JPH06313069A - 押出成形に好適な難燃性ポリオレフィン樹脂組成物 - Google Patents

押出成形に好適な難燃性ポリオレフィン樹脂組成物

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JPH06313069A
JPH06313069A JP12529993A JP12529993A JPH06313069A JP H06313069 A JPH06313069 A JP H06313069A JP 12529993 A JP12529993 A JP 12529993A JP 12529993 A JP12529993 A JP 12529993A JP H06313069 A JPH06313069 A JP H06313069A
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澤 徹 深
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真 一 秋田谷
Nobuya Tabata
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 押出成形によって良好な表面外観及び機械的
特性に加え、難燃性に富む成形品を得るに好適なポリオ
レフィン処方を開発する。 【構成】 実施例2において押出機の第一供給口からポ
リ燐酸アンモニウム(B11)22.5重量%、窒素含有
複素環状有機化合物(B23)7.5重量%及び低密度ポ
リエチレン(A2)5重量%並びに実施例1で配合され
た各種添加剤からなる予備混合物を供給して難燃剤表面
をオレフィン重合体(A2)で被覆した。この状態に第
二供給口から下記配合成分の予備混合物を供給してペレ
ットを得た: ・HDPE(A11)27.5重量%、 ・LLDPE(A12)[MI0.8g/10min]27.5重
量%、 ・EPM(A13)[MFR(230℃;2.16kgf)0.7g/10mi
n]10重量%。 得られたペレットから作成した測定用試験片を評価し
た。 【効果】 表面外観良好、引張伸度413%、デュポン
衝撃強度110kgf・cm及び難燃性(1.2mm厚)94V−
0。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は押出成形に好適な難燃性
ポリオレフィン樹脂組成物に関する。詳しくはポリオレ
フィン樹脂を主成分とし、腐食性ガス発生も有毒性ガス
発生も伴わず、成形加工性の低下も少なく、成形品の状
態において高度の難燃性能を発揮すると共に、優れた機
械的特性及び平滑な表面外観を有する押出成形に好適な
難燃性ポリオレフィン樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリオレフィン樹脂は加工性、耐
薬品性、耐侯性、電気的特性及び機械的特性における優
れた適性を利して家庭用電気製品の分野を始め、建築
物、室内装飾品及び自動車部品等の各種の分野に多用さ
れている。本来、ポリオレフィン樹脂は燃焼し易い樹脂
である。しかし、使用される用途の拡大に伴ってポリオ
レフィン樹脂に対しても難燃材料としての性能が要求さ
れ、しかも要求される難燃性能が年々厳しくなって来て
いる。
【0003】処が、従来使用されてきたハロゲン系難燃
剤を使用したものは燃焼時に発生するガスの毒性に加え
て、発生する黒煙が環境問題の観点から問題視されるよ
うになった結果、上記の年々強化される難燃性要求に応
える為に種々の難燃性ポリオレフィン樹脂組成物が提案
されている。
【0004】具体的提案としては下記のものを挙げるこ
とができる: ・特開昭53−92855号公報、特開昭54−293
50号公報、特開昭54−77658号公報、特開昭5
6−26954号公報、特開昭57−87462号公
報、特開昭60−110738号公報等に開示されてい
るように含水無機化合物(例えば水酸化マグネシウム、
水酸化アルミニウム、ハイドロタルサイト等)をポリプ
ロピレン樹脂に添加した組成物、 ・特公昭55−30739号公報に開示されているよう
にメルトインデックス、0.01〜2.0のポリエチレ
ン及びデカブロモ・ジフェニルエ−テル(又はドデカク
ロロドデカヒドロメタノジベンゾシクロオクテン)及び
粉末状のタルク、カオリナイト、セリサイト、シリカ、
ケイ藻土から選ばれた1以上の無機質充填剤をポリプロ
ピレン樹脂に添加した組成物、 ・特開昭52−146452号公報、特開昭59−14
7050号公報に開示されているように、燐酸アンモニ
ウム(もしくは燐酸アミド)及び環状構造に挿入された
基>C=O(もしくは>C=Sもしくは>NH)を含有
する窒素含有化合物とアルデヒドとの反応生成物又は1,
3,5-トリアジン誘導体のオリゴマ−(もしくはポリマ
−)とをポリプロピレン樹脂に添加した組成物が提案さ
れて来た。
【0005】上記提案組成物の効果は毒性ガスの発生を
抑制すること又は黒煙の発生を少なくすることにある。
しかしながら、含水無機化合物をポリプロピレン樹脂に
添加した組成物、例えば水酸化マグネシウムを添加した
組成物が高度の難燃性を発現する為には、多量の含水無
機化合物を含有する必要がある。その結果として、該組
成物は成形加工性の低下を来す。
【0006】ハロゲン系化合物と共に無機質充填剤を含
有する組成物を成形する際には、生ずる成形加工性の低
下が比較的少なくてしかも高度の難燃性を有する成形品
が得られる。しかし、加工時及び燃焼時に発生する腐食
性ガス又は有毒性ガスの抑制は依然として不十分であ
る。
【0007】また、特開昭52−146452号公報、
特開昭59−147050号公報に開示されている難燃
性ポリプロピレン樹脂組成物においては成形加工性の低
下が比較的少なく、加工時又は燃焼時における腐食性ガ
ス又は有毒性ガスの発生も少ない量に抑制されている。
とはいえ、高湿度条件下では該成形品表面への燐酸アン
モニウムのブルーム現象が発生する。その原因は該組成
物中の燐酸アンモニウムの吸湿性に求められる。しか
も、該組成物から得られる押出成形品の表面が平滑にな
り難いという問題を伴った。それは凝集物が発生するこ
とに起因すると解されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは高度の難
燃性、すなわちULサブジェクト94(アンダ−ライタ
−・ラボラトリ−ズインコ−ポレ−テッド)に規定され
た「機器の部品用プラスチック材料の燃焼試験」の垂直
燃焼試験に準拠した試験(以下、「UL94燃焼試験」
と称する)で高度の難燃性を示すと共に、成形加工時に
おける低下が少なく、優れた機械的特性及び平滑な表面
外観を有する押出成形に好適な難燃性ポリオレフィン樹
脂組成物を得るべく鋭意研究を進めた。
【0009】その結果、本発明者らはポリオレフィン樹
脂(A1)マトリックス中に、難燃剤成分(B1)の表面
に密着したオレフィン重合体(A2)層を介して分散状
態で存在する難燃剤(B)とから形成された組成物を用
いて得られる押出成形品が高度の難燃性、優れた機械的
特性及び平滑な表面外観を兼備することを見出した。更
に、表面に密着したオレフィン重合体(A2)と難燃剤
成分(B1)との重量比(A2/B1)が1/99〜25
/75の範囲にある組成物を選ぶことによって上述の課
題を解決する為に一層の効果が奏されることを見出し
た。本発明はこれらの知見に基づいて完成されたもので
ある。
【0010】また、本発明の目的は高度の難燃性、優れ
た機械的特性及び平滑な表面外観を備えた押出成形品作
成に好適な難燃性ポリオレフィン樹脂組成物を提供する
ことにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の押出成形に好適
な難燃性ポリオレフィン樹脂組成物は下記の構成を有す
る: <基本的構成>ポリオレフィン樹脂(A1)マトリック
ス中に、難燃剤成分(B1)がその表面に密着するオレ
フィン重合体(A2)層を介して分散状態で存在する押
出成形に好適な難燃性ポリオレフィン樹脂組成物。 <改良構成1>表面に密着するオレフィン重合体(A
2)と難燃剤成分(B1)との重量比(A2/B1)が1/
99〜25/75の範囲にある「基本的構成」に記載の
押出成形に好適な難燃性ポリオレフィン樹脂組成物。 <改良構成2>難燃剤成分(B1)が下記の(B11)と
(B2)との混合物である「基本的構成」及び「改良構
成2」に記載の押出成形に好適な難燃性ポリオレフィン
樹脂組成物: (B11)ポリ燐酸アンモニウム又はメラミン変性ポリ燐
酸アンモニウム (B21)下記の反応生成物群から選ばれる1種以上の反
応生成物であって、窒素原子を環内に含有する5員以上
の複素環からなる環状ケトンとホルムアルデヒドとの反
応から生ずる生成物群、(B22)下記の反応生成物群か
ら選ばれる1種以上の反応生成物であって、2個以上の
窒素原子を環内に含有する5員以上の複素環からなる環
状チオケトンとホルムアルデヒドとの反応から生ずる生
成物群又は(B23)下記の一般式「化2」で表わされる
構造を含有する1,3,5-トリアジン誘導体群から選ばれる
1種以上[式中、Xはモルホリノ基又はピペリジノ基、
Yはピペラジンから誘導される2価の基並びにnは2〜
50の数を表わす]。
【0012】本発明に用いる難燃剤成分(B1)に属す
る(B11)と(B2)との比(B11/B2)は1/1〜7
/1の範囲にあることが好ましい。
【0013】
【化2】
【0014】<ポリオレフィン樹脂(A1)>本発明の
ポリオレフィン樹脂組成物のマトリックスを構成するポ
リオレフィン樹脂(A1)としては、下記のものを例示
できる: ・エチレン系樹脂例えば、低密度ポリエチレン、中密度
ポリエチレン、高密度ポリエチレン及び直鎖状低密度ポ
リエチレンの中から選ばれた1以上、 ・プロピレン系樹脂例えば、結晶性プロピレン単独重合
体、プロピレンを主成分とし、プロピレンと下記の1-オ
レフィンの中から選ばれた1以上との結晶性共重合体:
該1-オレフィンとしてはエチレン、1-ブテン、1-ペンテ
ン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘプテン、1
-オクテン及び1-デセン等、 ・少量成分として含有される軟質共重合体(A13)例え
ば、エチレン−プロピレンエラストマー及びその部分架
橋物、エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタ
ジエン共重合体及びその水素化物並びに ・上記樹脂の1種以上に軟質共重合体の1種以上が添加
された混合物。
【0015】特に、マトリックスとして好適なポリオレ
フィン樹脂(A1)はエチレン系重合体組成物であっ
て、高密度ポリエチレン(A11)と直鎖状低密度ポリエ
チレン(A12)とに加えて成形品に所望の性状を付与す
るに足りる量のエチレン−プロピレン系エラストマーも
しくはその部分架橋物(A13)を併含することが好まし
い。
【0016】本発明の押出成形に好適な難燃性ポリオレ
フィン樹脂組成物のマトリックスを構成するポリオレフ
ィン樹脂(A1)はMI(190℃;2.16kgf)又はMFR(230
℃;2.16kgf)0.05〜30g/10min、好ましくは0.1〜
10g/10minのものであれば殆どの場合に所期の効果を
実現できる。
【0017】<表面に密着するオレフィン重合体層(A
2)を有する難燃剤(B)> *オレフィン重合体(A2) 難燃剤成分(B1)の表面にオレフィン重合体(A2)を
密着させる実務的手段としては、被覆処理を用いること
ができる。被覆処理する為のオレフィン重合体(A2)
としては、マトリックスとなるポリオレフィン樹脂(A
1)よりも高い流動性を備えたものが好ましい。本発明
の説明では「表面に密着するオレフィン重合体(A2)
層を有する」を便宜上「表面処理された」と表現するこ
とがある。
【0018】ここで、オレフィン重合体(A2)が単味
の重合体であれば、その流動性は通常、該重合体がエチ
レン主体のものである場合にはMI(190℃;2.16kgf)
を、プロピレン主体のものである場合にはMFR(230
℃;2.16kgf)で表示される。オレフィン系エラストマー
においても同様な表示が採用可能である。
【0019】また、オレフィン重合体(A2)が2種以
上のオレフィン重合体からなる組成物である場合には、
MI(190℃;2.16kgf)又はMFR(230℃;2.16kgf)の何れ
かを採用してその流動性を表示する。
【0020】従って、そのMI(190℃;2.16kgf)又はM
FR(230℃;2.16kgf)はマトリックスであるポリオレフ
ィン樹脂(A1)の当該流動指数+5以上、好ましくは
当該流動指数+20以上に設定する。
【0021】この場合には、A2の流動指数を「A1の流
動指数+所定値」の数値と比較する作業は単純に数値自
体の大小関係を評価する作業とする。一方がMIであっ
て他方がMFRである場合でも両者の差を機械的に算出
して大小関係を評価する。
【0022】オレフィン重合体(A2)で予め表面処理
された難燃剤成分(B)における表面処理用オレフィン
重合体(A2)と難燃剤成分(B1)との重量比(A2/
B1)は1/99〜25/75、好ましくは3/97〜
20/80の範囲に設定する。
【0023】表面処理された難燃剤(B)中のオレフィ
ン重合体(A2)の含有量がこの範囲を相当に超えた組
成の組成物から得られる成形品では機械的特性の低下が
生じ、他方オレフィン重合体(A2)の含有量が相当に
下回る組成の場合には得られる成形品の表面外観の低下
が生ずる。
【0024】さらに、表面処理された難燃剤(B)とマ
トリックスとなるポリオレフィン樹脂(A1)との配合
割合は最終組成物基準で通常45重量%以下とすること
が望ましい。その根拠は最終組成物中の難燃剤の含有量
増加に伴って、それから得られる成形品の難燃性能向上
を生じさせる反面で、機械的特性の低下を生じさせるこ
との均衡に求められる。 *難燃剤成分(B11) 本発明で用いられる難燃剤成分(B1)を構成する一方
の必須成分(B11)はポリ燐酸アンモニウム又はメラミ
ン変性ポリ燐酸アンモニウムである。好ましいポリ燐酸
アンモニウムは一般式(NH4PO3)n (ここで、nは5
0以上の数である)で表わされる平均組成のものであ
り、市販品としては商品名「Exolit 422」(ヘキスト社
製)及び商品名「Phos-Chek P-40」(モンサント社製)等
を挙げることができる。
【0025】一方、本発明の組成物を作成する為に用い
られるメラミン変性ポリ燐酸アンモニウム(B11)はそ
の表面がメラミンで被覆された粉末状のポリ燐酸アンモ
ニウムであると解釈される。メラミン被覆を行なう為の
方法としては、例えば予め280℃に加熱されたニーダ
ーに粉末状II型ポリ燐酸アンモニウム2000部を投入
し、窒素雰囲気又は不活性ガス雰囲気下で3時間加熱混
合しアンモニアを脱離させた。
【0026】この際に、アンモニアが化学量論量よりも
不足した状態のポリ燐酸アンモニウムの1重量%懸濁液
のpHは4.0であった。このアンモニアが不足した状
態の粉末状ポリ燐酸アンモニウムに対して、メラミン2
00部を添加する。この時点でニーダーの上蓋を閉じ、
この状態を保ちながら加熱混合を行なう(280℃で4
時間)。ポリ燐酸アンモニウムの形態を変化させること
なく加熱混合を行なって、メラミンで被覆された粉末状
のポリ燐酸アンモニウムを得た。 *難燃剤成分(B2) 本発明の組成物を作成する為に用いられる他方の難燃剤
成分(B2)(以下、「窒素含有複素環状有機化合物」
と略称することがある)とは下記のものをいう。(B2
1)下記の反応生成物群から選ばれる1種以上の反応生
成物であって、2個以上の窒素原子を環内に含有する5
員以上の複素環からなる環状ケトンとホルムアルデヒド
との反応生成物群、(B22)下記の反応生成物群から選
ばれる1種以上の反応生成物であって、2個以上の窒素
原子を環内に含有する5員以上の複素環からなる環状チ
オケトンとホルムアルデヒドとの反応生成物群又は(B
23)下記の一般式「化3」で表される構造を含有する1,
3,5-トリアジン誘導体群[式中、Xはモルホリノ基又は
ピペリジノ基、Yはピペラジンから誘導される2価の基
並びにnは2〜50の数を表わす]。
【0027】
【化3】
【0028】本発明の組成物中に上記の難燃剤成分(B
21〜B23)がポリ燐酸アンモニウム又はメラミン変性ポ
リ燐酸アンモニウム(B11)と共にマトリックスポリオ
レフィン樹脂(A1)の共存下に発火又は炎との接触等
に起因する熱分解の結果生じ得るものは非引火性ガス
(水、二酸化炭素及び窒素等)と共に殆ど炭素質残渣の
みである。
【0029】これらの窒素含有複素環状有機化合物(B
2)の例としては下記のものを挙げることができる: ・エチレン尿素、エチレンチオ尿素、ヒダントイン、ヘ
キサハイドロピリミジン-2-オン、ピペラジン-3,6-ジオ
ン、バルビツル酸等とアルデヒドとの反応生成物又は ・2-ピペラジニレン-4-ピペリジノ-1,3,5-トリアジンの
オリゴマーもしくはポリマー等。
【0030】これらの中で難燃性を付与する点から好ま
しいものは次の化合物である: (B21):エチレン尿素とホルムアルデヒドとの反応生
成物、 (B22):エチレンチオ尿素とホルムアルデヒドとの反
応生成物又は (B23):下記の一般式「化4」で表わされる構造を有
する1,3,5-トリアジンの誘導体である2-ピペラジニレン
-4-モルホリノ-1,3,5-トリアジンのオリゴマーもしくは
ポリマーである[式中、Xはモルホリノ基又はピペリジ
ノ基、Yはピペラジンから誘導される2価の基並びにn
は2〜50の数である]。
【0031】
【化4】
【0032】また本発明の組成物には、ポリオレフィン
樹脂に通常的に添加される各種の添加剤例えば酸化防止
剤、帯電防止剤、滑剤、中和剤(ステアリン酸金属塩、
ハイドロタルサイト等)、顔料及び造核剤等を必要に応
じて配合することができる。
【0033】<組成物の作成法>本発明の押出成形に好
適な難燃性ポリオレフィン樹脂組成物は例えば次のよう
な手順によって作成できる。押出バレルの上流から下流
へ向けて多段式に複数個の投入口を備えた押出機を使用
し、第一供給口から難燃剤成分であるポリ燐酸アンモニ
ウム又はメラミン変性ポリ燐酸アンモニウム(B11)と
前記で特定した窒素含有複素環状有機化合物(B2)か
ら選ばれた1種以上との混合物からなる難燃剤(B1)
に対してオレフィン重合体(A2)を重量比(B1/A
2)99/1〜75/25で供給することによって難燃
剤表面がオレフィン重合体で被覆される。この状態のと
ころへ第二供給口(この投入口よりも下流側)からマト
リックス用のポリオレフィン樹脂(A1)を供給しなが
ら溶融混練を行なうことによって目的の難燃性組成物を
得ることができる。
【0034】また、表面処理用のオレフィン重合体(A
2)と難燃剤成分(B1)との混合物[重量比(A2/B
1)=1/99〜25/75]を別途にニーダーで混和
処理して得られた難燃剤組成物(B1)を次にマトリッ
クス用ポリオレフィン樹脂(A1)と共に押出機中で溶
融混練して難燃剤成分(B1)の表面処理とそのマトリ
ックス用樹脂(A1)への配合とを一連に行なうことも
可能である。
【0035】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を具
体的に説明するが、本発明はこれらによって限定される
ものではない。実施例及び比較例において用いた評価方
法は次に掲げるものである。 <UL94垂直燃焼試験>ULサブジェクト94(アン
ダ−ライタ−・ラボラトリ−ズインコ−ポレ−テッド)
に規定された「機器の部品用プラスチック材料の燃焼試
験」の燃焼試験に準拠。試験片の肉厚1.2mm及び1.6
mm。 <引張伸度>JIS K 6758に準拠。 <デュポン衝撃強度> ・試験片:射出成形によって作成された平板(50mm×50
mm×2mm)20枚 ・試験装置:JIS K 5400−6.13項のB法
に示された試験装置 ・試験条件:温度10℃、撃ち型の先端部曲率半径1/
4in.、落下高さ1mで各種荷重において測定及び評価す
る。 <表面外観> ・試験片:押出機[商品名:ラボプラストミル(東洋精
機社製)]にて作成したシート成形品 ・試験方法:試験片表面に凝集物の有無を目視判定 ・評価:凝集物が見当たらず平滑な表面状態を表面外観
「良好(○)」、凝集物が明らかに認められる表面状態
を表面外観「不良(×)」と等級付ける。
【0036】
【実施例1】多段式投入口装着二軸押出機[L/D=4
4、同方向回転;商品名:PCM45池貝鉄工社製]を使
用し、その第一供給口(最上流側)から下記の各配合成
分をヘンシェルミキサー(商品名)中で攪拌混合(3mi
n)した組成物を供給した(35.5重量部/h): ・ポリ燐酸アンモニウム(B11)[商品名:Exolit 422
(ヘキスト社製)]22.5重量%、 ・窒素含有複素環状有機化合物(B23)として2-ピペラ
ジニレン-4-モルホリノ-1,3,5-トリアジンのポリマー
(n=11、分子量約2770)7.5重量%及び ・低密度ポリエチレン(A2)[LDPE;MI(190℃;
2.16kgf)100g/10min;商品名:ペトロセン356(東
ソー社製)]5重量%並びに ・各種添加剤: ・・2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾ−ル0.15重量部、 ・・テトラキス[メチレン-3-(3',5'-ジ-t-ブチル-4'-
ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン0.05
重量部、 ・・ジミリスチル-β,β'-チオジプロピオネ−ト0.2
重量部、 ・・カルシウムステアリルホスファイト0.1重量部。
【0037】他方、第二供給口(第一供給口よりも下流
側)から高密度ポリエチレン(A1)[HDPE;MI(1
90℃;2.16kgf)0.3g/10min;商品名:B743(東ソー
社製)]を供給した(65重量部/h)。
【0038】上記の押出機中で溶融混練(温度200
℃)した後に押出してストランドを作成し、該ストラン
ドを水冷後にカッターで切断してペレット化した。 [各種試験片の作成] <難燃性評価用、機械的特性評価用>得られたペレット
を射出成形機(シリンダ−の最高温度200℃に設定)
に供給して所定の試験片をそれぞれ成形した。 <表面外観観察用>押出機[商品名:ラボプラストミル
(東洋精機社製)]を用いてシート状の試験片を作成し
た。それらの評価結果を表1に示す。
【0039】
【比較例1】ポリ燐酸アンモニウム(B11)22.5重
量%、窒素含有複素環状有機化合物(B23)7.5重量
%及び高密度ポリエチレン(A2)70重量%並びに実
施例1で配合された各種添加剤をヘンシェルミキサーに
供給した後に攪拌及び混合した(3min)。得られた混
合物を押出機バレルの第二供給口だけから供給し、実施
例1に準拠してペレットを得た。
【0040】得られたペレットを用いて実施例1に準拠
して測定用試験片の作成及び測定を行なった。それらの
評価結果を表1に示す。
【0041】
【実施例2】表1に記載されている様に第一供給口から
ポリ燐酸アンモニウム(B11)22.5重量%、窒素含
有複素環状有機化合物(B23)7.5重量%及び低密度
ポリエチレン[LDPE;(A2)]5重量%並びに実施
例1で配合された各種添加剤をヘンシェルミキサーに供
給した後に攪拌及び混合した(3min)。得られた混合
物を押出機の第一供給口へ供給した(35.5重量部/
h)。同時にその第二供給口から下記の各配合成分を下
記の量でヘンシェルミキサー中で攪拌及び混合(3mi
n)して得られた組成物を供給(65重量部/h)し、実
施例1に準拠してペレットを得た: ・高密度ポリエチレン[HDPE;(A11)]27.5重
量%、 ・直鎖状低密度ポリエチレン(A12)[LLDPE;M
I(190℃;2.16kgf)0.8g/10min;商品名:日石リニレッ
クスAM1720(日本石油化学社製)]27.5重量
%、 ・エチレンープロピレンエラストマー(A13)[EP
R;MFR(230℃;2.16kgf)0.7g/10min;商品名:EP0
7P(日本合成ゴム社製)]10重量%。
【0042】得られたペレットを用いて実施例1に準拠
して測定用試験片を作成し、それを用いて測定を行なっ
た。その結果を表1に示す。
【0043】
【比較例2】表1に記載されているように押出機の第二
供給口だけからポリ燐酸アンモニウム(B11)、窒素含
有複素環状有機化合物(B23)並びに高密度ポリエチレ
ン(A11)、直鎖状低密度ポリエチレン(A12)及びエ
チレンープロピレンエラストマー(A13)それぞれの所
定量を用いた以外には比較例1に準拠してペレットを得
た。得られたペレットを用いて比較例1に準拠して測定
用試験片を作成し、それを用いて測定を行なった。その
結果を表1に示す。
【0044】
【比較例3】押出機の第一供給口だけから各種配合成分
を供給して溶融混練を行なった以外には比較例2に準拠
してペレットを得た。得られたペレットを用いて比較例
2に準拠して測定用試験片を作成し、それらを用いて測
定を行なった。その結果を表1に示す。
【0045】
【実施例3】押出機の第一供給口から供給する低密度ポ
リエチレン(A2)に代えてプロピレン単独重合体樹脂
(A2)[PP−1;MFR(230℃;2.16kgf)80g/10mi
n]を用いた以外には、実施例1に準拠してペレットを
得た。得られたペレットを用いて実施例1に準拠して測
定用試験片を作成し測定を行なった。その結果を表1に
示す。
【0046】
【実施例4】押出機の第一供給口から供給する低密度ポ
リエチレン(A2)並びに第二供給口から供給する高密
度ポリエチレン(A11)、直鎖状低密度ポリエチレン
(A12)及びエチレン−プロピレンエラストマー(A1
3)を表1に記載の配合量とし、それらの供給割合を第
一供給口からは37重量部/h、第二供給口からは63.
5重量部/hの割合で供給した以外には実施例1に準拠
してペレットを得た。得られたペレットを用いて実施例
1に準拠して測定用試験片を作成し、それらを用いて測
定を行なった。それらの結果を表1に示す。
【0047】
【実施例5】押出機の第一供給口から供給する低密度ポ
リエチレン(A2)並びに第二供給口から供給する高密
度ポリエチレン(A11)、直鎖状低密度ポリエチレン
(A12)及びエチレン−プロピレンエラストマー(A1
3)を表1に記載の配合量とし、それらの供給割合を第
一供給口からは38.5重量部/h、第二供給口からは6
2重量部/hで供給した以外には実施例1に準拠してペ
レットを得た。得られたペレットを用いて実施例1に準
拠して測定用試験片を作成し、それらを用いて測定を行
なった。それらの結果を表1に示す。
【0048】
【比較例4】押出機の第一供給口から供給する低密度ポ
リエチレン(A2)並びに第二供給口から供給する高密
度ポリエチレン(A11)、直鎖状低密度ポリエチレン
(A12)及びエチレン−プロピレンエラストマー(A1
3)を表1に記載の配合量とし、それらの供給割合を第
一供給口からは30.7重量部/h、第二供給口からは6
9.8重量部/hで供給した以外には実施例1に準拠して
ペレットを得た。得られたペレットを用いて実施例1に
準拠して測定用試験片を作成し、その測定を行なった。
その結果を表1に示す。
【0049】
【比較例5】押出機の第一供給口から供給する低密度ポ
リエチレン(A2)並びに第二供給口から供給する高密
度ポリエチレン(A11)、直鎖状低密度ポリエチレン
(A12)及びエチレン−プロピレンエラストマー(A1
3)を表1に記載の配合量とし、それらの供給割合を第
一供給口からは42.5重量部/h、第二供給口からは5
8重量部/hで供給した以外には実施例1に準拠してペ
レットを得た。得られたペレットを用いて実施例1に準
拠して測定用試験片を作成し、それらを用いて測定を行
なった。それらの結果を表1に示す。
【0050】
【実施例6】押出機の第一供給口からポリ燐酸アンモニ
ウム(B11)16.1重量%、窒素含有複素環状有機化
合物(B23)5.3重量%及び低密度ポリエチレン(A
2)5重量%並びに実施例1に準拠した各種添加剤をヘ
ンシェルミキサーに装入後に攪拌及び混合を行なった
(3min)。得られた混合物を押出機の第一供給口から
26.9重量部/hの割合で供給した。
【0051】他方、第二供給口からは下記の各配合成分
を下記の量でヘンシェルミキサー中で攪拌混合(3mi
n)した組成物を供給(73.6重量部/hの割合)し、
それを実施例1に準拠してペレットに成形した: ・エチレン−プロピレンブロック共重合体(A11)[P
P−2;MFR(230℃;2.16kgf)2.6g/10min]52.
9重量%、 ・直鎖状低密度ポリエチレン(A12)10重量%及び ・エチレン−プロピレンエラストマー(A13)10重量
%並びに ・・ハイドロタルサイト[HDTCT;商品名:DHT-4A-2
(協和化学工業社製)]0.7重量%。
【0052】得られたペレットを用いて実施例1に準拠
して測定用試験片を作成し、それを用いて測定を行なっ
た。その結果を表2に示す。
【0053】
【比較例6】ポリ燐酸アンモニウム(B11)及び窒素含
有複素環状有機化合物(B23)、エチレン−プロピレン
ブロック共重合体(A11)、直鎖状低密度ポリエチレン
(A12)及びエチレン−プロピレンエラストマー(A1
3)並びにハイドロタルサイトを表2に記載の量で配合
した以外には比較例1に準拠してペレットを得た。得ら
れたペレットを用いて比較例1に準拠して測定用試験片
を作成し、それを用いて測定を行なった。その結果を表
2に示す。
【0054】[実験結果所見] (1)実施例1と比較例1との結果比較から判ることは難
燃剤成分(B1)をマトリックスとなるポリオレフィン
樹脂(A1)と溶融混練する前にその表面をオレフィン
重合体(A2)で表面処理することによって、最終組成
物から得られる成形品の表面外観が大幅に改善されるこ
とである。 (2)実施例2並びに比較例2及び3の結果比較から判る
ことはマトリックスポリオレフィン樹脂(A1)が直鎖
状低密度ポリエチレン(A12)及びエチレン−プロピレ
ンエラストマー(A13)を含有する場合には、配合され
る難燃剤成分(B1)をオレフィン重合体(A2)で表面
処理することによって最終組成物から得られる成形品の
表面外観のみならずその引張伸度及びデュポン衝撃強度
までもが顕著に改善されることである。 (3)実施例3の結果から判ることは難燃剤成分(B1)を
表面処理するオレフィン重合体(A2)としてポリプロ
ピレン樹脂(A1)を用いても効果が得られることであ
る。 (4)実施例4及び5並びに比較例4及び5の結果から判
ることは難燃剤成分(B1)がオレフィン重合体(A2)
で予め表面処理された難燃剤(B)における表面処理オ
レフィン重合体(A2)と難燃剤成分(B1)との重量比
(A2/B1)が1/99〜25/75の範囲にある場合
に、それが配合された最終組成物から得られる成形品の
引張伸度とデュポン衝撃強度とに改善効果が認められる
ことである。 (5)実施例6及び比較例6の結果から判ることはマトリ
ックスとなるポリオレフィン樹脂(A1)がポリプロピ
レン樹脂である場合にも、難燃剤成分(B1)をオレフ
ィン重合体(A2)で表面処理することによって、最終
組成物から得られる成形品の引張伸度、デュポン衝撃強
度及び表面外観が全て改善されることである。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
【発明の効果】本発明の組成物は下記の多様な効果を奏
する: (1)優れた難燃性を発揮するポリオレフィン樹脂組成物
である、(2)加工時又は燃焼時に腐食性のガスも有毒性
のガスも殆ど発生させない、(3)押出成形に好適であ
る、(4)該組成物は建築物、室内装飾品、家電用電気製
品の部品、自動車用部品等の製造素材として好適であ
る、(5)該組成物から得られる成形品は平滑な表面外観
及び優れた機械的特性を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 7/02 9/04 C08L 61/26 LNM 8215−4J

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン樹脂(A1)マトリック
    ス中に、難燃剤成分(B1)がその表面に密着するオレ
    フィン重合体(A2)層を介して分散状態で存在する押
    出成形に好適な難燃性ポリオレフィン樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 表面に密着するオレフィン重合体(A
    2)と難燃剤成分(B1)との重量比(A2/B1)が1/
    99〜25/75の範囲にある請求項1に記載の押出成
    形に好適な難燃性ポリオレフィン樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 難燃剤成分(B1)が下記(B11)と
    (B2)との組合せである請求項1に記載の押出成形に
    好適な難燃性ポリオレフィン樹脂組成物: (B11)ポリ燐酸アンモニウム又はメラミン変性ポリ燐
    酸アンモニウム、 (B2)下記の群から選ばれる1種以上: (B21)下記の反応生成物群から選ばれる1種以上の反
    応生成物であって、窒素原子を環内に含有する5員以上
    の複素環からなる環状ケトンとホルムアルデヒドとの反
    応から生ずる生成物群、(B22)下記の反応生成物群か
    ら選ばれる1種以上の反応生成物であって、2個以上の
    窒素原子を環内に含有する5員以上の複素環からなる環
    状チオケトンとホルムアルデヒドとの反応から生ずる生
    成物群又は(B23)下記の一般式「化1」で表される構
    造を含有する1,3,5-トリアジン誘導体群[式中、Xはモ
    ルホリノ基又はピペリジノ基、Yはピペラジンから誘導
    される2価の基並びにnは2〜50の数を表わす]。 【化1】
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WO2010087255A1 (ja) * 2009-01-29 2010-08-05 株式会社オートネットワーク技術研究所 難燃剤、難燃性樹脂組成物及び絶縁電線

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