物質中に、
磁性体中に含まれる元素を1種類以上含むことで熱処理
後の相互拡散と界面応力を抑えることができ、軟磁気特
性の劣化抑えることができることがわかった。また、
A、B、Cの組成はできるだけ互いに近い組成であるこ
とが望ましい。すなわち、本発明に述べる磁性体薄膜に
おいては、次の実施例2のなかでも再記するように、特
に主磁性体であるA物質との接触表面積が最も広いB物
質中にはA物質中の磁性金属元素を含んでいることが望
ましい。
【0040】尚B物質、C物質が窒素を含有する場合、
または酸素と窒素をともに含有する場合も同様に、B物
質またはC物質中に、磁性体中に含まれる元素を1種以
上含むことが、熱処理時の軟磁気特性の劣化を抑制する
効果があることがわかった。
または酸素と窒素をともに含有する場合も同様に、B物
質またはC物質中に、磁性体中に含まれる元素を1種以
上含むことが、熱処理時の軟磁気特性の劣化を抑制する
効果があることがわかった。
【0041】(実施例2)B物質がA物質に含まれる元
素の中で特に磁性金属元素を含む磁性体薄膜の優位性を
調べるために以下の実験を行った。
素の中で特に磁性金属元素を含む磁性体薄膜の優位性を
調べるために以下の実験を行った。
【0042】(表2)に示すような組成を持つ3種類の
磁性体薄膜、AB1C〜AB3Cを以下の方法で作成し
た。尚、それぞれの積層体薄膜を構成するB1〜B3物
質、、B物質で代表する。
磁性体薄膜、AB1C〜AB3Cを以下の方法で作成し
た。尚、それぞれの積層体薄膜を構成するB1〜B3物
質、、B物質で代表する。
【0043】非磁性基板上に、まずA物質を50nm、
B物質、0.2nmを交互に合わせて2μmの薄膜AB
を形成し、続いて20nmのC物質を形成し、次に再び
2μmの薄膜ABを形成し磁性体薄膜ABCを作成し
た。尚、A物質は、同一のFeターゲットを、B1物質
はA物質と同一の、Feターゲットを、B2物質はSi
ターゲットを、B3物質はAlターゲットを、C物質は
Siターゲットを投入電力400W、8mTorr、Arま
たは、ArとO2 混合ガス雰囲気で、O2 濃度を変化さ
せて作成した。以上のようにして得られた磁性体薄膜を
1×10-6Torrの真空中で、500℃温度で、2時間ア
ニールした。
B物質、0.2nmを交互に合わせて2μmの薄膜AB
を形成し、続いて20nmのC物質を形成し、次に再び
2μmの薄膜ABを形成し磁性体薄膜ABCを作成し
た。尚、A物質は、同一のFeターゲットを、B1物質
はA物質と同一の、Feターゲットを、B2物質はSi
ターゲットを、B3物質はAlターゲットを、C物質は
Siターゲットを投入電力400W、8mTorr、Arま
たは、ArとO2 混合ガス雰囲気で、O2 濃度を変化さ
せて作成した。以上のようにして得られた磁性体薄膜を
1×10-6Torrの真空中で、500℃温度で、2時間ア
ニールした。
【0044】アニール後の、1MHzでの初透磁率μ、
抗磁力Hcを(表2)に示す。尚、初透磁率は1mOe
印加状態での8の字コイル法、抗磁力はBHループトレ
ーサーを用いて測定した。
抗磁力Hcを(表2)に示す。尚、初透磁率は1mOe
印加状態での8の字コイル法、抗磁力はBHループトレ
ーサーを用いて測定した。
【0045】
【表2】
【0046】それぞれの磁性体薄膜のアニール後の内部
応力をXRDにより評価したところ、それぞれA物質膜
の結晶配向性には差がなく、また結晶粒子の大きさにも
差はなかったが、AB2CとAB3Cは基板との熱応力
以外にAB1Cよりも大きな圧縮応力が残存しており、
磁気弾性エネルギーが大きいために軟磁気特性が悪くな
っている物と考えられる。この原因は明かではないが、
実施例1にも記したように主磁性体であるA物質との接
触表面積が最も広いB物質中にはA物質中の磁性金属元
素を含んでいることが望ましい。
応力をXRDにより評価したところ、それぞれA物質膜
の結晶配向性には差がなく、また結晶粒子の大きさにも
差はなかったが、AB2CとAB3Cは基板との熱応力
以外にAB1Cよりも大きな圧縮応力が残存しており、
磁気弾性エネルギーが大きいために軟磁気特性が悪くな
っている物と考えられる。この原因は明かではないが、
実施例1にも記したように主磁性体であるA物質との接
触表面積が最も広いB物質中にはA物質中の磁性金属元
素を含んでいることが望ましい。
【0047】尚、A物質中の磁性金属元素よりも酸化物
または窒化物生成自由エネルギーが小さい元素を含む場
合B物質の平均膜厚は1nm以下であればA物質とB物
質の相互拡散があってもアニールによるA物質の粒成長
を抑えられ軟磁気特性の劣化が小さい。
または窒化物生成自由エネルギーが小さい元素を含む場
合B物質の平均膜厚は1nm以下であればA物質とB物
質の相互拡散があってもアニールによるA物質の粒成長
を抑えられ軟磁気特性の劣化が小さい。
【0048】(実施例3)A物質、B物質、C物質の3
種類の物質を含む磁性体薄膜で、A物質中に、Feより
酸化物生成自由エネルギーが低い元素、またはFeより
窒化物生成自由エネルギーの低い元素を1種類以上含む
優位性について検証するために、以下の実験を行った。
種類の物質を含む磁性体薄膜で、A物質中に、Feより
酸化物生成自由エネルギーが低い元素、またはFeより
窒化物生成自由エネルギーの低い元素を1種類以上含む
優位性について検証するために、以下の実験を行った。
【0049】(表3)に示すような組成を持つ5種類の
磁性体薄膜、A1B1C1〜A5B5C5を以下の方法
で作成した。尚、それぞれの積層体薄膜を構成するA1
〜A5物質、B1〜B5物質、C1〜C5物質をA物
質、B物質、C物質で代表する。非磁性基板上に、まず
A物質を30nm、B物質、1nmを交互に合わせて2
μmの薄膜ABを形成し、続いて20nmのC物質を形
成し、次に再び2μmの薄膜ABを形成し磁性体薄膜A
BCを作成した。尚、A1、B1、C1物質は、同一の
Fe−Siターゲットを、A2、B2、C2物質は同一
の、Fe−Mgターゲットを、A3、B3、C3物質
は、同一のFe−Tiターゲットを、A4、B4、C4
物質は同一の、Feターゲットを、A5、B5、C5物
質は、同一のFe−Cuターゲットを、投入電力400
W、8mTorr、Arまたは、ArとO2 混合ガス雰囲気
で、O2 濃度を変化させて作成した。
磁性体薄膜、A1B1C1〜A5B5C5を以下の方法
で作成した。尚、それぞれの積層体薄膜を構成するA1
〜A5物質、B1〜B5物質、C1〜C5物質をA物
質、B物質、C物質で代表する。非磁性基板上に、まず
A物質を30nm、B物質、1nmを交互に合わせて2
μmの薄膜ABを形成し、続いて20nmのC物質を形
成し、次に再び2μmの薄膜ABを形成し磁性体薄膜A
BCを作成した。尚、A1、B1、C1物質は、同一の
Fe−Siターゲットを、A2、B2、C2物質は同一
の、Fe−Mgターゲットを、A3、B3、C3物質
は、同一のFe−Tiターゲットを、A4、B4、C4
物質は同一の、Feターゲットを、A5、B5、C5物
質は、同一のFe−Cuターゲットを、投入電力400
W、8mTorr、Arまたは、ArとO2 混合ガス雰囲気
で、O2 濃度を変化させて作成した。
【0050】以上得られた磁性体薄膜を1×10-6Torr
の真空中で、500℃温度で、2時間アニールした。ア
ニール後の、1MHz、100MHzでの初透磁率μ、
抗磁力Hcを(表3)に示す。尚、初透磁率は1mOe
印加状態での8の字コイル法、抗磁力はBHループトレ
ーサーを用いて測定した。
の真空中で、500℃温度で、2時間アニールした。ア
ニール後の、1MHz、100MHzでの初透磁率μ、
抗磁力Hcを(表3)に示す。尚、初透磁率は1mOe
印加状態での8の字コイル法、抗磁力はBHループトレ
ーサーを用いて測定した。
【0051】
【表3】
【0052】それぞれの磁性体薄膜のアニール前後のB
物質の層のEDS分析を行ったところ、(表3)に示し
たように、実施例として示した磁性体薄膜A1B1C1
〜A3B3C3が何れも、A物質中に含有するFeより
も酸化物生成自由エネルギーまたは窒化物生成自由エネ
ルギーが低い物質、即ちSi、またはMg、Tiの濃度
が高くなっていることが分かる。これはアニール中にA
物質からSi、またはMg、Tiが、またB物質中から
Feが相互拡散し、二つの物質層の境界を明瞭にしたこ
とによる。一方比較例として挙げた、磁性体薄膜A4B
4C4、A5B5C5では、B物質中の酸素を含む層の
幅が上記の実施例中のB物質の層幅より広がっており、
酸化物生成による磁性体内部の体積増加が内部応力を生
じている磁性体全体の軟磁気特性を劣化させている。
物質の層のEDS分析を行ったところ、(表3)に示し
たように、実施例として示した磁性体薄膜A1B1C1
〜A3B3C3が何れも、A物質中に含有するFeより
も酸化物生成自由エネルギーまたは窒化物生成自由エネ
ルギーが低い物質、即ちSi、またはMg、Tiの濃度
が高くなっていることが分かる。これはアニール中にA
物質からSi、またはMg、Tiが、またB物質中から
Feが相互拡散し、二つの物質層の境界を明瞭にしたこ
とによる。一方比較例として挙げた、磁性体薄膜A4B
4C4、A5B5C5では、B物質中の酸素を含む層の
幅が上記の実施例中のB物質の層幅より広がっており、
酸化物生成による磁性体内部の体積増加が内部応力を生
じている磁性体全体の軟磁気特性を劣化させている。
【0053】以上の結果から、磁性体中にA物質、B物
質、C物質の3種類の薄膜を含む磁性体薄膜で、A物質
中に、Feより酸化物生成自由エネルギーが低い元素が
含まれていることが、アニールによる酸素の磁性体中へ
の拡散を防ぎ、また高周波での透磁率の熱処理時の劣化
を防ぐ効果があることがわかる。尚実施例中示していな
いがA物質中に、Si、Mg、Tiの他、Al、Ta、
Zr、Mn、Ca、Cr、ボロン等から選ばれた少なく
とも一種以上の元素を含む磁性体合金であっても同様の
効果があり、またB物質、C物質が窒素を含有する場
合、または酸素と窒素をともに含有する場合も同様に、
磁性体であるA物質中に、Feより酸化物生成自由エネ
ルギーが低い元素、またはFeより窒化物生成自由エネ
ルギーの低い元素を1種類以上含むことが熱処理時の軟
磁気特性の劣化を抑制する効果があることがわかった。
質、C物質の3種類の薄膜を含む磁性体薄膜で、A物質
中に、Feより酸化物生成自由エネルギーが低い元素が
含まれていることが、アニールによる酸素の磁性体中へ
の拡散を防ぎ、また高周波での透磁率の熱処理時の劣化
を防ぐ効果があることがわかる。尚実施例中示していな
いがA物質中に、Si、Mg、Tiの他、Al、Ta、
Zr、Mn、Ca、Cr、ボロン等から選ばれた少なく
とも一種以上の元素を含む磁性体合金であっても同様の
効果があり、またB物質、C物質が窒素を含有する場
合、または酸素と窒素をともに含有する場合も同様に、
磁性体であるA物質中に、Feより酸化物生成自由エネ
ルギーが低い元素、またはFeより窒化物生成自由エネ
ルギーの低い元素を1種類以上含むことが熱処理時の軟
磁気特性の劣化を抑制する効果があることがわかった。
【0054】(実施例4)A物質、B物質、C物質の3
種類の薄膜を含む磁性体薄膜で、C物質中に、含有され
る酸素、又は窒素の適正量を調べるために以下の実験を
行った。
種類の薄膜を含む磁性体薄膜で、C物質中に、含有され
る酸素、又は窒素の適正量を調べるために以下の実験を
行った。
【0055】組成がFe−94.2atom%、Si−3.
8atom%のA物質、組成がFe−51atom%、Si−2
2atom%、Al−15atom%、O−12atom%のB物
質、組成がそれぞれ(表4)に示す、C01〜C11で
あるC物質を、マグネトロンスパッタ法により、非磁性
基板上に、A物質50nm、B物質、0.5nmを交互
に合わせて積層した1μmの薄膜ABと、50nmのC
01〜C11物質の何れかを交互に形成し、総膜厚約5
μmの磁性体薄膜ABC01〜ABC11を作成した。
尚、A物質は、Fe−Siターゲットを、2mTorr、A
r雰囲気で、B物質はFe−Si−Al合金ターゲット
を、2mTorr、Ar+3%O2 雰囲気で、C01〜C1
1物質はFe−Si−Al合金、Siの何れかのターゲ
ットを使用し、酸素分量を5〜40%を変化させたAr
+O2 雰囲気で、基板温度を100℃、投入電力300
Wで作成した。
8atom%のA物質、組成がFe−51atom%、Si−2
2atom%、Al−15atom%、O−12atom%のB物
質、組成がそれぞれ(表4)に示す、C01〜C11で
あるC物質を、マグネトロンスパッタ法により、非磁性
基板上に、A物質50nm、B物質、0.5nmを交互
に合わせて積層した1μmの薄膜ABと、50nmのC
01〜C11物質の何れかを交互に形成し、総膜厚約5
μmの磁性体薄膜ABC01〜ABC11を作成した。
尚、A物質は、Fe−Siターゲットを、2mTorr、A
r雰囲気で、B物質はFe−Si−Al合金ターゲット
を、2mTorr、Ar+3%O2 雰囲気で、C01〜C1
1物質はFe−Si−Al合金、Siの何れかのターゲ
ットを使用し、酸素分量を5〜40%を変化させたAr
+O2 雰囲気で、基板温度を100℃、投入電力300
Wで作成した。
【0056】以上得られた磁性体薄膜を1×10-6Torr
の真空中で、500℃温度で、2時間アニールした後
の、1MHz、100MHzでの初透磁率μ、抗磁力H
cを(表5)に示す。尚、初透磁率は1mOe印加状態
での8の字コイル法、抗磁力はMHループトレーサーを
用いて測定した。
の真空中で、500℃温度で、2時間アニールした後
の、1MHz、100MHzでの初透磁率μ、抗磁力H
cを(表5)に示す。尚、初透磁率は1mOe印加状態
での8の字コイル法、抗磁力はMHループトレーサーを
用いて測定した。
【0057】
【表4】
【0058】
【表5】
【0059】(表5)より、特に抗磁力の大きいアニー
ル後の磁性体薄膜、ABC02、ABC05と抗磁力の
小さいAB03についてAESデプスプロファイルを調
べたところ、抗磁力の大きい2つの薄膜磁性体では、酸
素、又は窒素が、A物質の磁性層の中程にまで拡散して
おり、非磁性層化が進んでいることが推察できる。
ル後の磁性体薄膜、ABC02、ABC05と抗磁力の
小さいAB03についてAESデプスプロファイルを調
べたところ、抗磁力の大きい2つの薄膜磁性体では、酸
素、又は窒素が、A物質の磁性層の中程にまで拡散して
おり、非磁性層化が進んでいることが推察できる。
【0060】またABC01〜ABC11のX線回折を
調べたところ、ABC05、ABC09のFe−Al−
Si合金の格子定数が特に大きくずれており、数Gdy
ne/cm2 の内部応力が残存していることが分かっ
た。この原因は明かではないが、残存応力は軟磁気特性
を低くしている原因の一つであると考えられる。また特
に100MHzでの初透磁率の低下が大きい、磁性体薄
膜ABC01、ABC04、ABC08、ABC11に
ついて膜に垂直方向の抵抗を測定したところ、数Ω以下
であり、充分に渦電流を抑えられていないことが分かっ
た。
調べたところ、ABC05、ABC09のFe−Al−
Si合金の格子定数が特に大きくずれており、数Gdy
ne/cm2 の内部応力が残存していることが分かっ
た。この原因は明かではないが、残存応力は軟磁気特性
を低くしている原因の一つであると考えられる。また特
に100MHzでの初透磁率の低下が大きい、磁性体薄
膜ABC01、ABC04、ABC08、ABC11に
ついて膜に垂直方向の抵抗を測定したところ、数Ω以下
であり、充分に渦電流を抑えられていないことが分かっ
た。
【0061】以上の結果からA物質、B物質、C物質の
3種類の薄膜を含む磁性体薄膜で、C物質中に、含有さ
れる酸素、又は窒素の量が、酸素含有率c(原子パーセ
ント)が、20≦c≦67atom%、または窒素含有率d
(原子パーセント)が20≦d≦57atom%、且つ20
≦c+d≦67atom%で表わされる範囲であるとき、相
互拡散が小さく、高電気抵抗となる。また上の条件を満
たす幾種類かのC物質の内、同程度の高電気抵抗を示す
ものであった場合、より誘電率の小さいものが望まし
い。
3種類の薄膜を含む磁性体薄膜で、C物質中に、含有さ
れる酸素、又は窒素の量が、酸素含有率c(原子パーセ
ント)が、20≦c≦67atom%、または窒素含有率d
(原子パーセント)が20≦d≦57atom%、且つ20
≦c+d≦67atom%で表わされる範囲であるとき、相
互拡散が小さく、高電気抵抗となる。また上の条件を満
たす幾種類かのC物質の内、同程度の高電気抵抗を示す
ものであった場合、より誘電率の小さいものが望まし
い。
【0062】(実施例5)A物質、B物質、C物質の3
種類の薄膜を含む磁性体薄膜で、B物質中に、含有され
る酸素、又は窒素の適正量を調べるために以下の実験を
行った。
種類の薄膜を含む磁性体薄膜で、B物質中に、含有され
る酸素、又は窒素の適正量を調べるために以下の実験を
行った。
【0063】組成がFe−94.2atom%、Si−3.
8atom%A物質、組成が(表6)に示す、B01〜B0
9物質、組成がSi−33atom%、O−67atom%のC
物質を、マグネトロンスパッタ法により、非磁性基板上
に、A物質50nm程度と、約5nmであるB01〜B
02物質の何れかを、交互に合わせて形成した1μmの
薄膜AB01〜AB09と、50nmのC物質をそれぞ
れ交互に形成し、総膜厚約5μmの磁性体薄膜AB01
C〜AB09Cを作成した。尚、A物質は、Fe−Si
ターゲットを、2mTorr、Ar雰囲気で、B物質はFe
−Si−Al合金ターゲットを、酸素分量を5〜40%
を変化させたArとO2 混合ガス、2mTorrの雰囲気
で、またはSi−Al、Siターゲットの何れかを、2
mTorr、Ar雰囲気で、C物質はSiターゲットを使用
し、酸素分量を30%にしたAr+O2 雰囲気で、基板
温度を100℃、投入電力300Wで作成した。
8atom%A物質、組成が(表6)に示す、B01〜B0
9物質、組成がSi−33atom%、O−67atom%のC
物質を、マグネトロンスパッタ法により、非磁性基板上
に、A物質50nm程度と、約5nmであるB01〜B
02物質の何れかを、交互に合わせて形成した1μmの
薄膜AB01〜AB09と、50nmのC物質をそれぞ
れ交互に形成し、総膜厚約5μmの磁性体薄膜AB01
C〜AB09Cを作成した。尚、A物質は、Fe−Si
ターゲットを、2mTorr、Ar雰囲気で、B物質はFe
−Si−Al合金ターゲットを、酸素分量を5〜40%
を変化させたArとO2 混合ガス、2mTorrの雰囲気
で、またはSi−Al、Siターゲットの何れかを、2
mTorr、Ar雰囲気で、C物質はSiターゲットを使用
し、酸素分量を30%にしたAr+O2 雰囲気で、基板
温度を100℃、投入電力300Wで作成した。
【0064】以上得られた磁性体薄膜を1×10-6Torr
の真空中で、500℃温度で、2時間アニールした後
の、1MHz、100MHzでの初透磁率μ、抗磁力H
cを(表7)に示す。尚、初透磁率は1mOe印加状態
での8の字コイル法、抗磁力は60Hzの交流磁場中
で、MHループトレーサーを用いて測定した。
の真空中で、500℃温度で、2時間アニールした後
の、1MHz、100MHzでの初透磁率μ、抗磁力H
cを(表7)に示す。尚、初透磁率は1mOe印加状態
での8の字コイル法、抗磁力は60Hzの交流磁場中
で、MHループトレーサーを用いて測定した。
【0065】
【表6】
【0066】
【表7】
【0067】(表7)より、特に抗磁力の大きいアニー
ル後の磁性体薄膜、AB01C、AB05C、と抗磁力
の小さいAB02についてAESデプスプロファイルを
調べたところ、抗磁力の大きい薄膜磁性体は、酸素、又
は窒素が、A物質の層の半ばにまで拡散しており、磁性
層の、非磁性層化、が進んでいることが推察できる。ま
たB物質に酸素、窒素とも全く含まないAB04Cで
は、A物質中へのAl及びSiの固溶が起こったために
A物質の粒成長が起こり磁気特性を劣化させたと考えら
れる。
ル後の磁性体薄膜、AB01C、AB05C、と抗磁力
の小さいAB02についてAESデプスプロファイルを
調べたところ、抗磁力の大きい薄膜磁性体は、酸素、又
は窒素が、A物質の層の半ばにまで拡散しており、磁性
層の、非磁性層化、が進んでいることが推察できる。ま
たB物質に酸素、窒素とも全く含まないAB04Cで
は、A物質中へのAl及びSiの固溶が起こったために
A物質の粒成長が起こり磁気特性を劣化させたと考えら
れる。
【0068】以上の結果からA物質、B物質、C物質の
3種類の薄膜を含む磁性体薄膜で、B物質中に、含有さ
れる酸素、又は窒素の適正量は、は酸素含有率a(原子
パーセント)が、10≦a≦60atom%、または窒素含
有率b(原子パーセント)が10≦b≦50atom%、且
つ、10<a+b≦60atom%で表わされる範囲である
といえる。
3種類の薄膜を含む磁性体薄膜で、B物質中に、含有さ
れる酸素、又は窒素の適正量は、は酸素含有率a(原子
パーセント)が、10≦a≦60atom%、または窒素含
有率b(原子パーセント)が10≦b≦50atom%、且
つ、10<a+b≦60atom%で表わされる範囲である
といえる。
【0069】(実施例6)A物質、B物質、C物質の3
種類の薄膜を含む磁性体薄膜で、A物質中に、含有され
る酸素、又は窒素の適正量を調べるために以下の実験を
行った。
種類の薄膜を含む磁性体薄膜で、A物質中に、含有され
る酸素、又は窒素の適正量を調べるために以下の実験を
行った。
【0070】組成が(表8)、(表9)に示すA01〜
A16のA物質、組成がFe37.6atom%、Al−
4.6atom%、Si−8.8atom%、O−49atom%の
B物質、組成がFe−25.3atom%、Al−3.2at
om%、Si−9.5atom%、O−61.9atom%C物質
を、マグネトロンスパッタ法により、非磁性基板上に、
50nm程度のA01〜A16物質何れかと、10nm
のB物質を交互に合わせて形成した1μmの薄膜A01
B〜A11Bと、20nmのC物質をそれぞれ交互に形
成し、総膜厚約5μmの磁性体薄膜A01BC〜A16
BCを作成した。尚、A01〜A08物質はFe−Si
−Al合金ターゲットを、A09〜A16物質はFe−
Si合金ターゲットを、酸素分量を0〜5%、窒素分量
0〜10%変化させたArとO2 またはN2 混合ガス、
8mTorrの雰囲気で、B物質は、Fe−Si−Alター
ゲットを使用し、酸素分量15%にしたArとO2 混合
ガス、8mTorrの雰囲気で、C物質はB物質と同じFe
−Si−Alターゲットを使用し、酸素分量を30%に
したArとO2 雰囲気で、基板温度を50℃、投入電力
400Wで作成した。
A16のA物質、組成がFe37.6atom%、Al−
4.6atom%、Si−8.8atom%、O−49atom%の
B物質、組成がFe−25.3atom%、Al−3.2at
om%、Si−9.5atom%、O−61.9atom%C物質
を、マグネトロンスパッタ法により、非磁性基板上に、
50nm程度のA01〜A16物質何れかと、10nm
のB物質を交互に合わせて形成した1μmの薄膜A01
B〜A11Bと、20nmのC物質をそれぞれ交互に形
成し、総膜厚約5μmの磁性体薄膜A01BC〜A16
BCを作成した。尚、A01〜A08物質はFe−Si
−Al合金ターゲットを、A09〜A16物質はFe−
Si合金ターゲットを、酸素分量を0〜5%、窒素分量
0〜10%変化させたArとO2 またはN2 混合ガス、
8mTorrの雰囲気で、B物質は、Fe−Si−Alター
ゲットを使用し、酸素分量15%にしたArとO2 混合
ガス、8mTorrの雰囲気で、C物質はB物質と同じFe
−Si−Alターゲットを使用し、酸素分量を30%に
したArとO2 雰囲気で、基板温度を50℃、投入電力
400Wで作成した。
【0071】以上得られた磁性体薄膜を成膜直後状態及
び1×10-6Torrの真空中で、500℃温度で、2時間
アニールした後の、1MHzでの初透磁率μ、及び50
0℃アニール後の飽和磁束密度Bs、及び抗磁力Hcの
値を(表10)に示す。尚、初透磁率は1mOe印加状
態での8の字コイル法、抗磁力、Bsの値はVSMを用
いて測定した。
び1×10-6Torrの真空中で、500℃温度で、2時間
アニールした後の、1MHzでの初透磁率μ、及び50
0℃アニール後の飽和磁束密度Bs、及び抗磁力Hcの
値を(表10)に示す。尚、初透磁率は1mOe印加状
態での8の字コイル法、抗磁力、Bsの値はVSMを用
いて測定した。
【0072】
【表8】
【0073】
【表9】
【0074】
【表10】
【0075】(表10)より、特に抗磁力の大きいアニ
ール後の磁性体薄膜、A01BC、A03BC、A07
BC、A09BC、A11BC、A15BCについてA
ESデプスプロファイルを調べたところ、成膜直後時と
比較して、磁性薄膜内の組成の周期性が不明瞭になって
おり、膜面に垂直方向の垂直磁気異方性Hkも増大して
いることがわかった。一方、アニール後のX線回折を調
べたところA06BCの粒径はA02BC及びA05B
Cに比較し、またA14BCの粒径はA10BC、A1
3BCと比較して大きいことがわかった。
ール後の磁性体薄膜、A01BC、A03BC、A07
BC、A09BC、A11BC、A15BCについてA
ESデプスプロファイルを調べたところ、成膜直後時と
比較して、磁性薄膜内の組成の周期性が不明瞭になって
おり、膜面に垂直方向の垂直磁気異方性Hkも増大して
いることがわかった。一方、アニール後のX線回折を調
べたところA06BCの粒径はA02BC及びA05B
Cに比較し、またA14BCの粒径はA10BC、A1
3BCと比較して大きいことがわかった。
【0076】従って、A物質中に酸素または窒素を適量
に含ませることで、B物質、C物質が熱適に安定し、し
かも熱的に不安定であることが公知であるFeの窒化物
を含有していても、本発明のA、B、Cの3種類の物質
からなる磁性体薄膜を構成することにより、耐熱性が向
上する。
に含ませることで、B物質、C物質が熱適に安定し、し
かも熱的に不安定であることが公知であるFeの窒化物
を含有していても、本発明のA、B、Cの3種類の物質
からなる磁性体薄膜を構成することにより、耐熱性が向
上する。
【0077】以上の結果からA物質、B物質、C物質の
3種類の薄膜を含む磁性体薄膜で、A物質中に、含有さ
れる酸素、又は窒素を酸素含有率e(原子パーセント)
が、0.1≦e≦10atom%、または窒素含有率f(原
子パーセント)が0.1≦f≦20atom%、且つ、0.
1≦e+f≦25atom%で表わされる範囲含有すること
により、構成原子の相互拡散を抑え、磁性体の結晶を微
細にすることで、アニール後の軟磁気特性の劣化を抑制
することがわかった。またこの効果は特にB物質の層厚
が5nm以上の厚みの時に顕著である。
3種類の薄膜を含む磁性体薄膜で、A物質中に、含有さ
れる酸素、又は窒素を酸素含有率e(原子パーセント)
が、0.1≦e≦10atom%、または窒素含有率f(原
子パーセント)が0.1≦f≦20atom%、且つ、0.
1≦e+f≦25atom%で表わされる範囲含有すること
により、構成原子の相互拡散を抑え、磁性体の結晶を微
細にすることで、アニール後の軟磁気特性の劣化を抑制
することがわかった。またこの効果は特にB物質の層厚
が5nm以上の厚みの時に顕著である。
【0078】(実施例7)A物質、B物質、C物質の3
種類の薄膜を含む磁性体薄膜で、A物質の適正膜厚を調
べるために以下の実験を行った。
種類の薄膜を含む磁性体薄膜で、A物質の適正膜厚を調
べるために以下の実験を行った。
【0079】組成がFe−90.2atom%、Si−5.
9atom%、Al−3.9atom%のA1物質、組成がFe
−38.2atom%、Si−4.3atom%、Al−2.3
atom%、O−55.2atom%のB1物質、組成がFe−
25.4atom%、Si−3.5atom%、Al−1.6at
om%、O−69.5atom%のC1物質を、マグネトロン
スパッタ法により、非磁性基板上に、500〜3nmの
範囲のA1物質、約0.5nmのB1物質を、交互に合
わせて形成した2μmの薄膜と、20nmのC1物質を
それぞれ交互に合わせ、総膜厚約4μmの磁性体薄膜を
作成した。
9atom%、Al−3.9atom%のA1物質、組成がFe
−38.2atom%、Si−4.3atom%、Al−2.3
atom%、O−55.2atom%のB1物質、組成がFe−
25.4atom%、Si−3.5atom%、Al−1.6at
om%、O−69.5atom%のC1物質を、マグネトロン
スパッタ法により、非磁性基板上に、500〜3nmの
範囲のA1物質、約0.5nmのB1物質を、交互に合
わせて形成した2μmの薄膜と、20nmのC1物質を
それぞれ交互に合わせ、総膜厚約4μmの磁性体薄膜を
作成した。
【0080】尚、A1物質は、Fe−Si−Alターゲ
ットを、2mTorr、Ar雰囲気で、B1物質及びC1物
質はA1物質と同じターゲットを、酸素分量を変化させ
たArとO2 混合ガス、2mTorrの雰囲気で作成した。
ットを、2mTorr、Ar雰囲気で、B1物質及びC1物
質はA1物質と同じターゲットを、酸素分量を変化させ
たArとO2 混合ガス、2mTorrの雰囲気で作成した。
【0081】尚、比較としてA1物質だけでできた2μ
m の薄膜と、20nmのC1物質をそれぞれ交互に合わ
せ、総膜厚約4μmの積層磁性体薄膜を作成した。次
に、組成がFe−96.0atom%、Si−4.0atom%
のA2物質、組成がFe−35.1atom%、Si−5.
3atom%、Al−2.1atom%、O−57.5atom%の
B2物質、組成がFe−24.1atom%、Si−4.4
atom%、Al−1.8atom%、O−69.7atom%のC
2物質を、マグネトロンスパッタ法により、非磁性基板
上に、500〜3nmの範囲のA2物質、約0.5nm
のB2物質を、交互に合わせた2μmの薄膜と、20n
mのC2物質をそれぞれ交互に合わせ、総膜厚約4μm
の磁性体薄膜を作成した。
m の薄膜と、20nmのC1物質をそれぞれ交互に合わ
せ、総膜厚約4μmの積層磁性体薄膜を作成した。次
に、組成がFe−96.0atom%、Si−4.0atom%
のA2物質、組成がFe−35.1atom%、Si−5.
3atom%、Al−2.1atom%、O−57.5atom%の
B2物質、組成がFe−24.1atom%、Si−4.4
atom%、Al−1.8atom%、O−69.7atom%のC
2物質を、マグネトロンスパッタ法により、非磁性基板
上に、500〜3nmの範囲のA2物質、約0.5nm
のB2物質を、交互に合わせた2μmの薄膜と、20n
mのC2物質をそれぞれ交互に合わせ、総膜厚約4μm
の磁性体薄膜を作成した。
【0082】尚、A2物質は、Fe−Siターゲット
を、2mTorr、Ar雰囲気で、B2物質及びC2物質は
同じFe−Si−Alターゲットを、酸素分量を変化さ
せたArとO2 混合ガス、2mTorrの雰囲気で作成し
た。
を、2mTorr、Ar雰囲気で、B2物質及びC2物質は
同じFe−Si−Alターゲットを、酸素分量を変化さ
せたArとO2 混合ガス、2mTorrの雰囲気で作成し
た。
【0083】尚、比較としてA2物質だけでできた2μ
m の薄膜と、20nmのC2物質をそれぞれ交互に合わ
せ、総膜厚約4μmの積層磁性体薄膜を作成した。以上
得られた磁性体薄膜を成膜直後及び、1×10-6Torrの
真空中500℃の温度で、2時間アニールした後の、1
MHzでの初透磁率μを(図1)及び(図2)に示す。
尚、初透磁率は1mOe印加状態での8の字コイル法を
用い、主磁性体であるA物質の総膜厚で計算し、A物質
の膜厚差による見かけの透磁率の減少分を補正してい
る。XRD及び断面TEMによりそれぞれの磁性体薄膜
のアニール後のA1物質の平均粒径を調べた結果、A1
物質の平均膜厚が10nm以下では粒径と膜厚がほぼ一
致しているが、A1物質の1層当りの平均膜厚が2μm
の積層磁性体薄膜の平均粒径が200nm程度出あるの
に比べ、A1物質の平均膜厚を300nmにした磁性体
薄膜の平均粒径は70nmであった。この粒成長の差の
原因は、膜内の内部応力や、B物質、C物質内の不純物
元素の、微量な拡散物によるピンどめ効果などが考えら
れる。
m の薄膜と、20nmのC2物質をそれぞれ交互に合わ
せ、総膜厚約4μmの積層磁性体薄膜を作成した。以上
得られた磁性体薄膜を成膜直後及び、1×10-6Torrの
真空中500℃の温度で、2時間アニールした後の、1
MHzでの初透磁率μを(図1)及び(図2)に示す。
尚、初透磁率は1mOe印加状態での8の字コイル法を
用い、主磁性体であるA物質の総膜厚で計算し、A物質
の膜厚差による見かけの透磁率の減少分を補正してい
る。XRD及び断面TEMによりそれぞれの磁性体薄膜
のアニール後のA1物質の平均粒径を調べた結果、A1
物質の平均膜厚が10nm以下では粒径と膜厚がほぼ一
致しているが、A1物質の1層当りの平均膜厚が2μm
の積層磁性体薄膜の平均粒径が200nm程度出あるの
に比べ、A1物質の平均膜厚を300nmにした磁性体
薄膜の平均粒径は70nmであった。この粒成長の差の
原因は、膜内の内部応力や、B物質、C物質内の不純物
元素の、微量な拡散物によるピンどめ効果などが考えら
れる。
【0084】磁気ヘッドをはじめ、磁性部品に使用する
場合、少なくとも透磁率が1000以上、抗磁力は1O
e以下であることが必要であるためA物質、B物質、C
物質の3種類の薄膜を含む磁性体薄膜で、A物質の平均
膜厚が300〜5nmの範囲であることが好ましい。
尚、上記実施例中の磁性体薄膜は何れも1.8〜1.9
Tの高飽和磁束密度を持つ。
場合、少なくとも透磁率が1000以上、抗磁力は1O
e以下であることが必要であるためA物質、B物質、C
物質の3種類の薄膜を含む磁性体薄膜で、A物質の平均
膜厚が300〜5nmの範囲であることが好ましい。
尚、上記実施例中の磁性体薄膜は何れも1.8〜1.9
Tの高飽和磁束密度を持つ。
【0085】(実施例8)A物質、B物質、C物質の3
種類の薄膜を含む磁性体薄膜で、B物質の適正膜厚を調
べるために以下の実験を行った。
種類の薄膜を含む磁性体薄膜で、B物質の適正膜厚を調
べるために以下の実験を行った。
【0086】組成がFe−86.8atom%、Si−9.
3atom%、Al−3.9atom%のA3物質、組成がFe
−32.8atom%、Si−6.9atom%、Al−2.3
atom%、O−58.0atom%のB3物質、組成がFe−
29.1atom%、Si−6.7atom%、Al−2.9at
om%、O−61.3atom%のC3物質を、マグネトロン
スパッタ法により、非磁性基板上に、約50nmのA3
物質、0.05〜50nmの範囲のB3物質を、交互に
形成した2μmの薄膜と、20nmのC3物質をそれぞ
れ交互に積層し、総膜厚約4μmの磁性体薄膜を作成し
た。
3atom%、Al−3.9atom%のA3物質、組成がFe
−32.8atom%、Si−6.9atom%、Al−2.3
atom%、O−58.0atom%のB3物質、組成がFe−
29.1atom%、Si−6.7atom%、Al−2.9at
om%、O−61.3atom%のC3物質を、マグネトロン
スパッタ法により、非磁性基板上に、約50nmのA3
物質、0.05〜50nmの範囲のB3物質を、交互に
形成した2μmの薄膜と、20nmのC3物質をそれぞ
れ交互に積層し、総膜厚約4μmの磁性体薄膜を作成し
た。
【0087】尚、A3物質は、Fe−Si−Alターゲ
ットを、2mTorr、Ar雰囲気で、B3物質及びC3物
質はA3物質と同じターゲットを、酸素分量を変化させ
たArとO2 混合ガス、2mTorrの雰囲気で作成した。
ットを、2mTorr、Ar雰囲気で、B3物質及びC3物
質はA3物質と同じターゲットを、酸素分量を変化させ
たArとO2 混合ガス、2mTorrの雰囲気で作成した。
【0088】尚、比較としてA3物質だけでできた2μ
m の薄膜と、20nmのC3物質をそれぞれ交互に合わ
せ、総膜厚約4μmの積層磁性体薄膜を作成した。次
に、組成がFe−98.0atom%、Si−1.0atom
%、N−1.0atom%のA4物質、組成がFe−35.
2atom%、Si−7.8atom%、O−57.0atom%の
B4物質、組成がSi−33.8atom%、O−66.2
atom%のC4物質を、マグネトロンスパッタ法により、
非磁性基板上に、500〜3nmの範囲のA2物質、約
0.5nmのB4物質を、交互に形成した2μmの薄膜
と、20nmのC4物質をそれぞれ交互に積層し、総膜
厚約4μmの磁性体薄膜を作成した。
m の薄膜と、20nmのC3物質をそれぞれ交互に合わ
せ、総膜厚約4μmの積層磁性体薄膜を作成した。次
に、組成がFe−98.0atom%、Si−1.0atom
%、N−1.0atom%のA4物質、組成がFe−35.
2atom%、Si−7.8atom%、O−57.0atom%の
B4物質、組成がSi−33.8atom%、O−66.2
atom%のC4物質を、マグネトロンスパッタ法により、
非磁性基板上に、500〜3nmの範囲のA2物質、約
0.5nmのB4物質を、交互に形成した2μmの薄膜
と、20nmのC4物質をそれぞれ交互に積層し、総膜
厚約4μmの磁性体薄膜を作成した。
【0089】尚、A4物質はFe−Siターゲットを、
2mTorr、Ar雰囲気で、B2物質A4物質と同じFe
−Siターゲットを、酸素分量を変化させたArとO2
混合ガス、12mTorrの雰囲気で、またC4物質はSi
ターゲットを用いArとO2混合ガス、12mTorrの雰
囲気で作成した。
2mTorr、Ar雰囲気で、B2物質A4物質と同じFe
−Siターゲットを、酸素分量を変化させたArとO2
混合ガス、12mTorrの雰囲気で、またC4物質はSi
ターゲットを用いArとO2混合ガス、12mTorrの雰
囲気で作成した。
【0090】尚、比較としてA4物質だけでできた2μ
m の薄膜と、20nmのC4物質をそれぞれ交互に合わ
せ、総膜厚約4μmの積層磁性体薄膜を作成した。以上
得られた磁性体薄膜を成膜直後状態及び、1×10-6To
rrの真空中500℃の温度で、2時間アニールした後
の、1MHzでの初透磁率μを(図3)及び(図4)に
示す。尚、初透磁率は1mOe印加状態での8の字コイ
ル法を用い、主磁性体であるA物質の膜厚で計算し、B
物質の膜厚差による見かけの透磁率の減少分を補正して
いる。
m の薄膜と、20nmのC4物質をそれぞれ交互に合わ
せ、総膜厚約4μmの積層磁性体薄膜を作成した。以上
得られた磁性体薄膜を成膜直後状態及び、1×10-6To
rrの真空中500℃の温度で、2時間アニールした後
の、1MHzでの初透磁率μを(図3)及び(図4)に
示す。尚、初透磁率は1mOe印加状態での8の字コイ
ル法を用い、主磁性体であるA物質の膜厚で計算し、B
物質の膜厚差による見かけの透磁率の減少分を補正して
いる。
【0091】XRDにより500アニール後のそれぞれ
の粒径、配向性、内部応力を調べた。まず結晶粒径はB
物質が1nm程度まではほぼ同じ値を示すが、それ以下
になると、次第に大きくなり、特に00.3以下では、
1層当り2μm のA3物質だけでできた積層磁性体薄膜
の粒径と同程度にまでなる。またすべての膜が強い(1
10)面配向を示し、特にB物質が0.05〜1nmの
範囲で他のピーク強度の50倍以上になる。またB物質
が50nmより厚くなるとA物質の内部応力がアニール
によっても解放されずに残留する。即ちB物質の平均膜
厚が薄くなることで、A物質結晶粒子が十分分離されて
いなくても、静磁結合の増大や、高配向することによる
磁気異方性分散の減少、磁気弾性エネルギーの減少など
により優れた軟磁気特性を示すことがわかる。
の粒径、配向性、内部応力を調べた。まず結晶粒径はB
物質が1nm程度まではほぼ同じ値を示すが、それ以下
になると、次第に大きくなり、特に00.3以下では、
1層当り2μm のA3物質だけでできた積層磁性体薄膜
の粒径と同程度にまでなる。またすべての膜が強い(1
10)面配向を示し、特にB物質が0.05〜1nmの
範囲で他のピーク強度の50倍以上になる。またB物質
が50nmより厚くなるとA物質の内部応力がアニール
によっても解放されずに残留する。即ちB物質の平均膜
厚が薄くなることで、A物質結晶粒子が十分分離されて
いなくても、静磁結合の増大や、高配向することによる
磁気異方性分散の減少、磁気弾性エネルギーの減少など
により優れた軟磁気特性を示すことがわかる。
【0092】以上の結果からA物質、B物質、C物質の
3種類の物質を含む磁性体薄膜で、B物質の平均膜厚が
10〜0.05nmの範囲であるときにA物質の単層磁
性体薄膜よりも軟磁気特性が優れた磁性体薄膜が得られ
ることがわかった。また特にアニール後の特性はB物質
の膜厚が1〜0.05nmの範囲であるとき優れた軟磁
気特性を示す。
3種類の物質を含む磁性体薄膜で、B物質の平均膜厚が
10〜0.05nmの範囲であるときにA物質の単層磁
性体薄膜よりも軟磁気特性が優れた磁性体薄膜が得られ
ることがわかった。また特にアニール後の特性はB物質
の膜厚が1〜0.05nmの範囲であるとき優れた軟磁
気特性を示す。
【0093】(実施例9)A物質、B物質、C物質の3
種類の薄膜を含む磁性体薄膜で、C物質の適正膜厚を調
べるために以下の実験を行った。
種類の薄膜を含む磁性体薄膜で、C物質の適正膜厚を調
べるために以下の実験を行った。
【0094】組成がFe−85.5atom%、Si−1
3.5atom%のA5物質、組成がFe−32.8atom
%、Si−6.9atom%、Al−2.3atom%、O−5
8.0atom%のB5物質、組成がSi−33.8atom
%、O−66.2atom%のC5物質を、マグネトロンス
パッタ法により、非磁性基板上に、約30nmのA5物
質、0.2nmのB5物質を、交互に形成した300n
mの薄膜A5B5と、0.5〜100nmの範囲のC5
物質をそれぞれ交互に10層、積層した磁性体薄膜を作
成した。
3.5atom%のA5物質、組成がFe−32.8atom
%、Si−6.9atom%、Al−2.3atom%、O−5
8.0atom%のB5物質、組成がSi−33.8atom
%、O−66.2atom%のC5物質を、マグネトロンス
パッタ法により、非磁性基板上に、約30nmのA5物
質、0.2nmのB5物質を、交互に形成した300n
mの薄膜A5B5と、0.5〜100nmの範囲のC5
物質をそれぞれ交互に10層、積層した磁性体薄膜を作
成した。
【0095】また比較のために、3μm の薄膜A5B5
を作成した。また、上の条件でC物質を、組成がAl−
40atom%、O−60.0atom%のC6物質にした磁性
体薄膜を作成した。
を作成した。また、上の条件でC物質を、組成がAl−
40atom%、O−60.0atom%のC6物質にした磁性
体薄膜を作成した。
【0096】以上得られた磁性体薄膜を1×10-6Torr
の真空中500℃の温度で、2時間アニールした後の、
1MHz〜100MHzまでの初透磁率μ測定し、1M
Hzの初透磁率が90%になる周波数fdの値を(図
5)に、1MHzでの初透磁率を(図6)に示す。尚、
初透磁率は1mOe印加状態での8の字コイル法を用
い、主磁性体であるA物質の膜厚で計算し、C物質の膜
厚差による見かけの透磁率の減少分を補正している。
の真空中500℃の温度で、2時間アニールした後の、
1MHz〜100MHzまでの初透磁率μ測定し、1M
Hzの初透磁率が90%になる周波数fdの値を(図
5)に、1MHzでの初透磁率を(図6)に示す。尚、
初透磁率は1mOe印加状態での8の字コイル法を用
い、主磁性体であるA物質の膜厚で計算し、C物質の膜
厚差による見かけの透磁率の減少分を補正している。
【0097】(図5)より、C物質が1nm以上の時に
は高周波領域での透磁率の減少は、明らかに小さく、膜
厚が厚いほどfdは高周波の値を示す。またC5物質の
方がC6物質を用いた場合に比べより高周波まで透磁率
が減少していないことがわかる。一方、膜厚1nm程度
の時の、C5、C6物質、それぞれを用いた磁性体薄膜
の、膜に垂直方向の抵抗を測定すると、何れも数千Ω以
上あり、ピンホール等がほとんどない良質の絶縁膜を形
成していることがわかった。従ってC物質の厚みによる
fdの差、及びC5、C6物質によるfdの差は、C層
が容量成分として働いたために磁性層間に起こった変位
電流による損失の結果であると考えられる。一方、初透
磁率の値は今回の実施例の範囲ではC物質が薄い程良
く、C物質をはさんだ薄膜同志の静磁結合によって、全
体的な静磁エネルギーが減少しているためであると考え
られる。以上の結果から、A物質、B物質、C物質の3
種類の薄膜を含む磁性体薄膜で、C物質の平均膜厚は、
資料の形状にもよるが1nm程度以上の厚みがあれば良
く、また磁性体全体に占める体積割合、及び軟磁気特性
の劣化を考慮して50nm以下であればよい。
は高周波領域での透磁率の減少は、明らかに小さく、膜
厚が厚いほどfdは高周波の値を示す。またC5物質の
方がC6物質を用いた場合に比べより高周波まで透磁率
が減少していないことがわかる。一方、膜厚1nm程度
の時の、C5、C6物質、それぞれを用いた磁性体薄膜
の、膜に垂直方向の抵抗を測定すると、何れも数千Ω以
上あり、ピンホール等がほとんどない良質の絶縁膜を形
成していることがわかった。従ってC物質の厚みによる
fdの差、及びC5、C6物質によるfdの差は、C層
が容量成分として働いたために磁性層間に起こった変位
電流による損失の結果であると考えられる。一方、初透
磁率の値は今回の実施例の範囲ではC物質が薄い程良
く、C物質をはさんだ薄膜同志の静磁結合によって、全
体的な静磁エネルギーが減少しているためであると考え
られる。以上の結果から、A物質、B物質、C物質の3
種類の薄膜を含む磁性体薄膜で、C物質の平均膜厚は、
資料の形状にもよるが1nm程度以上の厚みがあれば良
く、また磁性体全体に占める体積割合、及び軟磁気特性
の劣化を考慮して50nm以下であればよい。
【0098】(実施例10)磁性体薄膜を構成する物質
A及び物質Bの内、C物質と隣合う物質が前記B物質で
ある優位性を調べるために以下の検討を行った。
A及び物質Bの内、C物質と隣合う物質が前記B物質で
ある優位性を調べるために以下の検討を行った。
【0099】A物質、B物質、C物質それぞれの組成が
(表11)に示す磁性体薄膜をマグネトロンスパッタ法
により、非磁性基板上に、50nmのA1〜A3物質
と、1nmのB物質を交互に合わせて、B物質が再表面
になるように形成した1μmの薄膜と、20nmのC物
質をそれぞれ交互に形成し、C物質と隣合う物質がBで
あるような総膜厚約5μmの磁性体薄膜A1BC〜A3
BCを作成した。
(表11)に示す磁性体薄膜をマグネトロンスパッタ法
により、非磁性基板上に、50nmのA1〜A3物質
と、1nmのB物質を交互に合わせて、B物質が再表面
になるように形成した1μmの薄膜と、20nmのC物
質をそれぞれ交互に形成し、C物質と隣合う物質がBで
あるような総膜厚約5μmの磁性体薄膜A1BC〜A3
BCを作成した。
【0100】比較のために、上記と同じ、A1〜A3物
質、B物質、C物質を用い、非磁性基板上に、50nm
程度のA1〜A3物質と、1nmのB物質を交互に合わ
せて、A1〜A3の何れかが再表面になるように形成し
た1μmの薄膜と、20nmのC物質をそれぞれ交互に
形成し、C物質と隣合う物質がA1〜A3何れかである
ような、総膜厚約5μmの磁性体薄膜BA1C〜BA3
Cを作成した。
質、B物質、C物質を用い、非磁性基板上に、50nm
程度のA1〜A3物質と、1nmのB物質を交互に合わ
せて、A1〜A3の何れかが再表面になるように形成し
た1μmの薄膜と、20nmのC物質をそれぞれ交互に
形成し、C物質と隣合う物質がA1〜A3何れかである
ような、総膜厚約5μmの磁性体薄膜BA1C〜BA3
Cを作成した。
【0101】以上得られた磁性体薄膜を成膜直後状態及
び1×10-6Torrの真空中で、500℃温度で、2時間
アニールした後の、1MHzでの初透磁率μ、及び抗磁
力Hcの値を(表12)に示す。尚、初透磁率は1mO
e印加状態での8の字コイル法、抗磁力は60HzのM
Hループトレーサーより求めた。
び1×10-6Torrの真空中で、500℃温度で、2時間
アニールした後の、1MHzでの初透磁率μ、及び抗磁
力Hcの値を(表12)に示す。尚、初透磁率は1mO
e印加状態での8の字コイル法、抗磁力は60HzのM
Hループトレーサーより求めた。
【0102】
【表11】
【0103】
【表12】
【0104】(表12)より、C物質と隣あう物質がB
物質である磁性体薄膜のほうが熱処理前後何れにおいて
も軟磁気特性が優れていることがわかる。成膜直後時に
おいて、それぞれのXRDを調べたところ、何れも圧縮
応力がかかっているが、BA1C〜BA3CはA1BC
〜A3BCに比べ2〜6Gdyne/cm2 大きい圧縮
応力がかかっていた。また熱処理前後のAESのデプス
プロファイルより、BA1C〜BA3CはA1BC〜A
3BCに比べ相互拡散が大きいことがわかった。即ち、
成膜直後においては、界面の不正合が大きいBA1C〜
BA3Cが歪磁気弾性エネルギーによって軟磁気特性を
劣化させており、アニール時において、内部応力をドラ
イビングフォースとする相互拡散によって、軟磁気特性
がさらに劣化していると考えられる。
物質である磁性体薄膜のほうが熱処理前後何れにおいて
も軟磁気特性が優れていることがわかる。成膜直後時に
おいて、それぞれのXRDを調べたところ、何れも圧縮
応力がかかっているが、BA1C〜BA3CはA1BC
〜A3BCに比べ2〜6Gdyne/cm2 大きい圧縮
応力がかかっていた。また熱処理前後のAESのデプス
プロファイルより、BA1C〜BA3CはA1BC〜A
3BCに比べ相互拡散が大きいことがわかった。即ち、
成膜直後においては、界面の不正合が大きいBA1C〜
BA3Cが歪磁気弾性エネルギーによって軟磁気特性を
劣化させており、アニール時において、内部応力をドラ
イビングフォースとする相互拡散によって、軟磁気特性
がさらに劣化していると考えられる。
【0105】以上の結果から、磁性体薄膜を構成する物
質A及び物質Bの内、C物質と隣合う物質が前記B物質
であることが望ましいといえる。 (実施例11)前記実施例の中に既にいくつかの例を示
しているが、本発明の磁性体薄膜はB物質、C物質中に
A物質に含まれる少なくとも一種類以上の元素を含んで
いるために、磁性体薄膜の形成工程として一種類の磁性
体ターゲットを用いたスパッタ法であり、ガスの種類を
変えることで異なる物質の複合体を連続的に形成する磁
性体薄膜の製造方法であることが望ましい。
質A及び物質Bの内、C物質と隣合う物質が前記B物質
であることが望ましいといえる。 (実施例11)前記実施例の中に既にいくつかの例を示
しているが、本発明の磁性体薄膜はB物質、C物質中に
A物質に含まれる少なくとも一種類以上の元素を含んで
いるために、磁性体薄膜の形成工程として一種類の磁性
体ターゲットを用いたスパッタ法であり、ガスの種類を
変えることで異なる物質の複合体を連続的に形成する磁
性体薄膜の製造方法であることが望ましい。
【0106】例えば、Fe−Si−Al系の主磁性体を
有する磁性体薄膜を形成する場合、Ar等の系に不活性
なガスのガス圧や、投入電力を制御するだけで、数〜1
0数atom%の組成を任意に選択することが可能であり、
これらをAl、Siが選択的に反応する、酸素、窒素等
の反応性ガスのガス流量、ガス濃度等と組み合わせるこ
とにより、A、B、Cの3種類の物質を任意に形成する
ことが出来る。
有する磁性体薄膜を形成する場合、Ar等の系に不活性
なガスのガス圧や、投入電力を制御するだけで、数〜1
0数atom%の組成を任意に選択することが可能であり、
これらをAl、Siが選択的に反応する、酸素、窒素等
の反応性ガスのガス流量、ガス濃度等と組み合わせるこ
とにより、A、B、Cの3種類の物質を任意に形成する
ことが出来る。
【0107】以上説明した通り、本実施例によれば、薄
膜形成直後及び熱処理後の何れにおいても優れた軟磁気
特性を示し、また高周波領域に於いても高透磁率を維持
し、1.3〜1.9Tの高飽和磁束密度を有する磁性体
薄膜とその製造方法を実現できる。
膜形成直後及び熱処理後の何れにおいても優れた軟磁気
特性を示し、また高周波領域に於いても高透磁率を維持
し、1.3〜1.9Tの高飽和磁束密度を有する磁性体
薄膜とその製造方法を実現できる。
【0108】
【発明の効果】本発明は磁性体であるA物質と、A物質
に含まれる少なくとも一種以上の金属元素及び酸素また
は窒素を含むB物質と、同様にA物質に含まれる少なく
とも一種以上の金属元素を含み、かつB物質よりも酸素
または窒素含有率の高いC物質の、少なくとも3種類の
物質よりなり、A物質よりなる複数の結晶粒界の一部
が、B物質またはC物質によっておおわれた磁性薄膜層
と、C物質で構成される絶縁薄膜層とが、交互に積層し
てなる磁性体薄膜である。
に含まれる少なくとも一種以上の金属元素及び酸素また
は窒素を含むB物質と、同様にA物質に含まれる少なく
とも一種以上の金属元素を含み、かつB物質よりも酸素
または窒素含有率の高いC物質の、少なくとも3種類の
物質よりなり、A物質よりなる複数の結晶粒界の一部
が、B物質またはC物質によっておおわれた磁性薄膜層
と、C物質で構成される絶縁薄膜層とが、交互に積層し
てなる磁性体薄膜である。
【0109】この磁性体薄膜によれば、主磁性体である
A物質はその粒界の一部を、B物質またはC物質におお
われることで、結晶粒の大きさが単層膜のものより微細
化され、結晶の高配向化が起こり、実効的な結晶磁気異
方性、磁気異方性分散が小さくなる効果があり軟磁気特
性が向上する。またA物質より高抵抗であるB物質、C
物質により膜内に生ずる渦電流が抑えられ、高周波領域
での透磁率の低下が抑制されるという効果もある。さら
にB物質、C物質にはA物質に含まれる元素が含有され
るために、成膜直後より内部応力が小さく、軟磁気特性
に優れ、熱処理後では、B物質、C物質の層が効果的に
減少し、相互拡散による磁性体の非磁性化、組成ずれ、
界面における局所応力が緩和され、耐熱処理性が向上す
るという顕著な効果がある。さらに積層体磁性膜全体が
酸化物または窒化物を含むため、耐摩耗性、耐腐食性が
向上するという効果がある。
A物質はその粒界の一部を、B物質またはC物質におお
われることで、結晶粒の大きさが単層膜のものより微細
化され、結晶の高配向化が起こり、実効的な結晶磁気異
方性、磁気異方性分散が小さくなる効果があり軟磁気特
性が向上する。またA物質より高抵抗であるB物質、C
物質により膜内に生ずる渦電流が抑えられ、高周波領域
での透磁率の低下が抑制されるという効果もある。さら
にB物質、C物質にはA物質に含まれる元素が含有され
るために、成膜直後より内部応力が小さく、軟磁気特性
に優れ、熱処理後では、B物質、C物質の層が効果的に
減少し、相互拡散による磁性体の非磁性化、組成ずれ、
界面における局所応力が緩和され、耐熱処理性が向上す
るという顕著な効果がある。さらに積層体磁性膜全体が
酸化物または窒化物を含むため、耐摩耗性、耐腐食性が
向上するという効果がある。
【0110】従ってこの磁性体薄膜を磁気ヘッドとして
使用することにより、高保持力媒体に高密度信号を記録
でき、一方、IC基板上に磁気回路部品として実装する
ことで電子機器全体の小型化ができるという効果があ
る。
使用することにより、高保持力媒体に高密度信号を記録
でき、一方、IC基板上に磁気回路部品として実装する
ことで電子機器全体の小型化ができるという効果があ
る。
【0111】またこの薄膜磁性体は、一種類のターゲッ
トを用いたスパッタ技術で、ガスの種類を変化させるこ
とで容易に作成できるという効果がある。
トを用いたスパッタ技術で、ガスの種類を変化させるこ
とで容易に作成できるという効果がある。
【図1】 本発明の実施例7で作成したA1物質の1M
Hzでの初透磁率μを示すグラフ。
Hzでの初透磁率μを示すグラフ。
【図2】 本発明の実施例7で作成したA2物質の1M
Hzでの初透磁率μを示すグラフ。
Hzでの初透磁率μを示すグラフ。
【図3】 本発明の実施例8で作成したB3物質の1M
Hzでの初透磁率μを示すグラフ。
Hzでの初透磁率μを示すグラフ。
【図4】 本発明の実施例8で作成したB4物質の1M
Hzでの初透磁率μを示すグラフ。
Hzでの初透磁率μを示すグラフ。
【図5】 本発明の実施例9で作成したC5物質の1M
Hzでの初透磁率が90%になる周波数fdの値を示す
グラフ。
Hzでの初透磁率が90%になる周波数fdの値を示す
グラフ。
【図6】 本発明の実施例9で作成したC5またはC6
物質の1MHzでの初透磁率μを示すグラフ。
物質の1MHzでの初透磁率μを示すグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 釘宮 公一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内
Claims (7)
- 【請求項1】 磁性体であるA物質と、前記A物質に含
まれる少なくとも一種以上の金属元素及び酸素または窒
素を含むB物質と、前記A物質に含まれる少なくとも一
種以上の金属元素を含み、かつ前記B物質よりも酸素ま
たは窒素含有率の高いC物質の少なくとも3種類の物質
よりなり、前記A物質よりなる複数の結晶の粒界の一部
が、前記B物質またはC物質によっておおわれた磁性薄
膜層と、前記C物質で構成される絶縁薄膜層とが交互に
積層してなる磁性体薄膜。 - 【請求項2】 B物質は酸素含有率a(原子パーセン
ト)が、10≦a≦60atom%、または窒素含有率b
(原子パーセント)が10≦b≦50atom%、且つ、1
0<a+b≦60atom%で表わされる範囲であり、C物
質は酸素含有率c(原子パーセント)が、20≦c≦6
7atom%、または窒素含有率d(原子パーセント)が2
0≦d≦57atom%、且つ20≦c+d≦67atom%、
且つa+b<c+dで表わされる範囲である請求項1に
記載の磁性体薄膜。 - 【請求項3】 B物質がA物質に含まれる磁性金属元素
を含む請求項2に記載の磁性体薄膜。 - 【請求項4】 A物質が酸化物生成自由エネルギーがF
eより低い物質、又は窒化物生成自由エネルギーがFe
より低い物質を少なくとも一種類以上含む磁性体である
請求項1〜3いずれかに記載の磁性体薄膜。 - 【請求項5】 A物質は酸素含有率e(原子パーセン
ト)が、0.1≦e≦10atom%、または窒素含有率f
(原子パーセント)が0.1≦f≦20atom%、且つ、
0.1≦e+f≦25atom%で表わされる範囲である請
求項1〜4いずれかに記載の磁性体薄膜。 - 【請求項6】 A物質の平均膜厚が300〜5nm、B
物質の平均膜厚が10〜0.05nm、C物質の平均膜
厚が50〜1nmである請求項第1〜5いずれかに記載
の磁性体薄膜。 - 【請求項7】 磁性薄膜層を構成する物質のうち、C物
質の層と隣合う物質がB物質である請求項1〜5いずれ
かに記載の磁性体薄膜。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5075574A JPH06290941A (ja) | 1993-04-01 | 1993-04-01 | 磁性体薄膜 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5075574A JPH06290941A (ja) | 1993-04-01 | 1993-04-01 | 磁性体薄膜 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06290941A true JPH06290941A (ja) | 1994-10-18 |
Family
ID=13580104
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5075574A Pending JPH06290941A (ja) | 1993-04-01 | 1993-04-01 | 磁性体薄膜 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06290941A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2019534562A (ja) * | 2016-10-27 | 2019-11-28 | ザ ボード オブ トラスティーズ オブ ザ ユニヴァーシティ オブ アラバマ | Fe−Al系合金磁性薄膜 |
-
1993
- 1993-04-01 JP JP5075574A patent/JPH06290941A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2019534562A (ja) * | 2016-10-27 | 2019-11-28 | ザ ボード オブ トラスティーズ オブ ザ ユニヴァーシティ オブ アラバマ | Fe−Al系合金磁性薄膜 |
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