JPH093628A - 透明性導電膜およびその製造方法 - Google Patents
透明性導電膜およびその製造方法Info
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- JPH093628A JPH093628A JP7150009A JP15000995A JPH093628A JP H093628 A JPH093628 A JP H093628A JP 7150009 A JP7150009 A JP 7150009A JP 15000995 A JP15000995 A JP 15000995A JP H093628 A JPH093628 A JP H093628A
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- conductive film
- film
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 低い抵抗率でかつ高透過率を有し、さらに透
明性導電膜上に形成される他の膜との密着性に優れた透
明性導電膜及び製造法を提供する。 【構成】 絶縁物または絶縁物に被覆された基板上に
成膜された酸化インジウム及び酸化錫を含む透明性導電
膜100の透過率が膜厚:50〜500nm、波長35
0〜800nmにおいて常に80%以上であり、かつ前
記導電膜の表面粗さ(RMS)が0.5〜1.3nmで
ある。
明性導電膜上に形成される他の膜との密着性に優れた透
明性導電膜及び製造法を提供する。 【構成】 絶縁物または絶縁物に被覆された基板上に
成膜された酸化インジウム及び酸化錫を含む透明性導電
膜100の透過率が膜厚:50〜500nm、波長35
0〜800nmにおいて常に80%以上であり、かつ前
記導電膜の表面粗さ(RMS)が0.5〜1.3nmで
ある。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アーク放電型イオンプ
レーティング装置で製造する透明性導電膜およびその製
造方法に関するものである。
レーティング装置で製造する透明性導電膜およびその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】透明性導電膜は帯電防止膜、熱線反射
膜、面発光体、光電変換素子やフラットパネルのディス
プレイの透明電極として利用されている。また、太陽電
池用透明性導電膜は、一般的に太陽電池の変換効率をあ
げるため表面粗さ(Ra)を数百nm〜数μmとしてい
る。透明性導電膜に要求される特性として(1)低い比抵
抗値であり、面内バラツキが小さいこと、(2)透過率8
0%以上面内バラツキがないことなどがあげられる。こ
れら透明性導電膜は様々な製造法により製造されている
が、いずれの場合でも基板に対する膜の密着性の良否が
重要となる。また素子構成によっては、透明性導電膜上
に他の膜、例えば、アモルファスシリコンを形成する場
合がある。その際、ガラス基板に対する透明性導電膜の
密着性と共に透明性導電膜に対するアモルファスシリコ
ンの密着性の良否も重要となる。
膜、面発光体、光電変換素子やフラットパネルのディス
プレイの透明電極として利用されている。また、太陽電
池用透明性導電膜は、一般的に太陽電池の変換効率をあ
げるため表面粗さ(Ra)を数百nm〜数μmとしてい
る。透明性導電膜に要求される特性として(1)低い比抵
抗値であり、面内バラツキが小さいこと、(2)透過率8
0%以上面内バラツキがないことなどがあげられる。こ
れら透明性導電膜は様々な製造法により製造されている
が、いずれの場合でも基板に対する膜の密着性の良否が
重要となる。また素子構成によっては、透明性導電膜上
に他の膜、例えば、アモルファスシリコンを形成する場
合がある。その際、ガラス基板に対する透明性導電膜の
密着性と共に透明性導電膜に対するアモルファスシリコ
ンの密着性の良否も重要となる。
【0003】従来、透明性導電膜を製造(成膜)する際
は、スパッタリングによって薄膜を形成させ、製造して
いた。このスパッタリングとは、真空内で放電ガス(ア
ルゴンなどの不活性ガス)中の加速された正イオンをタ
ーゲット(負電極)に衝突させ、その原子をたたき出し
蒸着分子を基板上に吸着(堆積)させることで成膜を行
うものである。スパッタリング法は、プラズマの生成方
法やターゲットの仕組みによりいくつかの方法に分類さ
れる。
は、スパッタリングによって薄膜を形成させ、製造して
いた。このスパッタリングとは、真空内で放電ガス(ア
ルゴンなどの不活性ガス)中の加速された正イオンをタ
ーゲット(負電極)に衝突させ、その原子をたたき出し
蒸着分子を基板上に吸着(堆積)させることで成膜を行
うものである。スパッタリング法は、プラズマの生成方
法やターゲットの仕組みによりいくつかの方法に分類さ
れる。
【0004】例えば、(イ)陽極上に薄膜を形成させる
基板を設置し、ターゲットと陽極を対向させ高電圧を印
加する直流二極スパッタリング法。 (ロ)基本的な構成は(イ)と同一だが、電源として高
周波を使用することにより絶縁物への成膜を容易にした
高周波スパッタリング法。 (ハ)ターゲットと平行方向に磁場が作用させ、量産性
を向上させたマグネトロンスパッタリング方法などがあ
る。 (ホ)プラズマ生成装置の陰極を、LaB6 (六ホウ化
ランタン)からなる主陰極とこのLaB6 より熱容量の
小さい物質からなる補助陰極とで構成した複合型陰極と
磁界を用いて、プラズマをシート化する方法(以下、ア
ーク放電型プラズマ生成法という)(特公平4−234
00号記載の技術)が提案されている。
基板を設置し、ターゲットと陽極を対向させ高電圧を印
加する直流二極スパッタリング法。 (ロ)基本的な構成は(イ)と同一だが、電源として高
周波を使用することにより絶縁物への成膜を容易にした
高周波スパッタリング法。 (ハ)ターゲットと平行方向に磁場が作用させ、量産性
を向上させたマグネトロンスパッタリング方法などがあ
る。 (ホ)プラズマ生成装置の陰極を、LaB6 (六ホウ化
ランタン)からなる主陰極とこのLaB6 より熱容量の
小さい物質からなる補助陰極とで構成した複合型陰極と
磁界を用いて、プラズマをシート化する方法(以下、ア
ーク放電型プラズマ生成法という)(特公平4−234
00号記載の技術)が提案されている。
【0005】これらスパッタリング方法では、高密度、
低抵抗の透明性導電膜を製造するためには通常高密度化
したターゲットを用いることが知られている。また、プ
ラズマ雰囲気中で蒸着による成膜を行うイオンプレーテ
ィング法でも透明性導電膜が成膜されている。このイオ
ンプレーティング法では、蒸発源から蒸発した物質をプ
ラズマ状態にしてその一部の原子をイオン化するととも
に、電界を与えてこのイオンを基板に衝突させることで
基板上に成膜を行うものである。イオンプレーティング
法は、プラズマの生成方法と蒸発源の仕組みにより、更
にいくつかの方法に分けることができる。
低抵抗の透明性導電膜を製造するためには通常高密度化
したターゲットを用いることが知られている。また、プ
ラズマ雰囲気中で蒸着による成膜を行うイオンプレーテ
ィング法でも透明性導電膜が成膜されている。このイオ
ンプレーティング法では、蒸発源から蒸発した物質をプ
ラズマ状態にしてその一部の原子をイオン化するととも
に、電界を与えてこのイオンを基板に衝突させることで
基板上に成膜を行うものである。イオンプレーティング
法は、プラズマの生成方法と蒸発源の仕組みにより、更
にいくつかの方法に分けることができる。
【0006】例えば、(イ)真空容器内に高周波励起電
圧を印加してグロー放電を起すことにより成膜が行われ
る空間(プラズマ雰囲気)を形成し、膜の基板に対する
密着性や、蒸着膜そのものの密度を向上させる高周波型
イオンプレーティング法。 (ロ)真空容器内にホローカソードを導入してアーク放
電を起こすホローカソード型イオンプレーティング法。
圧を印加してグロー放電を起すことにより成膜が行われ
る空間(プラズマ雰囲気)を形成し、膜の基板に対する
密着性や、蒸着膜そのものの密度を向上させる高周波型
イオンプレーティング法。 (ロ)真空容器内にホローカソードを導入してアーク放
電を起こすホローカソード型イオンプレーティング法。
【0007】(ハ)プラズマ領域と成膜領域の間に電子
ビーム加速領域を設けた電子ビーム励起イオン源と蒸発
源を溶融するための電子ビームとを併用したイオンプレ
ーティング法(特開平5−295527号記載の技術) (ニ)低圧アーク放電でプラズマ雰囲気を形成し、電子
ビームで蒸発源を溶融蒸発したイオンプレーティング方
法(特開昭61−201769号記載の技術)。
ビーム加速領域を設けた電子ビーム励起イオン源と蒸発
源を溶融するための電子ビームとを併用したイオンプレ
ーティング法(特開平5−295527号記載の技術) (ニ)低圧アーク放電でプラズマ雰囲気を形成し、電子
ビームで蒸発源を溶融蒸発したイオンプレーティング方
法(特開昭61−201769号記載の技術)。
【0008】(ホ)プラズマ生成装置の陰極を、LaB
6 (六ホウ化ランタン)からなる主陰極とこのLaB6
より熱容量の小さい物質からなる補助陰極とで構成した
複合型陰極を用いて、プラズマ雰囲気を発生させる生成
装置により、プラズマを生成する方法(以下、アーク放
電型プラズマ生成法という)(特公平2−50577号
記載の技術)が提案されている。
6 (六ホウ化ランタン)からなる主陰極とこのLaB6
より熱容量の小さい物質からなる補助陰極とで構成した
複合型陰極を用いて、プラズマ雰囲気を発生させる生成
装置により、プラズマを生成する方法(以下、アーク放
電型プラズマ生成法という)(特公平2−50577号
記載の技術)が提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の方
法では、所望とする膜特性をすべて満足することはでき
なかった。例えば、マグネトロンスパッタリング法では
基板加熱を行い、低抵抗で高透過率の透明性導電膜を製
造することは可能だが、使用するターゲットが高価であ
り使用効率も悪く、大面積への成膜が難しいという問題
点があった。また、透明性導電膜の上に他の膜を積層す
る場合、密着性が悪くうまく積層できないという問題点
があった。さらにマグネトロンスパッタリング法で成膜
された透明性導電膜は、アルゴン(Ar)などを放電ガ
スとして使用しているため、膜中に多量のArが取り込
まれ易く透過率が減少するという問題点があった。
法では、所望とする膜特性をすべて満足することはでき
なかった。例えば、マグネトロンスパッタリング法では
基板加熱を行い、低抵抗で高透過率の透明性導電膜を製
造することは可能だが、使用するターゲットが高価であ
り使用効率も悪く、大面積への成膜が難しいという問題
点があった。また、透明性導電膜の上に他の膜を積層す
る場合、密着性が悪くうまく積層できないという問題点
があった。さらにマグネトロンスパッタリング法で成膜
された透明性導電膜は、アルゴン(Ar)などを放電ガ
スとして使用しているため、膜中に多量のArが取り込
まれ易く透過率が減少するという問題点があった。
【0010】一方、従来のイオンプレーティング法でも
基板加熱を行うことでスパッタリング法と同様に低抵抗
な膜を得ることはできる。また透明性導電膜上に他の膜
を積層する際にも良好な密着性を有する。しかしなが
ら、この方法で成膜された透明性導電膜は透過率が低く
再現性に欠け、大面積への成膜が難しいという問題点が
あった。
基板加熱を行うことでスパッタリング法と同様に低抵抗
な膜を得ることはできる。また透明性導電膜上に他の膜
を積層する際にも良好な密着性を有する。しかしなが
ら、この方法で成膜された透明性導電膜は透過率が低く
再現性に欠け、大面積への成膜が難しいという問題点が
あった。
【0011】本発明は、このような問題に鑑みてなされ
たもので、低い抵抗率でかつ高透過率を有し、さらに透
明性導電膜上に形成される他の膜との密着性に優れた透
明性導電膜及び製造法を提供することを目的とする。
たもので、低い抵抗率でかつ高透過率を有し、さらに透
明性導電膜上に形成される他の膜との密着性に優れた透
明性導電膜及び製造法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】絶縁物または絶縁物に被
覆された基板上に成膜された酸化インジウム及び酸化錫
を含む透明性導電膜において、該導電膜の透過率が膜
厚:50〜500nm、波長350〜800nmにおい
て常に80%以上であり、かつ前記透明性導電膜の表面
粗さ(RMS)が、0.6nm〜1.3nmとした(請
求項1)。
覆された基板上に成膜された酸化インジウム及び酸化錫
を含む透明性導電膜において、該導電膜の透過率が膜
厚:50〜500nm、波長350〜800nmにおい
て常に80%以上であり、かつ前記透明性導電膜の表面
粗さ(RMS)が、0.6nm〜1.3nmとした(請
求項1)。
【0013】また、絶縁物または絶縁物に被覆された基
板上に成膜された酸化インジウム及び酸化錫を含む透明
性導電膜を製造する方法において、その形成過程が
(イ)所定の圧力に設定された第1の真空空間中にアー
ク放電によりプラズマを生成する工程、(ロ)該プラズ
マを前記第1の真空空間よりも低い圧力に設定された第
2の真空空間に設置された蒸着物質に照射する工程、
(ハ)該第2の真空空間中で基板に成膜を行うアーク放
電型イオンプレーティングによる透明性導電膜を形成す
る工程からなり(請求項2)、透明性導電膜を成膜する
際の基板温度が100〜350℃である透明性導電膜の
製造方法(請求項3)を用いた。
板上に成膜された酸化インジウム及び酸化錫を含む透明
性導電膜を製造する方法において、その形成過程が
(イ)所定の圧力に設定された第1の真空空間中にアー
ク放電によりプラズマを生成する工程、(ロ)該プラズ
マを前記第1の真空空間よりも低い圧力に設定された第
2の真空空間に設置された蒸着物質に照射する工程、
(ハ)該第2の真空空間中で基板に成膜を行うアーク放
電型イオンプレーティングによる透明性導電膜を形成す
る工程からなり(請求項2)、透明性導電膜を成膜する
際の基板温度が100〜350℃である透明性導電膜の
製造方法(請求項3)を用いた。
【0014】
【作用】本発明者らは、透明性導電膜の透過率を減少さ
せる原因を追求したところ、透明性導電膜内の表面粗さ
が最も影響していると考えた。従来のスパッタリング法
で製造される膜は緻密で表面粗さが良く、高透過率を得
ることが出来た。また、イオンプレーティング法では逆
に表面粗さが悪く、表面散乱により透過率の減少が発生
していた。他の薄膜との密着性は表面に凹凸が存在する
透明性導電膜の方が良好であった。この表面粗さは基板
に到達するエネルギーにより大きく左右される。従来の
スパッタリングの粒子エネルギーは1〜100eV、イ
オンプレーティングでは10〜1000eVである。本
発明者らが使用した圧力勾配を利用したアーク放電イオ
ンプレーティングは、成膜条件(放電電流、放電電圧、
バイアス)を設定することにより数十から数百の粒子エ
ネルギーを再現良くコントロールできることがわかっ
た。
せる原因を追求したところ、透明性導電膜内の表面粗さ
が最も影響していると考えた。従来のスパッタリング法
で製造される膜は緻密で表面粗さが良く、高透過率を得
ることが出来た。また、イオンプレーティング法では逆
に表面粗さが悪く、表面散乱により透過率の減少が発生
していた。他の薄膜との密着性は表面に凹凸が存在する
透明性導電膜の方が良好であった。この表面粗さは基板
に到達するエネルギーにより大きく左右される。従来の
スパッタリングの粒子エネルギーは1〜100eV、イ
オンプレーティングでは10〜1000eVである。本
発明者らが使用した圧力勾配を利用したアーク放電イオ
ンプレーティングは、成膜条件(放電電流、放電電圧、
バイアス)を設定することにより数十から数百の粒子エ
ネルギーを再現良くコントロールできることがわかっ
た。
【0015】第1の真空空間内において生成されたプラ
ズマが第2の真空空間に導入されることにより、蒸発物
質として載置された酸化錫を含んだ酸化インジウムが蒸
発し、インジウムイオン(In3+、InO+、In2O4+
など)や錫イオン(Sn4+、SnO2+など)に変化す
る。また、このときに、第2の真空空間にO2 等の反応
ガスを導入する。放電電流、電圧により蒸発した酸化錫
を含んだ酸化インジウムの一部のイオンは反応ガスと反
応しながら、基板に衝突する。この時、適度のエネルギ
ーを有しているインジウムイオンや錫イオンは基板上で
既に堆積している透明性導電膜に影響を与える。この影
響は最表面もしくは数原子層までにおよび、基板上では
原子、分子の移動により平滑化が起こる。このように圧
力勾配を利用したイオンプレーティングでは第2の真空
空間を10ー4Torr以下に設定できるため、低い電
流、電圧値で透明性導電膜を成膜することが可能となっ
た。すなわち通常のイオンプレーティングよりも低エネ
ルギーで成膜するために表面粗さも1.3nm(RM
S)以下になったと考える。
ズマが第2の真空空間に導入されることにより、蒸発物
質として載置された酸化錫を含んだ酸化インジウムが蒸
発し、インジウムイオン(In3+、InO+、In2O4+
など)や錫イオン(Sn4+、SnO2+など)に変化す
る。また、このときに、第2の真空空間にO2 等の反応
ガスを導入する。放電電流、電圧により蒸発した酸化錫
を含んだ酸化インジウムの一部のイオンは反応ガスと反
応しながら、基板に衝突する。この時、適度のエネルギ
ーを有しているインジウムイオンや錫イオンは基板上で
既に堆積している透明性導電膜に影響を与える。この影
響は最表面もしくは数原子層までにおよび、基板上では
原子、分子の移動により平滑化が起こる。このように圧
力勾配を利用したイオンプレーティングでは第2の真空
空間を10ー4Torr以下に設定できるため、低い電
流、電圧値で透明性導電膜を成膜することが可能となっ
た。すなわち通常のイオンプレーティングよりも低エネ
ルギーで成膜するために表面粗さも1.3nm(RM
S)以下になったと考える。
【0016】また、このように基板に到達するエネルギ
ーや成膜真空度の影響を受け、該導電膜の薄膜成長過程
も変化すると考えられる。このアーク放電イオンプレー
ティング法では、成膜温度が100℃以下の場合は、表
面粗さ(RMS)が、0.5nm未満となり易く、また
膜の硬度(Hv)も低下し、他の膜との密着性が悪くな
ることがわかった。350℃以上の場合は表面粗さ(R
MS)が増加し1.3nm以上となる。このため透過率
の減少が発生した。
ーや成膜真空度の影響を受け、該導電膜の薄膜成長過程
も変化すると考えられる。このアーク放電イオンプレー
ティング法では、成膜温度が100℃以下の場合は、表
面粗さ(RMS)が、0.5nm未満となり易く、また
膜の硬度(Hv)も低下し、他の膜との密着性が悪くな
ることがわかった。350℃以上の場合は表面粗さ(R
MS)が増加し1.3nm以上となる。このため透過率
の減少が発生した。
【0017】
【実施例】図1は、本発明を実施する際、薄膜製造に使
用した薄膜形成装置(アーク放電型イオンプレーティン
グ装置)の概略断面図の一例である。この薄膜形成装置
は、蒸着膜を形成するための所望の圧力に制御可能な真
空容器6内に、複数の蒸着物を別々に入れられるよう複
数の凹部の形状を有する蒸発物るつぼ19、一部分に切
り欠きを有した蒸発源カバー20、蒸発物るつぼ19を
載置し、かつ回転可能なるつぼ保持手段7、蒸発物るつ
ぼ19の真下でかつ蒸発源カバー20の切り欠きの真下
に設置されたプラズマ収束用永久磁石8、蒸発した蒸着
物が付着する基板12を支持する回転可能な基板ホルダ
18、基板12上に形成された蒸着薄膜の膜厚を測定す
る膜厚モニタ17、蒸発物るつぼ19の蒸着物から蒸発
した蒸着物が基板12に到達するのを防ぐシャッタ15
を有している。
用した薄膜形成装置(アーク放電型イオンプレーティン
グ装置)の概略断面図の一例である。この薄膜形成装置
は、蒸着膜を形成するための所望の圧力に制御可能な真
空容器6内に、複数の蒸着物を別々に入れられるよう複
数の凹部の形状を有する蒸発物るつぼ19、一部分に切
り欠きを有した蒸発源カバー20、蒸発物るつぼ19を
載置し、かつ回転可能なるつぼ保持手段7、蒸発物るつ
ぼ19の真下でかつ蒸発源カバー20の切り欠きの真下
に設置されたプラズマ収束用永久磁石8、蒸発した蒸着
物が付着する基板12を支持する回転可能な基板ホルダ
18、基板12上に形成された蒸着薄膜の膜厚を測定す
る膜厚モニタ17、蒸発物るつぼ19の蒸着物から蒸発
した蒸着物が基板12に到達するのを防ぐシャッタ15
を有している。
【0018】また、真空容器6には、蒸発物るつぼ19
内の蒸着物を加熱するため、および真空容器6内にプラ
ズマ雰囲気を形成するプラズマを生成するプラズマ生成
手段(電子銃)50、プラズマ生成手段50により生成
されたプラズマ雰囲気の幅を制御する空芯コイル14、
プラズマ生成手段50と蒸発物るつぼ19間で電位を持
たしプラズマを発生させるための主放電電源5、基板1
2と蒸発物るつぼ19間で電位を持たすバイアス電源1
1、真空容器6内の気体を排気する排気口9、真空容器
6内に反応ガスを供給する反応ガス供給口10を設けて
いる。
内の蒸着物を加熱するため、および真空容器6内にプラ
ズマ雰囲気を形成するプラズマを生成するプラズマ生成
手段(電子銃)50、プラズマ生成手段50により生成
されたプラズマ雰囲気の幅を制御する空芯コイル14、
プラズマ生成手段50と蒸発物るつぼ19間で電位を持
たしプラズマを発生させるための主放電電源5、基板1
2と蒸発物るつぼ19間で電位を持たすバイアス電源1
1、真空容器6内の気体を排気する排気口9、真空容器
6内に反応ガスを供給する反応ガス供給口10を設けて
いる。
【0019】排気口9の排気先には、トラップを備えた
油拡散ポンプと油回転ポンプ、補助ポンプ、粗引きバル
ブ(図示せず)およびメインバルブ16等の排気手段を
備えている。本実施例での真空容器6は、ステンレス製
(SUS304)でできている。蒸発物るつぼ19は、
導電物質でできている。この蒸発物るつぼ19は、主放
電電源5によりプラズマ生成手段50に対して高い電位
を有しており、プラズマ生成手段50の陽極を兼ねてい
る。プラズマ生成手段50で生成したプラズマが蒸発る
つぼ19に到達して、そのプラズマのエネルギーによっ
て蒸着物を溶融する。この蒸発物るつぼ19は、2つの
凹部19a、19bを有し、2種類の物質を混入せず別
々の入れられるようになっている。また、蒸発物るつぼ
19と基板12とは、バイアス電源11によりバイアス
電圧が印加されており、蒸発物るつぼ19は、基板12
に対して正の電位を持っている。
油拡散ポンプと油回転ポンプ、補助ポンプ、粗引きバル
ブ(図示せず)およびメインバルブ16等の排気手段を
備えている。本実施例での真空容器6は、ステンレス製
(SUS304)でできている。蒸発物るつぼ19は、
導電物質でできている。この蒸発物るつぼ19は、主放
電電源5によりプラズマ生成手段50に対して高い電位
を有しており、プラズマ生成手段50の陽極を兼ねてい
る。プラズマ生成手段50で生成したプラズマが蒸発る
つぼ19に到達して、そのプラズマのエネルギーによっ
て蒸着物を溶融する。この蒸発物るつぼ19は、2つの
凹部19a、19bを有し、2種類の物質を混入せず別
々の入れられるようになっている。また、蒸発物るつぼ
19と基板12とは、バイアス電源11によりバイアス
電圧が印加されており、蒸発物るつぼ19は、基板12
に対して正の電位を持っている。
【0020】るつぼ保持手段7は、蒸発物るつぼ19と
機械的に一体になっている。るつぼ保持手段7は、モー
タ等の回転駆動手段(図示せず)により回転する。るつ
ぼ保持手段7が回転することにより蒸発物るつぼ19も
一緒に回転する。このるつぼ保持手段7はテフロン等の
絶縁物でできている。このるつぼ保持手段7の内部構造
は、蒸発物るつぼ19と主放電電源5およびバイアス電
源11とが導通するよう導線等によってに電気的に導通
させている。しかし、電気的に導通していても、プラズ
マ生成手段50から発生するプラズマに対し、影響を与
えない構造をとっている。また、るつぼ保持手段7は水
冷機構を有しており、これによってるつぼ保持手段7を
冷却している(図示せず)。
機械的に一体になっている。るつぼ保持手段7は、モー
タ等の回転駆動手段(図示せず)により回転する。るつ
ぼ保持手段7が回転することにより蒸発物るつぼ19も
一緒に回転する。このるつぼ保持手段7はテフロン等の
絶縁物でできている。このるつぼ保持手段7の内部構造
は、蒸発物るつぼ19と主放電電源5およびバイアス電
源11とが導通するよう導線等によってに電気的に導通
させている。しかし、電気的に導通していても、プラズ
マ生成手段50から発生するプラズマに対し、影響を与
えない構造をとっている。また、るつぼ保持手段7は水
冷機構を有しており、これによってるつぼ保持手段7を
冷却している(図示せず)。
【0021】プラズマ生成手段50は、「真空第25号
第10巻」に記載されているような、複合陰極を用いた
圧力勾配型プラズマ生成装置を使用した。このプラズマ
生成手段50は主に、ガス導入口1と、一端に配置され
た陰極部2、環状の永久磁石を内蔵した第1の中間電極
3、第2の空芯コイルを内蔵した第2の中間電極4等で
構成されている。この陰極部2と陰極部2に対し陽極の
特性を持つ蒸発物るつぼ7との間に中間電極3、4を配
置することで、空間的にプラズマ生成手段50の空間を
陰極側、真空容器6内の空間を陽極側とに分けると共
に、陰極側の圧力を陽極側よりも高い圧力に維持した状
態でプラズマを生成するようにしている。このプラズマ
生成手段50によるプラズマの発生の機構は次の通りで
ある。ガス導入口1よりガス(本実施例では、Arガス
を使用している。)をプラズマ生成手段50に導入し、
それによりプラズマ生成室51の圧力は1Torr程度
となる。一方、このプラズマ生成手段50に対する陽極
である蒸発物るつぼ19とるつぼ保持手段7の近傍は、
排気口9にある排気手段により10-1〜10-4Torr
程度の希望する圧力に設定する。このように陰極側の圧
力を陽極側の圧力より高い圧力にする。この状態で、主
放電電源5によって直流電圧を印加する。プラズマ生成
手段50と蒸発るつぼ19との間に放電が起こる。この
放電によって電子を含むプラズマがプラズマ生成室51
で生成され、中間電極3、中間電極4およびプラズマ生
成手段50に対して陽極である蒸発物るつぼ19により
真空容器6内にそのプラズマが引き出される。そして、
プラズマ収束用永久磁石8によって、プラズマが収束さ
れ蒸発物るつぼ19に到達し、真空容器6内に図1の点
線のようにプラズマ雰囲気13が形成される。
第10巻」に記載されているような、複合陰極を用いた
圧力勾配型プラズマ生成装置を使用した。このプラズマ
生成手段50は主に、ガス導入口1と、一端に配置され
た陰極部2、環状の永久磁石を内蔵した第1の中間電極
3、第2の空芯コイルを内蔵した第2の中間電極4等で
構成されている。この陰極部2と陰極部2に対し陽極の
特性を持つ蒸発物るつぼ7との間に中間電極3、4を配
置することで、空間的にプラズマ生成手段50の空間を
陰極側、真空容器6内の空間を陽極側とに分けると共
に、陰極側の圧力を陽極側よりも高い圧力に維持した状
態でプラズマを生成するようにしている。このプラズマ
生成手段50によるプラズマの発生の機構は次の通りで
ある。ガス導入口1よりガス(本実施例では、Arガス
を使用している。)をプラズマ生成手段50に導入し、
それによりプラズマ生成室51の圧力は1Torr程度
となる。一方、このプラズマ生成手段50に対する陽極
である蒸発物るつぼ19とるつぼ保持手段7の近傍は、
排気口9にある排気手段により10-1〜10-4Torr
程度の希望する圧力に設定する。このように陰極側の圧
力を陽極側の圧力より高い圧力にする。この状態で、主
放電電源5によって直流電圧を印加する。プラズマ生成
手段50と蒸発るつぼ19との間に放電が起こる。この
放電によって電子を含むプラズマがプラズマ生成室51
で生成され、中間電極3、中間電極4およびプラズマ生
成手段50に対して陽極である蒸発物るつぼ19により
真空容器6内にそのプラズマが引き出される。そして、
プラズマ収束用永久磁石8によって、プラズマが収束さ
れ蒸発物るつぼ19に到達し、真空容器6内に図1の点
線のようにプラズマ雰囲気13が形成される。
【0022】この様に、成膜が行われる真空容器6内を
高真空(低圧力)に保ちながら、プラズマを生成する箇
所は低真空(高圧力)にできるため、プラズマ生成のた
めに安定な放電を行うことができる。また、真空容器6
とプラズマ生成室51との圧力差により、陰極部2に対
するイオンの逆流が無いため、イオンの衝突による陰極
の損傷を防止できる。また、このプラズマ生成手段50
の特徴としては他に、陰極からの熱電子放出が低下し難
い、陰極の寿命が長い、大電流放電が可能などの利点を
有する。さらに、真空容器6内に反応ガスを導入しても
このガスがプラズマ生成室51に入り込む恐れがないと
いう特徴がある。
高真空(低圧力)に保ちながら、プラズマを生成する箇
所は低真空(高圧力)にできるため、プラズマ生成のた
めに安定な放電を行うことができる。また、真空容器6
とプラズマ生成室51との圧力差により、陰極部2に対
するイオンの逆流が無いため、イオンの衝突による陰極
の損傷を防止できる。また、このプラズマ生成手段50
の特徴としては他に、陰極からの熱電子放出が低下し難
い、陰極の寿命が長い、大電流放電が可能などの利点を
有する。さらに、真空容器6内に反応ガスを導入しても
このガスがプラズマ生成室51に入り込む恐れがないと
いう特徴がある。
【0023】膜厚モニタ17は、水晶振動子からなって
おり、常時、成膜レートや膜厚を監視できる。真空容器
6には、容器6内を所望の圧力に設定するための排気手
段を有する排気口9と、反応ガス供給口10とが設けら
れている。この反応ガス供給口10には、反応ガスを容
器6内に導入するための反応ガス供給手段(図示せず)
が接続されている。
おり、常時、成膜レートや膜厚を監視できる。真空容器
6には、容器6内を所望の圧力に設定するための排気手
段を有する排気口9と、反応ガス供給口10とが設けら
れている。この反応ガス供給口10には、反応ガスを容
器6内に導入するための反応ガス供給手段(図示せず)
が接続されている。
【0024】次に、この薄膜形成装置(アーク放電型イ
オンプレーティング装置)を用いて透明性導電膜を製造
(成膜)する過程について説明する。また図2には、本
実施例の薄膜構成図を示した。ガラス基板上に透明性導
電膜100を積層し、さらにその上に他の薄膜(本実施
例ではa−Si膜)101を積層した構成である。ま
ず、基板12として光学研磨した所望の円形の石英ガラ
ス(表面粗さ;RMS約1.3nm)を用意し、この基
板12を基板ホルダ18に取り付ける。そして、蒸発物
るつぼ19の一つの凹部19aに酸化錫を5重量%含ん
だ酸化インジウム(ITO)を載置する。その後、メイ
ンバルブ16の開度を調整しながら排気口9にある排気
手段によって、真空容器6内の圧力が1×10-6Tor
rになるように設定する。そして、るつぼ保持手段7の
回転駆動手段であるモータを駆動して、ITOが載置さ
れた蒸発るつぼ19の凹部19aが蒸発源カバー20の
切り欠きの下部に位置するように所定量回転させる。
オンプレーティング装置)を用いて透明性導電膜を製造
(成膜)する過程について説明する。また図2には、本
実施例の薄膜構成図を示した。ガラス基板上に透明性導
電膜100を積層し、さらにその上に他の薄膜(本実施
例ではa−Si膜)101を積層した構成である。ま
ず、基板12として光学研磨した所望の円形の石英ガラ
ス(表面粗さ;RMS約1.3nm)を用意し、この基
板12を基板ホルダ18に取り付ける。そして、蒸発物
るつぼ19の一つの凹部19aに酸化錫を5重量%含ん
だ酸化インジウム(ITO)を載置する。その後、メイ
ンバルブ16の開度を調整しながら排気口9にある排気
手段によって、真空容器6内の圧力が1×10-6Tor
rになるように設定する。そして、るつぼ保持手段7の
回転駆動手段であるモータを駆動して、ITOが載置さ
れた蒸発るつぼ19の凹部19aが蒸発源カバー20の
切り欠きの下部に位置するように所定量回転させる。
【0025】その後、プラズマ生成手段50において
は、ガス導入口1からの放電ガスであるArガスを導入
する。その結果、プラズマ生成室51の圧力(ガス圧)
は約1Torr程度に維持される。また、排気口9にあ
る排気手段により、真空容器6内の蒸発るつぼ19の近
傍領域の圧力が約2×10-3Torrとなるように設定
する。その後に、主放電電源5によりプラズマ生成室5
1とるつぼ保持手段7との間に約600Vの直流電圧を
印加する。この時、プラズマ生成手段50のプラズマ生
成室51付近でアーク放電が生じ、このアーク放電によ
り放電ガスがプラズマ化される。
は、ガス導入口1からの放電ガスであるArガスを導入
する。その結果、プラズマ生成室51の圧力(ガス圧)
は約1Torr程度に維持される。また、排気口9にあ
る排気手段により、真空容器6内の蒸発るつぼ19の近
傍領域の圧力が約2×10-3Torrとなるように設定
する。その後に、主放電電源5によりプラズマ生成室5
1とるつぼ保持手段7との間に約600Vの直流電圧を
印加する。この時、プラズマ生成手段50のプラズマ生
成室51付近でアーク放電が生じ、このアーク放電によ
り放電ガスがプラズマ化される。
【0026】生成されたプラズマは、第1の中間電極3
および第2の中間電極4によりプラズマ生成室51から
真空容器6内に引き出される。このプラズマは、これら
中間電極3、4や空芯コイル14によって円柱状に収束
され、プラズマ雰囲気13として真空容器6内に導かれ
る。真空容器6内に導かれたプラズマ雰囲気13は、る
つぼ保持手段7近傍に設置されたプラズマ収束用磁石8
の磁場によって進路を変えられ、蒸発源カバー20の切
り欠きを通り抜けて、蒸発物るつぼ19の一つの凹部1
9aに達する。そして、この凹部19aに載置された蒸
着物(ITO)を溶融・蒸発させる。
および第2の中間電極4によりプラズマ生成室51から
真空容器6内に引き出される。このプラズマは、これら
中間電極3、4や空芯コイル14によって円柱状に収束
され、プラズマ雰囲気13として真空容器6内に導かれ
る。真空容器6内に導かれたプラズマ雰囲気13は、る
つぼ保持手段7近傍に設置されたプラズマ収束用磁石8
の磁場によって進路を変えられ、蒸発源カバー20の切
り欠きを通り抜けて、蒸発物るつぼ19の一つの凹部1
9aに達する。そして、この凹部19aに載置された蒸
着物(ITO)を溶融・蒸発させる。
【0027】本実施例では、蒸発源カバー20の切り欠
きと蒸発物るつぼ19のほぼ真下にプラズマ集束用磁石
8が位置しているので、プラズマ生成手段50により生
成されたプラズマは、蒸発源カバー20の切り欠きの真
下にある蒸着物に集中して照射される。よって、例え蒸
発物るつぼ19に2種類以上の物質が載置されていても
蒸発源カバー20の切り欠きの真下にある蒸着物のみを
選択的に蒸発することが出来る。 蒸発物るつぼ19の
蒸着物が蒸発した時は、真空容器6内の圧力が8×10
-4Torrとなるように排気口9の排気手段やメインバ
ルブ16の開口度を制御しておく。一方、反応ガス供給
手段によって、反応ガス供給口10から酸素ガス(O2
)を所望の流量(本実施例では、30cc/min)
で容器6内に導入する。
きと蒸発物るつぼ19のほぼ真下にプラズマ集束用磁石
8が位置しているので、プラズマ生成手段50により生
成されたプラズマは、蒸発源カバー20の切り欠きの真
下にある蒸着物に集中して照射される。よって、例え蒸
発物るつぼ19に2種類以上の物質が載置されていても
蒸発源カバー20の切り欠きの真下にある蒸着物のみを
選択的に蒸発することが出来る。 蒸発物るつぼ19の
蒸着物が蒸発した時は、真空容器6内の圧力が8×10
-4Torrとなるように排気口9の排気手段やメインバ
ルブ16の開口度を制御しておく。一方、反応ガス供給
手段によって、反応ガス供給口10から酸素ガス(O2
)を所望の流量(本実施例では、30cc/min)
で容器6内に導入する。
【0028】なお、この時、反応ガスの導入後も容器6
内の圧力が8×10-4Torrに維持されるようにメイ
ンバルブ16の開口度や排気手段を調整しておく。蒸発
した物質(ITO)および反応ガス(酸素ガス)はプラ
ズマ雰囲気13中を通ることによりイオン化される。そ
の後、シャッタ15を開きイオン化された蒸発した蒸着
物および反応ガスは、負の電位に保たれた基板12上に
到達する。その結果、この基板12表面には薄膜状の透
明性導電膜100が形成される。
内の圧力が8×10-4Torrに維持されるようにメイ
ンバルブ16の開口度や排気手段を調整しておく。蒸発
した物質(ITO)および反応ガス(酸素ガス)はプラ
ズマ雰囲気13中を通ることによりイオン化される。そ
の後、シャッタ15を開きイオン化された蒸発した蒸着
物および反応ガスは、負の電位に保たれた基板12上に
到達する。その結果、この基板12表面には薄膜状の透
明性導電膜100が形成される。
【0029】なお、薄膜の形成中は、膜厚モニタ17に
よって薄膜の膜厚と成膜レート(蒸発速度)を測定でき
るので、所定の膜厚となったら、シャッター15を閉じ
て成膜を止める。以上のようにして、蒸発物るつぼ19
に載置した透明性導電膜を作製することができる。
よって薄膜の膜厚と成膜レート(蒸発速度)を測定でき
るので、所定の膜厚となったら、シャッター15を閉じ
て成膜を止める。以上のようにして、蒸発物るつぼ19
に載置した透明性導電膜を作製することができる。
【0030】次に本実施例の薄膜形成装置(アーク放電
型イオンプレーティング装置)を用いて前記製造方法に
より作製した透明性導電膜100についての実施例を示
す。この透明性導電膜の膜厚は200nmに設定した。
この透明性導電膜の成膜条件を以下に示す。 真空容器内の到達圧力(真空度) :1×10-6Torr 成膜時の第2の真空容器内の圧力 :8×10-4Torr (真空度) 反応ガス(O2)流量 :30cc/min 蒸着源 :ITO(酸化錫を5重量%含んだ酸 化インジウム) 成膜速度 :0.4〜0.5nm/sec 基板温度 :200℃
型イオンプレーティング装置)を用いて前記製造方法に
より作製した透明性導電膜100についての実施例を示
す。この透明性導電膜の膜厚は200nmに設定した。
この透明性導電膜の成膜条件を以下に示す。 真空容器内の到達圧力(真空度) :1×10-6Torr 成膜時の第2の真空容器内の圧力 :8×10-4Torr (真空度) 反応ガス(O2)流量 :30cc/min 蒸着源 :ITO(酸化錫を5重量%含んだ酸 化インジウム) 成膜速度 :0.4〜0.5nm/sec 基板温度 :200℃
【0031】
【比較例1】実施例1の成膜時の基板温度を25℃とし
透明性導電膜を製造(成膜)した。
透明性導電膜を製造(成膜)した。
【0032】
【比較例2】実施例1の成膜時の基板温度を400℃と
し透明性導電膜を製造(成膜)した。
し透明性導電膜を製造(成膜)した。
【0033】
【比較例3】マグネトロンスパッタリングにより透明性
導電膜製造(成膜)した。上記実施例および比較例で製
造(成膜)した透明性導電膜膜の特性を評価し、その評
価結果を表1に示した。
導電膜製造(成膜)した。上記実施例および比較例で製
造(成膜)した透明性導電膜膜の特性を評価し、その評
価結果を表1に示した。
【0034】
【表1】
【0035】抵抗値は、四端子法によって測定した結果
である。透過率は、日立分光光度計U−3400を用
い、波長350〜800nmの範囲で測定し、表1には
透過率が波長550nmでの透明性導電膜のクモリ観察
結果を示した。その評価法は、高輝度の光源を透明性導
電膜が成膜された基板の背後に配置し、目視で透明性導
電膜のクモリを観察して行った。その際、透明性導電膜
が成膜された基板と光源との距離は任意に変化させるこ
とにより、透明性導電膜のクモリは判別できる。このク
モリはその段階に応じて、強、中、弱、良好(クモリ無
し)の4段階で評価した。このクモリが発生することに
より透過率の微妙な減少が確認されている。
である。透過率は、日立分光光度計U−3400を用
い、波長350〜800nmの範囲で測定し、表1には
透過率が波長550nmでの透明性導電膜のクモリ観察
結果を示した。その評価法は、高輝度の光源を透明性導
電膜が成膜された基板の背後に配置し、目視で透明性導
電膜のクモリを観察して行った。その際、透明性導電膜
が成膜された基板と光源との距離は任意に変化させるこ
とにより、透明性導電膜のクモリは判別できる。このク
モリはその段階に応じて、強、中、弱、良好(クモリ無
し)の4段階で評価した。このクモリが発生することに
より透過率の微妙な減少が確認されている。
【0036】図3は、本発明により作製された透明性導
電膜の膜厚を変化させたときの透過率変化である。同図
には膜厚50nm、膜厚200nm、500nmの時の
値及び比較例2の結果も示してある。このように、膜厚
に対する透過率は、波長350〜800nmの範囲にお
いて80%以上が得られている。図4は、成膜時の基板
温度を50℃、200℃、400℃としたときの透過率
変化である。基板温度が50℃、400℃の透過率結果
では、波長500nm付近で80%が得られていない。
電膜の膜厚を変化させたときの透過率変化である。同図
には膜厚50nm、膜厚200nm、500nmの時の
値及び比較例2の結果も示してある。このように、膜厚
に対する透過率は、波長350〜800nmの範囲にお
いて80%以上が得られている。図4は、成膜時の基板
温度を50℃、200℃、400℃としたときの透過率
変化である。基板温度が50℃、400℃の透過率結果
では、波長500nm付近で80%が得られていない。
【0037】表面粗さ測定(RMS)は、光学干渉型非
接触表面形状測定器(WYKO;対物40倍)を用いて
行った。図5、図6は、成膜時の基板温度を室温〜40
0℃に変化させた際の、表面粗さ(RMS)及びその表
面粗さと透明性導電膜100とアモルファスシリコン1
01との密着性(テープテスト)の結果である。
接触表面形状測定器(WYKO;対物40倍)を用いて
行った。図5、図6は、成膜時の基板温度を室温〜40
0℃に変化させた際の、表面粗さ(RMS)及びその表
面粗さと透明性導電膜100とアモルファスシリコン1
01との密着性(テープテスト)の結果である。
【0038】アモルファスシリコンの成膜は、プラズマ
CVD法により次の条件にて行った。透明性導電膜が成
膜されたガラス基板を真空チャンバ内に置き、排気ポン
プによりチャンバ内を10-6Torrに減圧する。次
に、原料ガスSiH4とキャリアガスH2を所定量混合
し、チャンバ内に導入して所定の圧力10-1Torrに
維持する。静電結合型高周波電源を用いて、周波数1
3.56MHz、電力50〜300Wによりグロー放電
を起こす。その結果、チャンバ内のSiH4ガスが分解
し、透明性導電膜上にアモルファスシリコンが堆積す
る。
CVD法により次の条件にて行った。透明性導電膜が成
膜されたガラス基板を真空チャンバ内に置き、排気ポン
プによりチャンバ内を10-6Torrに減圧する。次
に、原料ガスSiH4とキャリアガスH2を所定量混合
し、チャンバ内に導入して所定の圧力10-1Torrに
維持する。静電結合型高周波電源を用いて、周波数1
3.56MHz、電力50〜300Wによりグロー放電
を起こす。その結果、チャンバ内のSiH4ガスが分解
し、透明性導電膜上にアモルファスシリコンが堆積す
る。
【0039】透明性導電膜上部に積層する膜101は、
アモルファスシリコンに限定されるものでない。密着性
は、テープテスト前の膜面積(S0)と剥離していない
膜面積(S1)の比S1/S0で評価した。この結果によ
ると成膜された透明性導電膜表面の表面粗さが0.5n
m以上であれば、密着性の良好な膜が得られることが判
明した。従って、図5からわかるように良好な透明性導
電膜を得るためには、成膜時の基板温度が100〜40
0℃であることが必要であることがわかる。
アモルファスシリコンに限定されるものでない。密着性
は、テープテスト前の膜面積(S0)と剥離していない
膜面積(S1)の比S1/S0で評価した。この結果によ
ると成膜された透明性導電膜表面の表面粗さが0.5n
m以上であれば、密着性の良好な膜が得られることが判
明した。従って、図5からわかるように良好な透明性導
電膜を得るためには、成膜時の基板温度が100〜40
0℃であることが必要であることがわかる。
【0040】本発明で製造した透明性導電膜の表面粗さ
の範囲が0.5〜1.3nmであれば、透過率も良好
で、透明性導電膜の上部に積層したa−Si(アモルフ
ァスシリコン)と透明性導電膜との密着性も良好なもの
が得られる。しかしながら、比較例1〜3では、いずれ
も透過率とa−Siとの密着性が共に良い透明性導電膜
は得らることができなかった。 このように、低抵抗、
高透過率、他の薄膜との密着性に対し優れた性質を持っ
ている透明性導電膜は、圧力勾配を利用したアーク放電
型イオンプレーティングを利用し基板温度を100〜3
50℃で成膜することにより得られることがわかる。
の範囲が0.5〜1.3nmであれば、透過率も良好
で、透明性導電膜の上部に積層したa−Si(アモルフ
ァスシリコン)と透明性導電膜との密着性も良好なもの
が得られる。しかしながら、比較例1〜3では、いずれ
も透過率とa−Siとの密着性が共に良い透明性導電膜
は得らることができなかった。 このように、低抵抗、
高透過率、他の薄膜との密着性に対し優れた性質を持っ
ている透明性導電膜は、圧力勾配を利用したアーク放電
型イオンプレーティングを利用し基板温度を100〜3
50℃で成膜することにより得られることがわかる。
【0041】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、圧力勾
配を利用したアーク放電型イオンプレーティングを利用
し基板温度を100〜350℃で成膜することにより、
高透過率、低抵抗、他の薄膜との密着性に優れた透明性
導電膜を形成することできる。
配を利用したアーク放電型イオンプレーティングを利用
し基板温度を100〜350℃で成膜することにより、
高透過率、低抵抗、他の薄膜との密着性に優れた透明性
導電膜を形成することできる。
【図1】は、本発明にかかる一実施例である薄膜形成装
置(アーク放電型イオンプレーティング装置)の概略断
面図である。
置(アーク放電型イオンプレーティング装置)の概略断
面図である。
【図2】は、本実施例の薄膜構成図である。
【図3】は、本実施例の透明性導電膜の膜厚に対する分
光透過率特性である。
光透過率特性である。
【図4】は、本実施例の基板温度に対する分光透過率特
性である。
性である。
【図5】は、各基板温度100〜350℃で成膜された
透明性導電膜の表面粗さ(RMS)を示した。
透明性導電膜の表面粗さ(RMS)を示した。
【図6】は、透明性導電膜の表面粗さと各条件において
成膜した透明性導電膜とアモルファスシリコンとの密着
性(テープテスト)との結果を示した図である。
成膜した透明性導電膜とアモルファスシリコンとの密着
性(テープテスト)との結果を示した図である。
1 ガス導入口 2 陰極部 3 第1の中間電極 4 第2の中間電極 5 主放電電源 6 真空容器 7 るつぼ保持手段 8 プラズマ収束用永久磁石 9 排気口 10 反応ガス供給口 11 バイアス電源 12 基板 14 空芯コイル 15 シャッタ 16 メインバルブ 17 膜厚モニタ 18 基板ホルダ 19 蒸発物るつぼ 20 絶縁カバー 50 プラズマ生成手段 51 プラズマ生成室 100 本発明の透明性導電膜 101 透明性導電膜上に成膜する他の膜(例えば、ア
モルファスシリコン)
モルファスシリコン)
Claims (3)
- 【請求項1】 絶縁物または絶縁物に被覆された基板上
に成膜された酸化インジウム及び酸化錫を含む透明性導
電膜において、 該導電膜の透過率が膜厚:50〜500nm、波長35
0〜800nmにおいて常に80%以上であり、かつ前
記導電膜の表面粗さ(RMS)が0.5〜1.3nmで
あることを特徴とする透明性導電膜。 - 【請求項2】 絶縁物または絶縁物に被覆された基板上
に成膜された酸化インジウム及び酸化錫を含む透明性導
電膜を製造する方法において、 その形成過程が(イ)所定の圧力に設定された第1の真
空空間中にアーク放電によりプラズマを生成する工程、
(ロ)該プラズマを前記第1の真空空間よりも低い圧力
に設定された第2の真空空間に設置された蒸着物質に照
射する工程、(ハ)該第2の真空空間中で基板に成膜を
行うアーク放電型イオンプレーティングによる透明性導
電膜を形成する工程、からなることを特徴する透明性導
電膜の製造方法。 - 【請求項3】 透明性導電膜を成膜する際の基板温度が
100〜350℃であることを特徴する請求項2記載の
透明性導電膜の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7150009A JPH093628A (ja) | 1995-06-16 | 1995-06-16 | 透明性導電膜およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7150009A JPH093628A (ja) | 1995-06-16 | 1995-06-16 | 透明性導電膜およびその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH093628A true JPH093628A (ja) | 1997-01-07 |
Family
ID=15487488
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7150009A Pending JPH093628A (ja) | 1995-06-16 | 1995-06-16 | 透明性導電膜およびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH093628A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6787989B2 (en) * | 2000-06-21 | 2004-09-07 | Nippon Sheet Glass Co., Ltd. | Substrate with transparent conductive film and organic electroluminescence device using the same |
| CN109735805A (zh) * | 2019-02-21 | 2019-05-10 | 苏州领锐源奕光电科技有限公司 | 一种表面等离子体吸收增强的铟锡氧化物薄膜的制备方法 |
| JP2019121422A (ja) * | 2017-12-28 | 2019-07-22 | 神港精機株式会社 | 表面処理装置 |
| CN115000309A (zh) * | 2022-05-11 | 2022-09-02 | 滨州魏桥国科高等技术研究院 | 一种钙钛矿太阳电池的氧化锡电子传输层的制备方法 |
-
1995
- 1995-06-16 JP JP7150009A patent/JPH093628A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6787989B2 (en) * | 2000-06-21 | 2004-09-07 | Nippon Sheet Glass Co., Ltd. | Substrate with transparent conductive film and organic electroluminescence device using the same |
| JP2019121422A (ja) * | 2017-12-28 | 2019-07-22 | 神港精機株式会社 | 表面処理装置 |
| CN109735805A (zh) * | 2019-02-21 | 2019-05-10 | 苏州领锐源奕光电科技有限公司 | 一种表面等离子体吸收增强的铟锡氧化物薄膜的制备方法 |
| CN115000309A (zh) * | 2022-05-11 | 2022-09-02 | 滨州魏桥国科高等技术研究院 | 一种钙钛矿太阳电池的氧化锡电子传输层的制备方法 |
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