JPH06306483A - 冷間伸線性に優れた高強度鋼線材の製造方法 - Google Patents
冷間伸線性に優れた高強度鋼線材の製造方法Info
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- JPH06306483A JPH06306483A JP9624593A JP9624593A JPH06306483A JP H06306483 A JPH06306483 A JP H06306483A JP 9624593 A JP9624593 A JP 9624593A JP 9624593 A JP9624593 A JP 9624593A JP H06306483 A JPH06306483 A JP H06306483A
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Landscapes
- Heat Treatment Of Strip Materials And Filament Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 金属組織を針状組織ができるだけ多くなる様
に調整し、冷間伸線加工性に優れ、伸線加工中に延性の
劣化をなくする。 【構成】 重量%で、C:0.03〜0.3、Si:2
以下、Mn:0.3〜2.5で、残部Feおよび不可避
不純物からなる鋼線材を、マルテンサイト若しくはベイ
ナイト、又は更にフェライトの組織とした後、フェライ
ト・オーステナイト域に特定の平均速度で加熱冷却し
て、一部残留オーステナイトを含有してもよいマルテン
サイト、ベイナイトまたはこれらの混合組織からなる低
温変態生成相が、15〜40%の体積分率で、うち、塊
状低温変態生成相が30%以下、残りが、フェライト相
中に均一に分散された針状低温変態生成相である。
に調整し、冷間伸線加工性に優れ、伸線加工中に延性の
劣化をなくする。 【構成】 重量%で、C:0.03〜0.3、Si:2
以下、Mn:0.3〜2.5で、残部Feおよび不可避
不純物からなる鋼線材を、マルテンサイト若しくはベイ
ナイト、又は更にフェライトの組織とした後、フェライ
ト・オーステナイト域に特定の平均速度で加熱冷却し
て、一部残留オーステナイトを含有してもよいマルテン
サイト、ベイナイトまたはこれらの混合組織からなる低
温変態生成相が、15〜40%の体積分率で、うち、塊
状低温変態生成相が30%以下、残りが、フェライト相
中に均一に分散された針状低温変態生成相である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷間伸線性に優れると
共に、伸線して得られる極細鋼線等に高強度を付与する
ことのできる高強度鋼線材を製造する為の方法に関する
ものである。
共に、伸線して得られる極細鋼線等に高強度を付与する
ことのできる高強度鋼線材を製造する為の方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】伸線された鋼線は、その径に応じて、P
Cワイヤー,各種スプリング用ワイヤー,ロープワイヤ
ー,ビードワイヤー,タイヤコード用ワイヤー,高圧ホ
ース補強用ワイヤー,スイッチングワイヤー,コロナワ
イヤー,ドットプリンタ用ワイヤ等、種々の用途で使用
されている。
Cワイヤー,各種スプリング用ワイヤー,ロープワイヤ
ー,ビードワイヤー,タイヤコード用ワイヤー,高圧ホ
ース補強用ワイヤー,スイッチングワイヤー,コロナワ
イヤー,ドットプリンタ用ワイヤ等、種々の用途で使用
されている。
【0003】鋼線のうち特に極細鋼線は、高炭素鋼5.
5mm径の圧延線材を用い、数回に亘るパテンテイング処
理を途中で行なって、伸線加工ごとに伸線材の靭性が低
下するのを防止しつつ、数次にわたる冷間伸線加工によ
って製造されるのが一般的である。しかしながらこの様
な製造方法では、多くの製造工程数を必要とすると共
に、製造費用が高くならざるを得ないという問題があ
る。
5mm径の圧延線材を用い、数回に亘るパテンテイング処
理を途中で行なって、伸線加工ごとに伸線材の靭性が低
下するのを防止しつつ、数次にわたる冷間伸線加工によ
って製造されるのが一般的である。しかしながらこの様
な製造方法では、多くの製造工程数を必要とすると共
に、製造費用が高くならざるを得ないという問題があ
る。
【0004】一方、純鉄や低炭素フェライト・パーライ
ト鋼線材によれば、強加工による極細線への伸線自体は
可能であるが、伸線加工による強度の上昇が少ないの
で、最終製品としての極細線における強度が低いという
欠点がある。即ち、95〜99%強加工伸線の場合で
も、その強度は70〜130kgf/mm2 程度であり、17
0kgf/mm2 以上の強度を達成することはできず、加工率
99%以上の伸線加工によっても、強度は190kgf/mm
2 以下である。
ト鋼線材によれば、強加工による極細線への伸線自体は
可能であるが、伸線加工による強度の上昇が少ないの
で、最終製品としての極細線における強度が低いという
欠点がある。即ち、95〜99%強加工伸線の場合で
も、その強度は70〜130kgf/mm2 程度であり、17
0kgf/mm2 以上の強度を達成することはできず、加工率
99%以上の伸線加工によっても、強度は190kgf/mm
2 以下である。
【0005】また熱処理によって焼入れ、焼戻しした焼
戻しマルテンサイト組織を有する線材も知られている
が、この線材は、焼き入れのままでは良好な加工性を得
ることができないので、焼戻し処理して線材の強度を大
幅に低下させて、加工性を得るものであり、従って、高
強度高延性鋼線を得ることができない。他方、焼入れま
までは、伸線前処理としての酸洗工程において、表面割
れが発生しやすく、延性自体も不足することが免れな
い。
戻しマルテンサイト組織を有する線材も知られている
が、この線材は、焼き入れのままでは良好な加工性を得
ることができないので、焼戻し処理して線材の強度を大
幅に低下させて、加工性を得るものであり、従って、高
強度高延性鋼線を得ることができない。他方、焼入れま
までは、伸線前処理としての酸洗工程において、表面割
れが発生しやすく、延性自体も不足することが免れな
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記各
種従来線材に代わる高強度高延性線材を得るべく、かね
てより研究を進めてきた。その結果、所定の化学成分を
有すると共に、一部残留オーステナイトを含有していて
もよい針状ベイナイト若しくは針状マルテンサイトまた
はこれらの混合組織からなる微細な低温変態生成相がフ
ェライト相中に均一に分散されてなる複合組織を有する
線材がすぐれた強加工性を有することを見出した。しか
しながらこの線材においても、伸線加工中に延性が劣化
し、場合によっては断線することが分かった。このよう
な延性劣化は、その組織の形状に依存するものであり、
針状組織の場合は起こらないが、塊状の低温生成相が多
数存在すると発生する問題である。
種従来線材に代わる高強度高延性線材を得るべく、かね
てより研究を進めてきた。その結果、所定の化学成分を
有すると共に、一部残留オーステナイトを含有していて
もよい針状ベイナイト若しくは針状マルテンサイトまた
はこれらの混合組織からなる微細な低温変態生成相がフ
ェライト相中に均一に分散されてなる複合組織を有する
線材がすぐれた強加工性を有することを見出した。しか
しながらこの線材においても、伸線加工中に延性が劣化
し、場合によっては断線することが分かった。このよう
な延性劣化は、その組織の形状に依存するものであり、
針状組織の場合は起こらないが、塊状の低温生成相が多
数存在すると発生する問題である。
【0007】本発明はこうした技術的課題を解決する為
になされたものであって、その目的は金属組織を針状組
織ができるだけ多くなるように調整し、冷間伸線加工性
に優れると共に、伸線加工中に延性の劣化のない高強度
鋼線材を得る為の方法を提供することにある。
になされたものであって、その目的は金属組織を針状組
織ができるだけ多くなるように調整し、冷間伸線加工性
に優れると共に、伸線加工中に延性の劣化のない高強度
鋼線材を得る為の方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成し得た本
発明とは、C:0.03〜0.3重量%,Si:2重量
%以下,Mn:0.3〜2.5重量%を夫々含有し、残
部Feおよび不可避不純物からなる鋼線材を、マルテン
サイト若しくはベイナイトを主体とする組織とした後、
またはマルテンサイト若しくはベイナイトとフェライト
の混合組織とした後、フェライト・オーステナイト域に
加熱する際、(Ac1−20℃)未満の温度域を平均速
度:10〜100℃/秒、(Ac1−20℃)以上の温度
域を平均速度:0.1〜2℃/秒で加熱し、次いで前記
フェライト・オーステナイト域から冷却することによっ
て、一部残留オーステナイトを含有してもよいマルテン
サイト若しくはベイナイトまたはこれらの混合組織から
なる低温変態生成相が、15〜40%の体積分率で、且
つそのうちの塊状低温変態生成相が30%以下で、残り
が針状低温変態生成相であり、これらがフェライト相中
に均一に分散されてなる混合組織とする点に要旨を有す
る高強度鋼線材の製造方法である。
発明とは、C:0.03〜0.3重量%,Si:2重量
%以下,Mn:0.3〜2.5重量%を夫々含有し、残
部Feおよび不可避不純物からなる鋼線材を、マルテン
サイト若しくはベイナイトを主体とする組織とした後、
またはマルテンサイト若しくはベイナイトとフェライト
の混合組織とした後、フェライト・オーステナイト域に
加熱する際、(Ac1−20℃)未満の温度域を平均速
度:10〜100℃/秒、(Ac1−20℃)以上の温度
域を平均速度:0.1〜2℃/秒で加熱し、次いで前記
フェライト・オーステナイト域から冷却することによっ
て、一部残留オーステナイトを含有してもよいマルテン
サイト若しくはベイナイトまたはこれらの混合組織から
なる低温変態生成相が、15〜40%の体積分率で、且
つそのうちの塊状低温変態生成相が30%以下で、残り
が針状低温変態生成相であり、これらがフェライト相中
に均一に分散されてなる混合組織とする点に要旨を有す
る高強度鋼線材の製造方法である。
【0009】
【作用】本発明者らは、冷間伸線性に優れ、伸線加工中
に延性の劣化の少ない金属組織にすべく、その製造条件
について様々な角度から検討した。その結果、所定の化
学成分を有する鋼線材を、マルテンサイト若しくはベイ
ナイト主体の組織とした後、またはマルテンサイト若し
くはベイナイトとフェライトの混合組織とした後、フェ
ライト・オーステナイト域に加熱する際、所定の速度で
加熱し、その後冷却することによって、一部残留オース
テナイトを含有してもよい針状マルテンサイト若しくは
ベイナイト、またはこれらの混合組織からなる微細な低
温変態生成相が、フェライト中に適当量均一に分散され
てなる複合組織に最終的に調整すれば、希望する線材が
得られることを見出し、本発明を完成した。
に延性の劣化の少ない金属組織にすべく、その製造条件
について様々な角度から検討した。その結果、所定の化
学成分を有する鋼線材を、マルテンサイト若しくはベイ
ナイト主体の組織とした後、またはマルテンサイト若し
くはベイナイトとフェライトの混合組織とした後、フェ
ライト・オーステナイト域に加熱する際、所定の速度で
加熱し、その後冷却することによって、一部残留オース
テナイトを含有してもよい針状マルテンサイト若しくは
ベイナイト、またはこれらの混合組織からなる微細な低
温変態生成相が、フェライト中に適当量均一に分散され
てなる複合組織に最終的に調整すれば、希望する線材が
得られることを見出し、本発明を完成した。
【0010】本発明によって製造される線材は、所定の
化学組成を有すると共に、所定の体積分率にて低温変態
生成相がフェライト中に均一に分散分布されてなる従来
にない特異な複合組織を有する。また上記低温変態生成
相の針状粒子の平均換算粒子径は3μm以下であって、
著しく微細である。従って、延性のみならず強加工性に
優れたものとなり、例えば99%以上(好ましくは9
9.8%以上)の加工率による伸線加工を行なうことが
でき、しかも得られた伸線材は高強度高延性であるばか
りでなく、優れた疲労特性を有するものとなる。
化学組成を有すると共に、所定の体積分率にて低温変態
生成相がフェライト中に均一に分散分布されてなる従来
にない特異な複合組織を有する。また上記低温変態生成
相の針状粒子の平均換算粒子径は3μm以下であって、
著しく微細である。従って、延性のみならず強加工性に
優れたものとなり、例えば99%以上(好ましくは9
9.8%以上)の加工率による伸線加工を行なうことが
でき、しかも得られた伸線材は高強度高延性であるばか
りでなく、優れた疲労特性を有するものとなる。
【0011】尚本発明において、針状(elongat
edまたはacicular)とは、粒子が方向性を有
していることを言い、塊状(globular)とは、
粒子が方向性を有しないことを言う。また針状粒子の換
算粒子径とは、針状粒子の軸直角断面を円に換算したと
きの直径を意味する。本発明で対象とする線材における
化学成分の範囲限定理由は次の通りである。
edまたはacicular)とは、粒子が方向性を有
していることを言い、塊状(globular)とは、
粒子が方向性を有しないことを言う。また針状粒子の換
算粒子径とは、針状粒子の軸直角断面を円に換算したと
きの直径を意味する。本発明で対象とする線材における
化学成分の範囲限定理由は次の通りである。
【0012】C:0.03〜0.3重量% Cは、鋼が本発明で規定する最終金属組織を有する為
に、0.03重量%以上含有させる必要がある。しかし
ながら、Cの含有量が0.3重量%を超えると、針状マ
ルテンサイト若しくは針状ベイナイトまたはこれらの混
合組織からなる低温変態生成相(以下、単に第2相と呼
ぶことがある)の延性が劣化する様になる。こうしたこ
とから、Cの含有量は、0.03〜0.3重量%と規定
した。
に、0.03重量%以上含有させる必要がある。しかし
ながら、Cの含有量が0.3重量%を超えると、針状マ
ルテンサイト若しくは針状ベイナイトまたはこれらの混
合組織からなる低温変態生成相(以下、単に第2相と呼
ぶことがある)の延性が劣化する様になる。こうしたこ
とから、Cの含有量は、0.03〜0.3重量%と規定
した。
【0013】Si:2重量%以下 Siは、フェライト相の強化元素として有効であるが、
Siの含有量が2重量%を超えると変態温度を著しく高
温側にずらせ、また鋼材の表面の脱炭を起こしやすくな
るので、2重量%を上限とした。
Siの含有量が2重量%を超えると変態温度を著しく高
温側にずらせ、また鋼材の表面の脱炭を起こしやすくな
るので、2重量%を上限とした。
【0014】Mn:0.3〜2.5重量% Mnは、鋼を強化すると共に、第2相の焼入れ性を高
め、またその形態を針状化するのに有効であり、その効
果を達成するには0.5重量%以上含有させる必要があ
る。しかしながら2.5重量%を超えて過剰に含有させ
ても、その効果が飽和するので、2.5重量%を上限と
した。
め、またその形態を針状化するのに有効であり、その効
果を達成するには0.5重量%以上含有させる必要があ
る。しかしながら2.5重量%を超えて過剰に含有させ
ても、その効果が飽和するので、2.5重量%を上限と
した。
【0015】本発明に係る鋼線材は、上記各元素を基本
成分とし、残部Feおよび不可避不純物からなるもので
あるが、不可避不純物中のS,P,N等は下記の様に調
整するのが良い。まずSについては、鋼中のMnS量を
少なくするという観点から、0.005重量%以下とす
るのがよく、これにより鋼の延性が向上する。またPは
粒界偏析の著しい元素であるので、その含有量は0.0
1重量%以下とするのが好ましい。Nは固溶状態で存在
すると、最も時効しやすい元素である。従って、加工中
に時効して加工性を阻害し、或は加工後にも時効して、
加工材の延性を劣化させるので、0.003重量%以下
とするのが好ましい。一方、CaやCe等の希土類元素
を添加することによって、MnS介在物の形状を調整す
ることも好ましい。
成分とし、残部Feおよび不可避不純物からなるもので
あるが、不可避不純物中のS,P,N等は下記の様に調
整するのが良い。まずSについては、鋼中のMnS量を
少なくするという観点から、0.005重量%以下とす
るのがよく、これにより鋼の延性が向上する。またPは
粒界偏析の著しい元素であるので、その含有量は0.0
1重量%以下とするのが好ましい。Nは固溶状態で存在
すると、最も時効しやすい元素である。従って、加工中
に時効して加工性を阻害し、或は加工後にも時効して、
加工材の延性を劣化させるので、0.003重量%以下
とするのが好ましい。一方、CaやCe等の希土類元素
を添加することによって、MnS介在物の形状を調整す
ることも好ましい。
【0016】次に、本発明の製造方法について説明す
る。強加工性の優れた高強度低炭素鋼線材は、上記した
ような化学成分組成を有する鋼の組織を旧オーステナイ
ト粒径が35μm以下の針状ベイナイト若しくは針状マ
ルテンサイトまたはこれらの混合組織とした後、Ac1〜
Ac3温度域に加熱して、オーステナイト化分率が約20
%以上となるようにオーステナイト化を進行させ、次い
で平均冷却速度40〜150℃/秒にて常温乃至500
℃まで冷却することによって製造される。即ち、金属組
織における第2相を最終的に微細な針状組織とするため
に、前記所定の化学成分組成を有する鋼をAc1〜Ac3温
度域に加熱する前に、その組織を、一部残留オーステナ
イトを含有していてもよい旧オーステナイト粒径が35
μm以下(好ましくは20μm以下)のベイナイト若し
くはマルテンサイトまたはこれらの混合組織(以下、こ
れらを単に前組織ということがある)とする。前組織を
このように微細化することによって、最終組織を微細化
して鋼の延性および靭性を向上させ、かくして鋼に所要
の強度を付与することができる。
る。強加工性の優れた高強度低炭素鋼線材は、上記した
ような化学成分組成を有する鋼の組織を旧オーステナイ
ト粒径が35μm以下の針状ベイナイト若しくは針状マ
ルテンサイトまたはこれらの混合組織とした後、Ac1〜
Ac3温度域に加熱して、オーステナイト化分率が約20
%以上となるようにオーステナイト化を進行させ、次い
で平均冷却速度40〜150℃/秒にて常温乃至500
℃まで冷却することによって製造される。即ち、金属組
織における第2相を最終的に微細な針状組織とするため
に、前記所定の化学成分組成を有する鋼をAc1〜Ac3温
度域に加熱する前に、その組織を、一部残留オーステナ
イトを含有していてもよい旧オーステナイト粒径が35
μm以下(好ましくは20μm以下)のベイナイト若し
くはマルテンサイトまたはこれらの混合組織(以下、こ
れらを単に前組織ということがある)とする。前組織を
このように微細化することによって、最終組織を微細化
して鋼の延性および靭性を向上させ、かくして鋼に所要
の強度を付与することができる。
【0017】旧オーステナイト粒径を35μm以下に調
整するには、造塊または連続鋳造により得られた鋼を熱
間加工するに際して、オーステナイトの再結晶や粒成長
の進行が著しく遅い温度域、即ち980℃以下であっ
て、且つ、Ar3点以上の温度範囲において減面率30%
以上で熱間加工することが必要である。熱間加工温度が
980℃を超える温度であるときは、オーステナイトが
再結晶や粒成長し易く、また加工減面率が30%よりも
少ないときは、オーステナイト粒径を細粒化することが
できない。更に、10〜20μm程度のオーステナイト
細粒を得るには、上記加工条件に加えて、最終加工パス
を900℃以下とする必要があり、5〜10μm程度の
極細粒を得るためには、上記最終加工における歪速度を
300/秒以上とする必要がある。
整するには、造塊または連続鋳造により得られた鋼を熱
間加工するに際して、オーステナイトの再結晶や粒成長
の進行が著しく遅い温度域、即ち980℃以下であっ
て、且つ、Ar3点以上の温度範囲において減面率30%
以上で熱間加工することが必要である。熱間加工温度が
980℃を超える温度であるときは、オーステナイトが
再結晶や粒成長し易く、また加工減面率が30%よりも
少ないときは、オーステナイト粒径を細粒化することが
できない。更に、10〜20μm程度のオーステナイト
細粒を得るには、上記加工条件に加えて、最終加工パス
を900℃以下とする必要があり、5〜10μm程度の
極細粒を得るためには、上記最終加工における歪速度を
300/秒以上とする必要がある。
【0018】尚、旧オーステナイト粒径を調整するため
の上記熱間加工後に、冷間加工を加えて所望の形状とす
ることもできるが、この場合、冷間加工の加工率は40
%までとするのが良い。上記前組織に40%よりも大き
い冷間加工を加えたときは、後述するAc1〜Ac3温度域
への加熱時にマルテンサイトの再結晶が起こり、目的と
する最終組織を得ることができない。
の上記熱間加工後に、冷間加工を加えて所望の形状とす
ることもできるが、この場合、冷間加工の加工率は40
%までとするのが良い。上記前組織に40%よりも大き
い冷間加工を加えたときは、後述するAc1〜Ac3温度域
への加熱時にマルテンサイトの再結晶が起こり、目的と
する最終組織を得ることができない。
【0019】次に、前組織を針状ベイナイト若しくは針
状マルテンサイトまたはこれらの混合組織とするための
方法について説明する。その第1の方法は、圧延工程中
に上記の前組織を得る方法であって、鋼を制御圧延する
か、または熱間圧延した後に加速冷却することによって
達成される。加速冷却時の冷却速度は5℃/秒以上とす
ることが必要であり、これよりも小さい冷却速度では、
通常のフェライト・パーライト組織となる。前組織を得
るための第2の方法は、圧延した鋼を改めて熱処理する
方法であり、鋼をAc3点以上のオーステナイト域に加熱
した後に調整冷却する。この方法による場合の加熱温度
は、Ac3〜(Ac3+150℃)の範囲であることが望ま
しい。
状マルテンサイトまたはこれらの混合組織とするための
方法について説明する。その第1の方法は、圧延工程中
に上記の前組織を得る方法であって、鋼を制御圧延する
か、または熱間圧延した後に加速冷却することによって
達成される。加速冷却時の冷却速度は5℃/秒以上とす
ることが必要であり、これよりも小さい冷却速度では、
通常のフェライト・パーライト組織となる。前組織を得
るための第2の方法は、圧延した鋼を改めて熱処理する
方法であり、鋼をAc3点以上のオーステナイト域に加熱
した後に調整冷却する。この方法による場合の加熱温度
は、Ac3〜(Ac3+150℃)の範囲であることが望ま
しい。
【0020】このようにAc1〜Ac3域に加熱する前の組
織を、従来のフェライト・パーライト組織に替えて、残
留オーステナイトを含有していてもよいマルテンサイト
若しくはベイナイト又はこれらの混合組織からなる低温
変態生成相とした鋼を、Ac1〜Ac3域に加熱することに
より、低温変態生成相のラス境界に存在している残留オ
ーステナイト若しくはセメンタイトを優先核として、初
期オーステナイト粒が多数生成し、上記ラス境界に沿っ
て成長する。
織を、従来のフェライト・パーライト組織に替えて、残
留オーステナイトを含有していてもよいマルテンサイト
若しくはベイナイト又はこれらの混合組織からなる低温
変態生成相とした鋼を、Ac1〜Ac3域に加熱することに
より、低温変態生成相のラス境界に存在している残留オ
ーステナイト若しくはセメンタイトを優先核として、初
期オーステナイト粒が多数生成し、上記ラス境界に沿っ
て成長する。
【0021】次いで、所定の条件下での冷却によってこ
のオーステナイトから変態するマルテンサイトまたはベ
イナイトを針状にして、周囲のフェライト相に対して整
合性のよいものとし、かくして従来のフェライト・パー
ライト前組織に比較して、第2相粒子を格段に微細化す
ることができる。従って、Ac1〜Ac3域への加熱および
冷却の条件が重要である。即ち、条件によっては、第2
相が塊状化し、或は第2相に塊状の粒子が混在して、強
加工性を損なうこととなるからである。
のオーステナイトから変態するマルテンサイトまたはベ
イナイトを針状にして、周囲のフェライト相に対して整
合性のよいものとし、かくして従来のフェライト・パー
ライト前組織に比較して、第2相粒子を格段に微細化す
ることができる。従って、Ac1〜Ac3域への加熱および
冷却の条件が重要である。即ち、条件によっては、第2
相が塊状化し、或は第2相に塊状の粒子が混在して、強
加工性を損なうこととなるからである。
【0022】より詳細に説明すれば、微細なベイナイト
若しくはマルテンサイトまたはこれらの混合組織からな
る前組織をオーステナイト域に加熱する際の逆変態は、
オーステナイト分率が約20%までは旧オーステナイト
粒界から塊状オーステナイトが生成し、また粒内からは
針状オーステナイトが生成することにより開始されるの
で、この状態から、例えば150〜200℃/秒以上の
冷却速度で急冷することによって、針状と塊状の低温変
態生成相がフェライト中に分散した組織となる。従っ
て、旧オーステナイトが細粒であるほど、塊状オーステ
ナイトの生成頻度が高い。オーステナイト化が更に約4
0%以上進行すると、針状オーステナイト粒子相互が合
体して塊状オーステナイトへと変化するので、この状態
から急冷すると、フェライトと粗大な塊状の低温変態生
成相との混合組織を形成する。更にオーステナイト化が
約90%以上進行すれば、塊状オーステナイト相互が合
体成長してオーステナイト化が完了するので、この状態
から急冷すれば、低温変態生成相が主体の組織となる。
若しくはマルテンサイトまたはこれらの混合組織からな
る前組織をオーステナイト域に加熱する際の逆変態は、
オーステナイト分率が約20%までは旧オーステナイト
粒界から塊状オーステナイトが生成し、また粒内からは
針状オーステナイトが生成することにより開始されるの
で、この状態から、例えば150〜200℃/秒以上の
冷却速度で急冷することによって、針状と塊状の低温変
態生成相がフェライト中に分散した組織となる。従っ
て、旧オーステナイトが細粒であるほど、塊状オーステ
ナイトの生成頻度が高い。オーステナイト化が更に約4
0%以上進行すると、針状オーステナイト粒子相互が合
体して塊状オーステナイトへと変化するので、この状態
から急冷すると、フェライトと粗大な塊状の低温変態生
成相との混合組織を形成する。更にオーステナイト化が
約90%以上進行すれば、塊状オーステナイト相互が合
体成長してオーステナイト化が完了するので、この状態
から急冷すれば、低温変態生成相が主体の組織となる。
【0023】そこで、本発明の方法においては、前記前
組織に調整した鋼をAc1〜Ac3域に加熱するに際し、予
めマルテンサイト若しくはベイナイト主体の組織、また
はマルテンサイト若しくはベイナイトとフェライトの混
合組織とした後、フェライト・オーステナイト域に加熱
する際、(Ac1−20℃)以上の温度域を平均速度:
0.1〜2℃/秒で加熱する必要がある。この理由は、
線材の金属組織における低温生成相が主として針状であ
ることが好ましく、望ましくは全低温生成相に占める針
状相の体積率が80%以上であることが好ましく、これ
以上の加熱速度ではオーステナイトの成長速度が大き
く、針状オーステナイトの生成、成長よりも旧オーステ
ナイト粒界に生成した塊状オーステナイトの成長が優先
されて、塊状オーステナイト主体の組織となり伸線中の
延性劣化や断線を生じやすくなる。それ以下では熱処理
時間が長くなりすぎて工業的には生産性の低下をきた
す。従って、フェライト・オーステナイト域に加熱する
際、(Ac1−20℃)以上の温度域の平均速度を0.1
〜2℃/秒と規定した。但し、(Ac1−20℃)未満の
温度域においては、平均速度:10〜100℃/秒程度
の加熱で良い。それ以下の加熱速度では、針状オーステ
ナイト生成の起点となる粒内炭化物が減少して、結果的
に塊状が増加する。それ以上では高周波加熱など新たな
設備導入などの投資が必要となると共に、粒径が細かく
なり過ぎて塊状オーステナイトが増加する。そのオース
テナイト化をオーステナイト化分率が約20%以上と
し、この状態から平均冷却速度40〜150℃/秒にて
常温乃至500℃の温度まで冷却することにより、冷却
中の変態過程において塊状オーステナイトからフェライ
トと針状オーステナイトとを分離させ、この針状オース
テナイトを低温変態生成相に変態させることにより、一
部残留オーステナイトを含有していてもよい針状マルテ
ンサイト若しくは針状ベイナイトまたはこれらの混合組
織からなる微細な低温変態生成相がフェライト相中に均
一に分散された最終金属組織を得るのである。
組織に調整した鋼をAc1〜Ac3域に加熱するに際し、予
めマルテンサイト若しくはベイナイト主体の組織、また
はマルテンサイト若しくはベイナイトとフェライトの混
合組織とした後、フェライト・オーステナイト域に加熱
する際、(Ac1−20℃)以上の温度域を平均速度:
0.1〜2℃/秒で加熱する必要がある。この理由は、
線材の金属組織における低温生成相が主として針状であ
ることが好ましく、望ましくは全低温生成相に占める針
状相の体積率が80%以上であることが好ましく、これ
以上の加熱速度ではオーステナイトの成長速度が大き
く、針状オーステナイトの生成、成長よりも旧オーステ
ナイト粒界に生成した塊状オーステナイトの成長が優先
されて、塊状オーステナイト主体の組織となり伸線中の
延性劣化や断線を生じやすくなる。それ以下では熱処理
時間が長くなりすぎて工業的には生産性の低下をきた
す。従って、フェライト・オーステナイト域に加熱する
際、(Ac1−20℃)以上の温度域の平均速度を0.1
〜2℃/秒と規定した。但し、(Ac1−20℃)未満の
温度域においては、平均速度:10〜100℃/秒程度
の加熱で良い。それ以下の加熱速度では、針状オーステ
ナイト生成の起点となる粒内炭化物が減少して、結果的
に塊状が増加する。それ以上では高周波加熱など新たな
設備導入などの投資が必要となると共に、粒径が細かく
なり過ぎて塊状オーステナイトが増加する。そのオース
テナイト化をオーステナイト化分率が約20%以上と
し、この状態から平均冷却速度40〜150℃/秒にて
常温乃至500℃の温度まで冷却することにより、冷却
中の変態過程において塊状オーステナイトからフェライ
トと針状オーステナイトとを分離させ、この針状オース
テナイトを低温変態生成相に変態させることにより、一
部残留オーステナイトを含有していてもよい針状マルテ
ンサイト若しくは針状ベイナイトまたはこれらの混合組
織からなる微細な低温変態生成相がフェライト相中に均
一に分散された最終金属組織を得るのである。
【0024】前記平均冷却速度が40℃/秒よりも遅い
場合には、塊状オーステナイトからポリゴナルフェライ
トが生成し、残留する塊状オーステナイト粒子は塊状第
2相に変態し、一方冷却速度が150℃/秒よりも速い
場合には、上記したように塊状第2相が生成する。また
本発明の鋼線材においては、フェライト相中における第
2相の体積分率は15〜40%の範囲とする必要があ
る。第2相の体積分率がこの範囲にあるとき、第2相粒
子は針状であり、且つその平均換算粒子径が3μm以下
となり、かくして、本発明の鋼線材は従来にない独特の
複合組織を有するために、優れた強加工性を有する。ま
た第2相の体積分率が上記範囲をはずれるとき、上記条
件下での冷却によっても、最終組織中に塊状第2相が混
入しやすい。
場合には、塊状オーステナイトからポリゴナルフェライ
トが生成し、残留する塊状オーステナイト粒子は塊状第
2相に変態し、一方冷却速度が150℃/秒よりも速い
場合には、上記したように塊状第2相が生成する。また
本発明の鋼線材においては、フェライト相中における第
2相の体積分率は15〜40%の範囲とする必要があ
る。第2相の体積分率がこの範囲にあるとき、第2相粒
子は針状であり、且つその平均換算粒子径が3μm以下
となり、かくして、本発明の鋼線材は従来にない独特の
複合組織を有するために、優れた強加工性を有する。ま
た第2相の体積分率が上記範囲をはずれるとき、上記条
件下での冷却によっても、最終組織中に塊状第2相が混
入しやすい。
【0025】上記冷却停止温度は常温乃至500℃であ
る必要がある。これは、低温変態生成相としてベイナイ
ト若しくはマルテンサイトまたはこれらの混合組織を得
るためであると共に、この温度範囲内で冷却速度を遅く
し、また或は停止することによって、生成した第2相の
焼戻しを兼ねさせることもできるからである。
る必要がある。これは、低温変態生成相としてベイナイ
ト若しくはマルテンサイトまたはこれらの混合組織を得
るためであると共に、この温度範囲内で冷却速度を遅く
し、また或は停止することによって、生成した第2相の
焼戻しを兼ねさせることもできるからである。
【0026】以下本発明を実施例によって更に詳細に説
明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のもので
はなく、前・後記の趣旨に徴して設計変更することはい
ずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のもので
はなく、前・後記の趣旨に徴して設計変更することはい
ずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0027】
【実施例】表1に示す化学成分組成を有する鋼を5.5
mm径線材に圧延した後、線径2.5mmまで中間伸線を行
った。その線材を再加熱後に急冷し、前組織をマルテン
サイト組織とした。引き続いてAc1−Ac3域に加熱後に
急冷してフェライト地にマルテンサイトが分散した組織
とした。このとき、表2に示すように加熱速度を種々変
化させた。そのとき得られた線材の引張強度,破断絞
り,低温変態生成相の体積分率および低温変態生成相に
占める塊状マルテンサイト分率を合わせて表2に示し
た。尚塊状マルテンサイトとはその短径が3μm以上の
マルテンサイト粒子をいい、全マルテンサイト中に占め
る塊状マルテンサイトの面積率を塊状マルテンサイト分
率とした。
mm径線材に圧延した後、線径2.5mmまで中間伸線を行
った。その線材を再加熱後に急冷し、前組織をマルテン
サイト組織とした。引き続いてAc1−Ac3域に加熱後に
急冷してフェライト地にマルテンサイトが分散した組織
とした。このとき、表2に示すように加熱速度を種々変
化させた。そのとき得られた線材の引張強度,破断絞
り,低温変態生成相の体積分率および低温変態生成相に
占める塊状マルテンサイト分率を合わせて表2に示し
た。尚塊状マルテンサイトとはその短径が3μm以上の
マルテンサイト粒子をいい、全マルテンサイト中に占め
る塊状マルテンサイトの面積率を塊状マルテンサイト分
率とした。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】図1(A),(B)は、本発明による線材
[No. 2:図1(A)]と、比較例の線材[No. 5:図
1(B)]の金属組織を示す図面代用顕微鏡写真であ
る。白く見えるのがマルテンサイト粒子で、暗く見える
のがフェライトマトリックスである。(Ac1−20℃)
以上における加熱速度の差によるマルテンサイト粒子の
形状の違いは明白であり、線材No. 2のマルテンサイト
はほとんどが針状であるが、線材No. 5のマルテンサイ
トは塊状のものが非常に多いことが分かる。
[No. 2:図1(A)]と、比較例の線材[No. 5:図
1(B)]の金属組織を示す図面代用顕微鏡写真であ
る。白く見えるのがマルテンサイト粒子で、暗く見える
のがフェライトマトリックスである。(Ac1−20℃)
以上における加熱速度の差によるマルテンサイト粒子の
形状の違いは明白であり、線材No. 2のマルテンサイト
はほとんどが針状であるが、線材No. 5のマルテンサイ
トは塊状のものが非常に多いことが分かる。
【0031】次に、本発明線材No. 1と比較例の線材N
o. 4の伸線結果を図2に示す。線材No. 4は伸線歪4
程度から延性の低下が見られ、強度の上昇も頭打ちとな
っている。しかし、本発明の線材No. 1は伸線歪6以上
の伸線が可能であって、しかも、300kgf/mm2 以上の
高強度鋼延性伸線材を得ることができることが分かる。
o. 4の伸線結果を図2に示す。線材No. 4は伸線歪4
程度から延性の低下が見られ、強度の上昇も頭打ちとな
っている。しかし、本発明の線材No. 1は伸線歪6以上
の伸線が可能であって、しかも、300kgf/mm2 以上の
高強度鋼延性伸線材を得ることができることが分かる。
【0032】次に、本発明線材No. 2と比較例の線材N
o. 5およびNo. 7の伸線結果を図3に示す。線材No.
5は伸線歪4程度から、またNo. 7は伸線歪5程度から
延性の低下が見られ、強度の上昇も頭打ちとなってい
る。しかし、本発明の線材No. 2は伸線歪み6以上の伸
線が可能であって、しかも、350kgf/mm2 以上の高強
度高延性伸線材が得られることが分かる。
o. 5およびNo. 7の伸線結果を図3に示す。線材No.
5は伸線歪4程度から、またNo. 7は伸線歪5程度から
延性の低下が見られ、強度の上昇も頭打ちとなってい
る。しかし、本発明の線材No. 2は伸線歪み6以上の伸
線が可能であって、しかも、350kgf/mm2 以上の高強
度高延性伸線材が得られることが分かる。
【0033】次に、本発明の線材No. 3と比較例の線材
No. 6の伸線結果を図4に示す。線材No. 6は伸線歪3
程度から延性の低下が見られ、強度の上昇も頭打ちとな
っている。しかし、本発明の線材No. 3は伸線歪6以上
の伸線が可能であって、しかも、400kgf/mm2 以上の
高強度鋼延性伸線材が得られていることが分かる。
No. 6の伸線結果を図4に示す。線材No. 6は伸線歪3
程度から延性の低下が見られ、強度の上昇も頭打ちとな
っている。しかし、本発明の線材No. 3は伸線歪6以上
の伸線が可能であって、しかも、400kgf/mm2 以上の
高強度鋼延性伸線材が得られていることが分かる。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、以上のように、所定の
化学組成を有する低炭素鋼の組織を予めベイナイト、マ
ルテンサイトまたはこれらの微細混合組織とし、次い
で、所定の加熱速度でフェライト・オーステナイト域へ
加熱し、その後冷却することにより、強冷間伸線性に優
れた針状の低温生成相がフェライト相中に微細に分散し
た組織となり、強冷間伸線に際しても延性の劣化や断線
を生じることなく、高強度高延性極細鋼線を得ることが
できる。
化学組成を有する低炭素鋼の組織を予めベイナイト、マ
ルテンサイトまたはこれらの微細混合組織とし、次い
で、所定の加熱速度でフェライト・オーステナイト域へ
加熱し、その後冷却することにより、強冷間伸線性に優
れた針状の低温生成相がフェライト相中に微細に分散し
た組織となり、強冷間伸線に際しても延性の劣化や断線
を生じることなく、高強度高延性極細鋼線を得ることが
できる。
【図1】本発明の線材No. 2[図1(A)]と、比較例
の線材No. 5[図1(B)]の金属組織を示す図面代用
顕微鏡写真である。
の線材No. 5[図1(B)]の金属組織を示す図面代用
顕微鏡写真である。
【図2】本発明の線材No. 1と比較例の線材No. 4の伸
線結果を示すグラフである。
線結果を示すグラフである。
【図3】本発明の線材No. 2と比較例の線材No. 5およ
びNo. 7の伸線結果を示すグラフである。
びNo. 7の伸線結果を示すグラフである。
【図4】本発明の線材No. 3と比較例の線材No. 6の伸
線結果を示すグラフである。
線結果を示すグラフである。
Claims (1)
- 【請求項1】 C:0.03〜0.3重量%,Si:2
重量%以下,Mn:0.3〜2.5重量%を夫々含有
し、残部Feおよび不可避不純物からなる鋼線材を、マ
ルテンサイト若しくはベイナイトを主体とする組織とし
た後、またはマルテンサイト若しくはベイナイトとフェ
ライトの混合組織とした後、フェライト・オーステナイ
ト域に加熱する際、(Ac1−20℃)未満の温度域を平
均速度:10〜100℃/秒、(Ac1−20℃)以上の
温度域を平均速度:0.1〜2℃/秒で加熱し、次いで
前記フェライト・オーステナイト域から冷却することに
よって、一部残留オーステナイトを含有してもよいマル
テンサイト若しくはベイナイトまたはこれらの混合組織
からなる低温変態生成相が、15〜40%の体積分率
で、且つそのうちの塊状低温変態生成相が30%以下
で、残りが針状低温変態生成相であり、これらがフェラ
イト相中に均一に分散されてなる混合組織とすることを
特徴とする冷間伸線性に優れた高強度鋼線材の製造方
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9624593A JPH06306483A (ja) | 1993-04-22 | 1993-04-22 | 冷間伸線性に優れた高強度鋼線材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9624593A JPH06306483A (ja) | 1993-04-22 | 1993-04-22 | 冷間伸線性に優れた高強度鋼線材の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06306483A true JPH06306483A (ja) | 1994-11-01 |
Family
ID=14159847
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9624593A Withdrawn JPH06306483A (ja) | 1993-04-22 | 1993-04-22 | 冷間伸線性に優れた高強度鋼線材の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06306483A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2005271716A (ja) * | 2004-03-24 | 2005-10-06 | Fuji Seiko Kk | タイヤ用ケーブルビードの環状芯線、そのための芯線及び環状芯線の製造方法 |
| KR100584765B1 (ko) * | 2001-12-27 | 2006-05-30 | 주식회사 포스코 | 지연파괴저항성과 연신율이 우수한 고강도 강가공물의제조방법 |
| KR101428172B1 (ko) * | 2012-07-13 | 2014-08-07 | 주식회사 포스코 | 강도가 우수한 스프링용 선재 및 강선 및 이들의 제조방법 |
-
1993
- 1993-04-22 JP JP9624593A patent/JPH06306483A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100584765B1 (ko) * | 2001-12-27 | 2006-05-30 | 주식회사 포스코 | 지연파괴저항성과 연신율이 우수한 고강도 강가공물의제조방법 |
| JP2005271716A (ja) * | 2004-03-24 | 2005-10-06 | Fuji Seiko Kk | タイヤ用ケーブルビードの環状芯線、そのための芯線及び環状芯線の製造方法 |
| KR101428172B1 (ko) * | 2012-07-13 | 2014-08-07 | 주식회사 포스코 | 강도가 우수한 스프링용 선재 및 강선 및 이들의 제조방법 |
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