JPH06306588A - 成膜装置及びそれを用いた複数の物質からなる 膜の製造方法 - Google Patents
成膜装置及びそれを用いた複数の物質からなる 膜の製造方法Info
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- JPH06306588A JPH06306588A JP5101198A JP10119893A JPH06306588A JP H06306588 A JPH06306588 A JP H06306588A JP 5101198 A JP5101198 A JP 5101198A JP 10119893 A JP10119893 A JP 10119893A JP H06306588 A JPH06306588 A JP H06306588A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 所望の特性を有する「複数の物質からなる
膜」を再現性よく得る。 【構成】 真空容器10と、容器内を所定の圧力に設定
するための排気手段17と、プラズマを生成して容器の
内部に導入するプラズマ生成手段1と、容器内に設置さ
れた基板6を保持する基板保持手段7および成膜する膜
を形成する複数の膜形成物質A、Bを支持する形成物質
支持手段5、2と、膜形成物質のうちの1つの物質Bと
真空空間に導入されたプラズマ4との距離を調整する移
動手段5とで成膜装置を構成し、この装置で複数の物質
からなる膜を製造した。
膜」を再現性よく得る。 【構成】 真空容器10と、容器内を所定の圧力に設定
するための排気手段17と、プラズマを生成して容器の
内部に導入するプラズマ生成手段1と、容器内に設置さ
れた基板6を保持する基板保持手段7および成膜する膜
を形成する複数の膜形成物質A、Bを支持する形成物質
支持手段5、2と、膜形成物質のうちの1つの物質Bと
真空空間に導入されたプラズマ4との距離を調整する移
動手段5とで成膜装置を構成し、この装置で複数の物質
からなる膜を製造した。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、合金のような複数の物
質からなる膜の製造方法およびそれに使用する成膜装置
に関する。
質からなる膜の製造方法およびそれに使用する成膜装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、一般的な成膜方法として、真空蒸
着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、C
VD(化学的気相成長法)等が利用されている。これら
の成膜方法にはそれぞれに特徴があり、通常は成膜する
膜を形成している物質(以下、「膜形成物質」という)
に応じて使い分けられている。例えば、光学膜である反
射防止膜や反射増加膜を成膜する際は、主に真空蒸着法
が用いられていた。この方法は、所定の真空度に設定し
た空間内で蒸発物を過熱し、蒸発した分子を基板上に堆
積させることで成膜を行うものである。ところで、膜を
形成する物質は1種類に限られるものではなく、合金や
化合物のような複数の物質からなる(つまり、前記膜形
成物質が複数種類である)膜が必要となる場合もある。
着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、C
VD(化学的気相成長法)等が利用されている。これら
の成膜方法にはそれぞれに特徴があり、通常は成膜する
膜を形成している物質(以下、「膜形成物質」という)
に応じて使い分けられている。例えば、光学膜である反
射防止膜や反射増加膜を成膜する際は、主に真空蒸着法
が用いられていた。この方法は、所定の真空度に設定し
た空間内で蒸発物を過熱し、蒸発した分子を基板上に堆
積させることで成膜を行うものである。ところで、膜を
形成する物質は1種類に限られるものではなく、合金や
化合物のような複数の物質からなる(つまり、前記膜形
成物質が複数種類である)膜が必要となる場合もある。
【0003】このような複数の物質からなる膜を真空蒸
着法を用いて成膜する場合、反応ガスの導入による化合
物の形成というかたちで成膜ができないときは、蒸発る
つぼ等の蒸発源を複数設けてこの蒸発源に膜を形成する
個々の膜形成物質からなる蒸発物を載置する。そして、
この蒸発源に設けられた抵抗加熱、電子銃加熱、高周波
誘導加熱などの加熱手段を用いて蒸発物を各々同時に蒸
発させ、基板上に各蒸発物を堆積させていた。また、同
一の蒸発源に複数の膜形成物質からなる蒸発物を混合さ
せた状態で載置し、これを蒸発させて複数の物質からな
る膜を成膜する場合もあった。さらに、膜が合金により
形成されている場合は、この合金自体をターゲットとし
たスパッタリング法を用いることもあった。このスパッ
タリング法は、ターゲットにイオンを衝突させて、これ
により生じるターゲット材料のスパッタリング作用によ
り成膜を行うものである。一方、酸化物や窒化物などの
化合物からなる膜を成膜する際は、主に反応性ガス(酸
素や窒素)を成膜空間に導入してスッパタリングを行う
反応性スッパタリング法を用いていた。
着法を用いて成膜する場合、反応ガスの導入による化合
物の形成というかたちで成膜ができないときは、蒸発る
つぼ等の蒸発源を複数設けてこの蒸発源に膜を形成する
個々の膜形成物質からなる蒸発物を載置する。そして、
この蒸発源に設けられた抵抗加熱、電子銃加熱、高周波
誘導加熱などの加熱手段を用いて蒸発物を各々同時に蒸
発させ、基板上に各蒸発物を堆積させていた。また、同
一の蒸発源に複数の膜形成物質からなる蒸発物を混合さ
せた状態で載置し、これを蒸発させて複数の物質からな
る膜を成膜する場合もあった。さらに、膜が合金により
形成されている場合は、この合金自体をターゲットとし
たスパッタリング法を用いることもあった。このスパッ
タリング法は、ターゲットにイオンを衝突させて、これ
により生じるターゲット材料のスパッタリング作用によ
り成膜を行うものである。一方、酸化物や窒化物などの
化合物からなる膜を成膜する際は、主に反応性ガス(酸
素や窒素)を成膜空間に導入してスッパタリングを行う
反応性スッパタリング法を用いていた。
【0004】膜の質を考慮して、より高品質な(耐久性
や光学特性がよいなど)膜を成膜するためにプラズマ雰
囲気中で蒸着による成膜を行うイオンプレーティング法
を用いる場合もあった。このイオンプレーティング法で
は、蒸発物から蒸発した原子をイオン化してプラズマを
生成するとともに、電界を与えてこのイオンを基板に衝
突させることで基板上に成膜を行うものである。イオン
プレーティング法は、プラズマの生成方法と蒸発源の構
成によりさらにいくつかの方法に分けることができる。
例えば、成膜が行われる空間を形成するための真空容器
内に高周波励起電圧を印加してグロー放電を起こし、こ
れにより膜の性質を改善する高周波型イオンプレーティ
ング法や、真空容器内にホローカソードを導入してアー
ク放電を起こすホローカソード型イオンプレーティング
法などが知られている。また、最近ではプラズマ生成装
置の陰極を、LaB6(6ホウ化ランタン)からなる主陰極
とこれより熱容量の小さい物質からなる補助陰極とで構
成した複合型陰極とし、この生成装置を用いてプラズマ
を生成する方法(以下、「UR型プラズマ生成法」とい
う)が提案されている(特公平2-50577 )。また、この
UR型プラズマ生成法で生成したプラズマに永久磁石に
より磁場を与えることで、このプラズマをシート状に成
形して広い面積を成膜できるようにした方法も提案され
た(特公平4-23400 )。さらに、この方法をイオンプレ
ーティング法(特開平2ー101160)、スパッタリング法
(特開平2ー104663)、CVD(特開平3-215671)などに
応用した例も知られている。
や光学特性がよいなど)膜を成膜するためにプラズマ雰
囲気中で蒸着による成膜を行うイオンプレーティング法
を用いる場合もあった。このイオンプレーティング法で
は、蒸発物から蒸発した原子をイオン化してプラズマを
生成するとともに、電界を与えてこのイオンを基板に衝
突させることで基板上に成膜を行うものである。イオン
プレーティング法は、プラズマの生成方法と蒸発源の構
成によりさらにいくつかの方法に分けることができる。
例えば、成膜が行われる空間を形成するための真空容器
内に高周波励起電圧を印加してグロー放電を起こし、こ
れにより膜の性質を改善する高周波型イオンプレーティ
ング法や、真空容器内にホローカソードを導入してアー
ク放電を起こすホローカソード型イオンプレーティング
法などが知られている。また、最近ではプラズマ生成装
置の陰極を、LaB6(6ホウ化ランタン)からなる主陰極
とこれより熱容量の小さい物質からなる補助陰極とで構
成した複合型陰極とし、この生成装置を用いてプラズマ
を生成する方法(以下、「UR型プラズマ生成法」とい
う)が提案されている(特公平2-50577 )。また、この
UR型プラズマ生成法で生成したプラズマに永久磁石に
より磁場を与えることで、このプラズマをシート状に成
形して広い面積を成膜できるようにした方法も提案され
た(特公平4-23400 )。さらに、この方法をイオンプレ
ーティング法(特開平2ー101160)、スパッタリング法
(特開平2ー104663)、CVD(特開平3-215671)などに
応用した例も知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】複数の物質からなる膜
を成膜する場合、前述のように複数の蒸発源に膜を形成
する個々の膜形成物質からなる蒸発物を載置してこの蒸
発物を各々同時に蒸発させる真空蒸着法を用いると、そ
れぞれの蒸発物に対して加熱手段を設ける必要があっ
た。そのため、成膜装置の大型化、高価格化といった問
題が生じていた。また、同一の蒸発源に複数の膜形成物
質の蒸発物を混合させた状態で載置してこれを蒸発させ
て成膜する方法では、各蒸発物間の蒸気圧が異なるのに
対し成膜が行われる空間の圧力(真空度)がほぼ一定に
維持されているため、得られた膜における前記膜形成物
質の成分比が所定の割合となるように制御することが困
難であった。そのため、成膜された膜の成分比の再現性
が低く、所望の特性を有する膜を安定して供給すること
ができなかった。
を成膜する場合、前述のように複数の蒸発源に膜を形成
する個々の膜形成物質からなる蒸発物を載置してこの蒸
発物を各々同時に蒸発させる真空蒸着法を用いると、そ
れぞれの蒸発物に対して加熱手段を設ける必要があっ
た。そのため、成膜装置の大型化、高価格化といった問
題が生じていた。また、同一の蒸発源に複数の膜形成物
質の蒸発物を混合させた状態で載置してこれを蒸発させ
て成膜する方法では、各蒸発物間の蒸気圧が異なるのに
対し成膜が行われる空間の圧力(真空度)がほぼ一定に
維持されているため、得られた膜における前記膜形成物
質の成分比が所定の割合となるように制御することが困
難であった。そのため、成膜された膜の成分比の再現性
が低く、所望の特性を有する膜を安定して供給すること
ができなかった。
【0006】一方、合金自体をターゲットとしてスパッ
タリング法によってこの合金膜を成膜する方法では、成
膜速度が遅く効率が悪いという問題があった。また、合
金製のターゲットを所望の成分(金属)比で作成するこ
とは難しく、ターゲットの価格も高価になっていた。さ
らに、ターゲットを構成する成分比と得られた合金膜の
成分比とが一致しないという場合があり、所望の特性を
有する膜を再現性よく成膜することができないという問
題があった。
タリング法によってこの合金膜を成膜する方法では、成
膜速度が遅く効率が悪いという問題があった。また、合
金製のターゲットを所望の成分(金属)比で作成するこ
とは難しく、ターゲットの価格も高価になっていた。さ
らに、ターゲットを構成する成分比と得られた合金膜の
成分比とが一致しないという場合があり、所望の特性を
有する膜を再現性よく成膜することができないという問
題があった。
【0007】イオンプレーティング法を用いて複数の物
質からなる膜を成膜する場合も、この膜を形成する個々
の物質からなる蒸発物を用意してそれぞれの蒸発物を同
時に蒸発、イオン化させるため、それぞれの蒸発物に対
してイオンやプラズマ等を照射する手段を設ける必要が
あった。そのため、真空蒸着法と同様に成膜装置の大型
化、高価格化といった問題が生じていた。
質からなる膜を成膜する場合も、この膜を形成する個々
の物質からなる蒸発物を用意してそれぞれの蒸発物を同
時に蒸発、イオン化させるため、それぞれの蒸発物に対
してイオンやプラズマ等を照射する手段を設ける必要が
あった。そのため、真空蒸着法と同様に成膜装置の大型
化、高価格化といった問題が生じていた。
【0008】また、以上のような従来の成膜方法では、
低融点物質と高融点物質からなる膜を成膜する場合、こ
れら両物質を同時に成膜しようとすると低融点物質が突
沸する場合があり成膜が困難であった。本発明は、以上
のような問題を解決することを目的とする。
低融点物質と高融点物質からなる膜を成膜する場合、こ
れら両物質を同時に成膜しようとすると低融点物質が突
沸する場合があり成膜が困難であった。本発明は、以上
のような問題を解決することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的のために本発明
では、プラズマ流が蒸発物に至る経路の途中に該プラズ
マ流と接するようにターゲットを設置して該ターゲット
に前記プラズマ流に含まれるイオンを衝突させること
で、前記プラズマ流を蒸発物に照射して該蒸発物をイオ
ン化するイオンプレーティングでの成膜過程と、前記イ
オンとターゲットとの衝突によるスパッタリングでの成
膜過程とを同時に行うことで、同一基板上に前記蒸発物
を形成する物質と前記ターゲットを形成する物質とを含
む膜を製造するようにした(請求項3、4)。また、プ
ラズマ流の経路に複数の膜形成物質を該プラズマ流と接
するように設置し、前記プラズマ流によって前記各膜形
成物質に対して同時に成膜過程を行なうことで各膜形成
物質を形成している物質を含む膜を成膜する複数の物質
からなる膜の製造方法において、前記複数の膜形成物質
のうち少なくとも1つをターゲットとして用い、前記プ
ラズマ流に含まれるイオンを衝突させることで該ターゲ
ットを形成する物質にスパッタリングによる成膜過程を
実施すると共に、前記ターゲットのうちの少なくとも1
つと前記プラズマ流との間隔を調整することで前記膜を
形成する複数の物質の成分比を制御するようにした(請
求項5)。そのために、基板を保持する基板保持手段、
成膜する膜を形成する複数の膜形成物質を支持する形成
物質支持手段、前記基板保持手段と形成物質支持手段を
収納し成膜が行われる空間を形成する真空容器、該真空
容器の内部を所定の圧力に設定する排気手段、プラズマ
を生成して該プラズマを前記真空容器の内部に導入する
プラズマ生成手段、および前記複数の膜形成物質のうち
少なくとも1つの物質と前記プラズマとの間隔を任意の
値に調整する移動手段とで成膜装置を構成した(請求項
1)。また、この成膜装置に前記膜形成物質の電位を前
記プラズマの電位よりも低い範囲内で所定の値に設定す
る電圧印加手段を設けた(請求項2)。
では、プラズマ流が蒸発物に至る経路の途中に該プラズ
マ流と接するようにターゲットを設置して該ターゲット
に前記プラズマ流に含まれるイオンを衝突させること
で、前記プラズマ流を蒸発物に照射して該蒸発物をイオ
ン化するイオンプレーティングでの成膜過程と、前記イ
オンとターゲットとの衝突によるスパッタリングでの成
膜過程とを同時に行うことで、同一基板上に前記蒸発物
を形成する物質と前記ターゲットを形成する物質とを含
む膜を製造するようにした(請求項3、4)。また、プ
ラズマ流の経路に複数の膜形成物質を該プラズマ流と接
するように設置し、前記プラズマ流によって前記各膜形
成物質に対して同時に成膜過程を行なうことで各膜形成
物質を形成している物質を含む膜を成膜する複数の物質
からなる膜の製造方法において、前記複数の膜形成物質
のうち少なくとも1つをターゲットとして用い、前記プ
ラズマ流に含まれるイオンを衝突させることで該ターゲ
ットを形成する物質にスパッタリングによる成膜過程を
実施すると共に、前記ターゲットのうちの少なくとも1
つと前記プラズマ流との間隔を調整することで前記膜を
形成する複数の物質の成分比を制御するようにした(請
求項5)。そのために、基板を保持する基板保持手段、
成膜する膜を形成する複数の膜形成物質を支持する形成
物質支持手段、前記基板保持手段と形成物質支持手段を
収納し成膜が行われる空間を形成する真空容器、該真空
容器の内部を所定の圧力に設定する排気手段、プラズマ
を生成して該プラズマを前記真空容器の内部に導入する
プラズマ生成手段、および前記複数の膜形成物質のうち
少なくとも1つの物質と前記プラズマとの間隔を任意の
値に調整する移動手段とで成膜装置を構成した(請求項
1)。また、この成膜装置に前記膜形成物質の電位を前
記プラズマの電位よりも低い範囲内で所定の値に設定す
る電圧印加手段を設けた(請求項2)。
【0010】
【作用】本発明の成膜装置は、プラズマ生成手段で生成
したプラズマをプラズマ流(プラズマの流れ)として真
空容器の内部に導く際の該プラズマ流の経路内に、成膜
(製造)する膜の形成物質(以下、膜形成物質という)
を支持するための形成物質支持手段を複数設けてある。
これにより、1つのプラズマ生成手段によって、少なく
とも2種類の膜形成物質について同時に成膜過程を実施
することができ、この2つの物質からなる膜を成膜(製
造)することが可能となる。プラズマ生成手段で生成さ
れたプラズマはこの生成手段の陰極から陽極に向かって
進行するため、真空容器内に前記陽極を配置すればこの
容器内に陰極と陽極との間で形成されるプラズマ流の経
路を設定することができる。プラズマ流の経路の途中に
設置される膜形成物質は、スパッタリング法におけるタ
ーゲットとして機能する。この場合、プラズマ流中のイ
オンはターゲットに引き寄せられてこれに衝突し、該タ
ーゲットをスパッタすることで基板上にこのターゲット
物質が堆積する。従って、前記経路途中に複数の膜形成
物質を設置しておけば、各々の物質を同時にスパッタし
てこれら各物質からなる膜が基板表面に形成(製造)さ
れる。この基板は、各膜形成物質とはプラズマ流に対し
て反対側の位置に設置しておく。なお、前記陽極をイオ
ンプレーティング法における蒸発源として使用すること
も可能である。この場合、蒸発源にも膜形成物質を載置
して前記プラズマ流が照射されるようにしておけば、蒸
発した膜形成物質がプラズマ雰囲気中でイオン化されて
前記基板に到達して、同時にスパッタされた他の膜形成
物質とともに前記基板表面にこれら複数の物質からなる
膜を形成する。
したプラズマをプラズマ流(プラズマの流れ)として真
空容器の内部に導く際の該プラズマ流の経路内に、成膜
(製造)する膜の形成物質(以下、膜形成物質という)
を支持するための形成物質支持手段を複数設けてある。
これにより、1つのプラズマ生成手段によって、少なく
とも2種類の膜形成物質について同時に成膜過程を実施
することができ、この2つの物質からなる膜を成膜(製
造)することが可能となる。プラズマ生成手段で生成さ
れたプラズマはこの生成手段の陰極から陽極に向かって
進行するため、真空容器内に前記陽極を配置すればこの
容器内に陰極と陽極との間で形成されるプラズマ流の経
路を設定することができる。プラズマ流の経路の途中に
設置される膜形成物質は、スパッタリング法におけるタ
ーゲットとして機能する。この場合、プラズマ流中のイ
オンはターゲットに引き寄せられてこれに衝突し、該タ
ーゲットをスパッタすることで基板上にこのターゲット
物質が堆積する。従って、前記経路途中に複数の膜形成
物質を設置しておけば、各々の物質を同時にスパッタし
てこれら各物質からなる膜が基板表面に形成(製造)さ
れる。この基板は、各膜形成物質とはプラズマ流に対し
て反対側の位置に設置しておく。なお、前記陽極をイオ
ンプレーティング法における蒸発源として使用すること
も可能である。この場合、蒸発源にも膜形成物質を載置
して前記プラズマ流が照射されるようにしておけば、蒸
発した膜形成物質がプラズマ雰囲気中でイオン化されて
前記基板に到達して、同時にスパッタされた他の膜形成
物質とともに前記基板表面にこれら複数の物質からなる
膜を形成する。
【0011】膜形成物質に対するスパッタ効率を上げる
には、形成物質とプラズマ流とが向かい合う対向面の面
積を広くした方がよい。この場合は、プラズマ流に磁場
を印加して押し広げ、このプラズマ流をシート状に形成
するとよい。そして、このシート状のプラズマ流の幅広
側に対応させて前記形成物質の大きさを適宜設定し、前
記対向面の面積が広くなるようにすればよい(図4参
照)。
には、形成物質とプラズマ流とが向かい合う対向面の面
積を広くした方がよい。この場合は、プラズマ流に磁場
を印加して押し広げ、このプラズマ流をシート状に形成
するとよい。そして、このシート状のプラズマ流の幅広
側に対応させて前記形成物質の大きさを適宜設定し、前
記対向面の面積が広くなるようにすればよい(図4参
照)。
【0012】成膜に際しては、前記プラズマ流と、スパ
ッタリングにより成膜される膜形成物質(以下、「ター
ゲット物質」という)との間隔およびプラズマ流とこの
ターゲット物質との間の電位差を調整することで、この
膜の成分比を制御することができる。例えば、プラズマ
流と前記ターゲット物質との間隔を狭くするとターゲッ
ト物質でのスパッタ効率が大きくなるため、得られる膜
におけるこのターゲット物質の成分比(割合)は高くな
る。この場合、他の膜形成物質の成分比は相対的に低く
なる。これとは逆に、あるターゲット物質の成分比を小
さくしたいときは、プラズマ流とこのターゲット物質と
の間隔を広くすればよい。また、この間隔を調整するこ
とで、成膜速度(スパッタ法による成膜速度)を制御す
ることもできる。この場合、間隔を狭くすれば成膜速度
は上がり、広くすれば速度は下がる。このようにプラズ
マ流とターゲットとして機能するターゲット物質との間
隔を調整する場合、プラズマ流に対してこのターゲット
物質の位置を移動させる手段を設けるとよい。例えば、
ターゲット物質を保持する形成物質支持手段に移動機構
を設けてプラズマ流とターゲット物質との間隔を適宜調
整できるようにしておけば、成膜する膜の種類、組成等
に応じて両者の位置(間隔)を任意に設定することが可
能となる。プラズマ流とターゲット物質との間隔は、プ
ラズマ流の強さ(出力)によって異なるが10〜50mmの範
囲に設定することが望ましく、また、プラズマ流と基板
との間隔は20〜100 mmの範囲に設定するとよい。一方、
プラズマ流とターゲット物質との間の電位差を調整して
(ただし、ターゲット物質の電位がプラズマの電位より
も低い範囲内で両者の電位差を調整する)膜の成分比を
制御する場合、例えば、これら両者間の電位差が大きく
なるような電圧をターゲット物質に印加すると、プラズ
マ流に含まれるイオン(キャリアガスイオン)がターゲ
ット物質に引き寄せられる量が増える。そのため、ター
ゲット物質のスパッタ効率が大きくなり、得られる膜は
ターゲット物質の成分比(割合)が高くなる。逆にプラ
ズマ流とターゲット物質間の電位差を小さくするように
電圧を印加すると、ターゲット物質のスパッタ効率は小
さくなり、得られる膜におけるこのターゲット物質の成
分比(割合)は低くなる。
ッタリングにより成膜される膜形成物質(以下、「ター
ゲット物質」という)との間隔およびプラズマ流とこの
ターゲット物質との間の電位差を調整することで、この
膜の成分比を制御することができる。例えば、プラズマ
流と前記ターゲット物質との間隔を狭くするとターゲッ
ト物質でのスパッタ効率が大きくなるため、得られる膜
におけるこのターゲット物質の成分比(割合)は高くな
る。この場合、他の膜形成物質の成分比は相対的に低く
なる。これとは逆に、あるターゲット物質の成分比を小
さくしたいときは、プラズマ流とこのターゲット物質と
の間隔を広くすればよい。また、この間隔を調整するこ
とで、成膜速度(スパッタ法による成膜速度)を制御す
ることもできる。この場合、間隔を狭くすれば成膜速度
は上がり、広くすれば速度は下がる。このようにプラズ
マ流とターゲットとして機能するターゲット物質との間
隔を調整する場合、プラズマ流に対してこのターゲット
物質の位置を移動させる手段を設けるとよい。例えば、
ターゲット物質を保持する形成物質支持手段に移動機構
を設けてプラズマ流とターゲット物質との間隔を適宜調
整できるようにしておけば、成膜する膜の種類、組成等
に応じて両者の位置(間隔)を任意に設定することが可
能となる。プラズマ流とターゲット物質との間隔は、プ
ラズマ流の強さ(出力)によって異なるが10〜50mmの範
囲に設定することが望ましく、また、プラズマ流と基板
との間隔は20〜100 mmの範囲に設定するとよい。一方、
プラズマ流とターゲット物質との間の電位差を調整して
(ただし、ターゲット物質の電位がプラズマの電位より
も低い範囲内で両者の電位差を調整する)膜の成分比を
制御する場合、例えば、これら両者間の電位差が大きく
なるような電圧をターゲット物質に印加すると、プラズ
マ流に含まれるイオン(キャリアガスイオン)がターゲ
ット物質に引き寄せられる量が増える。そのため、ター
ゲット物質のスパッタ効率が大きくなり、得られる膜は
ターゲット物質の成分比(割合)が高くなる。逆にプラ
ズマ流とターゲット物質間の電位差を小さくするように
電圧を印加すると、ターゲット物質のスパッタ効率は小
さくなり、得られる膜におけるこのターゲット物質の成
分比(割合)は低くなる。
【0013】また、膜の成分比は、前記プラズマ生成手
段で生成するプラズマの強さを調整することでも制御す
ることができる。例えば、前述のようにプラズマ生成手
段の陽極に形成物質を載置してプラズマを照射し、これ
により蒸発した形成物質を膜の一成分とする場合、プラ
ズマの強さ(プラズマ流の強さ)を小さくすればこの形
成物質の膜における成分比は低くなり、大きくすれば成
分比は高くなる。ただし、プラズマの強さは各形成物質
の成膜に影響を与えない範囲で調整するようにする。
段で生成するプラズマの強さを調整することでも制御す
ることができる。例えば、前述のようにプラズマ生成手
段の陽極に形成物質を載置してプラズマを照射し、これ
により蒸発した形成物質を膜の一成分とする場合、プラ
ズマの強さ(プラズマ流の強さ)を小さくすればこの形
成物質の膜における成分比は低くなり、大きくすれば成
分比は高くなる。ただし、プラズマの強さは各形成物質
の成膜に影響を与えない範囲で調整するようにする。
【0014】なお、成膜(製造)するときの成膜空間の
圧力(真空度)は、1×10-2〜1×10-4 Torr の範囲に
設定するとよい。
圧力(真空度)は、1×10-2〜1×10-4 Torr の範囲に
設定するとよい。
【0015】
【実施例1】図1は、本発明の一実施例である成膜装置
の構成を示す概略断面図である。この成膜装置は、プラ
ズマを生成するプラズマ生成手段の陽極に蒸発源として
の機能を持たせて該蒸発物をイオン化することで成膜を
行うイオンプレーティングによる成膜過程と、プラズマ
流が生成手段から前記蒸発源に至る経路の途中にスパッ
タリングを行うためのターゲットを設置してプラズマ流
に含まれるイオンをこのターゲットに衝突させることで
該ターゲットをスパッタリングすることで成膜を行うス
パッタリングによる成膜過程とを同時に実施できるよう
に構成されている。図に示す成膜装置は、プラズマ生成
手段1、蒸発物A(第1の形成物質)を載置する蒸発物
保持手段を有する蒸発源(プラズマ生成手段1の陽極を
兼ねる)2、この蒸発源2の下部付近に設置されたプラ
ズマ収束用磁石3、プラズマ生成手段1で生成されたプ
ラズマがこの生成手段1から蒸発源2に至るプラズマ流
4の経路途中に設置されたターゲットB(第2の形成物
質)を支持するためのターゲットホルダ5、基板6をタ
ーゲットBに対してプラズマ流4の反対側の位置で支持
する回転可能な基板ホルダ7、基板6上に形成された膜
の厚さを測定する水晶振動子からなる膜厚モニタ8、蒸
発物Aから蒸発した粒子またはターゲットBからスパッ
タされた粒子が基板6に到達するのを防ぐ可動シャッタ
9およびこれら各構成要件が設置された空間を所望の真
空度で維持するためのステンレス製(SUS304)の真空容
器10とを備えている。
の構成を示す概略断面図である。この成膜装置は、プラ
ズマを生成するプラズマ生成手段の陽極に蒸発源として
の機能を持たせて該蒸発物をイオン化することで成膜を
行うイオンプレーティングによる成膜過程と、プラズマ
流が生成手段から前記蒸発源に至る経路の途中にスパッ
タリングを行うためのターゲットを設置してプラズマ流
に含まれるイオンをこのターゲットに衝突させることで
該ターゲットをスパッタリングすることで成膜を行うス
パッタリングによる成膜過程とを同時に実施できるよう
に構成されている。図に示す成膜装置は、プラズマ生成
手段1、蒸発物A(第1の形成物質)を載置する蒸発物
保持手段を有する蒸発源(プラズマ生成手段1の陽極を
兼ねる)2、この蒸発源2の下部付近に設置されたプラ
ズマ収束用磁石3、プラズマ生成手段1で生成されたプ
ラズマがこの生成手段1から蒸発源2に至るプラズマ流
4の経路途中に設置されたターゲットB(第2の形成物
質)を支持するためのターゲットホルダ5、基板6をタ
ーゲットBに対してプラズマ流4の反対側の位置で支持
する回転可能な基板ホルダ7、基板6上に形成された膜
の厚さを測定する水晶振動子からなる膜厚モニタ8、蒸
発物Aから蒸発した粒子またはターゲットBからスパッ
タされた粒子が基板6に到達するのを防ぐ可動シャッタ
9およびこれら各構成要件が設置された空間を所望の真
空度で維持するためのステンレス製(SUS304)の真空容
器10とを備えている。
【0016】蒸発源2は、ステンレス鋼や銅などの磁性
体でない金属で構成され、プラズマ流4の照射によって
過熱されないように冷却手段(図示せず)を有してい
る。ターゲットホルダ5は、ターゲットBとプラズマ流
4との間隔を調整するための駆動機構(図示せず)を備
えている。この駆動機構は、両者の間隔を10〜50mmの範
囲内で任意に設定できるようにホルダ5を矢印S方向に
移動させる。ホルダ5には、ターゲットBにプラズマ流
4中のイオンが衝突してターゲットBがスパッタされる
のを防止できるように、可動式のターゲットカバー5a
を備えている。また、蒸発源2と同様に過熱防止用の冷
却手段(図示せず)を有している。真空容器10にはフ
ランジ10aが形成され、このフランジ10aにプラズ
マ生成手段1が取り付けられている。フランジ10aの
外周にはプラズマに外部から磁場を与えるための空芯コ
イル11およびプラズマに磁場を与えてプラズマの断面
形状をシート状に形成するための磁場印加手段12が配
置されている。また、成膜装置には、基板ホルダ7とこ
れに支持される基板6の電位が蒸発源2の電位に対して
負の電位となるように調整する第1のバイアス電源13
と、ターゲットBの電位をプラズマ流4の電位よりも低
い範囲内で所定の値に設定するためにターゲットホルダ
5に接続された第2のバイアス電源14とが設けられて
いる。蒸発源2は、図示していない冷却機構を有すると
ともにプラズマ生成手段1の陽極を兼ねており、また、
バイアス電源13によって基板ホルダ7よりも高電位と
なるように制御される。真空容器10には容器10内を
所望の圧力に設定するための排気手段(図示せず)と、
反応ガス供給口15とが設けられている。この反応ガス
供給口15には、反応ガス(酸素ガス、窒素ガス等)を
容器10内に導入するための反応ガス供給手段(図示せ
ず)が接続されている。前期排気手段は、真空容器10
に設けられた排気口16、この排気口16に接続された
トラップを備えた油拡散ポンプおよび油回転ポンプ、補
助バルブ、粗引きバルブ(共に図示せず)、メインバル
ブ17等から構成される。
体でない金属で構成され、プラズマ流4の照射によって
過熱されないように冷却手段(図示せず)を有してい
る。ターゲットホルダ5は、ターゲットBとプラズマ流
4との間隔を調整するための駆動機構(図示せず)を備
えている。この駆動機構は、両者の間隔を10〜50mmの範
囲内で任意に設定できるようにホルダ5を矢印S方向に
移動させる。ホルダ5には、ターゲットBにプラズマ流
4中のイオンが衝突してターゲットBがスパッタされる
のを防止できるように、可動式のターゲットカバー5a
を備えている。また、蒸発源2と同様に過熱防止用の冷
却手段(図示せず)を有している。真空容器10にはフ
ランジ10aが形成され、このフランジ10aにプラズ
マ生成手段1が取り付けられている。フランジ10aの
外周にはプラズマに外部から磁場を与えるための空芯コ
イル11およびプラズマに磁場を与えてプラズマの断面
形状をシート状に形成するための磁場印加手段12が配
置されている。また、成膜装置には、基板ホルダ7とこ
れに支持される基板6の電位が蒸発源2の電位に対して
負の電位となるように調整する第1のバイアス電源13
と、ターゲットBの電位をプラズマ流4の電位よりも低
い範囲内で所定の値に設定するためにターゲットホルダ
5に接続された第2のバイアス電源14とが設けられて
いる。蒸発源2は、図示していない冷却機構を有すると
ともにプラズマ生成手段1の陽極を兼ねており、また、
バイアス電源13によって基板ホルダ7よりも高電位と
なるように制御される。真空容器10には容器10内を
所望の圧力に設定するための排気手段(図示せず)と、
反応ガス供給口15とが設けられている。この反応ガス
供給口15には、反応ガス(酸素ガス、窒素ガス等)を
容器10内に導入するための反応ガス供給手段(図示せ
ず)が接続されている。前期排気手段は、真空容器10
に設けられた排気口16、この排気口16に接続された
トラップを備えた油拡散ポンプおよび油回転ポンプ、補
助バルブ、粗引きバルブ(共に図示せず)、メインバル
ブ17等から構成される。
【0017】図2は、本実施例で使用したプラズマ生成
手段1の構成を示す概略断面図である。プラズマ生成装
置1は、陰極部21、円筒管22、環状の永久磁石52
を内蔵した第1の中間電極23、第2の空芯コイル53
を内蔵した第2の中間電極24、絶縁リング25、蒸発
源を兼ねる陽極2(図1参照)、主放電電源26(図1
参照)、およびガス導入口27とを有している。永久磁
石52と第2の空芯コイル53には、中間電極23、2
4が過度に加熱されないように図示していない冷却手段
(冷却水用の水路等)が設けられている。また、中間電
極23、24はリング状に形成されており、これら両中
間電極23、24と絶縁リング25と円筒管22とによ
って、成膜が行われる領域を形成する真空容器10に接
続する空間が形成される。なお、この空間のうち、特に
陰極部21に接する円筒管22内の空間をプラズマ生成
室(第1の真空空間)51とする。真空容器10にはフ
ランジ10aが設けられており、このフランジ10aと
第1の中間電極23、第2の中間電極24とをボルト2
9によって固定することでプラズマ生成装置1と真空容
器10とが接続される。ボルト29の表面には絶縁被覆
が形成されており、各電極間が短絡(ショート)しない
ようにしてある。また、円筒管22の外周には、内部を
冷却水が通る冷却管28が巻き付けられおり、プラズマ
生成時に円筒管22が過度に加熱されないようにしてい
る。この場合、円筒管22を大径の管と小径の管の2重
構造として、これら2つの管の間に冷却水を導入して冷
却を行うように構成してもよい。このような冷却機構に
より温度の上昇を抑えることができ、また、冷却までに
要する時間が短縮されることから、装置の安全性および
作業性が向上するという利点を奏することができる。
手段1の構成を示す概略断面図である。プラズマ生成装
置1は、陰極部21、円筒管22、環状の永久磁石52
を内蔵した第1の中間電極23、第2の空芯コイル53
を内蔵した第2の中間電極24、絶縁リング25、蒸発
源を兼ねる陽極2(図1参照)、主放電電源26(図1
参照)、およびガス導入口27とを有している。永久磁
石52と第2の空芯コイル53には、中間電極23、2
4が過度に加熱されないように図示していない冷却手段
(冷却水用の水路等)が設けられている。また、中間電
極23、24はリング状に形成されており、これら両中
間電極23、24と絶縁リング25と円筒管22とによ
って、成膜が行われる領域を形成する真空容器10に接
続する空間が形成される。なお、この空間のうち、特に
陰極部21に接する円筒管22内の空間をプラズマ生成
室(第1の真空空間)51とする。真空容器10にはフ
ランジ10aが設けられており、このフランジ10aと
第1の中間電極23、第2の中間電極24とをボルト2
9によって固定することでプラズマ生成装置1と真空容
器10とが接続される。ボルト29の表面には絶縁被覆
が形成されており、各電極間が短絡(ショート)しない
ようにしてある。また、円筒管22の外周には、内部を
冷却水が通る冷却管28が巻き付けられおり、プラズマ
生成時に円筒管22が過度に加熱されないようにしてい
る。この場合、円筒管22を大径の管と小径の管の2重
構造として、これら2つの管の間に冷却水を導入して冷
却を行うように構成してもよい。このような冷却機構に
より温度の上昇を抑えることができ、また、冷却までに
要する時間が短縮されることから、装置の安全性および
作業性が向上するという利点を奏することができる。
【0018】陰極部21は、円板状に形成された6ホウ
化ランタン(LaB6)からなる主陰極41と、この主陰極
41より熱容量の小さいタンタル(Ta)からなるパイプ
状に形成された補助陰極42、これら両陰極をプラズマ
から保護するタングステン(W)からなる円板状に形成
された陰極保護板43、両陰極を収納するモリブデン
(Mo)からなる円筒状に形成された陰極管44、および
冷却水用水路45からなる。そして、この陰極部21は
陰極マウント46によって支持されている。補助陰極4
2はキャリアガスを導入するためのガス導入口27に接
続されている。本実施例では円筒管22と陰極マウント
46とを別構造としたが、これら両者を一体構造にして
もよい。この場合、プラズマ生成装置1の分解、組み立
てが容易になり保守作業が容易になる。また、円筒管2
2は、200 ℃以上の耐熱性と絶縁性を有し熱伝導性が良
好であることが望ましい。そこで、本実施例では円筒管
22をステンレス鋼(SUS304)により形成した。このス
テンレス鋼の代わりにセラミックスを使用してもよい。
その場合、一般的な窒化アルミ、アルミナ、窒化ホウ
素、窒化珪素等のセラミックスを用いることができる。
絶縁リング25は、陰極部21と円筒管22の間、円筒
管22と第1の中間電極23の間、第1の中間電極23
と第2の中間電極24の間、および第2の中間電極24
とフランジ10aとの間、の4ヵ所に配置してある。そ
して、この絶縁リング25によって各電極間の絶縁作用
とプラズマ生成室51内の密閉作用が得られるようにな
っている。
化ランタン(LaB6)からなる主陰極41と、この主陰極
41より熱容量の小さいタンタル(Ta)からなるパイプ
状に形成された補助陰極42、これら両陰極をプラズマ
から保護するタングステン(W)からなる円板状に形成
された陰極保護板43、両陰極を収納するモリブデン
(Mo)からなる円筒状に形成された陰極管44、および
冷却水用水路45からなる。そして、この陰極部21は
陰極マウント46によって支持されている。補助陰極4
2はキャリアガスを導入するためのガス導入口27に接
続されている。本実施例では円筒管22と陰極マウント
46とを別構造としたが、これら両者を一体構造にして
もよい。この場合、プラズマ生成装置1の分解、組み立
てが容易になり保守作業が容易になる。また、円筒管2
2は、200 ℃以上の耐熱性と絶縁性を有し熱伝導性が良
好であることが望ましい。そこで、本実施例では円筒管
22をステンレス鋼(SUS304)により形成した。このス
テンレス鋼の代わりにセラミックスを使用してもよい。
その場合、一般的な窒化アルミ、アルミナ、窒化ホウ
素、窒化珪素等のセラミックスを用いることができる。
絶縁リング25は、陰極部21と円筒管22の間、円筒
管22と第1の中間電極23の間、第1の中間電極23
と第2の中間電極24の間、および第2の中間電極24
とフランジ10aとの間、の4ヵ所に配置してある。そ
して、この絶縁リング25によって各電極間の絶縁作用
とプラズマ生成室51内の密閉作用が得られるようにな
っている。
【0019】ここで、プラズマ生成装置1による放電過
程を説明する。補助陰極42に接続されたガス導入口2
7から放電ガス(キャリアガス)としてArガスを導入
し、陰極部21の近傍領域(前記第1の真空空間)のガ
ス圧を1Torr程度に維持する。一方、真空容器10に設
けられた排気手段(図示せず)により、容器10内の陽
極(蒸発源)2の近傍領域の圧力が2×10-3Torr程度と
なるように設定する。そして、この状態で主放電電源2
6により陰極部21と陽極2との間に 600V前後の直流
電圧を印加する。これにより、まず、補助陰極42の先
端にグロー放電(1A以下)を発生させる。このグロー
放電(初期放電)によって、補助陰極42の先端がArガ
スの電離による逆流イオンの衝突によって加熱される。
その結果、補助陰極42先端は熱電子を放出するように
なり、放電電圧が徐々に低下して放電電流が増加する。
補助陰極42の先端が2000℃以上に加熱されると、放電
電圧は70V前後、放電電流は30A以上に達することが可
能となる。この状態で2〜3分すると、補助陰極42先
端の放射熱により主陰極41が1700℃程度に間接的に加
熱される。加熱された主陰極41からは大電流の熱電子
放出が発生するため、この主陰極41が放電を生じさせ
る陰極として機能するようになる。この時点で放電はア
ーク放電(最大 250A程度)となり、補助陰極42の温
度は低下する。そのため、この補助陰極42の熱による
損傷(消耗)は回避される。
程を説明する。補助陰極42に接続されたガス導入口2
7から放電ガス(キャリアガス)としてArガスを導入
し、陰極部21の近傍領域(前記第1の真空空間)のガ
ス圧を1Torr程度に維持する。一方、真空容器10に設
けられた排気手段(図示せず)により、容器10内の陽
極(蒸発源)2の近傍領域の圧力が2×10-3Torr程度と
なるように設定する。そして、この状態で主放電電源2
6により陰極部21と陽極2との間に 600V前後の直流
電圧を印加する。これにより、まず、補助陰極42の先
端にグロー放電(1A以下)を発生させる。このグロー
放電(初期放電)によって、補助陰極42の先端がArガ
スの電離による逆流イオンの衝突によって加熱される。
その結果、補助陰極42先端は熱電子を放出するように
なり、放電電圧が徐々に低下して放電電流が増加する。
補助陰極42の先端が2000℃以上に加熱されると、放電
電圧は70V前後、放電電流は30A以上に達することが可
能となる。この状態で2〜3分すると、補助陰極42先
端の放射熱により主陰極41が1700℃程度に間接的に加
熱される。加熱された主陰極41からは大電流の熱電子
放出が発生するため、この主陰極41が放電を生じさせ
る陰極として機能するようになる。この時点で放電はア
ーク放電(最大 250A程度)となり、補助陰極42の温
度は低下する。そのため、この補助陰極42の熱による
損傷(消耗)は回避される。
【0020】始めから主陰極41をグロー放電のAr逆流
イオンによって直接加熱しない理由は、主陰極41を構
成するLaB6が低密度物質(比重4.6 )で、高速逆流イオ
ンによってスパッタリングされてしまう恐れがあるから
である。LaB6は熱電子放射特性が極めて良く、融点より
著しく低い温度でも大電流密度の熱電子放出ができるた
め、大電流放電でも熱的消耗が小さく長寿命であるとい
う利点を有する。これに対し補助陰極42を構成するTa
は、高密度物質(比重16.7)で前記初期放電によって生
じるスパッタリング作用に対する耐久性を有するが、最
終的な大電流密度の熱電子放射による温度上昇には極め
て弱い。そのため、熱的消耗が激しい、短寿命であると
いう欠点を有する。本実施例のプラズマ生成手段1は、
陰極部21を、初期放電時のスパッタリング作用に強い
Taからなる補助陰極42と、最終の熱電子放射温度に強
いLaB6からなる主陰極41とを組合わせた複合型LaB6陰
極としたことで、互いの陰極物質の欠点を補いあって大
電流の放出を可能としたものである。このような複合型
LaB6陰極は、イオンの集積効率が良いという利点も有す
る。
イオンによって直接加熱しない理由は、主陰極41を構
成するLaB6が低密度物質(比重4.6 )で、高速逆流イオ
ンによってスパッタリングされてしまう恐れがあるから
である。LaB6は熱電子放射特性が極めて良く、融点より
著しく低い温度でも大電流密度の熱電子放出ができるた
め、大電流放電でも熱的消耗が小さく長寿命であるとい
う利点を有する。これに対し補助陰極42を構成するTa
は、高密度物質(比重16.7)で前記初期放電によって生
じるスパッタリング作用に対する耐久性を有するが、最
終的な大電流密度の熱電子放射による温度上昇には極め
て弱い。そのため、熱的消耗が激しい、短寿命であると
いう欠点を有する。本実施例のプラズマ生成手段1は、
陰極部21を、初期放電時のスパッタリング作用に強い
Taからなる補助陰極42と、最終の熱電子放射温度に強
いLaB6からなる主陰極41とを組合わせた複合型LaB6陰
極としたことで、互いの陰極物質の欠点を補いあって大
電流の放出を可能としたものである。このような複合型
LaB6陰極は、イオンの集積効率が良いという利点も有す
る。
【0021】また、本実施例のプラズマ生成手段1は、
圧力勾配型プラズマ生成装置と呼ばれるもので、陰極部
21と陽極2との間に形成される空間に中間電極23、
24を配置することでこの空間を陰極部21側と陽極2
側とに分けると共に、陰極部21側の圧力を陽極2側よ
りも高い圧力に維持した状態でプラズマを生成すること
ができる。そのため、例えば、陰極部21側の圧力を1
Torr程度、陽極2側の圧力を10-1〜10-4Torr程度の希望
する値に設定してプラズマを生成することが可能であ
る。この圧力勾配型プラズマ生成装置を用いると、成膜
が行われる真空容器10内を高真空(低い圧力)に保ち
ながら、プラズマ生成のために安定な放電を行うことが
できる。また、圧力差により主陰極21に対するイオン
の逆流がほとんどないため、イオンの衝突による陰極の
損傷を防止できる。また、陰極からの熱電子放出が低下
し難い、陰極の寿命が長くなる、大電流放電が可能とな
る等の利点を有する。さらに、真空容器10内に反応ガ
スを導入してもこのガスがプラズマ生成室51に入り込
む恐れがない。なお、以上のような構成のプラズマ生成
手段1は、「真空容器第25号第10巻」に記載されてい
る。
圧力勾配型プラズマ生成装置と呼ばれるもので、陰極部
21と陽極2との間に形成される空間に中間電極23、
24を配置することでこの空間を陰極部21側と陽極2
側とに分けると共に、陰極部21側の圧力を陽極2側よ
りも高い圧力に維持した状態でプラズマを生成すること
ができる。そのため、例えば、陰極部21側の圧力を1
Torr程度、陽極2側の圧力を10-1〜10-4Torr程度の希望
する値に設定してプラズマを生成することが可能であ
る。この圧力勾配型プラズマ生成装置を用いると、成膜
が行われる真空容器10内を高真空(低い圧力)に保ち
ながら、プラズマ生成のために安定な放電を行うことが
できる。また、圧力差により主陰極21に対するイオン
の逆流がほとんどないため、イオンの衝突による陰極の
損傷を防止できる。また、陰極からの熱電子放出が低下
し難い、陰極の寿命が長くなる、大電流放電が可能とな
る等の利点を有する。さらに、真空容器10内に反応ガ
スを導入してもこのガスがプラズマ生成室51に入り込
む恐れがない。なお、以上のような構成のプラズマ生成
手段1は、「真空容器第25号第10巻」に記載されてい
る。
【0022】次に、図1に示す成膜装置を用いて石英ガ
ラス製の基板上にITO(酸化スズと酸化インジウムと
の混合物)膜を成膜する過程を説明する。基板6として
用いた石英ガラスは、直径30mmの円形に成形してあり、
その表面(成膜面)を光学研磨してある。この基板6
は、成膜面とプラズマ流4との間隔が50mmとなるように
支持してある。また、蒸発源(プラズマ生成手段1の陽
極を兼ねる)2の蒸発物保持手段には蒸発物A(インジ
ウム:In)を、ターゲットホルダ5にはターゲットB
(スズ:Sn)を載置する。その後、排気手段のメインバ
ルブ17の開度を調整しながらこの排気手段によって真
空容器10内の圧力が1×10-6Torrとなるように設定す
る。そして、プラズマ生成手段1の主放電電源26によ
って陰極部21と陽極(蒸発源)2との間に約600 Vの
直流電圧を印加してプラズマを生成する。この時、前述
のようにプラズマ生成手段1においては、ガス導入口2
7から放電ガス(Ar)が導入され、陰極部21の近傍領
域のガス圧は1Torr程度に維持される。また、陽極2の
近傍領域の圧力が2×10-3Torr程度となるように前期排
気手段によって真空容器10内の圧力を設定する。これ
により、プラズマ生成手段1の陰極部21付近でアーク
放電が生じ、前期放電ガスがプラズマ化される。生成さ
れたプラズマは、第1の中間電極23および第2の中間
電極24に対して所定の電圧を印加することで、プラズ
マ生成室51から陽極2側(真空容器10内部側)に引
き出される。このプラズマは、中間電極23に内蔵され
た永久磁石52と中間電極24に内蔵された第2の空芯
コイル53および空芯コイル11により形成される磁場
によって円柱状に収束した状態で真空容器10に向かう
が、その途中、磁場印加手段12によってシート状に変
形されてプラズマ流4として真空容器10内に導かれ
る。ここで、図3を用いてプラズマ流を円柱状からシー
ト状に変形する過程について説明する。磁場印加手段1
2は、図3に示すようにXYZの3方向に対してそれぞ
れ磁場P、Q、Rを発生するように構成される。つま
り、この磁場印加手段12は円柱状のプラズマ流71に
対して、円柱を広げて幅を拡大する磁場Qと円柱を圧縮
して薄くする磁場Rとを与える。その結果、プラズマ流
71は薄くて幅の広いシート状のプラズマ流4に変形す
る。なお、磁場印加手段12が発生する磁場Pは、第2
の空芯コイル53と空芯コイル11によって形成された
プラズマが流れる方向の磁場の大きさよりも小さくなる
ようにしておく。この磁場印加手段12で発生する磁場
P、Q、Rの大きさを変えることで、シート状のプラズ
マ流4の厚さ、幅および密度を任意に設定することも可
能である。シート状のプラズマ流4は、図4に示すよう
に陽極(蒸発源)2の下部付近に設置されたプラズマ収
束用磁石3の磁場によって進路を変えられてプラズマ生
成手段1の陽極(蒸発源)2に集束する。そして、蒸発
源2の蒸発物保持手段に保持された蒸発物Aを蒸発させ
る。この状態で第2のバイアス電源14によって、ター
ゲットホルダ5に支持されたターゲットB(スズ:Sn)
のプラズマ流4に対する電位を-100Vに設定した。ま
た、ターゲットBとプラズマ流4との間隔を調整する駆
動機構(図示せず)によって両者の間隔が約20mmとなる
ようにした後、ターゲットホルダ5に設けたターゲット
カバー5aを開けた。これにより、プラズマ流4中のイ
オンはターゲットBに向かって加速して衝突し、このタ
ーゲットBを形成する物質(ターゲット物質)をスパッ
タリングする。この時、前期排気手段のメインバルブ1
7の開度を調整して真空容器10内の圧力が5×10-4To
rrとなるように設定した。そして、前記反応ガス供給手
段により反応ガス供給口15から反応ガス(O2)を所望
の流量(80cc/分)で真空容器10内に導入した。な
お、反応ガスの導入後も容器10内の圧力が5×10-4To
rrに維持されるように、メインバルブ17の開度を調整
しておく。このあと、シャッタ9を開くと、蒸発源2で
蒸発した蒸発物Aを形成する物質(インジウム:In)は
プラズマ中を通ることでイオン化されて、第1のバイア
ス電源13によって蒸発源2よりも低い電位に保たれた
基板6上に到達する。また、ターゲットBでスパッタさ
れた粒子(スズ:Sn)も基板6上に到達する。インジウ
ムおよびスズは、基板6に達する間に高密度のアークプ
ラズマ中で反応ガス(O2)と反応し、基板6表面にこれ
らの化合物であるITOの膜が形成される。成膜中は膜
厚モニタ8によって膜の厚さと成膜レート(蒸発速度)
を測定し、膜厚が0.2 μmとなった時点で成膜を止め
た。本実施例での成膜条件を以下に示す。 真空容器10内の到達真空度 :1×10-6 T
orr 成膜時の真空容器10内の到達真空度 :5×10-4 T
orr ターゲットBとプラズマ流4との距離 :20mm プラズマ流4と基板6表面との距離 :50mm ターゲットホルダ5に印加する電圧 :−100 V アーク放電電圧 :50V アーク放電電流 :80A 本実施例で成膜されたITO膜は、比抵抗が 1.8×10-4
Ωcm、波長 550nmの光に対する透過率は90%であっ
た。また、ターゲットホルダ5に設けた駆動機構により
ターゲットBとプラズマ流4との間隔を変えてITO膜
を形成する各物質の構成比を適宜調整することで、所望
の特性を有する膜を再現性良く成膜することができた。
ラス製の基板上にITO(酸化スズと酸化インジウムと
の混合物)膜を成膜する過程を説明する。基板6として
用いた石英ガラスは、直径30mmの円形に成形してあり、
その表面(成膜面)を光学研磨してある。この基板6
は、成膜面とプラズマ流4との間隔が50mmとなるように
支持してある。また、蒸発源(プラズマ生成手段1の陽
極を兼ねる)2の蒸発物保持手段には蒸発物A(インジ
ウム:In)を、ターゲットホルダ5にはターゲットB
(スズ:Sn)を載置する。その後、排気手段のメインバ
ルブ17の開度を調整しながらこの排気手段によって真
空容器10内の圧力が1×10-6Torrとなるように設定す
る。そして、プラズマ生成手段1の主放電電源26によ
って陰極部21と陽極(蒸発源)2との間に約600 Vの
直流電圧を印加してプラズマを生成する。この時、前述
のようにプラズマ生成手段1においては、ガス導入口2
7から放電ガス(Ar)が導入され、陰極部21の近傍領
域のガス圧は1Torr程度に維持される。また、陽極2の
近傍領域の圧力が2×10-3Torr程度となるように前期排
気手段によって真空容器10内の圧力を設定する。これ
により、プラズマ生成手段1の陰極部21付近でアーク
放電が生じ、前期放電ガスがプラズマ化される。生成さ
れたプラズマは、第1の中間電極23および第2の中間
電極24に対して所定の電圧を印加することで、プラズ
マ生成室51から陽極2側(真空容器10内部側)に引
き出される。このプラズマは、中間電極23に内蔵され
た永久磁石52と中間電極24に内蔵された第2の空芯
コイル53および空芯コイル11により形成される磁場
によって円柱状に収束した状態で真空容器10に向かう
が、その途中、磁場印加手段12によってシート状に変
形されてプラズマ流4として真空容器10内に導かれ
る。ここで、図3を用いてプラズマ流を円柱状からシー
ト状に変形する過程について説明する。磁場印加手段1
2は、図3に示すようにXYZの3方向に対してそれぞ
れ磁場P、Q、Rを発生するように構成される。つま
り、この磁場印加手段12は円柱状のプラズマ流71に
対して、円柱を広げて幅を拡大する磁場Qと円柱を圧縮
して薄くする磁場Rとを与える。その結果、プラズマ流
71は薄くて幅の広いシート状のプラズマ流4に変形す
る。なお、磁場印加手段12が発生する磁場Pは、第2
の空芯コイル53と空芯コイル11によって形成された
プラズマが流れる方向の磁場の大きさよりも小さくなる
ようにしておく。この磁場印加手段12で発生する磁場
P、Q、Rの大きさを変えることで、シート状のプラズ
マ流4の厚さ、幅および密度を任意に設定することも可
能である。シート状のプラズマ流4は、図4に示すよう
に陽極(蒸発源)2の下部付近に設置されたプラズマ収
束用磁石3の磁場によって進路を変えられてプラズマ生
成手段1の陽極(蒸発源)2に集束する。そして、蒸発
源2の蒸発物保持手段に保持された蒸発物Aを蒸発させ
る。この状態で第2のバイアス電源14によって、ター
ゲットホルダ5に支持されたターゲットB(スズ:Sn)
のプラズマ流4に対する電位を-100Vに設定した。ま
た、ターゲットBとプラズマ流4との間隔を調整する駆
動機構(図示せず)によって両者の間隔が約20mmとなる
ようにした後、ターゲットホルダ5に設けたターゲット
カバー5aを開けた。これにより、プラズマ流4中のイ
オンはターゲットBに向かって加速して衝突し、このタ
ーゲットBを形成する物質(ターゲット物質)をスパッ
タリングする。この時、前期排気手段のメインバルブ1
7の開度を調整して真空容器10内の圧力が5×10-4To
rrとなるように設定した。そして、前記反応ガス供給手
段により反応ガス供給口15から反応ガス(O2)を所望
の流量(80cc/分)で真空容器10内に導入した。な
お、反応ガスの導入後も容器10内の圧力が5×10-4To
rrに維持されるように、メインバルブ17の開度を調整
しておく。このあと、シャッタ9を開くと、蒸発源2で
蒸発した蒸発物Aを形成する物質(インジウム:In)は
プラズマ中を通ることでイオン化されて、第1のバイア
ス電源13によって蒸発源2よりも低い電位に保たれた
基板6上に到達する。また、ターゲットBでスパッタさ
れた粒子(スズ:Sn)も基板6上に到達する。インジウ
ムおよびスズは、基板6に達する間に高密度のアークプ
ラズマ中で反応ガス(O2)と反応し、基板6表面にこれ
らの化合物であるITOの膜が形成される。成膜中は膜
厚モニタ8によって膜の厚さと成膜レート(蒸発速度)
を測定し、膜厚が0.2 μmとなった時点で成膜を止め
た。本実施例での成膜条件を以下に示す。 真空容器10内の到達真空度 :1×10-6 T
orr 成膜時の真空容器10内の到達真空度 :5×10-4 T
orr ターゲットBとプラズマ流4との距離 :20mm プラズマ流4と基板6表面との距離 :50mm ターゲットホルダ5に印加する電圧 :−100 V アーク放電電圧 :50V アーク放電電流 :80A 本実施例で成膜されたITO膜は、比抵抗が 1.8×10-4
Ωcm、波長 550nmの光に対する透過率は90%であっ
た。また、ターゲットホルダ5に設けた駆動機構により
ターゲットBとプラズマ流4との間隔を変えてITO膜
を形成する各物質の構成比を適宜調整することで、所望
の特性を有する膜を再現性良く成膜することができた。
【0023】比較のために、基板に直流電圧を印加して
イオンによるスパッタリングを行うことでターゲット物
質を成膜するDCマグネトロンスパッタリング装置を用
い、実施例と同じ基板に以下の条件で膜厚0.2 μmのI
TO膜を成膜した。ターゲットとしては、スズを7.5 重
量%添加した酸化インジウムの焼結体を使用した。この
ときの成膜条件を以下に示す。
イオンによるスパッタリングを行うことでターゲット物
質を成膜するDCマグネトロンスパッタリング装置を用
い、実施例と同じ基板に以下の条件で膜厚0.2 μmのI
TO膜を成膜した。ターゲットとしては、スズを7.5 重
量%添加した酸化インジウムの焼結体を使用した。この
ときの成膜条件を以下に示す。
【0024】 真空容器内の到達真空度 :1×10-6 Torr 成膜時の真空容器内の到達真空度:1×10-3 Torr スパッタリング電圧 :−400 V このDCマグネトロンスパッタリング装置で成膜された
ITO膜は、比抵抗が6.8×10-4Ωcm、波長 550nmの
光に対する透過率は82%であり、実施例1で得られた膜
より特性が悪かった。また、膜の特性の再現性も悪かっ
た。
ITO膜は、比抵抗が6.8×10-4Ωcm、波長 550nmの
光に対する透過率は82%であり、実施例1で得られた膜
より特性が悪かった。また、膜の特性の再現性も悪かっ
た。
【0025】このように、本実施例のプラズマ生成手段
1はアーク放電を利用してプラズマを生成しているの
で、従来のマグネトロンスパッタやイオンプレーティン
グに利用されているグロー放電型プラズマ生成装置で得
られるプラズマに比べてその密度が50〜100 倍高い。従
って、キャリアガスの電離度は数10%となり、イオン密
度、電子密度、中性活性種密度も非常に高くなる。その
ため、反応ガス、キャリアガス、スパッタリングされた
粒子およびイオンプレーティングされた粒子は、それぞ
れ基板6に到達する前に高密度のアークプラズマ中を通
過するため反応性の高いイオンや中性活性種となる。そ
して、このような高密度のプラズマ(流)を用いてター
ゲットBに対してスパッタリングを行うため、従来のマ
グネトロンスパッタリングに比べて成膜速度が2倍以上
になる高速スパッタリングが可能となる。さらに、シー
ト状のプラズマ流4を蒸発源2上に収束しているため、
プラズマ密度、電子密度、中性活性種密度が高くなり、
高融点物質の溶解も容易になるという利点がある。
1はアーク放電を利用してプラズマを生成しているの
で、従来のマグネトロンスパッタやイオンプレーティン
グに利用されているグロー放電型プラズマ生成装置で得
られるプラズマに比べてその密度が50〜100 倍高い。従
って、キャリアガスの電離度は数10%となり、イオン密
度、電子密度、中性活性種密度も非常に高くなる。その
ため、反応ガス、キャリアガス、スパッタリングされた
粒子およびイオンプレーティングされた粒子は、それぞ
れ基板6に到達する前に高密度のアークプラズマ中を通
過するため反応性の高いイオンや中性活性種となる。そ
して、このような高密度のプラズマ(流)を用いてター
ゲットBに対してスパッタリングを行うため、従来のマ
グネトロンスパッタリングに比べて成膜速度が2倍以上
になる高速スパッタリングが可能となる。さらに、シー
ト状のプラズマ流4を蒸発源2上に収束しているため、
プラズマ密度、電子密度、中性活性種密度が高くなり、
高融点物質の溶解も容易になるという利点がある。
【0026】なお、本実施例の成膜装置は、1種類の膜
形成物質(蒸発物AまたはターゲットB)だけを用いて
基板上にその膜形成物質を成膜するときにも使用でき
る。例えば、ターゲットホルダ5に設けたターゲット5
aを閉じておくことで、蒸発物Aを形成する物質からな
る膜をイオンプレーティング法により基板6上に成膜す
ることができる。また、ターゲットBを除いておいても
よいし、ホルダ5に設けた前記駆動機構でホルダ5の位
置をプラズマ流4から離しておいてもよい。さらに、蒸
発源2にプラズマ流4が蒸発物Aに照射されるのを防止
するためのカバーを設けてこれを閉じておくことで、タ
ーゲットBを形成する物質からなる膜を成膜することも
できる。また、蒸発物Aを取り除いておいてもよい。こ
のようにすると、通常のスパッタリング装置、イオンプ
レーティング装置としての使用も可能となる。
形成物質(蒸発物AまたはターゲットB)だけを用いて
基板上にその膜形成物質を成膜するときにも使用でき
る。例えば、ターゲットホルダ5に設けたターゲット5
aを閉じておくことで、蒸発物Aを形成する物質からな
る膜をイオンプレーティング法により基板6上に成膜す
ることができる。また、ターゲットBを除いておいても
よいし、ホルダ5に設けた前記駆動機構でホルダ5の位
置をプラズマ流4から離しておいてもよい。さらに、蒸
発源2にプラズマ流4が蒸発物Aに照射されるのを防止
するためのカバーを設けてこれを閉じておくことで、タ
ーゲットBを形成する物質からなる膜を成膜することも
できる。また、蒸発物Aを取り除いておいてもよい。こ
のようにすると、通常のスパッタリング装置、イオンプ
レーティング装置としての使用も可能となる。
【0027】
【実施例2】図5は、本発明の一実施例である成膜装置
の構成を示す概略断面図である。この成膜装置は、プラ
ズマを生成するプラズマ生成手段の陽極に蒸発源として
の機能を持たせて該蒸発物をイオン化することで成膜を
行うイオンプレーティングによる成膜過程と、プラズマ
流が生成手段から前記蒸発源に至る経路の途中にスパッ
タリングを行うためのターゲットを2種類設置してプラ
ズマ流に含まれるイオンをこれらのターゲットに衝突さ
せることで該ターゲットをスパッタリングすることで成
膜を行うスパッタリングによる成膜過程とを同時に実施
できるように構成されている。なお、図5において、図
1と同一機能を有する構成要件は同一符号を付してその
説明を適宜省略する。本実施例の成膜装置は、スパッタ
リング用のターゲットを2種類設置できるように、第1
のターゲットB(第2の形成物質)を支持するための第
1のターゲットホルダ81と、第2のターゲットC(第
3の形成物質)を支持する第2のターゲットホルダ82
を備えている。第1のターゲットホルダ81は、ホルダ
81を矢印S方向に移動させてターゲットBとプラズマ
流4との間隔を10〜50mmの範囲内で任意に設定できる駆
動機構(図示せず)を備えている。第2のターゲットホ
ルダ82は、ホルダ82が支持するターゲットCとプラ
ズマ流4との距離(間隔)が38mmとなる位置に設置され
ている。プラズマ流4中のイオンがターゲットに衝突し
てこのターゲットがスパッタされるのを防止するため
に、各ホルダ81、82にはそれぞれ可動式のターゲッ
トカバー81a、82aが設けられている。第1のター
ゲットホルダ81にはターゲットBの電位をプラズマ流
4の電位よりも低い範囲内で所定の値に設定する第2の
バイアス電源83が接続され、第2のターゲットホルダ
82にはターゲットCの電位をプラズマ流4の電位より
も低い範囲内で所定の値に設定する第3のバイアス電源
84が接続されている。
の構成を示す概略断面図である。この成膜装置は、プラ
ズマを生成するプラズマ生成手段の陽極に蒸発源として
の機能を持たせて該蒸発物をイオン化することで成膜を
行うイオンプレーティングによる成膜過程と、プラズマ
流が生成手段から前記蒸発源に至る経路の途中にスパッ
タリングを行うためのターゲットを2種類設置してプラ
ズマ流に含まれるイオンをこれらのターゲットに衝突さ
せることで該ターゲットをスパッタリングすることで成
膜を行うスパッタリングによる成膜過程とを同時に実施
できるように構成されている。なお、図5において、図
1と同一機能を有する構成要件は同一符号を付してその
説明を適宜省略する。本実施例の成膜装置は、スパッタ
リング用のターゲットを2種類設置できるように、第1
のターゲットB(第2の形成物質)を支持するための第
1のターゲットホルダ81と、第2のターゲットC(第
3の形成物質)を支持する第2のターゲットホルダ82
を備えている。第1のターゲットホルダ81は、ホルダ
81を矢印S方向に移動させてターゲットBとプラズマ
流4との間隔を10〜50mmの範囲内で任意に設定できる駆
動機構(図示せず)を備えている。第2のターゲットホ
ルダ82は、ホルダ82が支持するターゲットCとプラ
ズマ流4との距離(間隔)が38mmとなる位置に設置され
ている。プラズマ流4中のイオンがターゲットに衝突し
てこのターゲットがスパッタされるのを防止するため
に、各ホルダ81、82にはそれぞれ可動式のターゲッ
トカバー81a、82aが設けられている。第1のター
ゲットホルダ81にはターゲットBの電位をプラズマ流
4の電位よりも低い範囲内で所定の値に設定する第2の
バイアス電源83が接続され、第2のターゲットホルダ
82にはターゲットCの電位をプラズマ流4の電位より
も低い範囲内で所定の値に設定する第3のバイアス電源
84が接続されている。
【0028】次に、図5に示す成膜装置を用いて結晶ガ
ラス製の基板にセンダスト合金(Fe-Si-Al)膜を製造
(成膜)する過程を説明する。基板6として用いた結晶
ガラスは直径30mmの円形に成形され、表面(成膜面)を
光学研磨してある。この基板6は、基板ホルダ7により
成膜面とプラズマ流4との距離(間隔)が50mmとなる位
置で支持される。そして、蒸発源(プラズマ生成手段1
の陽極を兼ねる)2の蒸発物保持手段には蒸発物A
(鉄:Fe)を、第1のターゲットホルダ81にはターゲ
ットB(ケイ素:Si)を、第2のターゲットホルダ82
にはターゲットC(アルミニウム:Al)を載置する。こ
の後、排気手段のメインバルブ17の開度を調整しなが
らこの排気手段によって真空容器10内の圧力が1×10
-6Torrとなるように設定する。そして、実施例1と同様
にプラズマ生成手段1を用いて生成したプラズマを磁場
印加手段12によってシート状に変形し、これをプラズ
マ流4として真空容器10内に導入してプラズマ生成手
段1の陽極(蒸発源)2に集束させた。これにより、蒸
発源2の蒸発物保持手段に保持されている蒸発物Aが蒸
発する。また、この状態で第2のバイアス電源83によ
って第1のターゲットホルダ81に支持されたターゲッ
トB(ケイ素:Si)のプラズマ流4に対する電位を-120
Vに設定した。また、第3のバイアス電源84によって
第2のターゲットホルダ82に支持されたターゲットC
(アルミニウム:Al)のプラズマ流4に対する電位を-1
50Vに設定した。さらに、第1のターゲットホルダ81
に設けられた前記駆動機構(図示せず)によって、ター
ゲットBとプラズマ流4との距離が25mmとなるように調
整した。この後、第1のターゲットホルダ81および第
2のターゲットホルダ82に設けられたそれぞれのシャ
ッタ81a、82aを開けた。これにより、プラズマ流
4中のイオンはターゲットBおよびCに向かって加速し
て衝突し、これらターゲットBおよびCを形成する物質
(ターゲット物質)をスパッタリングする。この時、前
期排気手段のメインバルブ17の開度を調整して真空容
器10内の圧力が5×10-4Torrとなるように設定する。
この状態でシャッタ9を開くと、蒸発源2で蒸発した蒸
発物Aを形成する物質(鉄:Fe)はプラズマ中を通るこ
とでイオン化されて、第1のバイアス電源13によって
蒸発源2よりも低い電位に保たれた基板6上に到達す
る。また、ターゲットBでスパッタされた粒子(ケイ
素:Si)およびターゲットCでスパッタされた粒子(ア
ルミニウム:Al)も基板6上に到達する。こうして基板
6表面にセンダスト合金(Fe-Si-Al)膜が形成される。
成膜中は膜厚モニタ8によって膜の厚さと成膜レート
(蒸発速度)を測定し、膜厚が1μmとなった時点で成
膜を止めた。このときの成膜条件を以下に示す。
ラス製の基板にセンダスト合金(Fe-Si-Al)膜を製造
(成膜)する過程を説明する。基板6として用いた結晶
ガラスは直径30mmの円形に成形され、表面(成膜面)を
光学研磨してある。この基板6は、基板ホルダ7により
成膜面とプラズマ流4との距離(間隔)が50mmとなる位
置で支持される。そして、蒸発源(プラズマ生成手段1
の陽極を兼ねる)2の蒸発物保持手段には蒸発物A
(鉄:Fe)を、第1のターゲットホルダ81にはターゲ
ットB(ケイ素:Si)を、第2のターゲットホルダ82
にはターゲットC(アルミニウム:Al)を載置する。こ
の後、排気手段のメインバルブ17の開度を調整しなが
らこの排気手段によって真空容器10内の圧力が1×10
-6Torrとなるように設定する。そして、実施例1と同様
にプラズマ生成手段1を用いて生成したプラズマを磁場
印加手段12によってシート状に変形し、これをプラズ
マ流4として真空容器10内に導入してプラズマ生成手
段1の陽極(蒸発源)2に集束させた。これにより、蒸
発源2の蒸発物保持手段に保持されている蒸発物Aが蒸
発する。また、この状態で第2のバイアス電源83によ
って第1のターゲットホルダ81に支持されたターゲッ
トB(ケイ素:Si)のプラズマ流4に対する電位を-120
Vに設定した。また、第3のバイアス電源84によって
第2のターゲットホルダ82に支持されたターゲットC
(アルミニウム:Al)のプラズマ流4に対する電位を-1
50Vに設定した。さらに、第1のターゲットホルダ81
に設けられた前記駆動機構(図示せず)によって、ター
ゲットBとプラズマ流4との距離が25mmとなるように調
整した。この後、第1のターゲットホルダ81および第
2のターゲットホルダ82に設けられたそれぞれのシャ
ッタ81a、82aを開けた。これにより、プラズマ流
4中のイオンはターゲットBおよびCに向かって加速し
て衝突し、これらターゲットBおよびCを形成する物質
(ターゲット物質)をスパッタリングする。この時、前
期排気手段のメインバルブ17の開度を調整して真空容
器10内の圧力が5×10-4Torrとなるように設定する。
この状態でシャッタ9を開くと、蒸発源2で蒸発した蒸
発物Aを形成する物質(鉄:Fe)はプラズマ中を通るこ
とでイオン化されて、第1のバイアス電源13によって
蒸発源2よりも低い電位に保たれた基板6上に到達す
る。また、ターゲットBでスパッタされた粒子(ケイ
素:Si)およびターゲットCでスパッタされた粒子(ア
ルミニウム:Al)も基板6上に到達する。こうして基板
6表面にセンダスト合金(Fe-Si-Al)膜が形成される。
成膜中は膜厚モニタ8によって膜の厚さと成膜レート
(蒸発速度)を測定し、膜厚が1μmとなった時点で成
膜を止めた。このときの成膜条件を以下に示す。
【0029】 真空容器10内の到達真空度 :1×10-6
Torr 成膜時の真空容器10内の到達真空度 :5×10-4
Torr 第1のターゲットBとプラズマ流4との距離:25mm 第2のターゲットCとプラズマ流4との距離:38mm プラズマ流4と基板6表面との距離 :50mm 第1のターゲットホルダ81に印加する電圧:−120 V 第2のターゲットホルダ82に印加する電圧:−150 V プラズマ生成手段に印加する直流電源の強さ:40V、70
A 上記条件で成膜されたセンダスト合金の組成比(重量
%)を以下に示す。
Torr 成膜時の真空容器10内の到達真空度 :5×10-4
Torr 第1のターゲットBとプラズマ流4との距離:25mm 第2のターゲットCとプラズマ流4との距離:38mm プラズマ流4と基板6表面との距離 :50mm 第1のターゲットホルダ81に印加する電圧:−120 V 第2のターゲットホルダ82に印加する電圧:−150 V プラズマ生成手段に印加する直流電源の強さ:40V、70
A 上記条件で成膜されたセンダスト合金の組成比(重量
%)を以下に示す。
【0030】 (Fe:Si:Al)=(84.9: 9.6: 5.5) 〔重量%〕 この組成比は一般的なバルク(塊)状のセンダスト合金
の組成比と等しいものである。
の組成比と等しいものである。
【0031】
【実施例3】実施例2で使用した成膜装置を用いて、厚
さ1μmのセンダスト合金をその組成比が磁性膜として
の使用に好ましい比率(Fe:Si:Al= 85.0: 9.2:
5.8重量%)となるように製造(成膜)した。その際、
成膜装置における第1のターゲットホルダ81に設けら
れた前記駆動機構により、成膜が行われる際のターゲッ
トB(ケイ素:Si)とプラズマ流4との距離が23mmとな
るように調整した。また、第2のバイアス電源83によ
って第1のターゲットホルダ81に支持されたターゲッ
トB(ケイ素:Si)のプラズマ流4に対する電位を-150
Vに設定した。また、第3のバイアス電源84によって
第2のターゲットホルダ82に支持されたターゲットC
(アルミニウム:Al)のプラズマ流4に対する電位を-1
80Vに設定した。これ以外は実施例2と同様に設定し
た。本実施例での成膜条件を以下に示す。
さ1μmのセンダスト合金をその組成比が磁性膜として
の使用に好ましい比率(Fe:Si:Al= 85.0: 9.2:
5.8重量%)となるように製造(成膜)した。その際、
成膜装置における第1のターゲットホルダ81に設けら
れた前記駆動機構により、成膜が行われる際のターゲッ
トB(ケイ素:Si)とプラズマ流4との距離が23mmとな
るように調整した。また、第2のバイアス電源83によ
って第1のターゲットホルダ81に支持されたターゲッ
トB(ケイ素:Si)のプラズマ流4に対する電位を-150
Vに設定した。また、第3のバイアス電源84によって
第2のターゲットホルダ82に支持されたターゲットC
(アルミニウム:Al)のプラズマ流4に対する電位を-1
80Vに設定した。これ以外は実施例2と同様に設定し
た。本実施例での成膜条件を以下に示す。
【0032】 真空容器10内の到達真空度 :1×10-6
Torr 成膜時の真空容器10内の到達真空度 :5×10-4
Torr 第1のターゲットBとプラズマ流4との距離:23mm 第2のターゲットCとプラズマ流4との距離:38mm プラズマ流4と基板6表面との距離 :50mm 第1のターゲットホルダ81に印加する電圧:−150 V 第2のターゲットホルダ82に印加する電圧:−180 V プラズマ生成手段に印加する直流電源の強さ:40V、70
A 上記条件で成膜されたセンダスト合金の組成比を調べた
ところ、所望の組成比(Fe:Si:Al=85.0: 9.2: 5.8
〔重量%〕)が得られたことがわかった。成膜後は、磁
性膜としての特性を安定的に出すために真空中で 600℃
まで加熱し、この状態で2時間保持した。この時、昇温
および降温の速度は 200℃/hrに設定した。
Torr 成膜時の真空容器10内の到達真空度 :5×10-4
Torr 第1のターゲットBとプラズマ流4との距離:23mm 第2のターゲットCとプラズマ流4との距離:38mm プラズマ流4と基板6表面との距離 :50mm 第1のターゲットホルダ81に印加する電圧:−150 V 第2のターゲットホルダ82に印加する電圧:−180 V プラズマ生成手段に印加する直流電源の強さ:40V、70
A 上記条件で成膜されたセンダスト合金の組成比を調べた
ところ、所望の組成比(Fe:Si:Al=85.0: 9.2: 5.8
〔重量%〕)が得られたことがわかった。成膜後は、磁
性膜としての特性を安定的に出すために真空中で 600℃
まで加熱し、この状態で2時間保持した。この時、昇温
および降温の速度は 200℃/hrに設定した。
【0033】比較のために、ターゲットにセンダスト合
金(組成比 Fe:Si:Ali=84.9:9.6: 5.5〔重量
%〕)を用いたDCマグネトロンスパッタ装置によっ
て、実施例2と同様の基板上に厚さ1μmのセンダスト
合金を成膜した。このときの成膜条件を以下に示す。 真空容器内の到達真空度 :1×10-6 Torr 成膜時の真空容器内の到達真空度:2×10-1 Torr スパッタ電流 :250mA DCマグネトロンスパッタ装置によって製造(成膜)さ
れたセンダスト合金の組成比を以下に示す。
金(組成比 Fe:Si:Ali=84.9:9.6: 5.5〔重量
%〕)を用いたDCマグネトロンスパッタ装置によっ
て、実施例2と同様の基板上に厚さ1μmのセンダスト
合金を成膜した。このときの成膜条件を以下に示す。 真空容器内の到達真空度 :1×10-6 Torr 成膜時の真空容器内の到達真空度:2×10-1 Torr スパッタ電流 :250mA DCマグネトロンスパッタ装置によって製造(成膜)さ
れたセンダスト合金の組成比を以下に示す。
【0034】 (Fe:Si:Al)=(89.3: 1.7: 7.9) 〔重量%〕 成膜後は、本実施例と同様、真空中で 600℃まで加熱
し、この状態で2時間保持した。昇温および降温の速度
は 200℃/hrとした。このセンダスト合金膜を磁性膜と
して用い、実施例3で製造したものと比較したところ、
実施例3のものより特性が劣っていた。
し、この状態で2時間保持した。昇温および降温の速度
は 200℃/hrとした。このセンダスト合金膜を磁性膜と
して用い、実施例3で製造したものと比較したところ、
実施例3のものより特性が劣っていた。
【0035】なお、実施例では「複数の物質からなる
膜」として、酸化スズ(SnO2)と酸化インジウム(In2O
3 )からなるITOや、Fe-Si-Alからなるセンダスト合
金の膜を成膜(製造)する場合について説明したが、本
発明はこれ以外の膜、例えば、他の合金からなる膜や
「イリジウム(Ir)とスズ(Sn)の酸化物膜(IrOx・ S
nOy )」等を成膜(製造)する際にも適用できるもので
ある。
膜」として、酸化スズ(SnO2)と酸化インジウム(In2O
3 )からなるITOや、Fe-Si-Alからなるセンダスト合
金の膜を成膜(製造)する場合について説明したが、本
発明はこれ以外の膜、例えば、他の合金からなる膜や
「イリジウム(Ir)とスズ(Sn)の酸化物膜(IrOx・ S
nOy )」等を成膜(製造)する際にも適用できるもので
ある。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、複数の物質からなる膜
を成膜(製造)する際に、該膜を形成する物質の構成比
を制御することができる。そのため、所望の特性を有す
る膜を再現性よく成膜(製造)することができる。ま
た、低融点物質と高融点物質からなる膜を安定して成膜
(製造)することも可能である。
を成膜(製造)する際に、該膜を形成する物質の構成比
を制御することができる。そのため、所望の特性を有す
る膜を再現性よく成膜(製造)することができる。ま
た、低融点物質と高融点物質からなる膜を安定して成膜
(製造)することも可能である。
【0037】さらに、1つのプラズマ生成手段で複数の
膜形成物質に対して成膜過程を実施することができるの
で、成膜装置の構造を複雑化せずに複数の物質からなる
膜を成膜(製造)することが可能となる。
膜形成物質に対して成膜過程を実施することができるの
で、成膜装置の構造を複雑化せずに複数の物質からなる
膜を成膜(製造)することが可能となる。
【図1】は、実施例1の薄膜形成装置の概略断面図であ
る。
る。
【図2】は、図1の装置で用いたプラズマ生成手段の構
成を示す概略断面図である。
成を示す概略断面図である。
【図3】は、プラズマの形状をシート状に変形させる過
程を説明する概略図である。
程を説明する概略図である。
【図4】は、真空容器内でのプラズマの流れを示す概略
図である。
図である。
【図5】は、実施例2、3で用いた薄膜形成装置の概略
断面図である。
断面図である。
1 プラズマ生成手段 2 蒸着源(プラズマ生成手段の陽極を兼ねる) 3 プラズマ収束用磁石 4 プラズマ流 5 ターゲットホルダ 6 基板 7 基板ホルダ 8 膜厚モニタ 9 シャッタ 10 真空容器 11 空芯コイル 12 磁場印加手段 13 第1のバイアス電源 14 第2のバイアス電源 15 反応ガス導入口 16 排気口 17 メインバルブ 21 陰極部 23 第1の中間電極 24 第2の中間電極 26 主放電電源 27 ガス導入口 41 主陰極 42 補助陰極 81 第1のターゲットホルダ 82 第2のターゲットホルダ
Claims (5)
- 【請求項1】 基板を保持する基板保持手段、成膜する
膜を形成する複数の膜形成物質を支持する形成物質支持
手段、前記基板保持手段と形成物質支持手段を収納し成
膜が行われる空間を形成する真空容器、該真空容器の内
部を所定の圧力に設定する排気手段、プラズマを生成し
て該プラズマを前記真空容器の内部に導入するプラズマ
生成手段、および前記複数の膜形成物質のうち少なくと
も1つの物質と前記プラズマとの間隔を任意の値に調整
する移動手段を有することを特徴とする成膜装置。 - 【請求項2】 請求項2記載の成膜装置において、 前記膜形成物質の電位を前記プラズマの電位よりも低い
範囲内で所定の値に設定する電圧印加手段を設けたこと
を特徴とする成膜装置。 - 【請求項3】 プラズマ流が蒸発物に至る経路の途中に
該プラズマ流と接するようにターゲットを設置して該タ
ーゲットに前記プラズマ流に含まれるイオンを衝突させ
ることで、前記プラズマ流を蒸発物に照射して該蒸発物
をイオン化するイオンプレーティングでの成膜過程と、
前記イオンとターゲットとの衝突によるスパッタリング
での成膜過程とを同時に行うことを特徴とする成膜方
法。 - 【請求項4】 請求項3記載の成膜方法を用いて、同一
基板上に前記蒸発物を形成する物質と前記ターゲットを
形成する物質とを含む膜を成膜することを特徴とする複
数の物質からなる膜の製造方法。 - 【請求項5】 プラズマ流の経路に複数の膜形成物質を
該プラズマ流と接するように設置し、前記プラズマ流に
よって前記各膜形成物質に対して同時に成膜過程を行な
うことで各膜形成物質を形成している物質を含む膜を成
膜する複数の物質からなる膜の製造方法において、 前記複数の膜形成物質のうち少なくとも1つをターゲッ
トとして用い、前記プラズマ流に含まれるイオンを衝突
させることで該ターゲットを形成する物質にスパッタリ
ングによる成膜過程を実施すると共に、前記ターゲット
のうちの少なくとも1つと前記プラズマ流との間隔を調
整することで前記膜を形成する複数の物質の成分比を制
御することを特徴とする複数の物質からなる膜の製造方
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5101198A JPH06306588A (ja) | 1993-04-27 | 1993-04-27 | 成膜装置及びそれを用いた複数の物質からなる 膜の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5101198A JPH06306588A (ja) | 1993-04-27 | 1993-04-27 | 成膜装置及びそれを用いた複数の物質からなる 膜の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06306588A true JPH06306588A (ja) | 1994-11-01 |
Family
ID=14294245
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5101198A Pending JPH06306588A (ja) | 1993-04-27 | 1993-04-27 | 成膜装置及びそれを用いた複数の物質からなる 膜の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06306588A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0860344A (ja) * | 1994-08-16 | 1996-03-05 | Stanley Electric Co Ltd | 混合物薄膜作成の方法と装置 |
| US5558717A (en) * | 1994-11-30 | 1996-09-24 | Applied Materials | CVD Processing chamber |
| US8864956B2 (en) | 2004-03-19 | 2014-10-21 | United Technologies Corporation | Multi-component deposition |
| CN120358657A (zh) * | 2025-06-23 | 2025-07-22 | 中国科学院合肥物质科学研究院 | 等离子体发生装置 |
-
1993
- 1993-04-27 JP JP5101198A patent/JPH06306588A/ja active Pending
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0860344A (ja) * | 1994-08-16 | 1996-03-05 | Stanley Electric Co Ltd | 混合物薄膜作成の方法と装置 |
| US5558717A (en) * | 1994-11-30 | 1996-09-24 | Applied Materials | CVD Processing chamber |
| US5853607A (en) * | 1994-11-30 | 1998-12-29 | Applied Materials, Inc. | CVD processing chamber |
| US8864956B2 (en) | 2004-03-19 | 2014-10-21 | United Technologies Corporation | Multi-component deposition |
| CN120358657A (zh) * | 2025-06-23 | 2025-07-22 | 中国科学院合肥物质科学研究院 | 等离子体发生装置 |
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