JPH06330020A - キレート性組成物及びその製法並びに洗剤組成物 - Google Patents

キレート性組成物及びその製法並びに洗剤組成物

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JPH06330020A
JPH06330020A JP11872093A JP11872093A JPH06330020A JP H06330020 A JPH06330020 A JP H06330020A JP 11872093 A JP11872093 A JP 11872093A JP 11872093 A JP11872093 A JP 11872093A JP H06330020 A JPH06330020 A JP H06330020A
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acid
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metal salt
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JP11872093A
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English (en)
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Yoshiaki Asakawa
美昭 浅川
Yasutaka Sumita
康隆 住田
Yuichi Kita
裕一 喜多
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C11ANIMAL OR VEGETABLE OILS, FATS, FATTY SUBSTANCES OR WAXES; FATTY ACIDS THEREFROM; DETERGENTS; CANDLES
    • C11DDETERGENT COMPOSITIONS; USE OF SINGLE SUBSTANCES AS DETERGENTS; SOAP OR SOAP-MAKING; RESIN SOAPS; RECOVERY OF GLYCEROL
    • C11D3/00Other compounding ingredients of detergent compositions covered in group C11D1/00
    • C11D3/16Organic compounds
    • C11D3/26Organic compounds containing nitrogen
    • C11D3/33Amino carboxylic acids

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 イミノジコハク酸塩とヒドロキシイミノジコ
ハク酸塩を、前者1〜99重量部:後者99〜1重量部の比
率で含有するキレート性組成物およびその(1) 〜(3) に
よる製造方法。 (1) マレイン酸、そのアンモニウム塩および無水マレイ
ン酸よりなる群から選択されるマレイン酸化合物とアン
モニアとを、水性媒体中で反応させ、(2) 反応液にアル
カリ金属および/もしくはアルカリ土類金属)の水酸化
物を加えて塩交換させ、(3) その後、エポキシコハク
酸、そのアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩より
なる群から選択される一種以上を加えて反応させる。 【効果】 有機キレート剤、洗剤用ビルダー、スケール
防止剤等として有用なキレート性組成物を経済的に製造
し得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なキレート性組成物
およびその製法に関し、より詳細には、イミノジコハク
酸塩とヒドロキシイミノジコハク酸塩とを特定比率で含
有する、有機キレート剤、洗剤用ビルダー、スケール防
止剤、染色向上剤、メッキ助剤、過酸化物安定剤、油安
定剤、製紙用顔料分散剤等として有用なキレート性組成
物およびその製法に関し、更には、このキレート性組成
物を界面活性剤と共に配合してなる新規な洗剤組成物に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】イミノジコハク酸塩(以下、IDS塩と
いう)は公知であり、そのキレート能が、ナトリウム塩
として250〜300mgCaCO3 /gIDSである
ことも確認されている。しかしながら、生分解性につい
ては明確な知見は得られていない。一方、ヒドロキシイ
ミノジコハク酸塩(ナトリウム塩等:以下、HIDS塩
という)は公知であり、そのキレート能が、ナトリウム
塩として約320mgCaCO3 /gHIDSであるこ
とも確認されている。またその生分解性が、L−アスパ
ラギン酸から製造されたもので80〜89%程度を示す
ことも知られている。
【0003】またそれらの製法について見ると、HID
Sは国際特許第92/02489号や特開昭45−56
918号公報に見られる様に、アスパラギン酸とエポキ
シコハク酸との反応によって製造し得ることが確認され
ている。この場合、HIDSを収率良く得るには高純度
のアスパラギン酸を使用する必要があるが、アスパラギ
ン酸は、例えば特開昭48−56618号公報に見られ
るように、無水マレイン酸、マレイン酸あるいはフマル
酸とアンモニアとをアルカリ金属の共存下で反応させ、
あるいは反応後にアルカリ金属処理を行った後、酸析に
より析出するアスパラギン酸を分離してから母液を反応
系に再循環させ、副生物であるIDSを更にアンモニア
と反応させてアスパラギン酸に変化させるといった複雑
な方法を採用しなければならない。
【0004】即ちHIDSの製造に当たっては、マレイ
ン酸等とアンモニアの反応により予め高純度のアスパラ
ギン酸を製造した後、あるいは高価な天然産のL−アス
パラギン酸を使用し、これらをエポキシコハク酸と反応
させるという複雑な工程を経なければならず、製品単価
は非常に高価なものとならざるを得ない。
【0005】一方IDSは、通常NH3 とマレイン酸を
モル比で1:1.5〜2.5の比率で使用し、60〜1
55℃の温度で反応させることによって製造されている
が、該反応による収率は高々79%程度であり、高純度
品を得るには煩雑で効率の悪い精製操作が不可欠とな
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の様な事
情に着目してなされたものであって、その目的は、安価
でしかも安定して優れたキレート性能及び生分解性を発
揮し得る様なキレート性組成物を提供すると共に、その
様なキレート性組成物を工業的規模で効率よく安価に製
造することのできる方法、並びにこのキレート性組成物
を用いた洗剤組成物を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明に係るキレート性組成物の構成は、ID
S塩とHIDS塩を、前者1〜99重量部:後者99〜1重
量部、好ましくは前者3〜90重量部:後者95〜10重量部
の範囲、より好ましくは前者5〜40重量部:後者95〜60
重量部の範囲で含有するところに要旨を有するものであ
る。
【0008】尚、IDS塩およびHIDS塩としては、
アルカリ金属塩、エタノールアミン塩、ジエタノールア
ミン塩、トリエタノールアミン塩よりなる群から選択さ
れる一種以上の塩が最も好ましく、また、上記のキレー
ト性組成物は、下記反応工程(1)〜(3) を順次実施する
ことによって得ることができる。
【0009】(1) マレイン酸、そのアンモニウム塩およ
び無水マレイン酸よりなる群から選択されるマレイン酸
化合物とアンモニアとを、水性媒体中で反応させる工
程、(2) 次いで、反応液にアルカリ金属および/もしく
はアルカリ土類金属の水酸化物を加えて塩交換させる工
程、(3) 塩交換の後、反応混合物中の遊離アンモニア量
を、工程(1) で用いたマレイン酸化合物に対して10モ
ル%以下に調節した後、エポキシコハク酸、そのアルカ
リ金属塩およびアルカリ土類金属塩よりなる群から選択
される一種以上を加えて反応させる工程。
【0010】上記反応工程(1) 〜(3) は、下記の条件で
行なうことによって効率よく実施することができる。 (1) マレイン酸化合物とアンモニアのモル比が1:1.5
〜1:20で、反応温度が90〜180 ℃、(2) アルカリ金属
および/もしくはアルカリ土類金属の水酸化物の添加量
が、上記工程(1) で用いたマレイン酸化合物1モルに対
して0.9 〜1.5 モル、反応温度が90〜160 ℃、(3) エポ
キシコハク酸、そのアルカリ金属塩およびアルカリ土類
金属塩よりなる群から選択される一種以上の添加量が、
上記工程(1) で生成したアスパラギン酸に対して30〜15
0 モル%、反応温度が80〜120 ℃。
【0011】このとき、工程(1) における反応系の気相
中酸素濃度を5重量%以下に抑えてやれば、反応液の着
色が防止されて未着色の製品を得ることができる。また
工程(3) においては、反応させるエポキシコハク酸およ
び/またはエポキシコハク酸のアルカリ金属塩および/
またはアルカリ土類金属塩として、水性媒体中でマレイ
ン酸と過酸化水素から製造されたcis−エポキシコハ
ク酸および/またはそのアルカリ金属塩および/または
アルカリ土類金属塩の水性スラリーおよび/または水溶
液を使用し、残存する過酸化水素をcis−エポキシコ
ハク酸および/またはそのアルカリ金属塩および/また
はアルカリ土類金属塩に対して3重量%以下とすれば、
該工程(3) における反応液の着色が防止され、未着色で
商品価値の高いものを得ることができる。
【0012】そして、上記のキレート性組成物をビルダ
ーとして使用し、その1〜40重量%と、陰イオン性界
面活性剤、陽イオン性界面活性剤および非イオン性界面
活性剤よりなる群から選択される洗剤用界面活性剤1〜
40重量%とを含有させたものは、非常に優れた洗剤と
なる。
【0013】
【作用】本発明に係るキレート性組成物は、上記の様に
IDS塩とHIDS塩とを特定比率で配合したところに
特徴を有する。即ちIDS塩およびHIDS塩は、キレ
ート性能や経済性等において夫々前述の様な利害得失を
有しているが、本発明者らが種々検討を行なったところ
によれば、これら2種を適当な比率で配合すると相乗的
に優れたキレート性能と生分解性が発揮され、その結
果、経済的に安価で且つキレート性能および生分解性の
格段に優れた組成物が得られることをつきとめた。そし
てこうした性能を有効に発揮させるには、IDS塩とH
IDS塩を1〜99:99〜1重量部、好ましくは3〜
90:97〜10重量部、より好ましくは5〜40:9
5〜60重量部の比率で配合すれば良いことをつきとめ
た。
【0014】ちなみに図1は、IDS塩とHIDS塩と
を種々の比率で配合したものについてCaイオンキレー
ト能を調べた結果、図2は、同じくIDS塩とHIDS
塩とを種々の比率で配合したものについて生分解性を調
べた結果(実験条件等は後記実施例参照)を示したもの
であり、これら2種の塩を併用すると、個々の塩を単独
で用いた場合に比べて相乗的に優れたキレート性能およ
び生分解性が発揮されることを確認できる。
【0015】これらIDS塩およびHIDS塩を構成す
る塩の種類は用途によっても変わってくるので制限的に
解すべきものではないが、最も汎用性の高いのは水溶性
を示す無機金属塩および有機塩であり、中でも特に好ま
しいのはNa,K等のアルカリ金属塩およびエタノール
アミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミ
ン塩である。塩は単独塩であってもよく、あるいは2種
以上の混合塩であっても構わない。
【0016】これらIDS塩とHIDS塩の配合物は優
れたキレート性能を有しており、これらは乾燥状態の粉
末として或は任意の濃度の水溶液等として、有機キレー
ト剤、洗剤用ビルダー、スケール防止剤、染色向上剤、
メッキ助剤、過酸化物安定剤、製紙用顔料分散剤等とし
て幅広く活用することができる。
【0017】上記用途の中でも、本発明に係る上記キレ
ート性組成物の特徴がより効果的に発揮される用途は洗
剤用ビルダーとしての使用であり、上記キレート性組成
物を洗浄用界面活性剤等と併用することにより、洗剤組
成物として優れた性能を発揮する。この場合、洗剤中に
占める上記キレート性組成物の好ましい含有量は1〜4
0重量%、より好ましくは3〜25重量%、洗剤用界面
活性剤の好ましい含有量は1〜40重量%、より好まし
くは10〜30重量%の範囲である。キレート性組成物
の含有量が1重量%未満では洗剤ビルダーとしてのキレ
ート性能が十分に発揮されず、一方、40重量%を超え
てもそれ以上の添加効果は発揮されず経済的に無駄であ
る。
【0018】ここで使用される洗剤用界面活性剤の種類
にも格別の制限はなく、アルキルサルフェート、アルキ
ルベンゼンサルフェート、アルキルベンゼンスルフォネ
ート、オレフィンスルフォネート、アルコキシ化アルコ
ール、アルキルフェノール、アルキルフェノールサルフ
ェート、脂肪酸スルフォネート、脂肪酸エステルスルフ
ォネート等、従来から知られた種々の陰イオン界面活性
剤、非イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤を使用す
ることができ、それらは夫々単独で使用し得るほか、必
要に応じて2種以上を併用することも勿論可能である。
【0019】尚本発明に係る洗剤組成物には、上記キレ
ート性組成物や界面活性剤以外に、所望により周知の洗
浄補助剤、例えば、本発明の上記洗剤ビルダー以外のゼ
オライト等のビルダー化合物、プロテアーゼ等の酵素、
過硼酸塩等の漂白剤あるいは漂白助剤、汚れ防止剤、沈
殿防止剤、布柔軟化剤等を適量含有させることも可能で
ある。
【0020】ところで、上記キレート性組成物は、ID
S塩とHIDS塩を所定比率で混合し、あるいはIDS
とHIDSの混合物を適当な塩で中和処理することによ
って得ることも可能であるが、下記の製法を採用すれ
ば、上記混合塩よりなるキレート性組成物を簡単な工程
で効率良く得ることができる。
【0021】その製法とは、(1) マレイン酸、そのアン
モニウム塩および無水マレイン酸よりなる群から選択さ
れるマレイン酸化合物とアンモニアとを、水性媒体中で
反応させる第1工程、(2) 次いで、反応液にアルカリ金
属および/もしくはアルカリ土類金属の水酸化物を加え
て塩交換させる第2工程、(3) 塩交換の後、反応混合物
中の遊離アンモニア量を、工程(1) で用いたマレイン酸
化合物に対して10モル%以下に調節した後、エポキシ
コハク酸、そのアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属
塩よりなる群から選択される一種以上を加えて反応させ
る第3工程、を順次実施する方法であり、上記工程(1),
(2),(3) の好ましい条件は次の通りである。
【0022】第1工程(1) :マレイン酸化合物とアンモ
ニアのモル比が1:1.5 〜1:20で、反応温度が90〜18
0 ℃、 第2工程(2) :アルカリ金属および/もしくはアルカリ
土類金属の水酸化物の添加量が、上記工程(1) で用いた
マレイン酸化合物1モルに対して0.9 〜1.5 モル、反応
温度が90〜160 ℃、 第3工程(3) :エポキシコハク酸、そのアルカリ金属塩
およびアルカリ土類金属塩よりなる群から選択される一
種以上の添加量が、上記工程(1) で生成したアスパラギ
ン酸に対して30〜150 モル%、反応温度が50〜120 ℃。
【0023】上記方法について、より詳細に説明する。 工程(1) :この工程では、マレイン酸、そのアンモニウ
ム塩および無水マレイン酸よりなる群から選ばれるマレ
イン酸化合物と、その1.5〜20倍モル量、好ましく
は1.8〜15倍モル量のアンモニアとを使用し、水性
媒体中で反応させることにより、アスパラギン酸塩およ
びIDS塩の生成反応が行なわれる。このとき、マレイ
ン酸化合物に対するアンモニアの量が1.5倍モルに満
たない場合は、仕込みマレイン酸化合物が十分に反応せ
ず、結果としてIDS塩生成反応が十分に進まなくなっ
て最終目的生成物の収率および純度が十分に上がらず、
一方、20倍モルを超える多量のアンモニアを使用して
もそれ以上の収率向上は期待できず、経済的に無駄であ
る。
【0024】このときの好ましい反応温度は、90〜1
80℃、より好ましくは、95〜150℃であり、反応
温度が90℃未満では、反応速度が極端に遅くなり、生
産性の点で工業的実用性を欠き、一方180℃を超える
高温になると、それ以上に反応速度が高まる訳でもな
く、加熱のための熱源がいたずらに消費されるばかりで
なく、副反応も生じ易くなる。尚、この温度範囲で反応
速度を更に高めるため、反応前あるいは反応の途中で反
応液を濃縮することも有効である。
【0025】反応時間は、反応温度、反応系の濃度およ
び使用するアンモニアの量によって異なるが、通常、
0.1〜20時間、好ましくは0.2〜10時間の範囲
で実施される。この反応工程では、反応系の気相中酸素
濃度を5重量%以下に抑えることによって好ましくない
酸化反応を抑えることができ、それにより反応液の着色
を防止することができるので好ましい。
【0026】工程(2) :前記工程(1) の後、反応液にア
ルカリ金属水酸化物および/またはアルカリ土類金属水
酸化物を加え、アルカリ金属塩および/またはアルカリ
土類金属塩とする。このとき、添加する水酸化物の量
は、上記第1工程(1) で用いたマレイン酸化合物1モル
に対して0.9〜1.5モルの範囲が好ましく、0.9
モルに満たない場合は、塩交換の速度が遅くなって効率
が悪くなり、一方、1.5モルを超えると、過剰に存在
する水酸化物によってマレイン酸のフマール化が進み易
くなり、やはり目的物の収率が十分に上がらなくなる。
【0027】このときの好ましい温度は、90〜160
℃、より好ましくは、100〜130℃であり、90℃
未満の低温では、塩交換に長時間を要し実操業に適さな
い。また、160℃を超える高温にしてもそれ以上の塩
交換促進効果は期待できず、副反応も生じ易くなって反
応液が着色し易くなるといった弊害が現れてくる。処理
時間は、添加される水酸化物の量あるいはアンモニアの
回収条件等によって異なるが、通常、10分〜10時間
の範囲で実施される。
【0028】工程(3) :この工程では、前記工程(2) を
終えた反応液中のアンモニア量を、工程(1) で用いたマ
レイン酸化合物に対して10モル%以下に調節した後、
エポキシコハク酸、そのアルカリ金属塩およびアルカリ
土類金属塩よりなる群から選択されるエポキシコハク酸
化合物の一種以上を加えて反応させる。この時、エポキ
シコハク酸化合物添加時のアンモニア量が最初のマレイ
ン酸化合物に対して10モル%を超える場合は、反応液
中のアンモニアとエポキシコハク酸化合物の反応により
副反応物が生成し、目的物の純度が低下する。従って、
反応液中のアンモニア量は、先ず最初のマレイン酸化合
物に対して10モル%以下、より好ましくは7モル%以
下に調節しておくことが不可欠の要件となる。
【0029】次いで、この溶液にエポキシコハク酸化合
物を加えて反応せしめ、ヒドロキシイミノジコハク酸塩
を生成させる。この時、エポキシコハク酸化合物は、既
に生成しているIDS塩とは反応せず、工程(1) で生成
したアスパラギン酸のみと選択的に反応するので、得ら
れる反応生成物は、IDS塩とHIDS塩とを含有する
ものとして得られる。即ち、IDSとアスパラギン酸は
何れも活性水素を有しており、それらは共にエポキシコ
ハク酸と反応し得ると考えられるが、本発明者らが確認
したところによると、この工程で添加されるエポキシコ
ハク酸は、IDSとは反応することなくアスパラギン酸
のみと選択的に反応してHIDS塩を生成することが確
認された。
【0030】換言すると本発明においては、この選択反
応性をうまく活用したものであって、工程(1),(2) で生
成するIDSはそのまま残し、副生するアスパラギン酸
のみをエポキシコハク酸と反応させることによりHID
Sに変化せしめ、格別の精製操作を要することなくID
S塩とHIDS塩との高純度反応物を得るところに特徴
を有するものである。
【0031】エポキシコハク酸化合物の添加量は、前記
第1工程(1) で生成したアスパラギン酸に対して30〜
150モル%、より好ましくは80〜110モル%の範
囲とするのがよく、30モル%未満ではHIDS塩の生
成反応速度が遅く、一方150モル%を超えてもHID
S塩生成反応の速度はそれ以上は上がらず、不純物が多
量に生成して製品純度が低下し経済的にも無駄である。
反応温度は特に限定されないが、副反応を生じさせるこ
となくHIDS塩生成反応を効率よく進める上で好まし
いのは50〜120℃、より好ましくは60〜90℃の
範囲である。
【0032】尚この工程(3) では、添加するエポキシコ
ハク酸および/またはエポキシコハク酸のアルカリ金属
塩および/またはアルカリ土類金属塩として、水性媒体
中でマレイン酸と過酸化水素から製造されたcis−エ
ポキシコハク酸および/またはそのアルカリ金属塩およ
び/またはアルカリ土類金属塩の水性スラリーおよび/
または水溶液を使用し、残存する過酸化水素をcis−
エポキシコハク酸および/またはそのアルカリ金属塩お
よび/またはアルカリ土類金属塩に対して3重量%以下
とすることにより、反応液の着色が防止され、反応時の
副反応が抑えられてIDS塩およびHIDS塩純度のよ
り高い反応生成物を得ることができるので好ましい。
【0033】上記工程(1) 〜(3) を実施するに当たり、
特に工程(1) の反応条件を調整して生成するアスパラギ
ン酸化合物とIDS化合物の比率を調整すると共に、工
程(3) で添加するエポキシコハク酸化合物の量や反応条
件を調節してHIDS塩生成量をコントロールすること
により、IDS塩とHIDS塩が任意の比率で含まれる
混合物を得ることができる。これらの塩はそのままでキ
レート性組成物としてもよく、或は必要によっては更に
好ましい塩に塩交換させることも可能である。
【0034】尚、これらの反応は、工程(1) 〜(3) を通
じて同じ反応釜で実施してもよいし、或は別々の反応釜
で行なってもよく、また回分式または連続式の如何を問
うものではない。
【0035】上記3工程により製造されるIDS塩とH
IDS塩は、水溶液のままキレート性組成物として提供
してもよく、もしくは必要により乾燥して粉末として供
給することができる。また必要によっては、公知の方法
で精製処理を施すことも勿論可能である。
【0036】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限
を受けるものではなく、前後記の趣旨に適合し得る範囲
で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、
それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
【0037】実施例1 個々に合成し精製したHIDSとIDS(いずれも純度
98%)を表1に示す比率で使用し、下記の方法でCa
イオンキレート能および生分解性および洗浄剤としての
洗浄力を調べ、表1に示す結果を得た。
【0038】<Caイオンキレート能>100mlのビ
ーカーに試料キレート性組成物(HIDSとIDSの混
合物)10mgを精秤し、これを1.0×10-3モルの
塩化カルシウム水溶液50mlに溶解し、さらに4.0
モルの塩化カリウム水溶液1mlでイオン強度を調整し
た後、1モルの水酸化カリウム水溶液で溶液pHを11
に調整した。これを20℃の恒温槽で撹拌しながら、イ
オン電極(オリオン社製「Mode193−20」)を
用いて残留Caイオン濃度を測定した。測定結果は、試
料キレート性組成物1gによってキレートされたCaC
3 のmg数で示した。
【0039】<生分解性試験>上記と同様にして得た各
種配合比のHIDSとIDSとの混合物を使用し、OE
CDテストガイドラインの修正MITI試験による方法
を下記の様に変更して生分解性を調べた。 基礎培養液:修正MITI試験(I)に準拠 活性汚泥 :下水処理場の活性汚泥 培養方法 :しんとう培養法 試験条件 :・供試物質濃度 15ppm ・活性汚泥濃度 50ppm ・試験温度 25±1℃ ・試験期間 28日間 評価 :TOC(溶液中の全有機炭素分)の測定に
よる。 分解度は下記の式に従って算出した。 分解度(%)=[(C0 −C01)−(Ct −Ct-1 )/
0 −C01]×100 C0 :試験開始時の試験溶液中のTOC C01:試験開始時の空試験溶液中のTOC Ct :試験開始からt日後の試験溶液中のTOC Ct1:試験開始からt日後の空試験溶液中のTOC
【0040】<洗浄剤としての洗浄力試験>各配合比の
キレート性組成物をビルダーとして使用し、界面活性剤
として直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩
(以下、LASという)などを用いて表2に示す洗剤組
成物を調製し、木綿製人工汚染布を用いて下記の条件で
洗浄力を調べた。 洗浄条件 試験機 :ターゴトメーター 洗浄液濃度:0.12重量% 使用水硬度:3度DH 浴比 :汚染布 4枚 1L 洗浄温度 :25℃ 回転数 :200回/分 洗浄時間 :10分 すすぎ :5分間1回 洗浄力 :洗浄前後の布の表面反射率を測定し、次式
によって求められる洗浄力を求め、ビルダー化合物とし
てゼオライトを使用したときの洗浄力を100としたと
きの指数で評価した。 洗浄力=[(洗浄後の布の反射率−洗浄前の布の反射
率)/(原布の反射率−洗浄前の布の反射率)]
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】実施例2 マレイン酸116g(1.0モル)を水135gと混合
し、これに25重量%アンモニア水136g(2.0モ
ル)を添加した。反応液をオートクレーブにて140℃
で2時間反応させ、次いで48重量%水酸化ナトリウム
水溶液167g(2.0モル)を添加し、さらに120
℃にて1時間反応させた。反応終了後、反応液中の溶存
NH3 を窒素ガス吹込みによって初期仕込みのマレイン
酸に対して1.1モル%に調整した。
【0044】他方、上記反応液と別にマレイン酸と過酸
化水素から調製したcis−エポキシコハク酸ジナトリ
ウム塩97g(0.55モル)を含む水溶液280gを
上記反応液に混合し、80℃で4時間反応させた。反応
終了後の反応液を高速液体クロマトグラフィーにより分
析した結果、HIDS/IDS混合組成物としての純度
が92.6重量%対全有機酸塩で、HIDSとIDSの
組成比は約73:27(重量比)であることが確認され
た。
【0045】上記方法に準拠し、原料使用量、反応条件
等を表3に示す様に変えた以外は同様にしてHIDS/
IDS混合塩よりなるキレート性組成物を製造した。結
果を、各組成物のCaイオンキレート能、生分解性およ
び洗浄力と共に表4に示す。尚、洗浄力試験は、上記で
製造した各組成物の乾燥粉末を使用し、洗浄剤組成は表
5に示す通りとし、洗浄力の評価は実施例1と同様にし
て行なった。
【0046】これらの結果からも明らかである様に、本
発明の規定要件を満たす実施例A〜Mでは、何れも高純
度のIDS塩とHIDS塩との混合物が得られており、
それらのCaイオンキレート能、生分解性および洗浄力
はいずれも優れたものであることが分かる。これに対し
本発明の規定要件を欠く比較例N〜Qは何れも純度が低
く、Caイオンキレート能、生分解性および洗浄力も劣
っている。尚、参考例R,Sは、工程(1) における気相
中酸素濃度が好適範囲を超えるものであり、また参考例
Tは工程(3) における残存過酸化水素量が好適範囲を超
えるものであり、何れも製品純度自体はかなり高い値が
得られているが、生成物の着色が著しい。
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】
【表5】
【0050】尚、この方法によって得られる本発明のキ
レート性組成物は、前述の如く洗剤組成物として有効に
活用することができるが、この他、それ単独で、あるい
は任意の副添加剤等と併用し、例えばスケール防止剤、
染色向上剤、メッキ助剤、過酸化物安定剤、油安定剤、
製紙用顔料分散剤等として幅広く活用することができ
る。
【0051】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、イ
ミノジコハク酸塩とヒドロキシイミノジコハク酸塩とを
特定比率で含有することにより、有機キレート剤、洗剤
用ビルダー、スケール防止剤、染色向上剤、メッキ助
剤、過酸化物安定剤、油安定剤、製紙用顔料分散剤等と
して有用なキレート性組成物を提供すると共に、該組成
物を経済的安価に効率よく製造することができ、更には
優れた性能の洗剤組成物を提供し得ることになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】IDS塩/HIDS塩中のIDS塩の含有量と
キレート能の関係を示すグラフである。
【図2】IDS塩/HIDS塩中のIDS塩の含有量と
生分解性の関係を示すグラフである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イミノジコハク酸塩とヒドロキシイミノ
    ジコハク酸塩を、前者1〜99重量部:後者99〜1重量部
    の比率で含有することを特徴とするキレート性組成物。
  2. 【請求項2】 下記反応工程 (1)〜(3) を順次実施し、
    イミノジコハク酸塩とヒドロキシイミノジコハク酸塩
    を、前者1〜99重量部:後者99〜1重量部の比率で含有
    する混合物を得ることを特徴とするキレート性組成物の
    製法。 (1) マレイン酸、そのアンモニウム塩および無水マレイ
    ン酸よりなる群から選択されるマレイン酸化合物とアン
    モニアとを、水性媒体中で反応させる工程、 (2) 次いで、反応液にアルカリ金属および/もしくはア
    ルカリ土類金属の水酸化物を加えて塩交換させる工程、 (3) 塩交換の後、反応混合物中の遊離アンモニア量を、
    工程(1) で用いたマレイン酸化合物に対して10モル%
    以下に調節した後、エポキシコハク酸、そのアルカリ金
    属塩およびアルカリ土類金属塩の1種以上を加えて反応
    させる工程。
  3. 【請求項3】 工程(1) において、反応系の気相中酸素
    濃度を5重量%以下とし、反応液の着色を防止する請求
    項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 工程(3) において、反応させるエポキシ
    コハク酸および/またはエポキシコハク酸のアルカリ金
    属塩および/またはアルカリ土類金属塩として、水性媒
    体中でマレイン酸と過酸化水素から製造されたcis−
    エポキシコハク酸および/またはそのアルカリ金属塩お
    よび/またはアルカリ土類金属塩の水性スラリーおよび
    /または水溶液を使用し、残存する過酸化水素をcis
    −エポキシコハク酸および/またはそのアルカリ金属塩
    および/またはアルカリ土類金属塩に対して3重量%以
    下とすることにより、反応液の着色を防止する請求項2
    または3記載の方法。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載のキレート性組成物をビ
    ルダーとして含有することを特徴とする洗剤組成物。
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