JPH06322492A - 耐磨耗性ならびに耐食性に優れた非晶質磁性体 - Google Patents

耐磨耗性ならびに耐食性に優れた非晶質磁性体

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JPH06322492A
JPH06322492A JP5296407A JP29640793A JPH06322492A JP H06322492 A JPH06322492 A JP H06322492A JP 5296407 A JP5296407 A JP 5296407A JP 29640793 A JP29640793 A JP 29640793A JP H06322492 A JPH06322492 A JP H06322492A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐食性ならびに耐磨耗性に優れた非晶質磁性
体を提供する。 【構成】 下記の組成式からなり、かつ板厚が40μm
以上で所定枚数積層されていることを特徴とする非晶質
磁性体。組成式 ( Fe 1-a , Co a )100-e-f-b Cr e Ru f ( Si c , B
d ) b ただし、式中の a=0.93〜0.95 c/(c+d)=0.55〜0.65 b=22〜27原子% e=0.4〜2.6原子% f=1.5〜4.0原子%

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は非晶質磁性体に係り、特
にCoを主成分とする耐磨耗性ならびに耐食性に優れた
非晶質磁性体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば特開昭60−24338号
公報、特開昭58−25449号公報、特開昭57−1
9361号公報、特開昭57−13137号公報ならび
に特開昭61−69939号公報などに記載されている
各種磁性材料が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記特開昭60−24
338号公報に記載されている磁性材料は、下記の組成
式を有する非晶質合金である。
【0004】 ( Co 1-X , Fe X )100-(a+b+c+d) M' a M'' b Si c B d ただし、M’=Ni,Mn M''=Cr,Mo,W,V,Nb,Ta 0≦x≦0.1 0≦a≦8 0.1≦b≦7 7≦c≦15 7≦d≦16 14≦c+d≦26 しかしこの非晶質磁性合金は、Ruが添加されていない
ため、耐磨耗性ならびに耐食性が不十分である。
【0005】またNiが添加されているため飽和磁束密
度が小さく、さらにMnが添加されているため機械的に
脆くなる傾向にある。
【0006】前記特開昭58−25449号公報に記載
されている磁性材料は、下記の組成式を有する非晶質合
金である。
【0007】 ( Co 1-a-b , Fe a ,M b )100-(y+z) Si y B z ただし、M=Ti,V,Cr,Mn,Ni,Zr,N
b,Mo,Ru,Rh,Pd,Hf,Ta,W,Ra,
Ir,Ptおよびランタン族から選択された1種または
2種以上の元素 0≦a≦0.10 0.005≦b≦0.10 0≦y≦15 5≦z≦25 15≦y+z≦30 しかしこの非晶質磁性合金は、半金属であるSiとBと
の混合物中におけるSiの割合、すなわちSi/(Si
+B)の値については考慮されていない。
【0008】本発明者らの諸種の検討結果から、Si/
(Si+B)は耐磨耗性、耐食性、比抵抗、初透磁率な
らびに熱処理後の透磁率などの特性に大きな影響を与
え、Si/(Si+B)の値が低すぎるかあるいはSi
の添加量が0であると、耐磨耗性ならびに耐食性が十分
でなく、比抵抗が小さい。また透磁率は、Si/(Si
+B)の値が低すぎても高すぎても低い。
【0009】前記特開昭57−19361号公報に記載
されている磁性材料は、下記の組成式を有する非晶質合
金である。
【0010】 ( Co x , Fe 1-x ) a Cr b Si c B 1-a-b-c ただし、x=0.925〜0.97 a=0.74〜0.76 b=0.005〜0.03 c=0.06〜0.18 a+b+c≦0.94 しかしこの非晶質磁性合金は、Ruが添加されていない
ため、耐磨耗性ならびに耐食性が不十分である。
【0011】前記特開昭57−13137号公報に記載
されている磁性材料は、下記の組成式を有する非晶質合
金である。
【0012】 ( Co 1-a-b , Fe a , M b ) 100-x-y Si x B y ただし、M=Ti,V,Cr,Mn,Ni,Zr,N
b,Mo,Hf,Ta,W,Cuから選択された1種ま
たは2種以上の元素 0.04≦a≦0.07 0.005≦b≦0.10 8≦x≦16 4≦y≦9.5 しかしこの非晶質磁性合金は、Ruが添加されていない
ため、耐磨耗性ならびに耐食性が不十分である。
【0013】前記特開昭61−69939号公報に記載
されている磁性材料は、下記の組成式を有する非晶質合
金である。
【0014】( Co 1-a-b-c , Fe a , Ru b ,TM c )
100-x-y Si x B y ただし、TM=Ti,V,Cr,Mn,Ni,Zr,N
b,Mo,Hf,Ta,Wから選択された1種または2
種以上の元素 0.02≦a≦0.08 0.07≦b≦0.20 0.01≦c≦0.10 0≦x≦20 4≦y≦9 しかしこの非晶質磁性合金は、Ruの含有率が4.97
〜19.2原子%と高いため、非晶質状態になり難く、
また打抜き加工などが困難となり、作業性が悪い。
【0015】本発明の目的は、このような従来技術の欠
点を解消し、耐磨耗性ならびに耐食性に優れた非晶質磁
性体を提供するにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明は、下記の組成式からなり、かつ板厚が40
μm以上で所定枚数積層されていることを特徴とするも
のである。
【0017】組成式 ( Fe 1-a , Co a )100-e-f-b Cr e Ru f ( Si c , B
d ) b ただし、式中の a=0.93〜0.95 c/(c+d)=0.55〜0.65 b=22〜27原子% e=0.4〜2.6原子% f=1.5〜4.0原子%
【0018】
【作用】本発明は組成式( Fe 1-a , Co a )100-e-f-b C
r e Ru f ( Si c , B d ) b において、前記aの値を
0.93〜0.95の範囲に規制することにより磁性体
の磁歪をほぼ零にすることができ、前記c/(c+d)
の値を0.55〜0.65の範囲に規制することにより
良好な非晶質相が形成できるとともに優れた耐磨耗性が
得られ、前記bの値を22〜27原子%の範囲に規制す
ることにより飽和磁束密度ならびに透磁率が高く維持で
き、さらに前記eの値を0.4〜2.6原子%の範囲な
らびにfの値を1.5〜4.0原子%の範囲に規制する
ことによりCrとRの相乗効果でCrの添加量を可及的
に少なくして耐磨耗性ならびに耐食性を大幅に向上する
とともに、安定した非晶質状態が得られて打抜きなどの
加工性が良好となる。
【0019】
【実施例】一般に非晶質(アモルファス)は、均質一相
の固溶体であること、また表面が非常に活性であるため
不働化し易いなどの理由により、耐食性に優れていると
言われている。しかし、その耐食性は後述のように半金
属比、添加物の効果により大きな差が見られる。
【0020】次の第1表に、Fe−Co−Si−B系合
金にCrを添加したときの合金の耐食性試験の結果を示
す。なお、この表に示す各合金にはRuが添加されてお
らず、本発明の比較例に相当するものである。
【0021】耐食性試験は、鏡面状態まで研摩した各合
金試料に磁気テープを貼付し、これを粘着テープで固定
した。その試料を40℃、95%RHの高温、高湿下で
96時間放置し、時間経過後の試料の腐食状態を調べ、
食孔のないものに○印、食孔がややあるものに△印、食
孔があるものに×印をそれぞれ付して評価した。
【0022】 第 1 表 合 金 組 成 耐 食 性 Co69.5 Fe44.5 Si 5 20 Cr1 × Co69.5 Fe44.5 Si1015 Cr1 × Co69.5 Fe44.5 Si1510 Cr1 ○ Co68.5 Fe44.5 Si 520 Cr2 × Co68.5 Fe44.5 Si1015 Cr2 △ C68.5 Fe44.5 Si1510 Cr2 ○ Co66.5 Fe44.5 Si 520 Cr4 △ Co66.5 Fe44.5 Si1015 Cr4 ○ Co66.5 Fe44.5 Si1510 Cr4 ○ この第1表から明らかなように、Fe−Co−Si−B
系合金で優れた耐食性を得るためには、Crを2原子%
以上、好ましくは4原子%も必要であるが、Crを多量
に使用することは作業環境や公害などの点において好ま
しいことではない。
【0023】図1は、この第1表の試験結果から食孔を
生じない領域での非晶質合金中のc/(c+d)とCr
添加率との関係を求めた図である。
【0024】この図からc/(c+d)が高いと、Cr
の添加率が小さくても耐食性が良好であることが判る。
なお、この系の合金においてc/(c+d)>0.65
では結晶化温度が低くなり、良好な非晶質相が得られな
い。一方、c/(c+d)が0.55未満では良好な耐
磨耗性が得られない。従ってc/(c+d)を0.55
〜0.65の範囲に規制することにより、Cr添加率を
少なく抑えて、かつ良好な非晶質相と耐磨耗性が得られ
る。
【0025】第2表は、Cr,Ruの添加率と耐食性の
関係を調べた結果を示す表である。 第 2 表 合 金 組 成 耐 食 性 Co69.6 Fe4.5 Si15 10 Cr0.4 Ru0.5 × Co69.1 Fe4.5 Si15 10 Cr0.4 Ru1.0 × Co68.6 Fe4.5 Si15 10 Cr0.4 Ru1.5 ○ Co68.5 Fe4.5 Si15 10 Cr0.5 Ru1.5 ○ Co68.5 Fe4.5 Si15 10 Cr1.0 Ru1.0 ○ Co66.4 Fe4.5 Si15 10 Cr2.6 Ru0.5 ○ Co65.9 Fe4.5 Si15 10 Cr2.6 Ru1.0 ○ この表から明らかなように、Ruを添加することにより
Crの添加率が少量でもCrとRuとの相乗効果により
優れた耐食性を示している。この表において上2段のC
69.6Fe4.5 Si1510Cr0.4 Ru0.5 ならびにC
69.1Fe4.5 Si1510Cr0.4 Ru1.0 (耐食性が
×と評価されたもの)が本発明の比較例に相当し、他の
合金(耐食性が○と評価されたもの)が本発明の実施例
に相当する。
【0026】次の第3表は、Ruの添加率と磨耗量の関
係を調べた結果を示す表である。なお磨耗量は、各試料
を所定の形状に打ち抜いて積層し、通常のオーディオタ
イプの磁気ヘッドを作製した。そして市販のカセットタ
イプのデッキに装着し、市販のノーマルカセットテープ
を用いて、200時間連続走行させたときの磁気ヘッド
の磨耗量を測定した。
【0027】 第 3 表 合 金 組 成 磨耗量(μm) (1) Co72.0 Fe4.6 Cr0.4 −− Si13.89.2 7.9 (2) Co71.5 Fe4.6 Cr0.4 Ru0.5 Si13.89.2 7.3 (3) Co71.0 Fe4.6 Cr0.4 Ru1.0 Si13.89.2 5.4 (4) Co71.4 Fe4.6 Cr1.0 −− Si13.89.2 7.9 (5) Co70.9 Fe4.6 Cr1.0 Ru0.5 Si13.89.2 7.3 (6) Co70.4 Fe4.6 Cr1.0 Ru1.0 Si13.89.2 5.4 (7) Co69.8 Fe4.6 Cr2.6 −− Si13.89.2 7.9 (8) Co69.3 Fe4.6 Cr2.6 Ru0.5 Si13.89.2 7.3 (9) Co68.8 Fe4.6 Cr2.6 Ru1.0 Si13.89.2 5.4 (10) Co70.0 Fe4.6 Cr0.4 Ru2.0 Si13.89.2 1.0 (11) Co69.0 Fe4.6 Cr0.4 Ru3.0 Si13.89.2 0.8 (12) Co70.5 Fe4.6 Cr0.4 Ru1.5 Si13.89.2 1.0 (13) Co69.4 Fe4.6 Cr1.0 Ru2.0 Si13.89.2 1.0 (14) Co68.4 Fe4.6 Cr1.0 Ru3.0 Si13.89.2 0.8 (15) Co67.8 Fe4.6 Cr2.6 Ru2.0 Si13.89.2 1.0 (16) Co66.8 Fe4.6 Cr2.6 Ru3.0 Si13.89.2 0.8 なお、この表において前記(1)〜(9)の合金組成のものは
比較例に相当し、前記(10)〜(16)の合金組成のものは本
発明の実施例に相当する。
【0028】図2は、この第3表からRuの添加率と磨
耗量との関係を求めた図である。前記第3表ならびに図
2から明らかなように、Crを0.4〜2.6原子%添
加してもRuの添加率が1.5原子%未満であると十分
な耐磨耗性が得られないが、Ruを1.5原子%以上添
加することにより磨耗量が大幅に減少しており耐磨耗性
に優れている。現在、主流の結晶質磁性材料であるハー
ドパーマロイやセンダストと同等以上の耐磨耗性を有
し、磨耗量は200時間連続試験しても1μm以内であ
る。
【0029】なお、Ruの添加率が4原子%を超えても
磨耗量はほとんど変わらず(図2参照)、安定した非晶
質状態が得られることと、打ち抜きなどの加工性の点か
らRuの上限値を4原子%にするとよい。
【0030】本発明における合金の耐磨耗性は、前述の
ようにRuの添加率(f)によって主に決定され、Ru
の添加率(f)=1.5〜4.0原子%、Crの添加率
(e)=0.4〜2.6原子%、c/(c+d)=0.
55〜0.65であれば、a=0.93〜0.95、b
=22〜27の範囲において合金の耐磨耗性はほとんど
変化しないことが実験で確認されている。
【0031】また、a=0.93〜0.95の規制は、
非晶質合金の磁歪を零にするために必要である。
【0032】さらに半金属(Si+B)の濃度を示すb
の値が27原子%を超えると飽和磁束密度が低下し、一
方、bの値が22原子%未満では透磁率が低下し、均一
な非晶質合金の形成が困難となる。従ってbの値は22
〜27原子%の範囲に規制する必要がある。
【0033】磁性体を使用して電磁変換を行う際、種々
の原因により変換損失を生じる。その原因の一つが渦電
流で、渦電流による損失は磁性体に流れる電流によって
発生する磁界に起因し、E2 /Rで表せるので(式中
E:電流、R:電気抵抗)、Rを大きくすれば渦電流損
失は少なくなる。
【0034】このRを大きくするためには、磁性体を積
層(ラミネート)した構造とし、その積層する一枚一枚
の磁性体をできるだけ薄くする方法が得策である。Rは
積層した磁性体の体積に反比例するので、積層する一枚
一枚の磁性体をできるだけ薄くして体積を小さくすれば
Rは必然的に大きくなり、その結果渦電流損失は少なく
なる。
【0035】従って、磁性体はできるだけ薄いものを積
層したら良い訳であるが、本発明に係る組成の非晶質合
金は厚さが40μm未満になると、薄板の孔が開いた
り、表面が粗くなったりして、これらの薄板を積層しも
電磁変換特性が悪く、また打ち抜きや積層時の取り扱も
悪い。このような理由から、本発明に係る組成の非晶質
合金の薄板の厚さは40μm以上にして、それらを所望
枚数積層する必要がある。
【0036】このような本発明に係る非晶質合金の薄板
は、片ロール液体急冷法によって作製することができ
る。すなわち、所望組成の溶融金属をアルゴンガスの圧
力により石英ノズルから、回転している1つの銅製ロー
ルの周面上に向けて薄く噴射させて急冷することにより
帯状の薄板が連続して得られる。なお、前記ロールの回
転数は500〜2000rpm、噴出ガス圧は0.1〜
1Kg/cm2 である。製作された薄板は幅約25m
m、厚さ42〜49μm、長さ約20〜30mである。
また、X線回折により薄板は非晶質相であることが確認
され、磁歪は10-6オーダーでほぼ零であった。
【0037】
【発明の効果】本発明は組成式( Fe 1-a , Co a )
100-e-f-b Cr e Ru f ( Si c , B d ) b において、前
記aの値を0.93〜0.95の範囲に規制することに
より磁性体の磁歪をほぼ零にすることができ、前記c/
(c+d)の値を0.55〜0.65の範囲に規制する
ことにより良好な非晶質相が形成できるとともに優れた
耐磨耗性が得られ、前記bの値を22〜27原子%の範
囲に規制することにより飽和磁束密度ならびに透磁率が
高く維持でき、さらに前記eの値を0.4〜2.6原子
%の範囲ならびにfの値を1.5〜4.0原子%の範囲
に規制することによりCrとRuの相乗効果でCrの添
加量を可及的に少なくして耐磨耗性ならびに耐食性を大
幅に向上するとともに、安定した非晶質状態が得られて
打抜きなどの加工性が良好となるなどの特長を有してい
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】耐食性を維持するに必要な合金組成中のc/
(c+d)とCr添加率との関係を示す特性図である。
【図2】合金組成中のRu添加率と磨耗量との関係を示
す特性図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の組成式からなり、かつ板厚が40
    μm以上で所定枚数積層されていることを特徴とする耐
    磨耗性ならびに耐食性に優れた非晶質磁性体。組成式 ( Fe 1-a , Co a )100-e-f-b Cr e Ru f ( Si c , B
    d ) b ただし、式中の a=0.93〜0.95 c/(c+d)=0.55〜0.65 b=22〜27原子% e=0.4〜2.6原子% f=1.5〜4.0原子%
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS57198522A (en) * 1981-05-30 1982-12-06 Tdk Corp Core for magnetic head

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS57198522A (en) * 1981-05-30 1982-12-06 Tdk Corp Core for magnetic head

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