JPH06310320A - 酸化物磁性体材料 - Google Patents
酸化物磁性体材料Info
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- JPH06310320A JPH06310320A JP5095790A JP9579093A JPH06310320A JP H06310320 A JPH06310320 A JP H06310320A JP 5095790 A JP5095790 A JP 5095790A JP 9579093 A JP9579093 A JP 9579093A JP H06310320 A JPH06310320 A JP H06310320A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高周波帯域(1MHz前後)において、磁気
損失が少ない磁性体材料、およびこれを用いた、小型で
低発熱・高効率のスイッチング電源を提供する事。 【構成】 特定比率のFe2O3,MnO,ZnOよりな
るMnZnフェライトに、特定量のCaO、SiO2を
添加し、さらに特定量のA群(TiO2、CoO、Cu
O、SnO2)の金属酸化物を少なくとも一種類以上含
有する。さらに、これに加えてA群(ZrO2、Hf
O2、Ta2O5、Al2O3、Ga2O3、In2O3、Ge
O2、Sb2O3)の金属酸化物を少なくとも一種類以上
含有する焼結体である事を特徴とする酸化物磁性体材
料。
損失が少ない磁性体材料、およびこれを用いた、小型で
低発熱・高効率のスイッチング電源を提供する事。 【構成】 特定比率のFe2O3,MnO,ZnOよりな
るMnZnフェライトに、特定量のCaO、SiO2を
添加し、さらに特定量のA群(TiO2、CoO、Cu
O、SnO2)の金属酸化物を少なくとも一種類以上含
有する。さらに、これに加えてA群(ZrO2、Hf
O2、Ta2O5、Al2O3、Ga2O3、In2O3、Ge
O2、Sb2O3)の金属酸化物を少なくとも一種類以上
含有する焼結体である事を特徴とする酸化物磁性体材
料。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インダクタンス部品、
電源用トランスコア等に用いられる酸化物磁性体材料に
関し、特に、本発明の酸化物磁性体材料は、高周波特性
に優れた低損失MnZn系フェライト磁性体に関する。
電源用トランスコア等に用いられる酸化物磁性体材料に
関し、特に、本発明の酸化物磁性体材料は、高周波特性
に優れた低損失MnZn系フェライト磁性体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年のエレクトロニクス技術の発展にと
もなう機器の小型化・高密度化により、使用周波数の高
周波化が進んでいる。例えばスイッチング電源用トラン
ス磁芯その他に用いられる磁性体材料においても、高周
波化への対応が必要とされ、特に小型化した場合の発熱
を防止するために、高周波において低磁気損失であるこ
とが要求されている。
もなう機器の小型化・高密度化により、使用周波数の高
周波化が進んでいる。例えばスイッチング電源用トラン
ス磁芯その他に用いられる磁性体材料においても、高周
波化への対応が必要とされ、特に小型化した場合の発熱
を防止するために、高周波において低磁気損失であるこ
とが要求されている。
【0003】例えば磁芯材料等に適用される磁性体材料
には、大きく分けて金属系材料と酸化物フェライト系材
料がある。金属系の材料は、飽和磁束密度・透磁率とも
高いという長所があるが、電気抵抗率が10-6〜10-4
Ω・cm程度と低いため、高周波においては渦電流に起
因する磁気損失が増大するという欠点があった。
には、大きく分けて金属系材料と酸化物フェライト系材
料がある。金属系の材料は、飽和磁束密度・透磁率とも
高いという長所があるが、電気抵抗率が10-6〜10-4
Ω・cm程度と低いため、高周波においては渦電流に起
因する磁気損失が増大するという欠点があった。
【0004】この欠点は、磁性体の厚さを薄くする事に
よって改善されるため、金属を薄い箔状に加工し絶縁体
をはさんでロール状に巻いたものも作られているが、薄
体化には約10μm程度と限界があり、また複雑形状の
ものが作りにくい、高コストであるといった問題点があ
る。このため、100kHz程度の周波数帯域までしか
使用不可能であった。
よって改善されるため、金属を薄い箔状に加工し絶縁体
をはさんでロール状に巻いたものも作られているが、薄
体化には約10μm程度と限界があり、また複雑形状の
ものが作りにくい、高コストであるといった問題点があ
る。このため、100kHz程度の周波数帯域までしか
使用不可能であった。
【0005】一方フェライト系材料は、飽和磁束密度は
金属系材料の1/2程度と低い。しかしながら電気抵抗
率は、通常用いられているMnZn系のもので1Ω・c
m程度と、金属系材料に比べてはるかに高く、また、C
aOやSiO2 等の添加物を用いることにより、電気抵
抗率をさらに10〜数百Ω・cm程度まで高めることが
でき、渦電流に起因する磁気損失が高周波数まで比較的
小さく、特別な工夫をすることなく使用可能である。ま
た、複雑形状のものも容易に作れ、かつ低コストである
といった利点を持つ。
金属系材料の1/2程度と低い。しかしながら電気抵抗
率は、通常用いられているMnZn系のもので1Ω・c
m程度と、金属系材料に比べてはるかに高く、また、C
aOやSiO2 等の添加物を用いることにより、電気抵
抗率をさらに10〜数百Ω・cm程度まで高めることが
でき、渦電流に起因する磁気損失が高周波数まで比較的
小さく、特別な工夫をすることなく使用可能である。ま
た、複雑形状のものも容易に作れ、かつ低コストである
といった利点を持つ。
【0006】このため、例えば100kHz以上のスイ
ッチング周波数での電源用トランス磁芯材料としては、
このフェライト系の材料が一般に用いられていた。
ッチング周波数での電源用トランス磁芯材料としては、
このフェライト系の材料が一般に用いられていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなフェライト系材料といえども、500kHz以上に
なると渦電流に起因する磁気損失が増大して使用するこ
とができないという課題がある。また、高周波で比較的
低損失な材料であっても、使用磁束密度を大きくする
と、磁気損失が急増するという問題点があった。
うなフェライト系材料といえども、500kHz以上に
なると渦電流に起因する磁気損失が増大して使用するこ
とができないという課題がある。また、高周波で比較的
低損失な材料であっても、使用磁束密度を大きくする
と、磁気損失が急増するという問題点があった。
【0008】また、磁気損失の温度係数が室温付近で正
であると、実使用時にトランスが磁気損失により発熱
し、そのため温度が上昇し、温度上昇にともないさらに
磁気損失が増大して発熱が大きくなることを繰り返し、
熱暴走を起こす危険性がある。
であると、実使用時にトランスが磁気損失により発熱
し、そのため温度が上昇し、温度上昇にともないさらに
磁気損失が増大して発熱が大きくなることを繰り返し、
熱暴走を起こす危険性がある。
【0009】このため、使用条件にもよるが、一般に室
温付近での磁気損失の温度係数が負で、実際に使用する
温度で、磁気損失が最小となるような温度特性を持つこ
とが要求される。
温付近での磁気損失の温度係数が負で、実際に使用する
温度で、磁気損失が最小となるような温度特性を持つこ
とが要求される。
【0010】ところが、充分低磁気損失な材料が無い上
に、比較的磁気損失が低い材料では、一般に磁気損失最
小温度が室温付近にあって熱暴走を起こしやすく、一方
磁気損失最小温度が40〜60℃以上にあるような材料
は、非常に磁気損失が大きいという問題点があった。従
って、超低磁気損失で同時に温度特性も良い材料は、現
在まで得られていないという課題があった。
に、比較的磁気損失が低い材料では、一般に磁気損失最
小温度が室温付近にあって熱暴走を起こしやすく、一方
磁気損失最小温度が40〜60℃以上にあるような材料
は、非常に磁気損失が大きいという問題点があった。従
って、超低磁気損失で同時に温度特性も良い材料は、現
在まで得られていないという課題があった。
【0011】本発明は、前記従来技術の課題を解決する
ため、高周波・高磁束密度下における磁気損失が極めて
低い磁性体材料を提供することを目的とする。また、そ
の温度特性が好ましくない場合には、これを改善する手
段を提供する。
ため、高周波・高磁束密度下における磁気損失が極めて
低い磁性体材料を提供することを目的とする。また、そ
の温度特性が好ましくない場合には、これを改善する手
段を提供する。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の第1番目の酸化物磁性体材料は、主成分が
Mn、Zn、Feの酸化物よりなるフェライトに、副成
分として0.05≦CaO≦0.3重量%、0.005
≦SiO2≦0.1重量%を含有し、さらにA群(Ti
O2、CoO、CuO、SnO2)を少なくとも一種類以
上、0.005≦MxOz≦0.2 重量%含有する焼結
体であるという構成を備えたものである。
め、本発明の第1番目の酸化物磁性体材料は、主成分が
Mn、Zn、Feの酸化物よりなるフェライトに、副成
分として0.05≦CaO≦0.3重量%、0.005
≦SiO2≦0.1重量%を含有し、さらにA群(Ti
O2、CoO、CuO、SnO2)を少なくとも一種類以
上、0.005≦MxOz≦0.2 重量%含有する焼結
体であるという構成を備えたものである。
【0013】また、本発明の第2番目の酸化物磁性体材
料は、上記にさらにB群(ZrO2、HfO2、Ta
2O5、Al2O3、Ga2O3、In2O3、GeO2、Sb2
O3)を、0.01重量%以上 0.2重量%以下含有す
るという構成を備えたものである。
料は、上記にさらにB群(ZrO2、HfO2、Ta
2O5、Al2O3、Ga2O3、In2O3、GeO2、Sb2
O3)を、0.01重量%以上 0.2重量%以下含有す
るという構成を備えたものである。
【0014】また、本発明の第3番目の酸化物磁性体材
料は、上記にさらにMgOを、0.01重量%以上
0.2重量%以下含有するという構成を備えたものであ
る。
料は、上記にさらにMgOを、0.01重量%以上
0.2重量%以下含有するという構成を備えたものであ
る。
【0015】
【作用】前記した本発明の構成によれば、MnZn系フ
ェライトに、少なくとも特定量のCaOおよびSiO2
を添加し、これにさらに特定量のA群(TiO2、Co
O、CuO、SnO2)の金属酸化物を、少なくとも一
種類以上添加する事により、磁気損失の低い磁性体材料
とすることができる。
ェライトに、少なくとも特定量のCaOおよびSiO2
を添加し、これにさらに特定量のA群(TiO2、Co
O、CuO、SnO2)の金属酸化物を、少なくとも一
種類以上添加する事により、磁気損失の低い磁性体材料
とすることができる。
【0016】さらにB群(ZrO2、HfO2、Ta
2O5、Al2O3、Ga2O3、In2O3、GeO2、Sb2
O3)の金属酸化物を、少なくとも一種類以上を添加す
る事により、より磁気損失の低い磁性体材料とすること
ができる。
2O5、Al2O3、Ga2O3、In2O3、GeO2、Sb2
O3)の金属酸化物を、少なくとも一種類以上を添加す
る事により、より磁気損失の低い磁性体材料とすること
ができる。
【0017】副成分のうち、CaOおよびSiO2 の役
割は、MnZn系フェライトの電気抵抗値を増大させ、
渦電流にともなう磁気損失を低下させるものである。
割は、MnZn系フェライトの電気抵抗値を増大させ、
渦電流にともなう磁気損失を低下させるものである。
【0018】A群の添加物の役割は、さらに磁気損失を
低下させる事にあるが、これらの添加物による損失低下
のメカニズムは、現時点では明瞭ではない。TiO2 の
ように、若干電気抵抗を高くするものもあるが、その効
果よりも、磁区構造や磁歪を変化させる事によるものと
考えられる。
低下させる事にあるが、これらの添加物による損失低下
のメカニズムは、現時点では明瞭ではない。TiO2 の
ように、若干電気抵抗を高くするものもあるが、その効
果よりも、磁区構造や磁歪を変化させる事によるものと
考えられる。
【0019】B群の添加物の役割は、CaOおよびSi
O2 とともに、さらに電気抵抗を増大させる事にある。
O2 とともに、さらに電気抵抗を増大させる事にある。
【0020】添加量の下限は、磁気損失低下の効果が表
れるのに必要な最低限度である。一方上限を設定する理
由は、添加量が増加し過ぎると透磁率の低下等を招き、
磁気損失を増大させるためである。
れるのに必要な最低限度である。一方上限を設定する理
由は、添加量が増加し過ぎると透磁率の低下等を招き、
磁気損失を増大させるためである。
【0021】但し、CoOについては、かなり多量に添
加しても、必ずしも磁気損失は増加しない。しかしなが
ら、透磁率は大幅に低下し、また損失極小温度が低下す
るという欠点がある。
加しても、必ずしも磁気損失は増加しない。しかしなが
ら、透磁率は大幅に低下し、また損失極小温度が低下す
るという欠点がある。
【0022】MgOは添加量を増やす事によって損失極
小温度を上げる事ができるが、添加量が多すぎると損失
が増加する。
小温度を上げる事ができるが、添加量が多すぎると損失
が増加する。
【0023】A群またはB群として2種類以上の金属酸
化物を用いた場合、一種類の添加量が下限である0.0
1重量%未満であっても、2種類以上の合計量が0.0
1重量以上であれば、低損失化の効果は現れる。もちろ
ん、複数の種類のMxOzそれぞれが添加範囲内であって
も問題はなく、CaOおよびSiO2 のみの場合に比べ
て磁気損失を低下させることができる。
化物を用いた場合、一種類の添加量が下限である0.0
1重量%未満であっても、2種類以上の合計量が0.0
1重量以上であれば、低損失化の効果は現れる。もちろ
ん、複数の種類のMxOzそれぞれが添加範囲内であって
も問題はなく、CaOおよびSiO2 のみの場合に比べ
て磁気損失を低下させることができる。
【0024】
【実施例】一般にフェライトの磁気特性のうち、飽和磁
束密度・キュリー温度・損失極小温度などはその主組成
に依存し、一方、透磁率・残留磁束密度・保持力・磁気
損失などは、主組成の影響も受けるが、微細構造によっ
て支配される特性であるとされている。
束密度・キュリー温度・損失極小温度などはその主組成
に依存し、一方、透磁率・残留磁束密度・保持力・磁気
損失などは、主組成の影響も受けるが、微細構造によっ
て支配される特性であるとされている。
【0025】高周波の磁気損失は主に渦電流損失に起因
するので、電気抵抗率が高いほど損失が小さくなると考
えられるが、MnZnフェライト自体の電気抵抗率は、
前述したように充分高くはない。
するので、電気抵抗率が高いほど損失が小さくなると考
えられるが、MnZnフェライト自体の電気抵抗率は、
前述したように充分高くはない。
【0026】このため、高周波用低磁気損失MnZnフ
ェライトの開発は、各種の添加物を用い、また微細構造
を制御する事により、電気抵抗率を高くする検討が主流
である。
ェライトの開発は、各種の添加物を用い、また微細構造
を制御する事により、電気抵抗率を高くする検討が主流
である。
【0027】一方、MnZn系フェライトの磁気損失極
小温度については、従来は結晶磁気異方性によって説明
がなされていた。すなわち、結晶磁気異方性定数K1 の
符号が温度上昇に伴って負から正の値に変わるK1 =0
の温度において、磁気損失が極小値をもつと言われてい
る。
小温度については、従来は結晶磁気異方性によって説明
がなされていた。すなわち、結晶磁気異方性定数K1 の
符号が温度上昇に伴って負から正の値に変わるK1 =0
の温度において、磁気損失が極小値をもつと言われてい
る。
【0028】この温度は透磁率が極大をもつ、いわゆる
透磁率のセカンダリーピークに一致する。このK1 は温
度上昇に対して単調に増加するが、Fe2+は正のK1 を
持つため、Fe2+の量が増加すると(すなわちFe2O3
量が増加すると)セカンダリーピークの温度は低温側に
移動する。
透磁率のセカンダリーピークに一致する。このK1 は温
度上昇に対して単調に増加するが、Fe2+は正のK1 を
持つため、Fe2+の量が増加すると(すなわちFe2O3
量が増加すると)セカンダリーピークの温度は低温側に
移動する。
【0029】従って、主組成のFe2O3量が多いと極小
損失温度が低くなり過ぎるため、Fe2O3量は、54m
ol%程度以下が一般的であった。
損失温度が低くなり過ぎるため、Fe2O3量は、54m
ol%程度以下が一般的であった。
【0030】また、TiO2 やCoOは、フェライトに
よく用いられる添加物であるが、Ti4+はフェライト相
に固溶し、電気的中性を保つため、Fe3+をFe2+に変
化させる。
よく用いられる添加物であるが、Ti4+はフェライト相
に固溶し、電気的中性を保つため、Fe3+をFe2+に変
化させる。
【0031】また、Co2+はそれ自体が大きな正のK1
を持つ。このため、これらの添加量増加にともない、極
小損失温度が低下するので、低損失用フェライトには必
ずしも用いられていなかった。
を持つ。このため、これらの添加量増加にともない、極
小損失温度が低下するので、低損失用フェライトには必
ずしも用いられていなかった。
【0032】一方、高周波用低損失材料の磁気損失以外
の特性としては、飽和磁束密度・キュリー温度・透磁率
が高い事が必要とされている。これらの特性は、ソフト
磁性体が基本的に要求される特性であるとともに、低損
失化のためにも重要な特性と考えられている(「粉体お
よび粉末冶金」第34巻5号P191)。
の特性としては、飽和磁束密度・キュリー温度・透磁率
が高い事が必要とされている。これらの特性は、ソフト
磁性体が基本的に要求される特性であるとともに、低損
失化のためにも重要な特性と考えられている(「粉体お
よび粉末冶金」第34巻5号P191)。
【0033】飽和磁束密度は、ZnO量がある程度多
く、Fe2O3量が多いほど増加する。しかしながら、Z
nO量が多すぎるとキュリー温度が低下し、またFe2
O3量が多すぎると透磁率が低下する事が知られてい
る。
く、Fe2O3量が多いほど増加する。しかしながら、Z
nO量が多すぎるとキュリー温度が低下し、またFe2
O3量が多すぎると透磁率が低下する事が知られてい
る。
【0034】以上のような理由から、低損失MnZnフ
ェライトの主組成としては、Fe2O3を53〜54mo
l%程度、ZnOを9〜12mol%程度含有するもの
が最適とされている(「エレクトロニク・セラミクス」
1985年冬号P44)。
ェライトの主組成としては、Fe2O3を53〜54mo
l%程度、ZnOを9〜12mol%程度含有するもの
が最適とされている(「エレクトロニク・セラミクス」
1985年冬号P44)。
【0035】実際に開発されている低損失フェライト
も、ほとんどがこの組成範囲内であり、低損失化は、こ
の付近の主組成を用い、既に述べた添加物・微細構造に
よる検討が中心であった。
も、ほとんどがこの組成範囲内であり、低損失化は、こ
の付近の主組成を用い、既に述べた添加物・微細構造に
よる検討が中心であった。
【0036】発明者等は、各種の主組成比のMnZn系
フェライトに種々の金属酸化物を複合添加したフェライ
トを実際に作製し、添加物・主組成の効果を詳細に検討
した。その結果、3〜5成分以上の複合添加により、従
来よりもはるかに優れた低損失化効果を見いだした。
フェライトに種々の金属酸化物を複合添加したフェライ
トを実際に作製し、添加物・主組成の効果を詳細に検討
した。その結果、3〜5成分以上の複合添加により、従
来よりもはるかに優れた低損失化効果を見いだした。
【0037】また、従来用いられていたものとは全く異
なる、Fe2O3が過剰でZnO量の少ない主組成にこれ
らの添加物を用いる事により、300kHz〜数MHz
でもさらに低磁気損失なフェライトが得られる事を見い
だした。
なる、Fe2O3が過剰でZnO量の少ない主組成にこれ
らの添加物を用いる事により、300kHz〜数MHz
でもさらに低磁気損失なフェライトが得られる事を見い
だした。
【0038】このような理由から、本発明の酸化物磁性
体材料の主組成としては、Fe2O3を53〜60mol
%、MnOを34〜44mol%、ZnOを0〜9mo
l%含む事が望ましい。さらにFe2O3が55〜60m
ol%、MnOが34〜42mol%、ZnOが0〜6
mol%である事が、より望ましい。
体材料の主組成としては、Fe2O3を53〜60mol
%、MnOを34〜44mol%、ZnOを0〜9mo
l%含む事が望ましい。さらにFe2O3が55〜60m
ol%、MnOが34〜42mol%、ZnOが0〜6
mol%である事が、より望ましい。
【0039】添加物による低損失化については、CaO
およびSiO2 を同時に添加し、これらを粒界に偏析さ
せる事により高電気抵抗化させ、渦電流損失を減少させ
る事ができる事は良く知られているが、これにさらに選
択された3番目(A群)および4番目(B群)の添加物
を用いる事により、より低損失化できる。
およびSiO2 を同時に添加し、これらを粒界に偏析さ
せる事により高電気抵抗化させ、渦電流損失を減少させ
る事ができる事は良く知られているが、これにさらに選
択された3番目(A群)および4番目(B群)の添加物
を用いる事により、より低損失化できる。
【0040】しかしながら、発明者等の検討によると、
このB群の添加物についても粒界に析出させる事が重要
である。つまり、添加物を多量に用いると、電気抵抗が
高くなり、渦電流損失は減少するものと予想されるが、
実際には、多量の添加によって、添加物のフェライト相
への固溶が生じ易くなり、ヒステリシス損を増加させる
事になる。従って、添加物量はできる限り少なくし、粒
界に薄く均一に析出させる事により、低損失な材料が得
られる。具体的には、B群の金属酸化物の粒界層部分の
濃度が、粒子内部の濃度の5倍以上となっている事が望
ましく、このような構成をとることによって、損失を低
下させる事が出来る。
このB群の添加物についても粒界に析出させる事が重要
である。つまり、添加物を多量に用いると、電気抵抗が
高くなり、渦電流損失は減少するものと予想されるが、
実際には、多量の添加によって、添加物のフェライト相
への固溶が生じ易くなり、ヒステリシス損を増加させる
事になる。従って、添加物量はできる限り少なくし、粒
界に薄く均一に析出させる事により、低損失な材料が得
られる。具体的には、B群の金属酸化物の粒界層部分の
濃度が、粒子内部の濃度の5倍以上となっている事が望
ましく、このような構成をとることによって、損失を低
下させる事が出来る。
【0041】一方、A群およびMgOについては、逆に
フェライト相へ固溶させる事が望ましい。MgOは、磁
気損失極小温度を高くする効果を持つが、これは、Mg
2+がフェライト相へ固溶する事により、Fe2+がFe3+
へ変化してK1 が減少するためと考えられる。
フェライト相へ固溶させる事が望ましい。MgOは、磁
気損失極小温度を高くする効果を持つが、これは、Mg
2+がフェライト相へ固溶する事により、Fe2+がFe3+
へ変化してK1 が減少するためと考えられる。
【0042】その他低磁気損失MnZnフェライトに必
要な特性としては、焼結体の相対密度が 4.6g/cm
3以上である事が望ましい。焼結密度が低いと実効断面
積が減少するために損失が増大する。また焼結密度が低
いと、焼成の冷却時に雰囲気の影響を受け易くなり、特
にFe2O3が多いような組成では、精密に雰囲気制御を
行わなければ本来の特性が得られにくくなる場合があ
り、製造時の歩留まりを下げる原因となる。
要な特性としては、焼結体の相対密度が 4.6g/cm
3以上である事が望ましい。焼結密度が低いと実効断面
積が減少するために損失が増大する。また焼結密度が低
いと、焼成の冷却時に雰囲気の影響を受け易くなり、特
にFe2O3が多いような組成では、精密に雰囲気制御を
行わなければ本来の特性が得られにくくなる場合があ
り、製造時の歩留まりを下げる原因となる。
【0043】次に、透磁率として700以上1600以
下程度の範囲内が望ましい。また、電気抵抗率は、直流
抵抗率が20〜2kΩ・cm程度が望ましい。透磁率や
電気抵抗率は結晶粒径によって変化し、粒径が小さすぎ
ると透磁率が低くなり、また大きすぎると電気抵抗が低
くなる。従って、平均結晶粒径は10μm以下で、2〜
5μm程度が望ましい。
下程度の範囲内が望ましい。また、電気抵抗率は、直流
抵抗率が20〜2kΩ・cm程度が望ましい。透磁率や
電気抵抗率は結晶粒径によって変化し、粒径が小さすぎ
ると透磁率が低くなり、また大きすぎると電気抵抗が低
くなる。従って、平均結晶粒径は10μm以下で、2〜
5μm程度が望ましい。
【0044】本発明のMnZn系フェライト材料は、測
定周波数がMHz帯域であっても超低磁気損失を示す。
従って、本材料を磁気コアとして用いたスイッチング周
波数が300kHz〜5MHzのスイッチング電源は、
小型・高効率となる。すなわち、本発明の酸化物磁性体
材料をスイッチング周波数300kHz〜5MHzのス
イッチング電源の磁芯として使用すると、小型・高効率
のスイッチング電源を提供できる。
定周波数がMHz帯域であっても超低磁気損失を示す。
従って、本材料を磁気コアとして用いたスイッチング周
波数が300kHz〜5MHzのスイッチング電源は、
小型・高効率となる。すなわち、本発明の酸化物磁性体
材料をスイッチング周波数300kHz〜5MHzのス
イッチング電源の磁芯として使用すると、小型・高効率
のスイッチング電源を提供できる。
【0045】以下、A群およびB群として一部のものを
用いた場合を中心に、実施例によって本発明を説明する
が、実施例4〜6に示すように、他の本発明の請求項に
挙げた以外の添加物を用いた場合にも、程度の差はあれ
同様の効果が認められた。
用いた場合を中心に、実施例によって本発明を説明する
が、実施例4〜6に示すように、他の本発明の請求項に
挙げた以外の添加物を用いた場合にも、程度の差はあれ
同様の効果が認められた。
【0046】(実施例1)出発原料に純度99.5%の
α-Fe2O3、MnCO3、ZnO の各粉末を用いた。
これらの粉末を組成比が組成比Fe2O3=54.5mo
l%、MnO=36mol%、ZnO=9.5mol%
となり、合計重量が300gとなるようにそれぞれの
粉体を秤量した。これに、CoOが最終焼結体において
0.05重量%となるように秤量し、これらの粉末を
ボールミルにて湿式10h混合粉砕し、乾燥させた。
α-Fe2O3、MnCO3、ZnO の各粉末を用いた。
これらの粉末を組成比が組成比Fe2O3=54.5mo
l%、MnO=36mol%、ZnO=9.5mol%
となり、合計重量が300gとなるようにそれぞれの
粉体を秤量した。これに、CoOが最終焼結体において
0.05重量%となるように秤量し、これらの粉末を
ボールミルにて湿式10h混合粉砕し、乾燥させた。
【0047】この混合粉末を900℃で2時間空気中で
仮焼した後、CaOとSiO2 が(表1)の量となり、
Sb2O3が0.05重量%となるように、CaCO3、
SiO2 およびSb2O3を添加し、再度ボールミルにて
10h、湿式混合粉砕して乾燥させ、仮焼粉末とした。
仮焼した後、CaOとSiO2 が(表1)の量となり、
Sb2O3が0.05重量%となるように、CaCO3、
SiO2 およびSb2O3を添加し、再度ボールミルにて
10h、湿式混合粉砕して乾燥させ、仮焼粉末とした。
【0048】これらの仮焼粉末に、ポリビニルアルコー
ルの5重量%水溶液を10重量%加え、30#のふるい
を通過させて造粒した。これらの造粒粉を一軸金型成形
し、この成形体を500℃で1時間、空気中でバインダ
アウトした。
ルの5重量%水溶液を10重量%加え、30#のふるい
を通過させて造粒した。これらの造粒粉を一軸金型成形
し、この成形体を500℃で1時間、空気中でバインダ
アウトした。
【0049】焼成は、温度を1200℃とし、昇温時を
空気中、最高温度保持時および冷却時をフェライトの平
衡酸素分圧に応じてO2 雰囲気制御した。この時、焼成
時間及び成形時の圧力を、焼結体の平均結晶粒径が3〜
5μm程度、焼結体密度がほぼ4.7g/cm3程度で、
4.6〜4.8g/cm3の範囲内に入るように変化させ
た。
空気中、最高温度保持時および冷却時をフェライトの平
衡酸素分圧に応じてO2 雰囲気制御した。この時、焼成
時間及び成形時の圧力を、焼結体の平均結晶粒径が3〜
5μm程度、焼結体密度がほぼ4.7g/cm3程度で、
4.6〜4.8g/cm3の範囲内に入るように変化させ
た。
【0050】特性の測定は、得られた焼結体より外径2
0mm、内径14mm、厚さ3mmのリング状試料を切
り出し、1MHz・50mTにおける磁気損失を、20
℃〜120℃の間で20℃きざみで測定した。
0mm、内径14mm、厚さ3mmのリング状試料を切
り出し、1MHz・50mTにおける磁気損失を、20
℃〜120℃の間で20℃きざみで測定した。
【0051】磁気損失の測定方法はリング状フェライト
コアに絶縁テープを一層巻いた後、線径 0.26mm
φの絶縁導線を全周にわたって一層巻いた試料を準備
し、交流B−Hカーブ・トレーサーを用いて測定した。
その結果損失値は、いずれの試料においても60℃で極
小値となった。その時の損失測定値を、KW/m3の単位で
(表1)に示した。
コアに絶縁テープを一層巻いた後、線径 0.26mm
φの絶縁導線を全周にわたって一層巻いた試料を準備
し、交流B−Hカーブ・トレーサーを用いて測定した。
その結果損失値は、いずれの試料においても60℃で極
小値となった。その時の損失測定値を、KW/m3の単位で
(表1)に示した。
【0052】また、同様の方法で、CaOが0.1重量
%、SiO2 が0.05重量%となり、CoOとSb2
O3が(表2)の量となるように、CaCO3、SiO2
およびCoO、Sb2O3を添加した焼結体を作製し、磁
気損失の温度特性を測定したところ、CoO量が 0.
05重量%以下の場合には、60℃で極小値となった。
但し、CoO量が0.1〜0.2重量%の場合には、4
0℃で極小値となった。
%、SiO2 が0.05重量%となり、CoOとSb2
O3が(表2)の量となるように、CaCO3、SiO2
およびCoO、Sb2O3を添加した焼結体を作製し、磁
気損失の温度特性を測定したところ、CoO量が 0.
05重量%以下の場合には、60℃で極小値となった。
但し、CoO量が0.1〜0.2重量%の場合には、4
0℃で極小値となった。
【0053】また、0.3重量%の場合には20℃で極
小値となった。極小温度における損失値測定結果を、KW
/m3の単位で(表2)に示した。
小値となった。極小温度における損失値測定結果を、KW
/m3の単位で(表2)に示した。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】(表1)および(表2)より明らかなよう
に、CaO、SiO2 のどちらかを全く含まないと、C
oO、Sb2O3を含んでいても損失値は大きい。また、
CaO、SiO2 を含むものに、CoOを適量添加する
ことによって、より低損失化する。さらに4種類を特定
量同時に添加する事によって低磁気損失化し、特に0.
05≦CaO≦0.3重量%、0.005≦SiO2≦
0.1重量%、0.005 重量%≦CoO、0.01
≦Sb2O5≦0.2重量%の範囲内にあるときは、磁気
損失が300kW/m3以下と低磁気損失であった。但
し、CoOが 0.3重量%以上の場合には、損失極小
温度が20℃と低く、かつ比透磁率が、他のものが90
0〜1600程度以上であるのに比べて、約500と低
くなりすぎるという欠点があった。
に、CaO、SiO2 のどちらかを全く含まないと、C
oO、Sb2O3を含んでいても損失値は大きい。また、
CaO、SiO2 を含むものに、CoOを適量添加する
ことによって、より低損失化する。さらに4種類を特定
量同時に添加する事によって低磁気損失化し、特に0.
05≦CaO≦0.3重量%、0.005≦SiO2≦
0.1重量%、0.005 重量%≦CoO、0.01
≦Sb2O5≦0.2重量%の範囲内にあるときは、磁気
損失が300kW/m3以下と低磁気損失であった。但
し、CoOが 0.3重量%以上の場合には、損失極小
温度が20℃と低く、かつ比透磁率が、他のものが90
0〜1600程度以上であるのに比べて、約500と低
くなりすぎるという欠点があった。
【0057】(実施例2)実施例1と同様の方法で、組
成比Fe2O3=56.5mol%、MnO=38mol
%、ZnO=5.5mol% となり、合計重量が30
0gとなるようにそれぞれの粉体を秤量した。これに、
CoOが最終焼結体において0.05重量%となるよう
に秤量し、これらの粉末をボールミルにて湿式10h混
合粉砕し、乾燥させた。
成比Fe2O3=56.5mol%、MnO=38mol
%、ZnO=5.5mol% となり、合計重量が30
0gとなるようにそれぞれの粉体を秤量した。これに、
CoOが最終焼結体において0.05重量%となるよう
に秤量し、これらの粉末をボールミルにて湿式10h混
合粉砕し、乾燥させた。
【0058】この混合粉末を900℃で2時間空気中で
仮焼した後、CaOがとSiO2 が(表3)の量とな
り、Ta2O5が0.05重量%となるように、CaCO
3、SiO2 およびTa2O5を添加し、再度ボールミル
にて10h、湿式混合粉砕して乾燥させ、仮焼粉末とし
た。
仮焼した後、CaOがとSiO2 が(表3)の量とな
り、Ta2O5が0.05重量%となるように、CaCO
3、SiO2 およびTa2O5を添加し、再度ボールミル
にて10h、湿式混合粉砕して乾燥させ、仮焼粉末とし
た。
【0059】これらの仮焼粉末より実施例1と同様の方
法で焼結体を作製し、1MHz,50mTの磁気損失の
温度特性を測定したところ、何れの試料においても損失
は80℃で極小値を示した。その時の損失測定値を、単
位KW/m3で(表3)に示した。
法で焼結体を作製し、1MHz,50mTの磁気損失の
温度特性を測定したところ、何れの試料においても損失
は80℃で極小値を示した。その時の損失測定値を、単
位KW/m3で(表3)に示した。
【0060】また、同様の方法で、CaOが0.1重量
%、SiO2 が0.05重量%となり、CoOとTa2
O5が(表4)の量となるように、CaCO3、SiO2
およびCoO、Ta2O5を添加した焼結体を作製し、磁
気損失の温度特性を測定したところ、CoO量が0.0
5重量%以下の場合には、80℃で極小値となった。但
し、CoO量が0.1 重量%の場合には、60℃で極
小値となった。また、CoO量が 0.2重量%の場合
には、40℃で極小値となった。 0.3重量%の場合
には、20℃で極小値となった。極小温度における損失
値測定結果を、単位KW/m3で(表4)に示した。
%、SiO2 が0.05重量%となり、CoOとTa2
O5が(表4)の量となるように、CaCO3、SiO2
およびCoO、Ta2O5を添加した焼結体を作製し、磁
気損失の温度特性を測定したところ、CoO量が0.0
5重量%以下の場合には、80℃で極小値となった。但
し、CoO量が0.1 重量%の場合には、60℃で極
小値となった。また、CoO量が 0.2重量%の場合
には、40℃で極小値となった。 0.3重量%の場合
には、20℃で極小値となった。極小温度における損失
値測定結果を、単位KW/m3で(表4)に示した。
【0061】
【表3】
【0062】
【表4】
【0063】(表3)および(表4)より明らかなよう
に、CaO、SiO2 のどちらかを全く含まないと、C
oO、Ta2O5を含んでいても損失値は大きい。またC
aO、SiO2 を適当量含むものにCoOを適当量添加
する事によって、より低損失化する。さらに、4種類を
特定量同時に添加する事によって最も低磁気損失化し、
特に0.05≦CaO≦0.3重量%、0.005≦S
iO2 ≦0.1wt%、0.005重量%≦CoO、
0.01≦Ta2O5≦0.2wt%の範囲内にあるとき
は、磁気損失が100kW/m3以下と低磁気損失であっ
た。
に、CaO、SiO2 のどちらかを全く含まないと、C
oO、Ta2O5を含んでいても損失値は大きい。またC
aO、SiO2 を適当量含むものにCoOを適当量添加
する事によって、より低損失化する。さらに、4種類を
特定量同時に添加する事によって最も低磁気損失化し、
特に0.05≦CaO≦0.3重量%、0.005≦S
iO2 ≦0.1wt%、0.005重量%≦CoO、
0.01≦Ta2O5≦0.2wt%の範囲内にあるとき
は、磁気損失が100kW/m3以下と低磁気損失であっ
た。
【0064】但し、CoOが 0.3重量%の場合に
は、損失極小温度が20℃と低く、かつ比透磁率が、他
のものが700〜1200程度であるのに比べて、約3
00程度と低くなりすぎるという欠点があった。
は、損失極小温度が20℃と低く、かつ比透磁率が、他
のものが700〜1200程度であるのに比べて、約3
00程度と低くなりすぎるという欠点があった。
【0065】また、実施例1の(表1)(表2)と本実
施例の(表3)(表4)を比較すると、よりFeが多
く、Znの少ない本実施例のほうが、比透磁率は200
〜400程度低いが、磁気損失は小さかった。
施例の(表3)(表4)を比較すると、よりFeが多
く、Znの少ない本実施例のほうが、比透磁率は200
〜400程度低いが、磁気損失は小さかった。
【0066】(実施例3)実施例2と同様に、組成比F
e2O3=57mol%、MnO=38mol%、ZnO
=5mol%となり、合計重量が300gとなるように
それぞれの粉体を秤量した。これに、CoOが最終焼結
体において 0.2重量%となり、MgOが(表5)の
量となるように秤量し、これらの粉末をボールミルにて
湿式10h混合粉砕し、乾燥させた。
e2O3=57mol%、MnO=38mol%、ZnO
=5mol%となり、合計重量が300gとなるように
それぞれの粉体を秤量した。これに、CoOが最終焼結
体において 0.2重量%となり、MgOが(表5)の
量となるように秤量し、これらの粉末をボールミルにて
湿式10h混合粉砕し、乾燥させた。
【0067】この混合粉末を900℃で2時間空気中で
仮焼した後、CaOが0.1重量%、SiO2 が0.0
2重量%となり、Ta2O5が 0.05重量%となるよ
うに、CaCO3、SiO2およびTa2O5を添加し、再
度ボールミルにて10h、湿式混合粉砕して乾燥させ、
仮焼粉末とした。
仮焼した後、CaOが0.1重量%、SiO2 が0.0
2重量%となり、Ta2O5が 0.05重量%となるよ
うに、CaCO3、SiO2およびTa2O5を添加し、再
度ボールミルにて10h、湿式混合粉砕して乾燥させ、
仮焼粉末とした。
【0068】これらの仮焼粉末より実施例1と同様の方
法で焼結体を作製し、磁気損失の温度特性を測定した。
その結果を(表5)に示した。
法で焼結体を作製し、磁気損失の温度特性を測定した。
その結果を(表5)に示した。
【0069】
【表5】
【0070】(表5)より明らかなように、損失極小温
度が40℃以下のものに対してMgOを添加すると、損
失極小温度が上昇した。特に添加量0.01重量%以上
0.2重量%以下の時に、損失をあまり増加させる事無
く、60〜80℃の損失極小温度とする事ができた。
度が40℃以下のものに対してMgOを添加すると、損
失極小温度が上昇した。特に添加量0.01重量%以上
0.2重量%以下の時に、損失をあまり増加させる事無
く、60〜80℃の損失極小温度とする事ができた。
【0071】(実施例4)実施例1と同様に、組成比が
Fe2O3=56.5mol%、MnO=37.5mol
%、ZnO=6mol%となり、合計重量が300gと
なるようにそれぞれの粉体を秤量した。これに、TiO
2、CuO、SnO2が最終的に(表6)の添加量となる
ように秤量し、これらの粉末をボールミルにて湿式10
h混合粉砕し、乾燥させた。
Fe2O3=56.5mol%、MnO=37.5mol
%、ZnO=6mol%となり、合計重量が300gと
なるようにそれぞれの粉体を秤量した。これに、TiO
2、CuO、SnO2が最終的に(表6)の添加量となる
ように秤量し、これらの粉末をボールミルにて湿式10
h混合粉砕し、乾燥させた。
【0072】この混合粉末を800℃で2時間空気中で
仮焼した後、CaOが0.1重量%、SiO2が0.0
2重量%となるように、CaCO3およびSiO2を添加
し、再度ボールミルにて粉砕して仮焼粉末を作製した。
この仮焼粉末より、実施例1と同様の方法で焼結体を作
製した。
仮焼した後、CaOが0.1重量%、SiO2が0.0
2重量%となるように、CaCO3およびSiO2を添加
し、再度ボールミルにて粉砕して仮焼粉末を作製した。
この仮焼粉末より、実施例1と同様の方法で焼結体を作
製した。
【0073】得られた焼結体より切り出したリング状試
料について、実施例1と同じ1MHz,50mTの条件
で磁気損失の温度依存性を測定したところ、TiO2の
0.2重量%添加と 0.3重量%添加を除く全ての試
料で、損失は80℃で極小値を示した。但し、TiO2
の0.2重量%添加では、損失は60℃で極小値を示し
た。また、0.3重量%添加では、20℃で極小値を示
した。この極小損失値をkW/m3の単位で(表6)に示
した。
料について、実施例1と同じ1MHz,50mTの条件
で磁気損失の温度依存性を測定したところ、TiO2の
0.2重量%添加と 0.3重量%添加を除く全ての試
料で、損失は80℃で極小値を示した。但し、TiO2
の0.2重量%添加では、損失は60℃で極小値を示し
た。また、0.3重量%添加では、20℃で極小値を示
した。この極小損失値をkW/m3の単位で(表6)に示
した。
【0074】
【表6】
【0075】(表6)より明らかなように、CaO、S
iO2 のみの添加に比べ、さらにTiO2、CuO、S
nO2の何れかを0.005重量%以上0.2重量%以
下複合して添加したものは、特定添加範囲内で超低損失
であった。
iO2 のみの添加に比べ、さらにTiO2、CuO、S
nO2の何れかを0.005重量%以上0.2重量%以
下複合して添加したものは、特定添加範囲内で超低損失
であった。
【0076】(実施例5)実施例1と同様に、組成比が
Fe2O3=56.5mol%、MnO=37.5mol
%、ZnO=6mol%となり、合計重量が300gと
なるようにそれぞれの粉体を秤量した。これに、TiO
2、CoO、CuO、SnO2が最終的に(表7)の添加
量となるように秤量し、これらの粉末をボールミルにて
湿式10h混合粉砕し、乾燥させた。
Fe2O3=56.5mol%、MnO=37.5mol
%、ZnO=6mol%となり、合計重量が300gと
なるようにそれぞれの粉体を秤量した。これに、TiO
2、CoO、CuO、SnO2が最終的に(表7)の添加
量となるように秤量し、これらの粉末をボールミルにて
湿式10h混合粉砕し、乾燥させた。
【0077】この混合粉末を800℃で2時間空気中で
仮焼した後、CaOが0.1重量%、SiO2が0.0
2重量%、Ta2O5が0.05重量%となるように、C
aCO3 およびそれぞれの金属酸化物を添加したて再度
ボールミルにて粉砕混合し、仮焼粉末とした。この粉末
より、実施例1と同様の方法で焼結体を作製した。
仮焼した後、CaOが0.1重量%、SiO2が0.0
2重量%、Ta2O5が0.05重量%となるように、C
aCO3 およびそれぞれの金属酸化物を添加したて再度
ボールミルにて粉砕混合し、仮焼粉末とした。この粉末
より、実施例1と同様の方法で焼結体を作製した。
【0078】得られた焼結体より切り出したリング状試
料について、実施例1と同じ1MHz,50mTの条件
で磁気損失の温度依存性を測定したところ、TiO2と
CoOの0.2重量%添加と0.3重量%添加を除く全
ての試料で、損失は80℃で極小値を示した。但し、T
iO2とCoOの0.2重量%添加では、損失は60℃
で極小値を示した。また、0.3重量%添加では、20
℃で極小値を示した。この極小損失値をkW/m3の単位
で(表7)に示した。また、測定磁場を100mTにし
て、同様の測定を行った結果を(表8)に示した。さら
に、CoO添加0重量%と、0.05重量%の場合に付
いて、測定磁場50mTの場合の損失値の温度変化を
(表9)に示した。
料について、実施例1と同じ1MHz,50mTの条件
で磁気損失の温度依存性を測定したところ、TiO2と
CoOの0.2重量%添加と0.3重量%添加を除く全
ての試料で、損失は80℃で極小値を示した。但し、T
iO2とCoOの0.2重量%添加では、損失は60℃
で極小値を示した。また、0.3重量%添加では、20
℃で極小値を示した。この極小損失値をkW/m3の単位
で(表7)に示した。また、測定磁場を100mTにし
て、同様の測定を行った結果を(表8)に示した。さら
に、CoO添加0重量%と、0.05重量%の場合に付
いて、測定磁場50mTの場合の損失値の温度変化を
(表9)に示した。
【0079】
【表7】
【0080】
【表8】
【0081】
【表9】
【0082】(表7)および(表8)より明らかなよう
に、CaO、SiO2、Ta2O5のみの添加に比べ、さ
らにTiO2、CuO、SnO2を複合して添加したもの
は、0.005重量%以上 0.2重量%以下の添加範
囲内で超低損失であった。CoOについては、0.00
5重量%以上で低損失であったが、0.3重量%では、
損失極小温度が20℃と低下し、また、他の試料の比透
磁率が700〜1100程度であるのに対して、400
程度と低下した。
に、CaO、SiO2、Ta2O5のみの添加に比べ、さ
らにTiO2、CuO、SnO2を複合して添加したもの
は、0.005重量%以上 0.2重量%以下の添加範
囲内で超低損失であった。CoOについては、0.00
5重量%以上で低損失であったが、0.3重量%では、
損失極小温度が20℃と低下し、また、他の試料の比透
磁率が700〜1100程度であるのに対して、400
程度と低下した。
【0083】測定磁場を100mTとした場合、これら
の添加物による損失低下効果は、より顕著であった。さ
らに、(表9)より明らかなように、損失極小値を下げ
るだけではなく、全ての温度範囲にわたって、低損失化
効果が認められた。
の添加物による損失低下効果は、より顕著であった。さ
らに、(表9)より明らかなように、損失極小値を下げ
るだけではなく、全ての温度範囲にわたって、低損失化
効果が認められた。
【0084】(実施例6)実施例1と同様に、組成比が
Fe2O3=56.5mol%、MnO=39.5mol
%、ZnO=4mol%となり、合計重量が300gと
なるようにそれぞれの粉体を秤量した。これに、CoO
が外割りで最終的に 0.05重量%となるように秤量
し、これらの粉末をボールミルにて湿式10h混合粉砕
し、乾燥させた。
Fe2O3=56.5mol%、MnO=39.5mol
%、ZnO=4mol%となり、合計重量が300gと
なるようにそれぞれの粉体を秤量した。これに、CoO
が外割りで最終的に 0.05重量%となるように秤量
し、これらの粉末をボールミルにて湿式10h混合粉砕
し、乾燥させた。
【0085】この混合粉末を800℃で2時間空気中で
仮焼した後、CaOが0.1重量%、SiO2が0.0
2重量%となり、ZrO2、HfO2、Ta2O5、Al2
O3、Ga2O3、In2O3、GeO2、Sb2O3が(表1
0)の量となるように、CaCO3およびそれぞれの金
属酸化物を添加して、再度ボールミルにて粉砕混合し、
仮焼粉末とした。この粉末より、実施例1と同様の方法
で焼結体を作製した。
仮焼した後、CaOが0.1重量%、SiO2が0.0
2重量%となり、ZrO2、HfO2、Ta2O5、Al2
O3、Ga2O3、In2O3、GeO2、Sb2O3が(表1
0)の量となるように、CaCO3およびそれぞれの金
属酸化物を添加して、再度ボールミルにて粉砕混合し、
仮焼粉末とした。この粉末より、実施例1と同様の方法
で焼結体を作製した。
【0086】得られた焼結体より切り出したリング状試
料について、実施例1と同じ1MHz,50mTの条件
で磁気損失の温度依存性を測定したところ、損失はいず
れの試料においても、80℃で極小値を示した。この極
小損失値をkW/m3の単位で(表10)に示した。
料について、実施例1と同じ1MHz,50mTの条件
で磁気損失の温度依存性を測定したところ、損失はいず
れの試料においても、80℃で極小値を示した。この極
小損失値をkW/m3の単位で(表10)に示した。
【0087】
【表10】
【0088】(表10)より明らかなように、CaO、
SiO2、CoOのみの添加に比べ、さらにZrO2、H
fO2、Ta2O5、Al2O3、Ga2O3、In2O3、G
eO 2、Sb2O3を複合して添加したものは、0.01
重量%以上0.2重量%以下の添加範囲内で、100k
W/m3程度以下と超低損失であった。
SiO2、CoOのみの添加に比べ、さらにZrO2、H
fO2、Ta2O5、Al2O3、Ga2O3、In2O3、G
eO 2、Sb2O3を複合して添加したものは、0.01
重量%以上0.2重量%以下の添加範囲内で、100k
W/m3程度以下と超低損失であった。
【0089】次に、これらの試料を破壊しその破断面を
観察すると、何れも粒界破壊を生じ、平均結晶粒径は約
4μmであった。そこで最も低損失となった添加量
(0.03または0.05重量%) の試料について、
破断面の各A群添加物元素の分布をSIMS(2次イオ
ン質量分析装置)を用いて測定した。
観察すると、何れも粒界破壊を生じ、平均結晶粒径は約
4μmであった。そこで最も低損失となった添加量
(0.03または0.05重量%) の試料について、
破断面の各A群添加物元素の分布をSIMS(2次イオ
ン質量分析装置)を用いて測定した。
【0090】まず、分析範囲を3μm径に絞って同一試
料について数十点分析したところ、添加物濃度は分析位
置によって若干の差があった。そこで分析範囲を50×
50μmとして、平均的な添加物元素濃度を求める事と
し、破断面からの各添加物の深さ方向のプロファイルを
測定した。
料について数十点分析したところ、添加物濃度は分析位
置によって若干の差があった。そこで分析範囲を50×
50μmとして、平均的な添加物元素濃度を求める事と
し、破断面からの各添加物の深さ方向のプロファイルを
測定した。
【0091】その結果、何れの添加物系においても、添
加元素濃度は、破断面(すなわち粒界部分)から深くな
る(粒子内部に進む)に従って低下し、数十nm程度の
深さからあとはほぼ一定となった。そこで粒界部分と、
濃度がほぼ一定となった粒子内部の濃度を比較してみる
と、いずれの添加物においても粒界部分の濃度が約10
倍高くなっていた。
加元素濃度は、破断面(すなわち粒界部分)から深くな
る(粒子内部に進む)に従って低下し、数十nm程度の
深さからあとはほぼ一定となった。そこで粒界部分と、
濃度がほぼ一定となった粒子内部の濃度を比較してみる
と、いずれの添加物においても粒界部分の濃度が約10
倍高くなっていた。
【0092】(実施例7)実施例1と同様の方法で、組
成比がFe2O3=56mol%、MnO=39mol
%、ZnO=5mol%となり、合計重量が300gと
なるようにそれぞれ秤量し、ボールミルにて湿式10時
間混合し、乾燥させた。この粉末を800〜1200℃
の各温度で2時間空気中仮焼した。これにさらに、最終
的な焼結体においてCaOが0.1重量%、SiO2が
0.02重量%、Ta2O5が0.05重量%、CoOが
0.05重量%となるように、CaCO3とSiO2とT
a2O5とCoOを秤量添加し、再度ボールミルにて湿式
10時間混合粉砕して仮焼粉末とした。
成比がFe2O3=56mol%、MnO=39mol
%、ZnO=5mol%となり、合計重量が300gと
なるようにそれぞれ秤量し、ボールミルにて湿式10時
間混合し、乾燥させた。この粉末を800〜1200℃
の各温度で2時間空気中仮焼した。これにさらに、最終
的な焼結体においてCaOが0.1重量%、SiO2が
0.02重量%、Ta2O5が0.05重量%、CoOが
0.05重量%となるように、CaCO3とSiO2とT
a2O5とCoOを秤量添加し、再度ボールミルにて湿式
10時間混合粉砕して仮焼粉末とした。
【0093】この仮焼粉末より、実施例1と同様の方法
で、1200℃で1時間焼成し、焼結体を得た。また、
同様の方法で、Ta2O5あるいはCoOのみ、添加を仮
焼前の混合時とした試料を作製した。
で、1200℃で1時間焼成し、焼結体を得た。また、
同様の方法で、Ta2O5あるいはCoOのみ、添加を仮
焼前の混合時とした試料を作製した。
【0094】得られた焼結体より切り出したリング状試
料について、実施例1と同様1MHz,50mTの磁気
損失の温度依存性を測定したところ、損失はいずれの試
料においても80℃で極小値を示した。また焼結体破断
面の電子顕微鏡観察により、焼結体の平均結晶粒径を測
定した。さらに、実施例6と同様の方法で、粒界層およ
び粒子内部におけるTa濃度を測定し、粒界部濃度/粒
内部濃度比を決定した。結果を(表11)に示した。
料について、実施例1と同様1MHz,50mTの磁気
損失の温度依存性を測定したところ、損失はいずれの試
料においても80℃で極小値を示した。また焼結体破断
面の電子顕微鏡観察により、焼結体の平均結晶粒径を測
定した。さらに、実施例6と同様の方法で、粒界層およ
び粒子内部におけるTa濃度を測定し、粒界部濃度/粒
内部濃度比を決定した。結果を(表11)に示した。
【0095】
【表11】
【0096】(表11)より明かなように、無添加のも
のに比べ、Ta2O5およびCoO添加により、より低磁
気損失化するが、Ta濃度比が5以下の場合にはその効
果が小さくなった。逆に、No.11 に見られるよう
に、CoOは濃度比が大きくなるのは好ましくない。ま
た、焼結体密度が4.6g/cm3 以下の試料No.5
および10では、他のものに比べて、やや損失が大きく
なった。
のに比べ、Ta2O5およびCoO添加により、より低磁
気損失化するが、Ta濃度比が5以下の場合にはその効
果が小さくなった。逆に、No.11 に見られるよう
に、CoOは濃度比が大きくなるのは好ましくない。ま
た、焼結体密度が4.6g/cm3 以下の試料No.5
および10では、他のものに比べて、やや損失が大きく
なった。
【0097】(実施例8)実施例1と同様に、Fe
2O3、MnCO3、ZnOが(表12)の組成比とな
り、合計重量が300gとなるようにそれぞれ秤量し、
これにさらにCoOが最終的に 0.05重量%となる
ように秤量し、ボールミルにて湿式10時間混合粉砕
し、乾燥させた。これらの混合粉末を850℃で2時間
空気中で仮焼した後、CaOが0.1重量%、SiO2
が0.02重量%、Ta2O5が0.05重量%となるよ
うに、CaCO3とSiO2とTa2O5を秤量添加し、再
度ボールミルにて10時間、湿式混合粉砕して乾燥さ
せ、仮焼粉末とした。
2O3、MnCO3、ZnOが(表12)の組成比とな
り、合計重量が300gとなるようにそれぞれ秤量し、
これにさらにCoOが最終的に 0.05重量%となる
ように秤量し、ボールミルにて湿式10時間混合粉砕
し、乾燥させた。これらの混合粉末を850℃で2時間
空気中で仮焼した後、CaOが0.1重量%、SiO2
が0.02重量%、Ta2O5が0.05重量%となるよ
うに、CaCO3とSiO2とTa2O5を秤量添加し、再
度ボールミルにて10時間、湿式混合粉砕して乾燥さ
せ、仮焼粉末とした。
【0098】これらの仮焼粉末より、実施例1と同様の
方法で焼結体を作製した。得られた焼結体より実施例1
と同様の方法で、1MHz・100mTにおける磁気損
失を、20℃〜120℃の間で20℃きざみで測定し
た。結果を(表12)に示した。
方法で焼結体を作製した。得られた焼結体より実施例1
と同様の方法で、1MHz・100mTにおける磁気損
失を、20℃〜120℃の間で20℃きざみで測定し
た。結果を(表12)に示した。
【0099】
【表12】
【0100】(表12)の結果より明らかなように、主
組成の効果について、Fe2O3が53mol%以上60
mol%以下、MnOが34mol%以上44mol%
以下、ZnOが0mol%以上9mol%以下の範囲内
で、損失が1500kW/m3程度以下と低損失であっ
た。さらに、Fe2O3が55mol%以上60mol%
以下、MnOが35mol%以上42mol%以下、Z
nOが1mol%以上6mol%以下の範囲内で、損失
は1000kW/m3程度以下と超低損失となった。ただ
し、Fe2O3が60molの場合には、損失極小温度が
20℃以下という欠点があり、用途が限定される。
組成の効果について、Fe2O3が53mol%以上60
mol%以下、MnOが34mol%以上44mol%
以下、ZnOが0mol%以上9mol%以下の範囲内
で、損失が1500kW/m3程度以下と低損失であっ
た。さらに、Fe2O3が55mol%以上60mol%
以下、MnOが35mol%以上42mol%以下、Z
nOが1mol%以上6mol%以下の範囲内で、損失
は1000kW/m3程度以下と超低損失となった。ただ
し、Fe2O3が60molの場合には、損失極小温度が
20℃以下という欠点があり、用途が限定される。
【0101】(実施例9)実施例7と同様に、組成比F
e2O3=60mol%、MnO=37mol%、ZnO
=3mol%となり、合計重量が300gとなるように
それぞれの粉体を秤量した。これに、CoOが最終焼結
体において0.05重量%となり、MgOが(表13)
の量となるように秤量し、これらの粉末をボールミルに
て湿式10h混合粉砕し、乾燥させた。この混合粉末を
900℃で2時間空気中で仮焼した後、CaOがとSi
O2 がそれぞれ0.1重量%、0.02重量%の量とな
り、Ta2O5が 0.05重量%となるように、CaC
O3 、SiO2 およびTa2O 5を添加し、再度ボールミ
ルにて10h、湿式混合粉砕して乾燥させ、仮焼粉末と
した。
e2O3=60mol%、MnO=37mol%、ZnO
=3mol%となり、合計重量が300gとなるように
それぞれの粉体を秤量した。これに、CoOが最終焼結
体において0.05重量%となり、MgOが(表13)
の量となるように秤量し、これらの粉末をボールミルに
て湿式10h混合粉砕し、乾燥させた。この混合粉末を
900℃で2時間空気中で仮焼した後、CaOがとSi
O2 がそれぞれ0.1重量%、0.02重量%の量とな
り、Ta2O5が 0.05重量%となるように、CaC
O3 、SiO2 およびTa2O 5を添加し、再度ボールミ
ルにて10h、湿式混合粉砕して乾燥させ、仮焼粉末と
した。
【0102】これらの仮焼粉末より実施例1と同様の方
法で焼結体を作製し、1MHz,50mTにおける磁気
損失の温度特性を測定した。その結果を(表13)に示
した。
法で焼結体を作製し、1MHz,50mTにおける磁気
損失の温度特性を測定した。その結果を(表13)に示
した。
【0103】
【表13】
【0104】(表13)より明らかなように、損失極小
温度が20℃以下のものに対してMgOを添加すると、
損失極小温度が上昇した。特に添加量0.01重量%以
上0.2重量%以下の時に、損失をほとんど増加させる
事無く、40〜60℃の損失極小温度とする事ができ
た。
温度が20℃以下のものに対してMgOを添加すると、
損失極小温度が上昇した。特に添加量0.01重量%以
上0.2重量%以下の時に、損失をほとんど増加させる
事無く、40〜60℃の損失極小温度とする事ができ
た。
【0105】(実施例10)実施例1と同様の方法で、
組成比がFe2O3=57mol%、MnO=40mol
%、ZnO=3mol%となり、CaOを0.1重量
%、SiO2 を0.02重量%、ZrO2を0.05重
量%、SnO2を0.05重量%含む焼結体(a)を作製
した。
組成比がFe2O3=57mol%、MnO=40mol
%、ZnO=3mol%となり、CaOを0.1重量
%、SiO2 を0.02重量%、ZrO2を0.05重
量%、SnO2を0.05重量%含む焼結体(a)を作製
した。
【0106】同様に、組成比がFe2O3=54mol
%、MnO=36mol%、ZnO=10mol%とな
り、CaOを0.1重量%、SiO2を0.02重量
%、ZrO2を0.05重量%、SnO2を0.05重量
%含む、焼結体(b)を作製した。
%、MnO=36mol%、ZnO=10mol%とな
り、CaOを0.1重量%、SiO2を0.02重量
%、ZrO2を0.05重量%、SnO2を0.05重量
%含む、焼結体(b)を作製した。
【0107】同様に、組成比がFe2O3=54mol
%、MnO=36mol%、ZnO=10mol%とな
り、CaOを0.1重量%、SiO2を0.02重量
%、Ta2O5を0.05重量%含む焼結体(c)を作製し
た。これらの焼結体の1MHz,50mTにおける磁気
損失を実施例1と同様の方法で測定した。
%、MnO=36mol%、ZnO=10mol%とな
り、CaOを0.1重量%、SiO2を0.02重量
%、Ta2O5を0.05重量%含む焼結体(c)を作製し
た。これらの焼結体の1MHz,50mTにおける磁気
損失を実施例1と同様の方法で測定した。
【0108】焼結体(a)は、80℃で磁気損失が極小と
なり、損失値は90kW/m3であった。また焼結体(b)
は、損失が60℃で極小となり、損失値は250kW/
m3であった。以上の焼結体(a)および(b)は、本発明
による超低磁気損失材である。焼結体(c)は、60℃で
磁気損失が極小となり、損失値は540kW/m3であ
る、従来材料である。
なり、損失値は90kW/m3であった。また焼結体(b)
は、損失が60℃で極小となり、損失値は250kW/
m3であった。以上の焼結体(a)および(b)は、本発明
による超低磁気損失材である。焼結体(c)は、60℃で
磁気損失が極小となり、損失値は540kW/m3であ
る、従来材料である。
【0109】これらの3種類の試料について、それぞれ
の損失極小温度において、磁束密度Bと周波数fの積、
B・f=50(mT・MHz)で一定となる条件で磁気
損失を測定した(この条件では、同一出力時の電源トラ
ンスでコアサイズが一定となる)。結果を(表14)に
示した。
の損失極小温度において、磁束密度Bと周波数fの積、
B・f=50(mT・MHz)で一定となる条件で磁気
損失を測定した(この条件では、同一出力時の電源トラ
ンスでコアサイズが一定となる)。結果を(表14)に
示した。
【0110】
【表14】
【0111】(表13)より明らかなように、これらの
焼結体は1〜2MHz付近で損失が最小となる。(a)
(b)と(c)を比較すると、300kHz以上で本発明の
焼結体(a)および(b)が有利となる。しかしながら10
MHzでは、これらの試料においてもかなり損失が増加
した。
焼結体は1〜2MHz付近で損失が最小となる。(a)
(b)と(c)を比較すると、300kHz以上で本発明の
焼結体(a)および(b)が有利となる。しかしながら10
MHzでは、これらの試料においてもかなり損失が増加
した。
【0112】次にこれらの焼結体より、それぞれE型コ
アを切り出し、これを用いてフォワード方式のスイッチ
ング電源回路を試作し、磁気損失にあたる温度上昇を評
価した。一定の軽負荷条件下で、周波数、磁芯磁束密度
にたいする磁芯の温度上昇について測定した。結果を
(表15)に示した。
アを切り出し、これを用いてフォワード方式のスイッチ
ング電源回路を試作し、磁気損失にあたる温度上昇を評
価した。一定の軽負荷条件下で、周波数、磁芯磁束密度
にたいする磁芯の温度上昇について測定した。結果を
(表15)に示した。
【0113】
【表15】
【0114】(表15)より明らかなように、トランス
の磁芯損失による温度上昇許容値を25℃見込んだ場
合、焼結体(c)を用いた電源は温度上昇が大きく、あま
り高周波では使用できないことが分かる。これに対し
て、本発明のフェライト材料(a)または(b)を用いた電
源は温度上昇が少なく、特に(a)の場合、50mTで
2MHz以上でも充分使用できる。これは、用いた材料
が超低磁気損失で、かつ温度特性が良好なためである。
より高周波では磁束密度を下げて使用するのが一般的で
あるので、(表14)の結果より5MHz程度まで使用
可能と考えられる。しかしながら、2MHz以上のスイ
ッチング電源は回路側の損失が増大するため、現時点で
は現実的ではない。
の磁芯損失による温度上昇許容値を25℃見込んだ場
合、焼結体(c)を用いた電源は温度上昇が大きく、あま
り高周波では使用できないことが分かる。これに対し
て、本発明のフェライト材料(a)または(b)を用いた電
源は温度上昇が少なく、特に(a)の場合、50mTで
2MHz以上でも充分使用できる。これは、用いた材料
が超低磁気損失で、かつ温度特性が良好なためである。
より高周波では磁束密度を下げて使用するのが一般的で
あるので、(表14)の結果より5MHz程度まで使用
可能と考えられる。しかしながら、2MHz以上のスイ
ッチング電源は回路側の損失が増大するため、現時点で
は現実的ではない。
【0115】以上の結果より、開発したフェライト材料
を用いたスイッチング周波数が100kHz〜2MHz
の電源は、発熱が少なく高効率で、熱暴走する危険性が
低い。また、特に300kHz以上でその特徴が顕著と
なり、電源回路側の損失が減少すれば、5MHzまで使
用可能である。
を用いたスイッチング周波数が100kHz〜2MHz
の電源は、発熱が少なく高効率で、熱暴走する危険性が
低い。また、特に300kHz以上でその特徴が顕著と
なり、電源回路側の損失が減少すれば、5MHzまで使
用可能である。
【0116】
【発明の効果】以上説明した通り本発明は、主成分がM
n、Zn、Feの酸化物よりなるフェライトに、副成分
として0.05≦CaO≦0.3重量%、0.005≦
SiO 2≦0.1重量%を含有し、さらにA群(Ti
O2、CoO、CuO、SnO2)を少なくとも一種類以
上、0.005≦MxOz≦0.2 重量%含有する焼結
体であるという構成を備えた酸化物磁性体材料であるた
め、従来にない低磁気損失の材料であり、これを用いて
作製されたスイッチング電源は、小型で低発熱・高効率
とすることができる効果がある。
n、Zn、Feの酸化物よりなるフェライトに、副成分
として0.05≦CaO≦0.3重量%、0.005≦
SiO 2≦0.1重量%を含有し、さらにA群(Ti
O2、CoO、CuO、SnO2)を少なくとも一種類以
上、0.005≦MxOz≦0.2 重量%含有する焼結
体であるという構成を備えた酸化物磁性体材料であるた
め、従来にない低磁気損失の材料であり、これを用いて
作製されたスイッチング電源は、小型で低発熱・高効率
とすることができる効果がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 治 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 青野 保之 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 鈴村 政毅 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内
Claims (6)
- 【請求項1】主成分がMnの酸化物、Znの酸化物、F
eの酸化物を含むフェライトに、副成分として0.05
≦CaO≦0.3重量%、0.005≦SiO 2 ≦0.
1重量%を含有し、さらに、以下に示すA群の金属酸化
物MxOzを、それぞれ少なくとも一種類以上、0.00
5≦MxOz≦0.2重量%含有する焼結体である事を特
徴とする酸化物磁性体材料。但し、A群の金属酸化物M
xOzは、TiO2、CoO、CuO、SnO2の何れかで
ある。 - 【請求項2】副成分とA群の金属酸化物を含むフェライ
トに、さらに、以下に示すB群の金属酸化物MxOzを、
それぞれ少なくとも一種類以上、0.01≦M xOz≦
0.2重量%含有する焼結体である事を特徴とする、請
求項1記載の酸化物磁性体材料。但し、B群の金属酸化
物MxOzは、ZrO2、HfO2、Ta2O5、Al2O3、
Ga2O3、In2O3、GeO2、Sb2O3の何れかであ
る。 - 【請求項3】副成分とA群の金属酸化物を含むフェライ
ト、または、副成分とA群の金属酸化物とB群の金属酸
化物を含むフェライトの何れかに、さらに、MgOを、
0.01重量%以上0.2重量%以下含有する焼結体で
ある事を特徴とする、請求項1または2何れかに記載の
酸化物磁性体材料。 - 【請求項4】B群の金属酸化物MxOzの粒界層部分の濃
度が、粒子内部の濃度の5倍以上となっている事を特徴
とする、請求項2または3何れかに記載の酸化物磁性体
材料。 - 【請求項5】フェライトの主成分のFeの酸化物Fe2
O3を53mol%以上60mol%以下、Mnの酸化
物MnOを34mol%以上44mol%以下、Znの
酸化物ZnOを9mol%以下である事を特徴とする、
請求項1〜4何れかに記載の酸化物磁性体材料。 - 【請求項6】フェライトの主組成のFeの酸化物Fe2
O3を55mol%以上60mol%以下、Mnの酸化
物MnOを34mol%以上42mol%以下、Znの
酸化物ZnOを6mol%以下である事を特徴とする、
請求項1〜4何れかに記載の酸化物磁性体材料。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5095790A JPH06310320A (ja) | 1993-04-22 | 1993-04-22 | 酸化物磁性体材料 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5095790A JPH06310320A (ja) | 1993-04-22 | 1993-04-22 | 酸化物磁性体材料 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06310320A true JPH06310320A (ja) | 1994-11-04 |
Family
ID=14147257
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5095790A Pending JPH06310320A (ja) | 1993-04-22 | 1993-04-22 | 酸化物磁性体材料 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06310320A (ja) |
Cited By (12)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6905629B2 (en) | 2002-09-02 | 2005-06-14 | Tdk Corporation | Mn-Zn ferrite, transformer magnetic core and transformer |
| WO2006054749A1 (ja) * | 2004-11-19 | 2006-05-26 | Hitachi Metals, Ltd. | 低損失Mn-Znフェライト及びこれを用いた電子部品並びにスイッチング電源 |
| JP2006303522A (ja) * | 1994-11-07 | 2006-11-02 | Jfe Chemical Corp | Mn−Zn−Co系フェライト磁心材料 |
| US7540972B2 (en) | 2006-03-30 | 2009-06-02 | Tdk Corporation | Mn-Zn based ferrite material |
| JP2009227554A (ja) * | 2008-03-25 | 2009-10-08 | Tdk Corp | フェライト焼結体及びその製造方法 |
| JP2012017251A (ja) * | 2010-06-11 | 2012-01-26 | Jfe Chemical Corp | MnZnAlCo系フェライト |
| JP2012138399A (ja) * | 2010-12-24 | 2012-07-19 | Tdk Corp | フェライトコアおよび電子部品 |
| WO2018181242A1 (ja) * | 2017-03-28 | 2018-10-04 | 日立金属株式会社 | MnZn系フェライト焼結体 |
| CN109678483A (zh) * | 2019-02-26 | 2019-04-26 | 南通华兴磁性材料有限公司 | 宽温低温度系数低功耗锰锌铁氧体材料的制备方法 |
| JP2020120064A (ja) * | 2019-01-28 | 2020-08-06 | Njコンポーネント株式会社 | 磁性材料 |
| JP2022059859A (ja) * | 2020-10-02 | 2022-04-14 | 株式会社トーキン | MnZn系フェライト、及びその製造方法 |
| JP2022122983A (ja) * | 2016-03-25 | 2022-08-23 | 日立金属株式会社 | インダクタ |
-
1993
- 1993-04-22 JP JP5095790A patent/JPH06310320A/ja active Pending
Cited By (19)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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