JPH06297714A - インクジェットプリントヘッド及びインクジェットプリンタの記録方法 - Google Patents

インクジェットプリントヘッド及びインクジェットプリンタの記録方法

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JPH06297714A
JPH06297714A JP5090123A JP9012393A JPH06297714A JP H06297714 A JPH06297714 A JP H06297714A JP 5090123 A JP5090123 A JP 5090123A JP 9012393 A JP9012393 A JP 9012393A JP H06297714 A JPH06297714 A JP H06297714A
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head
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明はパルス加熱によってインク液滴を記
録媒体に向けて飛翔させる形式の記録装置に関するもの
で、大規模な数のインク吐出ノズルを高密度に2次元的
に配列したインクジェットプリントヘッドを実現し、高
速印刷可能なインクジェットプリンタを得ることを目的
とする。 【構成】 Cr−Si−SiO合金薄膜抵抗体16とN
i薄膜導体17、18からなる発熱抵抗体列と、共通イ
ンク溝11と、該共通インク溝11に連通する複数の連
結用インク孔10とを有する駆動用LSIチップ9上
に、前記発熱抵抗体列と1対1で対応するオリフィス列
2と、該オリフィス列2の夫々のオリフィスと共通イン
ク溝とを連通させる個別インク通路13を設け、前記駆
動用LSIチップ9の裏面には、前記連結用インク孔1
0と連通するインク溝11を有する実装フレーム3を装
着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱エネルギを利用して
インク液滴を記録媒体に向けて飛翔させる形式の記録装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】パルス加熱によってインクの一部を急速
に気化させ、その膨張力によってインク液滴をオリフィ
スから吐出させる方式のインクジェット記録装置は特開
昭48−9622号公報、特開昭54−51837号公
報等によって開示されている。
【0003】このパルス加熱の最も簡便な方法は発熱抵
抗体にパルス通電することであり、その具体的な方法が
社団法人、日本工業技術振興協会主催のハードコピー先
端技術研究会(1992年2月26日開催)、またはHe
wlett-Packard-Journal,Aug.1988で発表されている。こ
れら従来の発熱抵抗体の共通する基本的構成は、図8に
示すように、薄膜抵抗体43と薄膜導体44を酸化防止
層45で被覆し、この上に該酸化防止層45のキャビテ
ーション破壊を防ぐ目的で、耐キャビテーション層4
6、47を1〜2層被覆するというものであった。
【0004】この複雑な多層構造を抜本的に簡略化する
ものとして、特願平5−68257号公報に記載のよう
に、前記酸化防止層45と耐キャビテーション層46、
47を不要とする発熱抵抗体を用いて印字する方法があ
る。この場合は、薄膜抵抗体がインクと直接接触してい
るため、パルス加熱によるインクの急激な気化とそれに
よるインクの吐出特性が大幅に改善され、熱効率の大幅
な改善(30〜60倍)と吐出周波数の向上を図ること
ができた。このような画期的な性能を実現できた最大の
理由は、耐パルス性、耐酸化性、耐キャビテーション
性、耐電食性に優れたCr−Si−SiOまたはTa−
Si−SiO合金薄膜抵抗体とNiまたはWからなる薄
膜導体のみから構成される発熱抵抗体を用いたことにあ
り、如何なる保護層も必要としないことによる。
【0005】このように、従来技術に比較して、大幅に
小さな投入エネルギでインク噴射が可能となったので、
この発熱抵抗体を駆動用LSIチップ上のデバイス領域
に近接して形成しても、もはやLSIデバイスを加熱し
て温度上昇をもたらすこともなく、非常に簡単な構成の
モノリシックLSIヘッドを実現することができるよう
になった。これについては本出願人が先に出願した特願
平4−347150号に記載の通りである。この新しい
技術によって、多くのインク噴射ノズルを持つオンデマ
ンド型インクジェットプリントヘッドが高密度に集積化
して製造することができるようになり、しかもその駆動
を制御する配線本数が大幅に削減できるので実装方法も
非常に簡略化することができた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のインクジェット
プリントヘッドはその製造技術面の制約から大規模なラ
インヘッドを実現することが難しく、ほとんど全てのイ
ンクジェットプリンタは縦に並んだ数十〜数百ノズルの
ヘッドを記録紙幅だけ横方向に走査して印字するシリア
ルタイプとなっている。このために記録速度は遅く、そ
の改善は本分野の最大の開発課題となっていた。
【0007】これを解決するには2通りの方法しかな
い。一つはインク噴射の繰り返し周期を速くして記録速
度を向上させる方法であり、他の一つはノズル数を多く
して記録速度を向上させる方法である。前者の具体的な
解決策を提供したのが本出願人の既出願(特願平5−6
8257号)であり、後者の具体的な解決策を提供する
のが本発明である。即ち数千ノズル以上/ヘッドという
大規模な高集積ヘッドを実現すると共に、その製造と組
み立て実装方法についても容易に量産化できるようにす
るのが本発明の目的である。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は、駆動用LS
Iが形成されているSi基板上にCr−Si−SiOま
たはTa−Si−SiO合金薄膜抵抗体とNiまたはW
薄膜導体からなる発熱抵抗体列を設け、該Si基板上の
該発熱抵抗体列に隣接する位置に共通インク溝を設け、
該共通インク溝とSi基板の裏面とを導通する複数の連
結用インク孔を設け、更に該Si基板の表面側には、前
記発熱抵抗体列の各発熱抵抗体と1対1で対応するオリ
フィスを有し、該夫々のオリフィスと前記共通インク溝
とを連通させる個別インク通路を設け、前記Si基板の
裏面側には、前記連結用インク孔と連通するインク溝を
有する実装フレームを装着することによって達成され
る。
【0009】また、上記目的は、前記オリフィスが複数
個配列されたオリフィス列を前記Si基板上に少なくと
も2列形成するか、あるいは前記オリフィスの列が1〜
2列形成されているSi基板上を、前記実装フレーム上
に複数個並べて設けることによっても達成される。
【0010】更に、上記目的は、記録紙搬送方向上流側
に加熱手段を設けることによって達成される。
【0011】
【作用】上記のように構成されるインクジェットプリン
トヘッドは、実施例で詳細に説明するように、個別イン
ク通路へのインクの供給がSi基板内の共通インク溝か
ら十分行われると共に、該Si基板内の共通インク溝へ
の実装フレーム側からのインクの供給が実装フレーム内
のインク溝からSi基板内にあけられた複数個の連結用
インク孔を通して十分に供給でき、しかも、例えばライ
ンプリンタ用ヘッドとしての長尺のSi基板であっても
その機械的強度を損なうことなく製造できるようになる
のである。これによって2次元的に配列された数千ノズ
ル以上のインクジェットプリントヘッドが一体構造で製
造することができ、1〜2万ノズルのフルカラー用小型
ラインヘッドとこれを用いた超高速インクジェットカラ
ープリンタさえ実現することができるのである。しかも
これらを駆動する制御用信号線と電源線の本数が10〜
20本程度と大幅に削減されるので、例えばラインヘッ
ドの接続実装が非常に簡略化され、ヘッドとプリンタの
小型、低コスト化に大きく貢献するのである。
【0012】
【実施例】以下、図面を用いて実施例を説明する。
【0013】〔実施例1〕A4フルカラーインクジェッ
トプリンタ用一体型ラインヘッドのオリフィス側から見
た正面図を図1に、その側面図を図2に示す。このヘッ
ドには、例えば360dpi(ドット/インチ)の密度
で3024ヶのオリフィスが配列されているオリフィス
列、すなわちブラック用オリフィス列2−1、イエロー
用オリフィス列2−2、シアン用オリフィス列2−3、
マゼンダ用オリフィス列2−4が210mmの長さに総
数12096ヶ並んでいる。このラインヘッドのオリフ
ィス面が例えば下向きになるようセットし、オリフィス
面から1〜2mm離してオリフィス列と垂直方向にA4
用紙を等速走行させながらカラーインクを吐出させてフ
ルカラー記録する。仮に、インクの吐出周波数を2kH
zと遅くしても、約2秒でA4用紙へのフルカラー印刷
が完了する。
【0014】このような高速記録の場合、記録紙の搬送
制御はステップ送りよりも等速送りの方が有利となる
が、本発明のヘッドを用いればこの等速送りが可能とな
る。まず、消費電力についてであるが、3024ヶ/ラ
インの発熱抵抗体を一括駆動やブロック駆動すると薄膜
導体、特に共通配線導体の通電容量を越える場合が多
く、また、最大投入電力が大きくなるという問題点があ
る。これを効果的に避けるには、インクの吐出走査を連
続化するという方法がある。すなわち、3024ドット
/ラインを500μS(2kHz)の時間内で連続的に
順次吐出させ、これを繰り返して等速搬送中の記録紙上
に印字するのである。各ドットへの印加パルス幅は、例
えば1μSなので、吐出状態(パルス印加中)にあるド
ットは常に連続する6ドットまたはそれ以下となり、1
ページ分の印字が完了するまでの2秒間、この動作が続
くのである。このような記録モードで稼動させると、イ
ンク吐出に必要な1ドット当たりの投入電力は0.5W
/dotなので、最大投入電力は3W以下という小さな
ものとなる(フルカラー記録の場合で12W以下)。な
お、上記の例では吐出周波数を2kHzとわざわざ遅く
しているが、これでもA4記録で20ppm(ページ/
分)という高速記録となる。
【0015】第2の問題は、上記のように連続送りの記
録紙上にラインヘッドで連続走査記録すると、記録ライ
ンが1ドット分だけ傾斜する。しかし、その量は360
dpiの場合、60〜70μmと小さく、実用的には何
ら問題となる量ではない。しかも2分割基板である本実
施例の場合は更に小さく、30〜40μmとなってい
る。また、送行中の記録紙へのインク液滴の着地による
変形量は約1μmであり、記録ドットサイズである60
〜70μmφに比較して無視できる量である。
【0016】一方、吐出走査の連続化は駆動回路を簡略
化させる効果を生み出す。すなわち、従来のブロック駆
動や一括駆動に必要であったラッチ回路が不要となり、
シフトレジスタ回路とドライバ回路のみで発熱抵抗体を
駆動させることができるようになる。そしてこれらの駆
動に必要な配線本数も、データ線、クロック線、グラン
ドが各1本と電源線が2本の計5本で済むことになる。
【0017】このように、吐出走査の連続化と記録紙の
等速搬送は、最大投入電力の大幅削減(1/2〜1/3
化)、駆動回路の簡略化と低コスト化(約2/3化)、
駆動制御に必要な配線本数の大幅削減(1513〜88
本→5本)、技術的に非常に難しい高精度ステップ搬送
を技術的に容易な等速搬送に変えても印字品質が劣化し
ない、等の非常に大きな効果をもたらす。なお、ここで
述べた種々の数値の裏付けはこれから述べる文中で詳細
に説明する。
【0018】次にヘッドの構造について、図1のA−
A’断面を示す図3をも参照しながら説明する。
【0019】駆動用LSIが形成されているSi基板9
上にインク噴射ノズル列を形成する一体型ラインヘッド
は、ヘッド実装フレーム3上に、同一形状のインクジェ
ットプリントヘッド基板1、1’を中央で突き合わせた
配置でダイボンディングして組立られている。ヘッド基
板1、1’はSi基板から作られているので、ヘッド実
装フレーム3はSiの線膨張係数とよく一致している4
2アロイで製作し、加工後、Niメッキを全面に施して
耐食性を付与してある。1/2サイズのヘッド基板1、
1’を中央で突き合わせているのは、モノリシックLS
Iヘッドの製造がSiウエハを用いた半導体プロセスに
よって製造しなければならないことによっており、現時
点では6インチウエハを用いても最大長140mm程度
のヘッドしか得られないからである。このため、中央部
で隣合うオリフィス間の距離をどこまでつめられるかで
ラインヘッドのドット密度が決定されており、量産を前
提とした実用限界は約400dpiとなる。勿論、ヘッ
ド基板1、1’をその基板の縦方向の幅(約8mm)だ
けずらして設けるようにすれば、この限界がなくなるこ
とはいうまでもない。
【0020】ヘッド基板1、1’にはそれぞれ1512
ヶのオリフィス2が4列並んでいるが、各列のオリフィ
ス2に対応した1512ヶの発熱抵抗体16を駆動する
信号線と電源線は前記のように5本となるので、4列分
の20本を両端部でテープキャリアで接続し、ヘッド実
装フレーム3の裏側に取付けられているコネクタ7、
7’に接続、テープキャリアは押え金具4、4’でカバ
ーして固定されている。ヘッド基板1、1’の幅は約8
mmであるので、基板端でのテープキャリアの接続配線
密度は約3本/mmとなり、接続実装技術としては容易
なレベルのものである。一方、もし従来技術で本実施例
と同様のヘッドを製作しようとすれば、片側のヘッド基
板だけで約6000本のワイヤボンディングが必要とな
り、しかも複数列のオリフィスを越えて接続しなければ
ならず、技術的に不可能であることが理解できよう。
【0021】さて、インクの供給は6及び6’の各供給
口から行われるが、図3に示すように、例えば供給口6
−1からのブラックインクはまずヘッド実装フレーム3
内に設けられているインク溝8−1に導かれる。これを
B−B’断面図である図4で見ると、ヘッド実装フレー
ム3内のインク溝8−1と、これに平行に設けられてい
るSi基板9内の共通インク溝11−1とは、Si基板
9に間歇的にあけられている複数個の連結用インク孔1
0−1によって連通されており、必要かつ充分な量のブ
ラックインクがSi基板9内の共通インク溝11−1に
供給されるようになっている。すなわち、インク供給口
6、6’から供給された4色のインクは、お互いに混色
することなく、必要且つ充分な量のインクがそれぞれの
Si基板内共通インク溝11に供給されるのである。
【0022】次にC部拡大図である図5、及びこのD−
D’断面図である図6を参照しながら説明する。Si基
板内インク溝11−3に満たされたインクは、オリフィ
ス2−3の一つ一つに対応して設けられている個別イン
ク通路13−3に導かれ、発熱抵抗体16のパルス発熱
によって瞬間的にオリフィス2−3からインク液滴とな
って飛び出し、オリフィス2−3の前面に置かれた記録
紙(図示せず)にドット状の記録を行うのは通常のイン
クジェット記録装置と同様である。本実施例では、この
発熱抵抗体16とこれに電流を供給する配線導体17、
18に、本出願人の既発明(特願平5−68257号)
に記載のCr−Si−SiO合金薄膜抵抗体とNi薄膜
導体を適用し、それぞれの膜厚を約700Åと1μmと
した。また、これら薄膜抵抗体16と配線導体17、1
8の下層には約1500Åの厚さのTa25耐エッチン
グ層と約2μmの厚さのSiO2断熱層が形成されてい
るが、ここに図示することを省略した。なお、薄膜抵抗
体16の抵抗値は約1500Ωである。
【0023】各薄膜抵抗体16に接続されている個別N
i配線導体18は、それぞれに対応したスルーホール接
続部20を通して駆動用LSI12−3のコレクタ電極
に接続されている。駆動用LSI12−3はシフトレジ
スタ回路とドライバ回路からなっている。そして151
2個の発熱抵抗体を順次駆動するための制御用配線導体
19は、各ドットの吐出に関する0、1信号を順次送る
ためのデータ線が1本、その時間を規定するクロック線
が1本、ドライバ回路の電源線とLSIデバイスの電源
線が各1本、これにグランド線の1本を加えた5本あれ
ばよいことになる。そして4色分の駆動制御用ペデスタ
ル(Si基板9上に形成されている外部回路との接続パ
ッド)20ヶがヘッド基板1、1’の端部に設けられて
いるので、外部からの制御信号をコネクタ7、7’と接
続用テープキャリア(図示せず)を通してこれら20ヶ
のペデスタルに送ってやればよいことは既に述べた通り
である。
【0024】Si基板9に約150μmの深さのSi基
板内インク溝11をフォトエッチングで形成するために
は、耐エッチング性に優れた無機レジスト(SiO2
Si34層)か有機レジスト(ポリイミド系)を用いれ
ば可能である。そしてSi基板とヘッド実装フレーム3
の間の連結用インク孔10はSi基板の裏面から同様に
フォトエッチングして形成した。このようにして加工し
たSiウエハの表面に耐水性フィルムレジストを接着
し、オリフィス対応個別インク通路13とSi基板内イ
ンク溝11の部分のレジストが除去されるように露光・
現像した後レジストを硬化させて隔壁15とし、この上
に厚さ約50μmのPETフィルム14を紫外線硬化接
着剤で接着する。このPETフィルム14にオリフィス
2を垂直にあけるのはドライエッチングによって行っ
た。なお、前記耐水性フィルムレジスト15の代わりに
耐水性能の優れたポリイミド材料を用いてもよい。これ
ら耐水性被覆材15が駆動用LSIデバイスの全領域を
カバーしており、水性インク等に対するパッシベーショ
ン機能も果たしている。このようにして加工したSiウ
エハを規定のサイズに切断加工し、図1に示したように
ヘッド実装フレーム3に実装すればヘッドとして完成す
る。なお、Siウエハを切断加工する部分のフィルムレ
ジストとPETフィルムは、フォトエッチ加工時に除去
しておく方が切断加工性がよい。
【0025】このようにして製作したヘッドに各インク
を満たし、コネクタ7、7’より駆動信号を送って印字
を行わせたが、この場合の駆動条件を表1にまとめてあ
る。
【0026】
【表1】
【0027】本実施例に採用したCr−Si−SiO合
金薄膜抵抗体16/Ni薄膜導体17、18による保護
層のない発熱抵抗体が、1μSまたはそれ以下という超
短パルス通電加熱によって非常に効率のよいインクジェ
ットプリンタ用ヒータとなることは本出願人の既出願
(特願平5−68257号)に記した通りである。すな
わち、従来技術による保護層を持つ発熱抵抗体に比較し
て、1ドット当りの必要印加エネルギは1/30〜1/
60となり、インク吐出による熱流出を考えない場合で
さえ、ヘッドの温度の上昇は、A4サイズ1枚印刷当
り、最高(4色ベタ印刷)でも1℃以下という値にしか
ならない。印字に必要な投入エネルギが非常に小さい本
実施例の場合、吐出インクが持ち出す熱エネルギの相対
比が大きくなるので、A4フルカラー印刷を100枚連
続印刷した場合のヘッド温度でも、その上昇は10℃以
下という小さなものであった。これはヘッド実装フレー
ム3に自然放熱フィンを付加すれば、連続して高速印刷
を行ってもなんら冷却したり温度制御する必要がないこ
とを示している。これが従来技術の場合では、30〜6
0倍の投入エネルギのほとんど全てがヘッドの加熱に使
われるので、本実施例のような高速連続印刷などを行う
ことが熱的な面からも困難であったのである。
【0028】表1に示した駆動条件は、ヘッド基板1、
1’に対しそれぞれの左端ドットから走査速度3MHz
で順次連続駆動させるケースを示している。これと同じ
印刷速度であるがもう一つの駆動方法として、ヘッド基
板1、1’を一本のラインヘッドと見なし、その左端ド
ットから走査速度6MHzで順次連続駆動させるケース
がある。この場合も上記走査速度以外は表1と全く同一
条件で駆動することになるが、印字ラインの傾きが倍の
60〜70μmとなることだけが印刷結果の相違点とな
り、どちらにしても実用上問題とならない量である。
【0029】このようにしてフルカラー高速印刷した画
像がカラー写真に近いプリントとなったことは言うまで
もなく、特に記録紙の等速搬送記録が高品質画像を安価
に得られる重要な手段となっていることを示した。な
お、本実施例に示した高速連続印刷を実用レベルで実現
するには印刷後のインクの高速乾燥手段を具体化する必
要があったがそれらについては別の実施例で説明する。
【0030】〔実施例2〕本出願人の既出願(特願平5
−68257号)で明らかにしたように、Ta−Si−
SiO合金薄膜抵抗体とNi薄膜導体からなる発熱抵抗
体は実施例1で述べたCr−Si−SiO合金薄膜抵抗
体とNi薄膜導体からなる発熱抵抗体とほとんど同一の
特性を示す。そこで、前者の組合せからなる発熱抵抗体
を用いて実施例1と同一の一体型ラインヘッドを作製
し、同様の評価を行ったところ、表1に示す駆動条件で
フルカラー印刷が実施例1と同様の画質で得られること
が分かった。
【0031】〔実施例3〕本出願人の既出願(特願平5
−68257号)に記したように、Cr−Si−SiO
またはTa−Si−SiO合金薄膜導体と共に用いる耐
電食性に優れた薄膜導体としてはNiが最適材料であ
る。しかしこれに次いで優れた耐電食性を示すW薄膜導
体について、今回、Cr−Si−SiOまたはTa−S
i−SiO合金薄膜抵抗体の薄膜導体として用いた発熱
抵抗体の水中での信頼性試験を実施したところ、10億
パルスの連続パルス印加試験に合格し、Ni薄膜導体と
同等の性能を示すことが分かった。Niが強磁性材料で
あるため、その高速スパッタリング成膜に特別な強磁場
マグネトロンスパッタリング装置が必要であり、半導体
プロセスラインとは別のラインで処理する必要があるな
どの製造上の制約がある。これに対し、耐電食性に若干
劣るとはいえ、非磁性のWは通常のマグネトロンスパッ
タリング装置を用いて半導体プロセスと同一ライン内で
処理することができ、電気抵抗もNiより小さいという
有利な特性を持っている。実用寿命という点でも上記の
ように合格しているので、Niの代替材料として充分実
用できることが分かった。
【0032】〔実施例4〕実施例1ではA4フルカラー
用ラインヘッドの例を示したが、6インチウエハを用い
ればB4フルカラー用ラインヘッドが製造できることは
説明するまでもないであろう。しかしこのようにノズル
の集積度を高くし、更にノズルの集積密度を例えば60
0dpiにする場合に遭遇する大きな課題に歩溜りの問
題がある。これを解決する基本的課題はSiプロセスの
歩溜り向上と発熱抵抗体形成プロセスの歩溜り向上、並
びにこれらの上に形成するノズル形成プロセスの歩溜り
向上であることはいうまでもない。今一つは、集積度の
低いヘッドを作り、この中の良品ヘッドをヘッド実装フ
レーム上に組み立て、結果的に集積度の高いヘッドを安
価に作る方法がある。
【0033】例えば図1に示すA4フルカラー用ライン
ヘッドを2mm幅の単色用ヘッド基板、すなわちオリフ
ィス列が1列のものから作ることを試みた。Siウエハ
から単色用ヘッド基板を切り出す場合、フルダイシング
を行ってその外形寸法の精度を±3μm以内に納めた。
このようにして作った8本の単色用ヘッド基板をヘッド
実装フレーム3上でそれぞれ突き合わせながらダイボン
ディングを行ったが、チップ間に接着剤が入ることもあ
ってライン間の距離に組み立て誤差が発生し、両端に位
置するライン間には最大20μmのバラツキがでること
が分かった。そこでこの位置ずれをインク吐出のタイミ
ングを制御することで補正する方法を採用し、実用的に
は4色一体型ヘッド基板との差の見られない画像を得る
ことができた。この補正量は組み立て誤差当り、ライン
駆動のタイミングを7μS/μmだけずらせばよく、調
整用テスト画像を用いる方法で容易に調整することが可
能であった。
【0034】〔実施例5〕実施例1、2及び3について
はラインヘッドを前提に述べてあるが、A3サイズ以上
の記録紙に印字する場合とか、A4サイズであっても集
積度の低いヘッドで印字する場合、ヘッドを記録紙上で
副走査方向に走査しながら印字する必要がある。特に印
字速度が数ppmと遅くても安いプリンタが必要な場合
は集積度の低い小型ヘッドを利用するのが有利となる場
合がある。この場合でも、実施例1及び2で述べた構造
のヘッドがそのまま利用でき、駆動制御用信号線の本数
が5本/色と少ないことはヘッド周りの実装コストを大
幅に削減する効果がある。なお、インク吐出を順次、連
続して行うことによる印字の傾きは、ヘッドをその分だ
け傾けて走査することによって容易に解決できるので必
要に応じて採用すればよい。この場合はあらかじめ傾斜
した配列でヘッド基板を作っておく方法を用いてもよ
い。また、吐出繰り返し周波数を最高の5kHzまで高
速化するとか、本出願人の既出願(特願平5−6825
7号)に記載のポンピングヒータ採用による高速ヘッド
として印刷速度を速くすることも有効である。
【0035】〔実施例6〕実施例1で述べたインクジェ
ットプリンタでは、4色フルカラー用のラインヘッドを
用いて記録紙搬送速度を150mm/Sとした例であ
る。この場合のインク吐出周波数は2kHzとわざと遅
くしてあるが、これでも記録紙上のインクの乾燥が間に
合わず、次に説明するようなインクの速乾手段を設ける
必要がある。
【0036】図7はそのインクの速乾手段を説明する横
から見た断面図である。図7に示す31〜36は、本出
願人の既発明(特開平4−166966号)と同種の記
録紙加熱装置であり、自己温度制御機能を持つPTCサ
ーミスタヒータ31によって記録紙28を一定温度に加
熱して送り出す働きをさせている。この加熱装置はPT
Cヒータ31のキュリー点以上には昇温することがな
く、ここでは150℃程度のキュリー温度のPTCヒー
タを用いて記録紙28を80〜90℃に昇温させてい
る。また、加熱効率をよくするために加圧ローラ35で
記録紙28を圧接搬送させているが、加熱搬送面が平坦
なため、封筒なども「しわ」になることもなく加熱する
ことができる。
【0037】80〜90℃に加熱された記録紙28はベ
ルト支持体23の周りを記録紙搬送速度と同期して摺動
している記録紙搬送ベルト22上に搬送されてくる。こ
の記録紙搬送ベルト22には約0.5mmΦの穴が3〜
4mmピッチで縦横にあけられており、これとほぼ同ピ
ッチで吸引穴24があけられているベルト支持体23の
吸引ダクト25からの吸引で記録紙28が記録紙搬送ベ
ルト22上に吸着されて搬送されるようになっている。
ただし、記録紙搬送ベルト22がベルト支持体23に強
く吸着されないよう、ベルト支持体23の表面は±10
0μm程度の凹凸を付けてある。このようにして、あら
かじめ加熱された記録紙28が記録紙搬送ベルト22上
に固定されてインクジェットプリントヘッド1の直下に
搬送され、印字される。あらかじめ80〜90℃に加熱
されている記録紙に付着したインクは急速に乾燥し、そ
の水蒸気は吸引のズル21から排気されてヘッド1に付
着しないように配慮されている。この実施例では記録紙
の搬送速度を150mm/Sとしているが、印字後0.
3〜0.4秒で乾燥するので、図7のドライブローラ2
6から左側に排出された記録紙は通常の取扱いが可能で
あった。
【0038】この実施例の特徴は、非常にコンパクトな
加熱装置で急速且つ安全な加熱を実現したことにある。
これをインク付着後の加熱によって乾燥させる場合を想
定すると、非接触での急速加熱、すなわち赤外線加熱な
どの方法を採用する必要があるが、その大きさと安全性
を考えると本実施例の数倍の規模となることは明らかで
ある。なお、ヘッド1の表面のクリーニングなどのため
には22〜27の記録紙搬送系を30mm程度左側に移
動させるなどの対策が必要であるが、これらについては
省略する。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、高密度で且つ2次元的
に配列された大規模な数のインク吐出用ノズルを持つイ
ンクジェットプリントヘッドを作ることができ、従来技
術によるインクジェットプリンタの唯一とも言える欠点
であった遅い印刷速度を飛躍的(10〜100倍)に改
善することができる。しかも大規模な数のインク吐出用
ノズルを駆動するLSIがシフトレジスタ回路とドライ
バ回路のみから構成されるという簡素化と、これらを制
御する信号線と電源線の総数が基本的には5本ですむと
いう大幅削減が可能となり、ヘッド製造コストを大幅に
低減できる。そしてこれらは従来技術では製造の難しか
ったラインヘッドをも比較的容易に製造することを可能
とし、等速搬送中の記録紙に連続印刷することを実現さ
せ、記録紙搬送制御の容易化と消費電力の大幅削減、並
びにヘッド温度の無制御化を達成した。
【0040】また、記録後のインクの乾燥を高速化させ
たことは、インクジェットプリンタの高速印刷実現のた
めのもう一つの重要な基本技術をクリアしたことにな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例となるインクジェットプリン
トヘッドの上面図である。
【図2】 図1の側面図である。
【図3】 図1のA−A´断面図である。
【図4】 図1のB−B´断面図である。
【図5】 図4のC部拡大図である。
【図6】 図5のD−D´断面図である。
【図7】 本発明の他の実施例となるインクジェットプ
リンタの側面図である。
【図8】 従来の発熱抵抗体を示す断面図である。
【符号の説明】
1はモノリシックLSIインクジェットヘッド、2はオ
リフィス列、3はヘッド実装フレーム、4は押え金具、
5は止めネジ、8は実装フレーム内インク溝、10は連
結用インク孔、11は共通インク溝、13は個別インク
通路である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動用LSIが形成されているSi基板
    上に該駆動用LSIに接続されたCr−Si−SiOま
    たはTa−Si−SiO合金薄膜抵抗体とNiまたはW
    薄膜導体からなる発熱抵抗体列を設け、該Si基板上の
    発熱抵抗体列に隣接する位置に共通インク溝を設け、該
    共通インク溝とSi基板の裏面とを導通する複数の連結
    用インク孔を設け、更に前記Si基板表面側には、前記
    発熱抵抗体列の各発熱抵抗体と1対1で対応するオリフ
    ィスを有し、該夫々のオリフィスと前記共通インク溝と
    を連通させる個別インク通路を設け、前記Si基板裏面
    側には、前記連結用インク孔と連通するインク溝を有す
    る実装フレームを装着することを特徴とするインクジェ
    ットプリントヘッド。
  2. 【請求項2】 前記発熱抵抗体列を駆動する前記駆動用
    LSIデバイス領域が、前記個別インク通路を形成する
    隔壁によって被覆されていることを特徴とする請求項1
    記載のインクジェットプリントヘッド。
  3. 【請求項3】 前記駆動用LSIがシフトレジスタ回路
    とドライバ回路からなり、外部からの印字信号に応じて
    順次連続して各発熱抵抗体にパルス通電することによっ
    てインク吐出を連続的に行うことを特徴とする請求項1
    または2記載のインクジェットプリントヘッド。
  4. 【請求項4】 前記オリフィスを複数個配列したオリフ
    ィス列が前記Si基板上に少なくとも2列形成されてい
    ることを特徴とする請求項1、2または3記載のインク
    ジェットプリントヘッド。
  5. 【請求項5】 前記オリフィスを複数個配列したオリフ
    ィス列が1〜2列形成されている前記Si基板を、前記
    実装フレーム上に複数個並べて設けたことを特徴とする
    請求項1記載のインクジェットプリントヘッド。
  6. 【請求項6】 前記オリフィスを複数個配列したオリフ
    ィス列を記録紙幅と同じ長さに形成することを特徴とす
    る請求項1、2、3、4または5記載のインクジェット
    プリントヘッド。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載のインクジェットプリン
    トヘッドにおいて、記録紙を等速搬送させることを特徴
    とする記録方法。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載のインクジェットプリン
    トヘッドにおいて、印字される直前領域の記録紙を加熱
    し、該記録紙が加熱状態を保ったまま印字されることを
    特徴とする記録方法。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載のインクジェットプリン
    トヘッドの記録紙搬送方向上流側に加熱手段を設けたこ
    とを特徴とするインクジェットプリンタ。
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