JPH06297718A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

Info

Publication number
JPH06297718A
JPH06297718A JP8979193A JP8979193A JPH06297718A JP H06297718 A JPH06297718 A JP H06297718A JP 8979193 A JP8979193 A JP 8979193A JP 8979193 A JP8979193 A JP 8979193A JP H06297718 A JPH06297718 A JP H06297718A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
recording
ejection
temperature
blocks
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8979193A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Tajika
博司 田鹿
Toshiji Inui
利治 乾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP8979193A priority Critical patent/JPH06297718A/ja
Publication of JPH06297718A publication Critical patent/JPH06297718A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 インクジェット記録ヘッドに生ずるインク吐
出口の所定ブロック毎の温度分布に起因した吐出量のば
らつきを抑制し、濃度むらのない記録を行う。 【構成】 記録データから各色に対応した吐出口のブロ
ック毎に、インクを吐出すべき信号の総数(NKi
Ci,NMi,NYi)を計数し(S3)、この値の記録信
号全体に対する比率、すなわち記録デューティー
(αKi,αCi,αMi,αYi)を計算する(S4)。さら
に、上記ブロック毎の記録デューティーに基づいて温度
上昇分(ΔTKi,ΔTCi,ΔTMi,ΔTYi)を計算によ
って求めた後、その上昇後の温度(TKi,TCi,TMi
Yi)を求め(S5)、この値に基づいて上記インク色
のブロック毎に記録ヘッド駆動パルスの幅(PK ,P
C ,PM ,PY )を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱エネルギーを利用し
てインクを吐出するインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、インクジェット記録装置(以
下、プリンタともいう)においては、カラー画像を記録
するためには最低で3色(例えばC:シアン,M:マセ
ンタ,Y:イエロー)、必要に応じてこれにBk:ブラ
ックを加えた4色のインクを必要とするため、これらの
色の数だけ記録ヘッドを用いる必要があった。
【0003】ところで、近年のカラープリンタはいわゆ
るノートブック型パソコンなどに組込まれて利用される
という需要もあり、そのためには小型化が必要となって
きている。そこで、3色ないし、4色のインクに対応し
た記録ヘッドを一体に形成し小型にした記録ヘッドが提
供されつつある。
【0004】一方、カラー画像を記録するプリンタにお
いては、吐出インク滴によって記録紙等に形成されるド
ットの大きさ等の再現性,これらドットの集合によって
形成される画像の濃度安定性,階調再現性,色再現性な
ど様々な性能が要求されており、これに対して従来より
様々の制御方法によって対応している。特に、熱エネル
ギーを利用してインクを吐出するインクジェット記録装
置においては、環境温度や、記録のためのインク吐出に
よる自己昇温によって、上記各種性能に影響を及ぼすイ
ンク吐出量が変動するため、上記性能を維持するための
インク吐出量制御方法が提案されている。この場合、吐
出量を制御するに際して、環境温度や記録ヘッドの自己
昇温を、温度センサや記録したドットの数などによって
正確に読取る必要がある。
【0005】また、1色のインクを用いて記録を行うモ
ノクロプリンタにおいては、記録速度を向上させるため
に、多数の吐出口を配列するマルチラインヘッド化や、
高駆動周波数化が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、記録ヘ
ッドの吐出口数を増したり、記録速度を大きくしたり、
複数インク色を吐出する吐出部を1つの記録ヘッドに形
成すると、吐出ヒータの使用状態に応じて記録ヘッド内
に温度分布が発生し、この温度分布によって吐出量が変
動することがある。
【0007】さらに詳しく説明すると、複数色のインク
を吐出する吐出口のブロックを1つの記録ヘッドに構成
する場合、各インク色によって吐出頻度が異なり、その
ブロック間でインク温度に差を生じることがある。
【0008】また、所定の記録紙の幅に対応して多数の
吐出口を配列する、いわゆるフルラインタイプの記録ヘ
ッドを用いる場合、上記記録紙の幅より短い幅の記録紙
を用いる場合には、その記録の間、全く吐出しない吐出
口が存在することになり、このような場合も、吐出部と
非吐出部との間に温度差(温度分布)を生ずることにな
る。
【0009】このような場合、例えば記録ヘッドの各吐
出口を一定の駆動で制御しているインクジェット記録装
置では上記温度分布の発生による吐出量変動を防止でき
ず、結果として濃度むらが発生する。この状態で、例え
ばシアン,マゼンタ,イエロー,ブラックの4色のフル
カラー画像を記録すると、カラーバランスが崩れて色味
の変化や色再現性が低下し(色差の増大)画質を低下さ
せることがある。また、ブラック,レッド,ブルー,グ
リーン等の単色画像では濃度むらが発生する等の問題が
ある。
【0010】これらの問題を解決するためには、上記濃
度むら、すなわち吐出量変動を修正する手段が必要とな
る。例えば、従来は、記録ヘッド内に多数の温度センサ
を取り付けてこれらのセンサ出力に応じて各吐出口の吐
出量を制御したり、複数吐出口の所定ブロック毎に吐出
数を計数し、ブロック毎の温度推定を行ってブロック個
々に吐出量を制御したり、あるいは記録ヘッドを比較的
高温の一定温度に保持することを行ってきた。しかし、
このような構成の場合、多数の温度センサの製造ばらつ
きを補正するための補正手段や吐出数を計数するための
カウンタなどの他の装置を必要とし、装置全体のコスト
上昇を招くとともに、装置の小型化を阻害し(センサの
取付に要する面積増加,分割駆動に伴なう信号線の増加
など)、また、記録ヘッドの耐久性,信頼性の低下(高
温温調の弊害)などを招くなどの問題点があった。
【0011】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
のであり、その目的とするところは、記録ヘッドにおけ
るインク吐出口の所定ブロック毎の温度差に起因した吐
出量ばらつきを抑制し、濃度むらが低減された記録を行
うことが可能なインクジェット記録装置を提供すること
にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】そのために、本発明で
は、インクを吐出するための吐出口からなるブロックで
あって、前記吐出口からのインク吐出量を当該ブロック
毎に制御可能な複数のブロックを有した記録ヘッドを用
い、被記録媒体にインクを吐出して記録を行うインクジ
ェット記録装置において、前記複数のブロックの数より
少ない数の温度検知手段と、該温度検知手段が検知する
温度に基づき、前記インク吐出量を前記複数のブロック
毎に制御する吐出量制御手段と、を具えたことを特徴と
する。
【0013】より好適には、インクを吐出するための吐
出口からなるブロックであって、前記吐出口からのイン
ク吐出量を当該ブロック毎に制御可能な複数のブロック
を有した記録ヘッドを用い、被記録媒体にインクを吐出
して記録を行うインクジェット記録装置において、前記
複数のブロックの数より少ない数の温度検知手段と、前
記吐出口からのインク吐出を示す記録信号の数を前記複
数のブロック毎に計数する計数手段と、前記温度検知手
段が検知する温度および前記計数手段が計数する前記複
数のブロック毎の前記記録信号の数に基づいて、前記イ
ンク吐出量を前記複数のブロック毎に制御する制御手段
と、を具えたことを特徴とする。
【0014】
【作用】以上の構成によれば、ブロック毎の記録信号の
数を知ることにより、インク吐出によるブロック毎のイ
ンク温度変化を推定でき、その推定値と温度検知手段の
検知出力に基づいて、各ブロック毎のインク吐出量を制
御できる。これにより、ブロック間の温度差によるイン
ク吐出量の差を低減することが可能となる。
【0015】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0016】(実施例1)図1は、本発明の一実施例で
用いられる記録ヘッドユニットの分解斜視図である。
【0017】本例のユニットは、同図に示すように大き
く分けて4部位からなる。すなわち、記録ヘッドユニッ
トは、記録ヘッド1,インクタンク部4,キャリッジ2
0およびカバー30から構成される。
【0018】記録ヘッド1は、ベースプレート13およ
びその前端付近において接合された基板(不図示)を有
し、その基板上には、吐出に利用される熱エネルギーを
発生する吐出ヒータ(電気熱変換素子)および電極配
線、さらには温度検出素子等が半導体製造工程と同様の
工程によって形成されている。上記基板には、その吐出
ヒータ等が配された部分に対応して溝付天板10が接合
され、これにより、各吐出ヒータに対応したインク路や
吐出口等が構成される。天板10の前端部には、前板が
垂直かつ一体に形成されており、この部分は吐出口配設
面を構成する。ベースプレート13には、上記基板上に
形成される回路と装置本体制御回路との電気的接続を行
うためのコネクタ16が設けられている。この記録ヘッ
ド1は、後述されるように、4種類のインクを吐出する
ことができ、それぞれの吐出口列は吐出口列11として
直線状をなすように配列される。
【0019】キャリッジ20は、装置本体に設けられた
ガイド軸21(図1にはその一部のみが示される)と摺
動可能に設けられ、不図示の駆動機構によって駆動され
ることによりガイド軸21に沿った移動が可能となる。
記録ヘッド1は、そのコネクタ16をキャリッジ20に
設けられたコネクタ受け22に挿入するようにして、キ
ャリッジ20上に装着される。
【0020】インクタンク部4は、イエロー(Y),マ
ゼンタ(M),シアン(C)およびブラック(BK)の
4種類のインクに対応してそれぞれのインクタンク4
Y,4M,4Cおよび4BKを有している。このうち、
ブラックインクのタンク4BKには、他のタンク4Y,
4M,4Cより大きなインク容量を有している。これら
インクタンクは、それぞれに設けられた連結孔3が記録
ヘッド1の接続管2と連結することにより記録ヘッド1
へのインク供給が可能となる。それぞれの接続管2は供
給路15Y,15M,15Cおよび15BKを介して、
各液室に連結している。インクタンク4Y,4M,4C
および4BKは、記録ヘッド1とともにキャリッジ20
に装着される。
【0021】カバー30は、記録ヘッド1やインクタン
ク4Y,4M,4C,4BKをキャリッジ20に装着す
る際の位置決めや固定のための部材を備え、記録ヘッド
等の固定のために用いられる。カバー30は、その一部
に設けられた軸37がキャリッジ20の軸受24によっ
て回動自在に軸支されることにより、記録ヘッド等の交
換の際、その回動による開閉動作が可能となる。
【0022】図2は、図1に示した記録ヘッド1の基板
の詳細を示す平面図である。
【0023】本例の記録ヘッド1は、1つの記録ヘッド
で異なる種類のインクを吐出可能なものであり、イエロ
ー,マゼンタ、シアンおよびブラックの各インクについ
てそれぞれ24個,24個,24個および64個の吐出
口を備える。従って、基板上には、図2に示されるよう
に、それぞれ吐出口の数に対応した吐出ヒータ(電気熱
変換素子)が形成される。各インクの種類に対応した吐
出ヒータ群は、イエロー,マゼンタ,シアン相互で8吐
出口分の間隔を有している。また、シアンとブラックの
吐出ヒータ群は16吐出口分の間隔を有している。
【0024】基板の中央部、すなわち、シアンとブラッ
クのヒータ群および配線群の間にはAlよりなる温度セ
ンサ18が形成されている。この温度センサ18は、記
録ヘッドの平均温度(以下、ヘッド温度TH ともいう)
を検出するものである。各色インクに対応した吐出口そ
れぞれの近傍の温度は、それらの吐出口からの吐出数を
計数することによって推定される。
【0025】以上示した本例の記録ヘッドの最大駆動周
波数はfr =8.0kHzであり、通常の記録時の駆動
周波数は5.4kHzである。また、360dpiの解
像度を有している。この記録ヘッドにおいて、ブラック
インクの64個の吐出口は8ブロックに分散分割されて
駆動される。すなわち、ある1ブロックの吐出口を、8
つおきの1,9,17,25,33,41,49,57
番目の吐出口とし、これら吐出口のヒータを同時駆動
し、その後順次同様に選択された8個の吐出口からなる
第2,…,第8ブロックが駆動される。
【0026】各ブロック駆動の間隔は8.5(μse
c)に設定される。これは各連続する1〜8,9〜1
6,17〜24,25〜32,33〜40,41〜4
8,49〜57,58〜64番目の吐出口から吐出され
るインクによって、例えば縦の罫線を記録するときに、
視覚的に縦の直線となるようにするための設定である。
すなわち、連続する8個の吐出口を考えた場合、8×
8.5(μsec)=68(μsec)の時間、キャリ
ッジが速度381(mm/sec)で移動したときに、
記録されるドット配列の傾きによって、視覚的な直線性
が損われないようにするためである。上記ドット配列の
傾きは、360DPIの場合、上下端ドットの位置ずれ
で、好ましくは解像度の半分:約35(μm)以下に抑
える必要がある。
【0027】シアン24吐出口を3ブロック、マゼンタ
24吐出口を3ブロック、イエロー24吐出口を3ブロ
ックに分散分割して同様に駆動する。
【0028】図3は、本例に関してカラー画像を形成す
る方法を示す模式図である。
【0029】図1,図2に示した多色インク一体の記録
ヘッドを用いてカラー記録は以下のようになる。
【0030】すなわち、第1走査では、第1パスをブラ
ックインクの24個の吐出口のみを用いて記録し、記録
紙を24吐出口分紙送りする。次に、第2走査では、上
記第1パスをシアンインクの8個の吐出口のみを用いて
記録する。このとき、第2パスはブラックインクの24
個の吐出口を用いて記録する。
【0031】同様に、記録紙を24吐出口分紙送りした
後、第3走査では、第1パスはシアンインクの16個の
吐出口を用いて記録する。このとき、第3パスはブラッ
クインクの24個の吐出口、第2パスはシアンインクの
8個の吐出口によって記録する。
【0032】記録紙を24吐出口分紙送りした時、第4
走査では、マゼンタインク24個の吐出口を用いて記録
し、このとき、第4パスはブラックインクの24個の吐
出口、第3パスはシアンインクの8個の吐出口、第2パ
スはシアンの16個の吐出口を用いて記録する。
【0033】さらに、記録紙を24吐出口分紙送りした
後、第5走査では、第1パスはイエローインクの16個
の吐出口を用いて記録する。このとき、第5パスはブラ
ックインクの24個の吐出口、第4パスはシアンインク
の8個の吐出口、第3パスはシアンインクの16個の吐
出口、第2パスはマゼンタインクの24個の吐出口を用
いてそれぞれ記録する。
【0034】さらに、記録紙を24吐出口分ずらした
後、第6走査では、第1パスをイエローインクの8個の
吐出口を用いて記録する。このとき、第6パスはブラッ
クインクの24個の吐出口、第5パスはシアンインクの
8個の吐出口、第4パスはシアンインクの16個の吐出
口、第3パスはマゼンタインクの24個の吐出口、第2
パスはイエローインクの16個の吐出口を用いて記録す
る。
【0035】以上示したように、6走査で1行分(1パ
ス分)のカラー記録が可能となる。
【0036】図4は、モノクロ記録を行う場合の方法を
示しており、この場合ブラックインクの64個の吐出口
を用いて記録を行う。
【0037】図5は、本例で用いられる記録ヘッド駆動
のための分割パルスを説明するための波形図である。
【0038】本例では、記録ヘッド駆動方法および記録
方法に以下のような特徴を持たせている。記録ヘッド駆
動には分割パルス駆動法を用いており、図5に示すよう
に、VOPは駆動電圧、P1 はプレヒートパルスおよびそ
の幅、P2 はインターバルタイムおよびその幅、P3
メインヒートパルスおよびその幅をそれぞれ示す。T
1 ,T2 およびT3 はそれぞれ幅P1 ,P2 およびP3
を決めるための時間を示している。VOPは吐出ヒータに
熱エネルギーを発生させるために必要な電気的エネルギ
ーを構成し、吐出ヒータの面積,抵抗値,膜構造や記録
ヘッドのインク路構造に応じて定められる。
【0039】分割パルス駆動法では、パルスP1 ,P
2 ,P3 の順にパルスを与える。プレヒートパルスP1
は、主に吐出ヒータが設けられるインク路内のインク温
度を制御するためのパルスである。このパルスP1 は、
上述した記録ヘッドの温度センサ18の検知出力、すな
わち、ヘッド温度TH に基づいて記録開始時におけるパ
ルス幅を決定し、記録を開始してからは、吐出数を計数
するカウンタ(以下、ドットカウンタともいう)から得
られたデータ(記録ヘッドの昇温ΔTのデータ)に基づ
いてパルス幅が変更される。このようなパルス幅P1
変調する方式をPWM駆動方式という。
【0040】パルスP1 ,P2 ,P3 のうち、パルスP
1 はプレヒートパルスであり、上述のように、主に吐出
口内のインク温度を制御し、これによって吐出量を変化
させることができる。なお、パルスP1 の幅は、インク
に熱エネルギーを加えすぎてプレ発泡現象が発生しない
ような条件を満たす必要がある。P2 はインターバルタ
イムであり、プレヒートパルスP1 とメインヒートパル
スP2 が相互干渉しないように一定時間の間隔を設ける
ため、および吐出口内インクの温度分布を均一化するた
めにある。なお、このインターバルP2 の変調によって
吐出量を制御することも可能である。パルスP3 はメイ
ンヒートパルスであり、吐出ヒータ上のインクに発泡現
象を発生させ、この気泡の成長により吐出口からインク
滴を吐出させる。これらのパルス幅は、上述のように、
吐出ヒータの面積,抵抗値,膜構造や記録ヘッドのイン
ク路構造,インク物性等によって定まる。
【0041】次にプレヒートパルスP1 を用いた吐出量
制御方法について図6,図7および図8を用いて簡単に
説明する。
【0042】図6は、ヘッド温度TH を一定としたとき
のプレヒートパルスP1 とインク吐出量VD との関係を
示す線図である。
【0043】図6に示すように、パルス幅P1 がP1LMT
となるまでは直線的に増加し、それ以後は、プレ発泡現
象によりメインヒートパルスP3 の発泡が乱されてP
1MAXを過ぎると吐出量が減少する傾向を示す。
【0044】次に、図7は、プレヒートパルスP1 一定
の条件で、ヘッド温度TH と吐出量Vd との関係を示す
線図であり、図に示すように、吐出量Vd は、ヘッド温
度TH の増加に伴なって直線的に増加する傾向を示す。
図6,図7に示すそれぞれの直線性を示す領域の係数
は、吐出量のプレヒートパルス依存係数:KP =ΔVDP
/ΔP1 (ng/μs・dot)、吐出量のヘッド温度
依存係数:KTH=ΔVDT/ΔTH (ng/C・dot)
のように定まる。
【0045】図1,図2に示す記録ヘッド構造のもので
は、上記係数は、
【0046】
【数1】ブラックインクでは、 KP =8.25(ng/μsec・dot) KTH=0.7 (ng/μsec・dot) シアン,マゼンタ,イエローのインクでは、 KP =4.12(ng/μsec・dot) KTH=0.36(ng/μsec・dot) となる。
【0047】これら係数を有効に利用して図8に示すよ
うな吐出量制御を行う。すなわち、記録ヘッド温度に応
じてパルス幅P1 を変調(PWM制御)することによっ
て、環境温度が変化したり、記録による自己昇温によっ
てヘッド温度が変化しても、吐出量を一定に保つことが
できる。
【0048】以上のようにして、各色のインクの吐出量
を常に一定に保つことができる吐出量制御方法が可能と
なる。
【0049】なお、上記のような吐出量制御方法を用い
て駆動した記録ヘッドの吐出特性は以下のようになる。
【0050】ブラックインクの記録ヘッドの場合、ヘッ
ド温度TH =25.0(℃)でパルス電圧VOP=25.
6(V)の時、パルス幅P1 =1.50(μsec)、
インターバルP2 =2.0(μsec)、パルス幅P3
=3.00(μsec)のパルスを与えると最適な駆動
条件となり安定したインク吐出状態が得られる。この時
のインク吐出量は、Vd =80.0(ng/dot)、
吐出速度は、V=14.0(m/sec)である。
【0051】シアン,マゼンタ,イエローの各記録ヘッ
ドの場合は、各インク色ともに、ヘッド温度TH =2
5.0(℃)でVOP=25.6(V)の時、パルス幅P
1 =1.00(μsec)、インターバルP2 =2.0
(μsec)、パルス幅P3 =3.00(μsec)の
パルスを与えると最適な駆動条件となり、安定したイン
ク吐出状態が得られる。この時、インク吐出量は、Vd
=40.0(ng/dot)、吐出速度は、V=14.
0(m/sec)である。
【0052】図9は図1,図2に示した記録ヘッドを用
い、上述した吐出量制御を行うインクジェット記録装置
の一例を示す概略斜視図である。
【0053】図9において、記録ヘッド1は、その記録
紙59と対向する面に、記録紙59の搬送方向に上述し
たブラック,シアン,マゼンタ,イエローのインクをそ
れぞれ吐出する複数のインク吐出口(不図示)を具え
る。また、記録ヘッド1には、これらの吐出口毎にそれ
ぞれに連通したインク路(不図示)が設けられ、それぞ
れのインク路には、記録ヘッド1を構成する基板にイン
ク吐出に利用される熱エネルギーを発生する電気熱変換
素子が形成されている。電気熱変換素子は、駆動データ
に応じてこれに印加される上述の分割パルスによって熱
を発生し、これにより、インクに膜沸騰を生じさせこの
膜沸騰による気泡の生成に伴なってそれぞれの吐出口か
らインクが吐出される。各インク路に対して、これらに
共通に連通する共通液室がインク色毎に設けられてお
り、これらに貯留されるインクは、各インク路での吐出
動作に応じてそのインク路に供給される。
【0054】キャリッジ20は、記録ヘッド1およびイ
ンクタンク4Bk,4C,4M,4Yを搭載し、また、
記録紙59の記録面と平行に延在する1対のガイドレー
ル55,55と摺動可能に係合する。これにより、記録
ヘッド1は、ガイドレール55,55に沿って移動する
ことができ、この移動に伴なって所定のタイミングで上
記記録面に向けてインクを吐出することにより記録を行
う。上記移動の後、記録紙59を、図3で示したように
所定量搬送し、再び上記移動を行い記録を行う。このよ
うな動作を繰り返すことにより、記録紙59に、順次、
文字,画像等の記録を行っていく。
【0055】記録ヘッド1の移動における一方の端部に
は、吐出回復処理のためのユニットが配設される。すな
わち、このユニットは、記録ヘッド1と吐出口が設けら
れた面を掃拭するためのブレード58と、上記吐出口面
を覆ってインク吸収を行う等のために用いられるキャッ
プを具える。
【0056】図9に示したインクジェット記録装置の制
御回路は、所定の基板上(不図示)に形成され、この回
路中のCPUは図10に示す制御処理やデータ処理等を
実行する。
【0057】図9に示すインクジェット記録装置は、不
図示のホストコンピュータから送られる文字,画像等の
記録信号における各インク色に対応した吐出口のブロッ
ク毎に1行(1パス)記録分の吐出数、すなわち記録紙
上に形成されるドット数を個々に計数するカウンタを備
えている。また、ある単位時間当たりのドット数を上記
ブロック毎に計数する機能をも備えている。
【0058】本例では、このカウンタが計数する数に応
じたそれぞれのインク色のインク路部分における単位時
間当たりの昇温を、あらかじめ計算および実験によって
決定し、このカウンタ値と昇温の関係を示すテーブルT
DOT を設定する。なお、本実施例では、各インク色の吐
出口ブロックの昇温が他の色のブロックに影響を及ぼさ
ないものとして計算を行ったが、実験によるデータから
も他のインク色の昇温の影響は無視できることがわかっ
ている。このように、テーブル作成においては、4色の
インクそれぞれの昇温がお互いに影響し複雑になること
と、実験の結果から他の影響が少ないことから他のイン
クの昇温から独立としたが、計算上は他の影響を考慮し
て作成しても良い。以上のようにして設定したテーブル
を参照しながら以下に示すシーケンスに従って各インク
色毎に独立に吐出量制御を行う。
【0059】以下では、1つの温度センサを用い、4イ
ンク色の吐出口ブロックを同時に制御する方法(シーケ
ンス)について説明する。
【0060】図10は、このシーケンスを示すフローチ
ャートである。
【0061】ステップS1では、センサ18(図2参
照)を用いて5msec毎に温度Tj(j=1〜10)
を検知して、10回の平均温度Tavg =ΣTj /Σj
求め、これをヘッド温度TH とする。次に、ステップS
2では、このヘッド温度TH を各インク色の吐出口ブロ
ックの温度TN(K,C,M,Y)の初期温度とする。
【0062】ステップS3では、ホストコンピュータか
ら送られてくる各インク色の記録信号が示すドット数
を、それぞれのインク色の吐出口ブロックについて50
msec間計数し、これをNKi,NCi,NMi,NYiとす
る。
【0063】ステップS4では、各インク色のブロック
について50msec間の総ドット数NK0,NC0
M0,NY0(全吐出の場合のドット数)に対する比率α
ji(以下、記録デューティーともいう)を求める。
【0064】
【数2】αKi=NKi/NK0 αCi=NCi/NC0 αMi=NMi/NM0 αYi=NYi/NY0 ステップS5では、上記のドット比率αjiに基づいて上
記テーブルを参照し、それぞれの吐出口ブロック毎の温
度上昇ΔTjiを求め、これにヘッド温度を加えてそれぞ
れの吐出口ブロック毎の温度Tjiを求める。
【0065】
【数3】TKi=TH +ΔTKiCi=TH +ΔTCiMi=TH +ΔTMiYi=TH +ΔTYi ステップS6では、各インク色の上記温度Tjiに基づい
て駆動パラメータ、すなわちパルス幅P1 (Tji)をP
WMテーブルにより割当てる。
【0066】以下、50msec毎に上記シーケンスを
繰り返して各色の記録信号に応じた駆動パラメータ(パ
ルス幅)を設定する。
【0067】図11は、各インク色についての温度上昇
ΔTjiと記録比率αjiとの関係を示す線図である。
【0068】同図は、環境温度がTR =25℃一定の条
件における単位時間あたりの記録ドット数(記録デュー
ティー)αjiに対する単位時間あたりの温度上昇ΔTji
との関係を示すものである。
【0069】このような複雑な吐出量制御方式であって
も、この方式を用いると、様々なパターンの画像を記録
しても吐出量を一定に保つことができるので画像の左右
濃度差,ページ内濃度むらや濃度変化がなく、階調再現
性,色再現性に優れた記録が可能となる。
【0070】なお、本例では、吐出量制御を、分割パル
スのうちのパルスP1 のPWM制御によって行ったが、
インターバルP2 のPWM制御によって吐出量を制御し
ても同様の効果が得られる。
【0071】本例の吐出量制御方式を用いて、環境条件
として低温,低湿環境(15℃/10%)から、高温,
高湿環境(35℃/90%)までの環境下で吐出試験を
行った結果を以下に示す。
【0072】ブラックインクの駆動条件 パルスP1 :PWM制御 (TH =25℃の時にP1 =1.50(μsec) インターバルP2 :2.00(μsec) パルスP3 :3.00(μsec) (ただし、記録ヘッドの個体差で変更する) のとき、吐出量:VdBk =80.0±4.0(ng/d
ot)(ページ間,ページ内)、反射濃度:ODBk
1.35±0.05(ページ間,ページ内)となる。
【0073】シアン,マゼンタ,イエローの駆動条件 パルスP1 :PWM (TH =25℃の時にP1 =1.00(μsec) インターバルP2 :2.00(μsec) パルスP3 :3.00(μsec) (ただし、記録ヘッドの個体差で変更する) のとき、吐出量:VdC,M,Y=40.0±3.0(ng/
dot)、反射濃度:O DC=1.20±0.05(ペー
ジ間,ページ内)、ODM=1.20±0.05(ページ
間,ページ内)、ODY=1.15±0.05(ページ
間,ページ内)となり、非常に安定した濃度再現性を示
した。
【0074】(実施例2)図12は本発明の第2の実施
例にかかるインクジェット記録装置を示す概略斜視図で
あり、フルラインタイプの記録ヘッドを用いたモノクロ
プリンタに本発明を適用したものである。
【0075】図に示す記録ヘッド61は、約280mm
にわたって4096個の吐出口を配列し、記録動作中
は、装置に対して固定された状態にある(固定機構は不
図示)。この記録ヘッドの基板上のパターン配線の両側
で吐出ヒータから離れた位置に温度センサが配置されて
いる。記録ヘッドの特性,構造は、解像度400DP
I,総吐出口数4096個,駆動周波数4kHz,吐出
量;40(pl/dot)である。この記録ヘッドを駆
動する場合、4096個の吐出口(吐出ヒータ)を16
ブロックに分割して1ブロック当たり256個の吐出ヒ
ータを各ブロック独立に駆動制御する。
【0076】このようなフルライン方式の記録装置で
は、例えば電子写真方式で発生している濃度むら(いわ
ゆるA−B濃度むら)と同様の濃度むらが発生すること
がある。例えばA4用紙を縦送りで100枚記録した
後、同サイズの用紙を横送りで記録した場合、縦送り記
録の際の未使用部の吐出口が急に使用されることにな
り、横の長さと縦の長さの差だけ記録ヘッドに温度分布
が発生する。この結果、この温度分布が吐出量差すなわ
ち濃度差となって濃度むらが発生する。つまり、吐出口
の使用領域が変わるため、使用吐出口と未使用吐出口と
を同時に使用して記録を行わなければならないからであ
る。このような問題は、比較的長い記録ヘッドの全ての
吐出口(吐出ヒータ)を同じ駆動条件で駆動するために
発生する問題である。
【0077】そこで、本例では、1.ユーザーが選択し
た用紙サイズ、2.紙送り方向、および3.記録前の吐
出パルス総数、の3つの条件によって各吐出ヒータの駆
動条件を切り替える。
【0078】すなわち、各用紙サイズに応じて予め専用
の駆動テーブルを備えておき、また、各吐出口のブロッ
クを紙幅に対応するように複数に分割し、用紙サイズお
よび紙送り方向から紙幅を検知することで駆動条件を設
定する。例えば、A6,A5,A4,A3,B5,B4
など各種用紙サイズおよび紙送り方向に対応してテーブ
ルからブロック毎の吐出ヒータ駆動条件を設定する。
【0079】さらに、前回の記録における吐出総インク
滴数(ドット数)を検知し、これに応じて記録ヘッドの
温度分布を予測する。そして、この記録ヘッド温度分布
によって、上記紙幅に対して設定された各ブロック毎の
駆動条件に対して補正を行う。
【0080】以上のように、上記紙幅等の条件を判断し
て各吐出ヒータの駆動条件を設定するので、最適なPW
M制御を行うことができ、吐出口の使用状態の差によっ
て発生する記録ヘッドの温度分布に起因した吐出量差の
補正が可能となる。
【0081】本実施例では、第1の実施例と同様に分割
パルスのうちのプレパルス幅P1 のPWM制御を行うも
のであるが、駆動電圧VOPの変更も同時に行って制御領
域の拡大と吐出安定性をさらに向上させることもでき
る。
【0082】(実施例3)図13は本発明の第3の実施
例にかかる記録ヘッドの基板を示す平面図である。
【0083】第1実施例同様、4色インク一体構成の記
録ヘッドの基板であり、インク色の数よりも少ない3つ
の温度センサ181,182および183を備え、これ
らの検知出力に基づいて吐出量制御を行う。
【0084】3つの温度センサ181,182および1
83の配置は、各インク色の吐出口配列の間、すなわ
ち、ブラックとシアンの間、シアンとマゼンタの間、マ
ゼンタとイエローの間に各1個を設けている。
【0085】これらの3つのセンサー181,182,
183を用い、以下のシーケンスにしたがって各インク
色の吐出を独立に駆動制御する。
【0086】すなわち、センサ181,182および1
83により3つのヘッド温度THiを記録開始前に読取
り、 1)使用する吐出口の位置と数に応じて、検知温度THi
に重み付けをして校正温度(温度センサとSi基板の相
対位置によらない平均温度)THX =(X1H1+X2
H2+X3H3/(X1 +X2 +X3 )を求め、この
校正温度T′H X によって各インク色のイニシャル駆動
条件P1iを設定する。
【0087】2)各センサ183,182,181の出
力TH1,TH2,TH3から記録ヘッドの温度分布を検知し
て、この情報をもとに、各インク色のブロックの吐出ヒ
ータの駆動を独立に補正制御(P1i)する。
【0088】さらに詳しく説明すると、ブラックインク
の64個の吐出口のみ使用する場合、ヘッド温度TH
ブラックインクの吐出部が高くなるような温度分布を示
す。この傾向は、記録デューティーが高くなればなるほ
ど顕著になる。また。記録中、温度センサ183は常に
高い温度を示し、ブラックインクの吐出部から離れた温
度センサ181,182は、距離が遠いほど低い温度を
示す(TH1>TH2>TH3)。
【0089】この状態で測定した平均ヘッド温度TH
用いて、記録ヘッドを駆動すると、吐出している吐出口
部の実際の温度TH1(TH1>TH )よりも低い温度であ
ると判断して制御を行うため、吐出量を増加させようと
する制御が働く。本来ならば、吐出量を減少させるよう
に制御が働かなければならない状態であるので制御が発
散してしまう。また、パルス幅P1 が長くなればなるほ
ど吐出による昇温も大きくなるのでブロック毎の吐出部
と非吐出部との温度差がますます大きくなる。
【0090】これらの悪循環をなくすため、例えば各温
度センサ181,182,183から検知される温度に
重み付けをして算出した上述の校正温度THX のみに
よって吐出制御をすると、上記のように実温度との差に
よって記録ヘッド両側のブラック,イエローインクの吐
出量が一定の条件を保てなくなる。
【0091】これに対して、本例のように校正温度T
HX と各センサ183,182,181の温度TH1
H2,TH3との差を常に監視しながら、記録ヘッドの温
度分布を検知して制御を行うことで各インク色の吐出
を、同時にかつ独立に制御することが可能となる。
【0092】各インク色の駆動条件は、各温度センサか
らの検知温度によって例えば、
【0093】
【数4】P1Bk =P1Bk0(TH ′)−ΔP1BK (α(T
HX −TH1)) P1C =P1C0 (β(TH1+TH2)/2) P1M =P1M0 (γ(TH2+TH3)/2) P1Y =P1Y0 (TH ′)−ΔP1Y(δ(THX −T
H3)) とすることができる。
【0094】また、各インク色の記録信号を独立にカウ
ントしてフィードバックすることで、より正確な制御も
可能である。つまり、上記制御1),2)に加え、3)
記録信号における各インク色のブロックの単位時間あた
りのドット数から記録による自己昇温を計算し、校正温
度に補正を加えた予測温度で独立に制御を施すこともで
きる。
【0095】上記重み付けの値は、予め実験,計算で求
めておいた各インク色の記録デューティーの割合と、平
均ヘッド温度THX ,実吐出口温度THi(i=Bk,
C,M,Y)との関係から決定される。
【0096】例えば、この状態でブラックインクをデュ
ーティー100%で記録したときは最初のラインで検知
したピーク温度はTH1MAX =43℃,TH2MAX =30
℃,TH3MAX =25℃であった。このため、 1)従来の制御では、
【0097】
【数5】THX =(43+30+25)/3=31.
0℃(校正温度) TBk=48℃(実温度) ΔT=48−31=17.0℃ となり、17℃も低い条件で駆動するために吐出量の差
が多くなって好ましくない。これに対し、 2)本実施例の制御では、
【0098】
【数6】THX =(43+30+25)/3=31.
0℃(校正温度) α(TH1−THX )=1.2・(43−31.0)=
14.4℃(補正温度) TBk=48℃(実温度) ΔT=48−31−14.4=3.6℃ のように真の温度との差が少なくなり、精度の高い制御
が行える(ただし、α=1.2は計算,実験値より求め
たものでヘッドの形態,材料などの要因によって変化す
る)。
【0099】なお、本実施例では、α=1.2,β=
1.05,γ=1.0,δ=1.1が好ましい条件であ
った。
【0100】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
【0101】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0102】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0103】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0104】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0105】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0106】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0107】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0108】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0109】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、ブロック毎の記録信号の数を知ることによ
り、インク吐出によるブロック毎のインク温度変化を推
定でき、その推定値と温度検知手段の検知出力に基づい
て、各ブロック毎のインク吐出量を制御できる。これに
より、ブロック間の温度差によるインク吐出量の差を低
減することが可能となる。
【0110】この結果、濃度むらの少ない高品位の画像
を記録することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に関し、記録ヘッド,インク
タンクおよびこれらを一体に装置するキャリッジを示す
分解斜視図である。
【図2】図1に示す記録ヘッドを構成する基板を示す平
面図である。
【図3】上記記録ヘッドを用いたカラー記録時の記録ヘ
ッド走査と紙送りとの関係を示す模式図である。
【図4】上記記録ヘッドを用いたモノクロ記録時の記録
ヘッド走査を示す模式図である。
【図5】上記実施例で用いられるインク吐出のための記
録ヘッド駆動パルスの波形図である。
【図6】上記駆動パルスを用いたときのパルス幅と吐出
量との関係を示す線図である。
【図7】上記駆動パルスを用いたときの記録ヘッド温度
と吐出量との関係を示す線図である。
【図8】上記駆動パルスを用いた吐出量制御方法を説明
するための線図である。
【図9】図1,図2に示す記録ヘッドを用いたインクジ
ェット記録装置の一例を示す斜視図である。
【図10】本発明の一実施例にかかる駆動パルス幅設定
処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】上記実施例に関し、記録比率(吐出比率)記
録ヘッドの昇温との関係を示す線図である。
【図12】本発明の他の実施例にかかるインクジェット
記録装置を示す斜視図である。
【図13】本発明のさらに他の実施例にかかる記録ヘッ
ドの基板を示す平面図である。
【符号の説明】
1,61 記録ヘッド 4,4Y,4M,4C,4Bk インクタンク 18,181,182,183 温度センサ 20 キャリッジ 59,69 記録紙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B41J 2/05 2/12 8306−2C B41J 3/04 102 Z 9012−2C 103 B 9012−2C 104 F

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出するための吐出口からなる
    ブロックであって、前記吐出口からのインク吐出量を当
    該ブロック毎に制御可能な複数のブロックを有した記録
    ヘッドを用い、被記録媒体にインクを吐出して記録を行
    うインクジェット記録装置において、 前記複数のブロックの数より少ない数の温度検知手段
    と、 該温度検知手段が検知する温度に基づき、前記インク吐
    出量を前記複数のブロック毎に制御する吐出量制御手段
    と、 を具えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 インクを吐出するための吐出口からなる
    ブロックであって、前記吐出口からのインク吐出量を当
    該ブロック毎に制御可能な複数のブロックを有した記録
    ヘッドを用い、被記録媒体にインクを吐出して記録を行
    うインクジェット記録装置において、 前記複数のブロックの数より少ない数の温度検知手段
    と、 前記吐出口からのインク吐出を示す記録信号の数を前記
    複数のブロック毎に計数する計数手段と、 前記温度検知手段が検知する温度および前記計数手段が
    計数する前記複数のブロック毎の前記記録信号の数に基
    づいて、前記インク吐出量を前記複数のブロック毎に制
    御する制御手段と、 を具えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 前記複数のブロックは、当該吐出するイ
    ンクの種類が互いに異なることを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 前記複数のブロックは、前記被記録媒体
    のサイズに対応して設定されることを特徴とする請求項
    1または2に記載のインクジェット記録装置。
  5. 【請求項5】 前記温度検知手段の数は、前記複数のブ
    ロックの数より1少なく、当該温度検知手段は、前記複
    数のブロックそれぞれの間に配置されることを特徴とす
    る請求項1ないし4のいずれかに記載のインクジェット
    記録装置。
  6. 【請求項6】 前記温度検知手段の検知出力は、当該配
    置に応じて重み付けされることを特徴とする請求項5に
    記載のインクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】 前記記録ヘッドは、熱エネルギーを利用
    してインクに気泡を生じさせ、該気泡の生成に基づいて
    インクを吐出することを特徴とする請求項1ないし6の
    いずれかに記載のインクジェット記録装置。
JP8979193A 1993-04-16 1993-04-16 インクジェット記録装置 Pending JPH06297718A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8979193A JPH06297718A (ja) 1993-04-16 1993-04-16 インクジェット記録装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8979193A JPH06297718A (ja) 1993-04-16 1993-04-16 インクジェット記録装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06297718A true JPH06297718A (ja) 1994-10-25

Family

ID=13980518

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8979193A Pending JPH06297718A (ja) 1993-04-16 1993-04-16 インクジェット記録装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06297718A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8939537B2 (en) 2012-04-03 2015-01-27 Canon Kabushiki Kaisha Inkjet printing apparatus and inkjet printing method

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8939537B2 (en) 2012-04-03 2015-01-27 Canon Kabushiki Kaisha Inkjet printing apparatus and inkjet printing method

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3247412B2 (ja) インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、およびインクジェット記録ヘッド
JP3639330B2 (ja) インク・ジェット・プリンタ
US7300137B2 (en) Liquid-discharge recording head
JPH1016230A (ja) プリントヘッドおよびプリント装置
JPH0664157A (ja) 画像記録装置
JP3337912B2 (ja) インクジェットヘッドの駆動方法及びこれを実行するインクジェット装置
US20030142159A1 (en) Estimating local ejection chamber temperature to improve printhead performance
JP5901239B2 (ja) インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法
JPH09174884A (ja) 画像形成装置および方法
JPH05220963A (ja) インクジェット記録ヘッドの吐出制御方法
JPH07323550A (ja) インクジェットプリント装置の制御方法およびインクジェットプリント装置
EP1310365B1 (en) Temperature measurement device
JP3247404B2 (ja) インクジェット記録ヘッドの吐出制御方法およびインクジェット記録装置
US20050007403A1 (en) Printing apparatus and method for maintaining temperature of a printhead
JPH06278283A (ja) 記録方法及び記録装置
JP2004195760A (ja) 記録装置
JP2984380B2 (ja) インクジェット記録装置
US6648442B2 (en) Compensation for temperature dependent drop quantity variation
JPH06297718A (ja) インクジェット記録装置
JPH09207358A (ja) インクジェット記録方法およびその装置
JP3313751B2 (ja) インクジェット記録ヘッドの吐出制御方法
JP2011189707A (ja) 記録装置及び吐出条件の決定方法
JP2994412B2 (ja) 記録装置
JPH11240149A (ja) 記録ヘッド補正方法、その補正装置、その装置によって補正された記録ヘッド及びその記録ヘッドを用いた記録装置
JPH08150713A (ja) インクジェット記録装置および該装置の不吐出検出方法