JPH0633432B2 - 透明な棒状石鹸 - Google Patents

透明な棒状石鹸

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JPH0633432B2
JPH0633432B2 JP8019888A JP8019888A JPH0633432B2 JP H0633432 B2 JPH0633432 B2 JP H0633432B2 JP 8019888 A JP8019888 A JP 8019888A JP 8019888 A JP8019888 A JP 8019888A JP H0633432 B2 JPH0633432 B2 JP H0633432B2
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は顕著な透明性を有する透明な棒状石鹸(soap ba
r)に関する。
従来の技術 化粧石鹸は長鎖脂肪酸塩と溶媒(通常水)との混合物か
らなり、固体結晶,液晶及び液体の3相から形成されて
いる。多くの棒状石鹸の場合、その透明さは幾つかの相
ドメイン間の界面で光が散乱される結果得られる。特
に、化粧点鹸の非晶質連続相(amorphous continuum)中
に小固体結晶が多数存在していると、入射光が多くの界
面を通過し得る。幾つかの相が異なる反射率を有してい
るため、光は棒を通過するよりもむしろ散乱されるであ
ろう。固体結晶が本来異方性であることに留意された
い。固体結晶の反射率は配向に応じており、従って液体
相の反射率が固体相の全ゆる配向の反射率と適合するこ
とはあり得ない。
化粧石鹸の透明性を改良すべく固体結晶のサイズを縮小
する提案がなされた。サイズを縮小させると前記結晶に
基因する光の散乱を減らしたり若しくは完全になくすこ
とができる。例えば、米国特許 4,517,107(Clarkeら)
には、キャビティ・トランスファー型混合機として公知
の装置における2個の相互に変移可能な表面(tow mutua
lly displaceable surfaces)間で剪断作用を受けて透明
になる石鹸含有組成物が記載されている。
固体結晶の問題を解消すべくエタノールのような蒸発可
能な溶媒を含む溶液から石鹸混合物を結晶化させること
も提案された。この方法によると、形成されるかもしれ
ない固体結晶のサイズを限定することができる。例え
ば、米国特許 4,504,433(Inuiら)では、獣脂//ヤシ
油を20%エタノールの存在下で水酸化ナトリウム水溶液
で鹸化し、そこに三盆白(white sugar),ポリエチレン
グリコール及びグリセリンを添加し、得られた組成物を
型に注入して冷却乾燥している。糖を存在させることに
より、幾つかの相の反射率を適合させて透明な棒が形成
される。
米国特許 3,926,828(0′Neillら)に記載されている別
の方法では、分岐鎖構造の飽和遊離脂肪酸を使用して繰
返し使用後も透明性及び当初の光沢ある外観を保持する
棒状石鹸を得ている。前記組成物は遊離のトリエタノー
ルアミンを含有する棒状石鹸の典型例である。
米国特許 2,820,768(Framont)には典型的な透明棒状
石鹸が記載されており、“ニユートロジーナス(neutrog
enous)”なる用語が実質量の酸中和物質(即ちトリエタ
ノールアミン)が存在していることを示すものとして初
めて使用されている。得られた棒状石鹸は、実質量の遊
離トリエタノールアミンを含むナトリウム及びトリエタ
ノールアンモニウム石鹸(各35〜40%)の混合物を含
む。出発の脂肪及び油は透明性を改善するために30%ひ
まし油と高級脂肪酸塩を溶媒させるための助剤として鹸
化ひまし油由来のリシノレエートとを含むことが好まし
いと記載されている。リシノレエート(ricinoleate)
は冷却時に最終石鹸内での高級脂肪酸塩の結晶化を抑制
すると記載されている。ここでリシノレエート及びひま
し油は出来ればコストの点で石鹸中に存在させたくない
高価な化合物であることに留意されたい。
米国特許 4,206,069(Borrello)にはコストの問題が指
摘されており、従来の透明棒状石鹸の粘着性の問題も指
摘されている。公知の透明棒状石鹸は実質的に吸湿性で
あるため、湿度が高いと透明性を失う。上記特許では、
硬度を高め、コストを下げ且つ透明性を改善するために
10〜65%の或る種の合成洗剤成分を配合することが教示
されている。ナトリウム及びトリエタノールアンモニウ
ム石鹸の混合物と合成洗剤が併用されている。この場合
アルキレングリコールやトリエタノールアミンのような
非揮発性溶媒を10〜45%配合させなければならない。
“ニュートロジーナス”理論と物理的剪断とを組合せた
方法が米国特許 4,474,683及び米国特許 4,397,760(St
ory ら)に記載されている。この場合、激しい剪断作用
を与え得る強力な向流混合方法でグリセリン及びトリエ
タノールアミンを含む脂肪酸混合物と苛性ソーダ混合物
を混合している。得られた石鹸はフィルム状であるが、
湿ったときに実際水晶のような透明(crystal clear)に
なると記載されている。棒状石鹸は夫々30.5%、25.9%
のナトリウム及びトリエタノールアミン(TEA)石鹸の
混合物を含み、遊離TEA は22.1%、水は 6.3%存在する
と記載されている。
従来の多くの棒状石鹸、特に“ニュートロジーナス”ト
リエタノールアミン方法で製造した石鹸の問題として、
実質的な着色の問題が挙げられる。多くの公知製品は透
明ではあるが、暗褐色を呈している。米国特許 4,468,3
38(Lindberg)では、混合ナトリウム及びトリエタノー
ルアンモニウム脂肪酸石鹸に関連して上記した着色の問
題が指摘されている。色が暗くなるのを抑え且つ透明性
を失わないためにはクエン酸塩とアルカリ金属メタ重亜
硫酸塩との配合物のような添加剤を配合しなければなら
ない。
本発明の目的は、実質的な改良された透明性を有してお
り、その透明性が棒状石鹸の使用中維持される透明な棒
状石鹸を提供することにある。
本発明の他の目的は、充分な透明性を得るためにひまし
油やリシノレエートのような高価な脂肪及び油を必要と
しない棒状石鹸を提供することにある。
本発明の他の目的は、従来の石鹸に比べて着色度の少な
い透明な石鹸を提供することにある。
本発明の目的は、従来公知の棒状石鹸で見られたような
粘着性を示すことなく高い硬度を有する透明な石鹸を提
供することにある。
本発明の更に他の目的及び作用効果は本発明の以下の記
載から明らかであろう。
発明の要旨 本発明により提供される透明な棒状石鹸は、 i)アルカノールアンモニウムとC12〜C22脂肪酸のア
ルカリ金属塩とを約 0.1〜1.0 未満のアルカノールアン
モニウム対アルカリ金属脂肪酸塩のモル比で含む混合
物;及び ii)水と遊離アルカノールアミンとを0.25以上〜1.0 未
満の重量比で含む液体溶媒系; からなり、全脂肪酸塩対溶媒の重量比は0.02以上〜1.0
未満である。
本発明の透明な棒状石鹸は、主に、好ましくは独占的に
1個の等方性相を含む組成物である。棒状石鹸は、主と
して遊離アルカノールアミン及び水からなる溶媒中にア
ルカノールアンモニウム及びアルカリ金属石鹸の混合物
を含む。これらの成分は上記した如く透明な棒状石鹸の
成分として公知のものである。しかしながら、製品の透
明性及び色を実質的に改善するために3種の臨界比を狭
い範囲に規定した記載は今までにない。本発明の棒状石
鹸では、透明な棒状石鹸を得るために特殊な分岐鎖脂肪
酸,ひまし油,リシノレエート又は他の添加剤を含有さ
せる必要もないし、また望ましくもない。本発明で規定
されている臨界比は次の通りである。
(1) 全脂肪酸塩対溶媒の重量比は0.02以上〜1.0未
満でなければならない。好ましくは0.25〜0.75であり、
最適には 0.5〜0.6 である。前記比は固体結晶の形成を
抑制するために十分低くなければならない。しかしなが
ら、室温で硬い棒状石鹸を形成するためには前記比は或
る程度高くなければならない。
(2) 水対遊離アルカノールアミンの重量比は0.25以上
〜1.0 未満でなければならない。好ましくは0.35〜0.6
、最適には 0.4〜0.5 である。前記比により、石鹸が
溶媒系で不溶性になるのを防止するのに十分な高い溶媒
誘電率を有するように前記成分の量が規定される。よっ
て固体結晶の生長が避けられる。しかしながら、水対遊
離アルカノールアミンの重量比は、溶媒誘電率が大きな
アルカノールアンモニウム対イオンが解離するのを防止
するのに十分な小さい値にするために或る程度低くなけ
ればならない。前記対イオンは石鹸分子のヘッドサイズ
をかなり増大させるからである。その結果、等方性立方
晶系液晶が、異方性の層状(lamellar)若しくは六方晶系
液晶相よりも詰まった球状ミセル(packed sphere-like
micelles)に形成される。
本発明において、“遊離”アルカノールアミンとは棒状
組成物中に存在する任意の酸を中和するのに必要な量を
越える過剰モル量のアルカノールアミンを指す。本明細
書において、アルカノールアミン及びアルカノールアン
モニウムはC〜Cモノ−,ジ−及び/又はトリエタ
ノールアミン及びアンモニウム化合物を包含すべく使用
される。例えば、本発明においてモノ−,ジ−及び/又
はトリエタノールアミン及びアンモニウムイオンが好適
である。トリエタノールアミン及びトリエタノールアン
モニウムカチオンが特に好適である。
(3) アルカノールアンモニウム対アルカリ金属脂肪酸
塩のモル比は約 0.1〜1.0 未満でなければならない。好
ましくは 0.5〜0.9 であり、最適には 0.6〜0.7 であ
る。前記比により立方晶系液晶が形成され得る。前記比
よりも小さいと、石鹸アニオンの小さなヘッドサイズに
より異方性液晶が形成される。しかしながら、前記比よ
りも大きくなると立体障害によりミセル形成が妨害さ
れ、石鹸の溶解性が低下すると共に固体結晶が形成され
る。
3種の比の最適値は相互に依存している。例えば、石鹸
対溶媒の比が高いときには、溶媒の誘電率がトリアルカ
ノールアンモニウム対イオンの解離が生ずる程の値まで
高くならないようにして水対アルカノールアミンの比を
高くすればよい。もしトリアルカノールアンモニウム対
イオンの解離が生ずると異方性液晶相が形成されるであ
ろう。
前記比の所望の値は存在する石鹸の不飽和度及び特定の
鎖長分布に依存する。例えば、平均鎖長を短かくしたり
又は不飽和度を高くすると、石鹸の溶解性が増す。こう
すれば、石鹸対溶媒の比を高くすることができる。しか
しながら、石鹸対溶媒の比が高くなるとアルカノールア
ンモニウム対イオンが解離する傾向を示すので、このと
きには溶媒中の水対アルカノールアミンの比を低くしな
ければならない。比を前記した範囲に調整すると、実質
的に不飽和石鹸を含まない組成物が得られる。不飽和石
鹸を含む透明な棒状石鹸は特徴的な黄色を有しているこ
とが示唆されている。
透明性を失わない範囲でサッカライドのような有機物質
又は酸化防止剤を少量溶媒系に添加してもよい。但し、
溶媒混合物の誘電率が急激に変化してはならない。前記
した添加剤が固体石鹸結晶を結晶化させたり又はアルカ
ノールアンモニウムカチオンを解離させるものであって
はならない。また、前記物質の濃度が遊離アルカノール
アミンの量を組成物の10%以下に低下させる濃度であっ
とはならない。
溶媒系に電解質を添加することは避けなければならな
い。電解質は石鹸の溶解性を低下させると共に異方性液
晶の形成傾向を増大させるからである。
前記した各比を物理的現象に関連して理論的に説明して
きたが、本発明がこれらの理論に束縛されるものではな
いことに留意されたい。
液体溶媒系は本発明における必須の成分である。溶媒系
は室温で液体の成分を含まなければならないと定義付け
られる。水及び遊離アルカノールアミンが通常の溶媒成
分である。しかしながら、別の水混和性有機液体物質を
配合するときには、存在する溶媒の量を考慮しなければ
ならない。従って考えられ得る溶媒としては、エタノー
ル,アルキルグリコール,クリセリン等の一価及び多価
アルコール;ジエチルエーテル,フェニルエチルエーテ
ル等のアルキル及びアリールエーテル;ジエチルフタレ
ート,エチルアセテート,イソプロピルパルミテート,
ジエチネスクシネート等のアルキル及びアリールエステ
ル;メチルエチルケトン,アセトン等のアルキル及びア
リールケトン;及びその混合物が挙げられる。
本発明の組成物は、成分が溶解するまで成分を加熱混合
して製造される。その後組成物を冷却し、固化させる。
混合物は固化中静止状態になければならない。しかし、
所望ならば、混合物を冷却固化する前に各モールドに注
入してもよい。これらモールドが透明であることが特に
望ましい。
固化した材料を透明にするために強力な剪断加工が必要
なわけではなく、また望ましくもない。一旦固化が始ま
ると材料中の剛性が失われるからである。更に、最適な
透明度を有する組成物を得るために充分な時間乾燥若し
くは熟成させる必要もない。
本明細書中、“透明”なる用語は一般的な意味で使用さ
れる。従って、透明な石鹸とはガラスのように後にある
物体が見えるような石鹸である。対照的に、半透明な石
鹸とは、光は通過するが結晶乃至不溶物が非常に少量存
在するために光の散乱が生じ、従って半透明な石鹸の後
にある物体を確実に同定することが出来ないような石鹸
である。
本発明において棒状石鹸の透明度とは、10cm厚さのサン
プルに 200〜800 nmの任意の波長を有する光を当てた
ときの最大透光率(maximum trans-mittance)が少なくと
も 1%のものと理解されたい。前記サンプルにおける最
大透光率が0.01〜 1%未満のときには半透明な棒状石鹸
と見做される。最大透光率が0.01%未満のときには不透
明な棒状石鹸と見做される。前記した透光率は、所定の
厚さの固体石鹸サンプルをHewlett-Packard 8451A Diod
e Array分光計のようなUV-VIS分光計の光ビーム路に置
いて簡単に測定される。この透明度の測定方法による
と、従来方法に比べて色と無関係に光学透明度を高感度
で測定できる。
本明細書において、“石鹸”なる用語は一般的な意味で
使用される。即ち、脂肪族アルカン−若しくはアルケン
モノカルボン酸のアルカリ金属又はアルカノールアンモ
ニウム塩を指す。アルカノールアンモニウムとは、窒素
カチオンが1個,2個又は3個のC〜Cヒドロキシ
アルキル基で置換された化合物を指し、その例としてト
リエタノールアンモニウムカチオンが挙げられる。適当
なアルカリ金属カチオンとしてはカリウム及びナトリウ
ムが挙げられ、後者が好ましい。
本発明で使用され得る石鹸は、約12〜22個、好ましくは
12〜18個の炭素原子を含む天然又は合成脂肪酸(アルカ
ン酸若しくはアルケン酸)の公知の塩である。ココナツ
油の脂肪酸分布を有する石鹸の場合には、その分子量は
広い分子量範囲の中で下限に位置する。ピーナツ油若し
くは菜種油又はその水素化誘導体由来の脂肪酸分布を有
する石鹸の場合には、その分子量は広い分子量範囲の中
で上限に位置する。
ココナツ油若しくは獣脂又はその混合物の脂肪酸分布を
有する石鹸を使用することが好ましい。何故ならば、こ
れらは容易に入手可能な脂肪であるからである。ココナ
ツ油石鹸中に占める炭素数が少なくとも12の脂肪酸の割
合は約85%である。この割合は、ココナツ油と主鎖長C
16以上の脂肪例えば獣脂,パーム油,或いは非トロピカ
ルナツツ油又は脂肪の混合物を使用したときには更に高
くなるであろう。
石鹸として使用されるココナツ油の全部又は一部を他の
“高ラウリン”油即ち全脂肪酸の少なくとも50%がラウ
リン酸若しくはミリスチン酸及びその混合物からなる油
及び脂肪で置換されていてもよい。前記油の一般的な例
として、ココナツ油類のトロピカルなナッツ油(tropiec
al nut oils)が例示される。この中には、パーム核油,
ババスーヤシ油,ouricuri oil,ブラジルヤシ油(tucum
oil),コフネヤシ堅果油,ムルムル油,jaboty核油,k
hakan核油,dika堅果油及びucuhubaバターが包含され
る。
好ましいアルカリ金属石鹸は約15〜20%ココナツ油と約
80〜85%の獣脂の混合物である。これらの混合物は約95
%の炭素数12〜18の脂肪酸を含有する。石鹸をココナツ
油から製造してもよく、この場合の脂肪酸含量は約85%
のC12〜C18鎖長である。
石鹸が商業的な許容基準に従って不飽和化合物(unsatur
ation)を含んでいてもよい。通常過剰の不飽和化合物は
避けられる。
望ましくは少量の亜硫酸塩を存在させていてもよい。こ
れらの塩としては、重亜硫酸塩,ヒドロ亜硫酸塩,メタ
重亜硫酸塩,亜硫酸塩及びその混合物から選択される。
適当な塩の対イオンにはアルカリ金属,アルカリ土類金
属,アンモニウム,アルキル又はヒドロキシアルキルア
ンモニウムカチオン及びその混合物が包含される。塩を
存在させるとき、その量は約0.03〜0.3 重量%未満、好
ましくは0.03〜0.2 重量%未満、最適には0.03〜0.06重
量%である。前記したように本発明の透明な化粧石鹸に
適当な着色防止剤(color reduc-ing agent)を存在させ
得るならば、本発明の透明な化粧石鹸が例外的に僅かに
着色されていてもよい。公知の透明な棒状石鹸の場合に
は着色防止剤が本発明のとき程有効でない。
殺菌剤,香料及び着色料のような補助剤を存在させても
よい。しかしながら、コスト及び性能の点からヒマシ
油,リシノレエート,分岐鎖飽和脂肪酸及び棒状石鹸の
全量の50%以上の量の石鹸を配合することは望ましくな
い。
以下、本発明の実施例を示す。本明細書中、部、パーセ
ンテージ及び比率は全て特記しない限り組成物の全重量
に対する重量に基く。
実施例 1 本発明の明組成物の実施例を表I−A〜I−Eにリスト
する。これらの調合組成物は全て以下に概説する方法に
従って調製した。脂肪酸、メタ二亜硫酸ナトリウム、水
素化ホウ素ナトリウム及びブチルヒドロキシアニソール
(含有する場合)並びに少量の水をトリエタノールアミ
ンに溶解した。この混合物を約80℃で10分間加熱した。
次いで、残部水を含む溶媒、プロピレングリコール、ポ
リオールA-625及びエタノール(含有する場合)、グリ
セリン並びにナトリウム石鹸を添加した。揮発成分の損
失を防ぐ為に凝縮機を使用した。各成分を混合した後
に、該混合物を80℃にて全ての成分が溶解するまで撹拌
した。必要に応じて香料を最後に添加した。次にこれを
型に注入し冷却した。得られた石鹸棒は硬く透明であっ
た。
表I−A〜I−E中の幾つかの項目に関して以下補足説
明を加える。脂肪酸E-132は、パルミチン酸(50%)及
びステアリン酸(45%)含有混合物であってEmersol 13
2(商品名)としてEmery Chemical Co.から販売されて
いるユリステアリン酸を示すものであり、平均分子量2
72を有する。同様に、E-625はEmery Chemical Co.か
らEmery 625として市販されている、49%ラウリン酸及
び19%ミリスチン酸を含む一部硬化ココナツ脂肪酸であ
り、平均分子量207を有する。また、本組成物の調製
に於いて脂肪酸(E−132及びE−625)は、その
全量がトリエタノールアミンと反応してトリエタノール
アンモニウム石鹸を生成する。これはトリエタノールア
ミンが脂肪酸に対して過剰に調合されているからであ
り、前記反応が逆行したとしても余剰のトリエタノール
アミン(遊離トリエタノールアミンと言う)の存在によ
り、再びトリエタノールアンモニウム石鹸が生成するた
め、実質的に前記反応は不可逆で且つ完全進行するとい
え、脂肪酸の全量がトリエタノールアンモニウム石鹸と
なっている。全実例に於いて、石鹸とは不透明化粧石
鹸、即ち、獣脂ナトリウム及びココナツ脂肪酸ナトリウ
ムの混合物を意味する。この際、獣脂塩対ココナツ脂肪
酸塩の比を“T”で特定する。つまり、1,2,3及び
4で示される該Tは、夫々前記比が82/18,64/36,40/6
0及び00/100 であることを示すものである。湿り分(mo
isture)は不透明化粧石鹸中の水分(%)で示されてい
る。ポリオールは、Imperial Chemical Industries of
AmiricaがPolyol A-625(商品名)で販売している、固
形分70%及び水30%を含有する水素化デンプン水解物で
ある。BHAはブチルヒドロキシアニソール(抗酸化
剤)の略称である。
実施例 2 この実施例は、前述の臨界的な各比、即ち石鹸対溶媒、
水対遊離トリエタノールアミン及びトリエタノールアン
モニウム石鹸対ナトリウム石鹸を堅持することによって
諸性質が改良され得ることについて説明するものであ
る。ただし、遊離トリエタノールアミンとは、脂肪酸に
対して過剰に調合される故に、脂肪酸との反応(トリエ
タノールアンモニウム石鹸の生成)後に残るトリエタノ
ールアミンという。
以上の表II−A〜II−Eに於いて、石鹸棒の硬さは1
(硬い)か又は2(液状)で表してある。この場合の
“硬い”棒のみが本発明範囲に入るものである。透明度
に関しては、1,2及び3の数字で、夫々透明、半透明
及び不透明を示す。透明な棒のみが認容し得るものであ
る。
各比を計算する際に、石鹸重量はトリエタノールアンモ
ニウム石鹸及びナトリウム石鹸の両者の全無水物重量を
意味する。ここで、全無水物重量の計算方法について説
明する。先ず、トリエタノールアンモニウム石鹸の全無
水物重量についてだが、脂肪酸一分子とトリエタノール
アミン一分子とが反応してトリエタノールアンモニウム
石鹸を生成することから、トリエタノールアンモニウム
石鹸の分子量が求められる(該脂肪酸とトリエタノール
アミンの分子量の合計に他ならない)。
次に、該脂肪酸は全量が反応してトリエタノールアンモ
ニウム石鹸となるので、組成物中に調合した脂肪酸のモ
ル数と、生成するトリエタノールアンモニウム石鹸のモ
ル数は同一であることが分かる。従って、その平均分子
量、及びその調合重量より計算した該脂肪酸のモル数、
並びにトリエタノールアンモニウム石鹸の分子量より、
生成するトリエタノールアンモニウム石鹸の重量が計算
できる。
また、ナトリウム石鹸の全無水物重量は、調合したナト
リウム石鹸重量より湿り分を差し引くことで得られる
(湿り分とは、調合したナトリウム石鹸中に含有される
水の重量を百分率表示したものである。)。溶媒重量は
遊離トリエタノールアミン、水及び全ての水混和性有機
液体の全重量である。また、亜硫酸ナトリウム、水素化
ホウ素ナトリウム、ブチルヒドロキシアニソール、及び
ポリオール中の70%量は固形分である。水の重量と
は、不透明化粧石鹸、ポリオール及び添加された水を含
む全ての原料に由来する水の全重量を意味するものであ
る。ここで、不透明化粧石鹸中に含有される水は湿り分
として表中に示されており、ポリオール中に含有される
水はポリオール重量の30%量である。
表II−Aは全脂肪酸石鹸対溶媒の重量比を変化させたと
きの効果を検討したものである。水対トリエタノールア
ミンの重量比及びトリエタノールアンモニウム石鹸対ナ
トリウム石鹸のモル比は一連の実例を通じて一定に維持
した。ここで、石鹸の分子量についてはケン化価(文献
値)より計算した。以下、表中の各数値の計算方法を、
実例10について具体的に例示することで説明する。
a)石鹸の重量の計算 表I−A中より、組成物100g中の脂肪酸E−132
の重量は12.5gである。前述のように脂肪酸E−1
32の平均分子量は272であるので、脂肪酸E−13
2のモル数は0.046である。調合した脂肪酸のモル
数は、生成するトリエタノールアンモニウム石鹸のモル
数と同一であるので、生成するトリエタノールアンモニ
ウム石鹸のモル数は0.046である。
また、トリエタノールアンモニウム石鹸の平均分子量
は、E−132平均分子量272及びトリエタノールア
ミンの分子量149から421(149+272)と計
算できる。従って、組成物100g中のトリエタノール
アンモニウム石鹸の重量は0.046×421=19.
4となり、同時にここで、遊離トリエタノールアミンの
重量が、48.6−0.046×149=41.8と計
算できる。
次に、組成物100g中の石鹸の重量は、表I−A中よ
り22.0gであるが、これは水分(湿り分)を有する
値である。従って、水分を差し引いた石鹸の重量、即
ち、石鹸の全無水物重量は22.0×(1−0.11
8)=19.4gとなる。
以上より、組成物中100gの石鹸成分の全無水物重量
は前記トリエタノールアンモニウム石鹸及び石鹸の全無
水物重量の合計重量である19.4+19.4=38.
8gとなる。
b)溶媒の重量の計算 遊離トリエタノールアミンは、a)より41.8gであ
る。水に関しては、添加した水16.0g、及び石鹸中
の湿り分2.6(22.0×0.118)gの合計であ
るため18.6gと計算できる。残りの成分のうち溶媒
の定義に含まれるものは香料であり、その重量は0.9
gである。従って、組成物100g中の溶媒重量は、4
1.8+18.6+0.9=61.3gとなる。
c)石鹸の分子量の計算 本発明で用いる石鹸は獣脂及びココナツオイルからなる
油脂のナトリウム塩である。獣脂及びココナツオイルの
ケン化価は文献(Bailey′s Indus trial Oil and Fat
Products, Volume 1, 4th Ed ition, page 514)より、
それぞれ、250〜264及び195〜205と分か
る。本例では獣脂及びココナツオイルの混合比が82/
18である(T=1である)ので、前記油脂の平均ケン
化価は0.82×250×0.18×195=205と
なる。
ケン化価とは『油脂1gをケン化するのに必要なKOH
の重量(mg)』であるので、前記油脂1gケン化に2
05mgのKOHが必要であることになる。従って、K
OH1モル(56.13g)当たりと反応する(ケン化
される)油脂の重量(g)は(1/0.205)×5
6.13=273.8gとなる。
油脂とは高級脂肪酸のグリセリンエステルであり、1分
子の油脂のケン化には3分子のKOHが必要である(グ
リセリンエステルが3価のエステルである)ことから該
油脂の平均分子量は273.8×3=821.4と計算
できる。
ここで、前記油脂のケン化後に生成する脂肪酸ナトリウ
ム塩が本例のナトリウム石鹸であるから、本例のナトリ
ウム石鹸の平均分子量は、前記油脂の平均分子量82
1.4からグリセリンの分子量92.0を差し引いた
後、エステルの価数3で除した値にNaOHの分子量を
加算した値となる。即ち、(821.4−92.0)/
3+40.0=283.1よりナトリウム石鹸の平均分
子量は283.1と計算できる。
以上が石鹸の平均分子量の計算方法であるが、本例以外
で、原料油脂である獣脂/ココナツオイルの混合比が異
なる場(表中のTの値が異なる例)には、混合比からケ
ン化価の平均値を比例計算すること以外は同様の方法で
石鹸の平均分子量を計算することができる。
d)表II−A中の数値の計算 石鹸/溶媒の重量比はa)及びb)より、38.8/6
1.3=0.63となる。
水/TEAの重量比はa)及びb)より、18.6/4
1.8=0.44となる。
TEA石鹸/石鹸のモル比はa)及びc)より、(1
9.4/421)/(19.4/283.1)=0.6
7となる。
以上、実例10について具体的な計算方法を示したが、
他例の数値についても同様に計算できる。
また、実例10以外の数例で添加するポリオールについ
ては、その重量の30%量を組成物中の水として計算し
た。実例1は、全石鹸対溶媒の重量比が0.02の場合には
透明になるにもかかわらず液状となって硬さの点で不満
足であることを示している。一方、実例13は、該比の上
限が1.01未満であることを示すものであり、1.01に於い
てもはや透明ではなく半透明になってしまうことを表わ
している。
表II−Bは、水対遊離トリエタノールアミン(TEA)
の重量比の変化について検討したものである。他の比は
一定に保った。実例14で示されるように、水対遊離TE
Aの重量比が0.06の場合には硬さは適当であるが棒は不
透明になる。一方、実例15のように該比が0.25になると
硬さは適当であるが棒は半透明にしかならない。実例16
〜23に於ける該比が硬さ及び透明度の両者の点で満足し
得る値を示すものである。実例24及び24は該比が1.00及
び1.42では棒が再び半透明になることを示している。
表II−Cは、TEA石鹸対ナトリウム石鹸のモル比の変
化による効果を示すものである。他の比は一定に維持し
た。実例26から少くとも或る量のTEA石鹸が必要なこ
と、即ち該比が 0より大でないと透明なものが得られな
いことが判る。実例27〜33は満足すべき該比を示すもの
である。この範囲に於いて硬く透明な棒が得られる。実
例34〜37は該比が1.00以上になると棒が不透明になり、
この比が更に大きくなると組成物が液状になってしまう
こと示している。
表II−Dは、これまでの表II−A〜II−Cで規定された
範囲内で三種類の比をランダムに変化させた場合の効果
を示したものである。全ての組成物が硬さ及び透明度の
点で満足すべきものであった。
表II−Eは、上記三種類の比が前記範囲外の場合を示す
ものである。いずれの組成物も満足すべき硬さ及び透明
度を兼備し得ないことが判る。
フロントページの続き (72)発明者 ジエリー・ジヤロスラバ・クラパ アメリカ合衆国、ステイト・オブ・ニユ ー・ジヤージー、カウンテイ・オブ・モー リス、ロツカウエイ・タウンシツプ、オナ イダ・アベニユ・19 (56)参考文献 特公 昭47−7555(JP,B1)

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】i)アルカノールアンモニウムとC12〜C
    22脂肪酸のアルカリ金属塩とを約 0.1〜1.0 未満のアル
    カノールアンモニウム対アルカリ金属脂肪酸塩のモル比
    で含む混合物;及び ii)水と遊離アルカノールアミンとを0.25以上〜1.0 未
    満の重量比で含む液体溶媒系; からなる透明な棒状石鹸であって、全脂肪酸塩対溶媒の
    重量比が0.02以上〜1.0 未満であることを特徴とする棒
    状石鹸。
  2. 【請求項2】アルカノールアミンがトリエタノールアミ
    ンであり、アルカノールアンモニウムイオンがトリエタ
    ノールアンモニウムである請求項1記載の棒状石鹸。
  3. 【請求項3】アルカノールアンモニウム対アルカリ金属
    脂肪酸塩の比が 0.5〜0.9 である請求項1記載の棒状石
    鹸。
  4. 【請求項4】アルカノールアンモニウム対アルカリ金属
    脂肪酸塩の比が 0.6〜0.7 である請求項1記載の棒状石
    鹸。
  5. 【請求項5】全脂肪酸塩対溶媒の比が0.25〜0.75である
    請求項1記載の棒状石鹸。
  6. 【請求項6】全脂肪酸塩対溶媒の比が 0.5〜0.6 である
    請求項1記載の棒状石鹸。
  7. 【請求項7】水対遊離アルカノールアミンの比が0.35〜
    0.6 である請求項1記載の棒状石鹸。
  8. 【請求項8】水対遊離アルカノールアミンの比が 0.4〜
    0.5 である請求項1記載の棒状石鹸。
  9. 【請求項9】脂肪酸塩が獣脂脂肪酸塩とココナツ脂肪酸
    塩の混合物である請求項1記載の棒状石鹸。
  10. 【請求項10】獣脂対ココナツの比が90:10〜30:70で
    ある請求項9記載の棒状石鹸。
  11. 【請求項11】更に、重亜硫酸塩,ヒドロ亜硫酸塩,メ
    タ重亜硫酸塩,亜硫酸塩及びその混合物から選択された
    化合物を含む請求項1記載の棒状石鹸。
  12. 【請求項12】化合物の濃度が0.03〜0.2 重量%である
    請求項11記載の棒状石鹸。
  13. 【請求項13】化合物の濃度が0.03〜0.06重量%である
    請求項11記載の棒状石鹸。
  14. 【請求項14】溶媒が水,トリアルカノールアミン,一
    価及び多価アルコール,アルキル及びアリールエーテ
    ル,アルキル及びアリールエステル,アルキル及びアリ
    ールケトン及びその混合物から選択される請求項1記載
    の棒状石鹸。
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