JPH06297722A - キャップおよび該キャップを用いるインクジェット記録装置 - Google Patents

キャップおよび該キャップを用いるインクジェット記録装置

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JPH06297722A
JPH06297722A JP5115435A JP11543593A JPH06297722A JP H06297722 A JPH06297722 A JP H06297722A JP 5115435 A JP5115435 A JP 5115435A JP 11543593 A JP11543593 A JP 11543593A JP H06297722 A JPH06297722 A JP H06297722A
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JP
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recording
cap
ink
recording head
head
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JP5115435A
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English (en)
Inventor
Yasuyuki Takanaka
康之 高中
Tomohiro Aoki
友洋 青木
Masatoshi Ichikatai
雅俊 一方井
Setsu Uchida
節 内田
Masaharu Nemura
雅晴 根村
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】複数のインク色の異なるインクジェット記録ヘ
ッドを記録装置本体から取り外した時、各記録ヘッド間
のインクの混色を防止するとともに、吐出口の損傷およ
び吐出口への不純物の侵入や付着を防止し、さらにイン
クの滲み出しを無くして記録ヘッドの移動および運搬時
の作業性を向上させる。 【構成】複数のインクジェット記録ヘッド1を記録装置
本体から取り外した時に、記録ヘッド1ごとに固有に係
合しかつそれらの吐出口89を避けた周辺部を密封する
状態で、各記録ヘッド1を一つのキャップ8の固有の位
置に一体的に収納する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクを吐出して記録
を行なう記録手段のインク吐出部を覆うキャップおよび
該キャップを用いるインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】プリンタ、複写機、ファクシミリ等の機
能を有する記録装置、あるいはコンピューターやワード
プロセッサ等を含む複合型電子機器やワークステーショ
ンの出力機器として用いられる記録装置は、画像情報に
基づいて用紙やプラスチック薄板等の被記録材(記録媒
体)に画像を記録していくように構成されている。前記
記録装置は、記録方式により、インクジェット式、ワイ
ヤドット式、サーマル式、レーザービーム式等に分ける
ことができる。
【0003】被記録材の搬送方向(副走査方向)と交叉
する方向に主走査する記録方式を採るシリアルタイプの
記録装置においては、被記録材を所定の記録位置にセッ
トした後、被記録材に沿って移動(主走査)するキャリ
ッジ上に搭載した記録手段(記録ヘッド)によって画像
(文字や記号等を含む)を記録し、1行分の記録を終了
した後に所定量の紙送り(副走査)を行ない、その後に
次の行の画像を記録(主走査)するという動作を繰り返
すことにより、被記録材の所望範囲に画像が記録され
る。一方、被記録材を搬送方向に送る副走査のみで記録
するラインタイプの記録装置においては、被記録材を所
定の記録位置にセットし、一括して1行分の記録を連続
的に行ないながら所定量の紙送り(ピッチ送り)を行な
い、被記録材の全体に画像が記録される。
【0004】上記記録装置のうち、インクジェット式の
記録装置(インクジェット記録装置)は、記録手段(記
録ヘッド)から被記録材にインクを吐出して記録を行な
うものであり、記録手段のコンパクト化が容易であり、
高精細な画像を高速で記録することができ、普通紙に特
別の処理を必要とせずに記録することができ、ランニン
グコストが安く、ノンインパクト方式であるため騒音が
少なく、しかも、多色のインクを使用してカラー画像を
記録するのが容易であるなどの利点を有している。中で
も、紙幅方向に多数の吐出口を配列したラインタイプの
記録手段を使用するライン型の装置は、記録の一層の高
速化が可能である。
【0005】特に、熱エネルギーを利用してインクを吐
出するインクジェット方式の記録手段(記録ヘッド)
は、エッチング、蒸着、スパッタリング等の半導体製造
プロセスを経て、基板上に製膜された電気熱変換体、電
極、液路壁、天板などを形成することにより、高密度の
液路配置(吐出口配置)を有するものを容易に製造する
ことができ、一層のコンパクト化を図ることができる。
一方、被記録材の材質に対する要求も様々なものがあ
り、近年では、通常の被記録材である紙や樹脂薄板(O
HP等)などの他に、薄紙や加工紙(ファイリング用の
パンチ孔付き紙やミシン目付き紙、任意な形状の紙な
ど)あるいは布などを使用ことが要求されるようになっ
てきた。
【0006】上記インクジェット記録装置では、異なる
色のインクで記録する複数個の記録手段(記録ヘッド)
を用いることによりカラー記録を行なうことができ、フ
ルカラー画像を記録する場合には、例えば、シアン、マ
ゼンタ、イエローおよびブラックの4個を記録ヘッドが
装着される。また、この記録装置の保守、点検時には、
記録ヘッドを記録装置から取り外し、作業場所付近に置
くことになる。
【0007】また、ラインタイプのインクジェット記録
装置においては、被記録材の記録領域の幅に対応する長
さの長尺記録ヘッド(ライン型記録ヘッド)が使用され
る。このライン型記録ヘッドでは、高解像度を実現する
ために超微細な吐出口が高密度で配列されておいる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記カ
ラー記録装置など、複数の記録ヘッドを用いるインクジ
ェット記録装置においては、保守、点検などのために記
録手段を取り外した場合、幾つかの記録ヘッドのインク
吐出部が接触することにより、吐出口付近に別色のイン
クが付着して混色を生じるという不都合があった。その
場合、仮に記録ヘッドの封入袋や載置台を使用したとし
ても、既に袋や台に付着していた別色のインクによる混
色を避けるためには、これらの袋や台をインクの色毎に
区別したり、これらの袋や台を使い捨てにしたり、ある
いは作業後に清掃を行なうことが必要である。しかし、
色毎に区別する場合には、色の区別を正確に行なわなけ
ればならず、慎重な作業が必要となるために能率が低下
するという課題がある。また、使い捨てにする場合に
は、材料の無駄が生じることになる。さらに、清掃を行
なう場合には、非常に手間がかかるという課題がある。
【0009】また、同一の装置本体から取り外した複数
の記録ヘッドを離間して載置するのでは、取り扱いが不
便であり、移動や運搬も行ない難くなる。さらに、作業
時に記録ヘッドの吐出口が剥き出しになっている状態で
は、打ち付けや落下等による損傷や変形が生じたり、ゴ
ミ等の不純物の侵入や付着が生じたり、これらによる目
詰まりのために吐出不良が発生して所要の画像記録が不
可能になることもある。また、吐出口からのインクの滴
りによって作業場所が汚れることもある。
【0010】本発明はこのような技術的課題に鑑みてな
されたものであり、本発明の目的は、インク色の異なる
複数の記録ヘッドを装置本体から取り外した時の、イン
ク吐出部の混色防止、記録ヘッドの外傷防止、インク吐
出部への不純物の侵入および付着の防止、作業場所の汚
れ防止、移動や運搬時の作業性向上を図ることである。
【0011】一方、上記ライン型記録手段(記録ヘッ
ド)においては、インク吐出部が剥き出しになっている
状態では、打ち付けや落下等の外部負荷によるインク吐
出部の損傷や変形が生じたり、外界と連通する吐出口か
らのゴミ等の不純物の侵入や付着による目詰まりのため
に吐出不良が発生し、所要の記録画像が得られなくなる
という不都合が生じる。また、一部の吐出口に不良が生
じると、長尺の記録ヘッド全体の交換が必要になるとい
う不都合がある。さらに、吐出口からのインクの滴りに
よって周辺が汚されるという不都合もある。これらに対
処するためには、記録ヘッドの製造終了時から装置本体
に組み付けるまでの間の記録ヘッドの保存や運搬、さら
には、記録装置の保守点検等における記録ヘッド取り外
し後の該記録ヘッドの取り扱いを、慎重に行なう必要が
ある。
【0012】また、吐出口には何も触れないことが望ま
しく、密閉のためのシール部材を吐出口周辺に配置する
場合、その配置は慎重に行なう必要がある。さらに、高
速記録に優れた特性を生かすため、記録ヘッドの長手方
向の吐出口配列は完全な直線状態であることが望まし
い。しかし、ライン型記録ヘッドにあっては、長尺であ
るため、製造工程においてインク吐出部を支持するため
の支持部材に多少とも反りが生じる。その結果、記録ヘ
ッド全体にも反りが生じる。もっとも、装置本体に記録
ヘッドを装着する際に上記反りを調整して適正な画像が
得られるように調節することは可能であるが、保守点検
等のために一旦記録ヘッドを取り外すと、やはり反りの
状態に戻ってしまう。
【0013】別の本発明はこのような技術的課題に鑑み
てなされたものであり、本発明の目的は、非使用時のラ
イン型記録手段に対して、吐出口を支持する支持部材の
表面に当接するシール手段を有するキャップによって吐
出口を密封することにより、インク吐出部の外傷防止、
吐出口の不純物侵入や付着による目詰まりの防止、装置
本体のインクによる汚れの防止、記録手段の移動や運搬
の作業性の向上、反っている記録手段のキャッピング性
能の向上を図り得るキャップおよび該キャップを用いる
インクジェット記録装置を提供することである。
【0014】
【課題解決のための手段】本発明のキャップは、複数の
記録手段を記録装置から取り外した時に、記録手段ごと
に固有に係合することにより、記録手段ごとにそれらの
インク吐出部を覆って全ての記録手段を一体的に収納す
る構成とすることにより、インク色の異なる複数の記録
ヘッドを装置本体から取り外した時の、インク吐出部の
混色防止、記録ヘッドの外傷防止、インク吐出部への不
純物の侵入および付着の防止、作業場所の汚れ防止、移
動や運搬時の作業性向上を図り得るキャップを提供する
ものである。上記構成に加えて、記録手段の吐出口の周
辺に当接して該吐出口を密封するシール手段を有する構
成とすれば、一層効率よく上記目的を達成することがで
きる。
【0015】別の本発明のキャップは、記録手段の非使
用時に、該記録手段と係合することにより該記録手段の
インク吐出部を覆い、かつインク吐出部を支持する支持
部材に当接して吐出口を密封するためのシール手段を有
する構成とすることにより、インク吐出部の外傷防止、
吐出口の不純物侵入や付着による目詰まりの防止、装置
本体のインクによる汚れの防止、記録手段の移動や運搬
の作業性の向上、反っている記録手段のキャッピング性
能の向上を図り得るキャップを提供するものである。こ
のような構成に加えて、キャップが弾性体で形成されて
いる構成とすれば、一層効率よく上記目的を達成するこ
とができる。
【0016】また、本発明は、複数の記録手段から被記
録材へインクを吐出して記録を行なうインクジェット記
録装置において、記録手段ごとに固有に係合することに
より、記録手段ごとにそれらのインク吐出部を覆って全
ての記録手段を一体的に収納するキャップを用いる構成
とすることにより、インク色の異なる複数の記録ヘッド
を装置本体から取り外した時の、インク吐出部の混色防
止、記録ヘッドの外傷防止、インク吐出部への不純物の
侵入および付着の防止、作業場所の汚れ防止、移動や運
搬時の作業性向上を図ることが可能なインクジェット記
録装置を提供するものである。この場合、前記キャップ
が記録手段の吐出口の周辺に当接して該吐出口を密封す
るシール手段を有する構成とすることが好ましい。
【0017】別の本発明は、記録手段から被記録材へイ
ンクを吐出して記録を行なうインクジェット記録装置に
おいて、記録手段の非使用時に、該記録手段と係合する
ことにより該記録手段のインク吐出部を覆い、かつイン
ク吐出部を支持する支持部材に当接して吐出口を密封す
るためのシール手段を有するキャップを用いる構成とす
ることにより、インク吐出部の外傷防止、吐出口の不純
物侵入や付着による目詰まりの防止、装置本体のインク
による汚れの防止、記録手段の移動や運搬の作業性の向
上、反っている記録手段のキャッピング性能の向上を図
ることが可能なインクジェット記録装置を提供ものであ
る。この場合、前記キャップを弾性体で形成すれば、一
層効率よく上記目的を達成することができる。
【0018】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図1は本発明を適用したインクジェット記録装置
の一実施例を示す模式的縦断面図である。図1は、それ
ぞれ異なるインクで記録する4個の記録手段(記録ヘッ
ド)1C、1M、1Y、1Bを用いるインクジェット記
録装置を例示するものであり、フルカラー記録の場合、
これらの記録手段1C、1M、1Y、1Bのインク色と
して、例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック
が使用される。なお、上記記録ヘッド1C、1M、1
Y、1Bの全体または任意の一つを指す場合には、単に
記録手段1または記録ヘッド1で示すことにする。
【0019】図1において、10は読み取った原稿11
の情報を電気信号に変換するための光学スキャナー部で
あり、その信号は記録動作部12の各記録ヘッド1を含
む記録ヘッド部13のドライブ信号として送られる。給
紙部14には用紙やプラスチック薄板等の被記録材(不
図示)が収納されており、該被記録材の1枚づつが搬送
部15へ送給される。記録ヘッド部13は搬送部15の
上方の記録位置にある。被記録材は搬送ベルト16の外
表面に吸着(保持)され、記録ヘッド部13と所定の隙
間を維持しつつ該被記録材を搬送しながら、各記録ヘッ
ド1から各色のインクを吐出することにより該被記録材
上に画像が記録される。記録後の被記録材は、定着排紙
部17を経てトレイ18上に送り出される。各記録ヘッ
ド1C、1M、1Y、1Bに対しては、インク供給部1
9の各貯蔵タンク20C、20M、20Y、20Bから
対応する色のインクが供給される。なお、これらの貯蔵
タンク20C、20M、20Y、20Bについても、全
体または任意の一つを指す場合には、単に貯蔵タンク2
0で示す。
【0020】このようなインクジェット記録装置におい
ては、4本の記録ヘッド1とも、それらの吐出口89の
全てが被記録材の記録領域の全幅(図1中の奥行)を覆
う程度に長尺化されており、記録中に記録ヘッド1は走
査動作を必要とせずに静止しており、被記録材が記録ヘ
ッド1の前面(図示の下側)を通過するのみで全面画像
を記録することができ、きわめて高速な記録が可能であ
る。また、記録装置の保守点検を行なう場合には、各記
録ヘッド1は装置本体から取り外される。
【0021】図2は記録ヘッド(1本)1を吐出口側か
ら見た斜視図である。図2において、記録ヘッド1はラ
イン型記録ヘッド(ライン型記録手段)であり、インク
吐出部2をその両側から支持部材3、4で挟んで保持す
るとともに、片側の支持部材4に隣接して記録制御部5
を組み付けた構造をしている。インク吐出部2の端面は
吐出口形成面81を形成し、該吐出口形成面81には長
手方向(矢印L方向)に所定ピッチで配列された多数の
吐出口89が形成されている。前記記録制御部5は、各
吐出口89内で選択的に熱エネルギーを発生させ、各吐
出口89のインク吐出を制御して画像を記録するための
ものである。また、記録ヘッド1には、前記貯蔵タンク
20からインクを供給するためのインク供給管6と、必
要に応じて供給過剰のインクを貯蔵タンク20へ循環さ
せるためのインク循環管7が接続されている。なお、図
2において、前記支持部材3は吐出口側端面3Aと外側
面3Bを有し、前記支持部材4は吐出口側端面4Aと外
側面4Bを有している。
【0022】前記記録手段(記録ヘッド)1は、熱エネ
ルギーを利用してインクを吐出する記録手段であって、
熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備えたも
のである。また、前記記録手段1は、前記電気熱変換体
によって印加される熱エネルギーにより生じる膜沸騰に
よる気泡の成長、収縮によって生じる圧力変化を利用し
て、吐出口よりインクを吐出させ、記録を行なうもので
ある。この種の記録ヘッドは、一般に、複数の微細な吐
出口、各吐出口に通じる液路(液体流路)、各液路に連
通する液体供給用の共通液室、各液路の一部に設けられ
たエネルギー作用部、各エネルギー作用部にある液体に
作用させるための液滴形成エネルギーを発生するための
エネルギー発生手段(電気熱変換体)、を備えている。
【0023】図3は上記記録ヘッド1のインク吐出部2
の構造を模式的に示す部分斜視図である。図3におい
て、インク吐出部2は、エッチング、蒸着、スパッタリ
ング等の半導体製造プロセスを経て、基板81上に成膜
形成された電気熱変換体82、電極83、液路壁84、
天板85から構成されている。記録用の液体(インク)
80は貯蔵タンク20からインク供給管6を通してイン
ク吐出部2の共通液室86内に供給される。図3中の8
7はインク供給用のコネクタである。
【0024】共通液室86内に供給されたインク80
は、所謂毛管現象により各液路90内に供給され、各液
路90先端の吐出口面でメニスカスを形成することによ
り安定に保持される。ここで、電気熱変換体82に通電
することにより、電気熱変換体面上のインクが加熱さ
れ、発泡現象が発生し、その発泡のエネルギーにより吐
出口89から液滴が吐出する。各液路90のそれぞれに
通じる複数の吐出口89は、吐出口形成面(インク吐出
部2の前側端面)に所定の配列を成して開口している。
このような構成により、吐出口密度16/ミリといった
高密度配列で記録幅全域にわたって吐出口89が配置さ
れたフルマルチタイプのライン型インクジェット記録ヘ
ッドを形成することができる。
【0025】記録ヘッド1は、その吐出口形成面88
が、所定の隙間(例えば、約0.3〜1.5ミリ程度)
をおいて被記録材と対面するように着脱可能に位置決め
装着される。また、図1の記録装置では、記録手段(記
録ヘッド)1は、複数の吐出口89が被記録材の搬送方
向と交叉する方向に配列されるような姿勢で記録ヘッド
部13に着脱可能に装着される。記録動作に際しては、
画像信号に応じて各電気熱変換体82を選択的に駆動
(通電)すると、通電した電気熱変換体82に面したイ
ンクが加熱され、該インクの膜沸騰による気泡の成長、
収縮によって生じる圧力変化を利用して、対応する吐出
口89からインク滴が吐出する。こうして、画像信号ま
たは吐出信号に基づいて対応する電気熱変換体82を駆
動(通電)し、各吐出口89からインクを選択的に吐出
させる記録手段(記録ヘッド)1が構成されている。
【0026】そこで、本発明によるインクジェット記録
装置では、複数の記録手段1を記録装置から取り外した
時に、記録手段1ごとに固有に係合することにより、記
録手段1ごとにそれらのインク吐出部2を覆って全ての
記録手段1を一体的に収納するように構成されたキャッ
プが用いられる。また、このキャップには、記録手段1
の吐出口89の周辺に当接して該吐出口89を密封する
シール手段が設けられる。なお、以下の各図面において
も、図1〜図3で示した各構成部分と同一の部分または
対応する部分は全て同一符号で示す。
【0027】図4は記録ヘッド1およびキャップ8の第
1実施例を示す斜視図である。図4において、記録ヘッ
ド1のインク吐出部2の図示下側端面(吐出口形成面)
88には、長手方向に沿って、多数の下向きの吐出口8
9が配列されている。キャップ8は、各記録ヘッド1を
収納してその吐出口89を覆って密封し、かつ保護する
ためのものである。そこで、記録ヘッド1の支持部材
3、4のうちの一方(図示の例では支持部材3)には、
端面Xから長手方向に距離D1 の位置に溝21が形成さ
れている。一方、キャップ8には、4本の記録ヘッド1
を同時に一体的に収納するための4箇所のキャップ部
(凹部)22a、22b、22c、22dが設けられて
いる。そして、1つのキャップ部22aには、キャップ
部22aの端面Yから距離D1 の位置に突出部23aが
形成されている。また、各記録ヘッド1の長さBおよび
厚さTは、各キャップ部22の長さBおよび幅Tと同じ
寸法(隙間無く嵌合し得る寸法)になっている。
【0028】そこで、前記各キャップ部22(22a、
22b、22c、22d)のそれぞれには、端面Yから
の距離が異なる位置に突出部23a、23b、23c、
23dが形成されている。すなわち、これらの突出部2
3a、23b、23c、23dは、キャップ部22の端
面Yから距離D1 、D2 、D3 、D4 の位置に形成され
ている。したがって、図示の記録ヘッド1(例えば、記
録ヘッド1B)は、その端面Xから距離D1 の位置に溝
21が形成されているので、同じ距離D1 の位置に突出
部23aを有するキャップ部22aにはキャッピング状
態(吐出口89を密封した状態)で収納可能であるが、
他のキャップ部22b、22c、22dには係合不可能
である。すなわち、図示の記録ヘッド1はキャップ部2
2aとのみ固有に係合することができる。
【0029】他の3本の記録ヘッド1については、1本
の記録ヘッド1(例えば、記録ヘッド1Y)には端面X
から距離D2 の位置に溝21が形成され、他の1本の記
録ヘッド1(例えば、記録ヘッド1M)には端面Xから
距離D3 の位置に溝21が形成され、さらに他の1本の
記録ヘッド1(例えば、記録ヘッド1C)には端面Xか
ら距離D4 の位置に溝21が形成されている。すなわ
ち、不図示の残り3本の記録ヘッド1も、キャップ部2
2b、22c、22dのいずれか一つに対してのみキャ
ッピング状態で収納可能になっており、それぞれ固有に
係合することができる。
【0030】一例として、図示の記録ヘッド1とキャッ
プ部22aとの係合について説明する。記録ヘッド1は
或る色(例えば、ブラック)のインクに専用のものであ
り、該インクの供給充填を受けて画像記録に供される。
記録装置本体からこの記録ヘッド1を取り外した場合、
該記録ヘッド1は、その溝21と突出部23aの位置関
係から、キャップ8の特定のキャップ部22aと相対向
して係合し、該キャップ部内に収納可能である。しか
し、その溝21は他のキャップ部22b、22c、22
dの突出部23b、23c、23dとは係合不可能であ
り、そのため、記録ヘッド1はこれらのキャップ部22
b、22c、22dとは決して係合せず、キャップ22
aとのみ固有に係合する。
【0031】図4について説明した構成によれば、図1
中の記録ヘッド1B、1Y、1M、1Cを装置本体から
取り外してキャップ8に一体的に収納する場合、この順
序では各キャップ部22に収納できるが、それ以外の順
序では決して収納することはできない。したがって、こ
のようなキャップ8を用いることにより、各記録ヘッド
1のインク吐出部2に他の色のインクが付着することを
無くすことができ、所謂混色の問題を確実に解消するこ
とができる。
【0032】また、各記録ヘッド1のインク吐出部2
は、キャップ8によって覆われているので、外部からの
負荷による損傷、不純物の侵入や付着などからも確実に
保護することができる。さらに、全ての(図示の例では
4本)の記録ヘッド1を一つのキャップ8に一体的に収
納する構成であるので、底面積を広く取ることができ、
記録ヘッド1の載置台としての機能を有しており、ま
た、運搬性にも優れている。
【0033】図5は図4中のA部の部分拡大斜視図であ
る。図4および図5において、各キャップ部22a、2
2b、22c、22dの内部には、例えばガスケット等
のシール材から成るシール手段24が設けられている。
これらのシール手段24は、収納される記録ヘッド1の
吐出口89(または吐出口形成面88)を避けて、その
周辺である支持部材3、4の吐出口側端面3A、4Aと
当接するように、キャップ部22の内底の長手方向全域
に設けられている。したがって、各記録ヘッド1をキャ
ップ8に収納した状態では、それらの吐出口89はシー
ル手段24によって完全に密封され、キャップ8を傾け
てもインクが滲み出ることは無く、作業場所付近でのイ
ンク汚れを無くすことができる。
【0034】図6は本発明によるインクジェット記録装
置に用いるキャップの第2実施例を示す斜視図であり、
図7は図6のキャップに記録ヘッドを収納した状態を示
す断面図である。本実施例は、各記録ヘッド1とキャッ
プ8との係合を長手方向にスライド式にしたものであ
る。図6および図7において、キャップ8には4つのキ
ャップ部22a、22b、22c、22dが設けられ、
4色のインクに対応する4本の記録ヘッド1が一体的に
キャッピング(収納)されるが、本実施例では、各記録
ヘッド1を各キャップ部22に固有に係合させて一端か
ら挿入した後、開放端に固定板25を取り付けるように
構成されている。
【0035】本実施例のキャップ8自身は完全な一体型
のキャップではないので、固定板25のキャップ8との
接合部(斜線部分)26に、ガスケット等のシール材か
ら成るシール手段が設けられている。また、各キャップ
部22の内の斜線で示した部分、すなわち、収納される
各記録ヘッド1の吐出口89を避けた長手方向全域にも
ガスケット等のシール材から成るシール手段が設けられ
ている。これらのシール手段により、収納された各記録
ヘッド1の吐出口89を密封することができる。
【0036】そこで、本実施例においては、各キャップ
部22の両側の壁部に長手方向にレール状に形成された
突出部28が設けられている。一方、挿入される各記録
ヘッド1の両側の支持部材3、4には、対応するキャッ
プ部22の両側の突出部28と固有に係合する溝が形成
されている。次に、図7を参照して各記録ヘッド1と各
キャップ部22との係合について説明する。
【0037】図7において、B1 およびB2 は、記録ヘ
ッド1Bの両側の溝とキャップ部22aの両側の突出部
28との2箇所の係合部を示し、w1 およびw2 はキャ
ップ部22aの底部から係合部B1 およびB2 までの高
さを示す。記録ヘッド1Bの支持部材3、4の吐出口側
端面3A、4Aがキャップ部22aの底部に当接するこ
とにより、該記録ヘッド1Bの吐出口89が密封され
る。同じく、記録ヘッド1Yとキャップ部22bの両側
(2箇所)の係合部Y1 およびY2 の高さをx1および
x2 で示し、記録ヘッド1Mとキャップ部22cの両側
(2箇所)の係合部M1 およびM2 の高さをy1 および
y2 で示し、記録ヘッド1Cとキャップ部22dの両側
(2箇所)の係合部C1 およびC2 の高さをz1 および
z2 で示す。
【0038】そして、各記録ヘッド1と各キャップ部2
2との係合部においては、それぞれの両側の高さの差の
絶対値が、それぞれ異なるように設定されている。すな
わち、|w1 −w2 |、|x1 −x2 |、|y1 −y2
|、|z1 −z2 |の値がそれぞれ異なるように設定さ
れている。このように構成することにより、複数(4
本)の記録ヘッド1と複数(4箇)のキャップ部22と
の係合を、インク色ごとにそれぞれ固有のものにするこ
とができる。したがって、異なるインク色の記録ヘッド
1が同じキャップ部22に挿入されることは決して無
く、第1実施例の場合と同様に混色の問題を確実に解消
することができる。
【0039】図8は記録ヘッド部13の配置構成を示す
模式的斜視図であり、図9は記録ヘッド1を着脱する状
態を示す模式的斜視図である。図8において、各記録ヘ
ッド1B、1Y、1M、1C(図1、図7)はヘッドホ
ルダー9の各装着部31B、31Y、31M、31Cに
固定され、記録ヘッド部13(図1)を構成する。図1
にも示すように、記録ヘッド部13の下方には、搬送ベ
ルト16から成る搬送部15が配置されている。
【0040】図8および図9において、画像記録終了後
あるいは記録装置不使用時には、回復キャップ32を記
録ヘッド部13に接合させ得るように構成されている。
この回復キャップ32には、ヘッドホルダー9に装着さ
れた各記録ヘッド1B、1Y、1M、1Cに対応して仕
切られた回復キャップ部33B、33Y、33M、33
Cが設けられている。この回復キャップ32は、各記録
ヘッド1のインク吐出部2に蓋を被せた状態(キャッピ
ング状態)にして周囲の雰囲気から密封し、かつ接合部
分の空気層をインク蒸気で満たして飽和蒸気圧にするこ
とにより、各記録ヘッド1の吐出口89内のインク液の
乾燥および粘度増加(増粘)を防止し、吐出不良の発生
を予防するためのものである。
【0041】この回復キャップ32によるキャッピング
動作の際には、記録ヘッド部13を図8中の上方(矢印
Q)へ一旦移動させ、次いで回復キャップ32を図8中
の左方向(矢印P)へ移動させて記録ヘッド部13の真
下に位置させた後、記録ヘッド部13を再び降下させ
る。このような動作により、ヘッドホルダー9の各装着
部31B、31Y、31M、31Cに収納保持された各
記録ヘッド1B、1Y、1M、1Cのインク吐出部2
が、それぞれ、対応する回復キャップ部33B、33
Y、33M、33Cによって覆われ、上記キャッピング
状態となる。なお、記録開始時などに吐出口89を開放
する場合には、これらと逆の手順でキャッピング状態を
解除することができる。
【0042】そこで、記録ヘッド1を記録装置本体に対
して着脱する際には、吐出口89を露出させないという
意味から、上記キャッピング状態を維持したまま着脱す
ることが最良である。図9は、このキャッピング状態の
下で各記録ヘッド1を一体的に着脱する状態を示す図で
ある。なお、図9は、取り外された記録ヘッド1が図6
のキャップ8に収納される場合を示す。また、図9にお
いては、明瞭化のため、4本の記録ヘッド1のうちの記
録ヘッド1Cのみが示されており、ここでは、ヘッドホ
ルダー9の装着部31C、該装着部に対して着脱される
記録ヘッド1C、およびキャップ8のキャップ部22d
について説明する。
【0043】記録ヘッド1を着脱する時には、予め固定
板25(図6)は取り外されており、キャップ8を図9
中の矢印R方向に移動させ、その端面8Xとヘッドホル
ダー9の端面9Xとを突き合わせる。この場合、2つの
端面8X、9Xには、不図示の位置決め用の係合手段、
例えばピンと穴が設けられており、記録ヘッド1Cとキ
ャップ部22dの位置ズレを防止し得るようになってい
る。また、キャップ8は記録装置本体の前面側から挿入
して突き当てるので、装置本体の前側板(カバー等)に
は、各記録ヘッド1を収納したキャップ8が通過できる
程度の窓(開口)およびキャップ8の挿入方向を案内す
るための挿通ガイドが設けられており、キャップ8の上
記突き当てを容易に行ない得る構造になっている。
【0044】こうして突き当てた後、記録ヘッド1Cを
キャップ部22d内へスライドさせて収納する。ヘッド
ホルダー9の装着部31B、31Y、31Mに装着され
た他の記録ヘッド1B、1Y、1Mについても、同様に
して対応するキャップ部22a、22b、22c内へス
ライドさせて収納する。この収納の順序は自由に選択で
きる。このようにしてキャップ8内に4本の記録ヘッド
1を一体的に収納した後、上記挿通ガイドおよび窓を通
して装置前面から引き出し、キャップ8の端面に固定板
25(図6)を取り付けて各記録ヘッド1のインク吐出
部2を密封する。これによって、各記録ヘッド1の取り
外しが完了する。なお、各記録ヘッド1をヘッドホルダ
ー9(装置本体)に装着する場合には、上記取り出しの
逆の手順で行なう。
【0045】以上説明したように、キャップ8と記録装
置本体を接合(連結)させて複数の記録ヘッド1を一体
的に着脱することにより、記録ヘッドを一旦記録装置本
体から取り外した後にキャップに取り付けるという手間
を省くことができ、また、記録ヘッドの着脱を容易に行
なうことが可能となる。さらに、記録ヘッド1の着脱に
際して吐出口89が露出しないので、記録ヘッド1の製
造直後からキャップ8に収納しキャッピングしておくこ
とにより、記録装置本体の運転の直前まで記録ヘッド1
の吐出口89を完全密封の状態に保つことができ、確実
に保護することが可能となる。なお、図6〜図9の第2
実施例によっても、複数の記録ヘッド1の装置本体非装
着時のインク混色を確実に防止し得るなど、図4および
図5の場合と同様の効果が得られることは明らかであ
る。
【0046】以上図4〜図9の各実施例のキャップ8に
よれば、色の異なるインクを用いる複数の記録ヘッド1
を、各記録ヘッドごと(各インク色ごと)に固有となる
ように係合させて一体的に収納するので、各記録ヘッド
1を記録装置本体から取り外した時のインクの混色を確
実に防止することが可能になった。また、上記キャップ
8を使用することにより、記録ヘッド1の吐出口89を
保護するとともに、該吐出口89への不純物の侵入や付
着も確実に防止することができ、さらに、記録装置本体
に装着していない記録ヘッド1の運搬性を向上させるこ
ともできる。特に、キャップ8に、吐出口89をその周
辺で密封するシール手段24、26、27を設けるの
で、記録ヘッド収納時のインクの滲み出しを完全に防止
することができ、記録装置周辺のインク汚れを確実に防
止することが可能になった。
【0047】別の本発明によるインクジェット記録装置
においては、ライン型記録ヘッド(記録手段)1の非使
用時(記録装置本体から取り外した時)に、該記録ヘッ
ド1と係合することにより該記録ヘッド1のインク吐出
部2を覆い、かつインク吐出部2を支持する支持部材3
または4に当接して吐出口89を密封するためのシール
手段を有する構成のキャップが用いられる。また、この
キャップは、ゴム材などの弾性体で形成することが好ま
しい。
【0048】図10は記録ヘッド1およびキャップ40
の第3実施例を示す斜視図である。図10において、記
録ヘッド1のインク吐出部2の図示下側端面(吐出口形
成面)88には、長手方向に沿って、多数の下向きの吐
出口89が配列されている。キャップ40は、記録ヘッ
ド1を収納してその吐出口89を覆って密封し、かつ保
護するためのものである。そこで、記録ヘッド1の支持
部材3の外側面には長手方向に延びる溝41が形成さ
れ、反対側の支持部材4の外側面にも長手方向に延びる
溝42が形成されている。すなわち、記録ヘッド1の両
側には、1本づつ合計2本の溝41、42が形成されて
いる。
【0049】一方、キャップ40は記録ヘッド1の吐出
口側部分を収納するためのキャップ部(凹部)43を有
し、該キャップ部43の両側内壁面には長手方向に延び
る突出部44、45が形成されている。記録ヘッド1の
溝41はキャップ部43の突出部44と係合可能であ
り、記録ヘッド1の溝42はキャップ部43の突出部4
5と係合可能である。また、キャップ40の長手方向両
端部分には、切れ目46、46が形成されている。記録
ヘッド1の長さBおよび厚さTは、キャップ部43の長
さBおよび幅Tと同じ寸法(隙間無く嵌合し得る寸法)
になっている。
【0050】キャップ40は、記録ヘッド1に対して、
図10中の矢印E方向から取り付けられる。キャップ4
0を記録ヘッド1に取り付ける時、キャップ部43の両
側の突出部44、45の間隔tは切れ目46、46の存
在により僅かに広げられ、記録ヘッド1の溝41、42
はこれらの突出部44、45と係合し、該記録ヘッド1
はキャップ部43の内部に隙間なく係合嵌着され、キャ
ッピング状態(吐出口89を密封する状態)になる。
【0051】図11は図10中のA部の部分拡大斜視図
である。図10および図11において、キャップ部43
の内面には、底部と突出部44、45との間の高さ位置
に、内面全周にわたって、例えばガスケット等のシール
材から成るシール手段47が設けられている。したがっ
て、記録ヘッド1を係合収納してキャッピングした状態
では、支持部材3、4の外側面3B、4Bの斜線部分お
よびこれに連続する記録ヘッド1の両端面の斜線部分が
前記シール手段47に当接することにより、記録ヘッド
1の吐出口89は完全に密封状態になる。この密封状態
は、吐出口89を避けた位置でシールすることにより行
なわれる。
【0052】また、前記キャップ40を例えばゴム等の
弾性体で形成することにより、記録ヘッド1が製造工程
で厚さ方向(図10中の矢印F方向)に反っている場合
でも、キャップ40が記録ヘッド1に沿うことができ、
確実なキャッピングが可能となる。
【0053】図10および図11に示した実施例によれ
ば、長尺の記録ヘッド1(図1中の記録ヘッド1B、1
Y、1M、1Cなど)を記録装置本体から取り外してキ
ャップ40に収納してその周辺に置く場合、吐出口89
(インク吐出部2)を確実に保護することができ、吐出
口89の損傷を防ぐとともに、該吐出口89へのゴミ等
の不純物の侵入や付着を防ぐことができ、さらに、イン
クの滲み出しや滴りによる周囲のインク汚れを防止する
ことができる。また、記録ヘッド1の製造直後から記録
装置本体への装着までの保管、移動、運搬に際しても同
様の効果が得られ、該記録ヘッド1の取り扱いが容易に
なる。さらに、反り(変形)のある記録ヘッド1に対し
ても容易に確実なキャッピングを行なうことができる。
【0054】図12は本発明によるインクジェット記録
装置に用いるキャップの第4実施例を記録ヘッドととも
に示す斜視図である。本実施例は、長尺な記録ヘッド1
とキャップ40との係合を長手方向にスライド式にした
ものである。図12において、記録ヘッド1の溝41、
42とキャップ部43の内面の突出部44、45を係合
させ、キャップ40を図12中の矢印R方向に嵌挿する
ことによりキャッピングを行なう。この場合には、キャ
ップ40の嵌挿側の端面は挿脱のために開放させる必要
がある。そのため、記録ヘッド1をキャップ部43に係
合収納した後に、不図示の密閉板(図6の固定板25と
類似の部材)を開放端面に固定することにより、キャッ
ピング(吐出口89の密封)を完成させるように構成さ
れている。シール手段47(図11)は、キャップ40
および密閉板により形成されるキャップ部43の内側全
周面の他に、キャップ40の端面40Xと密閉板との接
合面にも設けられている。この図12に示す第4実施例
によっても、図10および図11の第3実施例の場合と
同様の効果が得られる。
【0055】図13は本発明によるインクジェット記録
装置に用いられるキャップ40の第5実施例を示す斜視
図である。本実施例は、図1のカラー記録装置で使用さ
れる4個の記録ヘッド1B、1Y、1M、1Cを一体的
に係合収納し得るように4連一体型のスライド式にした
ものである。図13において、キャップ40には4つの
キャップ部43a、43b、43c、43dが設けら
れ、該キャップ40の嵌挿側開放端面には密閉板48が
着脱可能に取り付けられ、4色のインクに対応する4本
の記録ヘッド1B、1Y、1M、1Cを一体的にキャッ
ピング(収納)し得るように構成されている。
【0056】本実施例における各記録ヘッド1と各キャ
ップ部43との係合は、図12の第4実施例の場合と同
じである。すなわち、各記録ヘッド1の支持部材3、4
の外側面3B、4Bに形成された溝41、42を各キャ
ップ部43の両側内面に形成された突出部44、45に
係合させ、各記録ヘッド1をスライドさせて挿入した
後、密閉板48を取り付けることによりキャッピングを
完成させるように構成されている。また、各記録ヘッド
1の吐出口89の周辺を密封するシール手段47の配設
も図12の場合と同様であり、4つのキャップ部43の
内側面全周の他に、密閉板48のキャップ40との接合
部(図13中の斜線部)に設けられており、各記録ヘッ
ド1ごとに吐出口89をその周辺で確実に密封し得るよ
うに構成されている。
【0057】図13の第5実施例によれば、図12の第
4実施例の場合と同様の効果が得られる他に、複数(4
本)の長尺の記録ヘッド1を一体的に収納する一体型に
したので、キャップ40の底面積が広くなって記録ヘッ
ド1の載置台としての機能が得られ、また、複数の記録
ヘッド1の一括移動を容易かつ確実に行なえるという効
果が得られる。
【0058】図14は図13のキャップ40の使用状態
を示す斜視図である。次に、図8および図14を参照し
てして、図13のキャップ40を用いて記録装置本体に
対する各記録ヘッド1の取り外し取り付け(着脱)を行
なう動作について説明する。図8において、各記録ヘッ
ド1B、1Y、1M、1C(図1、図7)はヘッドホル
ダー9の各装着部31B、31Y、31M、31Cに固
定され、記録ヘッド部13(図1)を構成する。図1に
も示すように、記録ヘッド部13の下方には、搬送ベル
ト16から成る搬送部15が配置されている。
【0059】図8および図14において、画像記録終了
後あるいは記録装置不使用時には、回復キャップ32を
記録ヘッド部13に接合させ得るように構成されてい
る。この回復キャップ32には、ヘッドホルダー9に装
着された各記録ヘッド1B、1Y、1M、1Cに対応し
て仕切られた回復キャップ部33B、33Y、33M、
33Cが設けられている。この回復キャップ32は、各
記録ヘッド1のインク吐出部2に蓋を被せた状態(キャ
ッピング状態)にして周囲の雰囲気から密封し、かつ接
合部分の空気層をインク蒸気で満たして飽和蒸気圧にす
ることにより、各記録ヘッド1の吐出口89内のインク
液の乾燥および粘度増加(増粘)を防止し、吐出不良の
発生を予防するためのものである。
【0060】この回復キャップ32によるキャッピング
動作の際には、記録ヘッド部13を図8中の上方(矢印
Q)へ一旦移動させ、次いで回復キャップ32を図8中
の左方向(矢印P)へ移動させて記録ヘッド部13の真
下に位置させた後、記録ヘッド部13を再び降下させ
る。このような動作により、ヘッドホルダー9の各装着
部31B、31Y、31M、31Cに収納保持された各
記録ヘッド1B、1Y、1M、1Cのインク吐出部2
が、それぞれ、対応する回復キャップ部33B、33
Y、33M、33Cによって覆われ、上記キャッピング
状態となる。なお、記録開始時などに吐出口89を開放
する場合には、これらと逆の手順でキャッピング状態を
解除することができる。
【0061】そこで、各記録ヘッド1を記録装置本体に
対して着脱する際には、吐出口89を露出させないとい
う意味から、上記キャッピング状態を維持したまま着脱
することが最良である。図14は、このキャッピング状
態の下で各記録ヘッド1を一体的に着脱する状態を示す
図である。なお、図14においては、明瞭化のため、4
本の記録ヘッド1のうちの記録ヘッド1Cのみが示され
ており、ここでは、ヘッドホルダー9の装着部31C、
該装着部に対して着脱される記録ヘッド1C、およびキ
ャップ40のキャップ部43dについて説明する。
【0062】記録ヘッド1を着脱する時には、予め密閉
板48(図13)は取り外されており、キャップ40を
図14中の矢印U方向に移動させ、その端面40Xとヘ
ッドホルダー9の端面9Xとを突き合わせる。この場
合、2つの端面40X、9Xには、不図示の位置決め用
の係合手段、例えばピンと穴が設けられており、記録ヘ
ッド1Cとキャップ部43dの位置ズレを防止し得るよ
うになっている。また、キャップ40は記録装置本体の
前面側から挿入して突き当てるので、装置本体の前側板
(カバー等)には、各記録ヘッド1を係合収納したキャ
ップ40が通過できる程度の窓(開口)およびキャップ
40の挿入方向を案内するための挿通ガイドが設けられ
ており、キャップ40の上記突き当てを容易に行ない得
る構造になっている。
【0063】こうして突き当てた後、記録ヘッド1Cを
キャップ部43d内へスライドさせて収納する。ヘッド
ホルダー9の装着部31B、31Y、31Mに装着され
た他の記録ヘッド1B、1Y、1Mについても、同様に
して対応するキャップ部43a、43b、43c内へス
ライドさせて収納する。この収納の順序は自由に選択で
きる。このようにしてキャップ40内に4本の記録ヘッ
ド1を一体的に収納した後、上記挿通ガイドおよび窓を
通して装置前面から引き出し、キャップ40の開放端面
に密閉板48(図13)を取り付けて各記録ヘッド1の
インク吐出部2を密封する。これによって、各記録ヘッ
ド1の取り外しおよびキャッピングが完了する。なお、
各記録ヘッド1をヘッドホルダー9(装置本体)に装着
する場合には、上記取り出しの逆の手順で行なう。
【0064】図13および図14の第5実施例によれ
ば、キャップ40と記録装置本体を接合(連結)させて
複数の記録ヘッド1を一体的に着脱することにより、記
録ヘッドを一旦記録装置本体から取り外した後にキャッ
プに取り付けるという手間を省くことができ、また、記
録ヘッドの着脱を容易に行なうことが可能となる。さら
に、記録ヘッド1の着脱に際して吐出口89が露出しな
いので、記録ヘッド1の製造直後からキャップ40に収
納しキャッピングしておくことにより、記録装置本体の
運転の直前まで記録ヘッド1の吐出口89を完全密封の
状態に保つことができ、確実に保護することが可能とな
る。
【0065】さらに、ヘッドホルダー9の各装着部31
B〜31Cとキャップ40のキャップ部43a〜43d
が一対一で対応するので、結果として、各キャップ部4
3は各記録ヘッド1で使用するインク色にも一対一で対
応する。したがって、複数の記録ヘッド1の配設順序が
同一であるインクジェット記録装置においては、あるキ
ャップ部43に他のインク色の記録ヘッドがキャッピン
グされることはない。このため、記録ヘッド1の着脱の
際に吐出口89付近に付着していたインクがキャップ部
43の内部に付着したとしても、そのキャップ部43で
キャッピングされる記録ヘッド1は同一色のインクを使
用するものであり、他の色のインクが吐出口89に再付
着して混色を生じるという不都合を無くすことができ
る。なお、上記第5実施例によれば、図10〜図12の
第3および第4実施例の場合と同じ効果が得られること
は明らかである。
【0066】図15は本発明によるインクジェット記録
装置に用いられるキャップの第6実施例を示す斜視図で
あり、図16は非装着時の記録ヘッドを図15のキャッ
プでキャッピングした時の端面図であり、図17は装着
時の記録ヘッドと図15のキャップを示す端面図であ
る。図15〜図17において、記録ヘッド1の支持部材
3の外側面の所定間隔の位置にタボ51、51が設けら
れている。キャップ50は、記録ヘッド1の吐出口89
を密封保護するためのキャップ板52、記録ヘッド1の
支持部材3の表面に沿って移動する規制板53、キャッ
プ板52と規制板53を連結しキャップ板52を選択的
に揺動させるための揺動軸54、揺動軸54を中心とし
てキャップ板52を所定方向に付勢するネジリコイルバ
ネ55などで構成されている。
【0067】キャップ板52は、通常では、ネジリコイ
ルバネ55および不図示のストッパーにより、規制板5
3に対して直角を成す方向に保持されている。記録ヘッ
ド1の両側の支持部材3、4には、吐出口側端面3A、
4Aと外側面3B、4Bの間に面取り部3C、4Cが形
成されている。規制板53には記録ヘッド1の各タボ5
1に係合する縦長孔56(図示の例では2箇所)が形成
されている。キャップ50は、これらのタボ51と縦長
孔56を係合させることにより、その規制板53が支持
部材3に沿って上下移動可能な状態で取り付けられてい
る。また、キャップ板52の所定位置、すなわち、図1
6に示すキャッピング状態において吐出口89を避ける
その全周を囲む位置に、ガスケット等のシール材から成
るシール手段57が設けられている。
【0068】記録装置から取り外された記録ヘッド1を
キャップ50でキャッピングする際には、図16に示す
ように、規制板53が図示下方へ押し下げられ、キャッ
プ板52がネジリコイルバネ55により吐出口形成面8
8側へ揺動付勢され、キャップ板52上のシール材57
が各支持部材3、4の面取り部(外側面)3C、4Cに
当接することにより、その内部に位置する吐出口89が
密封される。このキャッピング状態から規制板53を図
示上側へ移動させると、キャップ板52は、支持部材3
の稜線Vから下方へ反力を受け、揺動軸54を中心に規
制板53との間の角度が拡がる方向へ回動する。その結
果、キャップ板52が図17に示すような位置へ揺動移
動し、記録ヘッド1の吐出口89が開放(露出)され
る。
【0069】記録ヘッド1を記録装置本体へ装着する場
合は、図17に示すように吐出口89を露出させた状態
でそのまま装着することができる。また、記録ヘッド1
の非装着時(取り外し時)には、図16に示すように吐
出口89の周囲全体を密封した状態にした後、キャップ
50と一体化したままで取り外す。すなわち、図15〜
図17のキャップ50によれば、記録装置本体に対して
記録ヘッド1を着脱する場合、キャップ50と一体化し
た状態で着脱することができる。また、記録ヘッド1の
吐出口89の密封および開放は、ワンタッチできわめて
容易に行なうことができる。
【0070】図18〜図20は、図15〜図17に示し
たキャップ50を用いる場合の記録ヘッドの着脱(記録
装置本体への取り付け、取り外し)機構を例示する図で
あり、図18は記録装置本体側のヘッドホルダーの斜視
図であり、図19はキャップおよび記録ヘッドをヘッド
ホルダーに対して着脱する時の状態を示す部分縦断面図
であり、図20はキャップを開放して記録が可能な状態
にした時の部分縦断面図である。
【0071】図18〜図20において、インクジェット
記録装置本体側には、長尺の記録ヘッド1を着脱可能に
位置決め保持するためのヘッドホルダー60が設けられ
ており、該ヘッドホルダー60に対して、キャップ50
と一体化された記録ヘッド1を着脱(取り付け、取り外
し)するように構成されている。記録ヘッド1を記録装
置本体に装着する時には、吐出口89をキャップ50で
密封した状態(キャッピング状態)にして、ヘッドホル
ダー60の上方から挿入して装着する。図19は記録ヘ
ッド1が挿入された直後(または外部へ取り出される直
前)の状態を示す。
【0072】キャップ50の規制板73にはヘッドホル
ダー60の側壁61に当接する突き当て部62が形成さ
れている。突き当て部62が側壁61に当接した状態
(図19)からさらに記録ヘッド1を押し込むと、キャ
ップ板52の稜線Vからの反力により、前述したように
キャップ板52が開放方向に回動され、図20に示すよ
うに吐出口89が露出した状態になる。この図20の状
態では、記録ヘッドに設けられた突き当て板63がヘッ
ドホルダー60の側壁64に当接することにより、記録
ヘッド1の吐出口形成面88(吐出口89)は一定の高
さWに位置決めされる。図20は記録可能な状態であ
り、吐出口形成面88(吐出口89)は被記録材との間
に適正隙間を形成する位置に設定されている。
【0073】記録ヘッド1を記録装置本体から取り外す
場合には、まず、記録ヘッド1を上方へ引き抜き、キャ
ップ板52をヘッドホルダー60の側壁61の下向きの
面65に当接させることにより、キャップ板52を下方
へ押し下げる。キャップ板52はバネ55(図15)の
付勢力を得て吐出口89を密封する位置へ回動し、再び
図19に示すようなキャッピング状態となる。このよう
にキャッピングした状態で、キャップ50とともに記録
ヘッド1をヘッドホルダー60から上方へ引き出し、記
録装置本体から取り外す。以上から明らかなごとく、図
15〜図20に示す第6実施例によれば、キャップ50
を用いることにより、記録装置本体に対する記録ヘッド
1の着脱および吐出口89の密封開放を、全てワンタッ
チで容易かつ確実に行なうことができる。
【0074】以上図10〜図20の各実施例によれば、
記録装置非装着時の長尺の記録ヘッド1の吐出口89を
覆うとともに、該吐出口89を避けて支持部材3、4の
外側面に当接して吐出口89を密封するキャップ40、
50を用いる構成としたので、吐出口89(インク吐出
部2)を保護するとともに、該吐出口89への不純物の
侵入や付着も確実に防止することにより、インクの吐出
不良を確実に防止し得るキャップおよびインクジェット
記録装置が得られた。また、インクの滲み出しや滴りも
確実に防止することができ、周辺のインク汚れを防止す
るとともに、運搬性の向上や保管の容易化を実現でき、
取り扱いがきわめて容易なキャップおよびインクジェッ
ト記録装置が得られた。さらに、キャップ40、50を
弾性体で構成することにより、長尺の記録ヘッド1に反
りなどの変形がある場合でも、容易かつ確実にキャッピ
ングし得るキャップおよびインクジェット記録装置が得
られた。
【0075】なお、前述の各実施例では、被記録材の記
録領域の全幅にわたって吐出口89が形成されているフ
ルラインタイプの記録手段(記録ヘッド)1を用いるラ
インタイプのインクジェット記録装置の場合を例に挙げ
て説明したが、本発明は、記録手段をキャリッジに搭載
するなどして、被記録材に沿って移動(主走査)させる
シリアルタイプのインクジェット記録装置に対しても同
様に適用することができ、同様の効果を達成し得るもの
である。
【0076】また、本発明は、1個の記録手段1で記録
する場合の他、異なる色で記録する複数の記録手段を備
えたカラーインクジェット記録装置、あるいは色彩が同
じで濃度が異なるインクで記録する複数の記録手段を用
いる階調記録用のインクジェット記録装置など、記録手
段(記録ヘッド)の数にも関係なく、同様に適用するこ
とができ、同様の作用効果を達成し得るものである。さ
らに、本発明は、記録ヘッドとインクタンクを一体化し
たカートリッジタイプの記録手段(ヘッドカートリッ
ジ)を使用するもの、あるいは記録ヘッドとインクタン
クを別々に設け、これらをインク供給管等で接続する構
成のものなど、記録ヘッドおよびインクタンクがどの様
な形態を採る場合にも、同様に適用することができ、同
様の効果が得られるものである。
【0077】なお、本発明は、インクジェット記録装置
であれば、例えば、ピエゾ素子等の電気機械変換体等を
用いる記録手段(記録ヘッド)を使用するものに適用で
きるが、中でも、熱エネルギーを利用してインクを吐出
する方式の記録手段を使用するインクジェット記録装置
において優れた効果をもたらすものである。かかる方式
によれば、記録の高密度化、高精細化が達成できるから
である。
【0078】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行なうのが好ましい。この方式は、所謂オンデマンド
型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)
が保持されているシートや液路に対応して配置されてい
る電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越
える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号
を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギー
を発生せしめ、記録手段(記録ヘッド)の熱作用面に膜
沸騰させて、結果的にこの駆動信号に一対一に対応し液
体(インク)内の気泡を形成出来るので有効である。
【0079】この気泡の成長、収縮により吐出用開口を
介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも一つの
滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即
時適切に気泡の成長収縮が行なわれるので、特に応答性
に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好まし
い。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4
463359号明細書、同第4345262号明細書に
記載されているようなものが適している。尚、上記熱作
用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第43131
24号明細書に記載されている条件を採用すると、更に
優れた記録を行なうことができる。
【0080】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路又は直角液流路)の他
に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示
する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4
459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれる
ものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開
示する特開昭59年第123670号公報や熱エネルギ
ーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を
開示する特開昭59年第138461号公報に基づいた
構成としても本発明は有効である。すなわち、記録ヘッ
ドの形態がどのようなものであっても、本発明によれ
ば、記録を確実に効率よく行なうことができるようにな
るからである。
【0081】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても、本発明は有効に適用できる。そのよ
うな記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組み合わせ
によってその長さを満たす構成や、一体的に形成された
1個の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。加え
て、上例のようなシリアルタイプのものでも、装置本体
に固定された記録ヘッド、あるいは装置本体に装着され
ることで装置本体との電気的な接続や装置本体からのイ
ンクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録
ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一体的にインクタン
クが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドを用い
た場合にも本発明は有効である。
【0082】また、本発明に記録装置の構成として設け
られる記録ヘッドに対しての回復手段あるいは予備的な
補助手段等を付加することは、本発明の効果を一層安定
できるので好ましいものである。これらを具体的に挙げ
れば、記録ヘッドに対しての、キャッピング手段、クリ
ーニング手段、加圧或は吸引手段、電気熱変換体或はこ
れとは別の加熱素子或はこれらの組み合わせによる予備
加熱手段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出モードを
行なうことも安定した記録を行なうために有効である。
【0083】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば、単色のインクに対応して1個
のみが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複
数のインクに対応して複数個数設けられるものであって
もよい。すなわち、例えば、記録装置の記録モードとし
ては、黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、
記録ヘッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせに
よるか、いずれでもよいが、異なる色の複色カラー又
は、混色によるフルカラーの少なくとも一つを備えた装
置にも本発明は極めて有効である。
【0084】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するもの、あるいは、インクジェット方式で
は、インク自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度
調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように
温度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付
与時にインクが液状をなすものであればよい。加えて、
積極的に熱エネルギーによる昇温をインクの固形状態か
ら液体状態への状態変化のエネルギーとして使用せしめ
ることで防止するか、または、インクの蒸発防止を目的
として放置状態で固化するインクを用いるかして、いず
れにしても、熱エネルギーの記録信号に応じた付与によ
ってインクが液化し、液状インクが吐出されるものや、
記録媒体に到達する時点ではすでに固化し始めるもの等
のような、熱エネルギーによって初めて液化する性質の
インクを使用する場合も本発明は適用可能である。
【0085】このような場合のインクは、特開昭54−
56847号公報あるいは特開昭60−71260号公
報に記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔
に液状または固形物として保持された状態で、電気熱変
換体に対して対向するような形態としてもよい。本発明
においては、上述した各インクに対して最も有効なもの
は、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0086】さらに加えて、本発明によるインクジェッ
ト記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理
機器の画像出力端末として用いられるものの他、リーダ
等と組み合わせた複写装置、さらには送受信機能を有す
るファクシミリ装置の形態を採るもの等であってもよ
い。
【0087】
【発明の効果】以上の説明から明らかなごとく、本発明
のキャップによれば、複数の記録手段を記録装置から取
り外した時に、記録手段ごとに固有に係合することによ
り、記録手段ごとにそれらのインク吐出部を覆って全て
の記録手段を一体的に収納する構成としたので、インク
色の異なる複数の記録ヘッドを装置本体から取り外した
時の、インク吐出部の混色防止、記録ヘッドの外傷防
止、インク吐出部への不純物の侵入および付着の防止、
作業場所の汚れ防止、移動や運搬時の作業性向上を図り
得るキャップが提供される。また、上記構成に加えて、
記録手段の吐出口の周辺に当接して該吐出口を密封する
シール手段を有する構成としたので、一層効率よく上記
効果を達成することができる。
【0088】別の本発明のキャップによれば、記録手段
の非使用時に、該記録手段と係合することにより該記録
手段のインク吐出部を覆い、かつインク吐出部を支持す
る支持部材に当接して吐出口を密封するためのシール手
段を有する構成としたので、インク吐出部の外傷防止、
吐出口の不純物侵入や付着による目詰まりの防止、装置
本体のインクによる汚れの防止、記録手段の移動や運搬
の作業性の向上を図り得るキャップが提供される。ま
た、上記構成に加えて、キャップが弾性体で形成されて
いる構成としたので、上記効果に加えて、キャッピング
性能の向上など、一層効率よく上記効果を達成できる
他、反りなどの変形を生じた記録手段でも容易かつ確実
にキャッピングすることが可能になる。
【0089】また、本発明によれば、複数の記録手段か
ら被記録材へインクを吐出して記録を行なうインクジェ
ット記録装置において、記録手段ごとに固有に係合する
ことにより、記録手段ごとにそれらのインク吐出部を覆
って全ての記録手段を一体的に収納するキャップを用い
る構成としたので、インク色の異なる複数の記録ヘッド
を装置本体から取り外した時の、インク吐出部の混色防
止、記録ヘッドの外傷防止、インク吐出部への不純物の
侵入および付着の防止、作業場所の汚れ防止、移動や運
搬時の作業性向上を図ることが可能なインクジェット記
録装置が提供される。さらに、上記構成に加えて、前記
キャップが記録手段の吐出口の周辺に当接して該吐出口
を密封するシール手段を有する構成としたので、一層効
率よく上記効果を達成することができる。
【0090】また、別の本発明によれば、記録手段から
被記録材へインクを吐出して記録を行なうインクジェッ
ト記録装置において、記録手段の非使用時に、該記録手
段と係合することにより該記録手段のインク吐出部を覆
い、かつインク吐出部を支持する支持部材に当接して吐
出口を密封するためのシール手段を有するキャップを用
いる構成としたので、インク吐出部の外傷防止、吐出口
の不純物侵入や付着による目詰まりの防止、装置本体の
インクによる汚れの防止、記録手段の移動や運搬の作業
性の向上を図り得るインクジェット記録装置が提供され
る。さらに、上記効果に加えて、前記キャップを弾性体
で形成する構成としたので、キャッピング性能の向上な
ど、一層効率よく上記効果を達成し得る他、記録手段に
反りなどの変形が生じている場合でも、容易かつ確実に
キャッピングし得るインクジェット記録装置が提供され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したインクジェット記録装置の一
実施例を示す模式的縦断面図である。
【図2】図1中の記録手段の斜視図である。
【図3】図1中の記録手段のインク吐出部の構造を模式
的に示す一部破断部分斜視図である。
【図4】本発明による記録手段およびキャップの第1実
施例を示す模式的斜視図である。
【図5】図4中のキャップの部分斜視図である。
【図6】本発明によるキャップの第2実施例の模式的斜
視図である。
【図7】図6のキャップに記録手段を係合収納した時の
断面図である。
【図8】本発明を適用したインクジェット記録装置の要
部の概略構成を示す模式的斜視図である。
【図9】図6のキャップを用いて記録手段を着脱する状
態を一部省略して示す模式的斜視図である。
【図10】本発明による記録手段およびキャップの第3
実施例を示す模式的斜視図である。
【図11】図10中のキャップの部分斜視図である。
【図12】本発明による記録手段およびキャップの第4
実施例の模式的斜視図である。
【図13】本発明によるキャップの第5実施例を示す模
式的斜視図である。
【図14】図13のキャップを用いて記録手段を着脱す
る状態を一部省略して示す模式的斜視図である。
【図15】本発明による記録手段およびキャップの第6
実施例の模式的斜視図である。
【図16】図15中のキャップを有する記録手段のキャ
ッピング状態を示す模式的断面図である。
【図17】図15中のキャップを有する記録手段の吐出
口開放時の状態を示す模式的断面図である。
【図18】図16の記録手段およびキャップを用いるイ
ンクジェット記録装置のヘッドホルダーを例示する模式
的斜視図である。
【図19】図16の記録手段およびキャップを図18の
ヘッドホルダーに挿入する途中の状態を示す断面図であ
る。
【図20】図16の記録手段およびキャップを図18の
ヘッドホルダーに装着し吐出口を開放した状態を示す断
面図である。
【符号の説明】
1 記録手段(記録ヘッド) 2 インク吐出部 3 支持部材 3A 吐出口側端面 3B 外側面 3C 面取り部 4 支持部材 4A 吐出口側端面 4B 外側面 4C 面取り部 8 キャップ 8X キャップの端面 9 ヘッドホルダー 9X ヘッドホルダーの端面 12 記録動作部 13 記録ヘッド部 15 搬送部 16 搬送ベルト 19 インク供給部 20 貯蔵タンク 21 溝 22 キャップ部 23 突出部 24 シール手段(シール材) 25 固定板 26 シール手段(斜線部分) 27 シール手段(斜線部分) 28 突出部 31 装着部(ヘッドホルダー) 32 回復キャップ 33 回復キャップ部 40 キャップ 40X キャップの端面 41 溝 42 溝 43 キャップ部 44 突出部 45 突出部 46 切れ目 47 シール手段(シール材) 48 密閉板 50 キャップ 51 タボ(キャップ取り付け用) 52 キャップ板 53 規制板 54 揺動軸 55 ネジリコイルバネ 56 縦長孔 57 シール手段(シール材) 60 ヘッドホルダー 61 側壁(ヘッドホルダー) 62 突き当て部 63 突き当て板 64 側壁(ヘッドホルダー) 65 側壁の下向き面 80 インク 82 電気熱変換体 88 吐出口形成面 89 吐出口 V 支持部材の稜線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B41J 29/13 8306−2C B41J 3/04 102 Z 9113−2C 29/12 A (72)発明者 内田 節 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 根村 雅晴 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の記録手段を記録装置から取り外
    した時に、記録手段ごとに固有に係合することにより、
    記録手段ごとにそれらのインク吐出部を覆って全ての記
    録手段を一体的に収納することを特徴とするキャップ。
  2. 【請求項2】 記録手段の吐出口の周辺に当接して該
    吐出口を密封するシール手段を有することを特徴とする
    請求項1のキャップ。
  3. 【請求項3】 記録手段の非使用時に、該記録手段と
    係合することにより該記録手段のインク吐出部を覆い、
    かつインク吐出部を支持する支持部材に当接して吐出口
    を密封するためのシール手段を有することを特徴とする
    キャップ。
  4. 【請求項4】 弾性体で形成されていることを特徴と
    する請求項3のキャップ。
  5. 【請求項5】 複数の記録手段から被記録材へインク
    を吐出して記録を行なうインクジェット記録装置におい
    て、記録手段ごとに固有に係合することにより、記録手
    段ごとにそれらのインク吐出部を覆って全ての記録手段
    を一体的に収納するキャップを用いることを特徴とする
    インクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】 前記キャップが記録手段の吐出口の周
    辺に当接して該吐出口を密封するシール手段を有するこ
    とを特徴とする請求項5のインクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】 前記記録手段が、インクを吐出するた
    めに利用される熱エネルギーを発生する電気熱変換体を
    備えているインクジェット記録手段であることを特徴と
    する請求項5のインクジェット記録装置。
  8. 【請求項8】 前記記録手段が、前記電気熱変換体が
    発生する熱エネルギーによりインクに生じる膜沸騰を利
    用して、吐出口よりインクを吐出させることを特徴とす
    る請求項7のインクジェット記録装置。
  9. 【請求項9】 記録手段から被記録材へインクを吐出
    して記録を行なうインクジェット記録装置において、記
    録手段の非使用時に、該記録手段と係合することにより
    該記録手段のインク吐出部を覆い、かつインク吐出部を
    支持する支持部材に当接して吐出口を密封するためのシ
    ール手段を有するキャップを用いることを特徴とするイ
    ンクジェット記録装置。
  10. 【請求項10】 前記キャップが弾性体で形成されてい
    ることを特徴とする請求項9のインクジェット記録装
    置。
  11. 【請求項11】 前記記録手段が、インクを吐出するた
    めに利用される熱エネルギーを発生する電気熱変換体を
    備えているインクジェット記録手段であることを特徴と
    する請求項9のインクジェット記録装置。
  12. 【請求項12】 前記記録手段が、前記電気熱変換体が
    発生する熱エネルギーによりインクに生じる膜沸騰を利
    用して、吐出口よりインクを吐出させることを特徴とす
    る請求項11のインクジェット記録装置。
JP5115435A 1993-04-19 1993-04-19 キャップおよび該キャップを用いるインクジェット記録装置 Pending JPH06297722A (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0893263A3 (en) * 1997-07-25 1999-09-01 Toshiba Tec Kabushiki Kaisha An ink-jet printer
JP2002059558A (ja) * 2000-08-22 2002-02-26 Sony Corp ヘッドカートリッジ及びインクジェットプリンタ
US7445330B2 (en) 2003-09-19 2008-11-04 Ricoh Company, Ltd. Image forming apparatus
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