JPH06335332A - ベントグラスの形質転換植物体の製造方法 - Google Patents

ベントグラスの形質転換植物体の製造方法

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JPH06335332A
JPH06335332A JP5347623A JP34762393A JPH06335332A JP H06335332 A JPH06335332 A JP H06335332A JP 5347623 A JP5347623 A JP 5347623A JP 34762393 A JP34762393 A JP 34762393A JP H06335332 A JPH06335332 A JP H06335332A
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JP
Japan
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callus
bentgrass
protoplasts
gene
plant
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Application number
JP5347623A
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English (en)
Inventor
Tomoya Akihama
友也 秋浜
Katsumi Yoneyama
勝美 米山
Hirofumi Kuroda
浩文 黒田
Satoshi Shinozaki
聡 篠崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mayekawa Manufacturing Co
Original Assignee
Mayekawa Manufacturing Co
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Publication date
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  • Breeding Of Plants And Reproduction By Means Of Culturing (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 同種の雑草に対する病虫害や除草剤に対し大
きな抵抗力を持ち、好ましくは前記雑草に対し強靱な生
命力を持つ、ベントグラスの形質転換植物体の製造方法
を提供する。 【構成】 ベントグラスの種子、幼根、ランナーなどか
ら再分化能を有するカルスを誘導する手段と、上記誘導
カルスより懸濁培養細胞を得、さらに該細胞からプロト
プラストを単離する手段と、上記単離したプロトプラス
トへ外来遺伝子を導入する電気的手段と、上記遺伝子を
導入したプロトプラストを、培養してカルスを再度形成
させ、選抜する手段と、上記選別したカルスより形質転
換した植物体を再生する手段とを組合せ構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ランナー型ベントグラ
ス(クリーピングベントグラス)の種子などから誘導さ
れた再分化能を持つカルスを培養して得られた培養細胞
より単離したプロトプラストへの外来遺伝子を導入し、
ベントグラスの所望の形質転換を可能にした形質転換植
物体の製造方法に関する。
【0002】
【本発明の概要】ベントグラスの細胞レベルでの育種技
術はここ数年で大きく進展し、レッドトップとクリーピ
ングベントグラス‘ぺンクロス’ではembryogenic call
usからの植物体再生、プロトプラストからの植物体再生
に成功し、さらにレッドトップでは、形質転換体の作出
も報告されている。本研究では、今回、ベントグラスの
なかでも重要な品種であるベンクロスを材料として、エ
レクトロポレーションによってbar遺伝子を導入し、
形質転換に成功した。
【0003】まず、形質転換細胞の選抜に用いるビアラ
ホスに対するベンクロスの感受性を、コロニー成長およ
び再分化植物体について検討した。懸濁培養細胞からプ
ロトプラストを単離し、アガロースビーズ法とナース培
養法を併用した方法で14日間培養し、その後、ナース
細胞を除去し、アガロースビーズを新しい培地に移すと
同時に、液体培地部分にビアラホスを終濃度で0〜5m
g/lとなるように添加して2週間培養した。その結
果、1mg/l以上の濃度で完全にコロニー成長を抑制
することが出来た。また再分化植物体を0〜1.0mg
/mlのビアラホスを含む培地に移し3週間培養した結
果、5mg/l以上の濃度で完全に枯死した。
【0004】次にエレクトロポレーションを行った。2
×106 protoplasts/mlの濃度でプロトプラストをエレ
クトロポレーション緩衝液に懸濁し、これに、終濃度で
20μg/mlとなるようにplasmid DNAおよびcarr
ier DNAを加え、400V/cmの減衰波を50ms
ecかけて遺伝子導入を行った。なお、Plasmid DN
AはpARK22(35S+bar) を用いた。エレク
トロポレーション後、プロトプラストを上記の方法で培
養し、14日目に終濃度で1mg/lとなるようにビア
ラホスを添加して選抜を開始した。2〜3週間でビアラ
ホス耐性コロニーが確認でき、さらに、2mg/lのビ
アラホスを含む培地上で二次選抜を行った。Table 1に
二次選抜後に確認されたビアラホス耐性コロニーの出現
数を示す。ビアラホス耐性コロニーはその後増殖させ、
再分化培地に置床した。1〜2ヵ月でshoot形成が
確認された。ビアラホス耐性カルスからDNAを単離し
サザン解析を行った結果、bar遺伝子のDNAへの組
み込みが確認された。また、形質転換カルスを、0〜5
0mg/lのビアラホスを含む液体培地に移したとこ
ろ、全ての濃度で増殖し耐性を示した。さらに、再分化
植物体を10mg/lのビアラホスを含む培地に移した
が、枯死することなく成長を続け、耐性を示した。
【表1】 次に従来技術及びその問題点について説明する。
【0005】
【従来の技術】従来、芝草であるベントグラスは、イネ
科のイチゴツナギ亜科に属するヌカボ属に分類され、そ
の品種改良は人工交雑や突然変異によってなされてき
た。上記人工交雑では、近縁種のみしか雑種が得られ
ず、特定の性質をベントグラスに与えることは不可能で
あった。また、突然変異法では、目的とする性質を得る
ことが困難でであり、再現性がなかった。然し、最近の
バイオ技術の急速な発展により、植物体を細胞までに分
解し、植物体をその細胞より自由に作り出すことが望ま
れ、ある特定の材料に対しては、細胞にまで分解する技
術、細胞を培養する技術、細胞から植物を再分化させる
技術が確立されており、これまで困難とされてきたイネ
科植物の細胞育種が可能になってきた。イネにおいて
は、「イネの細胞融合」が特開昭63ー173530に
開示され、また、「イネの識別マーカーを利用した細胞
融合」が特開平1ー179635に開示され、イネの品
種改良に貢献されてきた。然し細胞融合の場合、融合し
て出来る植物は複2倍体の形となり、不必要で不利な遺
伝子も取り込まれることになる。
【0006】そのため、必要な遺伝子のみの導入が当然
必要になるが、この遺伝子導入に最も一般的に使用され
るアグロバクテリウムを用いた手法の使用が、イネ科植
物にはその適用困難であるため、所要の効率的にして有
用な形質転換体の作出は困難とされてきた。然し、エレ
クトロポレーション法の普及に伴い、イネ科植物への遺
伝子導入が可能になつてきた。例えば、特開平1ー18
1791号公報には、イネ科植物で機能するプロモータ
ー、外来遺伝子、ターミネーターを有するプラスミド
と、イネ科植物由来のプロトプラストとを液体媒体に懸
濁し、上記懸濁液に電気パルスを印加して前記プラスミ
ドをプロトプラスト内に導入した後、イネ培養細胞を含
有する培地で培養してコロニーを形成させ、該コロニー
より植物体を再生させて、形質転換させたイネ科植物を
作成する製造方法が開示されている。また、特開平1ー
63373号公報には、プロトプラストまたはそれの誘
導細胞からトウモロコシ植物体を再生する方法、前記プ
ロトプラストのための源を構成する胚形成細胞培養体
(懸濁培養体またはカルス)、前記胚形成細胞培養体及
びカルスの製造方法、遺伝学的に変更されたプロトプラ
ストより再生されたトウモロコシ植物体、等に関する、
トウモロコシへの遺伝子導入を開示されている。また、
特開平2ー5857号公報には、イチゴツナギ亜科のイ
ネ科植物の植物体に再生され得るプロトプラストまたは
植物細胞内に発現可能の外因性DNAを安定的に組み入
れ、それらを利用してカルスを形成し、そのカルスか
ら、形質変換された前記植物の再生方法が開示され、特
に、カモガヤへの遺伝子導入などが挙げられている。
【0007】然し、主要芝草であるベントグラスへの遺
伝子導入の文献による報告は、未だにされていない状況
である。ただ、前記特開平2ー5857には、前述のよ
うに、ベントグラスが属するイネ科のイチゴツナギ亜科
ヌカボ属への適用を示唆する記載があるが、具体的なプ
ロトプラスト培養方法や遺伝子導入の説明がなく、実施
例の記載もない。また、特開平3ー262426には、
ベントグラスの種子または幼苗細胞からカルスを作り、
カルスから培養細胞を作り、これらの細胞からプロトプ
ラストを調整し、該プロトプラストからカルスを再形成
し、再形成されたカルスを再分化してベントグラス植物
体を再生する方法が開示されているが、前記プロトプラ
ストへの遺伝子導入法は記載されていない。なお、浅野
らにより、[Plant Sci,79,247〜25
2(1991)]にベントグラスの一種であるレッドト
ップについての遺伝子導入の報告がなされているが、ラ
ンナー型の主要ベントグラスであるクリーピングベント
グラスへの遺伝子導入の記載はない。
【0008】一方ベントグラスのカルス、プロトプラス
トの培養についての報告は種々散見されており、その中
で特に主要芝草であるクリーピングベントグラスに関す
る文献を挙げると、例えば下記に示すように、カルス培
養系としては、 Crop Sci. 第22巻 第1193頁(198
2) Crop Sci. 第26巻 第1245頁(198
6) Plant Cell Rep.第10巻 第453頁
(1991) 植物組織培養学会、 9(3)、233(1992) があり、プロトプラスト培養系としては、杉浦ら;日本
芝草学会春季大会、71(1991)3/15(199
1)発表がある。また、特開平3ー262426には、
前述したように、 ベントグラスの種子や幼苗等よりカルスの誘導→懸濁培
養による培養細胞/細胞塊の生成→プロトプラストの作
成→カルスの再生→植物体の再生 の工程より成る「ベントグラスのプロトプラストを利用
した植物再生方法」が開示されている。
【0009】上記これらの方法は、植物体に再分化でき
るカルスを多数形成し、これらの多数のカルスより多数
の植物体再生能を保有するプロトプラストを作成し、こ
れらのプロトプラストより多数の植物体を再生できる
が、所要の形質転換を行なうことは無理であり不可であ
った。以上のように、該公知技術では、その適用が限定
されるものではない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、イネ科植物
のイチゴツナギ亜科に属し、ヌカボ属に分類されるベン
トグラスは、公園やゴルフ場などで多用されておるが、
その病虫害や雑草が大きな問題になつている。特に雑草
の駆除については、主たる雑草であるスズメノカタビラ
がベントグラスと同一のイチゴツナギ亜科に属するた
め、除草剤を使用すると、ベントグラスにも薬害を与え
枯死させてしまう問題があり、また、日本においては高
温多湿の気候が原因となり、真菌類がベントグラスに感
染しパッチ状、不定形状等の葉枯れ病状を呈し、場合に
よっては枯死に至る問題がある。また、害虫において
は、シバツトガ、タマナヤガ、マメコガネ等の幼虫が、
ベントグラスの根などを主食とするため、夏場これらの
幼虫が大量に発生した場合、ベントグラスを枯死にさせ
て大きな被害を受けることになる。
【0011】上記状況にあって、これらに対応できる新
品種のベントグラスの早急な作出が強く望まれている。
本発明は上記事項に鑑みなされたもので、前記病虫害や
除草剤に対し大きな抵抗力をを持ち、好ましくは前記雑
草に対し強靱な生命力を持つ、有用なベントグラスの形
質転換植物体の製造方法を提供する事を目的とするもの
である。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる技術的課
題を達成するために、不要な遺伝子の導入の恐れをなく
するため、ベントグラスの細胞内に希望する外来遺伝子
を直接導入するようにしたもので、ベントグラス(特に
芝草の主要品種であるクリーピングベントグラス)のプ
ロトプラストに所要の外来遺伝子を導入するプロトプラ
スト遺伝子導入手段法に、前記ベントグラスの種子等よ
り再分化能を有するカルスの誘導手段と、前記誘導した
カルスを懸濁液体培養により培養した細胞より、前記プ
ロトプラストを単離するプロトプラスト作出する手段
と、前記遺伝子を導入したプロプラストを培養してカル
スを再び形成させる手段と、該カルスより所要の形質転
換をしたベントグラス植物体を再生する手段とからなる
有用なベントグラスの形質転換植物体の製造方法を提案
するものである。
【0013】即ち、 ベントグラスの種子、幼根、ランナーなどから、植
物成長物質などを用いて再分化能を有するカルスを誘導
する手段と、 上記誘導カルスを液体振盪培養により、懸濁培養細
胞を得て、その各細胞から酵素液を介して細胞壁を除去
し、プロトプラストを単離する手段と、 上記単離したプロトプラストへ外来遺伝子を導入す
る電気的手段と、 上記遺伝子を導入したプロトプラストを、培養して
カルスを再度形成させ、選抜する手段と、 上記選抜したカルスを再分化させて、形質転換した
植物体を再生する手段と、 を組合せ構成したことを特徴とするものである。
【0014】なお、本発明の製造方法の適用できるベン
トグラスは、イネ科のイチゴツナギ(プーイデアエ)亜
科に属するヌカボ(アグロスティス)属に分類される各
種の芝草を指すもので、その名称は下記のとおりであ
る。 クリーピングベントグラス(Agrostis sto
lonifela) コロニアルベントグラス (A. ten
uis) ベルベットベントグラス (A. can
ina)
【0015】
【作用】上記手段により、再分化能を有するカルスを
誘導することが出来、手段により前記誘導カルスより
プロトプラストを単離することが出来、手段により所
要の外来遺伝子を導入することが出来、手段により前
記遺伝子を導入したカルスを再生することが出来、そし
てこれらと手段との組合せにより、求める形質転換を
した植物体を再生することが出来る。
【0016】
【実施例】以下下記の実施例に基づき本発明を構成する
手段につき、工程順を具体的に説明する。但しその範囲
を限定するものではない。 カルス誘導手段 ベントグラスの完熟または未熟の種子、ランナーなどの
材料を、70%エタノール水溶液及び次亜塩素酸ナトリ
ウム水溶液を用いて振盪滅菌し、よく水洗する。上記滅
菌処理をしたこれらの組織片を、植物成長物質(植物ホ
ルモン)などを含むMS寒天培地等に無菌条件下で置床
する。なお、前記ランナーにおいては、成長点をメス等
により切りだし、前記培地に置床する。ついで、前記組
織片を置床した培地を、20〜28℃、0〜3000L
uxで15〜20時間日長の条件下でカルスを誘導す
る。(好ましくは、25℃暗黒下でカルスを誘導す
る。) 上記条件下で、前記組織片を置床後、カルスは1ヶ月で
形成され、さらに1〜3ヶ月同様の培地で継代培養を続
けた後、カルス中から形成される再分化能を有する(エ
ンブリオジェニックな)カルスを選抜する。上記植物成
長物質は、カルス培養細胞を誘導維持するためには、オ
ーキシンが必要で、単独、または、低濃度のサイトカイ
ニンを組み合わせる。前記オーキシンとしては、2、4
−ジクロロフェノキシ酢酸(2、4−D)、または、ナ
フタレン酢酸(NAA)、 また
は、3−アミノ−3、4、6−トリクロロピコリン酸
(Picloram)または3、6−ジクロロ−2−メ
チルベンゼン酸(DICAMBA) 前記サイトカイニンとしては、カイネチン(Kinet
in)または、ゼアチン(Zeatin)または、ベン
ジルアデニン(BA)等が挙げられる。
【0017】 懸濁培養細胞からプロトプラストを単
離する手段 前記手段において選抜された再分化能を持つカルス
を、植物成長物質を含むMS、N6、AA、R2 培地
等で液体振盪培養をして、懸濁培養細胞を得る。つい
で、上記懸濁培養細胞から下記のようにしてプロトプラ
ストを単離する。即ち、セルラーゼ、マセロザイム、ド
リセラーゼ、ペクトリアーゼ等を含む酵素液中で、前記
培養細胞を15〜30℃、0〜50rpm、1〜18時
間処理することにより行なわれ、前記細胞の細胞壁が取
り除かれプロトプラストが得られる。 ついで、上記酵
素処理により細胞壁を取り除かれた細胞、即ちプロトプ
ラストを、30〜100μmのナイロンメッシュを通し
て、未消化組織を取り除き、さらに洗浄液で洗浄する。
【0018】下記に、前記洗浄液及び洗浄操作につき説
明する。前記洗浄液は、0.3〜0.8 M マニトー
ル、0.1〜0.8 mM 塩化カルシウム2水塩 を含む
水溶液で、前記マニトールの濃度により浸透圧を加減す
る。 洗浄は次のようにして行なう。即ち、上記洗浄液
を加えたプロトプラスト液中でペピット操作により注意
深く懸濁し、500〜2000rpmで3〜16min
遠心分離する。分離後沈澱しているプロトプラスト層を
壊さぬように不要の上澄み部分を取り除く。さらに新し
い洗浄液を加えさらにペピットで懸濁する。この操作を
2〜4回繰り返して酵素液を完全に除去する。上記洗浄
工程において、最も注意すべき点は、懸濁に際してはプ
ロトプラストを破損しないように注意深く行い、且つ短
時間の内に洗浄を終了するようにすることが必要で、こ
れらの点を等閑にするとプロトプラストの破損が増大す
る上にプロトプラストの生存率も低下する。
【0019】 プロトプラストへの外来遺伝子導入の
ための電気的手段 電気的手段としては高電圧の電気パルスによりプロトプ
ラストの細胞膜に1時的に孔をあけ、外来遺伝子を導入
するエレクトロポレーション法により行なう。まず、上
記のようにして精製された再分化能を有するプロトプラ
ストを、5×104〜5×107個/mlの濃度になるよ
うに緩衝液に懸濁し、ミクロチューブに0.5mlずつ
分注する。前記緩衝液は、マニトール、塩化カリウム、
塩化カルシウム2水塩、MES等を含むもので、あらか
じめ2〜10℃に冷却しされている。ついで、環状ある
いは線状プラスミドDNA、キャリアーDNAを添加す
る。上記プラスミドDNAとしては、耐性用遺伝子pG
L2やGUS遺伝子pBI221や除草剤耐性遺伝子p
ARK22やシャトルベクタ遺伝子pTRA403等が
あげられ、この方法は1度に2種類以上の遺伝子の導入
が可能である。ついで、前記チュウブを氷中に20mi
n置き冷却したのち、キュウベットに移したのち、エレ
クトロポレーション装置の電極を挿入して、800〜1
000μF・300〜900Vの減衰波を20〜60m
sec印加する。印加終了後、直ちにキュウペットから
チユウブへ移し、氷中で20min冷却する。
【0020】 遺伝子導入をしたプロトプラストを、
培養してカルスを再度形成させる手段 遺伝子導入処理したプロトプラストを5〜15%グルコ
ース、0〜5mg/lの植物成長物質を含んだMS、K
M8p、B5、R2などの液体培地に再懸濁する。この
懸濁液を液体状態である低融点アガロース(30〜40
℃)と混合し、シャーレ中で固化させる。なおこの際、
プロトプラストの濃度は、5×104 〜5×106 個/
mlになるようにあらかじめ調整しておく。ついで、上
記固化したアガロース片を、前記液体培地と同様の成分
の液体培地またはAA培地中に展開して、15〜30
℃、暗黒下で、0〜50rpmの振盪懸濁培養する。つ
いで、上記培養を4〜14日続けた後、培養細胞だけを
取りだし、同じ成分の新しい培地でさらに同じ条件下
で、5〜10日間培養する。ついで、前記アガロース片
から増殖してきたカルスの中より、遺伝子の導入された
カルスのみを、選抜して取出し、植物成長物質を含むM
S固体培地に置床する。なお、上記選抜は例えば前記プ
ラスミドDNAのpGL2とGUS遺伝子pBI221
とを同時に導入すると、簡単に選抜が出来る。
【0021】 カルスを再分化させて形質転換した植
物体の再生の手段 上記培養を7〜15日間続けた後、成長したカルスをサ
イトカイニンを含むかまたは含むMS固体培地に継代培
養をする。ついで、上記培養を7〜15日続けることに
より、前記カルスは再分化して、求める形質転換した植
物体を得ることが出来る。なお、上記サイトカイニンと
しては、Kinetin、BA、Zeatin等が好ま
しい。
【0022】次に本発明の他の実施例について説明す
る。 (1)プロトプラストの単離 クリーピングベントグラスの一品種であるペンクロスの
種子を滅菌後、オーキシンを含むMS寒天培地上に置床
し、カルスを誘導した。2〜3ヵ月間カルスを培養し、
この中からエンブリオジェニックなカルスを選抜し、オ
ーキシンなどを含むAA培地で振とう培養し、サスペン
ジョン細胞を得た。このサスペンジョン細胞の中から再
分化能を有する系を選抜し、前培養培地中で3〜5日培
養し、酵素処理した。酵素処理は、セルラーゼRS、ペ
クトリアーゼY−23、マニトール、MES、(pH=
5.6)を含む酵素液で25℃、暗条件下で3〜4時間
処理した。処理後、100μm及び20μmのナイロン
メッシュで酵素液を濾過し、洗浄液を加えた後、遠心分
離(1000rpmで5〜10分)して沈降したプロト
プラストを集め、さらに2回洗浄液で洗浄した。
【0023】(2)電気処理 精製したプロトプラストを5×106 個/mlの濃度に
なるように約5℃に冷却した緩衝液に懸濁させた。懸濁
液は、滅菌したチューブに0.5mlずつ分注しておい
た。この懸濁液にプロモーターとしてCaMV35S、
外来遺伝子としてpARK22、ターミネーターとして
NOSを連結し、PTZ18Rに組み込んだベクターを
20μg/ml、キャリアDNAとしてcalf th
ymus DNAを20μg/mlの濃度で添加し、約
20分氷中で冷却した。冷却後、プラスチックキュベッ
トに移し、エレクトロポレーション装置の電極を差し込
み、電気処理した。この時、500V/cm、30ms
pcの減衰波をかけた。パルス印加後、氷中で20分程
度冷却した。この時減衰波は300〜750V/cm、
20〜60mspcの範囲ならば特に問題が生じない。
【0024】(3)プロトプラストの培養 プロトプラストの培養は図1に示すように、ミックスナ
ース法で行ない、導入処理したプロトプラストを、KM
8P培地3を含むプロトプラスト培養液に再懸濁し、こ
の懸濁液を約40℃程度に冷却した低融点アガロース液
と混合し、6cmシャーレ中で固化した。この時、アガ
ロース片の厚さは、0.5〜1.0mmになるように
し、細胞の密度は1.0×106 個/mlとした。プロ
トプラストを含むアガロースをプロトプラスト液5ml
中に展開し、さらにサスペンジョン細胞4を100m
g、ナース細胞として入れ、培養した。プロトプラスト
の培養は25℃、暗条件下で30〜50rpmで振とう
させた。
【0025】(4)形質転換細胞の選抜 7〜15日間、プロトプラストを培養した後、ナース細
胞を除き、培養液で洗浄し、さらに培養を続けた。この
とき、第1次選抜として、ビアラホスを1.0mg/l
濃度になるように添加した。15〜20日後、耐性を示
したコロニーをアガロース片ごと、増殖培地に移し、ビ
アラフォスが2.0mg/l濃度になるように添加し、
第2選抜を行なった。ここで増殖したコロニーを選抜し
た。
【0026】(5)再分化 選抜されたカルスを再分化固体培地に移し、7〜15日
培養することにより、再分化し、植物体を得た。
【0027】(6)形質転換の調査 得られた形質転換体により、常法に従って、DNAを抽
出し、サザンハイブリダイゼーションによって、外来遺
伝子の存在を確認した。なお、ハイブリダイゼーション
に使用したプローブは、pARK22をBamHI、E
coRIで切断した部位(約0.9Kbp)とした。次
に前記実施例において使用した培地について説明する。
【0028】(1)プロトプラスト単離 a、(振とう培地)AA無機塩、オーキシン2,4−D
3mg/l,2%ショ糖,3%ソルビトール,200m
g/lカゼイン加水分解物,5mM MES PH=
5.8 b、(前培養)ショ糖をソルビトールにした培地を用い
る。 c、酵素液にはMS無機塩、0.5Mマニトール、3m
M MES,7mM塩化カルシウム2水塩 3%セルラーゼRS、0.1%ペクトリアーゼY−2
3、1%ドリセラーゼ、2%マセロザイムR10 PH
=5.8 d、洗浄液 0.3Mマニトール 0.3Mソルビトール 0.25mM塩化カルシウム2水塩(CaCl22H2O)PH
=5.8
【0029】(2)電気処理 a、緩衝液 7mM 塩化カリウム(KCl) 4mM 塩化カルシウム2水塩(CaCl22H2O) 0.5mM MES 0.5M マニトール PH=5.8
【0030】(3)プロトプラスト培養 KM8P培地,オーキシン2,4−D 0.5mg/l 0.4Mグルコース 0.8%アガロース(低融点)
【0031】(4)選抜 (増殖培地) MS培地 オーキシン2,4−D 1.0mg/l 0.8%アガロース 3%ショ糖,3%ソルビトール
【0032】(5)再分化 再分化固体培地 MS培地 ホルモンフリー又はカイネチン1mg/l 3%ショ糖 0.3%ゲランガム 200mg/lカゼイン加水分解物
【0033】尚MESとは2-(N-Morpholino)ethanesulf
onic acid, monohydrateを指す。又前記pARK22遺
伝子はbar遺伝子と呼ばれ、除草剤ビアラホスに耐性
を示す。つまり、bar遺伝子を有していない植物はビ
アラホスを与えると枯死するが、bar遺伝子が導入さ
れれば、枯死せずに成長する。pARK22遺伝子は特
開昭63−251087号,特開昭61−58589号
に開示されている。TPZ18Rは東洋紡(株)で市販
しているベクターである。
【0034】
【発明の効果】以上、記載した如く本発明によれば、従
来不可能とされてきたベントグラス特にクリーピングベ
ントグラスにおける、プロトプラストへの外来遺伝子の
導入を可能にし、そのため、同種の雑草に対し病虫害や
除草剤に大きな抵抗力を持たせることが出来、また使用
する遺伝子によっては前記雑草に対し強靱な生命力を持
つ有用な形質転換植物を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】ミックスナース法に基づくプロトプラストの培
養概要図

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベントグラスの種子、幼根、ランナーな
    どから、植物成長物質などを用いて再分化能を有するカ
    ルスを誘導する手段と、 上記誘導カルスを液体懸濁培養して、その培養細胞から
    酵素液を介してプロトプラストを単離する手段と、 上記単離したプロトプラストへの外来遺伝子導入の手段
    と、 上記遺伝子を導入したプロトプラストを、培養してカル
    スを再度形成させ、選別する手段と、 上記選別したカルスを再分化させて、形質転換した植物
    体を再生する手段と、を組合せ構成したことを特徴とす
    るベントグラスの形質転換植物体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記ベントグラスは、クリーピングベン
    トグラスであることを特徴とする請求項1記載のベント
    グラスの形質転換植物体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記外来遺伝子の導入は、エレクトロポ
    レーション法により構成した請求項1記載のベントグラ
    スの形質転換植物体の製造方法。
JP5347623A 1993-04-01 1993-12-24 ベントグラスの形質転換植物体の製造方法 Pending JPH06335332A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002066003A1 (fr) * 2001-02-19 2002-08-29 Pola Chemical Industries Inc. Composition utilisee dans l'electroporation
CN115521897A (zh) * 2022-09-22 2022-12-27 鲁东大学 一种从森林草莓愈伤组织中提取原生质体的方法

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US6878548B2 (en) 2001-02-19 2005-04-12 Pola Chemical Industries Inc. Composition for use in electroporation
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