JPH06345434A - 天然ビチューメン灰からの金属有価物回収方法 - Google Patents
天然ビチューメン灰からの金属有価物回収方法Info
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Abstract
ジウム、ニッケルおよびマグネシウム化合物からなる天
然ビチューメンの灰から、ニッケルおよびマグネシウム
を実質的に含まないバナジウムを高収率で回収する方法
を提供する。 【構成】天然ビチューメン灰を水と混合して固体分20
%、pH6.5以下、温度80〜85℃のスラリーを生
成し、スラリー中の還元された状態のバナジウムを酸化
し、得られたポリバナジン酸塩の沈殿を、灰中のニッケ
ルとマグネシウム有価物の実質的に全てを含む液相から
分離・回収する。
Description
術に関し、さらに詳しくは、天然ビチューメン灰からバ
ナジウム有価物を高収率で、かつ灰中のニッケルおよび
マグネシウム有価物を実質的に含まずに分離・回収する
新規な方法に関するものである。
ムを含有する燃料油灰は、鉱酸で処理してバナジウムを
溶解させることができる。濾過する前に浸出溶液に還元
剤を添加して灰残渣を酸性浸出液から除去することによ
って、回収率が向上する。しかしこの処理方法は、バナ
ジウム回収率をそれ程高くする必要がなく、ニッケルや
マグネシウムのような灰中の他の金属有価物がバナジウ
ムの分離を妨害させることがない場合にのみ有効であ
る。なぜならば、複雑で費用のかかるバナジウム分離工
程が必要となるからである。
からバナジウムを回収するもう1つの方法としては、苛
性ソーダ溶液中にバナジウムを選択的に溶解させる方法
がある。アルカリ性条件では還元状態のバナジウムは溶
解しにくいので、十分量の酸化剤を用いてバナジウムを
酸化する。ニッケルとマグネシウムは灰残渣中に残さ
れ、溶液からのバナジウムの除去は溶媒抽出、イオン交
換または沈殿などによってなされる。しかし、灰が天然
ビチューメンの灰であって、例えば硫酸塩としてマグネ
シウムを10%以上含有する場合、80〜90%といっ
た高い可溶性バナジウム回収率を得るためには多量の試
薬消費量が必要になる。その上、効率のよい反応速度を
得るためには高い塩基濃度での浸出が必要となり、さら
にアルカリ浸出処理のコストがかなり高くなる。
然ビチューメンの灰から極めて高い収率で、しかも慣用
的なバナジウムの回収方法である燃焼回収法を施すこと
ができるような純度で、バナジウムを回収することがで
き、さらにはニッケルとマグネシウムの有価物も高収率
でしかもバナジウムを実質的に含まずに回収することが
できる方法を提供することを目的としてなされたもので
ある。
ューメン灰を以下のような方法で処理できることを見出
した。すなわち、灰中のニッケルおよびマグネシウム有
価物を水に溶解し、灰中のバナジウムをポリバナジン酸
塩として沈殿させ、濾過して固相と液相とを分離するこ
とによって、実質的にすべてのバナジウム有価物をニッ
ケルおよびマグネシウム有価物から容易に分離、除去す
ることができる。
の灰を水でスラリー化し、このスラリーのpHを約6.
5以下、好ましくは約2〜3にして維持する。この段階
で、バナジウムを5価の状態に酸化し、その後にまたは
同時に、スラリーを加熱してバナジウムをポリバナジン
酸塩とする。
らなり、最初の灰中のニッケルまたはマグネシウム分は
実質的に含んでおらず、一方、濾液は最初の灰中のバナ
ジウム分は実質的に含んでいない。濾過ケーキはさらに
処理されて、バナジウム合金または他のバナジウム生成
物が製造される。一方、濾液についてはニッケル有価物
とマグネシウム有価物を互いに分離し、所望形態で回収
される。
は、天然ビチューメン灰と水とを混合して固体分1〜4
0%のスラリーを生成する工程、pHを1〜6.5に維
持する工程、スラリーを20〜100℃で撹拌する工
程、バナジウムをポリバナジン酸塩として沈殿させる工
程、およびこの固相を液相から分離する工程からなる。
いては、スラリーのpHを約6.5以下に調整する工
程、バナジウム有価物を5価状態に酸化する工程、酸性
にしたスラリーを加熱して5価のバナジウム有価物をポ
リバナジン酸塩として沈殿させる工程、そして最後に、
実質的にすべてのバナジウム有価物を含有する固相を、
灰中の実質的にすべてのニッケルとマグネシウム有価物
を含有する液相から分離する工程からなる。
おいては、回収しうるバナジウム有価物の供給源として
天然ビチューメンの灰を使用する。この灰は、“オリマ
ルション (Orimulsion) ”という登録商品名で市販され
ている乳化ビチューメンの燃焼により製造される。オリ
マルションの製造会社はPetroleos de Venezuela S.A.
であり、ベネズエラのオリノコベルト(Orinoco Belt)で
製造されており、発電プラントにおける燃料油や燃料炭
の代替物として世界中に広く提供されている。この製品
は、表面活性剤を用いてビチューメンを水で乳化するこ
とにより製造される。このエマルションは約30%の水
を含み、マグネシウム塩も添加されている。
なり、オリマルションの灰は通常は炭素を1%以下しか
含んでおらず、最高でも5%を超える炭素を含むことは
ない。燃料油の灰は10〜80%の炭素を含み、またフ
レキシコーカー(flexicoker)装置からの灰や石油コーク
スの燃焼による灰は、オリマルションと同様な金属をい
くつか含有してはいるが、代表的には75〜80%の炭
素を含んでいる。オリマルション灰は、バナジウム、ニ
ッケルおよびマグネシウムの化合物を95%以上も含有
している点で、特異なものである。これらの金属有価物
の多くは金属硫酸塩として存在しており、この灰の75
%以上もが水溶性である点でも特異なものである。燃料
油、石油コークスおよびフレキシコーカーの灰は水不溶
性の代表的なものであり、ほんの僅か(5%以下)しか
水に溶解しない。
ンがどの様にして燃焼されたかによって、灰中の3価、
4価または5価のバナジウムの比率が変化し、燃焼雰囲
気中の酸素量により変化する。かような灰の多くは、3
価か4価の還元された形態のバナジウムを20〜50%
含む。
して、スラリー重量の1〜40%が最初の添加灰の重量
であるようなスラリーを生成する。固体分が20%のス
ラリーが好ましい(すなわち、最初の灰の重量が、水と
灰の合計重量の20%である)。無機酸、好ましくは硫
酸の十分量をこのスラリーに添加してpHを6.5以
下、好ましくは2.0〜3.0の範囲にする。通常は、
酸の添加が必要ない程度に灰は酸性となっている。前述
したように、酸化マグネシウムまたは他のアルカリを灰
に添加する場合には、pHを所望レベルにするために酸
の添加が必要となろう。
酸化剤としては塩素酸ナトリウムが好ましいが、過酸化
水素、オゾン、空気、塩素、塩素酸カリウムまたは次亜
塩素酸ナトリウム等でもよい。しかしながらある場合に
は、バナジウムは最初の灰中でほぼ完全に酸化されてお
り、酸化剤の添加が必要ない場合もある。
時間撹拌され、この間にバナジウムは酸化されたポリバ
ナジン酸塩として沈殿する。上記の温度範囲の上限温度
ではより一層迅速に沈殿する。温度は80〜85℃の範
囲が好ましく、これらの条件下ではバナジウムの94−
99%が沈殿し、また灰中に含まれていたニッケルおよ
びマグネシウムの代表的には95−99%が浸出液の溶
液中に残る。上述したこの発明の方法を代表的な従来法
である酸浸出法から区別する新規な特徴は、バナジウム
を意識的に不溶性にする点である。
浄する。得られる固体の濾過ケーキは、沈殿したバナジ
ウムを含み、濃縮されたバナジウム固体(代表的にはV
含量28〜34%)である。この生成物を経済的に処理
してバナジウムを回収できる。濾液は慣用的な処理を施
してニッケル有価物をマグネシウム有価物から分離でき
る。この濾液には、最初の灰中に存在していたニッケル
およびマグネシウムの95〜100%が含まれる。マグ
ネシウムからニッケルを分離する際には、高濃度のバナ
ジウムの影響なしに分離することが可能となる。ニッケ
ルを回収するためには従来から使用されているイオン交
換法が適しており、次いでマグネシウムを炭酸塩または
水酸化物として沈殿させることにより回収できる。濾過
ケーキは、試薬消費量が極めて少ないアルカリ浸出法に
より処理してバナジウムを回収することができる。ある
いは、濾過ケーキを乾燥して炉で燃焼する方法により、
バナジウム合金を生成することもできる。
詳述するが、この発明はこれらの実施例によって限定さ
れるものではない。
レベルで含むオリマルション灰 酸化されたバナジウムを含む自然に酸性とされたオリマ
ルション灰(#OR−A−P)を分析した結果、V
7.20%; Ni 1.48%; Mg 11.24
%であった。
0℃で16時間撹拌した(固体分8.42%)。還元剤
は添加しなかった。スラリーのpHは2.9であり、酸
は添加しなかった。次いでこの混合物を濾過し、成分を
分析した。灰の73.7%が溶解されたことが判明し
た。濾過ケーキは灰からのバナジウムの95.22%を
含み、マグネシウムの93.1%およびニッケルの8
2.6%が濾液に溶解していた。次いで、乾燥量基準で
27.30%のバナジウムを含む濾過ケーキをNaOH
でアルカリ浸出した。得られた浸出液には、濾過ケーキ
中のバナジウムの93.1%を含み、マグネシウムまた
はニッケルは実質的に含んでいなかった。この場合、上
記の灰の処理方法によって経済的かつ慣用的なバナジウ
ム回収が可能となるとともに、バナジウムからの他の金
属の定量的除去も可能となった。
むオリマルション灰および温度の影響 本実施例の試験は、同じ供給源(#D−1−B)からの
オリマルション灰の異なる試料について行った。この灰
はV 7.76%; Ni 1.92%; Mg 1
3.58%を含有し、自然に酸性とされていた。
体分10.0%のスラリーを生成した。この混合物はp
H3.7であり、従って酸を添加しなかった。スラリー
を室温(20℃)で14.5時間撹拌した。還元剤は添
加しなかった。次いでスラリーを濾過し、成分を分析し
た。灰の78.8%が溶解しており、バナジウムの8
1.4%が不溶物として濾過ケーキに残り、濾過ケーキ
は乾燥量基準で27.73%のバナジウムを含んでい
た。最初の灰中のマグネシウムの93.9%およびニッ
ケルの80.9%が溶解した。従って、灰中のバナジウ
ムのかなりの部分(18.6%)が溶解してしまい、回
収損失となった。
リー温度を65℃に維持したこと以外は、上記と同様に
して同じ試料について試験した。濾過ケーキ中へのバナ
ジウムの回収率は80.6%であり、19.4%のバナ
ジウムが濾液へ溶解した。93.7%のマグネシウムと
88.0%のニッケルも溶解した。乾燥濾過ケーキは2
4.71%のバナジウムを含んでいた。
は、上記と同様にして同じ試料について試験した。この
場合には、濾過ケーキ中へのバナジウムの回収率は9
3.2%であり、6.8%のバナジウムが濾液へ溶解し
た。94.5%のマグネシウムと84.6%のニッケル
も溶解した。乾燥濾過ケーキは29.87%のバナジウ
ムを含んでいた。
殿に及ぼす影響 本実施例の試験は、同じ供給源からの異なるオリマルシ
ョン灰試料(#B−2−2)について行った。この試料
はV 6.69%; Ni 1.50%; Mg 1
2.01%を含有し、自然に酸性とされていた。
分な水を添加して固体分30%のスラリーを生成し、こ
のスラリーを85℃で16時間撹拌した。スラリーのp
Hは2.7であり、酸や他の試薬は添加しなかった。次
いでスラリーを濾過し、成分を分析した。灰の75.4
%が濾液中に溶解しており、この濾液には灰中のマグネ
シウムの99.4%、灰中のニッケルの97.4%を含
んでいた。灰に含まれるマグネシウムの僅かに5.1%
が溶解し、94.9%が濾過ケーキ中に含まれ、濾過ケ
ーキには乾燥量基準で35.31%のバナジウムを含ん
でいた。
加して、上記の試験を繰り返した。スラリーのpHは
2.1であった。16時間後、スラリーを濾過し、成分
を分析した。濾液に溶解したバナジウムは0.8%に減
少した(濾過ケーキには99.2%のバナジウムを含ん
でいた)。ニッケルの96.9%が溶解した。これらの
試験結果は、酸化剤の添加により、酸性pHおよび85
℃でのバナジウム沈殿効率が向上したことを示してい
る。
ムを含むオリマルション灰 本実施例の試験は、ヨーロッパの発電所からの2種類の
オリマルション灰試料(#P−J−1および#P−J−
2)について行った。この発電所では、灰の酸性を中和
する際に酸化マグネシウムを灰に添加した。そのためこ
の灰は、前記した実施例1−3のオリマルション灰と比
較してマグネシウム有価物含量が高く、バナジウムとニ
ッケル含量が低い。この灰は塩基性である。
g 16.1%; Ni 1.06%を含有していた。
試料#P−J−2はV 5.18%; Mg 17.8
%; Ni 1.18%を含有していた。
を添加して固体分20%のスラリーを生成し、このスラ
リーを85℃で6時間撹拌した。試薬は添加しなかっ
た。スラリーのpHは8.1であった。次いでこのスラ
リーを濾過し、成分を分析した。バナジウムの22.0
%が濾液中に溶解したが、マグネシウムの60.6%お
よびニッケルの0.04%しか溶解しなかった。濾過ケ
ーキには乾燥量基準で僅かに10.55%のバナジウム
しか含まれていなかった。灰の69.3%が溶解した。
を繰り返した。その結果は最初の試験と同様であった。
スラリーのpHは8.1であり、71%の灰が溶解し
た。バナジウムの22.2%、マグネシウムの61.4
%、およびニッケルの0.9%が濾液中に溶解した。濾
過ケーキには灰中のバナジウムの77.8%を含み、バ
ナジウム固体としては10.55%であった。
添加し、スラリー(固体分18.5%)を85℃で16
時間撹拌して、上記の試験を繰り返した。スラリーのp
Hは2.7であった。次いでスラリーを濾過し、成分を
分析した。灰の87.7%が溶解した。バナジウムの3
8.5%が濾液に溶解し、同様に灰中のマグネシウムの
98.0%およびニッケルの81.2%が溶解した。濾
過ケーキにはバナジウムの61.5%を含み、バナジウ
ム固体(乾燥量基準)としては27.5%であった。
い、スラリーに酸化剤を添加した。灰に十分な水を添加
して固体分19.9%のスラリーを生成した。硫酸39
gと塩素酸ナトリウム1.5gを添加し、スラリーを8
5℃で16時間撹拌した。次いでスラリーを濾過し、成
分を分析した。灰の81.7%が溶解した。バナジウム
の濾液への損失は6.6%に減少し、マグネシウムの9
8%およびニッケルの94.3%が溶解した。乾燥濾過
ケーキには灰中のバナジウムの93.4%を含み、バナ
ジウム固体としては28.2%であった。
量のアルカリ性オリマルション灰は、酸と酸化剤の両方
を添加することによって、水溶液からバナジウム富化固
体の94%以上を回収でき、マグネシウムおよびニッケ
ルの94〜99%を溶解させて水に残留させ得ることが
立証された。
または量は、特にことわりのない場合には重量基準で表
わすものである。
法によれば、天然ビチューメンの灰からバナジウム有価
物を極めて高い収率でかつ灰中のニッケルおよびマグネ
シウムを実質的に含まずに分離・回収することができ、
さらにはニッケルやマグネシウム有価物も高収率でしか
もバナジウムを実質的に含まずに回収することができる
ものである。
Claims (9)
- 【請求項1】天然ビチューメンの灰と水を混合してスラ
リーを生成し、必要に応じて無機酸を添加してスラリー
のpHを6.5以下とし、スラリー中の実質的にすべて
のバナジウムを酸化してポリバナジン酸塩として沈殿さ
せ、実質的にすべてのバナジウムを含有する固相を、ニ
ッケルおよびマグネシウムを含む灰中の他の金属有価物
を含有する液相から分離して除去する工程からなる天然
ビチューメン灰からの金属有価物回収方法。 - 【請求項2】スラリーのpHを2〜3の範囲に調整し、
次いで実質的にすべてのバナジウムを5価の状態に酸化
する工程を含む請求項1記載の方法。 - 【請求項3】硫酸をスラリーに添加してpHを2〜3の
範囲にする請求項2記載の方法。 - 【請求項4】塩素酸ナトリウムをスラリーに添加して実
質的にすべてのバナジウムを5価の状態に酸化する請求
項3記載の方法。 - 【請求項5】固相をアルカリ水溶液と接触させることに
よって、固相から実質的にすべてのバナジウムを浸出さ
せる工程を含む請求項1記載の方法。 - 【請求項6】天然ビチューメンの灰と水を混合してスラ
リーを生成し、ビチューメン灰からニッケルおよびマグ
ネシウム有価物を選択的に溶解して除去し、実質的にす
べてのバナジウム有価物を含有するビチューメン灰の固
相を、ニッケルおよびマグネシウム有価物を含有する液
相から分離して除去する工程からなる天然ビチューメン
灰からのバナジウム、ニッケルおよびマグネシウム有価
物の回収方法。 - 【請求項7】固相を液相から分離除去する工程の前に、
スラリーのpHを2〜6.5の範囲に調整する工程を含
む請求項6記載の方法。 - 【請求項8】固相をニッケルおよびマグネシウム有価物
を含有する液相から分離除去する工程の後に、固相をア
ルカリ水溶液と接触させることによって固相から実質的
にすべてのバナジウムを浸出させる工程をさらに含む請
求項6記載の方法。 - 【請求項9】アルカリ水溶液の浸出液に塩素酸ナトリウ
ムを添加して実質的にすべてのバナジウム有価物を5価
の状態に酸化する工程を含む請求項8記載の方法。
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