JPH06344021A - 複合金属繊維の製造方法 - Google Patents

複合金属繊維の製造方法

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JPH06344021A
JPH06344021A JP15998393A JP15998393A JPH06344021A JP H06344021 A JPH06344021 A JP H06344021A JP 15998393 A JP15998393 A JP 15998393A JP 15998393 A JP15998393 A JP 15998393A JP H06344021 A JPH06344021 A JP H06344021A
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wire
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JP15998393A
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Sumio Abe
純夫 阿部
Yukio Aoike
由紀夫 青池
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Bridgestone Metalpha Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 クラッド構造を付与することにより特性が改
善された金属繊維を、集束伸線法により効率良くかつ低
コストで製造することにある。 【構成】 (イ)芯材1となる金属繊維の周囲を、特定
の関係を満たす厚さの外層金属材2にて覆いクラッド線
材3となす工程と、(ロ)クラッド線材3の周囲を外層
金属材2よりも耐酸性の低い金属の隔離材4で覆い、被
覆線材5となす工程と、(ハ)被覆線材5を多数本束
ね、外層金属材2よりも耐酸性の低い金属の外皮6で覆
い、多芯体7となす工程と、(ニ)多芯体7を縮径加工
し多芯素線8とする工程と、(ホ)多芯素線8中の外皮
6および隔離材4からなるマトリックスを溶解する工程
とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は金属繊維の製造方法に関
し、特に芯材と外層金属材とからなる複合金属繊維の製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】芯材および外層金属材として異種金属同
士を組み合わせ、クラッド構造とすることにより、単一
金属では得られない性質を持つ線材を得ることは広く知
られた技術である。
【0003】極細径の金属繊維に対しても、かかるクラ
ッド構造を持たせることにより同様の改良を施すことは
可能である。
【0004】一方、細径の金属繊維を効率良く製造する
方法としては集束伸線法があり、例えば特公昭50−3
9069号、特開昭61−137623号、同62−2
59612号各公報に開示されている。
【0005】すなわち、集束伸線法は、先ず、金属繊維
にしようとする線材をこの線材よりも耐酸性の低い金属
で被覆した素線を形成し、次いでこの素線を多数本集め
た束を、線材よりも耐酸性の低い金属で被覆して多芯体
を形成し、線材が所望の径の金属繊維となるまでかかる
芯体を縮径して、金属繊維がそれよりも耐酸性の低い金
属マトリックス中に埋設された多芯素線とし、さらにこ
の多芯素線のマトリックスを溶解して金属繊維束を得る
方法である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】クラッド構造を有する
極細径の金属繊維を製造するにあたり、太径クラッド線
材の製造方法のように1本毎に穴ダイス等で縮径加工し
ていたのでは生産効率が非常に低くなってしまい、コス
ト高は避けられない。
【0007】一方、上述の集束伸線法は単一材料からな
る金属繊維の製造を目的としたものであり、かつ最終工
程において多芯素線のマトリックスを溶解して金属繊維
を選別する際に、金属繊維がマトリックスとともに溶解
しないようにするために、金属繊維の材質はステンレス
鋼等の耐酸性の高いものに限られていた。このため、集
束伸線法にて製造される金属繊維の特性は限られたもの
となってしまい、例えば電気伝導度、熱伝導度、強度、
比重、磁気特性等が従来よりも大幅に改良された金属繊
維を集束伸線法により製造することは困難であった。
【0008】そこで本発明の目的は、クラッド構造を付
与することにより特性が改善された金属繊維を、集束伸
線法により効率良くかつ低コストで製造することのでき
る手段を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の複合金属繊維の製造方法は、(イ)芯材と
なる金属繊維の周囲を、次式(1)を満たす厚さの外層
金属材にて覆いクラッド線材となす工程と、 T/(D+2T)≧tc/df (1) 式中、T:外層金属材の厚さ(mm) D:芯材の直径(mm) df:最終製品の金属繊維の外径(μm) tc:芯材の結晶構造が面心立方格子および最密六方格
子の場合は2μm,芯材の結晶構造が体心立方格子の場
合は5μm (ロ)上記クラッド線材の周囲を上記クラッド線材の外
層金属材よりも耐酸性の低い金属からなる隔離材で覆
い、被覆線材となす工程と、(ハ)上記被覆線材を多数
本束ね、上記外層金属材よりも耐酸性の低い金属からな
る外皮で覆い、多芯体となす工程と、(ニ)上記多芯体
を縮径加工し多芯素線とする工程と、(ホ)上記多芯素
線中の外皮および隔離材からなるマトリックスを溶解
し、芯材と外層金属材とからなるクラッド構造を持つ金
属繊維の束を得る工程とを有するものである。
【0010】本発明の製造方法は、実施にあたり以下の
(1)〜(5)条件を適用することが好ましい。 (1)多芯体の縮径加工手段を穴ダイスによる冷間伸線
加工とする。
【0011】(2)多芯体を形成する工程における被覆
線材中のクラッド線材部分の断面積とマトリックスを溶
解して得られる金属繊維の断面積の比を10,000以
下とする。
【0012】(3)外層金属材をオーステナイト系ステ
ンレス鋼、ニッケル、ニッケル合金、チタンおよびチタ
ン合金からなる群から選ばれた金属材とする。
【0013】(4)芯材を銅、銅合金、銀、銀合金、ア
ルミニウムおよびアルミニウム合金からなる群から選ば
れた材料とする。
【0014】(5)芯材を銅メッキを施した炭素鋼とす
る。
【0015】
【作用】本発明の作用を、以下に図1を参照しながら各
工程ごとに説明する。 (イ)芯材1となる金属繊維の周囲を、次式(1)を満
たす厚さの外層金属材2にて覆いクラッド線材3となす
工程 T/(D+2T)≧tc/df (1) 式中、T:外層金属材2の厚さ(mm) D:芯材1の直径(mm) df:狙いとする金属繊維11の外径(μm) tc:芯材1の結晶構造が面心立方格子および最密六方
格子の場合は2μm,芯材1の結晶構造が体心立方格子
の場合は5μm
【0016】芯材1および外層金属材2は、最終的に本
発明により製造されるクラッド構造を有する金属繊維9
の芯材1および外層金属材2を成す部分であり、本工程
(イ)における両者の材質および金属繊維中に占める比
率が、得られる金属繊維9の特性を大きく左右すること
になる。
【0017】外層金属材2は、本発明によって製造され
る金属繊維9の構成要素となると同時に、最終工程
(ホ)にて多芯素線8中のマトリックスを溶解し、金属
繊維9を得る際に、金属繊維9がマトリックスとともに
溶解しないようにする作用を持たせる必要がある。その
ためには、工程(ロ)および(ハ)で規定するように少
なくともマトリックスよりも耐酸性の高い金属、好まし
くはオーステナイト系ステンレス鋼、ニッケル、ニッケ
ル合金、チタンおよびチタン合金からなる群から選ばれ
た金属材を外層金属材2として使用する以外に、外層金
属材2の厚さ(T)が上記式(1)の関係を満足するよ
うにする必要がある。
【0018】この理由は、厚さ(T)が薄過ぎて上記式
(1)の関係を満たさなくなると、工程(ニ)における
多芯体7の縮径加工時に外層金属材2に欠陥が生じ、最
終工程(ホ)においてマトリックスを溶解する際に、芯
材1までが溶解してしまうためである。
【0019】なお、外層金属材2の厚さ(T)は上記式
(1)に規定される関係を満足する範囲内でなるべく薄
くし、クラッド線材3中に占める芯材1の比率を大きく
とった方が、芯材1の特性を最終製品の金属繊維9の特
性に大きく反映させることができ、より大きい金属繊維
の特性改善効果が得られる。
【0020】上記式(1)によると、芯材1の結晶構造
が体心立方格子である場合には、外層金属材2の厚さ
(T)の下限値は、面心立方格子および最密六方格子の
場合に比べ大きくなる。これは、多芯体7に縮径加工を
加えると、芯材1の結晶構造が面心立方格子および最密
六方格子の場合は各素線の断面形状は概略正六角形とな
るのに対し、体心立方格子の場合は断面形状に凹凸が生
じ、断面の周長が長くなるため、実質的な外層金属材2
の厚さが薄くなり易いためである。
【0021】本発明においては、外層金属材2の厚さ
(T)が上記式(1)により規定されるため、本発明に
より製造可能な金属繊維9の最小径は約4μmである。
【0022】一方、芯材1は最終工程(ホ)においても
欠陥のない外層金属材2で覆われているため、すなわち
マトリックスを溶解する際にも芯材1が外層金属材2で
保護されているため、芯材1がマトリックスとともに溶
解することがない。このため、芯材1の材質はその耐酸
性によって限定されることはなく、例えば銅のような電
気伝導率、熱伝導率の高い金属、アルミニウムのような
比重の小さい金属、炭素鋼のような強度の高い金属、高
透磁率合金等を芯材1として用い、芯材1の特性を最終
製品の金属繊維9の特性に反映させることができる。
【0023】また、芯材1は単一材料からなる金属線材
に限定されず、芯材自体がクラッド構造等の複合線材と
することも可能である。
【0024】芯材1と外層金属材2との組み合わせが、
縮径加工時の中間熱処理時に拡散による合金化や組成変
化によって加工性の悪化や材質の劣化を生じ易い組み合
わせである場合には、芯材1と外層金属材2との間に炭
素拡散防止のために第三の金属層を設けることが有効で
ある。このような例としては、芯材1が高炭素鋼で外層
金属材2がオーステナイト系ステンレス鋼の組み合わせ
が挙げられる。このような組み合わせの場合、中間熱処
理時の芯材1中の炭素が外層金属材2に拡散し外層金属
材の耐食性劣化が生じ易いが、両者の間に銅の層を設け
炭素の拡散を防止することにより外層金属材2の耐食性
の劣化を防止することができる。
【0025】ところで、この工程(イ)において、クラ
ッド線材3の形成手段としては、一般的なクラッド線材
3の製造方法を適用することができる。例えば、外層金
属材2となる金属管中に芯材1となる金属線材を挿入
し、伸管加工により芯材1と外層金属材2とを密着させ
一体化する方法、あるいは外層金属材2と芯材1とから
なる複合ビレットに押し出し加工を加える方法等を適用
することができる。
【0026】なお、上記式(1)にて規定される外層金
属材2の厚さ(T)は、外層金属材2と芯材1とが一体
化したクラッド線材3における外層金属材2の厚さであ
る。例えば、金属管と金属線材によりクラッド線材3を
形成する場合、材料となる金属管の肉厚と形成されるク
ラッド線材3の外層金属材2の厚さとは必ずしも一致し
ないため、形成されるクラッド線材3の外層金属材2の
厚さが上記式(1)に規定される関係を満足する範囲内
となるように材料の寸法を予め調整する必要がある。
【0027】(ロ)クラッド線材3の周囲を外層金属材
2よりも耐酸性の低い金属からなる隔離材4で覆い、被
覆線材5となす工程
【0028】隔離材4は、後の多芯体7の縮径加工およ
び中間熱処理により多芯素線8中の金属繊維が互いに凝
着して分線不可能となることを防ぐ役割を有し、最終工
程(ホ)において溶解される。このため、外層金属材2
よりも耐酸性が低い金属を用いる必要がある。また、加
工性が良く、中間熱処理の際に外層金属材2と合金化し
にくい材料を用いることが好ましい。例えば、オーステ
ナイト系ステンレス鋼の外層金属材2に対しては、隔離
材4として銅、低炭素鋼等を用いることができる。
【0029】隔離材4による被覆の形成の時期は、クラ
ッド線材3に縮径加工を施す前、あるいはクラッド線材
3にある程度の縮径加工を施した後のどちらでもかまわ
ない。隔離材4による被覆の形成手段としては、クラッ
ド線材3の形成手段と同様の方法、あるいはクラッド線
材3上に被覆材をメッキする等の方法を適用することが
できる。
【0030】本工程(ロ)において得られる被覆線材5
は、次工程(ハ)の多芯体7形成に供する際にそのクラ
ッド線材3部分の直径が、最終製品の金属繊維9の円相
当直径の100倍以内、すなわち断面積比にして10,
000倍以内とすることが好ましい。これは、多芯体7
の縮径加工量をあまり大きくし過ぎると多芯素線8中の
金属繊維の断面周囲の凹凸が激しくなるため、実質的な
外層金属材2の厚さが薄くなり過ぎたり、外層金属材2
の厚さのバラツキが増加して局部的に外層金属材2の薄
い部分や欠陥が生じ易くなるためである。このため、特
に、上記式(1)の関係を満たす限界近くまで外層金属
材2の厚さ(T)を薄くしたい場合、もしくは限界に近
い細径の金属繊維9を得ようとする場合、あるいは芯材
1の結晶構造が体心立方格子である場合には、被覆線材
5の直径を細くし、多芯体7の縮径加工量を小さく設定
することが肝要である。
【0031】上述の条件を満たすように被覆線材5の直
径を細くするには、クラッド線材3を予め縮径加工して
から隔離材4で覆うか、隔離材4で覆って被覆線材5と
した後に縮径加工を加えるか、あるいはこれら両者を組
み合わせて実施すればよい。この場合、必要に応じて中
間熱処理を施す。
【0032】(ハ)被覆線材5を多数本束ね、外層金属
材2よりも耐酸性の低い金属からなる外皮6で覆い、多
芯体7となす工程
【0033】外皮6は隔離材4とともに多芯素線8のマ
トリックスを形成し、最終工程(ホ)で溶解されるた
め、隔離材4と同様に外層金属材2よりも耐酸性の低い
金属を用いることが必要である。
【0034】多芯体7とするには、例えば、外皮6とな
る金属の管中に被覆線材5の束を挿入し、伸管加工によ
り外皮6と被覆線材5および被覆線材5同士を密着させ
る方法、あるいは被覆線材5の束を連続的に捲出しつつ
外皮6となる金属の帯板を束線の周りに連続的に管状に
成型し捲取る方法等を適用することができる。
【0035】(ニ)多芯体7を縮径加工し多芯素線8と
する工程
【0036】本工程(ニ)における縮径加工手段として
は、穴ダイス、ローラーダイス等による冷間伸線、ある
いは熱間圧延等を適用することができるが、穴ダイスに
よる冷間伸線が最も好ましい。これは、ローラーダイス
および圧延による縮径加工を施すと、多芯素線8中の金
属繊維9の断面形状が扁平化して断面の周長が長くな
り、実質的な外層金属材2の厚さが薄くなるという現象
が生じ易いのに対し、穴ダイスによる冷間伸線において
は金属繊維9の断面の扁平化が生じにくいためである。
【0037】このため、特に、上記式(1)の関係を満
たす限界近くまで外層金属材2の厚さ(T)を薄くした
い場合、もしくは限界に近い細径の金属繊維9を得よう
とする場合、あるいは芯材1の結晶構造が体心立方格子
である場合には、多芯体7の縮径加工には穴ダイスによ
る冷間伸線を用いることが肝要である。
【0038】かかる縮径加工は、多芯素線8中の金属繊
維の径が所望の大きさになるまで行い、適時中間熱処理
を施す。
【0039】(ホ)多芯素線8中の外皮6および隔離材
4からなるマトリックスを溶解し、芯材1と外層金属材
2とからなるクラッド構造を持つ金属繊維9の束を得る
工程
【0040】マトリックスを選択的に溶解する方法とし
ては、酸により化学的に溶解する方法、あるいは電気分
解により溶解する方法のいずれの方法でもかまわない。
【0041】
【実施例】実施例1 芯材が銅であり外層金属材がステンレス鋼である外径9
μmの金属繊維を以下に示す工程により製造した。直径
2.7mmの銅線を外径6.5mm,肉厚0.8mmの
鋼管(SUS304相当材)に挿入し、次いで直径3.
1mmまで伸線を施し、芯材(銅)の直径1.1mm、
外層金属材(SUS 304相当材)の厚さ1.0mm
のクラッド線材を形成した。このクラッド線材におい
て、芯材の結晶構造は面心立方格子であるので上記式
(1)の右辺は0.222であるのに対し、左辺は0.
355であるので、このクラッド線材の外層金属材の厚
さは上記式(1)の関係を満たしている。
【0042】このクラッド線材を、外径6.5mm、肉
厚0.3mmの軟鋼管(S10C相当材)に挿入し、次
いで冷間伸線および中間熱処理(加熱温度:950℃)
を繰り返して直径0.23mmの被覆線材とした。
【0043】この被覆線材を320本束ねて外径6.5
mm、肉厚0.3mmの軟鋼管(S10C相当材)に挿
入して多芯体を形成し、次いで穴ダイスによる冷間伸線
および中間熱処理(加熱温度:950℃)を繰り返して
直径0.23mmの多芯素線を形成した。
【0044】この多芯素線を、濃度100g/lの硫酸
水溶液中にて電圧1.4Vの条件下で電気分解し、SU
S304に従うステンレス鋼の外層金属材(厚さ:約3
μm)と銅の芯材とからなるクラッド構造を持つ直径約
9μmの金属繊維320本の束を得た。
【0045】比較例1 実施例1による金属繊維との比較のために、次に示す工
程に従ってステンレス鋼(SUS304相当材)単一材
料からなる金属繊維を製造した。
【0046】直径3.1mmの線材(SUS 304相
当材)を外径6.5mm,肉厚0.3mmの軟鋼管(S
10C相当材)に挿入し、次いで冷間伸線および中間熱
処理(加熱温度:950℃)を繰り返して直径0.23
mmの被覆線材とした。
【0047】この被覆線材を320本束ねて外径6.5
mm、肉厚0.3mmの軟鋼管(S10C相当材)に挿
入して多芯体を形成し、次いで穴ダイスによる冷間伸線
および中間熱処理(加熱温度:950℃)を繰り返して
直径0.23mmの多芯素線を形成した。
【0048】この多芯素線を、濃度100g/lの硫酸
水溶液中にて電圧1.4Vの条件下で電気分解し、直径
約9μmのSUS 304相当のステンレス鋼の金属繊
維320本の束を得た。
【0049】実施例1により製造された金属繊維と比較
例1の金属繊維の比抵抗の比較を下記の表1に示す。な
お、表1に示す比抵抗は、金属繊維の周面に接触させた
測定子を50mmの間隔を置いた2か所に配し、該間隔
の電気抵抗値を測定し、測定子間隔および金属繊維の断
面積より比抵抗に換算したものである。
【0050】
【表1】
【0051】上記表1から分かるように、実施例1によ
り製造された金属繊維は、外層金属材に欠陥がなく芯材
の銅が溶解せず健全なクラッド構造を有していることか
ら、その比抵抗は比較例1のステンレス鋼繊維の約7分
の1の値が安定して得られている。この値は、従来の集
束伸線法による単一材料からなる金属繊維では得られな
い値である。
【0052】一方、実施例1により製造された金属繊維
の耐食性は、比較例1による金属繊維の耐食性と同等で
あった。
【0053】図2は、銅を芯材とし、ステンレス鋼(S
US304)を外層金属材とした直径3.1mmのクラ
ッド線材を、集束伸線法により直径約9μmの複合金属
繊維に加工する際の、クラッド線材における外層金属材
の厚さと、マトリックスを溶解除去する工程での芯材の
腐食発生率との関係、並びに上記式(1)の関係を満た
す領域を示す。なお、芯材の腐食発生率は、得られた金
属繊維束における、芯材の腐食が認められた金属繊維の
割合である。
【0054】図2では、クラッド線材の外層金属材の厚
さが薄くなり上記式(1)の関係を満たさなくなると、
マトリックス溶解時に芯材の保護が急激に低下するため
に、芯材に腐食が発生することを示している。
【0055】次に図3では銅を芯材とし、ステンレス鋼
(SUS304)を外層金属材とした直径3.1mmの
クラッド線材を、集束伸線法により直径約9μmの複合
金属繊維に加工する際の、クラッド線材における外層金
属材の厚さと、製造された金属繊維の比抵抗との関係を
示す。
【0056】図3からは、マトリックス溶解時に芯材の
腐食が発生しない範囲においては、外層金属材の厚さが
薄く芯材の割合が大きい程、低い比抵抗値が得られる
が、外層金属材が上記式(1)の関係を満たさない程薄
くなるとマトリックス溶解時に芯材に腐食が発生するた
めに比抵抗値が高くなり、ばらつきも増加することが分
かる。
【0057】実施例2 芯材が高炭素鋼であり外層金属材がステンレス鋼である
外径35μmの金属繊維を以下に示す工程により製造し
た。直径3.2mmの高炭素鋼線材(SWRH72A相
当材)に炭素拡散防止のための銅の被覆層(厚さ約10
0μm)を電気メッキにて形成した後、これを外径6.
5mm,肉厚0.8mmの鋼管(SUS304相当材)
に挿入し、次いで直径3.1mmまで伸線を施し、芯材
(高炭素鋼)の直径1.5mm、外層金属材(SUS
304相当材)の厚さ0.8mmのクラッド線材を形成
した。このクラッド線材において、芯材の結晶構造は体
心立方格子であるので上記式(1)の右辺は0.143
であるのに対し、左辺は0.258であるので、このク
ラッド線材の外層金属材の厚さは上記式(1)の関係を
満たしている。
【0058】このクラッド線材を、外径6.5mm、肉
厚0.5mmの軟鋼管(S10C相当材)に挿入し、次
いで冷間伸線および950℃まで加熱後580℃に保持
するパテンティング処理を繰り返して直径0.23mm
の被覆線材とした。
【0059】この被覆線材を320本束ねて外径6.5
mm、肉厚0.5mmの軟鋼管(S10C相当材)に挿
入して多芯体を形成し、次いで穴ダイスによる冷間伸線
および950℃まで加熱後580℃に保持するパテンテ
ィング処理を繰り返して直径1.1mmの多芯素線を形
成した。
【0060】この多芯素線に、50%硝酸水溶液(浴
温:60℃)中で約7分間の溶解処理を施し、SUS3
04に従うステンレス鋼の外層金属材(厚さ:約9μ
m)と高炭素鋼の芯材とからなるクラッド構造を持つ直
径約35μmの金属繊維320本の束を得た。
【0061】比較例2 実施例2による金属繊維との比較のために、次に示す工
程に従ってステンレス鋼(SUS304相当材)単一材
料からなる金属繊維を製造した。
【0062】直径3.1mmの線材(SUS 304相
当材)を外径6.5mm,肉厚0.5mmの軟鋼管(S
10C相当材)に挿入し、次いで冷間伸線および中間熱
処理(加熱温度:950℃)を繰り返して直径0.23
mmの被覆線材とした。
【0063】この被覆線材を320本束ねて外径6.5
mm、肉厚0.5mmの軟鋼管(S10C相当材)に挿
入して多芯体を形成し、次いで穴ダイスによる冷間伸線
および中間熱処理(加熱温度:950℃)を繰り返して
直径1.1mmの多芯素線とした。なお、最終の中間熱
処理時における多芯体の直径は実施例2と同一とし、最
終伸線加工量も実施例2と同一に設定した。
【0064】この多芯素線に、50%硝酸水溶液(浴
温:60℃)中で約7分間の溶解処理を施し、直径35
μmのSUS304相当のステンレス鋼の金属繊維32
0本の束を得た。
【0065】実施例2によって製造された金属繊維と比
較例2の金属繊維との抗張力の比較を表2に示す。な
お、表2に示す抗張力は、金属繊維の引っ張り破断荷重
を測定し、金属繊維の断面積で除して抗張力に換算した
値であるので、実施例2によって製造された金属繊維に
ついては外層金属材と芯材を含めた見掛けの抗張力であ
る。
【0066】
【表2】
【0067】上記表2から分かるように、実施例2によ
り製造された金属繊維は、外層金属材に欠陥がなく芯材
の高炭素鋼が溶解せず健全なクラッド構造を有している
ことから、比較例2のステンレス鋼繊維よりも高い抗張
力を有している。
【0068】また、実施例2により製造された金属繊維
においては、外層金属材と芯材との間に設けた銅メッキ
層のために、芯材から外層金属材への炭素の拡散が防止
され、外層金属材の耐食性が低下せず、よって比較例1
による金属繊維の耐食性と同等の耐食性を示した。
【0069】さらに、実施例2の芯材として用いた炭素
鋼の価格はステンレス鋼に比し安価であるため、実施例
2により製造された金属繊維の材料費は比較例2の金属
繊維の約65%であった。
【0070】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の複合
金属繊維の製造方法においては、芯材と外層金属材とか
らなるクラッド構造を持つ金属繊維を集束伸線法により
効率良くかつ低コストで製造することができる。
【0071】このため、従来の集束伸線法では得られな
い電気伝導度、熱伝導度、強度、比重、磁気特性等を持
った金属繊維を集束伸線法により効率良く製造すること
ができる。
【0072】また、耐食性、触媒作用等、金属繊維の表
面特性を利用する目的に供する金属繊維については、芯
材に安価な材料を用いることにより所期の特性を持った
金属繊維を安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例製造方法示す工程図である。
【図2】クラッド線材における外層金属材の厚さと、マ
トリックスを溶解除去する工程での芯材の腐食発生率と
の関係を示すグラフである。
【図3】クラッド線材における外層金属材の厚さと、製
造された金属繊維の比抵抗との関係を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1 芯材 2 外層金属材 3 クラッド線材 4 隔離材 5 被覆線材 6 外皮 7 多芯体 8 多芯素線 9 金属繊維
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C25F 5/00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (イ)芯材となる金属繊維の周囲を、次
    式(1)を満たす厚さの外層金属材にて覆いクラッド線
    材となす工程と、 T/(D+2T)≧tc/df (1) 式中、T:外層金属材の厚さ(mm) D:芯材の直径(mm) df:最終製品の金属繊維の外径(μm) tc:芯材の結晶構造が面心立方格子および最密六方格
    子の場合は2μm,芯材の結晶構造が体心立方格子の場
    合は5μm (ロ)上記クラッド線材の周囲を上記外層金属材よりも
    耐酸性の低い金属からなる隔離材で覆い、被覆線材とな
    す工程と、(ハ)上記被覆線材を多数本束ね、上記外層
    金属材よりも耐酸性の低い金属からなる外皮で覆い、多
    芯体となす工程と、(ニ)上記多芯体を縮径加工し多芯
    素線とする工程と、(ホ)上記多芯素線中の外皮および
    隔離材からなるマトリックスを溶解し、芯材と外層金属
    材とからなるクラッド構造を持つ金属繊維の束を得る工
    程とを有する複合金属繊維の製造方法。
  2. 【請求項2】 多芯体の縮径加工手段が穴ダイスによる
    冷間伸線加工である請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 多芯体を形成する工程における被覆線材
    中のクラッド線材部分の断面積とマトリックスを溶解し
    て得られる金属繊維の断面積の比が10,000以下で
    ある請求項1〜3のうちいずれか一項記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 外層金属材がオーステナイト系ステンレ
    ス鋼、ニッケル、ニッケル合金、チタンおよびチタン合
    金からなる群から選ばれた金属材である請求項1〜3の
    うちいずれか一項記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 芯材が銅、銅合金、銀、銀合金、アルミ
    ニウムおよびアルミニウム合金からなる群から選ばれた
    材料である請求項1〜4項のうちいずれか一項記載の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 芯材が銅メッキを施した炭素鋼である請
    求項1〜4項のうちいずれか一項記載の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007061897A (ja) * 2005-08-31 2007-03-15 Nippon Seisen Co Ltd ステンレス鋼クラッド銅線の製造方法
CN115684722A (zh) * 2022-09-06 2023-02-03 无锡宝通智能物联科技有限公司 输送带感知层电极及其制作方法及应用

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