JPH06327971A - 化学吸着膜の製造方法 - Google Patents

化学吸着膜の製造方法

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JPH06327971A
JPH06327971A JP5124468A JP12446893A JPH06327971A JP H06327971 A JPH06327971 A JP H06327971A JP 5124468 A JP5124468 A JP 5124468A JP 12446893 A JP12446893 A JP 12446893A JP H06327971 A JPH06327971 A JP H06327971A
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伸司 尾崎
Shigeo Ikuta
茂雄 生田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 活性水素基を有するか付与した基材表面に、
乾燥雰囲気中で化学吸着剤を含む溶液を噴霧状に塗布し
て撥水撥油、防汚性などに優れた極薄の被膜を高能率で
均一に形成する。 【構成】 水酸基、イミノ基など活性水素基を有する基
材表面に、クロロシラン系化学吸着剤またはチオール系
化学吸着剤を含む非水系溶液を噴霧状に塗布して化学吸
着を形成する。あらかじめ基材1表面にクロロシラン化
合物又はクロロシラン化合物を含む溶液をスプレにより
噴霧塗布し、シロキサン系単分子膜またはポリシロキサ
ン膜の吸着膜4を形成し、クロロシラン系界面活性剤を
含む溶液を塗布し化学吸着を行うことにより、基材形状
に制限されることなくかつ短時間で基材の表面に化学吸
着単分子膜5´またはポリマー膜を形成してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、基材表面に化学吸着膜
を形成する方法に関するものである。さらに詳しくは、
化学吸着単分子膜または化学吸着ポリマー膜を塗布法を
用いて形成する方法、および塗布法を用いて、シロキサ
ン系化学吸着単分子膜またはシロキサン系化学吸着ポリ
マー膜を介して、他の化学吸着単分子膜またはポリマー
膜を累積することを特徴とした化学吸着膜の製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、液相で化学吸着法を用いて単分
子膜が形成できることはすでによく知られている。すな
わち、非水系有機溶媒に溶解した化学吸着液の中に基材
を浸漬し、一定時間保持して反応させる方法はすでに知
られている(EPC公開公報第0476543A2号な
ど)。このような溶液中での化学吸着単分子膜の製造原
理は、基材表面の水酸基と、クロロシラン系化学吸着剤
のクロロシリル基との脱塩酸反応を用いて、単分子膜を
形成することにある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
液相化学吸着法は浸漬法で行なわれており、反応が吸着
試薬を溶媒で希釈した液槽中で行なわれるため、形状が
大きな基材の場合、大きなタンクや多量の薬液を必要と
するという問題があった。
【0004】本発明は、前記従来技術の課題を解決する
ため、基材形状に制限されることなく、少量の薬液で且
つ短時間で吸着膜を効率よく形成できる化学吸着膜の製
造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の化学吸着膜の製造方法は、表面に活性水素
基を含む基材の表面に、分子の少なくとも一端にクロル
シリル基またはチオール基を有し、かつ直鎖状炭化水素
基、フルオロカーボン基、及び直鎖状シロキサン基から
選ばれる少なくとも一つの基を含むクロロシラン系化学
吸着剤を一成分とする塗布溶液を、噴霧状で塗布して、
前記基材表面の活性水素基と前記化学吸着剤のクロルシ
リル基またはチオール基との間で縮合反応させ、前記基
材表面に共有結合した化学吸着膜を形成することを特徴
とする。
【0006】前記構成においては、縮合反応をさせた
後、非水系有機溶媒を用いて基材上に残った未反応のク
ロロシラン系吸着剤を含む溶液を洗浄・除去し、次いで
残ったクロルシリル基を水分と反応させ、次に乾燥して
前記基材表面に共有結合した単分子膜状の化学吸着膜を
形成することが好ましい。
【0007】また前記構成においては、シリル基を縮合
反応をさせた後、塗布溶液を蒸発させ、次いで水分と反
応させ、次に乾燥して基材表面に共有結合したポリマー
状の化学吸着膜を形成することが好ましい。
【0008】また前記構成においては、表面に活性水素
基を含む基材表面に、クロロシリル基を分子内に複数含
む内層膜用クロロシラン系化学吸着剤を、乾燥雰囲気下
で接触させて前記基材表面の活性水素基と前記化学吸着
剤のクロルシリル基との間で縮合反応させ、無機シロキ
サン系化学吸着内層膜を形成した後、分子の少なくとも
一端にクロルシリル基を有し、かつ直鎖状炭化水素基、
フルオロカーボン基、及び直鎖状シロキサン基から選ば
れる少なくとも一つの基を含むクロロシラン系化学吸着
剤を一成分とする塗布溶液を、噴霧状で塗布して、無機
シロキサン系化学吸着内層膜の表面に共有結合した化学
吸着膜を形成することが好ましい。
【0009】また前記構成においては、内層膜用クロロ
シラン系化学吸着剤を噴霧状で塗布することが好まし
い。また前記構成においては、基材表面の活性水素基と
化学吸着剤のクロルシリル基との間で縮合反応させた
後、非水系有機溶媒を用いて基材上に残った未反応のク
ロロシラン系吸着剤を含む溶液を洗浄・除去し、次いで
残ったクロルシリル基を水分と反応させ、次に乾燥して
単分子膜状の化学吸着内層膜を形成することが好まし
い。
【0010】また前記構成においては、基材表面の活性
水素基と化学吸着剤のクロルシリル基との間で縮合反応
させた後、塗布溶液を蒸発させ、次いで水分と接触反応
させ、次に乾燥してポリマー状の化学吸着内層膜を形成
することが好ましい。
【0011】また前記構成においては、クロロシラン系
化学吸着剤の炭化水素鎖の少なくとも一部が、−CF2
−基で置換されている化合物からなることが好ましい。
また前記構成においては、クロロシラン系化学吸着剤
が、CF3 (CF2 n(R)m SiXp Cl3-p (n
は0または整数、Rはアルキル基、ビニル基、エチニル
基、、アリール基、シリコン若しくは酸素原子を含む置
換基、mは0又は1、XはH,アルキル基,アルコキシ
ル基,含フッ素アルキル基又は含フッ素アルコキシ基の
置換基、pは0、1または2)を用いることが好まし
い。
【0012】また前記構成においては、内層膜用クロロ
シラン系化学吸着剤物質が、SiCl4 、SiHC
3 、SiH2 Cl2 、及びCl(SiCl2 O)n
iCl3(但しnは整数)から選ばれる少なくとも一つ
の化合物であることが好ましい。
【0013】また前記構成においては、基材が、金属、
セラミックス、ガラス、プラスチック、ポリマー、紙、
繊維、皮革から選ばれることが好ましい。また前記構成
においては、基材が、予め表面を酸素を含むプラズマま
たはコロナ雰囲気で処理して活性水素を付与したもので
あることが好ましい。
【0014】また前記構成においては、化学吸着処理工
程が相対湿度30%以下の低湿度雰囲気で行なわれるこ
とが好ましい。また前記構成においては、クロロシラン
系吸着剤を含む溶液の溶媒の沸点が100℃以上300
℃以下の範囲であることが、単分子膜を形成する場合に
好ましい。
【0015】また前記構成においては、クロロシラン系
吸着剤を含む溶液の溶媒の沸点が室温(25℃)以上1
00℃以下の範囲であることが、ポリマー膜を形成する
場合に好ましい。
【0016】また前記構成においては、塗布溶液をスプ
レーで噴霧することが、ミクロンオーダーの微小液滴を
得るために好ましい。
【0017】
【作用】前記した本発明の構成によれば、クロロシラン
系界面活性剤を含む溶液を基材表面に塗布して化学吸着
を行なうことにより、吸着タンクを不要とし、基材形状
に制限されることなく且つ短時間で基材の表面に化学吸
着膜を形成することが可能となる。また、あらかじめ基
材表面にクロロシラン化合物またはクロロシラン化合物
を含む溶液を塗布し、シロキサン系単分子膜状またはポ
リシロキサン系のポリマー状の吸着膜を形成し、さらに
クロロシラン系界面活性剤またはクロロシラン系界面活
性剤を含む溶液を塗布して化学吸着を行なうことによ
り、吸着タンクを必要とせず且つ基材形状に制限される
ことなく、短時間で基材の表面に化学吸着膜を高効率で
形成することが可能になる。
【0018】前記本発明の方法においては、シロキサン
系の薄膜は単分子膜でもポリマー膜でもよいが、単分子
膜であると内層膜が均一にかつ極薄に形成できることか
ら透明性に優れ好ましい。
【0019】また前記本発明の方法においては、化学吸
着膜として炭化水素系化合物など広く使用できるが、と
くにフッ素を含む化合物であると撥水性、撥油性、防汚
性等がさらに向上することから好ましい。また直鎖状シ
ロキサン基を含む化学吸着剤を用いた場合は、撥水性に
加えて水滴落下性が向上することから好ましい。
【0020】また前記本発明の方法においては、基材の
表面とシロキサン系の薄膜は共有結合し、前記シロキサ
ン系の薄膜とその表面の化学吸着膜とも共有結合してい
るので、累積膜と基材表面との密着性を大幅に向上して
いる。
【0021】なお、前記本発明の構成においては、基材
は、金属、セラミックス、ガラス、プラスチック、ポリ
マー、繊維、紙、皮革等から選ばれ、殆ど制限されるこ
とが無い。
【0022】前記の構成においては、クロロシラン系吸
着剤として炭化水素系の化合物なども使用できるが、炭
化水素鎖の少なくとも一部が−CF2 −基で置換されて
いる化合物からなることが、撥水性、防汚性などの特性
を向上させるために好ましい。
【0023】また前記の製造方法においては、クロロシ
ラン系吸着剤がCF3 (CF2 n(R)m SiXp
3-p (nは0または整数、Rはアルキル基、ビニル
基、エチニル基、シリコン若しくは酸素原子を含む置換
基、mは0又は1、XはH,アルキル基,アルコキシル
基,含フッ素アルキル基又は含フッ素アルコキシ基の置
換基、pは0、1または2)を用いることが、さらに好
ましい。
【0024】さらに前記の製造方法において基材として
プラスチックを用いる場合には、予め表面を酸素を含む
プラズマまたはコロナ雰囲気で処理して親水性化したプ
ラスチックを用いことが、表面の活性基を多くしシロキ
サン系分子を高密度に化学吸着させるために好ましい。
【0025】また前記の製造方法の構成においては、ク
ロロシリル基を分子内に複数含む物質が、SiCl4
SiHCl3 、SiH2 Cl2 、またはCl(SiCl
2 O)n SiCl3 (但しnは整数)の物質から選ばれ
る少なくとも一であることが、シロキサン系分子膜を効
率良く形成するために好ましい。
【0026】また、前記の製造方法の構成においては、
処理工程がすべて乾燥雰囲気中で行なうことが化学吸着
膜を効率良く形成するために好ましい。前記の製造方法
の構成においては、クロロシラン系吸着剤を含む溶液の
溶媒の沸点が100〜300℃の範囲であることが化学
吸着単分子膜を効率良く形成するために好ましい。
【0027】前記の製造方法の構成においては、クロロ
シラン系吸着剤を含む溶液の溶媒の沸点が室温(25
℃)以上100℃以下であることが化学吸着ポリマー膜
を効率良く形成するために好ましい。
【0028】前記本発明方法によれば、一例として基本
的に下記の6通りの膜を形成できる。 (1)化学吸着単分子膜 (2)化学吸着ポリマー膜 (3)シロキサン系単分子内層膜の上に化学吸着単分子
膜 (4)ポリシロキサン系内層膜の上に化学吸着単分子膜 (5)シロキサン系単分子内層膜の上に化学吸着ポリマ
ー膜 (6)ポリシロキサン系単分子内層膜の上に化学吸着ポ
リマー膜 また、基材の形状、大きさ等に制限されることもなく、
前記化学吸着単分子膜を効率良く合理的に製造できると
ともに、基材の表面に化学吸着単分子膜が化学結合して
形成されているので、全体として極薄で均一厚さであ
り、しかもピンホールもなく(ピンホールフリー)、耐
熱性、耐久性等に優れた単分子膜状の化学吸着単分子累
積膜を提供できる。
【0029】また、前記本発明方法によれば、吸着タン
クを必要とせず且つ基材形状や大きさに制限されること
もなく、基材の表面にポリマー状の薄が化学結合して形
成されているので、ピンホールもなく(ピンホールフリ
ー)、耐熱性、耐久性等に優れた化学吸着膜を提供でき
る。
【0030】さらにまた、前記本発明の内層膜の上に化
学吸着膜を形成する製法によれば、吸着タンクを必要と
せず且つ基材形状や大きさに制限されることもなく、基
材の表面にシロキサン系分子膜(内層膜)叉はシロキサ
ン系のポリマー膜が基材表面と化学結合した状態で形成
され、さらにその表面に化学吸着単分子膜(表層膜)ま
たはポリマー膜が内層膜と化学結合した状態で形成され
ているので、全体として極薄で均一厚さであり、しかも
ピンホールもなく、耐熱性、耐久性等に優れた薄膜を提
供できる。すなわち、このとき基材表面に形成された−
SiOH結合は、シロキサン結合(共有結合)を介して
基材と結合している。さらに、このSiOH結合を有す
る単分子膜上に、クロロシラン基を含むシラン系吸着剤
を単分子膜状またはポリマー状に吸着累積すると、前工
程で基材表面に形成された−SiOH結合を多数持つポ
リシロキサン系単分子膜叉はポリマー膜の−OH基と、
シラン系吸着剤のクロロシリル基とが脱塩酸反応を生
じ、単分子膜やポリマー膜が−SiO結合を介して基材
と化学結合される。従って、極めて密着性の優れた単分
子膜を作成できる作用がある。
【0031】
【実施例】本発明に使用できる基材としては、表面に水
酸基(−OH)を持つ基材、例えばAl、Cu若しくは
ステンレス等の金属、ガラス、セラミックス、紙、繊
維、皮革その他親水性基材が挙げられる。なお、プラス
チックの様な表面に水酸基を持たない物質であれば、予
め表面を酸素を含むプラズマ雰囲気中で、例えば100
Wで20分処理若しくはコロナ処理して親水性化即ち表
面に水酸基を導入しておけばよい。もっとも、ポリアミ
ド樹脂やポリウレタン樹脂の場合は、表面にイミノ基
(>NH)が存在しており、このイミノ基(>NH)の
水素と化学吸着剤のクロロシリル基(−SiCl)とが
脱塩化水素反応し、シロキサン結合(−SiO−)を形
成するのでとくに表面処理を必要としない。
【0032】一方、本発明に使用できる内層膜を形成す
るクロロシリル基を含む物質としては、例えばSiCl
4 、SiHCl3 、SiH2 Cl2 、またはCl(Si
Cl 2 O)n SiCl3 (但しnは整数)等が挙げられ
る。
【0033】特に、SiCl4 を用いれば、分子が小さ
く水酸基に対する活性も大きいので、基材表面を均一に
親水化する効果が大きいため好ましい。また、クロロシ
リル基を含む物質を含有する溶液を噴霧塗布するときに
用いる乾燥雰囲気用のガスは、乾燥空気(相対湿度35
%以下)、窒素ガス等の非含水ガスが好ましい。
【0034】クロロシリル基を含む物質の濃度は、用い
るクロロシリル基を含む物質或は溶媒の種類によって異
なるが、0.01重量〜100重量%程度(好ましくは
0.1重量〜50重量%程度)を使用できる。乾燥雰囲
気中で基材表面に前記溶液を塗布し30分間程度放置す
ると、基材表面には親水性のOH基が多少とも存在する
ので、表面で脱塩酸反応が生じ、クロロシリル基を含む
物質が吸着固定される。そこで非水系溶媒で良く洗浄し
た後、さらに水と反応させると余分なクロロシリル基を
含む物質が除去されてシロキサン単分子膜(内層膜)が
形成される。なお、このとき、クロロシリル基を含む物
質が吸着固定後非水系の溶媒で洗浄する工程を省きクロ
ロシリル基を含む物質を含有する溶液を蒸発させると、
ポリシロキサン膜が形成される。この場合、クロロシリ
ル基を含む物質を含有する溶液の溶媒の沸点は、低いほ
ど早く蒸発できるので都合がよいが取扱いの上では10
0℃以上がよい。
【0035】次に表層膜形成工程を行なうが、内層膜の
表面には多くの水酸基(−OH)が形成されている(な
お、このとき基材表面がきわめて親水性が高い場合に
は、内層膜形成工程は必ずしも必要ないので基材表面に
直接表層膜を積層できる。)ので、この水酸基にクロロ
シリル基を有する炭化水素系吸着剤やフロロカーボン系
吸着剤を反応させることができる。
【0036】そこで、クロロシリル基を有する化学吸着
化合剤(例えば、炭化水素系吸着剤、フロロカーボン系
吸着剤または直鎖状シロキサン結合を含む吸着剤など)
を一成分として含む溶液を塗布(化学吸着化合剤の濃度
は、クロロシリル基を有する化合物或は溶媒の種類によ
って異なるが、0.1重量〜10重量%程度が都合がよ
い。)し、30分間程度放置すると、基材表面には親水
性のOH基が多数存在するので、表面で脱塩酸反応が生
じ、クロロシリル基を有する炭化水素系吸着剤やフロロ
カーボン系吸着剤が吸着固定される。次に非水系溶媒で
良く洗浄した後、さらに水と反応させると余分なクロロ
シリル基を有する炭化水素系吸着剤やフロロカーボン系
吸着剤を含む溶液が除去されて単分子膜(外層膜)が形
成される。この場合、クロロシリル基を含む物質を含有
する溶液の溶媒の沸点は、高いほどゆっくり蒸発し吸着
時間を長くできるので都合がよいが、取扱いの上では1
00〜300℃の範囲がよい。なお、クロロシリル基を
有する炭化水素系吸着剤やフロロカーボン系吸着剤が吸
着固定後非水系の溶媒で洗浄する工程を省き、塗布され
た溶液を蒸発させるとクロロシリル基を有する炭化水素
系吸着剤やフロロカーボン系吸着剤のポリマー膜が形成
される。この反応も前記同様脱塩化水素反応によって進
行する。この場合、クロロシリル基を含む物質を含有す
る溶液の溶媒の沸点は、低いほど早く蒸発できるので都
合がよいが取扱いの上では室温(25℃)以上100℃
以下がよい。
【0037】表層膜を形成する吸着剤としては、例えば
フロロカーボン基とクロロシラン基とを含む化合物が挙
げられ、具体的材料としては、CF3 (CF2
n (R)m−SiXp Cl3-p (但しnは0または整
数、好ましくは1〜22の整数、Rはアルキル基、フェ
ニル基、ビニル基、エチニル基、シリコン若しくは酸素
原子を含む置換基、mは0又は1、XはH,アルキル
基,アルコキシル基,含フッ素アルキル基又は含フッ素
アルコキシ基の置換基、pは0、1または2)を用いる
ことが可能である。このフッ素とクロロシリル基とを含
む化合物を用いると、撥水性、撥油性、防汚性及び滑性
等が付与されるため好ましい。
【0038】表層膜を形成するための他の化学吸着剤と
しては、たとえば次のような炭化水素系化学吸着剤また
はシロキサン系化学吸着剤も使用できる。CH3 (CH
2 r SiXp Cl3-p ,CH3 (CH2 r SiXp
Cl3-p ,CH3 (CH2 s O(CH2 t SiXp
Cl3-p ,CH3 (CH2 u Si(CH3 2 (CH
2 v SiXp Cl3-p ,CF3 COO(CH2 w
iXp Cl3-p CH3 {Si(CH3 2 O}r SiXp Cl3-p Cl{Si(CH3 2 O}r SiXp Cl3-p (但し、好ましい範囲してrは1〜25、sは0〜1
2、tは1〜20、uは0〜12、vは1〜20、wは
1〜25を示す。) 前記の吸着剤に加えて、下記の具体的吸着剤を挙げる。
CH3 CH2 O(CH2 15SiCl3 ,CH3 (CH
2 2 Si(CH3 2 (CH2 15SiCl3 ,CH
3 (CH2 6 Si(CH3 2 (CH2 9 SiCl
3 ,CH3 COO(CH2 15SiCl3 CF3 (CF2 7 (CH2 2 SiCl3 CF3 (CF2 5 (CH2 2 SiCl3 CF3 (CF2 7 6 6 SiCl3 CH3 {Si(CH3 2 O}3 −SiCl3 Cl{Si(CH3 2 O}3 −Si(CH3 2 Cl 本発明で基板が金属基板の場合には、アルキルチオール
を用いてもよい。アルキルチオールの例としては、CH
3 (CH2 n SH、F(CF2 n (CH2m
H,CF3 (CF2 m (CH2 n SH(m,n=1
〜18の整数)などがあげられる。
【0039】本発明の化学吸着膜の製造方法において、
クロロシラン化合物(もしくはチオ−ル化合物)を含ん
だ非水系溶液の微小液滴は、噴霧器を用いて形成させ
る。本発明の化学吸着膜の製造方法に用いられる非水系
有機溶媒は、クロロシラン系界面活性剤を用いる場合は
活性水素を持たない溶媒がよい。たとえば、ヘキサデカ
ン、イソオクタン、トルエン、キシレン、シクロヘキサ
ン、テトラリン、石油エーテル、クロロホルム、四塩化
炭素、パーフルオロカーボン、パーフルオロアルキル三
級アミン、パーフルオロアルキル環状エーテルなどが例
として上げられる。また、アルキルチオールを用いる場
合は、非水系溶媒に加えてエタノールなどのアルコール
系の溶媒も使用できる。なお、吸着溶媒を選択するとき
は、基板を溶かさない溶剤を選択する必要がある。
【0040】表面に活性水素(水酸基、アミノ基、カル
ボキシル基等)を持たない繊維、高分子は、吸着前に表
面をあらかじめ酸化して、活性基をつくる必要がある。
その方法として、たとえば、酸素プラズマ処理、UV/
オゾン処理、コロナ処理、濃硫酸と重クロム酸カリウム
の混合溶液に浸漬する方法(クロム混酸液処理)などが
例として上げられる。
【0041】金属にチオール化合物の化学吸着膜を形成
する場合は、金属表面を電解あるいは酸・アルカリ溶液
処理で酸化物を除いておくと高密度に吸着膜が形成でき
る。なお、本発明は下記の様な用途に広く適用できる。 (a)基材の例;基材が金属、セラミックスまたはプラ
スチック、木材、石材からなる材料に適用できる。表面
は塗料などで塗装されていても良い。 (b)刃物の例:包丁、鋏、ナイフ、カッター、彫刻
刀、剃刀、バリカン、鋸、カンナ、ノミ、錐、千枚通
し、バイト、ドリルの刃、ミキサーの刃、ジュ−サ−の
刃、製粉機の刃、芝刈り機の刃、パンチ、押切り、ホッ
チキスの刃、缶切りの刃、または手術用メス等。 (c)針の例:鍼術用の針、縫い針、ミシン針、畳針、
注射針、手術用針、安全ピン等。 (d)窯業製品の例:陶磁器製、ガラス製、セラミック
ス製またはほうろうを含む製品等。例えば衛生陶磁器
(例えば便器、洗面器、風呂等)、食器(例えば、茶
碗、皿、どんぶり、湯呑、コップ、瓶、コーヒー沸かし
容器、鍋、すり鉢、カップ等)、花器(水盤、植木鉢、
一輪差し等)、水槽(養殖用水槽、鑑賞用水槽等)、化
学実験器具(ビーカー、反応容器、試験管、フラスコ、
シャーレ、冷却管、撹拌棒、スターラー、乳鉢、バッ
ト、注射器)、瓦、タイル、ほうろう製食器、ほうろう
製洗面器、ほうろう製鍋。 (e)鏡の例:手鏡、姿見鏡、浴室用鏡、洗面所用鏡、
自動車用鏡(バックミラー、サイドミラー)、ハーフミ
ラー、ショーウィンドー用鏡、デパートの商品売り場の
鏡等。 (f)成形用部材の例:プレス成形用金型、注型成形用
金型、射出成形用金型、トランスファー成形用金型、真
空成形用金型、吹き込み成形用金型、押し出し成形用ダ
イ、インフレーション成形用口金、繊維紡糸用口金、カ
レンダー加工用ロールなど。 (g)装飾品の例:時計、宝石、真珠、サファイア、ル
ビー、エメラルド、ガーネット、キャッツアイ、ダイヤ
モンド、トパーズ、ブラッドストーン、アクアマリン、
サードニックス、トルコ石、瑪瑙、大理石、アメジス
ト、カメオ、オパール、水晶、ガラス、指輪、腕輪、ブ
ローチ、ネクタイピン、イヤリング、ネックレス、貴金
属装飾製品、白金、金、銀、銅、アルミ、チタン、錫あ
るいはそれらの合金やステンレス製、メガネフレーム
等。 (h)食品成形用型の例:ケーキ焼成用型、クッキー焼
成用型、パン焼成用型、チョコレート成形用型、ゼリー
成形用型、アイスクリーム成形用型、オーブン皿、製氷
皿等。 (i)調理器具の例:鍋、釜、やかん、ポット、フライ
パン、ホットプレート、焼き物調理用網、油切り、タコ
焼きプレート等。 (j)紙の例:グラビア紙、撥水撥油紙、ポスター紙、
高級パンフレット紙等 (k)樹脂の例:ポリプロピレン、ポリエチレン等のポ
リオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、
ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエス
テル、アラミド、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリエ
ーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、フェノー
ル樹脂、フラン樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂、ポリ
ウレタン、ケイ素樹脂、ABS樹脂、メタクリル樹脂、
アクリル酸エステル樹脂、ポリアセタール、ポリフェン
レンオキサイド等 (l)家庭電化製品の例:テレビジョン、ラジオ、テー
プレコーダー、オーディオ、CD、冷凍関係機器の冷蔵
庫、冷凍庫、エアコン、ジューサー、ミキサー、扇風機
の羽根、照明器具、文字盤、パーマ用ドライヤー等。 (m)スポーツ用品の例:スキー、釣竿、棒高跳び用の
ポール、ボート、ヨット、ジェットスキー、サーフボー
ド、ゴルフボール、ボーリングのボール、釣糸、魚網、
釣り浮き等。 (n)乗り物部品に適用する例: (1) ABS樹脂:ランプカバー、インストルメントパネ
ル、内装部品、オートバイのプロテクター (2) セルロースプラスチック:自動車のマーク、ハンド
ル (3) FRP(繊維強化樹脂):外板バンパー、エンジン
カバー (4) フェノール樹脂:ブレーキ (5) ポリアセタール:ワイパーギヤ、ガスバルブ、キャ
ブレター部品 (6) ポリアミド:ラジエータファン (7) ポリアリレート:方向指示レンズ、計器板レンズ、
リレーハウジング (8) ポリブチレンテレフタレート:リヤエンド、フロン
トフェンダ (9) ポリアミノビスマレイミド:エンジン部品、ギヤボ
ックス、ホイール、サスペンジョンドライブシステム (10)メタクリル樹脂はランプカバーレンズ、計器板とカ
バー、センターマーク (11)ポリプロピレンはバンパー (12)ポリフェニレンオキシド:ラジエーターグリル、ホ
イールキャップ (13)ポリウレタン:バンパー、フェンダー、インストル
メントパネル、ファン (14)不飽和ポリエステル樹脂:ボディ、燃料タンク、ヒ
ーターハウジング、計器板 (o)事務用品の例:万年筆、ボールペン、シャ−プペ
ンシル、筆入れ、バインダー、机、椅子、本棚、ラッ
ク、電話台、物差し、製図用具等。 (p)建材の例:屋根材、外壁材、内装材。屋根材とし
て窯瓦、スレート瓦、トタン(亜鉛メッキ鉄板)など。
外壁材としては木材(加工木材を含む)、モルタル、コ
ンクリート、窯業系サイジング、金属系サイジング、レ
ンガ、石材、プラスチック材料、アルミ等の金属材料な
ど。内装材としては木材(加工木材を含む)、アルミ等
の金属材料、プラスチック材料、紙、繊維など。 (q)石材の例:花コウ岩、大理石、みかげ石等。たと
えば建築物、建築材、芸術品、置物、風呂、墓石、記念
碑、門柱、石垣、歩道の敷石など。 (r)楽器および音響機器の例:打楽器、弦楽器、鍵盤
楽器、木管楽器、金管楽器などの楽器、およびマイクロ
ホン、スピーカなどの音響機器等。具体的には、ドラ
ム、シンバル、バイオリン、チェロ、ギター、琴、ピア
ノ、フルート、クラリネット、尺八、ホルンなどの打楽
器、弦楽器、鍵盤楽器、木管楽器、金管楽器などの楽
器、およびマイクロホン、スピーカ、イヤホーンなどの
音響機器。 (s)その他、魔法瓶、真空系機器、電力送電用碍子ま
たはスパークプラグ等の撥水撥油防汚効果の高い高耐電
圧性絶縁碍子等。
【0042】以下に実施例と模式図である図1〜図11
を用いて順に説明する。なお以下の実施例においては、
とくに記載していない限り%は重量%を意味する。 実施例1 基材として、アルミニウム基材1を用いた(図1)。こ
のアルミニウム基材1の表面には少量の親水性の−OH
基が露出しているので、まず内層膜を形成する吸着剤と
してSiCl4 (テトラクロロシラン)を選び、このテ
トラクロロシランを5%含むヘキサデカン85%、クロ
ロホルム10%(その他ヘキサデカンの代わりにキシレ
ン、テトラリン等、沸点が100℃程度以上の非水系の
溶媒ならなんでもよい。)溶液を作製し、乾燥窒素でパ
ージした室内でアルミニウム基材1表面にスプレー塗布
した後約30分くらい放置すると、図2に示したように
表面で脱塩酸反応が生じ、下記式(化1)及び/または
(化2)のように分子が−SiO−結合を介して基材表
面に固定される。なお、このとき、ヘキサデカンは沸点
287℃なので殆ど蒸発することがない。
【0043】
【化1】
【0044】
【化2】
【0045】その後、例えばクロロホルム等のような非
水系の溶媒で洗浄して、さらに水で洗浄すると、基材と
反応していないSiCl4 分子は除去され、さらに吸着
された試薬は水と反応し第3図に示したように基材表面
にシラノール基を多数含むシロキサン単分子膜4が得ら
れた(図3)。これを下記式(化3)及び/または(化
4)に示す。
【0046】
【化3】
【0047】
【化4】
【0048】なお、このときできたシロキサン単分子膜
4またはポリシロキサン膜は、基材とは−SiO−の化
学結合を介して完全に結合されているので剥がれること
が無い。
【0049】また、得られた単分子膜4またはポリシロ
キサン膜は、表面にSiOH結合を数多く持ち、基材1
の当初の水酸基の約3倍程度の数が生成される。さらに
また、このときテトラクロロシランを含む溶液の溶媒と
して、シクロヘキサン(bp.80℃)を用い(その他
ノルマルヘキサン、フロリナート(スリーエム社)等、
沸点が100℃程度以下でテトラクロロシランを溶かす
非水系の溶媒ならなんでもよい。)、塗布後非水系の溶
媒で洗浄する工程を省略して自然蒸発させると、シラノ
ール基を多数含むポリシロキサン膜4’を形成できた
(図4)。
【0050】そこでさらに、乾燥窒素雰囲気中で表層膜
を形成する。たとえば、化学吸着剤としてフロロカーボ
ン基とクロロシラン基とを含むCF3 (CF2 7 (C
22 SiCl3 5%を含むヘキサデカン85%、ク
ロロホルム10%溶液をスプレー塗布した後30分間程
度放置し、その後非水系の溶媒で洗浄すると、基材と反
応していないCF3 (CF2 7 (CH2 2 SiCl
3 分子は除去される。さらに空気中の取り出すと、吸着
された試薬は空気中の水分と反応して、図5に示したよ
うにシロキサン単分子膜またはポリシロキサン膜が形成
された。この化学吸着分子の反応式を下記式(化5)に
示す。
【0051】
【化5】
【0052】シロキサン単分子膜4表面に生成された分
子の結合状態を図5に示す。図5に示したようにフッ素
を含む単分子膜5が、内層のシロキサン単分子膜4と化
学結合(共有結合)した状態で形成できた。
【0053】なお、このときCF3 (CF2 7 (CH
2 2 SiCl3 を含む溶液の溶媒として、シクロヘキ
サン(bp.80℃)を用い(その他ノルマルヘキサ
ン、フロリナート(スリーエム社)等、沸点が100℃
程度以下でテトラクロロシランを溶かす非水系の溶媒な
らなんでもよい。)、塗布後非水系の溶媒で洗浄する工
程を省略して自然蒸発させると、フロロカーボン系ポリ
マー膜5’をシロキサン単分子膜4(図6)またはポリ
シロキサン膜4’(図7)が表面に形成できた。
【0054】なお、単分子膜は碁番目試験を行なっても
剥離することがなかった。さらにまた、上記実施例では
表層膜を形成するフロロカーボン系吸着剤としてCF3
(CF2 7 (CH2 2 SiCl3 を用いたが、アル
キル鎖部分にビニル基やエチニル基を付加したり組み込
んでおけば、単分子膜形成後5メガラド程度の電子線照
射で架橋できるので、さらに薄膜の硬度を向上させるこ
とも可能である。
【0055】さらにまた、本発明は含フッ素系吸着剤に
限定されるものではなく、例えば超薄膜で機械的強度を
有する炭化水素系膜であっても有用である。なお、基材
としてガラスなど表面にOH基を沢山含む材料を用いる
場合にはシロキサン単分子膜やポリシロキサン膜を形成
する工程を省略して、直接フロロカーボン系単分子膜や
フロロカーボン系ポリマー膜を直接基材表面に形成して
もよい。
【0056】実施例2 図8に示したように、アクリル樹脂を透明部分として有
するバックミラー11を用いた。アクリル樹脂の表面は
撥水性であるので、表面を酸素を含むプラズマ中で10
0W、2分処理して親水化した。この表面は、親水性で
はあるが水酸基を含む割合が少ないので(図8)、さら
にクロロシリル基を含む物質としてオクタクロロシロキ
サン(下記式(化6))を内層膜形成用吸着剤として用
いた。
【0057】
【化6】
【0058】この(化6)に示す内層膜形成用吸着剤
を、非水系溶媒のキシレンに10%溶解した溶液を作
り、乾燥空気中(相対湿度35%以下)でスプレーを用
いて噴霧塗布し20分間程度放置すると、バックミラー
11表面には親水性のOH基12が多少とも存在するの
で表面で脱塩酸反応が生じ、さらに表面に残った溶液を
フレオン113で洗浄除去すると、第6図に示すように
クロロシラン単分子膜が形成された。ここでクロロシリ
ル基を含む物質として(化6)に示す吸着剤を用いれ
ば、バックミラー11表面には少量の親水性のOH基し
か存在していなくとも、バックミラー11表面で脱塩酸
反応が生じ下記式(化7)及び/または(化8)等のよ
うに分子が−SiO−結合を介して表面に固定される
(図9)。
【0059】
【化7】
【0060】
【化8】
【0061】その後、非水溶液(例えばフレオン11
3)で洗浄し、さらに水で洗浄すると、図10に示した
ようにバックミラー11表面に下記(化9)及び/また
は(化10)等のシロキサン単分子膜14が得られた。
【0062】
【化9】
【0063】
【化10】
【0064】なお、このときフレオン溶媒で洗浄する工
程を省略しキシレンを完全に蒸発させると、ポリシロキ
サン膜を形成できた。なお、このときできたシロキサン
単分子膜14またはポリシロキサン膜は、バックミラー
11表面と−SiO−の共有結合を介して完全に結合さ
れているので剥がれることが全く無い。また、得られた
シロキサン単分子膜14は、表面に−SiOH結合を数
多く持つ。当初の水酸基の約7倍程度の数が生成され
る。
【0065】次に、CF3 (CF2 7 (CH2 2
iCl3 を2%程度の濃度で溶解したキシレン溶液を、
乾燥空気雰囲気中(相対湿度35%以下)でシロキサン
単分子膜14またはポリシロキサン膜の形成されたバッ
クミラー11表面にスプレーを用いて噴霧塗布し、10
分程度放置すると、シロキサン単分子膜14やポリシロ
キサン膜は表面に前記(化5)の結合が生成され、図1
1に示したようにフッ素を含む化学吸着単分子膜15
が、下層のシロキサン単分子膜14と化学結合した状態
で鏡表面全面に亘り約1.5nmの膜厚で形成できた。
【0066】なお、このとき非水系の溶媒で洗浄する工
程を省略し、1時間程度塗膜を放置しキシレンを蒸発さ
せると、フロロカーボン系ポリマー膜を形成できた。こ
の単分子膜やポリマー膜は剥離試験を行なっても全く剥
離することがなかった。また、本実施例のバックミラー
を用いて実使用を試みたが、表面の弗素の溌水性の効果
で付着した水滴は直径2mm程度のものであった。また
誤ってバックミラー面を毛髪で触った場合を想定し整髪
油を付着させたが、やはり表面に化学吸着した単分子膜
中の弗素の溌油性の効果で油は弾かれ曇ることは殆どな
かった。
【0067】実施例3 実施例2のアクリル樹脂をポリカーボネート樹脂に変更
し、ヘプタデカフルオロデシルトリクロロシランをトリ
デカフルオロオクチルトリクロルシランCF3(C
2 5 (CH2 2 SiCl3 に変えて、実施例2と
同様に実験した。 実施例4 実施例2のアクリル樹脂をポリプロピレン樹脂に、ヘプ
タデカフルオロオクチルトリクロロシランをパーフルオ
ロドデシルトリクロルシランに変えて、実施例1と同様
の実験をした。
【0068】実施例5 実施例2のアクリル樹脂をABS樹脂に変えて、実施例
1と同様の実験した。 実施例6 実施例2のアクリル樹脂をエポキシ樹脂に変えて、実施
例1と同様の実験をした。
【0069】実施例7 実施例2のアクリル樹脂をポリウレタン樹脂に変えて、
実施例1と同様の実験をした。
【0070】実施例8 実施例2のアクリル樹脂をブタジエン−スチレンゴム樹
脂に変えて、実施例1と同様に実験をした。
【0071】実施例9 実施例2のアクリル樹脂をブチルゴム樹脂に変えて、実
施例1と同様に実験をした。
【0072】実施例10 実施例2のアクリル樹脂をニトリルゴム樹脂に変えて、
実施例1と同様に実験をした。
【0073】実施例11 実施例2のヘプタデカフルオロデシルトリクロロシラン
を18−ノナデセニルトリクロルシランに変え、化学吸
着単分子膜形成後、窒素雰囲気下で300keV、0.
02Mrad/sの電子線を1分間照射した。
【0074】実施例12 実施例2のオクタクロロシロキサンをテトラクロロシラ
ンに変え、実施例2と同様に実験をした。
【0075】比較例1 ポリカーボネート樹脂の表面にシランカップリング剤
(ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン)の2
wt%メタノール溶液をスピンコートした後、120℃
で1時間乾燥した。
【0076】比較例2 実施例2のアクリル樹脂を酸化処理せずに、ヘプタデカ
フルオロデシルトリクロロシランの化学吸着単分子膜を
形成した。
【0077】比較例3 実施例2のアクリル樹脂の表面にポリテトラフルオロエ
チレンの懸濁液をスプレーコートし、60℃で1時間加
熱乾燥した。
【0078】実施例1〜13および比較例1〜2の試料
の超純水および油(日清株式会社会社のサラダ油)に対
する接触角を調べた。接触角の測定は化学吸着膜あるい
はコーティング膜を形成した直後と、および水でぬらし
た布で表面を10000回摩擦した後とで行った。その
結果を表1に示す。
【0079】
【表1】
【0080】表1から明らかなように、本実施例の基板
では表面を水を含んだ布で繰り返し擦って洗浄した後で
も、撥水・撥油性あるいは親水性を保持していたが、比
較例1では撥水・撥油性がなくなっていた。また、基板
の表面を酸化処理しなかった比較例2の試料では、シロ
キサン結合を有する化学吸着膜を形成することができな
かった。
【0081】本発明の表面にフッ化アルキル基を含有す
る化学吸着単分子膜を形成したものは防汚性が優れてい
た。摩擦試験後、実施例1の試料をサラダ油に浸漬し、
ティッシュペーパーで拭き取ると、油分がきれいにふき
とれたが、比較例の1の試料では、ティッシュペーパー
で数回拭き取った後でも、表面に油膜ができべとついて
いた。
【0082】本発明は光学材料としても利用できる。実
施例3のポリカーボネート樹脂の可視光に対する透過率
は92%で、化学吸着単分子膜を形成する前と変化なか
ったが、比較例3のポリテトラフルオロエチレンをコー
ティングした試料では、透過率が50%以下に低下しか
つ、すり硝子のように透明度が悪くなっていた。
【0083】実施例14 親水性ではあるが水酸基を含む割合が少ない鉄製鋏(ス
テンレス製でもよい。)を用い、クロロシリル基を複数
個含む物質、たとえば、SiCl4 、SiHCl3 、S
iH2 Cl2 、Cl(SiCl2 O)n SiCl3 (n
は整数)等でもよいが、SiCl4 を用いれば、分子が
小さく水酸基に対する活性も大きいので、鋏表面を均一
に親水化する効果が大きい。)のシクロヘキサン溶液を
スプーレにより噴霧塗布し、30分間程度放置しさらに
空気中に取り出すと、鋏表面には親水性のOH基が多少
とも存在するので、表面で脱塩酸反応が生じ、さらに空
気中の水と反応してシラノール結合を含むポリシロキサ
ン系膜が形成された。 なお、このときできた膜は鋏と
は−SiO−の化学結合を介して完全に結合されている
ので、分解反応などがない限り剥がれることが無い。ま
た、得られたポリシロキサン膜は表面にSiOH結合を
数多く持つ。当初の水酸基の約10倍程度の数が生成さ
れる。
【0084】次に、化学吸着剤(例えば、フッ化炭素基
及びクロロシリル基)と非水系の溶媒とを混合した化学
吸着液、例えば、CF3 (CF2 7 (CH2 2 Si
Cl 3 を用い、10%程度の濃度で溶かした80%n−
ヘキサデカン、12%四塩化炭素、8%クロロホルム溶
液を調整し、この溶液をスプレーにより噴霧塗布して1
時間程度放置し、次いでクロロホルム等の非水溶液で未
反応物を洗浄・除去し、次いで水と反応させるか、空気
中にさらして空気中の水分と反応させると、鋏表面に前
記ポリシロキサン膜の表面にCF3 (CF2 7 (CH
2 2 Si(O−)3 の結合が生成され、フッ素を含む
単分子膜が下層のポリシロキサン膜と化学結合した状態
で鋏全面に亘り約20オングストローム(2.0nm)
の膜厚で形成できた。また、前記累積膜は碁番目試験を
行なっても剥離することがなかった。
【0085】実施例15 親水性ではあるが水酸基を含む割合が少ないアルミニウ
ムヤカンの場合、クロロシリル基を複数個含む物質とし
て、SiCl4 を選択し、非水系溶媒であるキシレン溶
媒に1%溶解した。この溶液をスプレーで噴霧塗布し2
0分間程度放置すると、アルミヤカン表面には親水性の
OH基が多少とも存在するので、表面で脱塩酸反応が生
じSi(Cl)3 O−や−OSi(Cl)2 O−のよう
に分子が−SiO−結合を介して表面に固定される。
【0086】その後、非水系の溶媒例えばクロロホルム
で洗浄し、さらに水で洗浄すると、アルミヤカンと反応
していないSiCl4 分子は除去され、アルミ製ヤカン
表面にSi(OH)3 O−や−OSi(OH)2 O−等
のシロキサン単分子膜が得られた。
【0087】なお、このときできた単分子膜はアルミヤ
カン表面とは−SiO−の化学結合を介して完全に結合
されているので剥がれることが無い。また、得られた単
分子膜は表面にSiOH結合を数多く持つ。当初の水酸
基の約3倍程度の数が生成される。
【0088】そこでさらに、フッ化炭素基及びクロロシ
ラン基を含む物質を混ぜた非水系の溶媒、例えば、CF
3 (CF2 7 (CH2 2 SiCl3 を用い、1%程
度の濃度で溶かしたクロロホルム溶液を調整し、アルミ
製ヤカンにスプレーで噴霧塗布し室温で1時間程度放置
し、さらに水と反応させるか、空気中にさらして空気中
の水分と反応させると、アルミヤカン表面でCF3 (C
2 7 (CH2 2Si(O−)3 の結合が生成さ
れ、フッ素を含むフロロカーボン系のポリマー膜が下層
のシロキサン単分子膜と化学結合した状態でアルミ製ヤ
カン表面全面に亘り約20オングストローム(2.0n
m)の膜厚で形成できた。なお、このポリマー膜は剥離
試験を行なっても剥離することがなかった。
【0089】実施例16 親水性ではあるが水酸基を含む割合が少ない鉄製ホット
プレートを選択し、クロロシリル基を複数個含む物質と
してSiCl4 をクロロホルム溶媒に15%溶解した溶
液をスプレーで噴霧塗布し30分間程度放置すると、ク
ロロホルムは蒸発し、鉄製ホットプレート表面には親水
性のOH基が多少とも存在するので、表面で脱塩酸反応
が生じて−SiO−基が形成される。その後水で洗浄す
ると、ホットプレート表面と反応していない−SiCl
やSiCl4 分子も反応して、ホットプレート表面にポ
リシロキサン膜が形成された。
【0090】なお、このときできたポリシロキサン膜は
ホットプレート表面と−SiO−の化学結合を介して完
全に結合されているので剥がれることが無い。また、得
られたポリシロキサン膜表面にSiOH結合を数多く持
つ。
【0091】そこでさらに、フッ化炭素基及びクロロシ
ラン基を含む物質を混ぜた非水系の溶液、例えば、CF
3 (CF2 7 (CH2 2 SiCl3 を5%溶かした
フロリナートFX3252(スリーエム社製)溶液を乾
燥雰囲気中で前記表面にSiOH結合を数多く持つポリ
シロキサン膜の形成されたホットプレートにスプレーで
噴霧塗布し、1時間程度放置した後水と反応させるか、
空気中にさらして空気中の水分と反応させると、表面で
CF3 (CF2 7 (CH2 2 Si(O−) 3 の結合
が生成され、フッ素を含むフロロカーボン系のポリマー
膜が下層のポリシロキサン膜と化学結合した状態でホッ
トプレート表面全面に亘り約200〜300オングスト
ローム(20〜30nm)の膜厚で形成できた。なお、
このポリマー膜も剥離試験を行なっても剥離することが
なかった。
【0092】実施例17 親水性の磁器製茶碗を選択し、フロロカーボン基及びク
ロロシラン基を含む物質を混ぜた非水系の溶媒、たとえ
ば、CF3 (CF2 5 (CH2 2 SiCl 3 を用
い、5%程度の濃度で溶かしたテトラリン溶液を調整
し、この溶液をスプレーで噴霧塗布後1時間程度放置
し、次いでクロロホルム等の非水溶液で未反応物を洗浄
・除去し、さらに水と反応させるか、空気中にさらして
空気中の水分と反応させると、表面にCF3 (CF2
5 (CH2 2 Si(O−)3 の結合が生成され、フロ
ロカーボン系の単分子膜が茶碗表面に直接全面に亘り約
15オングストローム(1.5nm)の膜厚で形成でき
た。なお、この単分子膜はきわめて透明であり剥離試験
を行なっても剥離することがなかった。
【0093】実施例18 親水性の磁器製皿を選択し、フロロカーボン基及びクロ
ロシラン基を含む物質を混ぜた非水系の溶媒、たとえ
ば、CF3 (CF2 5 (CH2 2 SiCl3を用
い、5%程度の濃度で溶かしたクロロホルム溶液を調整
し、この溶液をスプレーで噴霧塗布した後1時間程度放
置し、全てのクロロホルムを蒸発させ、さらに水と反応
させるか、空気中にさらして空気中の水分と反応させる
と、表面にCF3 (CF2 5 (CH2 2 Si(O
−)3 の結合が生成され、フロロカーボン系のポリマー
膜が表面に直接全面に亘り約100オングストローム
(10nm)の膜厚で形成できた。なお、このポリマー
膜も透明であり剥離試験を行なっても剥離することがな
かった。
【0094】以上説明した通り、本発明の実施例によれ
ば、フロロカーボン系単分子膜やポリマー膜を基材と密
着性よく且つピンホール無く薄く行って、ホットプレー
トや炊飯器などの電化製品や自動車、産業機器、あるい
は鏡や眼鏡レンズ、インテリア用品、アパレル商品等の
耐熱性、耐候性、耐摩耗性コーティングを必要とする基
材の性能を向上させることができる。
【0095】加えて本発明の実施例1〜18は、いずれ
も化学吸着単分子膜やポリマー膜を効率的に製造するこ
とができる。 実施例19 窒素雰囲気中で、ガラス板(ソーダガラス:1m×2m
×0.5cm)表面に噴霧器を用いて、1vol% ヘプタデ
カフルオロデシルトリクロロシランのシクロヘキサン溶
液の微小液滴を吹き付けて、塗布した後、1時間放置し
た。それからエタノールで洗浄した。
【0096】本実施例は図12に示すように、表面に活
性水素基を有する基板21に噴霧器22により、クロロ
シラン化合物を含んだ非水系溶液23の微小液滴24を
吹き付けて塗布し、前記基板21上に化学吸着膜を形成
する。図13は基板31にシロキサン結合32を介して
化学吸着膜33が形成されているようすを示す分子レベ
ルまで拡大した図である。なお、クロロシラン系化学吸
着剤の代わりにチオール系化学吸着剤を用いた場合は、
図14のように基板41に−S−結合42を介して化学
吸着膜43が形成される。
【0097】実施例20 実施例19のガラス板をアルミニウム板に変えて、同様
の実験をした。 実施例21 実施例19のガラス板を銅板に、1vol% ヘプタデカフル
オロデシルトリクロロシランのシクロヘキサン溶液を1v
ol% のヘプタデカフルオロデシルチオールのエタノール
溶液に変えて、同様の実験をした。
【0098】実施例22 実施例19のガラス板をアルマイト板に変えて、同様の
実験をした。 実施例23 実施例19のガラス板をセラミック製コーヒー皿に変え
て、同様の実験をした。
【0099】実施例24 実施例19のガラス板をナイロン繊維織物に変えて、同
様の実験をした。 実施例25 実施例19のガラス板をポリプロピレン射出成形板に変
えて、同様の実験をした。
【0100】実施例26 実施例19のガラス板をひのき板に変えて、同様の実験
をした。 実施例27 実施例19のガラス板を普通紙に変えて、同様の実験を
した。
【0101】比較例4 実施例19のガラス板を5cm×5cm×0.5cmに
切取り、1vol% ヘプタデカフルオロデシルトリクロロシ
ランのシクロヘキサン溶液に窒素雰囲気下で18時間浸
漬した後、シクロヘキサンで洗浄し、引き続いて純水で
洗浄した。
【0102】比較例5 実施例22の銅板(5cm×5cm)を1vol% のヘプタ
デカフルオロデシルチオールのエタノール溶液に18時
間浸漬した後、エタノールで洗浄した。
【0103】実施例19〜27の試料を5cm×5cm
に切取り、比較例の試料とともに、自動接触角計(協和
界面科学製、CA−Z型)で水に対する接触角を測定し
た。その結果を表2に示す。
【0104】
【表2】
【0105】表2から明らかなように、本実施例で得ら
れる化学吸着膜の水に対する接触角は、比較例(浸漬
法)で得られる化学吸着膜と同じ値を示した。
【0106】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の方法は、
乾燥雰囲気中で基材表面に吸着液を塗布して単分子膜や
ポリマー膜を形成するため、プラスチック、セラミック
ス、ガラス、その他各種材料にも、基材形状に制限され
ることなく効率よく化学吸着膜を形成できる。
【0107】また、シロキサン系単分子膜あるいはポリ
シロキサン膜を形成し、さらにシロキサン系単分子膜あ
るいはポリシロキサン膜を介して化学吸着単分子膜ある
いはポリマー膜を形成するため、基材表面に存在する水
酸基、アミノ基、イミノ基等の活性水素基が少ない金
属、プラスチック、セラミックス、ガラス、その他各種
材料にも、効率よく且つ密着性良く化学吸着単分子膜や
ポリマー膜を累積形成できる。
【0108】また、吸着試薬としてフロロカ−ボン基と
クロロシリル基とを含む化合物を用いると、Al、Cu
若しくはステンレスの様な金属基材にも、撥水撥油性、
防汚性、耐久性などに優れたフロロカーボン系単分子膜
を基材と化学結合した状態で高密度にピンホール無く、
かつ均一な厚みで、非常に薄く形成できる。従って、耐
久性の極めて高い高性能フロロカーボン系超薄膜を提供
できる。
【0109】従って、本発明の化学吸着膜製造方法は、
エレクトロニクス製品特にホットプレートや炊飯器など
の電化製品、自動車、産業機器、鏡、眼鏡レンズ等の耐
熱性、耐候性、耐摩耗性を必要とする機器などに適用で
きる効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例における有機単分子膜
の累積方法の工程を示したもので、基材表面を分子レベ
ルまで拡大した模式断面図である。
【図2】 本発明の第1の実施例における有機単分子膜
の累積方法の工程を示したもので、基材表面にクロロシ
ラン単分子膜を形成した段階を分子レベルまで拡大した
模式断面図である。
【図3】 本発明の第1の実施例における有機単分子膜
の累積方法の工程を示したもので、基材表面にシロキサ
ン系単分子膜状の内層膜を形成する中間段階を分子レベ
ルまで拡大した模式断面図である。
【図4】 本発明の第1の実施例における有機単分子膜
の累積方法の工程を示したもので、基材表面にシラノー
ル基を多数含むポリシロキサン膜(内層膜)を形成した
中間段階を分子レベルまで拡大した模式断面図である。
【図5】 本発明の第1の実施例における有機単分子膜
の累積方法の工程を示したもので、内層膜の上にフッ素
系の化学吸着膜を形成した模式断面図である。
【図6】 本発明の第1の実施例における有機単分子膜
の累積方法の工程を示したもので、内層膜の上にフッ素
系の化学吸着膜を形成した模式断面図である。
【図7】 本発明の第1の実施例における有機単分子膜
の累積方法の工程を示したもので、基材表面の内層膜の
上にフロロカーボン系単分子膜の表層膜を累積した段階
を分子レベルまで拡大した模式断面図である。
【図8】 本発明の第2の実施例における有機単分子膜
の累積方法の工程を示したもので、基材表面を分子レベ
ルまで拡大した模式断面図である。
【図9】 本発明の第2の実施例における有機単分子膜
の累積方法の工程を示したもので、基材表面にクロロシ
ラン単分子膜を形成した段階を分子レベルまで拡大した
模式断面図である。
【図10】 本発明の第2の実施例における有機単分子
膜の累積方法の工程を示したもので、基材表面にシロキ
サン系単分子膜状の内層膜を形成する中間段階を分子レ
ベルまで拡大した模式断面図である。
【図11】 本発明の第2の実施例における有機単分子
膜の累積方法の工程を示したもので、基材表面の内層膜
の上にフロロカーボン系単分子膜の表層膜を累積した段
階を分子レベルまで拡大した模式断面図である。
【図12】 本発明の実施例19で用いたスプレー噴霧
器の断面図である。
【図13】 本発明の実施例19で形成した化学吸着膜
(クロロシラン化合物を用いた)の分子レベルまで拡大
した断面図。
【図14】 本発明の実施例19で形成した化学吸着膜
(チオール化合物を用いた)の分子レベルまで拡大した
断面図。
【符号の説明】
1,11,21,31,41 基材 2,12 OH基 3、13 クロロシラン単分子膜 4,14 シロキサン単分子膜 5,15 フッ素を含む単分子膜 22 噴霧器 23 クロロシラン化合物を含んだ非水系溶液 24 微小液滴 32 シロキサン結合 33 単分子化学吸着膜 42 −S−結合 43 単分子化学吸着膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 生田 茂雄 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に活性水素基を含む基材の表面に、
    分子の少なくとも一端にクロルシリル基またはチオール
    基を有し、かつ直鎖状炭化水素基、フルオロカーボン
    基、及び直鎖状シロキサン基から選ばれる少なくとも一
    つの基を含むクロロシラン系化学吸着剤を一成分とする
    塗布溶液を、噴霧状で塗布して、前記基材表面の活性水
    素基と前記化学吸着剤のクロルシリル基またはチオール
    基との間で縮合反応させ、前記基材表面に共有結合した
    化学吸着膜を形成することを特徴とする化学吸着膜の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 縮合反応をさせた後、非水系有機溶媒を
    用いて基材上に残った未反応のクロロシラン系吸着剤を
    含む溶液を洗浄・除去し、次いで残ったクロルシリル基
    を水分と反応させ、次に乾燥して前記基材表面に共有結
    合した単分子膜状の化学吸着膜を形成する請求項1に記
    載の化学吸着膜の製造方法。
  3. 【請求項3】 シリル基を縮合反応をさせた後、塗布溶
    液を蒸発させ、次いで水分と反応させ、次に乾燥して基
    材表面に共有結合したポリマー状の化学吸着膜を形成す
    る請求項1に記載の化学吸着膜の製造方法。
  4. 【請求項4】 表面に活性水素基を含む基材表面に、ク
    ロロシリル基を分子内に複数含む内層膜用クロロシラン
    系化学吸着剤を、乾燥雰囲気下で接触させて前記基材表
    面の活性水素基と前記化学吸着剤のクロルシリル基との
    間で縮合反応させ、無機シロキサン系化学吸着内層膜を
    形成した後、請求項1の工程を行い、無機シロキサン系
    化学吸着内層膜の表面に共有結合した化学吸着膜を形成
    する請求項1に記載の化学吸着膜の製造方法。
  5. 【請求項5】 内層膜用クロロシラン系化学吸着剤を噴
    霧状で塗布する請求項4に記載の化学吸着膜の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 基材表面の活性水素基と化学吸着剤のク
    ロルシリル基との間で縮合反応させた後、非水系有機溶
    媒を用いて基材上に残った未反応のクロロシラン系吸着
    剤を含む溶液を洗浄・除去し、次いで残ったクロルシリ
    ル基を水分と反応させ、次に乾燥して単分子膜状の化学
    吸着内層膜を形成する請求項4に記載の化学吸着膜の製
    造方法。
  7. 【請求項7】 基材表面の活性水素基と化学吸着剤のク
    ロルシリル基との間で縮合反応させた後、塗布溶液を蒸
    発させ、次いで水分と反応させ、次に乾燥してポリマー
    状の化学吸着内層膜を形成する請求項4に記載の化学吸
    着膜の製造方法。
  8. 【請求項8】 クロロシラン系化学吸着剤の炭化水素鎖
    の少なくとも一部が、−CF2 −基で置換されている化
    合物からなる請求項1〜7のいずれかに記載の化学吸着
    膜の製造方法。
  9. 【請求項9】 クロロシラン系化学吸着剤が、CF
    3 (CF2 n (R)m SiXp Cl3-p (nは0また
    は整数、Rはアルキル基、ビニル基、エチニル基、、ア
    リール基、シリコン若しくは酸素原子を含む置換基、m
    は0又は1、XはH,アルキル基,アルコキシル基,含
    フッ素アルキル基又は含フッ素アルコキシ基の置換基、
    pは0、1または2)を用いる請求項1〜7のいずれか
    に記載の化学吸着膜の製造方法。
  10. 【請求項10】 内層膜用クロロシラン系化学吸着剤物
    質が、SiCl4 、SiHCl3 、SiH2 Cl2 、及
    びCl(SiCl2 O)n SiCl3 (但しnは整数)
    から選ばれる少なくとも一つの化合物である請求項4〜
    7いずれかに記載の化学吸着膜の製造方法。
  11. 【請求項11】 基材が、金属、セラミックス、ガラ
    ス、プラスチック、ポリマー、紙、繊維、皮革から選ば
    れる請求項1〜4,6〜7のいずれかに記載の化学吸着
    膜の製造方法。
  12. 【請求項12】 基材が、予め表面を酸素を含むプラズ
    マまたはコロナ雰囲気で処理して活性水素を付与したも
    のである請求項11に記載の化学吸着膜の製造方法。
  13. 【請求項13】 化学吸着処理工程が相対湿度30%以
    下の低湿度雰囲気で行なわれる請求項1〜7のいずれか
    に記載の化学吸着膜の製造方法。
  14. 【請求項14】 クロロシラン系吸着剤を含む溶液の溶
    媒の沸点が、100℃以上300℃以下の範囲である請
    求項2または6に記載の化学吸着膜の製造方法。
  15. 【請求項15】 クロロシラン系吸着剤を含む溶液の溶
    媒の沸点が、室温以上100℃以下である請求項3また
    は7に記載の化学吸着膜の製造方法。
  16. 【請求項16】 塗布溶液をスプレーで噴霧する請求項
    1または5に記載の化学吸着膜の製造方法。
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