JPH06293939A - 高温転動疲労性に優れた軸受部品 - Google Patents
高温転動疲労性に優れた軸受部品Info
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- JPH06293939A JPH06293939A JP8093893A JP8093893A JPH06293939A JP H06293939 A JPH06293939 A JP H06293939A JP 8093893 A JP8093893 A JP 8093893A JP 8093893 A JP8093893 A JP 8093893A JP H06293939 A JPH06293939 A JP H06293939A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 従来の高炭素クロム軸受鋼や肌焼鋼を素材と
したときよりも優れた高温転動疲労性を有する様な軸受
部品を提供する。 【構成】 C:0.7〜1.3%,Si:0.5%未
満,Mn:0.3〜2%,S:0.02%以下,Cr:
0.51〜6%,Al:0.015〜0.06%,N:
0.003〜0.02%を夫々含有し、必要によって所
定量のMo,W,V,Nb,Ni,Cu,Co等を含有
し、残部Feおよび不可避不純物からなり、該不可避不
純物中P:0.02%以下,Ti:0.003%以下,
O:0.003%以下に夫々抑制してなる鋼を素材と
し、該素材によって作製された部品に、焼入れ、焼戻し
処理を施したものであり、炭化物の平均粒径が2μm以
下である。
したときよりも優れた高温転動疲労性を有する様な軸受
部品を提供する。 【構成】 C:0.7〜1.3%,Si:0.5%未
満,Mn:0.3〜2%,S:0.02%以下,Cr:
0.51〜6%,Al:0.015〜0.06%,N:
0.003〜0.02%を夫々含有し、必要によって所
定量のMo,W,V,Nb,Ni,Cu,Co等を含有
し、残部Feおよび不可避不純物からなり、該不可避不
純物中P:0.02%以下,Ti:0.003%以下,
O:0.003%以下に夫々抑制してなる鋼を素材と
し、該素材によって作製された部品に、焼入れ、焼戻し
処理を施したものであり、炭化物の平均粒径が2μm以
下である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高炭素クロム軸受部品
や肌焼軸受部品より優れた転動疲労性を有する軸受部品
に関し、殊に高温下の使用環境においても軸受寿命が低
下しない優れた転動疲労性を示す軸受部品に関するもの
である。
や肌焼軸受部品より優れた転動疲労性を有する軸受部品
に関し、殊に高温下の使用環境においても軸受寿命が低
下しない優れた転動疲労性を示す軸受部品に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】自動車や産業機械等に用いられる軸受部
品には、従来から高炭素クロム軸受用鋼が素材として汎
用されており、例えばSUJ1(JISG 4805)
のCr量を増やしたSUJ2が中・小型軸受部品に、ま
たMnやSi量を増やしたSUJ3が大型軸受部品に夫
々多用されてきた。またSCr420(JISG 41
04)に代表される肌焼軸受鋼も、軸受部品の素材とし
て使用されてきた。
品には、従来から高炭素クロム軸受用鋼が素材として汎
用されており、例えばSUJ1(JISG 4805)
のCr量を増やしたSUJ2が中・小型軸受部品に、ま
たMnやSi量を増やしたSUJ3が大型軸受部品に夫
々多用されてきた。またSCr420(JISG 41
04)に代表される肌焼軸受鋼も、軸受部品の素材とし
て使用されてきた。
【0003】しかしながら近年になって、エンジンの高
出力化、高回転化、機械部品の小型化等に伴なって軸受
まわりの温度が上昇していく傾向にあり、こうした状況
のもとでは、SUJ2やSCr420等を素材とした軸
受部品では、高温の使用環境における十分な転動疲労寿
命が得られないという問題があった。
出力化、高回転化、機械部品の小型化等に伴なって軸受
まわりの温度が上昇していく傾向にあり、こうした状況
のもとでは、SUJ2やSCr420等を素材とした軸
受部品では、高温の使用環境における十分な転動疲労寿
命が得られないという問題があった。
【0004】一方過酷な条件下で使用される軸受部品に
は、AISI M50等が素材として使用される様にな
っている。AISI M50を素材とする軸受部品で
は、高温環境下の使用においても優れた転動疲労性が得
られるが、AISI M50は合金元素を多量に含むこ
とから素材費が高くなり、また加工性の点で問題があ
り、加工費も高くなるという欠点がある。
は、AISI M50等が素材として使用される様にな
っている。AISI M50を素材とする軸受部品で
は、高温環境下の使用においても優れた転動疲労性が得
られるが、AISI M50は合金元素を多量に含むこ
とから素材費が高くなり、また加工性の点で問題があ
り、加工費も高くなるという欠点がある。
【0005】こうしたことから、高温下(300℃以
下)での転動疲労性に優れ、従来のAISI M50と
比較して素材費や加工費が安価な軸受部品の実現が要望
されている。
下)での転動疲労性に優れ、従来のAISI M50と
比較して素材費や加工費が安価な軸受部品の実現が要望
されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこうした状況
のもとになされたものであって、その目的は、従来の高
炭素クロム軸受鋼や肌焼鋼を素材としたときよりも優れ
た高温転動疲労性を有し、且つAISI M50と比較
して素材比や加工費が安価である様な軸受部品を提供す
ることにある。
のもとになされたものであって、その目的は、従来の高
炭素クロム軸受鋼や肌焼鋼を素材としたときよりも優れ
た高温転動疲労性を有し、且つAISI M50と比較
して素材比や加工費が安価である様な軸受部品を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成し得た本
発明とは、C:0.7〜1.3%,Si:0.5%未
満,Mn:0.3〜2%,S:0.02%以下,Cr:
0.51〜6%,Al:0.015〜0.06%,N:
0.003〜0.02%を夫々含有し、残部Feおよび
不可避不純物からなり、該不可避不純物中P:0.02
%以下,Ti:0.003%以下,O:0.003%以
下に夫々抑制してなる鋼を素材とし、該素材によって作
製された部品に、焼入れ・焼戻し処理を施したものであ
り、炭化物の平均粒径が2μm以下である点に要旨を有
するものである。
発明とは、C:0.7〜1.3%,Si:0.5%未
満,Mn:0.3〜2%,S:0.02%以下,Cr:
0.51〜6%,Al:0.015〜0.06%,N:
0.003〜0.02%を夫々含有し、残部Feおよび
不可避不純物からなり、該不可避不純物中P:0.02
%以下,Ti:0.003%以下,O:0.003%以
下に夫々抑制してなる鋼を素材とし、該素材によって作
製された部品に、焼入れ・焼戻し処理を施したものであ
り、炭化物の平均粒径が2μm以下である点に要旨を有
するものである。
【0008】また本発明に係る軸受部品は、上記の元素
を基本成分とするものであるが、必要に応じてMo,
W,V,Nb,Ni,Cu,Co等を含有するものであ
ってもよい。更に、本発明に係る軸受部品において、焼
入れ加熱時に、窒素を表層部に浸入させる処理を施した
ものであり、炭窒化物の平均粒径が2μm以下であるも
のは、高温転動疲労性をさらに向上させることができ
る。
を基本成分とするものであるが、必要に応じてMo,
W,V,Nb,Ni,Cu,Co等を含有するものであ
ってもよい。更に、本発明に係る軸受部品において、焼
入れ加熱時に、窒素を表層部に浸入させる処理を施した
ものであり、炭窒化物の平均粒径が2μm以下であるも
のは、高温転動疲労性をさらに向上させることができ
る。
【0009】
【作用】本発明は上述の如く構成されるが、要するに、
高温下での使用で問題となる硬さの低下を抑制するため
に、各種合金元素量を調整して焼戻し軟化抵抗性を向上
させるとともに、炭化物形成元素であるCr(必要によ
って、Mo,W,V,Nb)を添加すことによって積極
的に炭化物を折出させ、且つ焼入れ・焼戻し処理によっ
て炭化物の平均粒径を2μm以下に調整した軸受部品
は、高温での使用条件下でも優れた転動疲労性を示すこ
とを見出し、本発明を完成した。また上記軸受部品にお
いて、焼入れ加熱時に窒素を表層部に浸入させる処理を
施して炭窒化物の平均粒径を2μm以下に調整したもの
は、該軸受部品の高温転動疲労性を更に向上させること
ができることも判明した。まず、本発明に係る軸受部品
における化学成分限定理由は下記の通りである。
高温下での使用で問題となる硬さの低下を抑制するため
に、各種合金元素量を調整して焼戻し軟化抵抗性を向上
させるとともに、炭化物形成元素であるCr(必要によ
って、Mo,W,V,Nb)を添加すことによって積極
的に炭化物を折出させ、且つ焼入れ・焼戻し処理によっ
て炭化物の平均粒径を2μm以下に調整した軸受部品
は、高温での使用条件下でも優れた転動疲労性を示すこ
とを見出し、本発明を完成した。また上記軸受部品にお
いて、焼入れ加熱時に窒素を表層部に浸入させる処理を
施して炭窒化物の平均粒径を2μm以下に調整したもの
は、該軸受部品の高温転動疲労性を更に向上させること
ができることも判明した。まず、本発明に係る軸受部品
における化学成分限定理由は下記の通りである。
【0010】C:0.7〜1.3% Cはマトリックスに固溶してマルテンサイトを強化し、
また炭化物を増加させて焼戻し後の硬さを向上させるの
に必要な元素である。この様な効果を発揮させる為に
は、Cの含有量は0.7%以上とする必要がある。しか
しながら、C含有量が1.3%を超えると、炭化物が粗
大化し、転動疲労性が低下し、また靭性,切削性,冷間
加工性および温間加工性等が低下する。
また炭化物を増加させて焼戻し後の硬さを向上させるの
に必要な元素である。この様な効果を発揮させる為に
は、Cの含有量は0.7%以上とする必要がある。しか
しながら、C含有量が1.3%を超えると、炭化物が粗
大化し、転動疲労性が低下し、また靭性,切削性,冷間
加工性および温間加工性等が低下する。
【0011】Si:0.5%未満 Siは焼戻しの第1段階(マルテンサイト中に固溶して
いるCが炭化物として折出する階段)の終了と第2段階
(残留オーステナイトが分解する段階)の開始を遅ら
せ、焼戻し軟化抵抗生を向上させる元素であるが、0.
5%以上含有させてもその効果は飽和し、切削性,冷間
加工性および温間加工性が著しく低下する。従って、S
iの含有量は0.5%未満とする必要がある。
いるCが炭化物として折出する階段)の終了と第2段階
(残留オーステナイトが分解する段階)の開始を遅ら
せ、焼戻し軟化抵抗生を向上させる元素であるが、0.
5%以上含有させてもその効果は飽和し、切削性,冷間
加工性および温間加工性が著しく低下する。従って、S
iの含有量は0.5%未満とする必要がある。
【0012】Mn:0.3〜2% Mnは脱酸・脱硫元素であり、また焼入性を向上させる
元素である。Mn含有量が0.3%未満ではこのような
効果は期待できず、また2%を超えて含有してもその効
果は飽和し、かえって切削生,冷温間加工性が低下す
る。
元素である。Mn含有量が0.3%未満ではこのような
効果は期待できず、また2%を超えて含有してもその効
果は飽和し、かえって切削生,冷温間加工性が低下す
る。
【0013】S:0.02%以下 Sは鋼中において殆どがMnSの形で含有されており、
切削性を向上させる元素である。しかしながら、O含有
量が少ない場合には却って転動疲労性を低下させ、また
冷間加工性や温間加工性にも悪影響を及ぼす。よって、
これらの点を考慮してS含有量は0.02%以下とす
る。
切削性を向上させる元素である。しかしながら、O含有
量が少ない場合には却って転動疲労性を低下させ、また
冷間加工性や温間加工性にも悪影響を及ぼす。よって、
これらの点を考慮してS含有量は0.02%以下とす
る。
【0014】Cr:0.51〜6% CrはCと結合して微細な炭化物を生成し、高温での硬
さを向上させて高温転動疲労性を向上させる。Cr含有
量が0.51%未満では炭化物が粗大化し、転動疲労性
が低下する。またCr含有量が6%を超えると、切削
性,冷間加工性および温間加工性を低下させる。よっ
て、Cr含有量は0.51〜6%とする。
さを向上させて高温転動疲労性を向上させる。Cr含有
量が0.51%未満では炭化物が粗大化し、転動疲労性
が低下する。またCr含有量が6%を超えると、切削
性,冷間加工性および温間加工性を低下させる。よっ
て、Cr含有量は0.51〜6%とする。
【0015】Al:0.015〜0.06% Alは脱酸と結晶粒の微細化に有効な元素であり、Al
含有量が0.015%未満ではこのような効果はなく、
また0.06%を超えると結晶粒の微細化効果は飽和し
てしまい、さらに多く含有量させると逆に結晶粒が成長
しやすくなる。よって、Alは含有量は0.015〜
0.06%とする。
含有量が0.015%未満ではこのような効果はなく、
また0.06%を超えると結晶粒の微細化効果は飽和し
てしまい、さらに多く含有量させると逆に結晶粒が成長
しやすくなる。よって、Alは含有量は0.015〜
0.06%とする。
【0016】N:0.003〜0.02% NはAl,V,Nb等と結合して窒化物を生成し、結晶
粒を微細化して鋼の強靭化を図るのに有効な元素であ
る。N含有量が0.003%未満ではこのような効果は
少なく、また0.02%を超えて含有すると冷間加工性
および温間加工性を低下させる。よってN含有量は、
0.003〜0.02%とする。
粒を微細化して鋼の強靭化を図るのに有効な元素であ
る。N含有量が0.003%未満ではこのような効果は
少なく、また0.02%を超えて含有すると冷間加工性
および温間加工性を低下させる。よってN含有量は、
0.003〜0.02%とする。
【0017】本発明の軸受部品は、以上の元素を基本成
分とし残部鉄および不可避不純物からなるものである
が、該不可避不純物中P,Ti,O等は夫々下記の如く
抑制する必要がある。
分とし残部鉄および不可避不純物からなるものである
が、該不可避不純物中P,Ti,O等は夫々下記の如く
抑制する必要がある。
【0018】P:0.02%以下 Pは靭性を低下させる元素であるから、このP含有量は
極力低減させる必要があり、P含有量は0.02%以下
とする。
極力低減させる必要があり、P含有量は0.02%以下
とする。
【0019】Ti:0.003%以下 TiはNと結合して粗大なTiNを生成し、転動疲労
性、冷間加工性および温間加工性を低下させる元素であ
り、極力低くする必要がある。こうした観点から、Ti
含有量は、0.003%以下とする。
性、冷間加工性および温間加工性を低下させる元素であ
り、極力低くする必要がある。こうした観点から、Ti
含有量は、0.003%以下とする。
【0020】O:0.003%以下 OはAlやSiと結合し、鋼中において酸化物系介在物
を生成する元素であり、鋼中における含有量が多くなる
と転動疲労性を低下させると共に、切削性、冷間加工性
にも悪影響を及ぼすので極力低減する必要がある。よっ
て、O含有量
を生成する元素であり、鋼中における含有量が多くなる
と転動疲労性を低下させると共に、切削性、冷間加工性
にも悪影響を及ぼすので極力低減する必要がある。よっ
て、O含有量
【0021】は0.003%以下とする。
【0022】本発明の軸受部品には、必要に応じてM
o,W,V,Nb,Ni,Cu,Co等を含有してもよ
い。これらの元素を添加するときの含有量は下記の通り
である。
o,W,V,Nb,Ni,Cu,Co等を含有してもよ
い。これらの元素を添加するときの含有量は下記の通り
である。
【0023】Mo:2%以下およびW:1%以下よりな
る群から選ばれる1種または2種 MoおよびWは、Crと同じく炭化物を生成し、分散強
化によって硬さを大きくするのに有効な元素である。し
かしながらMo含有量が2%およびW含有量が1%を夫
々超えて含有されると効果が飽和すると共に、切削性,
冷間加工性および温間加工性が低下する。
る群から選ばれる1種または2種 MoおよびWは、Crと同じく炭化物を生成し、分散強
化によって硬さを大きくするのに有効な元素である。し
かしながらMo含有量が2%およびW含有量が1%を夫
々超えて含有されると効果が飽和すると共に、切削性,
冷間加工性および温間加工性が低下する。
【0024】V:0.03〜2%およびNb:0.01
〜0.5%よりなる群から選ばれる1種または2種 VおよびNbは共に鋼中のC,Nと結合して炭窒化物を
生成し、結晶粒を微細化し、且つ焼戻し軟化抵抗性を向
上させるのに有効な元素である。Vの含有量が0.03
%未満およびNb含有量が0.01%未満ではその様な
効果は発揮されず、逆にVの含有量が2%およびNbの
含有量が0.5%をそれぞれ超えて含有されてもその効
果が飽和する。
〜0.5%よりなる群から選ばれる1種または2種 VおよびNbは共に鋼中のC,Nと結合して炭窒化物を
生成し、結晶粒を微細化し、且つ焼戻し軟化抵抗性を向
上させるのに有効な元素である。Vの含有量が0.03
%未満およびNb含有量が0.01%未満ではその様な
効果は発揮されず、逆にVの含有量が2%およびNbの
含有量が0.5%をそれぞれ超えて含有されてもその効
果が飽和する。
【0025】Ni:3%以下 Niは焼入性を向上させる元素であり、質量の大きな部
品における焼入れ・焼戻し処理を容易にする元素であ
る。また靭性をを向上させる元素でもある。しかしなが
ら、3%を超えて含有されると、切削性,冷間加工性お
よび温間加工性を低下させ、更に焼入れ・焼戻し後に残
留オーステナイトが多量に生成し、寸法安定性が劣化す
る。
品における焼入れ・焼戻し処理を容易にする元素であ
る。また靭性をを向上させる元素でもある。しかしなが
ら、3%を超えて含有されると、切削性,冷間加工性お
よび温間加工性を低下させ、更に焼入れ・焼戻し後に残
留オーステナイトが多量に生成し、寸法安定性が劣化す
る。
【0026】Cu:1%以下 Cuは焼入性,耐蝕性を増加させる元素であり、且つ耐
摩耗性を向上させる元素であるが、1%を超えると赤熱
脆性を助長して熱間加工時に割れが発生する。よって、
Cuの含有量は1%以下とする必要がある。
摩耗性を向上させる元素であるが、1%を超えると赤熱
脆性を助長して熱間加工時に割れが発生する。よって、
Cuの含有量は1%以下とする必要がある。
【0027】Co:0.03〜3% Coは耐蝕性を向上させる元素であり、且つ共析点温度
を上げて炭化物および炭窒化物を微細化させる元素であ
る。この様な効果を発揮させるためには、0.03%以
上含有させる必要があるが、3%を超えるとその効果は
飽和する。よって、Coの含有量は,0.03〜3%と
する必要がある。
を上げて炭化物および炭窒化物を微細化させる元素であ
る。この様な効果を発揮させるためには、0.03%以
上含有させる必要があるが、3%を超えるとその効果は
飽和する。よって、Coの含有量は,0.03〜3%と
する必要がある。
【0028】尚本発明の軸受部品においては、焼入れ加
熱時に、窒素を表層部に浸入させる処理を施したもの
は、高温転動疲労性を更に向上させることができる。以
下本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、下記
実施例は本発明を限定する性質のものではなく、前・後
記の趣旨に徴して設計変更することはいずれも本発明の
技術的範囲に含まれるものである。
熱時に、窒素を表層部に浸入させる処理を施したもの
は、高温転動疲労性を更に向上させることができる。以
下本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、下記
実施例は本発明を限定する性質のものではなく、前・後
記の趣旨に徴して設計変更することはいずれも本発明の
技術的範囲に含まれるものである。
【0029】
【実施例】表1に示す化学成分の本発明鋼No.1 〜9お
よび比較鋼No.10〜18を、小型真空炉にて溶製し
た。尚比較鋼No.17はJISのSUJ2であり、また
比較鋼No.18はJIS SCr420である。
よび比較鋼No.10〜18を、小型真空炉にて溶製し
た。尚比較鋼No.17はJISのSUJ2であり、また
比較鋼No.18はJIS SCr420である。
【0030】
【表1】
【0031】上記の鋼を熱間鍛造によって、直径60m
mおよび20mmの丸棒に鍛伸した後、比較鋼No.1〜
17については鍛造後ソーキング処理を行い、巨大炭化
物の拡散消失処理を行後、球状化焼鈍を行った。また鋼
No.18については、熱間鍛造後焼鈍を行なった。
mおよび20mmの丸棒に鍛伸した後、比較鋼No.1〜
17については鍛造後ソーキング処理を行い、巨大炭化
物の拡散消失処理を行後、球状化焼鈍を行った。また鋼
No.18については、熱間鍛造後焼鈍を行なった。
【0032】その後、直径60mmの丸棒については、
直径60mm,厚さ5mmの試験片に加工し、下記の熱
処理を行ない、表面をラッピング加工した後、面圧53
0kgf/mm2 の条件で130℃の温度下で転動疲労
試験を実施した。
直径60mm,厚さ5mmの試験片に加工し、下記の熱
処理を行ない、表面をラッピング加工した後、面圧53
0kgf/mm2 の条件で130℃の温度下で転動疲労
試験を実施した。
【0033】一方直径20mmの丸棒については、直径
20mm,厚さ5mmの試験片に加工し、下記の熱処理
を行なった後、高温硬さ(300℃)の測定、表層部に
おける炭化物の平均粒径を測定した。尚炭化物の平均粒
径の測定は、SEM写真撮影を行ない、その後画像解析
によって平均粒径を求めた。
20mm,厚さ5mmの試験片に加工し、下記の熱処理
を行なった後、高温硬さ(300℃)の測定、表層部に
おける炭化物の平均粒径を測定した。尚炭化物の平均粒
径の測定は、SEM写真撮影を行ない、その後画像解析
によって平均粒径を求めた。
【0034】<各鋼の熱処理条件> (1) 鋼No.1〜17 焼入れ:840℃×40min/油冷 焼戻し:220℃×2hr/空冷 (2) 鋼No.18 焼入れ:925℃×10hr(浸炭処理)/油冷(カー
ボンポテンシャル:0.8重量%) 焼戻し:250℃×2hr/空冷 これら試験片の高温硬さと高温転動疲労試験結果を表2
に示す。尚転動疲労試験結果についてはL10(10%累
積被損率)寿命で評価した。
ボンポテンシャル:0.8重量%) 焼戻し:250℃×2hr/空冷 これら試験片の高温硬さと高温転動疲労試験結果を表2
に示す。尚転動疲労試験結果についてはL10(10%累
積被損率)寿命で評価した。
【0035】
【表2】
【0036】これらの結果より次の様に考察できる。本
発明の実施例(鋼No.1〜9)のものは、いずれも転動
疲労寿命が鋼No.17,18の従来鋼を用いたものより
も優れている。これに対し、C含有量の多い比較鋼No.
10を用いたものは、鋼No.1を用いたものに比べ、粗
大炭化物の生成によって高温硬さが低下し、転動疲労寿
命が低下している。またC含有量の少ない比較鋼No.1
1を用いたものは、鋼No.1を用いたものに比べ、高温
硬さが低下しており、鋼No.16,17の従来鋼を用い
たものよりも転動疲労寿命が短くなっている。Cr含有
量の多い鋼No.12を用いたものは、鋼No.2を用いた
ものに比べ、高温硬さおよび転動疲労寿命とも差がな
く、効果が飽和している。Mo含有量の多い鋼No.13
を用いたものは、鋼No.3を用いたものに比べ、高温硬
さおよび転動疲労寿命とも差がなく、効果が飽和してい
る。V含有量の多い鋼No.14を用いたものは、鋼No.
4を用いたものに比べ、高温硬さおよび転動疲労寿命と
も差がなく、効果が飽和している。更にTi含有量また
はO含有量の多い鋼No.15,16を用いたものは、鋼
No.17,18の従来鋼を用いたものよりも転動疲労寿
命が短くなっている。
発明の実施例(鋼No.1〜9)のものは、いずれも転動
疲労寿命が鋼No.17,18の従来鋼を用いたものより
も優れている。これに対し、C含有量の多い比較鋼No.
10を用いたものは、鋼No.1を用いたものに比べ、粗
大炭化物の生成によって高温硬さが低下し、転動疲労寿
命が低下している。またC含有量の少ない比較鋼No.1
1を用いたものは、鋼No.1を用いたものに比べ、高温
硬さが低下しており、鋼No.16,17の従来鋼を用い
たものよりも転動疲労寿命が短くなっている。Cr含有
量の多い鋼No.12を用いたものは、鋼No.2を用いた
ものに比べ、高温硬さおよび転動疲労寿命とも差がな
く、効果が飽和している。Mo含有量の多い鋼No.13
を用いたものは、鋼No.3を用いたものに比べ、高温硬
さおよび転動疲労寿命とも差がなく、効果が飽和してい
る。V含有量の多い鋼No.14を用いたものは、鋼No.
4を用いたものに比べ、高温硬さおよび転動疲労寿命と
も差がなく、効果が飽和している。更にTi含有量また
はO含有量の多い鋼No.15,16を用いたものは、鋼
No.17,18の従来鋼を用いたものよりも転動疲労寿
命が短くなっている。
【0037】次に、鋼No.1を用い、球状化処理条件お
よび焼入れ条件を変化させることによって、炭化物の平
均粒径を変化させ、炭化物の平均粒径と高温硬さ(30
0℃)の関係を調査した。その結果を、図1に示す。こ
れにより炭化物の平均粒径を2μm以下に制御すること
は、高温硬さを高めて転動疲労寿命の向上に有効である
ことがわかる。
よび焼入れ条件を変化させることによって、炭化物の平
均粒径を変化させ、炭化物の平均粒径と高温硬さ(30
0℃)の関係を調査した。その結果を、図1に示す。こ
れにより炭化物の平均粒径を2μm以下に制御すること
は、高温硬さを高めて転動疲労寿命の向上に有効である
ことがわかる。
【0038】更に、本発明鋼No.1,2および比較鋼N
o.15について、以下に示す熱処理を行なった後、高温
硬さの測定と転動疲労試験を行った。その結果を表3に
示す。表3から明らかな様に、窒素を表層部に侵入させ
ることによって、より優れた転動疲労性が得られること
がわかる。 <熱処理条件> 浸炭窒化・焼入れ:870℃×5hr/油冷(カーボン
ポテンシャル:1.0%,アンモニア流量:2リッター
/min) 焼戻し:220℃×2hr/空冷
o.15について、以下に示す熱処理を行なった後、高温
硬さの測定と転動疲労試験を行った。その結果を表3に
示す。表3から明らかな様に、窒素を表層部に侵入させ
ることによって、より優れた転動疲労性が得られること
がわかる。 <熱処理条件> 浸炭窒化・焼入れ:870℃×5hr/油冷(カーボン
ポテンシャル:1.0%,アンモニア流量:2リッター
/min) 焼戻し:220℃×2hr/空冷
【0039】
【表3】
【0040】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、従来
のM50等の高合金の軸受鋼を使用することなく、高温
下でも優れた転動疲労性を有する軸受部品が実現でき
た。また本発明の軸受部品は、炭化物または炭窒化物が
微細化して硬さが高いので、自動車の歯車粉等の異物が
混入する様な潤滑条件化で使用しても、異物噛み込みに
よる圧痕がつきにくいという利点もある。
のM50等の高合金の軸受鋼を使用することなく、高温
下でも優れた転動疲労性を有する軸受部品が実現でき
た。また本発明の軸受部品は、炭化物または炭窒化物が
微細化して硬さが高いので、自動車の歯車粉等の異物が
混入する様な潤滑条件化で使用しても、異物噛み込みに
よる圧痕がつきにくいという利点もある。
【図1】炭化物の平均粒径と高温硬さの関係を示すグラ
フである。
フである。
Claims (7)
- 【請求項1】 C:0.7〜1.3%(重量%の意味、
以下同じ),Si:0.5%未満,Mn:0.3〜2
%,S:0.02%以下,Cr:0.51〜6%,A
l:0.015〜0.06%,N:0.003〜0.0
2%を夫々含有し、残部Feおよび不可避不純物からな
り、該不可避不純物中P:0.02%以下,Ti:0.
003%以下,O:0.003%以下に夫々抑制してな
る鋼を素材とし、該素材によって作製された部品に、焼
入れ、焼戻し処理を施したものであり、炭化物の平均粒
径が2μm以下であることを特徴とする高温転動疲労性
に優れた軸受部品。 - 【請求項2】 請求項1に記載の軸受部品において、更
にMo:2%以下およびW:1%以下から選ばれる1種
または2種を含有する鋼を素材とするものである軸受部
品。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載の軸受部品おい
て、更にV:0.03〜2%およびNb:0.01〜
0.5%から選ばれる1種または2種を含有する鋼を素
材とするものである軸受部品。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の軸受部
品において、更にNi:3%以下を含有する鋼を素材と
するものである軸受部品。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の軸受部
品において、更にCu:1%以下を含有する鋼を素材と
するものである軸受部品。 - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の軸受部
品おいて、更にCo:0.03〜3%を含有する鋼を素
材とするものである軸受部品。 - 【請求項7】 焼入れ加熱時に窒素を表層部に浸入させ
る処理を施したものであり、炭窒化物の平均粒径が2μ
m以下である請求項1〜6のいずれかに記載の軸受部
品。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8093893A JPH06293939A (ja) | 1993-04-07 | 1993-04-07 | 高温転動疲労性に優れた軸受部品 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8093893A JPH06293939A (ja) | 1993-04-07 | 1993-04-07 | 高温転動疲労性に優れた軸受部品 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06293939A true JPH06293939A (ja) | 1994-10-21 |
Family
ID=13732417
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8093893A Withdrawn JPH06293939A (ja) | 1993-04-07 | 1993-04-07 | 高温転動疲労性に優れた軸受部品 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06293939A (ja) |
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-
1993
- 1993-04-07 JP JP8093893A patent/JPH06293939A/ja not_active Withdrawn
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|---|---|---|---|
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