JPH06345688A - エステル類の製造方法 - Google Patents

エステル類の製造方法

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JPH06345688A JP5143679A JP14367993A JPH06345688A JP H06345688 A JPH06345688 A JP H06345688A JP 5143679 A JP5143679 A JP 5143679A JP 14367993 A JP14367993 A JP 14367993A JP H06345688 A JPH06345688 A JP H06345688A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】弗化水素の存在下、オレフィン、一酸化炭素お
よびアルコールを反応させる。 【効果】低温で反応速度が大きいので反応器が小さくな
り、触媒の弗化水素は蒸留により反応生成物から容易に
分離して循環使用することができることから、エステル
類を工業的に有利に製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、香料、冷凍機油、ゴ
ム、インキ、塗料添加剤など種々の用途に用いられるエ
ステル類の製造法に関し、詳しくはオレフィン、一酸化
炭素およびアルコールからエステル類を製造する方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来エステル類は、例えば特開平5−5
098号に記載されている如くに、触媒の存在下、脂肪
酸とアルコールを加熱して脱水反応を行うことにより製
造される。この脱水反応に用いられる触媒には、硫酸や
パラトルエンスルホン酸等の酸触媒やテトラプロピルチ
タネート等の有機チタネート化合物が知られている。こ
の脱水反応は平衡反応であり、過剰のアルコールが用い
られ、反応系より生成水を除去することにより反応が促
進されるが、一般に反応速度が遅く、反応を完結させる
ため長時間を要する。また例えばネオ酸型のような分岐
脂肪酸からエステルを製造する場合には 200℃以上の高
温で10時間以上反応させる必要があり、高材質の大容量
の反応器を用いることから、その建設費が大きい。
【0003】このように高温で長時間反応させるのを避
けるために、特開平4−314793号および特開平5
−1291号には、酸クロライドを経由してエステルを
製造する方法が提案されている。しかしながらこのよう
に酸クロライドを経由してエステル化する方法は、先ず
カルボン酸から酸クロライドを製造しなければならず、
このために三塩化リン、五塩化リン、塩化チオニル等の
無機酸の酸塩化物が用いられる。これらの無機酸の酸塩
化物は取扱いが困難であり、複雑な工程を必要とする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のエステル類の製
造法は、上記の如く脂肪酸とアルコールとの脱水反応に
よる場合には反応速度が低く、高材質の大容量の反応器
を用いる必要があり、また酸クロライドを経由する方法
では無機酸の酸塩化物を用いるために複雑な工程が必要
である。本発明の目的は、このような従来のエステル類
の製造法の問題点を解決し、エステル類を効率良く、工
業的に有利に製造する方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】発明者等は上記の如き課
題を有するエステル類の製造法について鋭意検討した結
果、弗化水素を触媒に用いてオレフィン、一酸化炭素お
よびアルコールを反応させることにより、低温で短時間
にエステル類が得られ、エステル類が容易に分離できる
ので、エステル類を極めて効率良く安価に得られること
を見出し、本発明に到達した。
【0006】即ち本発明は、弗化水素の存在下、オレフ
ィン、一酸化炭素およびアルコールを反応させることを
特徴とするエステルの製造方法である。
【0007】本発明において原料に用いられるオレフィ
ンとしては、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、ペ
ンテン、ヘキセン、オクテンなどが挙げられる。また本
発明に用いられるアルコールとしては、メタノール、エ
タノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノー
ル、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オク
タノールなどの1価アルコールや、ネオペンチルグリコ
ール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパ
ン、ペンタエリスリトール、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、グリセロール、ソルビドールなどの
多価アルコールが挙げられる。
【0008】本発明の方法において使用する弗化水素の
使用量は、オレフィン1モル当たり5〜30モル、好ま
しくは7〜15モルである。オレフィンに対する弗化水
素のモル比が5より低い場合には副反応量が増大し、エ
ステルの収率が低下する。またこのモル比を30より高
くしても収率が変わらずに反応器が大きくなるので経済
的に有利とならない。なお本発明において触媒として弗
化水素と共に、三弗化ホウ素を用いることもできる。
【0009】アルコールの使用量は、オレフィン1モル
当り2モル当量以下(アルコールのOH基のモル数基
準)であり、好ましくは0.7〜1.5モルである。ア
ルコールの使用量が多すぎる場合には、未反応アルコー
ルの回収量が多くなる。またアルコールの使用量が少な
すぎる場合には、反応生成物中にオレフィンと一酸化炭
素の反応生成物(フッ化アシル)が残留し、その分離が
困難となる。反応に用いられる一酸化炭素の量は反応圧
力により決定される。なお次に述べる反応圧力は高純度
の一酸化炭素を用いた場合であり、もし使用する一酸化
炭素ガスに相当量の不活性ガスが含まれる場合には、一
酸化炭素の分圧がその反応圧力に相当する。
【0010】本発明の方法では、弗化水素中でオレフ
ィンと一酸化炭素を反応させた後、アルコールを反応さ
せる方法、弗化水素、一酸化炭素及びアルコールの存
在下にオレフィンを供給して反応させる方法、或いは
弗化水素と一酸化炭素の存在下に、オレフィンとアルコ
ールを同時に供給して反応させる方法などを行うことが
でき、その方法は制限されない。
【0011】の弗化水素中でオレフィンと一酸化炭素
を反応させた後、アルコールを反応させる方法では、弗
化水素中でオレフィンと一酸化炭素を反応させることに
よりフッ化アシルが得られ、このフッ化アシルとアルコ
ールが反応してエステルと弗化水素が生成するものと見
られ、一般にこのの方法でエステルの高収率が得られ
るので有利である。
【0012】弗化水素中でオレフィンと一酸化炭素を反
応させる場合の圧力は 100 kg/cm2G 以下であり、好ま
しくは10〜80 kg/cm2 G である。反応圧力が低い場合に
はフッ化アシルの収率が低い。しかし圧力を 100 kg/cm
2 G より高くしても収率は殆ど変わらず、設備費が高く
なるので工業的に有利とならない。
【0013】オレフィンと一酸化炭素の反応温度は使用
されるオレフィンにより異なるが、一般に−30〜70
℃であり、好ましくは−20〜50℃である。反応温度
が高過ぎると副生物が多くなり、収率が低下する。反応
温度が低過ぎる場合には、反応速度が小さく、経済的に
不利となる。
【0014】このようにして得られたオレフィンと一酸
化炭素からの生成物(フッ化アシル)とアルコールの反
応は加圧下でも常圧でも良く、従ってオレフィンと一酸
化炭素を加圧下で反応させて、そのままの圧力でアルコ
ールと反応させても、また落圧してアルコールと反応さ
せても良い。このオレフィンと一酸化炭素からの生成物
とアルコールの反応温度は−10〜70℃、好ましくは
0〜50℃である。
【0015】の弗化水素、一酸化炭素及びアルコール
の存在下にオレフィンを供給して反応させる方法、およ
びの弗化水素と一酸化炭素の存在下に、オレフィンと
アルコールを同時に供給して反応させる方法における反
応圧力と温度は、ほぼ弗化水素中でオレフィンと一酸化
炭素を反応させる場合の操作条件と同様であり、使用す
るオレフィンとアルコールの種類に応じて適宜選択され
る。
【0016】本発明の方法により得られた反応生成液は
弗化水素の溶液となるので、本発明の方法において溶媒
は特に不要である。しかし反応に悪影響を及ぼさない溶
媒、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等のような
飽和炭化水素類を使用することもできる。溶媒の使用法
としては、例えばオレフィン類をこのような溶媒に溶か
して反応器に供給する方法などがある。
【0017】本発明の方法により得られた反応生成液
は、蒸留することにより弗化水素が容易に分離されて、
この弗化水素を循環使用することができる。なお工業的
には加圧下で蒸留を行い弗化水素を分離回収することが
できるが、得られるエステルの種類によっては、反応生
成液を水中に投入し、分離する油層を分離することによ
ってエステル類を得ることもできる。
【0018】得られたエステルはオレフィンの種類によ
り異性化反応が起こるので、異性体混合物が得られる。
その組成は反応温度や圧力等によって異なり、好適な反
応条件が選定される。本発明のエステル製造方法は、回
分式でも連続式でも行うことができるが、工業的には連
続式が有利である。
【0019】
【実施例】次に実施例により本発明を更に具体的に説明
する。但し本発明はこれらの実施例により限定されるも
のではない。
【0020】実施例1 攪拌機と、上部に3個の入口ノズル、底部に1個の出口
ノズルを備え、ジャケットにより内部温度を制御できる
容量2リットルのステンレス製オートクレーブを用いて
エステル類の製造を行った。先ず該オートクレーブを一
酸化炭素で置換した後、420g(21モル)の弗化水
素を導入した。温度−10℃に冷却し、一酸化炭素で2
0 kg/cm2 G まで加圧した。同様の反応温度を維持しな
がら、同圧を保つように一酸化炭素を供給しつつ、1-ヘ
キセン 160g (1.9モル) を約60分間かけてオートクレー
ブの気相部より供給し、更に供給終了後20分間にわたっ
て攪拌を継続した。一酸化炭素の反応吸収量は一酸化炭
素計量槽の重量差より 39.2g (1.4 モル) であった。
【0021】次に常圧に落圧して未反応の一酸化炭素を
パージし、メタノールを 48g (1.5モル) を約30分間か
けてポンプでオートクレーブに供給した。反応温度を10
℃として 2時間攪拌した。反応終了後、氷水中に反応生
成液を投入し、油層を分液した。得られた油層液を水洗
した後、20mmHgで蒸留を行い、50〜53℃の留分 197gを
得た。これをガスクロマトグラフィーで分析した結果、
2,2-ジメチルペンタン酸メチルエステル 25%、2-エチル
-2- メチル- ブタン酸メチルエステル 8% 、2-エチルペ
ンタン酸メチルエステル 47%、2-メチルヘキサン酸メチ
ルエステル 20%のメチルエステル異性体混合物であっ
た。供給した1-ヘキセン当量基準のエステル収率は 72
mol%であった。
【0022】実施例2 実施例1においてメタノールに代えてエタノールを用い
てエステル化反応を行い、同様の方法でエステル留分を
分離した。この結果、2,2-ジメチルペンタン酸エチルエ
ステル 25%、2-エチル-2- メチル- ブタン酸エチルエス
テル 8% 、2-エチルペンタン酸エチルエステル 47%、2-
メチルヘキサン酸エチルエステル 20%の4種のエチルエ
ステル異性体混合物 214g が得られた。供給した1-ヘキ
セン当量基準のエステル収率は 71 mol%であった。
【0023】実施例3 実施例1においてメタノールに代えてn-プロパノールを
用いてエステル化反応を行った後、得られたエステルの
弗化水素溶液をHF回収塔 (内径55mm、高さ1000mm、1/2
インチのテフロン製ラッシヒリング充填) により、圧力
2 kg/cm2 G 、塔底温度 120℃でヘキサン還流下に弗化
水素を回収した。塔底部よりエステルと過剰のプロパノ
ールを含むヘキサン溶液を抜き出し、蒸留精製を行った
ところ、2,2-ジメチルペンタン酸プロピルエステル 25
%、2-エチル-2- メチル- ブタン酸プロピルエステル 8%
、2-エチルペンタン酸プロピルエステル 47%、2-メチ
ルヘキサン酸プロピルエステル 20%の 4種のn-プロピル
エステル異性体混合物が 231g 得られた。供給した1-ヘ
キセン当量基準のエステル収率は 71 mol%であった。
【0024】実施例4 実施例3においてn-プロパノールに代えてトリメチロー
ルプロパンを用いてエステル化反応を行った後、得られ
たエステルの弗化水素溶液を同じHF回収塔を用いて弗化
水素を回収し、塔底部液の単蒸留を行い、 2〜3 mmHg 2
20〜230 ℃の留分として、ガスクロマトグラフィー分析
により、トリエステル純度 99%以上の異性体混合物 208
g を得た。供給した1-ヘキセン当量基準のエステル収率
は 70mol% であった。この異性体混合物の物性は、動粘
度 23.6 cst(40℃) 、比重 0.954(20/20℃) 、水酸基価
5 mgKOH/g以下であった。
【0025】実施例5 実施例1における1-ヘキセンと一酸化炭素との反応を10
℃で行った。得られた反応液とメタノールとのエステル
化反応および精製を同様に行い、ガスクロマトグラフィ
ーで分析した結果、2,2-ジメチルペンタン酸メチルエス
テル 40%、2-エチル-2- メチル- ブタン酸エステル 13
%、2-エチルペンタン酸メチルエステル 32%、2-メチル
ヘキサン酸メチルエステル 15%のメチルエステル異性体
混合物184gが得られた。供給した1-ヘキセン当量基準の
エステル収率は67mol%であった。
【0026】実施例6 実施例1における1-ヘキセンと一酸化炭素との反応を35
℃で行った。得られた反応液とメタノールとのエステル
化反応および精製を同様に行い、ガスクロマトグラフィ
ーで分析した結果、2,2-ジメチルペンタン酸メチルエス
テル 53%、2-エチル-2- メチル- ブタン酸エステル 20
%、2-エチルペンタン酸メチルエステル 17%、2-メチル
ヘキサン酸メチルエステル 10%のメチルエステル異性体
混合物が170g 得られた。供給した1-ヘキセン当量基準
のエステル収率は 62 mol%であった。
【0027】実施例7 実施例1における1-ヘキセンと一酸化炭素との反応を、
圧力 50kg/cm2 G 、温度−13℃で行った。得られた反応
液とメタノールとのエステル化反応および精製を同様に
行い、ガスクロマトグラフィーで分析した結果、2,2-ジ
メチルペンタン酸メチルエステル 13%、2-エチル-2- メ
チル- ブタン酸エステル 4% 、2-エチルペンタン酸メチ
ルエステル 58%、2-メチルヘキサン酸メチルエステル 2
5%のメチルエステル異性体混合物 219g が得られた。供
給した1-ヘキセン当量基準のエステル収率は 80 mol%で
あった。
【0028】実施例8 実施例1に用いたオートクレーブを先ず一酸化炭素で置
換した後、メタノール39g (1.2モル) 、弗化水素 480g
(24モル) を導入した。次に温度45℃としながら一酸化
炭素で 20kg/cm2 G まで加圧し、同様の反応温度および
圧力を維持しながらプロピレン 63g(1.5モル) を約60分
間かけてオートクレーブの気相部に供給し、更に 1時間
反応させた。反応終了後、氷水中に反応液を投入し、分
離した油層を分液して5%の水酸化ナトリウムで洗浄した
後、更に水洗した。これを蒸留して92〜94℃の留分とし
てイソ酪酸メチルエステル 115g を得た。供給したプロ
ピレン当量基準のエステル収率は 75 mol%であった。
【0029】実施例9 実施例1に用いたオートクレーブを先ず一酸化炭素で置
換した後、弗化水素 480g(24モル) を導入した。次に温
度45℃としながら一酸化炭素で 20kg/cm2 G まで加圧
し、同様の反応温度および圧力を維持しながらメタノー
ル39g (1.2モル)、プロピレン 63g(1.5モル) を同時に
約60分間かけてオートクレーブの気相部に供給し、更に
1時間反応させた。反応終了後、氷水中に反応液を投入
し、分離した油層を分液して5%の水酸化ナトリウムで洗
浄した後、更に水洗した。これを蒸留して92〜94℃の留
分としてイソ酪酸メチルエステル 112g を得た。供給し
たプロピレン当量基準のエステル収率は 73 mol%であっ
た。
【0030】
【発明の効果】各実施例から明らかなように、本発明の
方法ではオレフィン、一酸化炭素およびアルコールから
低温、短時間の反応により高収率で得られる。本発明の
方法は、反応速度が大きいので反応器が小さくなり、触
媒の弗化水素は蒸留により反応生成物から容易に分離し
て循環使用することができることから、エステル類を工
業的に極めて有利に製造することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】弗化水素の存在下、オレフィン、一酸化炭
    素およびアルコールを反応させることを特徴とするエス
    テル類の製造方法
  2. 【請求項2】弗化水素の存在下オレフィンと一酸化炭素
    を反応させ、得られた反応液とアルコールを反応させる
    請求項1のエステル類の製造方法
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