JPH06313148A - ステンレス用コーティング組成物 - Google Patents

ステンレス用コーティング組成物

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JPH06313148A
JPH06313148A JP10268993A JP10268993A JPH06313148A JP H06313148 A JPH06313148 A JP H06313148A JP 10268993 A JP10268993 A JP 10268993A JP 10268993 A JP10268993 A JP 10268993A JP H06313148 A JPH06313148 A JP H06313148A
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JP
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stainless steel
coating composition
coating
mol
light stabilizer
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JP10268993A
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Toshio Koishi
俊夫 小石
Shinji Nanba
伸次 難波
Keiichi Kon
啓一 近
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Central Glass Co Ltd
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Central Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ステンレス基材に塗装した場合に錆を発生さ
せることのない含フッ素塗料用組成物を提供する。 【構成】 分子中に水酸基およびカルボキシル基を有す
る含フッ素共重合体、硬化剤、紫外線吸収剤、ヒンダー
ドアミン系光安定剤からなり、塩素イオン濃度が樹脂重
量に対し20ppm以下である組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はステンレス基材へのコー
ティング組成物に関するものであり、さらに詳しくは長
期耐久性を備えたクリヤーないしクリヤーに少量の顔料
を添加してステンレスの金属光沢を生かしたカラークリ
ヤー塗装ステンレス物品を得るためのコーティング組成
物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年ステンレスは、その錆にくく、金属
鏡面光沢が長期間持続するという性質を生かしてあらゆ
る産業分野に使用されている。すなわち化学プラントの
タンクや配管、建築外装用パネル、インテリア、エクス
テリア、厨房製品、電化製品、自動車部品等、その使用
分野は枚挙に暇がない。
【0003】特に建物の外装パネルのような大きなもの
から、手すり、門扉、アルミサッシの部品など小さなも
のまで建築関連分野での使用が顕著になってきている。
また用途の広がりとともに、より一層ファッショナブル
な表面を持つものも要求されるようになり、例えばステ
ンレス表面に各種模様をつけたり、あるいは透明ないし
透明に近い塗料を塗装して、視覚的な効果を狙ったパネ
ル等も広く普及しつつある。
【0004】この表面に塗装するもう一つの狙いは、ス
テンレスの錆を防止することにある。ステンレスはその
名のとおり、通常の条件では極めて錆にくいが、特殊な
条件下ではかなり急速に錆ることが知られている。すな
わちステンレス製品を海浜部等で使用した場合、海塩粒
子中の塩素イオンの影響を受け、短時間で錆の発生が認
められることがある。そのためアクリル、ウレタン樹脂
等をステンレス表面に一層コーティングすることによ
り、塩素イオンの影響を最小限に抑え、耐久性の向上を
図ったものがある。しかしながらアクリル、ウレタン等
の樹脂層そのものが、長期耐久性という観点からすると
充分なものではないため、より耐久性のある樹脂でのコ
ーティングが求められてきている。
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】このような観点から
現在実用化されているものに、フッ化ビニリデン樹脂コ
ーティングが挙げられる。フッ化ビニリデン樹脂を使用
した顔料入り塗料を亜鉛メッキ鋼板に塗装したものは、
20年以上の実績をもち、長期耐久性塗料鋼板の代表格
となっている。したがってフッ化ビニリデン樹脂をステ
ンレスにコーティングした場合にも同様の効果が期待さ
れており、実際に各種顔料を配合したものから、クリヤ
ーやクリヤーに少量の顔料を混ぜてステンレスの金属光
沢をある程度生かした、カラークリヤーまで多種類の商
品が販売され、需要も伸びてきている。しかしながらク
リヤーやカラークリヤーに、フッ化ビニリデン樹脂を使
用した場合には、フッ化ビニリデン樹脂そのものが多少
透明性に欠けるため、アクリルやウレタン等の塗装品に
比べ、透明感のある仕上りとはなりにくかった。
【0006】
【問題点を解決するための手段】そこでアクリルやウレ
タン等と同程度の透明性をもちかつ長期耐久性に優れた
溶剤可溶型の塗料用フッ素樹脂をフッ化ビニリデン塗料
の代りに使用し、透明感のあるクリヤーやカラークリヤ
ーのステンレス塗装物品を作ろうという試みが行なわ
れ、一部施工も実施されている。しかしながら必ずしも
満足のいく結果は得られていない。すなわち錆の発生が
往々にして認められる。これはもともと溶剤可溶型の塗
料用フッ素樹脂はフッ素源としてクロロトリフルオロエ
チレンを使用しているものが多いことが原因と考えられ
る。すなわち前述したようにステンレスは比較的塩素イ
オンの影響を受け易いことから、樹脂中の塩素がなんら
かの作用で分解してイオンを生成し、ステンレス中の鉄
と反応して錆が発生したと推定される。塩素イオンが生
成する過程として考えられるのは、硬化反応を行なわせ
るために焼成した時および屋外に塗膜を曝露した時など
である。焼成時は塗膜に熱が加わることによって塩素イ
オンの脱離が起こり、また曝露時には光の照射によって
同様の脱離が起こることが考えられる。そのため錆の発
生を抑えるには、この両過程でいかに塩素の分解を最小
限に留めるかが大きな問題である。
【0007】またもう1つの錆の発生を抑える方法とし
ては、プライマーとしてアクリルやウレタンを塗装し、
その上から溶剤可溶型塗料用フッ素樹脂をコーティング
した二層構造とすることにより、発生する塩素イオンと
ステンレスとの反応を防ぐ方法が考えられるが、製造工
程が繁雑になり、またコスト的にもアップすることか
ら、好ましい方法とは言い難い。
【0008】そこで本発明者らは、一層コーティングと
いうことを前提に、樹脂中の塩素の分解を抑える方法に
ついて鋭意検討した結果、特定の添加剤を加え、かつ、
塩素イオン濃度の低い塗料を使用することにより、長期
間錆の発生がなく、かつ外観の良好なクリヤーないしカ
ラークリヤーステンレス物品が得られることを見い出
し、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明は分子中に水酸基および
(または)カルボキシル基を有する含フッ素共重合体な
らびに該共重合体と相溶する硬化剤、紫外線吸収剤およ
びヒンダードアミン系光安定剤を必須成分とする塗料で
あって、塩素イオン濃度が該共重合体に対し20ppm
以下であるステンレス用コーティング組成物である。本
発明において用いられる溶剤可溶型塗料用フッ素樹脂と
しては、分子中に水酸基および(または)カルボキシル
基を含有する含フッ素共重合体であって、例えばクロロ
トリフルオロエチレン、カルボン酸ビニルエステルおよ
び水酸基含有アリルエーテルを必須成分とする重合体が
挙げられる。本重合体はクロロトリフルオロエチレン、
カルボン酸ビニルエステル、水酸基含有アリルエーテル
およびその他の単量体に基づく単位の含有量がそれぞれ
25〜75モル%、10〜70モル%、3〜40モル%および 0〜2
0モル%であり、その他の共単量体としてはビニル酢
酸、ウンデシレン酸、アリルオキシ酢酸、アクリル酸、
メタアクリル酸、クロトン酸、イタコン酸等のカルボキ
シル基含有単量体、ヒドロキシエチルアクリレート、メ
チルメタアクリレート、グリシジルメタアクリレート、
ヒドロキシエチルクロトン酸等のアクリル酸、メタアク
リル酸、クロトン酸等のエステル類、アクリルアミド、
N-メチロールアクリルアミド等のアクリルアミド類、エ
チルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヒドロキ
シアルキルビニルエーテル等のビニルエーテル類が挙げ
られる。
【0010】また好ましいカルボン酸ビニルエステルと
しては、カルボン酸の炭素数が2〜12である直鎖状あ
るいは分枝状ビニルエステルであり、具体的には、酢酸
ビニル、乳酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピ
バリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、イソカプロン酸ビ
ニル、カプリル酸ビニル、カプリリック酸ビニル、カプ
ロイック酸ビニル、ベオバ−9、ベオバ−10(昭和シ
ェル石油商品名)等が例示される。さらに水酸基含有ア
リルエーテルとしては、エチレングリコールモノアリル
エーテル、ジエチレングリコールモノアリルエーテル、
トリエチレングリコールモノアリルエーテル、ヒドロキ
シブチルアリルエーテル、エチレングリコールモノアリ
ルエーテルをε−カプロラクトンで変成した単量体等が
例示される。
【0011】上記のごとき重合体は、重合開始剤の存在
下あるいは電離放射線の作用下、乳化重合、懸濁重合、
溶液重合、塊状重合といった重合法により製造可能であ
る。本発明の塗料中の塩素イオン濃度を低減させる方法
は特に限定する必要はなく、塗料の状態でもその低減操
作は可能であるが、予め含フッ素共重合体中の塩素イオ
ンを除去することが好ましい。例えば、含フッ素共重合
体を一旦溶剤に溶解させ、ついで貧溶媒を添加して析出
させる操作を繰り返す再沈法、また溶剤に溶解させた
後、塩素イオンと反応しまたは塩素イオンを吸着する能
力のある資材と接触させて精製する方法、さらには水洗
法が採用可能である。
【0012】本発明のステンレス用コーティング組成物
は、塩素イオン濃度が含フッ素共重合体重量に対し20
ppm以下であることが必要である。すなわち、実施例
において明確にするように20ppmを超えると、その
原因は明確ではないが錆の発生が極めて著しくなるとい
う現象が現れる。本発明における塩素イオンの濃度の測
定は、共重合体を溶媒に溶解したワニスの状態で行うこ
とも可能であるが、硬化剤、紫外線吸収剤、光安定剤お
よび/またはその他の添加剤を添加した塗料の状態で測
定することも可能である。またその測定方法は、特に限
定されず、例えば、水抽出液のイオンクロマトグラフに
よる測定、中和法による化学分析などが挙げられる。
【0013】本発明において用いられる含フッ素共重合
体は硬化部位として水酸基を有しているため、硬化剤と
組合せることにより硬化反応を起こさせることができ
る。硬化剤としては、2液型塗料となるポリイソシアヌ
レートや1液型塗料となるブロックイソシアネートある
いはメラミンなどが使用可能であるが、生産性および経
済性を考慮すると短時間の硬化が可能なブロックイソシ
アネートやメラミンがより好ましい。
【0014】硬化剤の添加量は、ブロックイソシアネー
トの場合NCO/OH比が0.5〜1.5の範囲が好ましく、
0.5よりも小さい場合には、耐薬品性の面で、また1.5よ
り大きい場合には耐候性の面でそれぞれ好ましくない。
またメラミンの場合には、含フッ素共重合体固形分/メ
ラミン固形分比で10/1〜6/4の範囲が好ましく、
これ以上また以下であってもブロックイソシアネートと
同様に耐薬品性または耐候性が劣るという欠陥が生じ
る。
【0015】またこれらの硬化剤との反応を促進するに
は、触媒の添加が有用である。使用可能な触媒として
は、硬化剤がブロックイソシアネートの場合には、ジブ
チル錫ジラウレート等の有機錫化合物が特に好適であ
る。有機錫化合物はイソシアネートの触媒作用の他に、
熱安定剤としての作用も併せもっていることが知られて
いるため、保存安定性に特に支障がない限り添加するこ
とが好ましく、添加量は全塗料重量に対して10ppm
〜5wt%で任意に選択可能である。添加量が10pp
m以下では触媒としての作用に劣り、また5wt%以上
では保存安定性に問題が生じるため好ましくない。また
メラミンの場合には、有機酸、例えば、パラトルエンス
ルホン酸やドデシルベンゼンスルホン酸等が有用であ
る。有機酸の添加量は全塗料重量に対して0.05〜
1.0wt%の範囲で変更可能であるが、少ない場合に
は触媒としての作用に劣り、また過剰の場合は保存安定
性に問題が生じるので好ましくない。
【0016】焼成時および屋外曝露時生成する塩素イオ
ンを抑えるには、紫外線吸収剤(UVA)と光安定剤の
添加が必須である。紫外線吸収剤はよく知られているよ
うに、紫外部の光を効率よく吸収し、無害な別のエネル
ギー(熱エネルギー等)に転換することによって、分子
内の弱い結合部分を保護する作用がある。構造的にはベ
ンゾフェノン系、サリシレート系、ベンゾトリアゾール
系に大別されるが、いずれも分子内の水酸基の近くに酸
素や窒素原子のような非共役電子対を持っているため、
光エネルギーの吸収により、この両者間で水素結合を介
した環形成を起こし、光エネルギーを有効に消費する。
使用可能な紫外線吸収剤としては、特に限定されない
が、市販されているバイオソーブ80、90、100、
110、130、520、550、580、582、5
83、591、910(以上共同薬品社商品名)、チヌ
ビン900、234、320、326、327、328
(以上チバガイギー社商品名)、マークLA−32、L
A−36、LA−31、1413、LA−51(以上旭
電化工業社商品名)などが例示できる。
【0017】一方、光安定剤は加熱や光の照射により発
生する各種フリーラジカルを捕捉して、安定化する作用
があり、特にヒンダードアミン系光安定剤(HALS)
の添加が有効である。使用可能な安定剤としては、特に
限定されないが市販されているサノールLS−770、
LS−765、LS−292、LS−2626、LS−
1114、LS−744(以上三共社商品名)、チヌビ
ン123、440、144、622LD、チマソーブ9
44LD、944FL、119FL(以上チバガイギー
社商品名)、マークLA−57、LA−77、LA−6
2、LA−67、LA−63、LA−68、LA−8
2、LA−87(以上旭電化工業社商品名)などが例示
できるが、硬化触媒として有機酸を使用する場合には、
酸と反応しないブロックタイプのものが好ましい。
【0018】添加量は樹脂100重量部に対し、紫外線吸
収剤は1〜15部、また光安定剤は0.3〜5部が好ましく、
さらに紫外線吸収剤が2〜10部、光安定剤が0.5〜3部で
あるのがより好ましい。また、これらの添加物の総量が
過大となるのも好ましくなく、紫外線吸収剤/光安定剤
の組合せ比率は、重量比で1/1〜5/1の範囲とすることが
好ましい。いずれか一方がこの比率を超えて多すぎる場
合には他方が充分効果を発揮するだけの量を添加できず
好ましくない。紫外線吸収剤または光安定剤において、
いずれの場合も規定量より少ない場合には効果が充分で
なく、過剰の場合には経済的に不利であるばかりでなく
塗料の安定性を害し、また表面にブリードすることがあ
り好ましくない。
【0019】かくして溶剤可溶型塗料用フッ素樹脂ワニ
スに硬化剤、紫外線吸収剤、光安定剤等を添加すること
によりステンレス用クリヤーないしカラークリヤー塗料
が得られるわけであるが、ステンレス物品との間に充分
な密着性を確保するためには、ステンレス物品を予め表
面処理をしておくことが好ましい。表面処理の仕方は特
に限定されず、例えば、反応型の化成処理と塗布型のク
ロメート処理のいずれも使用可能であるが、充分な密着
性を確保するには塗布型のクロメート処理がより好まし
い。
【0020】以上のようして調整したカラーないしカラ
ークリヤー塗料を、表面処理したステンレス物品に塗装
するわけであるが、塗装は例えばスプレー、フローコー
ター、ロールコーター等を用いて任意に行なうことがで
きる。また塗装した物品は、短時間のセッティング後、
120〜240℃の温度範囲で焼付けることにより、透明感が
あり、長期間錆の発生がないクリヤーないしカラークリ
ヤー塗装物品となりうる。120℃未満の温度では硬化
に時間がかかり、また充分な硬度が得られず、240℃
以上においては塗膜が着色することがあり好ましくな
い。
【0021】本発明のステンレス用コーティング組成物
は、ステンレス以外の塗装にもちいても不都合はない
が、特にステンレスの塗装に適するものである。この場
合、ステンレスで形成された成型体である物品の形状は
どの様なものでも良いが、殊に、表面を鏡面状態とした
ものまた模様を施したものなどが好ましい例として挙げ
られる。ステンレスの種類は特に限られず、オーステナ
イト系、フェライト系、マルテンサイト系、析出硬化型
ステンレス鋼に適用でき、具体的規格は極めて多種類に
わたるが、例えば、通常使用されるSUS302、SU
S304、SUS316、SUS316L、SUS43
0、SUS416などを例示できる。
【0022】以下に実施例により詳細を説明するが、こ
れによって限定されるものではない。以下の実施例、比
較例においては「部」はいずれも「重量部」をいうもの
とする。
【0023】
【実施例】
〔樹脂の合成例A〕電磁撹拌機付の内容量1.4Lのス
テンレス製オートクレーブにピバリン酸ビニル(VP
v)92.3g、ベオバ−9(V−9)132.5g、エチレング
リコールモノアリルエーテル(EGMAE)37.9g、ウ
ンデシレン酸(UA)7.6g、パーブチルPV(日本油脂
商品名)3.8g、酢酸ブチル(BuAc)320gおよび炭酸
ナトリウム1.6gを仕込み、窒素ガスでオートクレーブを
3回置換脱気した。その後クロロトリフルオロエチレン
(CTFE)263.8gをオートクレーブ内に導入した後、
徐々に昇温した。55℃で17時間重合を行なった後、未反
応のCTFEを除去しオートクレーブを開放した。つい
で重合液をナスフラスコに移し、エバポレーターで濃縮
し、同時にCTFE以外の未反応モノマーも除去した
後、BuAcで固形分濃度約55wt%に希釈、ロ過、
精製してワニスを得た。オートクレーブ開放時の固形分
濃度より換算して、仕込んだモノマーベースで、収率は
82%であった。また得られた樹脂のOH価は45mgKOH/
g(無水酢酸によるアセチル化法により測定。)、酸価
は6.9mgKOH/g(JIS K 5400に従い測定)、分子量(M
n)は15,300(ポリスチレン換算数平均分子量)であっ
た。
【0024】得られたワニス10gを100ccの分液
ロートに採取し、ついで50gの純水を加えて振盪後静
置し、上層の水層を分離・採取した。また、分離された
ワニスについて同一の抽出操作を繰り返し、合計3回の
抽出を行った。それぞれの水層の塩素イオン濃度をイオ
ンクロマトグラフ(溶離液:炭酸ナトリウム/炭酸水素
ナトリウムの水溶液)を用いて測定したところ、3回目
の塩素イオン濃度は0.1ppm以下であった。1,2
回目の測定値からこのワニス中の塩素イオン濃度は、樹
脂重量に対し35ppmと決定した。
【0025】また、得られたワニス500gにn−ヘキ
サン500gを攪拌しながら注入して、樹脂成分を沈澱
させ、溶媒を除いた後、乾燥させた。同一の操作をさら
に2回繰り返し再度固形分濃度55wt%の酢酸ブチル
溶媒のワニスを調整した。このワニスについて、上述の
方法で塩素イオンを測定したところ、樹脂重量に対し8
ppmであった。
【0026】〔樹脂の合成例B、C〕樹脂の合成例Aと
同様の方法で、表1に示す共重合仕込組成(但しパーブ
チルPVの仕込量はモノマー量に対し0.5wt%。)
にて重合を行ない、収率、OH価、酸価、分子量、塩素
イオン濃度を測定した。また、合成例Aと同一の塩素イ
オン除去操作を行った後のワニス中の塩素イオン濃度を
測定した。結果を表1に示した。
【0027】
【表1】
【0028】〔実施例1〕合成例Aの精製後のワニス
に、ワニス中の樹脂固形分100部(ワニスとして18
1.8部)に対し、紫外線吸収剤としてバイオソーブ5
91(共同薬品社製)5部、光安定剤としてチヌビン4
40(チバガイギー社製)1部、硬化剤としてサイメル
303(三井サイアナミッド社製)20部および触媒と
してパラトルエンスルホン酸0.2部を添加して、一液
型クリヤー塗料を作成した。ついで塗布型クロメート処
理したヘアーライン仕上のSUS304板(70mmx
150mmx0.2mm)にスプレー塗装し(乾燥膜厚
み約20μm)、約10分間セッティングした後、板温
を170℃に1分間保持して硬化乾燥を行なわせ、試験
板を作成した。得られた塗板の光沢(60度)はヘアー
ライン方向が139、直角方向が100であった。また
塗膜の傷つき硬度はH、メチルエチルケトンによるラビ
ング試験は100回以上であった。さらにこの塗板を、
スガ試験機製の促進耐候試験機であるデューパネル光コ
ントロールウェザーメーター(DPWL)に入れ、40
00時間の試験を実施したが、錆の発生は全く認められ
なかった。またこの塗膜の碁盤目セロハンテープ試験は
100/100であった。
【0029】また、一液型クリヤー塗料を調整後直ち
に、合成例Aで行ったと同様の塩素イオン分析を行った
ところ、塩素イオン濃度は樹脂重量に対し8ppmとワ
ニス中の値と変わらなかった。 〔実施例2〜6〕実施例1と同様の手法で、精製後のワ
ニス、硬化剤、触媒、紫外線吸収剤、光安定剤およびそ
の他の添加剤の種類および量を変えた一連の試験を実施
した結果を表2に示した。いずれも長期間錆の発生がな
く、良好な外観を示し、また、碁盤目エリクセン試験は
100/100と付着性も良好であった。
【0030】
【表2】
【0031】〔比較例1〜3〕合成例A、B、Cで得ら
れた未精製のワニスを用い、実施例1と同様の手法で、
硬化剤、触媒、紫外線吸収剤、光安定剤をよびその他の
添加剤の種類および量を変えた一連の試験を実施した結
果を表2に示した。いずれも精製したワニスを用いた場
合に比べて短い時間で錆の発生が認められた。
【0032】〔比較例4〕紫外線吸収剤のみを添加した
以外、実施例1と同様の方法で作成した塗板では、精製
後のワニスを用いたにも拘わらず1000時間で錆の発
生が認められた。 〔比較例5〕光安定剤のみを添加した以外、実施例1と
同様の手法で作成した塗板では、精製後のワニスを用い
たにも拘わらず300時間で錆の発生が認められた。
【0033】尚、上記の試験に供した添加剤のメーカー
は次の通りである。 ・チヌビン900、384、123、440:チバガイ
ギー社製。 ・SB−1400、T−501(ジブチル錫系エステ
ル):東京ファインケミカル社製。 ・サンチオールN−1(トリアジンチオール):三共化
成社製 また、各種物性の評価は次の方法に従って行った。 ・光沢(JISK5400):入射角60度における光
沢を、ヘヤーライン方向およびそれと直角方向について
測定した。 ・MEKラビング試験:メチルエチルケトンを滲みこま
せたガーゼを用いて塗膜表面をこすり、目視で塗膜の異
常の発生を観察するまでの摩擦回数であるが、実施例1
〜6および比較例1〜5のいずれの塗板も100回以上
であった。 ・硬度(JISK5400):傷つき状態での鉛筆硬度
で表示した。 ・碁盤目セロハンテープ試験:塗膜にJISK5400
の密着性試験方法に基づき切れ目を入れ、100個の枡
目を作る。ついで切れ目の部分にセロハンテープを張り
付け、瞬間的に引き剥がし、残った枡目の数で判定す
る。実施例1〜6および比較例1〜5のいずれの塗板も
100/100であった。 ・屈曲性:塗膜を上にして塗板を180度折り曲げ、曲
げた部分の塗膜状態を目視で観察する。実施例1〜6お
よび比較例1〜5のいずれの塗板も0Tであった。 ・発錆の有無:試験後の塗膜を目視で観察した。
【0034】
【発明の効果】本発明のコーティング組成物を塗装した
クリヤーないしカラークリヤーステンレス鋼板は、長期
間ステンレス特有の光沢を維持し、かつ錆を発生しない
という効果がある。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子中に水酸基および(または)カルボ
    キシル基を有する含フッ素共重合体ならびに該共重合体
    と相溶する硬化剤、紫外線吸収剤およびヒンダードアミ
    ン系光安定剤を必須成分とする塗料であって、塩素イオ
    ン濃度が該共重合体重量に対し20ppm以下であるス
    テンレス用コーティング組成物。
  2. 【請求項2】 分子中に水酸基を有する含フッ素共重合
    体がクロロトリフルオロエチレン、カルボン酸ビニルエ
    ステル、ヒドロキシ基含有アリルエーテルおよびその他
    の共単量体に基づく単位の含有量がそれぞれ25〜75
    モル%、10〜70モル%、3〜40モル%および0〜
    20モル%である請求項1記載のステンレス用コーティ
    ング組成物。
  3. 【請求項3】 紫外線吸収剤とヒンダードアミン系光安
    定剤の組合せ比率が1/1〜5/1である請求項1記載
    のステンレス用コーティング組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のステンレス用コーティン
    グ組成物を塗布・硬化乾燥させた膜を被覆してなるステ
    ンレス成型体。
JP10268993A 1993-04-28 1993-04-28 ステンレス用コーティング組成物 Pending JPH06313148A (ja)

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JP10268993A JPH06313148A (ja) 1993-04-28 1993-04-28 ステンレス用コーティング組成物

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