JPH0629399B2 - 亜臭素酸ナトリウムの保存性改良方法 - Google Patents

亜臭素酸ナトリウムの保存性改良方法

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JPH0629399B2
JPH0629399B2 JP4226284A JP4226284A JPH0629399B2 JP H0629399 B2 JPH0629399 B2 JP H0629399B2 JP 4226284 A JP4226284 A JP 4226284A JP 4226284 A JP4226284 A JP 4226284A JP H0629399 B2 JPH0629399 B2 JP H0629399B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、亜臭素酸ナトリウム(NaBrO)を主成
分とする結晶の保存性改良方法に関するものである。
従来より、亜臭素酸ナトリウム(以下NaBrO2と示す)
は、Cl2,Br2,NaClO,KMnO4,Na2Cr2O7等の強酸化剤
と、KBrO3,NaClO3等の弱酸化剤の中間に位置する特徴
ある酸化力を有し、しかも被酸化物を酸化した後にはNa
Brとなる無公害な酸化剤として知られ、また臭素化のた
めの臭素化剤としても知られ、代表的には特公昭39−
25543号公報に示される方法による比較的複雑な方
法、すなわちNaOH,Br2,およびC12を原料として合成さ
れる方法、等により製造されるアルカリ性亜臭素酸ナト
リウム水溶液が、繊維ののり抜き剤、工業用水のスライ
ムコントロール剤として使用されている。しかし、この
水溶液タイプのものは、その有効成分量を表わす有効臭
素量が日時の経過とともに徐々に低下するため、ときに
は使用時のトラブルの原因となることがあるし、該水溶
液はNaBrなどの塩類をほぼ飽和量含むと共にアルカリと
してNaOHを含むNaBrO2濃度約0.5モル/の希薄な水
溶液であり、取り扱いが不便である他、上記のNaBrO2
特異的な酸化剤としての性質は周知されておらず、その
他の潜在的な性質も探究されていないのが実状である。
そこで、従来よりこのような使い勝手の悪いNaBrO2剤の
改良を目的としたいくつかの提案がなされている。例え
ば、NaBrO2の安定化法として、水溶液中に共存する塩類
を一部除去する安定化法(特公昭45−37135号公
報)、および亜臭素酸あるいはその塩を四級アンモニウ
ム基を含有する重合体と反応させる安定保存法(特開昭
56−78406号公報、特開昭56−104704号
公報)が知られている。しかし前者特公昭45−371
35号公報記載の方法によつたものでは長期間十分安定
に保存しておくことはできないし、後者特開昭56−7
8406号公報等に記載の方法では、安定性は一応向上
するものの従来から有る用途への使用の際に余計な手間
を必要とするために、これらのいずれの方法も実用上満
足できる安定化法あるいは安定保存法とは言い難い面が
ある。
以上のようなことからして、比較的純度が高く、かつ安
定な固体としてのNaBrO2を主成分とする酸化剤(ないし
臭素化剤)の供給が、前記した繊維ののり抜剤等として
の用途、あるいはその他の使用用途に対し、使い勝手が
よいものとして望まれていると言える。ところで、この
ようなNaBrO2結晶に係る従来知見として、フランス特許
1216216号公報およびその追加特許第72718
号公報によるものがある。これは高純度に精製したNaBr
O2・3H2O結晶について記載し、更にこれをアルカリ性水
溶液に溶解した場合は安定であるとするものである。
しかし、本発明者等がこのフランス特許第121621
6号公報等の記載に従いNaOH水溶液を用いて再結晶法に
より高純度(純度95%以上)に精製したNaBrO2・3H2O
結晶について、NaBrO2・3H2O結晶そのもの、および該結
晶をアルカリ性水溶液としたときのものの安定性試験を
行つた結果によると、アルカリ性水溶液中のNaBrO2は、
日時の経過とともに徐々に分解はするにしても原料もア
ルカリ性亜臭素酸ナトリウム水溶液より高い安定性を示
すことが認められるのに対し、結晶NaBrO2の安定性につ
いては、予想に反して原料のアルカリ性亜臭素酸ナトリ
ウム水溶液よりも劣つていた。この分解は、NaBrO2が分
解するとNaBrとNaBrO3となつて黄色が白色になることか
ら、分解の進行として肉眼で確認できるものであり、一
般に1つの粒子内での分解の進行は早く、5〜10mmの
長径を有する大粒のNaBrO2・3H2O結晶粒子にあつては、
その一端から分解が進むことが容易に観察できるほどで
ある。
したがつて前記方法で得られるNaBrO2は、NaBrO2・3H2O
結晶であるよりアルカリ性水溶液である方が安定性は良
好であつて、高純度のNaBrO2・3H2O結晶を得るに多くの
労力を必要とする割には、その結晶の安定性は低いため
に結局水溶液タイプとして保存する従来のものと大差の
ないものとなつてしまつている。
本発明は、以上のような種々の現状をふまえ、使い勝手
のよいNaBrO2を主成分とする酸化剤、臭素化剤としての
結晶を、結晶状態で安定して保存することを可能とする
目的でなされたものである。そして、前記目的を達成す
る本発明は次のような本発明者等の知見に基づいてなさ
れたものである。すなわち、NaBrO2と共にNaBr,NaBr
O3,NaOH,NaClを含むアルカリ性亜臭素酸ナトリウム水
溶液を原料として、減圧濃縮によりNaBrO3等の不純物塩
類を析出除去し、得られた濃縮母液を冷却した後、遠心
分離等によりNaBrO2・3H2O結晶を分離させるようにした
場合に、得られたNaBrO2・3H2O結晶の安定性は、これに
不純物として含まれるNaOHの含有率により大きく左右さ
れ、前記方法によるNaBrO2・3H2O結晶の製造に際し、最
終過程における結晶からの母液の分離をコントロールし
て、結晶中にNaOHが所定の含有率だけ残るようにする
と、当該結晶の安定性が飛躍的に向上することを見出し
た。NaOHの含有率が低いとNaBrO2の結晶は分解され易
い。そして更に注目すべきは、NaOHの固体粒子とNaBrO2
・3H2O結晶を単に混合しただけでは本発明のような安定
性は発現しないという点である。
これらのことと、NaBrO2はアルカリ性水溶液中で安定で
あることとを総合すると、NaBrO2結晶は空気と触れると
空気中に含まれる炭酸ガスによつて徐々に中和され、Na
OH含有率が低いと、使用前にNaBrO2が分解するところま
で中和が進み、結晶が分解され易い状態になるものと推
察されるのである。
したがって、このような知見に基づいて前記目的を達成
するためになされた本発明の要旨するところは、NaB
rOを主成分とする固体の表面をNaOHを含む液で
被覆することを特徴とする亜臭素酸ナトリウムの保存性
改良方法にある。
結晶にNaOH液を被覆させるためには、前記の如く結晶を
製造するに際して、NaOHを含む母液の分離程度をコント
ロールする方法による他、母液の分離に際し母液の分離
程度が一定に保たれる場合には母液中のNaOH濃度をコン
トロールして結晶のNaOH被覆を一定以上に残存させる方
法、さらには充分脱液したNaBrO2結晶に所定量のNaOH溶
液を噴霧混合、或はこれを更に乾燥させる方法によつて
も良い。
NaBrO2結晶を薄膜として覆う液中のNaOHの濃度は、あま
り薄いと効果がなく、実験によれば0.5〜5.0wt%
(得られたNaBrO2の結晶、不純物、表面の液膜を合計し
て100としたときのwt%)の範囲が好ましいものであ
り、実用上支障のない限り低濃度とすることが望まし
い。
以下本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。
本実施例は、NaBrO2,NaBr,NaBrO3およびNaOH,製法に
よつてはさらにNaClを含むアルカリ性亜臭素酸ナトリウ
ム水溶液を原料液とし、その液層のNaBrO2濃度が350
g/以上となるまで、40℃を越え、80℃以下の加温
状態で、減圧度5〜50Torrの範囲において加温部近傍
の液相温度が40℃を越えないように強く撹拌しながら
例えば蒸気凝縮用冷却水出口温度を20℃以下に保ちな
がら減圧濃縮(第1工程)し、析出するNaBrO2以外の塩
類結晶を遠心分離法等の分離法により分離・除去(第2
工程)した後、濃縮液をNaBrO2の飽和温度以下、一般に
は5℃以下に冷却(第3公定)して、析出した結晶を母
液から遠心等の分離法により分離する(第4工程)こと
により、合計20%程度以上のNaBr・2H2O,NaBrO3,H2O
およびNaOHといつた不純物を含むNaBrO2・3H2Oを得る製
造法において、前記第4工程での母液分離をコントロー
ルして、NaBrO2・3H2Oの結晶表面に該母液の薄膜を付着
させておくようにした場合のものである。
なお、前記第1工程は、加温部近傍の液相温度が40℃
を越えないように強く撹拌し、かつ蒸気凝縮用冷却水出
口温度を20℃以下に保つことによつて、40℃を越え
80℃以下、好ましくは55〜65℃の加温状態で、減
圧度5〜50Torrで行うことにより、液相の部分的な温
度上昇によるNaBrO2の分解なしに、しかも短時間に濃縮
液を調製させることができる。またこのことは第2工程
との関連において減圧濃縮を複数回行ない、NaBrO2濃度
がより高く濃縮速度が低い濃縮液を濃縮する場合に好ま
しいものとなる。
すなわちプロセスの経済性を最も大きく左右するのは高
価なNaBrO2の損失の大小であるから、この点からは、冷
却析出した結晶を分離した後の母液に含まれるNaBrO2
を最少限にすること、別言すると、アルカリ性亜臭素酸
ナトリウム水溶液を減圧濃縮し析出した結晶を分離する
ことによつて得られる濃縮液のNaBrO2濃度を高くして、
冷却析出後の母液中に含まれるNaBrO2量を少なくするこ
とが望まれるのであるが、単純にNaBrO2600g/程度
の限界的濃縮液を得るまで減圧濃縮を続けるとアルカリ
性亜臭素酸ナトリウム水溶液に含まれる塩類が多量に析
出し、析出結晶と濃縮液との分離が実質的に困難にな
る。そこで減圧濃縮と析出結晶の分離とを順次2回以上
好ましくは3回以上繰り返すことによつて、実質的にNa
BrO2濃度600g/程度の濃縮液を調製できるのであ
る。
さらに、前記第2工程において、析出するNaBrO2以外の
塩類結晶を分離するに遠心分離(フイルタープレス、あ
るいは真空過等によらぬもの)によるのは、原料液に
ほぼ飽和量含まれるNaBrO2以外の塩類が濃縮とともに多
量に析出し、濃縮液を効率的に得るためには母液の結晶
への付着率を低くする必要があるからである。分離に際
しては、通常使用されている遠心分離機では遠心加速度
500〜2500×G,30〜90秒間で分離すること
ができる。一般には分離時間は長いほど分離率は良好と
なるが、長時間分離するとNaBrO2の分解があるために、
回収時に不利となるために分離は短時間とすることが望
ましい。
また、前記3,4工程においては、一般に5℃以下に冷
却して析出したNaBrO2・3H2O結晶を遠心分離法等により
分離した後、母液を先の濃縮液の冷却温度よりさらに低
い温度、好ましくは−20〜−30℃で再冷却し、遠心
分離することで大部分のNaBrO2を結晶として回収でき、
母液としてのNaBrO2の損失を抑えられる。
第4工程は、NaOH濃度が高く粘稠な母液と、比較的細か
い結晶を効率よく分離するために遠心(又は真空)分離
機を使用し、遠心加速度500〜2500×Gとして、
分離時間30〜90秒で分離することがよい。分離時間
は結晶のNaBrO2の保存時の安定性を大きく左右し、分離
時間が長くなると結晶のNaBrO2の安定性は著しく低下す
る。このため分離時間を前記のような90秒以下とする
ことが安定なNaBrO2結晶を得るためには好ましい。
本実施例において原料水溶液として用いるアルカリ性亜
臭素酸ナトリウム水溶液は、NaOH水溶液およびBr2,あ
るいはNaOH水溶液,Br2およびCl2,あるいはNaBr,Cl2
およびNaOH水溶液を原料として下記の要領にて製造され
るものである。
NaBrO2は、反応(1)に示すNaOHおよびBr2から生成するNa
BrO、あるいは反応(2)に示すNaOHおよびCl2から生成す
るNaClOとNaBrとの反応(3)により生成するNaBrOを反応
液のpHを11〜12および温度を0〜−5℃に制御しな
がら反応(4)に示すように不均化させることにより得ら
れる。
2NaOH+Br2→NaBrO+NaBr+H2O (1) 2NaOH+Cl2→NaClO+NaCl+H2O (2) NaBr+NaClO→NaBrO+NaCl (3) 2NaBrO→NaBrO2+NaBr (4) NaBrOの濃度が反応(1)あるいは(3)の進行とともに増加
することにより反応(4)に従つてNaBrO2が徐々に生成す
る。NaBrO2濃度が最大になつたところでNaOH水溶液を加
えて反応液を強アルカリ性にすることにより反応(4)を
停止し、次いでアセトンあるいはアンモニアなどの還元
剤を加えて残存するNaBrOの全量を反応(5)あるいは(6)
に従つて消去し、アルカリ性亜臭素酸ナトリウム水溶液
を得る。
CH3COCH3+3NaBrO→CHBr3+CH3COONa+2NaOH (5) 2NH3+3NaBrO→3NaBr+3H2O+N2 (6) このようにして得られたアルカリ性亜臭素酸ナトリウム
水溶液は、NaBrO2:約70〜90g/,NaBrO3:30〜
40g/,NaBr:100〜120g/,NaOH:12〜1
6g/,更に製法によつてはNaCl:200〜240g/
を含むものとして調製される。
濃縮はNaBrO2が長時間高温に放置されると徐々に分解す
ることを考慮すれば、減圧下でH2Oを蒸発させる減圧
濃縮によりNaBrO2の分解なしに速やかに行うことがよ
い。ただしNaBrO2の分解なしに濃縮を行うために30℃
以下(仏特許第1216216号の追加特許第7271
8号)あるいは50℃以下(特公昭45−37136
号)の加温状態とすることが提案されているが、NaBrO2
濃度の高い濃縮液を調製するにいずれも適していない。
ここでは短時間に濃縮液を調製するために減圧度5〜5
0Torr、好ましくは10〜20Torr加温のための浴ある
いは加温管の温度を50℃を越え、80℃以下の加温状
態で、加温部近傍の液相温度が40℃を越えないように
強く撹拌し、あるいはロータリーエバポレーターを使用
する場合には、フラスコの回転を十分速く一般には60
rpm以上に保ち、かつ蒸発速度を十分高く保つために蒸
気凝縮用冷却水の出口温度を20℃以下になるように調
節しながら行ない、5時間以内に濃縮が終了することが
好ましい場合がある。
すでに記したように前記アルカリ性亜臭素酸ナトリウム
水溶液は、NaBrO2およびNaOH以外にNaBrなどの塩類をほ
ぼ飽和量含んでいるために、濃縮が進むにつれて多量の
塩類結晶が析出する。そのため、350g/以上の液相
NaBrO2濃度となつた濃縮液から、析出した結晶を遠心等
の分離法によつて分離、除去し、得られた濃縮液を次に
NaBrO2の飽和温度以下、一般には5℃以下に冷却して析
出した結晶を遠心分離法等の分離法により分離する。
この様にして製造された結晶のNaBrO2・3H2O含有量は、
濃縮液のNaBrO2およびNaOH濃度、冷却温度によつて変動
するが、特にNaBrO2およびNaOH濃度の影響が大きい。濃
縮液のNaOH濃度は、原料アルカリ性亜臭素酸ナトリウム
水溶液のNaOH濃度と濃縮の度合いによつて決まる。通
常、アルカリ性亜臭素酸ナトリウム水溶液はNaBrO2濃度
が約80g/、NaOH濃度が約15g/であり、NaBrO2
度350g/の濃縮液のNaOH濃度は約65g/である。
前記水溶液を5℃以下に冷却すればNaBrO2・3H2Oを含む
結晶は析出するが、NaBrO2濃度が350g/,500g/
および600g/のとき結晶中のNaBrO2・3H2O含有量
はそれぞれ約30%、約60%および約70%であり、
NaBrO2・3H2O以外にはNaBr・2H2O,NaBrO3,NaOH,H2O
等が含まれる。
なお、例えば10のアルカリ性亜臭素酸ナトリウム水
溶液からH2O7〜8を蒸発させて液相におけるNaBrO2
濃度を600g/以上に濃縮すると、2.5Kg〜3.0
Kgの多量の塩類が析出するために、非常に高濃度のスラ
リーとなり濃縮は難しく、濃縮液のほとんどが析出結晶
の付着母液となり、濃縮液と析出結晶を分離することは
実質的に困難であることは既述の通りである。
そこで、10のアルカリ性亜臭素酸ナトリウム水溶液
を減圧濃縮する際に、濃縮途中、H2O4〜6を蒸発
させた時点で濃縮を中断して析出した結晶を分離し、得
られた濃縮液をさらに減圧濃縮し、液相におけるNaBrO2
濃度を600g/以上とすれば、前記10のアルカリ
性亜臭素酸ナトリウム水溶液に含まれていたNaBrO2のう
ちの50〜70%は濃縮液として回収できる。
この減圧濃縮と析出結晶の分離との繰り返しは、NaBrO2
濃度600g/以上の濃縮液を効率良く調製するという
意味で特徴的であり、繰り返しの回数を多くすることに
よつて、付着母液として析出結晶に含まれるNaBrO2量を
低減できるために、濃縮液としてのNaBrO2の収率が増し
濃縮工程の生産効率が向上する。また、NaBrO2を付着母
液として含む析出結晶からNaBrO2は回収することが望ま
しいが、同様の理由により減圧濃縮と析出結晶の分離と
の繰り返しは、回収のための洗浄への負担を低減できる
利点もある。
繰り返し回数が3回の場合には、約90%のNaBrO2が濃
縮液として回収できる。
数個の減圧濃縮槽を用いて連続的に順次濃縮液濃度を高
めていく場合には、槽と槽の間で析出結晶を分離し、濃
縮液のみを次の槽へ供給することによつて減圧濃縮槽内
の析出結晶のスラリー濃度を低くコントロールできるた
め操作が容易になり特に有利である。
この様にして調製されたNaBrO2濃度600g/以上の濃
縮液を飽和温度以下一般に5℃以下に冷却することによ
つて、NaBrO2・3H2O含有量が70%以上の比較的純度の
高い結晶が得られる。しかし、NaBrO2濃度600g/の
濃縮液のNaOH濃度は約110g/であり、液温は加温し
ながら減圧濃縮するために40〜50℃になるが、NaBr
O2濃度600g/は飽和溶解度に近く、さらに濃縮して
600〜600g/を700,800g/にすることは実質的
に不可能である。
冷却析出した結晶を分離した後の母液は、回収利用する
ことができないが、濃縮液のNaBrO2濃度を600g/以
上と高くすることによつてNaBrO2が結晶となる収率を高
めることができる。
なお、NaOHについてはあらかじめアルカリ性亜臭素酸ナ
トリウム水溶液に含まれている以外に、最終的なNaBrO2
の結晶表面に付着させる液の濃度を所定の濃度範囲内と
するために、別に加えるようにしてもよい。
連続法にて冷却析出させる場合には、分離母液を循環し
て析出結晶のスラリー濃度を低くコントロールできるた
めに、冷却温度は−5℃あるいは−10℃といつたより
低い温度にできる。
NaBrO2濃度600g/以上、冷却温度5℃以下の条件で
濃縮液に含まれているNaBrO2のうち80〜95%が結晶
として回収できる。
第2工程において濃縮液から多量に分離される他の塩類
結晶に含まれる付着母液としてのNaBrO2は、濃縮前のア
ルカリ性亜臭素酸ナトリウム水溶液を用いて洗浄するこ
とによつて簡単にしかも大部分のNaBrO2が回収できる。
該洗浄の後に付着母液として塩類結晶に残るNaBrO2量は
洗浄前の1/5〜1/10になり、濃度の高い濃縮液から分離
した塩類結晶の場合、特に洗浄による塩類結晶へのNaBr
O2の残存、すなわちNaBrO2の損失の抑制効果は大きい。
冷却析出した結晶を分離した後の母液を1回目の冷却析
出温度以下、好ましくは−20℃以下に冷却することに
よつて母液中に含まれるNaBrO2を結晶として析出させ、
冷却析出によつて母液中に溶解しているNaBrO2の50%
以上を結晶として回収できる。ここで析出して分離した
結晶は、1回目に冷却析出して得られる結晶よりも純度
は低いがそのまま使用しても安定性に支障はなく、濃縮
用のアルカリ性亜臭素酸ナトリウム水溶液に溶解回収し
てもよい。
本実施例において特徴的に操作されるのは、特に第4工
程における結晶からの母液の分離であり、分離操作をコ
ントロールすることにより、析出結晶にはその表面に薄
膜状の母液を付着させて残し、結晶重量に対してNaOHが
0.5〜5.0wt%の濃度で含有されるようにしてい
る。このようなNaOHの残存は、母液分離の程度、母液中
のNaOH濃度をコントロールすることで行うことができ、
他の操作を必要としないため、実用上好ましい方法とな
つている。
以上の方法によつて製造された結晶は、NaBrO2・3H2Oの
含有量の大小が保存安定性に影響することはなく、従来
からあるアルカリ性亜臭素酸ナトリウム水溶液あるいは
特公昭45−37135号の方法によるアルカリ性亜臭
素酸ナトリウムと比較して、NaBrO2の経時的な分解率は
1/5〜1/7と小さなものであることが実験的に確認されて
いる。
NaBrO2の保存安定性は保存温度によつて異なるが、例え
ば、夏期における保存を想定した30℃における恒温安
定性試験結果を、保存初日を100%とする1ケ月後の
NaBrO2の未分解率の概略値として表わすと、原料として
用いたアルカリ性亜臭素酸ナトリウム水溶液は約65
%、特公昭45−37135号の方法によつて安定化し
たアルカリ性亜臭素酸ナトリウム水溶液は約75%であ
つたのに対して、本発明の方法によつて調製したNaBrO2
・3H2O結晶は約95%であつた。
このことは本発明によれば、約半年保存しておいても従
来1ケ月で分解した量と同僚のNaBrO2が分解するにすぎ
ないということであり、実用に際して十分満足のいくも
のである。
なお、本発明は前記実施例の方法だけでなく、NaOHの液
を別の方法でNaBrO2の結晶に付着させることによつても
実現される。例えば、NaBrO2の結晶を、NaOHを溶解した
水溶液に浸漬した後取出し、乾燥させることによつても
よいのである。
本発明によつて得られたNaBrO2・3H2Oを含む結晶は、水
に溶解するだけで従来使用されているアルカリ性亜臭素
酸ナトリウム水溶液の代替品として簡単に使用できるこ
とは勿論のこと、さらに他の不純物の含有量も少ないた
めに広範囲のNaBrO2濃度の水溶液を調製でき、また水溶
液のタイプのものに比べNaBrO2に対するNaOHの含有率が
低いためアルカリを嫌う用途への使用も可能である。
このように、従来あるアルカリ性亜臭素酸ナトリウム水
溶液と比較して本発明によつて得られたNaBrO2・3H2Oを
主成分とする酸化剤又は臭素化剤は、同量のNaBrO2を得
るのに必要な重量が1/4〜1/10になるために保存スペー
ス、運搬等に要する負担を大きく削減でき、固体である
ために計量、濃度調製も容易である。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
実施例1 液温を15℃に保ち、撹拌しながら23%NaOH水溶液2
0KgにCr2ガスを2.72Kg吹き込むことにより、NaClO
を含むNaOH水溶液を調製した。液温を約0℃に保ち、撹
拌しながら該水溶液に3.07KgのBr2を滴下し、次い
で、水溶液のpH11〜12および液温を約0℃に制御し
ながらNaBrO2を生成させた。NaBrO2濃度が最大になつた
ところで23%NaOH水溶液を1.15Kg加えることによ
りNaBrO2生成反応を停止させた。次に液温を−12℃以
下に保ちながらNH3ガスを徐々に吹き込んでNaBrOを全量
消去することによって、NaBrO281.6g/,NaOH1
4.9g/,NaBrO336.2g/,NaBr110.6g/
,NaCl224.8g/を含むアルカリ性亜臭素酸ナト
リウム水溶液(水溶液1)を得た。
該アルカリ性亜臭素酸ナトリウム各10を、減圧度2
0Torr、加温水浴温度60℃にて減圧濃縮して、H2
3.8さらに2.1を除去したところで順次濃縮を
中断し、析出した塩類結晶を除去して、得られた濃縮液
をさらに減圧濃縮して、析出した塩類結晶を除去して、
NaBrO2383.7g/,NaOH72.2g/およびNaBrO2
452.3g/,NaOH82.1g/を含む濃縮液をそれ
ぞれ1.97および1.64得た。得られた2種類
の濃縮液の一部を蒸留水にて希釈して、NaBrO280.7
g/,NaOH15.1g/(水溶液2)およびNaBrO2
9.6g/,NaOH14.9g/(水溶液3)を含む水溶
液とした。残りの濃縮液は−2〜0℃に冷却して析出し
た結晶を母液からそれぞれ1500×G,60秒にて遠
心分離した。得られた結晶のNaBrO2・3H2O含有率は3
2.3%(結晶1)および45.1%(結晶2)であ
り、これらのNaOH含有率はそれぞれ0.7%(結晶
1)、0.8%(結晶2)であつた。
得られた水溶液1,2,3および結晶1,2を夏期を想
定した30℃の恒温槽中にて保存したときの各試料の3
0日目および90日目のNaBrO2の未分解率を保存初日を
100%として第1表に示す。
比較例1 実施例1の(結晶1)、(結晶2)を更に1500×
G,5分間遠心分離し、NaOHの含有率が0.3%(結晶
1からの結晶3)、0.4%(結晶2からの結晶4)の
ものを得た。その保存安定性試験を実施例1と同様に行
なつた結果を第1表下段に対比して示した。
実施例2 実施例1と同様の方法にて調製したNaBrO281.1g/
,NaOH15.1g/,NaBrO336.7g/,NaBr10
9.5g/,NaCl223.8g/を含むアルカリ性亜臭
素酸ナトリウム水溶液(水溶液4)10を、減圧度2
0Torr、加温水浴温度60℃にて減圧濃縮して、H2
3.7さらに2.3を除去したところで順次濃縮を
中断し、析出した塩類結晶を除去して、得られた濃縮液
をさらに減圧濃縮し、析出した塩類結晶を除去して、Na
BrO2640.0g/、NaOH120.4g/を含む濃縮液
1.17を得た。該濃縮液を−2〜0℃に冷却して析
出した結晶を母液から分離1500×G,60秒間遠心
分離した。該結晶(結晶5)の重量は1310.1gで
あり、NaBrO2・3H2Oが71.0%、NaOHが1.0%含ま
れていた。この結果、濃縮液に含まれていたNaBrO2のう
ち結晶となつたNaBrO2は88.7%であつた。
−2〜0℃にて冷却して析出した結果を分離除去した後
の母液を再度−20〜−22℃にて冷却して析出した結
晶を分離1500×G,60秒間遠心した。該結晶(結
晶6)の重量は270.6gであり、NaBrO2・3H2Oが2
5.2%,NaOHが1.4%含まれていた。この結果、濃
縮液に含まれていたNaBrO2のうち結晶となつたNaBrO2
先の88.7%と合わせると95.2%であつた。
濃縮途中で順次分離した3種類の塩類結晶を、濃縮液の
原料として用いたNaBrO281.1g/を含むアルカリ性
亜臭素酸ナトリウム水溶液各1を用いて、それぞれ洗
浄した。洗浄回収したアルカリ性亜臭素酸ナトリウム水
溶液に含まれていたNaBrO2の総計は298.8gであ
り、洗浄に用いたアルカリ性亜臭素酸ナトリウム水溶液
3に含まれていたNaBrO2243.3gとの差は55.
5gであつた。塩類結晶に含まれていたと計算されるNa
BrO2は62.2gであり、55.5gとの差は6.7g
であり、6.7gは原料として用いたNaBrO2811gの
0.8%に相当する。
洗浄回収したアルカリ性亜臭素酸ナトリウム水溶液の全
量は3.2であり、NaBrO2を93.4g/を含んでい
た。
水溶液4および結晶5,6の30℃における保存安定性
試験結果を第2表に示す。
比較例2 実施例2の(結晶5)を、更に1500×G,5分間遠
心分離し、NaOHの含有率が0.4%(結晶7)のものを
得た。その保存安定性試験の結果を第2表に対比して示
した。
実施例3 液温を約0℃に保ち、撹拌しながら23%NaOH水溶液1
0Kgに4.6KgのBr2を滴下し、次いで水溶液のpHを1
0〜11に制御しながらNaBrO2を生成させた。NaBrO2
度が最大となつたところで、実施例1と同様の方法、条
件にてNaBrO2の生成反応の停止およびNaBrOの消去を行
つてNaBrO279.7g/,NaOH15.0g/,NaBrO3
5.8g/,NaBr489.3g/を含むアルカリ性亜臭
素酸ナトリウム水溶液(水溶液5)を得た。
該アルカリ性亜臭素酸ナトリウム水溶液10から実施
例1と同様の方法、条件にてNaBrO2488.2g/,Na
OH91.7g/を含む濃縮液1.47を得た。該濃縮
液の一部を蒸留水にて希釈して、NaBrO279.5g/,
NaOH14.9g/を含む水溶液(水溶液6)とした。残
りの濃縮液は−2〜0℃に冷却して析出した結晶を実施
例1と同様な条件で母液から遠心分離した。得られた結
晶のNaBrO2・3H2O含有率は46.3%,NaOH含有率0.
6%(結晶8)であつた。
水溶液5,6および結晶8の30℃における保存安定性
試験結果を第3表に示す。
実施例4 比較例2の結晶100gを採取し、エアースプレー式の
噴霧器を用いて10%NaOH溶液10mlを噴霧して、ポリ
エチレン製のスプーンを使用して結晶を良く混合した。
その湿潤結晶を真空乾燥中で10Torr減圧、40℃加温下
で3hr乾燥し、NaOHの含有率が1.4%のもの(結晶
9)を得た。その保存安定性試験の結果を第2表に示し
た。
実施例5 実施例2の結晶5のNaBrO2・3H2OスラリーにNaOHを添加
して母液中のNaOH濃度を200g/として1500×
G,5分間遠心分離し、NaOHの含有率が0.7%(結晶
10)のものを得た。その保存安定性試験の結果を第2表
に対比して示した。
実施例6 実施例1と同様の方法にて調製したNaBrO280.3g/
,NaOH15.1g/,NaBrO335.9g/,NaBr11
2.1g/,NaCl221.7g/を含むアルカリ性亜臭
素酸ナトリウム水溶液30から実施例1と同様の方
法、条件にてNaBrO2630.5g/,NaOH115.2g/
を含む濃縮液3.53を得た。
該濃縮液1を−5〜−3℃にて冷却して析出した結晶
を分離した母液を再度−10〜−8℃にて冷却して析出
した結晶を分離して母液を得た。該母液を1の冷却お
よび撹拌機能を備えた完全混合型の連続晶出槽に仕込
み、次いで液温を−10±1℃にコントロールしながら
滞留時間を5時間に設定して、濃縮液2.53を連続
的に晶出槽に供給した。析出したNaBrO2・3H2Oを含む結
晶と母液のスラリーを晶出槽底部より連続的に抜き出
し、結晶と母液とを分離した。該母液は晶出液のスラリ
ー濃度が約20%になるように一部を晶出槽に循環し、
残りの母液には先に−5〜−3℃あるいは−10〜−8
℃に冷却して析出、分離したNaBrO2・3H2Oを含む結晶を
溶解して、濃縮液とともに晶出槽に供給した。
連続晶出にて得られた結晶の重量は4056gであり、
NaBrO2・3H2Oの含有率は70.2%であつた。この結
果、濃縮液に含まれていたNaBrO2のうち結晶となつたNa
BrO2は91.4%であつた。
得られた結晶を30℃にて1ケ月間保存した結果、NaBr
O2・3H2Oの含有率は68.6%となつた。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】NaBrOを主成分とする固体の表面を
    NaOHを含む液で被覆することを特徴とする亜臭素酸
    ナトリウムの保存性改良方法。
  2. 【請求項2】NaOHの濃度が0.5〜5.0wt%で
    あるNaOHを含む液を用いる特許請求の範囲第1項に
    記載した方法。
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