JPH06344204A - 複合セラミックス切削工具およびその製造方法 - Google Patents
複合セラミックス切削工具およびその製造方法Info
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- JPH06344204A JPH06344204A JP5135820A JP13582093A JPH06344204A JP H06344204 A JPH06344204 A JP H06344204A JP 5135820 A JP5135820 A JP 5135820A JP 13582093 A JP13582093 A JP 13582093A JP H06344204 A JPH06344204 A JP H06344204A
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- silicon carbide
- silicon nitride
- silicon
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- Ceramic Products (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は旋削、フライス用スローアウェイチ
ップやドリル、エンドミル等の切削工具として用いるこ
とができる窒化ケイ素−炭化ケイ素複合セラミックス切
削工具を提供するものである。 【構成】 平均粒径が1μm以下の炭化ケイ素粒子が粒
界に分散し、かつ数nmから数百nmの炭化ケイ素が窒
化ケイ素粒子内に分散した微構造を有する窒化ケイ素−
炭化ケイ素からなるマトリックス相と、a)平均粒径
0.05〜3.0μm、アスペクト比5〜300の炭化
ケイ素ウイスカーの分散相とからなる複合焼結体であっ
て、焼結体表面にシリカを含む酸化層および/または内
部と色相を異なる層を有する窒化ケイ素−炭化ケイ素複
合セラミックス切削工具。
ップやドリル、エンドミル等の切削工具として用いるこ
とができる窒化ケイ素−炭化ケイ素複合セラミックス切
削工具を提供するものである。 【構成】 平均粒径が1μm以下の炭化ケイ素粒子が粒
界に分散し、かつ数nmから数百nmの炭化ケイ素が窒
化ケイ素粒子内に分散した微構造を有する窒化ケイ素−
炭化ケイ素からなるマトリックス相と、a)平均粒径
0.05〜3.0μm、アスペクト比5〜300の炭化
ケイ素ウイスカーの分散相とからなる複合焼結体であっ
て、焼結体表面にシリカを含む酸化層および/または内
部と色相を異なる層を有する窒化ケイ素−炭化ケイ素複
合セラミックス切削工具。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、窒化ケイ素−炭化ケイ
素複合切削工具およびその製造法に関し、旋削、フライ
ス用のスローアウェイチップやドリル、エンドミル等の
切削工具として使用できる窒化ケイ素−炭化ケイ素から
なる複合セラミックス切削工具に関する。
素複合切削工具およびその製造法に関し、旋削、フライ
ス用のスローアウェイチップやドリル、エンドミル等の
切削工具として使用できる窒化ケイ素−炭化ケイ素から
なる複合セラミックス切削工具に関する。
【0002】
【従来の技術】窒化ケイ素系のセラミックス切削工具は
アルミナ系の切削工具に比較して、高い強度と破壊靭性
あるいは耐熱性や耐熱衝撃性を生かし、特に鋳鉄の高速
切削用工具や耐熱合金の切削工具として利用され始めて
きた。しかしながら近年の切削の高速化や耐熱合金の切
削には、従来の窒化ケイ素では摩耗や欠損によって十分
な寿命を得ることができず、様々な改良が加えられてい
る。
アルミナ系の切削工具に比較して、高い強度と破壊靭性
あるいは耐熱性や耐熱衝撃性を生かし、特に鋳鉄の高速
切削用工具や耐熱合金の切削工具として利用され始めて
きた。しかしながら近年の切削の高速化や耐熱合金の切
削には、従来の窒化ケイ素では摩耗や欠損によって十分
な寿命を得ることができず、様々な改良が加えられてい
る。
【0003】その一つの方法として、窒化ケイ素の表面
にアルミナやチタン系の単層または多層のコーティング
層を設け、それによって破壊靭性と耐摩耗性を改善する
ことが知られている。しかしこの方法ではコーティング
層の剥離により十分な耐欠損性や耐摩耗性を示さなかっ
たり、コーティングの工程が切削工具のコスト高を招く
などの欠点がある。
にアルミナやチタン系の単層または多層のコーティング
層を設け、それによって破壊靭性と耐摩耗性を改善する
ことが知られている。しかしこの方法ではコーティング
層の剥離により十分な耐欠損性や耐摩耗性を示さなかっ
たり、コーティングの工程が切削工具のコスト高を招く
などの欠点がある。
【0004】また別の方法として、窒化ケイ素に炭化ケ
イ素ウィスカーを添加することにより、例えば窯業協会
誌、91,491(1983)や特開昭 59-54680 号に示されている
ように、従来の窒化ケイ素よりも優れた破壊靭性あるい
は耐欠損性をもたせることが行われている。
イ素ウィスカーを添加することにより、例えば窯業協会
誌、91,491(1983)や特開昭 59-54680 号に示されている
ように、従来の窒化ケイ素よりも優れた破壊靭性あるい
は耐欠損性をもたせることが行われている。
【0005】さらに特開平 1-137486号には、窒化ケイ
素粒子の粒界に平均粒径1μm以下の炭化ケイ素粒子が
存在し、かつ数nmから数百nmの炭化ケイ素粒子が窒
化ケイ素粒子内に分散した微構造を示す窒化ケイ素−炭
化ケイ素からなるマトリックス相と、a)平均粒径が5
−50μmの炭化ケイ素粒子、および/または b)短
軸が0.05−3.0μm、アスペクト比が5−300
の炭化ケイ素ウィスカーの分散相とからなる窒化ケイ素
−炭化ケイ素複合焼結体は、室温あるいは高温強度およ
び破壊靭性値ともに窒化ケイ素に優り、切削工具などの
耐摩耗材料として有用であることが示されている。
素粒子の粒界に平均粒径1μm以下の炭化ケイ素粒子が
存在し、かつ数nmから数百nmの炭化ケイ素粒子が窒
化ケイ素粒子内に分散した微構造を示す窒化ケイ素−炭
化ケイ素からなるマトリックス相と、a)平均粒径が5
−50μmの炭化ケイ素粒子、および/または b)短
軸が0.05−3.0μm、アスペクト比が5−300
の炭化ケイ素ウィスカーの分散相とからなる窒化ケイ素
−炭化ケイ素複合焼結体は、室温あるいは高温強度およ
び破壊靭性値ともに窒化ケイ素に優り、切削工具などの
耐摩耗材料として有用であることが示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら上記発
明による窒化ケイ素−炭化ケイ素複合焼結体は強度や破
壊靭性に優れているという特徴をもつものの、本材料を
切削工具として使用するには、強度のばらつきや破壊靭
性、あるいは耐摩耗性、耐欠損性のさらなる改善が求め
られていた。
明による窒化ケイ素−炭化ケイ素複合焼結体は強度や破
壊靭性に優れているという特徴をもつものの、本材料を
切削工具として使用するには、強度のばらつきや破壊靭
性、あるいは耐摩耗性、耐欠損性のさらなる改善が求め
られていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記窒化ケイ
素−炭化ケイ素複合焼結体に熱処理を施し表面を研削す
ることにより、強度のばらつきを抑えしかも表面の破壊
靭性を向上させうることを見出し、切削工具として優れ
た特性を付与するに至った。
素−炭化ケイ素複合焼結体に熱処理を施し表面を研削す
ることにより、強度のばらつきを抑えしかも表面の破壊
靭性を向上させうることを見出し、切削工具として優れ
た特性を付与するに至った。
【0008】すなわち本発明は、窒化ケイ素粒子の粒界
に平均粒径1μm以下の炭化ケイ素粒子が存在し、かつ
数nmから数百nmの炭化ケイ素粒子が窒化ケイ素粒子
内に分散した微構造を示す窒化ケイ素−炭化ケイ素から
なるマトリックス相と、a)平均粒径が5−50μmの
炭化ケイ素粒子、および/または b)短軸が0.05
−3.0μm、アスペクト比が5−300の炭化ケイ素
ウィスカーの分散相とからなる窒化ケイ素−炭化ケイ素
複合焼結体であって、焼結体表面にシリカを含む酸化層
および/または内部と色相が異なる層を有していること
を特徴とする窒化ケイ素−炭化ケイ素複合セラミックス
切削工具に関する。
に平均粒径1μm以下の炭化ケイ素粒子が存在し、かつ
数nmから数百nmの炭化ケイ素粒子が窒化ケイ素粒子
内に分散した微構造を示す窒化ケイ素−炭化ケイ素から
なるマトリックス相と、a)平均粒径が5−50μmの
炭化ケイ素粒子、および/または b)短軸が0.05
−3.0μm、アスペクト比が5−300の炭化ケイ素
ウィスカーの分散相とからなる窒化ケイ素−炭化ケイ素
複合焼結体であって、焼結体表面にシリカを含む酸化層
および/または内部と色相が異なる層を有していること
を特徴とする窒化ケイ素−炭化ケイ素複合セラミックス
切削工具に関する。
【0009】さらに本発明は、窒化ケイ素粒子の粒界に
平均粒径1μm以下の炭化ケイ素粒子が存在し、かつ数
nmから数百nmの炭化ケイ素粒子が窒化ケイ素粒子内
に分散した微構造を示す窒化ケイ素−炭化ケイ素からな
るマトリックス相と、a)平均粒径が5−50μmの炭
化ケイ素粒子、および/または b)短軸が0.05−
3.0μm、アスペクト比が5−300の炭化ケイ素ウ
ィスカーの分散相とからなる窒化ケイ素−炭化ケイ素複
合焼結体を、酸化雰囲気中、1300〜1600℃で熱処理し、
しかる後表面を 5-2000 μm除去することを特徴とする
窒化ケイ素−炭化ケイ素からなる複合セラミックス切削
工具の製造法に関する。
平均粒径1μm以下の炭化ケイ素粒子が存在し、かつ数
nmから数百nmの炭化ケイ素粒子が窒化ケイ素粒子内
に分散した微構造を示す窒化ケイ素−炭化ケイ素からな
るマトリックス相と、a)平均粒径が5−50μmの炭
化ケイ素粒子、および/または b)短軸が0.05−
3.0μm、アスペクト比が5−300の炭化ケイ素ウ
ィスカーの分散相とからなる窒化ケイ素−炭化ケイ素複
合焼結体を、酸化雰囲気中、1300〜1600℃で熱処理し、
しかる後表面を 5-2000 μm除去することを特徴とする
窒化ケイ素−炭化ケイ素からなる複合セラミックス切削
工具の製造法に関する。
【0010】本発明によれば簡単な表面の熱処理と引き
続く研削によって焼結体の強度のばらつきが抑えられ、
しかも表面の破壊靭性が向上しコーティングと同様な効
果が得られるため、十分な耐欠損性と耐摩耗性を有する
複合セラミックス切削工具を得ることができる。その結
果、本発明による切削工具は鋳鉄などの長寿命の高速切
削用工具のみならず、耐熱合金の切削工具やドリル、エ
ンドミル等の切削工具としても利用できる。
続く研削によって焼結体の強度のばらつきが抑えられ、
しかも表面の破壊靭性が向上しコーティングと同様な効
果が得られるため、十分な耐欠損性と耐摩耗性を有する
複合セラミックス切削工具を得ることができる。その結
果、本発明による切削工具は鋳鉄などの長寿命の高速切
削用工具のみならず、耐熱合金の切削工具やドリル、エ
ンドミル等の切削工具としても利用できる。
【0011】本発明に用いられる窒化ケイ素−炭化ケイ
素複合焼結体は特開平1-137486号に示されるように、マ
トリックス相の原料として、平均粒径が0.5μm以下
の微細な炭化ケイ素を生成する非晶質窒化ケイ素−炭化
ケイ素複合粉末または窒化ケイ素−炭化ケイ素混合粉末
を使用し、当該粉末に分散相として平均粒径が5−50
μmの炭化ケイ素粒子、および/または短軸が0.05
−3.0μm、アスペクト比が5−300の炭化ケイ素
ウィスカーを混合し、成形・焼結によって製造される。
素複合焼結体は特開平1-137486号に示されるように、マ
トリックス相の原料として、平均粒径が0.5μm以下
の微細な炭化ケイ素を生成する非晶質窒化ケイ素−炭化
ケイ素複合粉末または窒化ケイ素−炭化ケイ素混合粉末
を使用し、当該粉末に分散相として平均粒径が5−50
μmの炭化ケイ素粒子、および/または短軸が0.05
−3.0μm、アスペクト比が5−300の炭化ケイ素
ウィスカーを混合し、成形・焼結によって製造される。
【0012】上記焼結体のマトリックス相を構成する原
料粉末の炭化ケイ素は、炭化ケイ素粉末を原料として使
用する場合は、すくなくとも平均粒径が 0.5μm以下の
粉末、あるいは焼結時に 0.5μm以下の炭化ケイ素を生
成するような非晶質の粉末がもちいられる。
料粉末の炭化ケイ素は、炭化ケイ素粉末を原料として使
用する場合は、すくなくとも平均粒径が 0.5μm以下の
粉末、あるいは焼結時に 0.5μm以下の炭化ケイ素を生
成するような非晶質の粉末がもちいられる。
【0013】より好適なマトリックス相の原料として
は、特開昭6 0 - 2 3 5 7 0 7 号公報等に示される方法
により得られる非晶質のケイ素、炭素、窒素、酸素から
なる粉末が挙げられる。マトリックス相中の炭化ケイ素
量は3−25重量%、好ましくは5−20重量%である
と効果的である。
は、特開昭6 0 - 2 3 5 7 0 7 号公報等に示される方法
により得られる非晶質のケイ素、炭素、窒素、酸素から
なる粉末が挙げられる。マトリックス相中の炭化ケイ素
量は3−25重量%、好ましくは5−20重量%である
と効果的である。
【0014】一方、分散相となる原料は従来から市販さ
れている a)平均粒径が5−50μmの炭化ケイ素粒
子、および/または b)短軸が0.05−3.0μ
m、アスペクト比が5−300の炭化ケイ素ウィスカ
ー、が使用できる。本発明において、分散相の量はマト
リックス相中の炭化ケイ素量にもよるが、一般的には5
−40重量%、好ましくは、10−30重量%が効果的
である。
れている a)平均粒径が5−50μmの炭化ケイ素粒
子、および/または b)短軸が0.05−3.0μ
m、アスペクト比が5−300の炭化ケイ素ウィスカ
ー、が使用できる。本発明において、分散相の量はマト
リックス相中の炭化ケイ素量にもよるが、一般的には5
−40重量%、好ましくは、10−30重量%が効果的
である。
【0015】これらの粉末は焼結中に液相を生成する焼
結助剤および必要に応じて成形バインダーなどとよく混
合される。焼結助剤は、従来から窒化ケイ素、炭化ケイ
素に用いられているいずれのものも使用することがで
き、たとえば、B, C, MgO, Al2O3, Y2O3, AlN, ZrO2, S
iO2,CrO2, Sc2O3, HfO2, その他のランタン系酸化物等
が例示される。これらは単体のみならず炭酸塩、硝酸
塩、あるいはアルコキシドや非晶質の状態でも添加する
ことができる。これら焼結助剤の少なくとも一種を上記
原料粉末と混合するが、その使用量は通常0.1 〜20重量
% の範囲である。
結助剤および必要に応じて成形バインダーなどとよく混
合される。焼結助剤は、従来から窒化ケイ素、炭化ケイ
素に用いられているいずれのものも使用することがで
き、たとえば、B, C, MgO, Al2O3, Y2O3, AlN, ZrO2, S
iO2,CrO2, Sc2O3, HfO2, その他のランタン系酸化物等
が例示される。これらは単体のみならず炭酸塩、硝酸
塩、あるいはアルコキシドや非晶質の状態でも添加する
ことができる。これら焼結助剤の少なくとも一種を上記
原料粉末と混合するが、その使用量は通常0.1 〜20重量
% の範囲である。
【0016】この焼結助剤のなかでも Y2O3 は焼結体の
強度特性を高めるのに有効であり、本発明においては
0.5-15 重量%、好ましくは 2-10 重量%を添加するの
が好ましい。この Y2O3 は本発明の熱処理の過程におい
て、拡散により焼結体表面に移動し複合焼結体表面の酸
化生成物と固溶体を形成したり、また焼結体の内部にお
いては粒界に耐熱性の高い結晶相を形成したりする。
強度特性を高めるのに有効であり、本発明においては
0.5-15 重量%、好ましくは 2-10 重量%を添加するの
が好ましい。この Y2O3 は本発明の熱処理の過程におい
て、拡散により焼結体表面に移動し複合焼結体表面の酸
化生成物と固溶体を形成したり、また焼結体の内部にお
いては粒界に耐熱性の高い結晶相を形成したりする。
【0017】混合の方法は従来から用いられている乾式
あるいは湿式混合法のいずれの方法でも構わない。この
混合粉末は、ホットプレス焼結の場合は直接ダイスに充
填して焼結工程へ、それ以外の場合は金型成形や射出成
形などの方法によって成形され、次の焼結工程へ入る。
この焼結方法は、通常の常圧焼結、ガス圧焼結、あるい
はホットプレスやHIP等の従来から実施されている方
法がそのまま適用できる。
あるいは湿式混合法のいずれの方法でも構わない。この
混合粉末は、ホットプレス焼結の場合は直接ダイスに充
填して焼結工程へ、それ以外の場合は金型成形や射出成
形などの方法によって成形され、次の焼結工程へ入る。
この焼結方法は、通常の常圧焼結、ガス圧焼結、あるい
はホットプレスやHIP等の従来から実施されている方
法がそのまま適用できる。
【0018】以上のようにして得られる窒化ケイ素−炭
化ケイ素複合焼結体を本発明の方法に従って熱処理し、
しかるのち研削によって表面の除去を行う。すなわち上
述した窒化ケイ素−炭化ケイ素複合焼結体を、酸化雰囲
気中、1300〜1600℃で熱処理し、しかる後表面を 5-200
0 μm除去する。
化ケイ素複合焼結体を本発明の方法に従って熱処理し、
しかるのち研削によって表面の除去を行う。すなわち上
述した窒化ケイ素−炭化ケイ素複合焼結体を、酸化雰囲
気中、1300〜1600℃で熱処理し、しかる後表面を 5-200
0 μm除去する。
【0019】本発明における熱処理は、たとえば酸素中
や空気中のような酸化性ガス雰囲気下、あるいはガス気
流下で実施される。その熱処理の条件は、処理する焼結
体の大きさや用いた焼結助剤あるいは処理雰囲気により
適宜選択する必要があるが、一般に処理温度は 1300 〜
1600℃、好ましくは 1400 〜1550℃、処理時間は 1〜48
時間が選ばれる。この熱処理は常圧、加圧のいずれで実
施してもよい。
や空気中のような酸化性ガス雰囲気下、あるいはガス気
流下で実施される。その熱処理の条件は、処理する焼結
体の大きさや用いた焼結助剤あるいは処理雰囲気により
適宜選択する必要があるが、一般に処理温度は 1300 〜
1600℃、好ましくは 1400 〜1550℃、処理時間は 1〜48
時間が選ばれる。この熱処理は常圧、加圧のいずれで実
施してもよい。
【0020】本発明に従って熱処理を行うと、焼結体に
は次のような変化が起こる。すなわち、焼結体の内部に
おいては粒界層に存在している焼結助剤成分の一部が耐
熱性の高い結晶相に変化する。また焼結体の表面におい
ては内部と色相の異なる層が生成する。この色相は内部
が緑灰色であるの対して、表面は暗緑灰色ないしは黒色
である。これは酸化によって表面にシリカが生成した
り、あるいは拡散にともなう焼結助剤成分がシリカや窒
化ケイ素成分と反応して、結晶質やガラス質の複雑な酸
化層が生成するためと推察される。
は次のような変化が起こる。すなわち、焼結体の内部に
おいては粒界層に存在している焼結助剤成分の一部が耐
熱性の高い結晶相に変化する。また焼結体の表面におい
ては内部と色相の異なる層が生成する。この色相は内部
が緑灰色であるの対して、表面は暗緑灰色ないしは黒色
である。これは酸化によって表面にシリカが生成した
り、あるいは拡散にともなう焼結助剤成分がシリカや窒
化ケイ素成分と反応して、結晶質やガラス質の複雑な酸
化層が生成するためと推察される。
【0021】たとえば、 Y2O3 を焼結助剤として得られ
た窒化ケイ素−炭化ケイ素複合焼結体を本発明にしたが
って熱処理すると、焼結体の表面は黒色を呈し、イット
リウムのイオンが拡散した結果として結晶質のイットリ
ウムジシリケート(Y2O3 2SiO 2)が生成したり、窒化ケイ
素や炭化ケイ素の酸化による結晶質のクリストバライト
(SiO2)やシリカを含むガラス相が生成する。
た窒化ケイ素−炭化ケイ素複合焼結体を本発明にしたが
って熱処理すると、焼結体の表面は黒色を呈し、イット
リウムのイオンが拡散した結果として結晶質のイットリ
ウムジシリケート(Y2O3 2SiO 2)が生成したり、窒化ケイ
素や炭化ケイ素の酸化による結晶質のクリストバライト
(SiO2)やシリカを含むガラス相が生成する。
【0022】この酸化層の厚みは熱処理の条件にもよる
が通常 5μm以上となり、たとえば、1500℃で空気中 2
時間の熱処理を行うと酸化層の厚みはおよそ 10 μmに
達する。このとき焼結体表面の一部では、不均一な酸化
により酸化が急速に進行して、表面があれて強度のばら
つきを引き起こす。
が通常 5μm以上となり、たとえば、1500℃で空気中 2
時間の熱処理を行うと酸化層の厚みはおよそ 10 μmに
達する。このとき焼結体表面の一部では、不均一な酸化
により酸化が急速に進行して、表面があれて強度のばら
つきを引き起こす。
【0023】このため、本発明においては熱処理した焼
結体の表面を研削により除去する。この研削によって表
面の粗れた部分が除かれ、強度のばらつきを小さくする
ことができる。この研削とともに焼結体表面の色は黒色
から次第に暗い緑灰色にと変化し、最終的に焼結体内部
の色である緑灰色となるが、本発明においては、酸化生
成層や内部と色相が異なる層を完全に除去するのは好ま
しくない。なぜならば、酸化表面に近いほど表面の破壊
靭性は高いからである。すなわち、焼結体表面の破壊靭
性は研削量が多くなるに従って低下し、最終的に内部の
破壊靭性値と同一となる。
結体の表面を研削により除去する。この研削によって表
面の粗れた部分が除かれ、強度のばらつきを小さくする
ことができる。この研削とともに焼結体表面の色は黒色
から次第に暗い緑灰色にと変化し、最終的に焼結体内部
の色である緑灰色となるが、本発明においては、酸化生
成層や内部と色相が異なる層を完全に除去するのは好ま
しくない。なぜならば、酸化表面に近いほど表面の破壊
靭性は高いからである。すなわち、焼結体表面の破壊靭
性は研削量が多くなるに従って低下し、最終的に内部の
破壊靭性値と同一となる。
【0024】したがって、表面層の研削量は要求される
表面の粗らさや切削工具の大きさにもよるが、強度のば
らつきが抑えられる最小限にと止めておくのが好まし
い。すなわち本発明における研削量は通常 5-2000 μm
の範囲であり、好ましくは 10-200 μmである。
表面の粗らさや切削工具の大きさにもよるが、強度のば
らつきが抑えられる最小限にと止めておくのが好まし
い。すなわち本発明における研削量は通常 5-2000 μm
の範囲であり、好ましくは 10-200 μmである。
【0025】以上のような本発明の方法によって得られ
る焼結体は、表面にシリカを含む酸化層および/または
内部と色相が異なる層を有している複合焼結体である。
この焼結体は強度のばらつきが小さく、しかも内部より
表面の破壊靭性が高いため、切削工具としてはより優れ
た耐欠損性と耐摩耗性を示すようになる。
る焼結体は、表面にシリカを含む酸化層および/または
内部と色相が異なる層を有している複合焼結体である。
この焼結体は強度のばらつきが小さく、しかも内部より
表面の破壊靭性が高いため、切削工具としてはより優れ
た耐欠損性と耐摩耗性を示すようになる。
【0026】焼結体の表面を除去する具体的な方法とし
ては、部材が平面である場合には、平面研削盤により、
また複雑な形状の場合にはNC旋盤やバレル研磨などの
方法がとられる。
ては、部材が平面である場合には、平面研削盤により、
また複雑な形状の場合にはNC旋盤やバレル研磨などの
方法がとられる。
【0027】以下に示す実施例は本発明の一例を示すも
のであって本発明の要旨を超えない限り、これに限定さ
れるものでない。尚、本発明において、室温強度の試験
片は3×4×>36mmのサイズで行い、強度試験は4点
曲げ強度、外部スパン30mm、内部スパン10mm、クロ
スヘッドスピード0.5 mm/minで行った。また焼結体表面
の破壊靭性は、焼結体の表面を 3μm 、1 μm のダイヤ
モンドペーストで研磨したのち、圧子圧入法(荷重20
kg、保持時間20秒)で測定した。
のであって本発明の要旨を超えない限り、これに限定さ
れるものでない。尚、本発明において、室温強度の試験
片は3×4×>36mmのサイズで行い、強度試験は4点
曲げ強度、外部スパン30mm、内部スパン10mm、クロ
スヘッドスピード0.5 mm/minで行った。また焼結体表面
の破壊靭性は、焼結体の表面を 3μm 、1 μm のダイヤ
モンドペーストで研磨したのち、圧子圧入法(荷重20
kg、保持時間20秒)で測定した。
【0028】実施例1ー5、比較例1、2 マトリックス相としては、炭素を 3.0, 5.1 重量%(炭
化ケイ素 10vol%, 17vol %に相当)含有するケイ素、
炭素、窒素および酸素からなる平均粒径1μm以下の非
晶質粉末(実施例1-4 、比較例1,2 )、あるいは炭素含
有量 0.5重量%の非晶質粉末に平均粒径 0.3μm のβ-S
iC粉末を表1に示す割合で添加したもの(実施例5 )を
原料粉末とした。一方分散相としては表1に示す炭化ケ
イ素粉末あるいは炭化ケイ素ウィスカー(直径:0.1-1.
0 μm 、アスペクト比:50-300)を用いた。上記マトリ
ックス相と分散相の原料ならびに液相を生成する焼結助
剤として、Y2O3 8wt% をエタノール中で湿式混合し乾燥
した後、窒素ガス中 350 kg/cm2 の圧力で1750℃、4 時
間のホットプレス焼結を行った。得られた焼結体を空気
中、1500℃、2 時間で熱処理し、表面を所定量研削した
試験片を得た。また同様のホットプレス焼結を行い、熱
処理せずに研削したものならびに熱処理後に研削しない
試験片を得た。(比較例1,2 )
化ケイ素 10vol%, 17vol %に相当)含有するケイ素、
炭素、窒素および酸素からなる平均粒径1μm以下の非
晶質粉末(実施例1-4 、比較例1,2 )、あるいは炭素含
有量 0.5重量%の非晶質粉末に平均粒径 0.3μm のβ-S
iC粉末を表1に示す割合で添加したもの(実施例5 )を
原料粉末とした。一方分散相としては表1に示す炭化ケ
イ素粉末あるいは炭化ケイ素ウィスカー(直径:0.1-1.
0 μm 、アスペクト比:50-300)を用いた。上記マトリ
ックス相と分散相の原料ならびに液相を生成する焼結助
剤として、Y2O3 8wt% をエタノール中で湿式混合し乾燥
した後、窒素ガス中 350 kg/cm2 の圧力で1750℃、4 時
間のホットプレス焼結を行った。得られた焼結体を空気
中、1500℃、2 時間で熱処理し、表面を所定量研削した
試験片を得た。また同様のホットプレス焼結を行い、熱
処理せずに研削したものならびに熱処理後に研削しない
試験片を得た。(比較例1,2 )
【0029】熱処理しない焼結体は表面が緑灰色であ
り、X線回折では窒化ケイ素や炭化ケイ素のほかに、酸
化イットリウムとシリカあるいは窒化ケイ素との反応生
成物である Si3Y2O3N4、Si3NY5O12 、Y3SiO5、Y2Si2O7
などが少量認められた。
り、X線回折では窒化ケイ素や炭化ケイ素のほかに、酸
化イットリウムとシリカあるいは窒化ケイ素との反応生
成物である Si3Y2O3N4、Si3NY5O12 、Y3SiO5、Y2Si2O7
などが少量認められた。
【0030】一方、熱処理を行った焼結体の表面は黒っ
ぽい暗緑灰色をしており、X線回折では窒化ケイ素や炭
化ケイ素のほかにイットリウムジシリケート(Y2O3 2SiO
2)とクリストバライト(SiO2)の結晶相が強く認められ
た。また、この焼結体の内部は熱処理しない焼結体と同
様の色相をしており、生成相には熱処理しない焼結体に
認められた生成相の他に Si2N2Y4O7が認められた。
ぽい暗緑灰色をしており、X線回折では窒化ケイ素や炭
化ケイ素のほかにイットリウムジシリケート(Y2O3 2SiO
2)とクリストバライト(SiO2)の結晶相が強く認められ
た。また、この焼結体の内部は熱処理しない焼結体と同
様の色相をしており、生成相には熱処理しない焼結体に
認められた生成相の他に Si2N2Y4O7が認められた。
【0031】得られた種々の焼結体について試験片15
本の測定による室温平均曲げ強度と、強度のばらつきの
指標となるワイブル係数(m)、ならびに焼結体表面の
破壊靭性を求めた。結果を表1に示す。
本の測定による室温平均曲げ強度と、強度のばらつきの
指標となるワイブル係数(m)、ならびに焼結体表面の
破壊靭性を求めた。結果を表1に示す。
【0032】
【表1】 実1 実2 実3 実4 実5 比1 比2 ───────────────────────────────マトリックス相 SiC量 (vol%) 10 10 17 17 17 10 17 分散相 (粉末) 平均粒径 10 18 10 添加量 (vol%) 20 15 20 分散相(ウイスカー) 添加量 (vol%) 20 15 15 15 ─────────────────────────────── 熱処理の有無 有り 有り 有り 有り 有り 無し 有り 切削量 (μm) 20 20 20 20 20 20 0 焼結体物性 室温強度 115 121 127 120 112 103 85 (kg/mm2) ワイフ゛ル 係数 14.2 16.7 15.0 17.0 15.5 8.7 9.2 破壊靭性値 (MPa・ m1/2) 8.7 8.4 8.2 9.0 8.5 7.3 7.7 ─────────────────────────────── 表中、「実」は実施例を「比」は比較例を示す。
【0033】実施例6, 7、 比較例3、4 実施例1、4ならびに比較例2で得られた焼結体をSN
GN 120408 形状のスローアウェイチップとした。また
市販の同一形状の窒化ケイ素切削チップ(比較例4)も
含めて以下に示す条件で乾式での鋳鉄の旋削試験を行
い、逃げ面摩耗幅(VB)と寿命の比較を行った。結果
を表2に示す。 被削材 : FC30 切削速度: 400 m/min 切込み : 1.5 mm 送り : 0.3 mm/min 切削時間: < 40 min
GN 120408 形状のスローアウェイチップとした。また
市販の同一形状の窒化ケイ素切削チップ(比較例4)も
含めて以下に示す条件で乾式での鋳鉄の旋削試験を行
い、逃げ面摩耗幅(VB)と寿命の比較を行った。結果
を表2に示す。 被削材 : FC30 切削速度: 400 m/min 切込み : 1.5 mm 送り : 0.3 mm/min 切削時間: < 40 min
【0034】
【表2】 実6 実7 比3 比4 ─────────────────────────────── チップ材料 実1 実4 比2 窒化ケイ素 VB(mm) 0.42 0.35 − − 寿命(min) >40 >40 30 12 備考 欠損せず 欠損せず 欠損 欠損 ───────────────────────────────
【0035】実施例8,9、比較例5,6 実施例6,7ならびに比較例3,4と同一のスローアウ
ェイチップを用いて以下に示す条件で湿式でのインコネ
ルの旋削試験を行い、境界摩耗幅(VN)の比較を行っ
た。結果を表3に示す。 被削材 : インコネル 718 切削速度: 180 m/min 切込み : 1.0 mm 送り : 0.1 mm/min 切削時間: 3 min (以下余白)
ェイチップを用いて以下に示す条件で湿式でのインコネ
ルの旋削試験を行い、境界摩耗幅(VN)の比較を行っ
た。結果を表3に示す。 被削材 : インコネル 718 切削速度: 180 m/min 切込み : 1.0 mm 送り : 0.1 mm/min 切削時間: 3 min (以下余白)
【0036】
【表3】 実8 実9 比5 比6 ───────────────────────────── チップ材料 実1 実4 比2 窒化ケイ素 VN(mm) 0.55 0.42 0.80 - 備考 欠損せず 欠損せず 欠損せず 欠損 ─────────────────────────────
【0037】
【発明の効果】本発明によって得られる窒化ケイ素−炭
化ケイ素複合切削工具は、優れた強度を維持しながらば
らつきが小さくしかも破壊靭性に優れる。このため従来
の窒化ケイ素工具に比べて長寿命の切削工具として、鋳
鉄のみならず耐熱合金等の広範な材料に使用することが
可能である。
化ケイ素複合切削工具は、優れた強度を維持しながらば
らつきが小さくしかも破壊靭性に優れる。このため従来
の窒化ケイ素工具に比べて長寿命の切削工具として、鋳
鉄のみならず耐熱合金等の広範な材料に使用することが
可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 35/58 X
Claims (3)
- 【請求項1】 窒化ケイ素粒子の粒界に平均粒径1μm
以下の炭化ケイ素粒子が存在し、かつ数nmから数百n
mの炭化ケイ素粒子が窒化ケイ素粒子内に分散した微構
造を示す窒化ケイ素−炭化ケイ素からなるマトリックス
相と、a)平均粒径が5−50μmの炭化ケイ素粒子、
および/または b)短軸が0.05−3.0μm、ア
スペクト比が5−300の炭化ケイ素ウィスカーの分散
相とからなる窒化ケイ素−炭化ケイ素複合焼結体であっ
て、焼結体表面にシリカを含む酸化層および/または内
部と色相が異なる層を有していることを特徴とする窒化
ケイ素−炭化ケイ素複合セラミックス切削工具。 - 【請求項2】 焼結助剤として、酸化イットリウムが2
重量%以上添加されていることを特徴とする請求項1に
記載の窒化ケイ素−炭化ケイ素複合セラミックス切削工
具。 - 【請求項3】 窒化ケイ素粒子の粒界に平均粒径1μm
以下の炭化ケイ素粒子が存在し、かつ数nmから数百n
mの炭化ケイ素粒子が窒化ケイ素粒子内に分散した微構
造を示す窒化ケイ素−炭化ケイ素からなるマトリックス
相と、a)平均粒径が5−50μmの炭化ケイ素粒子、
および/または b)短軸が0.05−3.0μm、ア
スペクト比が5−300の炭化ケイ素ウィスカーの分散
相とからなる窒化ケイ素−炭化ケイ素複合焼結体を、酸
化雰囲気中、1300〜1600℃で熱処理し、しかる後表面を
5-2000 μm除去することを特徴とする窒化ケイ素−炭
化ケイ素複合セラミックス切削工具の製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5135820A JPH06344204A (ja) | 1993-06-07 | 1993-06-07 | 複合セラミックス切削工具およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5135820A JPH06344204A (ja) | 1993-06-07 | 1993-06-07 | 複合セラミックス切削工具およびその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06344204A true JPH06344204A (ja) | 1994-12-20 |
Family
ID=15160570
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5135820A Pending JPH06344204A (ja) | 1993-06-07 | 1993-06-07 | 複合セラミックス切削工具およびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06344204A (ja) |
-
1993
- 1993-06-07 JP JP5135820A patent/JPH06344204A/ja active Pending
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