JPH06317764A - 光学的ローパスフィルター - Google Patents

光学的ローパスフィルター

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JPH06317764A
JPH06317764A JP5122163A JP12216393A JPH06317764A JP H06317764 A JPH06317764 A JP H06317764A JP 5122163 A JP5122163 A JP 5122163A JP 12216393 A JP12216393 A JP 12216393A JP H06317764 A JPH06317764 A JP H06317764A
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JP
Japan
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optical element
image
pass filter
optical
diffraction
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JP5122163A
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English (en)
Inventor
Mitsujiro Konno
光次郎 金野
Shinya Matsumoto
伸也 松本
Katsuya Ono
勝也 小野
Yoshiharu Takasugi
芳治 高杉
Kimihiko Nishioka
公彦 西岡
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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    • G02B27/42Diffraction optics, i.e. systems including a diffractive element being designed for providing a diffractive effect
    • G02B27/46Systems using spatial filters
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N23/00Cameras or camera modules comprising electronic image sensors; Control thereof
    • H04N23/50Constructional details
    • H04N23/555Constructional details for picking-up images in sites, inaccessible due to their dimensions or hazardous conditions, e.g. endoscopes or borescopes

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、高価な複屈折板を使用す
ることなしに空間周波数の帯域制限効果をもつ光学的ロ
ーパスフィルターを提供することにある。 【構成】 本発明の光学的ローパスフィルターは、通
常の結像作用を持つ回折系の光学素子と偏心した結像作
用を持つ回折系の光学素子を持続させた構成とする等の
ように結像特性が不連続に変化する回折系の光学素子か
らなっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、撮像手段として撮像素
子を用いたいわゆる電子撮像系に用いられる光学的ロー
パスフィルターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、CCDイメージセンサー等の固体
撮像素子を撮像手段として使用し、テレビモニター上で
像を観察することが広く行なわれている。例えばテレビ
カメラや電子スチルカメラが急速に発達している。その
中でも特に、人間の体腔内に挿入して診断や治療を行な
ったり、パイプ内に挿入して内壁の腐食の状態等を検査
したりするために用いられる内視鏡の分野での発展がめ
ざましい。
【0003】例えば図25に示すように、先端に固体撮
像素子を有する電子内視鏡や、図26に示すような、フ
ァイバースコープ等の内視鏡像を固体撮像素子に再結像
して、内視鏡像をテレビモニター上で観察出来るように
した内視鏡外付テレビカメラ等である。
【0004】上記の図25に示す電子内視鏡は、手元操
作部2と細長い可撓性を有する挿入部3と信号ケーブル
4とを備え、この信号ケーブル4は、途中で分岐して一
方は光源装置5に又他方はビデオ信号処理回路6に接続
されている。又挿入部3の先端には、対物レンズ7、水
晶ローパスフィルター8、CCDイメージセンサー9を
備えた観察光学系と図示しない照明光学系とが設けられ
ている。
【0005】光源装置5からの照明光は、図示しないが
信号ケーブルおよび内視鏡内部に設けられているライト
ガイドファイバー束を介して内視鏡先端部まで伝達さ
れ、物体Mを照明する。物体Mからの光は、対物レンズ
7によってCCD9上に像を結び、ここで電気信号に変
換されて手元操部2、信号ケーブル4を介してビデオ信
号処理回路6に導かれて映像信号に変換され、観察用モ
ニターテレビ10に物体像として表示される。
【0006】又図26に示すような、ファイバースコー
プや硬性内視鏡を用いるものは、ファイバースコープ1
1の先端に対物レンズ13を備え、物体Mの像を対物レ
ンズ13によってイメージガイドファイバー束12の入
射端面に結像せしめ、この物体像をイメージガイドファ
イバー束12の射出端面まで伝達してこれを接眼レンズ
15を介して観察し得るようにしている。又硬性鏡16
には、その先端に対物レンズ17が設けられ、その背後
にはリレーレンズ18が配置され、対物レンズ17によ
り形成された物体Mの像をリレーレンズ18により伝達
し、接眼レンズ19により観察するようになっている。
【0007】又20は、前記のファイバースコープや硬
性鏡の接眼部14にテレビカメラヘッド22を取付ける
ためのアダプターであって、内部には結像レンズ21を
備えている。テレビカメラヘッド22には、複数の水晶
板からなる光学的ローパスフィルター23とCCD24
とが設けられている。このカメラヘッド22の出力ケー
ブルは、ビデオ信号処理回路を備えたカメラコントロー
ルユニット25に接続される。以上のようにファイバー
スコープや硬性鏡の接眼部14にアダプター20を装着
することにより、これら接眼部14の接眼レンズからの
射出光は、結像レンズ21により集束され光学的ローパ
スフィルター23を介してCCD24上に物体像を形成
する。この物体像は、電気信号に変換されてカメラコン
トロールユニット25に供給され、映像信号に変換され
て観察用モニターテレビ26に物体像が表示される。
【0008】これらの電子撮像系は、CCDの画素が一
定の繰り返し周期(サンプリング周期)を持つため、物
体像中の空間周波数成分がこのサンプリング周期に近い
と、互いに干渉し、ビートやモアレといわれる現象を生
ずる。
【0009】この問題を解決することを目的とした従来
例として実公昭47−18688号公報に記載されてい
るように複屈折板から成る空間周波数制限フィルターを
用いることにより、物体像中の空間周波数成分のうちモ
アレが発生するような空間周波数成分を遮断してモアレ
の発生を防止したものがある。
【0010】上記のように、複屈折板を用いた場合、次
に述べる理由により空間周波数的に帯域制限が可能にな
る。図27は理想レンズにより複屈折板30を介して物
体像を結像させるようにした時の様子を示している。こ
の場合、点像の強度分布は、図27に示すように常光線
と異常光線の2成分によるデルタ関数になる。この両デ
ルタ関数間の間隔をtとし、図28に示すような座標系
を考えた場合、このデルタ関数のフーリエ変換が複屈折
板による空間周波数レスポンスを与えることになる。こ
こで複屈折板による変調伝達関数(MTF)は、図29
に示すようにMTF=|cos (πtu)|にて表わさ
れ、空間周波数的に帯域制限が行なわれていることがわ
かる。また、前記の式は、点像(デルタ関数)の間隔t
を制御することによって図29に示す複屈折板によるM
TFのカットオフ周波数1/2tを制御できることを示
している。この間隔tは、複屈折板の結晶軸と光学系の
光軸となす角度と、複屈折板の厚みを適宜設定すること
により制御出来る。即ち、図29におけるカットオフ周
波数1/(2t)をモアレが発生するような物体像中の
空間周波数に設定することにより、モアレの発生を防止
できる。
【0011】ところで、最近主流になってきている単板
カラーテレビカメラでは、CCDイメージセンサーの入
射面上にカラーエンコード用のモザイクフィルターアレ
イが設けられるが、この種の撮像素子では、絵素配列だ
けではなく、フィルターアレイの各フィルターエレメン
トの配列もビートの発生原因になるため、ビートが目立
ち安く図29に示す程度の帯域制限ではモアレを除去し
きれない。更にファイバースコープの内視鏡像を固体撮
像素子に再結像して内視鏡像をテレビモニター上で観察
出来るようにした内視鏡外付テレビカメラにおいては、
被写体が図30に示すようなイメージガイドファイバー
の射出端面であるため、強い強度の高周波成分をもって
おり、モアレを除去しきれない。即ち、図30(B)に
示すように、イメージガイドファイバー束は、コアーの
周りをクラッドで被覆した光ファイバーを束ねたもの
で、その端面に現われる像は、図30(A)に示すよう
にコアーのピッチPFを繰返し周期とする多数の光斑点
からなっている。そのため、対物レンズにより形成され
た元の物体にはない上記光斑点の繰返し周期に相当する
高周波成分を含んでおり、この成分の存在がモアレ除去
を難しくしている。
【0012】上記欠点を除去することを目的とした従来
例として、特公平4−15669号、特開昭63−29
1026号等の公報に記載された発明がある。それらに
よれば、空間周波数の帯域制限効果が得られるが高価な
複屈折板を使用しているためコスト高になると云う欠点
がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高価な複屈
折板を使用することなしに、空間周波数の帯域制限効果
をもつ光学的ローパスフィルターを提供することを目的
とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の光学的ローパス
フィルターは、回折面による結像特性が不連続に変化す
る回折型光学素子にて構成したことを特徴としている。
【0015】図20に示すように、軸上光線を結像させ
るレンズ系L1 と、このレンズ系L1 を光軸に垂直な方
向に偏芯させ配置した破線にて示すレンズ系L2 とを仮
定すると、レンズ系L2 の軸上光線は、レンズ系L1
とっては軸外光線とみなせるため、レンズ系L2 による
像は軸外に結像する。即ち、図においてレンズ系L1
光軸の位置を境にして上側がレンズ系L1 の結像作用を
持ち、下側がレンズ系L2 の結像作用を持つような光線
素子は、図21(A)のように点像を2点に分離させる
作用を持つので、図27に示すような複屈折と同様な空
間周波数の帯域制限効果を持つ。ここで図20において
は、レンズ系L2 を光軸に垂直な方向に偏芯させている
が垂直方向以外の傾斜する方向に偏芯させても同様の効
果を有する。
【0016】このような効果は、上記のような屈折光学
系のみならず、回折系の光学素子を用いても実現出来、
又回折系の光学素子を用いれば複雑な結像性能を持つ面
を比較的容易に製作出来る利点を有している。即ち、光
軸に対して偏芯させた回折面を不連続的に有している回
折系光学素子によって、複屈折板を用いることなしに光
学的ローパスフィルターを構成し得る。
【0017】光の回折現象を積極的に利用した回折系の
光学素子即ちディフラクチブ オプティクス エレメン
ツ[Diffractive Optics Elem
ents(DOE)]については、たとえばオプトロニ
クス社発行の「光学デザイナーのための小型光学エレメ
ント」の第6章、第7章に記載されているが、簡単に述
べれば次の通りである。
【0018】通常の光学ガラスは、図22(A)におい
て次の式で表わされるスネルの法則に従って屈折する。
【0019】 nsin θ=n’sin θ’ (1) ただし、nは入射側媒質の屈折率、n’は出射側媒質の
屈折率、θは光線の入射角、θ’は光線の出射角であ
る。
【0020】一方、回折現象では、図22(B)のよう
に光は次の式で表わす回折の法則に従って屈折する。
【0021】 nsin θ−n’sin θ’=mλ/d (2) ただし、mは回折光の次数、λは波長、dは格子間隔で
ある。
【0022】上記の式(2)に従って光線を屈折させる
ようにした光学素子が回折系の光学素子(DOE)であ
る。この式(2)において、dを光線高により変化さ
せ、一次光の出射角θ’を光線高に拘らずある一点に集
光するように変化させれば適当な焦点距離fを持つ回折
型レンズを作ることが出来る。しかしこのままでは、一
般的にフレネルゾーンプレートと呼ばれているものであ
って、同心円状に遮蔽されているために光量の無駄が多
い。しかし、図23(A)に示すようなキノフォームと
呼ばれる断面形状が鋸状にすることにより、1次光の回
折効率が100%になる。このことを特定波長における
ブレーズ化と呼ぶ。実際には、完全な鋸状に加工するこ
とは難しく、図23(B),(C)に示すようにエッチ
ングにより階段状にして近似させれば、各断面形状によ
り回折効率も変化する。
【0023】このような回折系の光学素子は、ウルトラ
−ハイ インデックス レンズ(Ultra−High
Index Lens)と呼ばれるレンズを回折系の
光学素子と仮定することによって、通常のレンズ自動設
計プログラムを用いて設計することができる。このこと
については、SPIE 126巻46−53頁(197
7年)に記載されている。この屈折率nがn≫1である
ようなウルトラ−ハイ インデックス レンズにおいて
は、次の式(3)で表わされる関係が成立つ。
【0024】 (nu −1)dz /dh=nsin θ−n’sin θ’ (3) ただし、n’は出射側の媒質の屈折率、nは入射側の媒
質の屈折率、θ,θ’は光線の入射角および出射角、z
はウルトラ−ハイ インデックス レンズの各光線高に
おける光軸方向の座標である。又nu はウルトラ−ハイ
インデックス レンズの屈折率、hは光線高である。
【0025】式(2)および(3)から次の式(4)が
求まる。
【0026】 (nu −1)dz /dh=mλ/d (4) ウルトラ−ハイ インデックス レンズとして非球面を
定義したとすると、下記のように表わされる。
【0027】 z=Cy2 /[1+(1−C2 Py21/2 ]+By2 +Ey4 +Fy6 +Gy8 ・・・・ (5) ただし、図24に示すようにzは光軸(像の方向を
正)、yは面とz軸との交点を原点としz軸に直交した
座標軸のうちメリジオナル方向の座標軸、Cは基準面の
曲率、Pは円錐定数でP=1−e2 (eは離心率)で与
えられる値、B,E,F,G,・・・は夫々2次,4
次,6次,8次,・・・の非球面係数である。尚図24
において、Oは物体、Iは像である。
【0028】式(4),(5)よりある光線高hにおけ
る回折型光学素子のピッチdは、次の式(6)で表わさ
れる。
【0029】 d=mλ/[(nu −1){Ch/(1−C2 Ph21/2 +2Bh +4Eh3 +6Fh5 +8Gh7 +・・・・}] (6) したがって、ウルトラ−ハイ インデックス レンズを
用いて設計を行なえば、そのレンズデーターと等価の回
折型レンズの面の形状を求めることが出来る。
【0030】
【実施例】次に、本発明の光学ローパスフィルターを各
実施例にもとづいて更に詳細に説明する。
【0031】図2は、ウルトラ−ハイ インディクス法
等により設計された回折系の光学素子の正面図である。
この回折系の光学素子は、適用される撮像系に最適化さ
れており、その時の光線高hでの回折系の光学素子のピ
ッチdが下記の式(7)に示されるものとする。
【0032】 d=mλ/[(nu −1){Ch/(1−C2 Ph21/2 +2Bh+4Eh3 +6Fh5 +8Gh7 +・・・}] (7) 前記の図2の回折系の光学素子DOE1と、これに対し
光軸を平行にしてsだけ偏芯した回折系の光学素子DO
E2とをつぎ合わせた回折光学素子は、図1のようにな
る。この図1に示す実施例1の偏心した回折系の光学素
子DOE2のピッチは、下記の式(8)のように表わせ
る。 d(1)=mλ/[(nu −1){C(h+s)/(1−C2 P(h+s)2)1/2 +2B(h+s)+4E(h+s)3 +6F(h+s)5 +8G(h+s)7 +・・・}] (8) 尚この図1も含め本発明の実施例の回折系の光学素子の
図は概念図であって実際の形状ではない。図1に示す回
折光学素子においては、軸上物点より出た光のうち、通
常の結像作用を持つ回折系の光学素子DOE1に入射し
た光線は、軸上像点に結像し、偏芯した結像作用を持つ
回折系の光学素子DOE2に入射した光線は軸外に結像
する。そのため、この光学素子によって点像は2点に分
離せしめられ、複屈折と同様に空間周波数の帯域制限効
果を持つことになるので光学的ローパスフィルターとし
て用いることができる。ここで、点像の分離間隔をtと
すると、光学的ローパスフィルターの重要な性能である
カットオフ周波数1/(2t)は、この光学素子の焦点
距離をfとし、偏芯量をs、多重面の偏芯している部分
DOE2の近軸倍率をβ1 、回折光学素子に対する物体
距離をz、像距離をz’とすると、tは次の式(9)に
て求められる。
【0033】 t=β1 s−s=−z’s/f−s=fs/z−s (9) 例えば、カットオフ周波数を50(本/mm)にあわせ
るとすると、偏芯量sは次の式(10)により計算出来
る。
【0034】 s=z/(100・(f−z)) (10) 式(9)において、被写体までの距離が変化するとβ1
は変化するので、カットオフ周波数fc は被写体までの
距離によって変化する。そのため、被写体が近い場合に
は、カットオフ周波数fc は小さくなり、被写体が遠い
場合にはカットオフ周波数fc は大きくなるので、基準
とするカットオフ周波数は、被写体が比較的近い位置に
ある場合を基準として定めればよい。
【0035】カットオフ周波数fc が被写体までの距離
によって変化することが望ましくない場合は、他の光学
素子と組合わせればよい。例えば、多重面より後ろ側に
倍率がβ2 であるような光学系がある場合、点像の分離
間隔t(1)は、次の式(11)のようになる。
【0036】 t(1)=(β1 −1)sβ2 =−(z’/f−1)sβ2 =(f/z−1)sβ2 (11) 又カットオフ周波数fc は次の式(12)のようにな
る。
【0037】 fc =1/{2t(1) }=1/{2(β1 −1)sβ2 } (12) したがって、カットオフ周波数fc を被写体までの距離
によらず一定にするには、fc =1/{2t(1) }=C
(定数)であればよいので、β2 が式(13)を満足す
ればよい。
【0038】 β2 =C/{2(β1 −1)s} (13) たとえば、被写体が図30に示すようなイメージガイド
ファイバーの射出端面であるような内視鏡外付けテレビ
カメラに最適な光学的ローパスフィルターにおいては、
イメージガイドファイバーの周波数スペクトルを光学的
ローパスフィルターのカットオフ周波数に設定する。こ
の場合、図33に示すように、正三角形をなす三つのコ
アーの中心に分離像が形成されるようにすると、イメー
ジガイドファイバー像中の光ファイバーの中心間距離
(コアーの配列ピッチ)をPFと に示す関係があればよい。
【0039】このような、光学的ローパスフィルターに
よるMTFは、図29のようにコサイン関数の形をして
いるが、問題となる空間周波数においてMTFが20%
以下になれば、実用上はイメージガイドファイバーに起
因するモアレが目立たなくなる。したがって実用上は、
下記の周波数範囲内においてMTFがカットオフされた
状態になっていると見做すことが出来る。
【0040】 0.87/2t(1)<u<1.13/2t(1) この関係を式(13),(14)を用いて書き直すと、
次の関係式(15)のようになる。
【0041】この関係式を満足しない場合は、MTFの
値が20%を越えるためにイメージガイドファイバーの
端面の像の空間周波数スペクトルを良好に除去出来なく
なる。この場合、点像が2点に分離されるのではなく、
3点以上に分離出来るものであれば、光学的ローパスフ
ィルターとしてのレスポンスは、より低下したものにな
る。したがって3点以上に分離出来るものであれば条件
(15)よりも広い範囲をとることが出来、およそ下記
の条件(16)を満足すればよい。
【0042】 0.69・PF/{4(β1 −1)・s}<β2 <2.77・PF/{4(β1 −1)・s} (16) 上記条件(16)において、0.69・PF/{4(β
1 −1)・s}>β2 であると解像力の低下が問題にな
り又、β2 >2.77・PF/{4(β1 −1)・s}
であると、ファイバー端面とCCDの画素との干渉が無
くなる代わりに、物体像とCCDの画素との干渉が問題
になる。
【0043】又、CCDの特性に応じた光学的ローパス
フィルターを提供する場合は、例えば、CCDのサンプ
リング周波数をfn とすると式(17)に示すように設
定すればよい。
【0044】 fn =1/(2(β1 −1)・β2 ・s) (17) ここで前述と同様の計算により、下記の条件(18)が
成立つ。 0.87fn <1/{2(β1 −1)・β2 ・s}<1.13fn (18) この条件(18)を満足しないと即ち周波数0.87f
n 又は1.13fnにおける光学的ローパスフィルター
のMTFがほぼ20%以上となり、サンプリング周波数
で生ずる折り返し歪を十分除去できない。以上のような
倍率β2 をもつような補正光学系を用いることにより、
カットオフ周波数fc を一定にすることが出来る。この
ような補正光学系は、物体距離に応じて倍率が変化する
ものであるから、例えば、フォーカシング調節に連動し
てレンズ系の一部を移動させ、倍率が上記の条件(1
8)を満足するようにすることによって実現出来る。
【0045】なお、通常の対物レンズでは、物体距離に
応じて補正光学系の倍率を変化させることが困難な場合
もあるが、内視鏡の接眼部に取付けて使用するテレビカ
メラにおいては、物体距離が接眼部の視度によって決ま
るために、物体距離の変化に伴い倍率が変化すると云う
現象は生じない。したがって、この種の電子撮像系は上
記のような光学的ローパスフィルターを適用する光学系
として特に好適である。なお、このような光学的ローパ
スフィルターは、回折系の光学素子を用いなくとも屈折
系の光学素子で実現出来る。
【0046】この実施例1は、回折系の光学素子の領域
を2等分したものであるが、実施例2は、図3に示す通
りで偏芯した部分と偏芯しない部分の面積を変えて2つ
の分離像の強度比に差をつけたものである。また実施例
3は、図4に示す通りで結像特性が偏芯している回折面
積領域の数を増やしたものである。これによって点像の
分離数を増やすことが出来、より強い空間周波数の帯域
制限効果を得ることが出来る。この実施例3は、被写体
が図30で示すようなイメージガイドファイバーの射出
端面であるような内視鏡外付けテレビカメラに最適な光
学的ローパスフィルターである。実施例3は、全体の1
/4を偏芯しない回折系の光学素子で構成し、残りの部
分を6等分して各領域を互いに60°をなす6方向に偏
芯させたもので、この光学的ローパスフィルターによる
点像の分離パターンは、図5に示すような原点を中心と
して6角形なパターンになる。この図5のような点像の
分離パターンは、図6(A),(B),(C),(D)
のようなMTF曲線を与える。図6において、(A)は
水平方向、(B)は30°方向、(C)は60°方向、
(D)は垂直方向を示す。ここで水平方向は図5のx軸
に対応する空間周波数平面上の方向を指し、垂直方向は
y軸に対応する方向を指す。また30°の方向とは、水
平方向から垂直方向へ向かって30°傾斜した方向を指
す。又60°方向も同様である。図6は、a=0.01
031mmとして空間周波数を計算しており、原点上の点
像のの強度は、他の点像の2倍である。そのためイメー
ジガイドファイバーの周波数スペクトルを光学的ローパ
スフィルターのカットオフ周波数に設定することによっ
てCCDの配列とイメージガイドファイバーとが干渉し
て発生するモアレを良好に除去出来る。
【0047】この実施例3においてモアレが発生しない
ための条件は、点像の6角形の一辺をaとし、イメージ
ガイドファイバー像中の光ファイバーの中心間の距離
(繊維間距離)をPFとするとファイバー配列と分離像
との関係を図34のように設定した時、次の関係がなり
たつ。
【0048】したがって次の式(19)が得られる。
【0049】 PF=2a (19) 実質上は、図6よりMTFがほぼ20%になる範囲を目
安とし下記の関係の範囲内であればよい。
【0050】これより下記の条件(20)の範囲であれ
ばよい。
【0051】 0.36・PF<a<0.74・PF (20) この条件(20)を満足しないと、つまり0.36・P
F>a又は MTFがほぼ20%以上になり光ファイバーの積み方向
の空間周波数スペクトルを十分減衰しきれない。ここで
ファイバーの積み方向とは、図30(B)中に示した1
20°をなす三つの方向のことで、ファイバーが一列に
並んだ方向のことを云う。
【0052】このような点像の強度分布は、3枚の複屈
折板と2枚の偏光解消板を組合わせてはじめて実現し得
るが、レンズ、プリズム等の屈折系の光学素子または回
折系の光学素子を用いることによって大幅にコストを低
減出来る。
【0053】このような点像のパターンは、図7のよう
に円形の点像のパターンでも近似できる。このときの点
像の形状とイメージガイドファイバー像との関係は、点
像の中心から外側の輪帯までの距離をrとして次の条件
を満足すればよい。
【0054】上記の条件より次の条件(21)が導かれ
る。
【0055】 0.31・PF<r<0.64・PF (21) 上記条件(21)において、0.31・PF>r又はr
>0.64・PFで になり、光ファイバーの積み方向の空間周波数スペクト
ルを十分減衰しきれない。
【0056】実施例4は、図8に示すように、中心部を
偏芯した結像作用をもつ回折面領域、その外周を偏芯し
ない回折面領域として回折系の光学素子を同心円状に構
成したものである。
【0057】又実施例5は、図9に示すような構成であ
って、回折系の光学素子と通常のガラスやプラスチック
を用いたレンズとを組合わせたものである。図において
DOEが回折系の光学素子で、Lが通常のレンズであ
る。
【0058】実施例6は、図10に示す構成のもので、
偏芯量を大きくした構成のものである。ここでは、二つ
の回折面を透明部材の同じ面に設けてもよいし、一方を
表面に、他方を裏面に設けるようにしてもよい。尚ここ
では図示しないが、偏芯した結像作用をもつ回折面領域
のみで構成してもよい。
【0059】以上述べた実施例のような光学素子を用い
ることにより、複屈折板では不可能な種々の点像を構成
することが出来る。例えば、図11(A)に示すような
点像の形状は、図12(A)〜(D)のようなMTFを
与える。ただし、この場合、b=0.03464mmで、
各点像の強度は等しい。尚この図12において(A)が
水平方向、(B)が30°方向、(C)が60°方向、
(D)が垂直方向である。図13のようなモザイク状に
カラーフィルターが配置されている単板方式のCCD
は、2次元周波数空間上で図14に示すような色ビート
発生点を有するが図12(A),(B),(C),
(D)のようなMTF特性は、水平方向と垂直方向の色
ビートを除去している。
【0060】一般的には、図11(B)のような各点像
をP1 ,P2 ,P3 ,P4 とおき、P1 を三角形の重心
としたとき、P2 とP3 の長さをL1 、P3 とP4 の長
さをL2 、P2 とP4 の長さをL3 とすれば、CCDの
水平方向のピッチpx、垂直方向のピッチpyとし、か
つ水平方向にn画素、垂直方向にm画素の合計n×m画
素から色差信号を作成するようになっているとすると、
次の式(22)、式(23)に示す関係を満足すればよ
い。
【0061】 m・py=L2 (23) 実質上は、次の関係を満足すればよい。 これを整理して、次の式(24)を満足すればよい。 同様にL2については式(25)を満足すればよい。
【0062】 0.75・m・py≦L2 ≦1.4・m・py (25) L1 ,L2 ,L3 が各条件の範囲外であると、色ビート
発生点における光学的ローパスフィルターのMTFがほ
ぼ20%以上になり、モアレが目立ちやすくなる。ただ
し3板カメラのように複数枚以上のCCDから色信号を
作成する場合は、n=m=1とし、2板カメラのように
1枚のCCDより色信号を作成する場合は、色信号を作
成するCCDにおいてnおよびmを決定するものとす
る。
【0063】図13の例では、特開昭60−90484
号公報に記載されているような、垂直方向の2画素の出
力信号を混合して色信号を得るような信号読み出し方式
を用いると、水平方向2画素、垂直方向4画素の、図中
に太線で囲んだ部分が色差信号を作成する単位となるの
で、n=2、m=4である。
【0064】また、このような光学的ローパスフィルタ
ーを、内視鏡のテレビカメラに用いる場合、30°方向
と垂直方向のカットオフ周波数が、イメージガイドファ
イバー像中の光ファイバーの中心間の距離(繊維間距
離)PFになるように設定すればよいので、次の式(2
6)の関係が成立てばよい。
【0065】実質上は下記の範囲内であればよい。 これを整理すれば、次の条件(27)のようになりこれ
を満足すればよい。
【0066】 0.65PF≦L2 ≦1.21PF (27) もしも、0.65・PF>L2 又はL2 >1.21・P
Fであると、周波数 における光学的ローパスフィルターのMTFがほぼ20
%以上になり、光ファイバーの積み方向の空間周波数ス
ペクトルを十分減衰しきれない。
【0067】さらに、輝度信号と、色差信号が複合され
て出力されるようなコンポジット方式のテレビカメラに
おいては、2次元周波数空間上でほぼ±30°の方向に
色幅搬送周波数(NTSC方式の場合には3.58メガ
ヘルツ)で発生する動く色モアレが生ずる。このような
色モアレを除去するためには、光学的ローパスフィルタ
ーのカットオフ周波数を色幅搬送周波数に設定するのが
望ましい。
【0068】このために、色副搬送周波数をfn とする
と、下記式(28)にて示す関係が成立てばよい。
【0069】 fn =1/L1 (または1/L3 ) (28) ただし色副搬送周波数は、具体的には撮像面の垂直方向
のサイズをV(mm)とすると、次の式(29)又は式
(30)で表わされる。
【0070】 fn =283/(2・V)(ただしNTSC) (29) fn =350/(2・V)(ただしPAL) (30) この場合も、実質上は、次の条件(31)を満足すれば
よい。
【0071】 0.71・fn ≦1/L1 ≦1.33・fn 又は 0.71・fn ≦1/L3 ≦1.33・fn (31) ここで0.71・fn >1/L1(L3 )または、1/
1(L3 )>1.33・fn の場合、周波数が0.7
1・fn または1.33・fn の時の光学的ローパスフ
ィルターのMTFがほぼ20%以上になり、色副搬送波
におけるMTFを十分に減衰しきれない。
【0072】なお、以上のような像点は、必要に応じて
多少変形してもよいし又点像が増えた場合でも少なくと
もこのような点像が含まれていれば、同様な効果が得ら
れる。
【0073】実施例7は、同様に偏芯系の回折光学素子
を用いたものであるが、動作原理が実施例1〜実施例6
とは若干異なっている。即ち、偏芯系の回折系の光学素
子を用いれば、図15のように、複数の次数光の焦点距
離の違いにより複数の点像を作ることが出来る。この場
合に、良好な光学的ローパスフィルターとしての作用を
なすための条件は、複数の次数光の結像位置がずれない
ようにすることである。
【0074】図16の(A)に示すように、m次(mは
自然数)の光線に着目すると、回折系の光学素子の焦点
距離は、f/mになる。又別の次数光である(m+1)
次の光線に着目し、この時の回折系の光学素子の焦点距
離をf/(m+1)とすると、各次数の光線が同じ位置
に結像するためには、各次数の光線は異なった物体位置
でなければならない。各次数の光線が異なる物体位置に
なるような状態は、例えば図17に示すように、y方向
と−y方向とで結像作用が異なるような光学素子OE
が、偏芯した回折系の光学素子DOEよりも物体側にあ
ればよい。このようにすれば、複数の次数光は、各々の
焦点距離の違いによって、倍率の異なる像を形成し、か
つ各次数光の結像位置が一定であるので、光学的ローパ
スフィルターとしての効果を持つことになる。
【0075】前述のような、y方向と−y方向とで結像
作用が異なるような光学素子は、屈折系レンズにて構成
してもよいが、結像作用をもつ回折面領域が非連続に変
化するような回折系の光学素子を用いるのが簡単であ
る。
【0076】回折系の光学素子の光学的ローパスフィル
ターとしての性能は、複数の点像に分離することにより
最も良好なものとなるが、点像の径をある程度の大きさ
に設定することによっても帯域制限効果を持たせること
が出来る。この時の点像の径をφとすると、この点像の
MTFは、シリンダー関数(cyl関数)のフーリエ変
換であるため、ソムブレロ関数(somb関数)とな
る。
【0077】ただしr=(x2 +y21/2 somb(φR)=2・J1 (πφR)/(πφR) (33) ただしR=(u2 +v21/2 上記式でJ1 は第1種ベッセル関数である。
【0078】このような点像によるカットオフ周波数f
c は下記のようになる。
【0079】 fc =1.22/φ (34) したがって、このような点像が、光学的ローパスフィル
ターとして機能するためには、CCDが水平方向のピッ
チpx、垂直方向のピッチpy又水平方向にn画素、垂
直方向nm画素の合計n×m画素から色差信号を作成す
るようになっているとすると下記の条件を満足すればよ
い。
【0080】1/(m・py) ≦1.22/φ≦{1
/(n・px)2 +1/(m・py)21/2 上記条件を整理すると下記の条件(35)のようにな
る。
【0081】0.82/(m・py)≦1/φ≦0.8
2・{1/(n・px)2 +1/(m・py)21/2 ここで、0.82/(m・py) >1/φになるとfc
が最も近い色ビート発生点におけるMTFを0にする
ことになる。また1/φ>0.82{(1/(n・p
x)2 +1/(m・py)21/2 になると、fc が最
も遠い色ビート発生点におけるMTFを0にすることに
なる。ただし3枚カメラのように複数以上のCCDから
色差信号を作成する場合、n=m=1とし、また2枚カ
メラのように1枚のCCDより色差信号を作成する場合
は、色差信号を作成するCCDにおいてnおよびmを決
定するものとする。
【0082】しかし、somb(φR)が20%以下に
なり得るようなuの値は下記の式(36)の範囲内であ
る。
【0083】 0.96/φ≦u (36) したがって式(35)は、実質上は下記の条件(37)
を満足するものであればよい。又特にモアレが気になる
場合は、somb(φR)が10%以下になるようにす
ればよい。sombが10%以下になるuの値は、下記
の式(38)の範囲内である。
【0084】 1/φ≦1.04{1/(n・px)2+1/(m・py)21/2 (37) 1.06/φ≦u≦1.46/φ (38) したがって、式(36)は実質上は下記の式(A)およ
び式(B)より次の条件(39)を満足すればよい。 1/(m・py)≦1.46/φ (A) 1.06/φ≦{1/(n・px)2 +1/(m・py)21/2 (B) 0.68/(m・py) ≦1/φ≦0.94{1/(n・px)2 + 1/(m・py)}1/2 (39) このような光学的ローパスフィルターを内視鏡のテレビ
カメラに用いる場合、イメージガイドファイバー像中の
光ファイバーの中心間距離(繊維間距離)が下記の条件
を満足すればよい。
【0085】 即ち、1/φ≦1.2/PF (40) この式(40)は、somb(φR)が20%以下にな
り得るための条件であって、somb(φR)が10%
以下になり得るための条件は、下記の条件である。 即ち、0.79/PF≦1/φ≦1.09/PF (41) 実際は、光ファイバーのコアーによる明部とクラッドに
よる暗部とによる空間周波数スペクトルは、2次元周波
数空間上で±30°、±90°方向に生ずるが、この周
波数スペクトルと、CCDの色ビート発生点で発生する
周波数を干渉が行なわれないように適当な角度回転させ
ることも出来るので、条件(40)や条件(41)のよ
うな厳しい条件は必要なく、次の条件(42)を満足す
れば、実用上十分な効果が得られる。
【0086】 1/φ≦2/PF (42) ここで、1/φ>2/PFになるとコアー径がほぼクラ
ッド径以下になり、垂直方向の周波数スペクトルの強度
が強くなり、回転させても周波数スペクトルとCCDの
色ビート発生点の干渉を防ぎ得ない。
【0087】上記のような光学的ローパスフィルターと
して回折系の光学素子を用いる場合、回折系の光学素子
は、スポット径が前述の条件を満足するように波面を乱
す働きをするため、特に結像作用をもつ回折面領域は、
非連続に変化しなくともよい。又スポットが真円ではな
く、多少歪んだ形であっても、ほぼ同じような効果が得
ら得る。
【0088】前述の光学的ローパスフィルターは、モア
レを防止するためにMTFを劣化させるが、被写体によ
っては、このMTFの劣化が好ましくない場合もある。
図18は、前述のスポット径になるように設定した回折
系の光学素子を、被写体に応じて切り換え得るようにし
た撮像レンズを示す。即ち、モアレを示すような被写体
には、図18の(A)のように、撮影光路中は回折系の
光学素子の回折格子面が介在されるようにし、又モアレ
が発生しないような被写体で回折系の光学素子によるコ
ントラストの低下が耐え難いような場合には、図18
(B)のように回折系の光学素子が回転してコントラス
トが低下しないような構成にしている。
【0089】この場合、回折系の光学素子のプレートレ
ンズ(光学的なパワーを持つ平行平面板)としての機能
を利用している。しかしこのような構成の場合、回折系
の光学素子や位相フィルターを用いなくとも、例えばガ
ラス板等により結像位置を若干ずらすことによっても実
現出来る。
【0090】図18のような光学的ローパスフィルター
は、ほとんどパワーを持たないので、波面を乱す働きと
は、具体的にはCCDが感知出来ない程度に色収差を発
生させている働きのことである。特に、モアレの発生に
大きく影響するのは、緑色の波長の光より作成される輝
度信号であるため、緑色の波長帯において色収差を発生
させれば、ローパスフィルターとしての効果は非常に大
きい。
【0091】ここで光学的ローパスフィルターとして、
マイクロレンズアレーを用いる方法も考えられる。図2
6のような内視鏡外付けテレビカメラにおいては、被写
体がファイバースコープの射出端面であるため、光ファ
イバーの積み方向には強度の強い周波数スペクトルが発
生し、これが規則的に配置されたCCDの各画素と干渉
するとモアレが発生する。そのため、ファイバースコー
プの射出端にマイクロレンズアレーを張付けることによ
り、図30(A)のような被写体は、光ファイバーの各
コアーが拡大されて図19のようになり、クラッド部分
が観察されなくなる。即ち、コアーとクラッドとの繰り
返しによる周波数スペクトル自体を物体像中より除去し
たことになり、モアレの発生を除去できる。このマイク
ロレンズアレーは、どのようなものを使用してもよい
が、その光学的な結像関係は、コアーの径をφ1 、クラ
ッドの径をφ2 とした時マイクロレンズの倍率βが少な
くとも次の範囲になるように限定する必要がある。
【0092】 即ち 1<β≦1.15・φ2 /φ1 (43) βの値が1>βであると周波数スペクトルの除去の役割
を果たすことが出来ず、β>1.15φ2 /φ1 になる
と、コアー部をクラッド部を越えて拡大することになる
ため、必要以上に拡大しすぎ好ましくない。また、マイ
クロレンズアレーをCCD直前に配置して光学的ローパ
スフィルターとしての効果を持たせたものが従来知られ
ているが、屈折系において用いる場合、1個のマイクロ
レンズが2個の画素に対応するように貼付けられている
ため、あまり複雑な光学的ローパスフィルター効果を持
たせることは困難である。しかし回折系の光学素子を用
いたマイクロレンズアレーであれば、複雑な光学的ロー
パスフィルター効果を持たせることが出来る。
【0093】次に回折系の光学素子の他の使い方につい
て述べる。一般の内視鏡を使用する場合、検査や手術中
にピント合わせが煩雑であり、又フォーカシング機構を
設けるスペースを確保できない等の理由から、ピントが
合っているとみなされる範囲(被写界深度)内に観察し
ようとする物体が来るように内視鏡の先端と物体との距
離を調節して観察を行なっている。しかし被写界深度
は、およそ2mm〜50mmであまり広くないため物体と内
視鏡先端との距離を調節することは容易ではない。その
ために被写界深度範囲の非常に広いパンフォーカスな内
視鏡が望まれている。回折系の光学素子を用いることに
より、上記のようなパンフォーカスな内視鏡を容易に実
現出来る。
【0094】上記のような回折系の光学素子の分散特性
は、次に説明するようになる。
【0095】薄肉レンズの場合、次の式に示す関係が成
立つ。
【0096】 1/f=(n−1)(1/r1 −1/r2 ) ただし、fは焦点距離、r1 ,r2 は夫々入射面と出射
面の曲率半径、nはレンズの屈折率である。
【0097】上記の薄肉レンズの式の両辺を波長λにて
微分すると下記のように式(44)が求まる。
【0098】 df/dλ=−f(dn/dλ)/(n−1) Δf=−f{Δn/(n−1)} (44) 回折系の光学素子の場合、λf=C(一定)であるの
で、f=C/λである。このf=C/λの両辺をλで微
分すると次のようにして式(45)が得られる。
【0099】df/dλ=−C/λ2 =−f/λ Δf=−f(Δλ/λ) (45) Δn/(n−1)=νであるので、式(44)と(4
5)とからν=λ/Δλである。したがって、回折型光
学素子のνd は下記の通りである。
【0100】 νd =λd /(λF −λC )=−3.453 (46) このように回折系の光学素子は、非常に大きな負の分散
特性を持つ。そのため回折系の光学素子は、波長により
焦点距離が変化する。
【0101】図31に示すように波長の長い光(赤成
分)LR と、波長の短い光(青成分)LB とを同じ位置
に結像すればパンフォーカスな内視鏡を提供出来る。つ
まりこの図の(A)に示すように遠方の物点よりの光の
うち波長の長い光LR と(C)に示す近い物点よりの光
のうち波長の短い光LB とがほぼ同一位置に結像するよ
うにすればよい。この原理を利用すれば、光源より発す
る光の波長を変えることによってピント調整が可能にな
る。又光源の波長を連続的に変えることの出来ない場合
は、遠点、近点で被写界深度範囲が重なるようにしても
ピント調整が可能になる。尚このようなパンフォーカス
な撮影装置は、内視鏡に限ることなく、監視カメラ等に
も応用出来る。
【0102】さらに、図32に示すように負レンズと正
のレンズ群との間等にプリズムPを配置し、このプリズ
ムを矢印方向に移動させることにより視野方向を変化さ
せ得る内視鏡(視野変換内視鏡)の場合、機構が複雑に
なり又内視鏡挿入部の径が大になり、内視鏡にとって好
ましくない構成になる。しかしこの視野変換内視鏡に回
折系の光学素子を用いれば、挿入部の径の小さい内視鏡
を容易に実現出来るので好ましい。つまり、偏芯した回
折系の光学素子に入射する光は、異なる次数に分割され
て異なる角度で射出する。ここを次数により結像位置異
なるため、これを利用して視野変換光学系を構成するこ
とが可能である。図32(B)のようにイメージガイド
IGの入射端面位置を矢印方向に移動させて視野変換が
可能になる。
【0103】
【発明の効果】本発明の光学的ローパスフィルターは、
結像作用をもつ回折面領域が非連続に変化する回折系の
光学素子又は撮像面における点像の径が適当な値になる
ように設定された回折系の光学素子を用いて光学的ロー
パスフィルターとしての効果を持たせるようにしたの
で、高価な複屈折板を用いることなく安価である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の光学的ローパスフィルター
の構成を示す図
【図2】回折系の光学素子の基本構成を示す図
【図3】本発明の実施例2の光学的ローパスフィルター
を示す図
【図4】本発明の実施例3の光学的ローパスフィルター
を示す図
【図5】実施例3による点像が分離されたパターン
【図6】上記パターンのMTF曲線
【図7】図5に示すパターンを円形に近似させたパター
【図8】本発明の実施例4の光学的ローパスフィルター
の構成を示す図
【図9】本発明の実施例5の光学的ローパスフィルター
の構成を示す図
【図10】本発明の実施例6の光学的ローパスフィルタ
ーの構成を示す図
【図11】本発明の実施例による点像パターンの例を示
す図
【図12】図11のパターンのMTF
【図13】単板方式のCCDのカラーフィルターの配置
を示す図
【図14】上記CCDの色ビートの発生点を示す図
【図15】本発明の実施例7の光学的ローパスフィルタ
ーの構成を示す図
【図16】上記実施例7の動作原理を示す図
【図17】同じく実施例7の動作原理を示す図
【図18】回折系の光学素子を切り換え得るようにした
本発明のローパスフィルターを用いた光学系
【図19】マイクロレンズアレーを用いた光学的ローパ
スフィルターの構成を示す図
【図20】本発明の原理である一方が偏芯した二つのレ
ンズ系による結像作用を示す図
【図21】上記図20の光学系により点像の分離作用を
示す図
【図22】屈折系並びに回折系における光線の屈折並び
に回折を示す図
【図23】回折系の光学素子を階段状に近似させた素子
の断面形状を示す図
【図24】ウルトラ−ハイ インデックス レンズとし
て非球面を定義する時の座標系
【図25】電子内視鏡の構成を示す図
【図26】ファイバースコープ又は硬性鏡と電子撮像装
置との組合わせを示す図
【図27】複屈折板を用いての空間周波数的に帯域制限
を行なうようにした光学系
【図28】図27に示す光学系の点像の強度分布
【図29】上記光学系によるMTF
【図30】ファイバー束の出射端の拡大図
【図31】回折系の光学素子の他の応用例であるパンフ
ォーカスな撮影装置の原理を示す図
【図32】回折系の光学系の他の応用例である視野方向
変換系の原理を示す図
【図33】ファイバーと分離像との関係を示す図
【図34】ファイバーと分離像との関係を示す図
【手続補正書】
【提出日】平成6年7月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正内容】
【0058】実施例6は、図10に示す構成のもので、
偏芯量を大きくした構成のものである。ここでは、二つ
の回折面を透明部材の同じ面に設けてもよいし、一方を
表面に、他方を裏面に設けるようにしてもよい。尚ここ
では図示しないが、偏芯した結像作用をもつ回折面領域
のみで構成してもよい。以上の実施例は、すべての光学
的なパワーを有している為、それだけで結像するよう設
定することが可能であるが、光学的ローパスフィルター
として作用する為には、他の光学系と組み合わせる方法
もある。例えば図35,図36に示すような光学的ロー
パスフィルターは、瞳分割作用を回折型光学素子DOE
1,DOE2,DOE3,DOE4又はDOE5,DO
E6で行なうようにしたものであり、この場合、光学的
パワーは有していない。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0059
【補正方法】変更
【補正内容】
【0059】以上述べた実施例のような光学素子を、光
学系の瞳位置近傍に配置することにより、複屈折板では
不可能な種々の点像を構成することが出来る。例えば、
図11(A)に示すような点像の形状は、図12(A)
〜(D)のようなMTFを与える。ただし、この場合、
b=0.03464mmで、各点像の強度は等しい。尚
この図12において(A)が水平方向、(B)が30°
方向、(C)が60°方向、(D)が垂直方向である。
図13のようなモザイク状にカラーフィルターが配置さ
れている単板方式のCCDは、2次元周波数空間上で図
14に示すような色ビート発生点を有するが図12
(A),(B),(C),(D)のようなMTF特性
は、水平方向と垂直方向の色ビートを除去している。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0082
【補正方法】変更
【補正内容】
【0082】しかし、somb(φR)が20%となる
ような空間周波数uは、(36)の様に表わされる。 u=0.96/φ (36)
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0083
【補正方法】変更
【補正内容】
【0083】したがって式(35)は、実質上は下記の
条件(37)を満足するものであればよい。 1/φ≦1.04{1/(n・px)+1/(m・py)1/2 (37)
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0084
【補正方法】変更
【補正内容】
【0084】又特にモアレが気になる場合は、somb
(φR)が10%以下になるよう したがって、式(36)は実質上は下記の式(A)およ
び式(B)より次の条件(39)を満足すればよい。 1/(m・py)≦1.46/φ (A) 1.06/φ≦{1/(n・px)+1/(m・py)1/2 (B) 0.68/(m・py)≦1/φ≦0.94{1/(n・px) + 1/(m・py)}1/2 (39) このような光学的ローパスフィルターを内視鏡のテレビ
カメラに用いる場合、イメージガイドファイバー像中の
光ファイバーの中心間距離(繊維間距離)が下記の条件
を満足すればよい。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0088
【補正方法】変更
【補正内容】
【0088】以上のような実施例による光学的ローパス
フィルターは、内視鏡における瞳位置近傍に設定するこ
とが望ましく、特に図26に示すような眼視可能な内視
鏡に外付け式で取りつくようなテレビカメラに用いる場
合には、取りつく内視鏡のアイポイント位置付近に配置
することが望ましい。前述の光学的ローパスフィルター
は、モアレを防止するためにMTFを劣化させるが、被
写体によっては、このMTFの劣化が好ましくない場合
もある。図18は、前述のスポット径になるように設定
した回折系の光学素子を、被写体に応じて切り換え得る
ようにした撮像レンズを示す。即ち、モアレを示すよう
な被写体には、図18の(A)のように、撮影光路中は
回折系の光学素子の回折格子面が介在されるようにし、
又モアレが発生しないような被写体で回折系の光学素子
によるコントラストの低下が耐え難いような場合には、
図18(B)のように回折系の光学素子が回転してコン
トラストが低下しないような構成にしている。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の光学的ローパスフィルター
の構成を示す図
【図2】回折系の光学素子の基本構成を示す図
【図3】本発明の実施例2の光学的ローパスフィルター
を示す図
【図4】本発明の実施例3の光学的ローパスフィルター
を示す図
【図5】実施例3による点像が分離されたパターン
【図6】上記パターンのMTF曲線
【図7】図5に示すパターンを円形に近似させたパター
【図8】本発明の実施例4の光学的ローパスフィルター
の構成を示す図
【図9】本発明の実施例5の光学的ローパスフィルター
の構成を示す図
【図10】本発明の実施例6の光学的ローパスフィルタ
ーの構成を示す図
【図11】本発明の実施例による点像パターンの例を示
す図
【図12】図11のパターンのMTF
【図13】単板方式のCCDのカラーフィルターの配置
を示す図
【図14】上記CCDの色ビートの発生点を示す図
【図15】本発明の実施例7の光学的ローパスフィルタ
ーの構成を示す図
【図16】上記実施例7の動作原理を示す図
【図17】同じく実施例7の動作原理を示す図
【図18】回折系の光学素子を切り換え得るようにした
本発明のローパスフィルターを用いた光学系
【図19】マイクロレンズアレーを用いた光学的ローパ
スフィルターの構成を示す図
【図20】本発明の原理である一方が偏芯した二つのレ
ンズ系による結像作用を示す図
【図21】上記図20の光学系により点像の分離作用を
示す図
【図22】屈折系並びに回折系における光線の屈折並び
に回折を示す図
【図23】回折系の光学素子を階段状に近似させた素子
の断面形状を示す図
【図24】ウルトラ−ハイ インデックス レンズとし
て非球面を定義する時の座標系
【図25】電子内視鏡の構成を示す図
【図26】ファイバースコープ又は硬性鏡と電子撮像装
置との組合わせを示す図
【図27】複屈折板を用いての空間周波数的に帯域制限
を行なうようにした光学系
【図28】図27に示す光学系の点像の強度分布
【図29】上記光学系によるMTF
【図30】ファイバー束の出射端の拡大図
【図31】回折系の光学素子の他の応用例であるパンフ
ォーカスな撮影装置の原理を示す図
【図32】回折系の光学系の他の応用例である視野方向
変換系の原理を示す図
【図33】ファイバーと分離像との関係を示す図
【図34】ファイバーと分離像との関係を示す図
【図35】他の光学的ローパスフィルターの構成を示す
【図36】更に他の光学的ローパスフィルターの構成を
示す図
【手続補正8】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図35
【補正方法】追加
【補正内容】
【図35】
【手続補正9】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図36
【補正方法】追加
【補正内容】
【図36】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高杉 芳治 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 西岡 公彦 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回折面による結像特性が不連続に変化した
    回折系の光学素子よりなる光学的ローパスフィルター。
  2. 【請求項2】撮影光学系の光路中に少なくとも波面を乱
    すための回折系の光学素子を配置し、前記光学素子によ
    り撮像面における点像の径φが次の条件を満足するよう
    に設定されている回折系の光学素子よりなる光学的ロー
    パスフィルター。 1/φ≦1.04・[1/(n・px)2 +1/(m・
    py)21/2 ただしpx,pyは夫々回折系の光学素子の水平方向お
    よび垂直方向のピッチ、n,mは夫々水平方向および垂
    直方向の画素数である。
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