JPH0634606Y2 - 燃料噴射ポンプのパイロット噴射装置 - Google Patents

燃料噴射ポンプのパイロット噴射装置

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JPH0634606Y2
JPH0634606Y2 JP8975588U JP8975588U JPH0634606Y2 JP H0634606 Y2 JPH0634606 Y2 JP H0634606Y2 JP 8975588 U JP8975588 U JP 8975588U JP 8975588 U JP8975588 U JP 8975588U JP H0634606 Y2 JPH0634606 Y2 JP H0634606Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本考案は、燃料噴射ポンプの加圧室に連通して配設さ
れ、燃料の主噴射に先立ちパイロット噴射を行なう燃料
噴射ポンプのパイロット噴射装置に関する。
[従来の技術] 従来よりディーゼル機関の燃焼騒音低下および着火性向
上を目的として、燃料噴射ポンプによる燃料の主噴射に
先立ってパイロット噴射を実行させ、パイロット噴射に
よる燃料がディーゼル機関の燃焼室内で着火したときに
主噴射を行なう燃料噴射ポンプのパイロット噴射装置が
知られている。
このような技術として、例えば、「燃料噴射ポンプの圧
力ビルドアップ一時的中断装置」(特開昭61-129456号
公報)等が提案されている。すなわち、燃料噴射ポンプ
のプランジャで加圧された圧力室内の燃料を、バネで付
勢される圧力逃がし部材が所定レベル圧以上で退避して
膨張室に導出するに際し、プランジャで間欠的に遮弊さ
れるバイパス孔、バイパス孔と膨張室との間に延設され
たバイパスを備え、非噴射時期にはバイパス孔がプラン
ジャで遮弊されずに開放状態に保たれるよう配置された
ものである。
[考案が解決しようとする課題] ところで、パイロット噴射装置のパイロット噴射量は、
圧力逃がし部材として使用されるアキュームレートピス
トンの動的開弁圧により定まる。すなわち、動的開弁圧
が所定圧より低下すると、パイロット噴射量は減少す
る。この動的開弁圧は、開弁時にアキュームレートピス
トン頭部側面に作用する燃料の圧力、所謂油溜り充填燃
料の残圧が高いと低下することが知られている。燃料温
度が比較的高くなると燃料粘性が低下するので、油溜り
充填燃料は、アキュームレートピストンとアキュームレ
ートピストンガイドとの摺動部の間隙を介して低圧側に
流出し易い。ところが、燃料粘性は、燃料温度の低下に
伴って増加する。このため、燃料温度が比較的低くなる
と、摺動部の間隙を流動する燃料に大きな粘性力が作用
するため、油溜り充填燃料が低圧側に流出し難くなる。
これにより、油溜り残圧が高くなり、動的開弁圧の低下
を招致してしまう。そこで、上記従来技術のように、非
燃料噴射時に油溜り充填燃料を、バイパスを介して燃料
噴射ポンプ側に導出し、パイロット噴射量の変動を防止
することも考案された。
しかし、上記従来技術は、燃料噴射ポンプの圧力室に開
口してプランジャにより間欠的に遮弊されるバイパス
孔、バイパス孔とパイロット噴射装置の膨張室との間に
バイパスを延設するといった複雑な構造である。このた
め、燃料温度低下等、過酷な環境条件下でも確実な作動
を要求される装置に適用すると、装置の信頼性・耐環境
性の低下を招致するという問題点があった。このこと
は、アキュームレートピストンの動的開弁圧を低下さ
せ、パイロット噴射量の減少、あるいは、パイロット噴
射不能等の障害を引き起こす要因となり、ディーゼル機
関の燃料騒音の低減が困難になる場合もあった。
また、燃料噴射ポンプとパイロット噴射装置との両者に
亘って、バイパス孔、バイパス、プランジャによりバイ
パス孔を開閉する機構等を付加する機械的加工が必要
で、製造時の作業工数、加工工程の増加を招き、組立
時、保守時等の作業性も低下していた。
本考案は、パイロット噴射装置の機械的構造のみを改善
して油溜り残圧を減圧し、パイロット噴射を常時好適に
実行可能な燃料噴射ポンプのパイロット噴射装置の提供
を目的とする。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するためになされた本考案は、 燃料噴射ポンプの加圧室に連通し、連通部近傍に燃料充
填部を有するアキュームレートピストンガイドと、 該アキュームレートピストンガイドと摺動自在に嵌合
し、上記加圧室内の燃料圧力上昇に伴い、上記アキュー
ムレートピストンガイド内部を押圧移動するアキューム
レートピストンと、 上記アキュームレートピストンガイドに連通する背圧室
に内設され、上記アキュームレートピストンの頭部側面
を上記燃料充填部に近接対向させる方向の付勢力を発生
する付勢部材と、 を具備した燃料噴射ポンプのパイロット噴射装置におい
て、 上記アキュームレートピストンガイドと上記アキューム
レートピストンとの嵌合部に、上記燃料充填部と上記背
圧室側との間で所定量の燃料が流動可能な所定間隙を設
けたことを特徴とする燃料噴射ポンプのパイロット噴射
装置を要旨とするものである。
[作用] 本考案の燃料噴射ポンプのパイロット噴射装置は、アキ
ュームレートピストンが、燃料噴射ポンプの加圧室に連
通し、連通部近傍に燃料充填部を有するアキュームレー
トピストンガイドと摺動自在に嵌合する。アキュームレ
ートピストンは、加圧室内の燃料圧力上昇に伴い、アキ
ュームレートピストンガイド内部を押圧移動する。一
方、アキュームレートピストンガイドに連通する背圧室
に内設された付勢部材は、アキュームレートピストンの
頭部側面を燃料充填部に近接対向させる方向の付勢力を
発生する。ここで、アキュームレートピストンガイドと
アキュームレートピストンとの嵌合部に設けられた所定
間隙が、燃料充填部と背圧室側との間で所定量の燃料を
流動可能にするよう働く。
すなわち、アキュームレートピストンガイドとアキュー
ムレートピストンとの嵌合部に設けられた所定間隙を介
して、高圧側である燃料充填部に充填された燃料が、低
圧側である背圧室側へ流出するのである。
従って、本考案の燃料噴射ポンプのパイロット噴射装置
は、燃料充填部から所定間隙を介して背圧室側に所定量
の燃料を流出し、燃料充填部の燃料圧力を減圧するよう
働く。
[実施例] 次に本考案の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明
する。本考案の一実施例である分配型の燃料噴射ポンプ
の概略構成を第2図に、その主要部をなすパイロット噴
射装置の断面を第1図に、各々示す。
分配型の燃料噴射ポンプ1は、第2図に示すように、ポ
ンプハウジング2内部に、ドライブシャフト3の回転に
より駆動されてポンプ室4内部に燃料を昇圧供給するベ
ーンポンプ5、ドライブシャフト3に図示しないカップ
リングを介して連結されたカムプレート6、カムプレー
ト6と一体的に回転すると共に往復動するプランジャ7
を備えている。プランジャ7はポンプシリンダ8内部に
嵌挿され、その往復動により、ポンプ室4内部の燃料を
吸入ポート9からプランジャ室10に吸入後、加圧する。
プランジャ7は、プランジャ室10内部で加圧された燃料
を所定時期に各分配通路11に分配し、デリバリバルブ12
を介して図示しないディーゼルエンジンの各噴射ノズル
に圧送する分配ポート13、加圧された燃料をポンプ室4
に溢流するスピルポート14を有する。また、ポンプヘッ
ド15には、プランジャ室10に連通するパイロット噴射装
置20が螺着されている。
プランジャ7には、スピルポート14付近にスピルリング
30が外嵌されている。スピルリング30の位置によりプラ
ンジャ7による燃料の加圧終了時期、すなわち、燃料噴
射量が定まる。スピルリング30の位置は、アクセル操作
量や回転速度に応じた制御を行なうメカニカルガバナ31
および大気圧に応じた制御を行なう高度補償装置32によ
り決定される。メカニカルガバナ31は、以下のような制
御を行なう。すなわち、図示しないアクセルペダルに連
動するアジャスティングレバー33、コントロールスプリ
ング34の作動により、テンションレバー35が支点36を軸
として回動する。テンションレバー35の作動は、スター
トスプリング37を介してコントロールレバー38に伝達さ
れ、コントロールレバー38の支点36回りの回動によりス
ピルリング30の位置が制御される。また、ドライブシャ
フト3と共に回転するガバナメインシャフトに取り付け
られたフライウエイト39は、ディーゼルエンジンの回転
速度に応じた遠心力により外側に広がる。これにより、
ガバナスリーブ40がコントロールレバー38を押圧し、上
述したようにコントロールレバー38によりスピルリング
30の位置が制御される。一方、高度補償装置32は、以下
のようにスピルリング30の位置を制御する。すなわち、
大気圧に応じてベローズ41、プッシュロッド42が上下動
する。この上下動は、コネクティングピン43を左右に移
動させ、この移動に応じて、テンションレバー35のスト
ッパであるコントロールアーム44が支点45を軸として回
動する。このコントロールアーム44の回動量に応じて作
動するテンションレバー35により、スピルリング30の位
置が制御される。また、タイマ機構46は、ポンプ室4内
部の燃料圧力に応じて燃料噴射時期を制御する。
ところで、パイロット噴射装置20は、プランジャ7の一
往動中(圧送行程)に、プランジャ室10内部の燃料圧力
を一旦減圧して圧送を中断し、パイロット噴射を行なっ
た後に主噴射を実行する。
次に、パイロット噴射装置20の構造を、第1図に基づい
て説明する。パイロット噴射装置20は、燃料噴射ポンプ
1のプランジャ室10に連通し、アキュームレートピスト
ン51を外嵌するアキュームレートピストンガイド52を内
蔵するボディ53、ボディ53にOリング54を介して螺着さ
れるキャップ55、ボディ53とキャップ55との間に介装さ
れたアキュームレートピストンストッパ56から構成され
ている。
ボディ53は先端外周面に刻設されたねじ部57により、燃
料噴射ポンプ1に対して水平となるようポンプヘッド15
に螺着される。アキュームレートピストンガイド52は小
孔58、連通路59を介して燃料噴射ポンプ1のプランジャ
室10に連通し、アキュームレートピストン51の先端に形
成されたシート部60により閉鎖される漏斗状の油溜り61
を備える。油溜り61内部に充填された燃料はアキューム
レートピストン51の頭部側面に圧力を作用させる。アキ
ュームレートピストン51のシート部60の外径は小孔58の
内径より大きく形成されている。また、アキュームレー
トピストン51後端部、アキュームレートピストンガイド
52およびアキュームレートピストンストッパ56により、
低圧室62が形成される。
また、ボディ53、キャップ55およびアキュームレートピ
ストンストッパ56により背圧室63が形成されている。背
圧室63内部には、アキュームレートピストン51に連動す
るプレッシャピン64が配設される。また、プレッシャピ
ン64をプランジャ室10方向に押圧付勢するリターンスプ
リング65も内蔵されている。さらに、背圧室63と燃料噴
射ポンプ1とは、アキュームレートピストンストッパ56
およびボディ53に穿設されたリターン通路66,67および
ポンプシリンダ8に穿設された図示しないリターン通路
を介して連通する。従って、背圧室63から溢流した燃料
は、リターン通路66,67を通って燃料噴射ポンプ1の低
圧側であるポンプ室4に還流する。また、背圧室63内部
には、プレッシャピン64の移動量を規制するプレッシャ
ピンストッパ68が配設されている。プレッシャピンスト
ッパ68は、プレッシャピン64の移動量が、アキュームレ
ートピストン51の移動量より僅かに大きくなるように、
シム69により位置調節される。さらに、リターンスプリ
ング65の設定荷重は、調整用シム70により設定される。
キャップ55の後端部には、スクリュ71がガスケット72を
介して螺着されている。
次に、パイロット噴射装置20の動作を、第1図、第2図
に基づいて説明する。
燃料噴射ポンプ1のプランジャ7が回転しながら、カム
プレート6のカムフェイスにならって、第2図右方向に
駆動されると(圧送行程)、プランジャ室10内部の燃料
が加圧され、プランジャ7の分配ポート13を経て分配通
路11に流入し、デリバリバルブ12を介して図示しないデ
ィーゼルエンジンの噴射ノズルに圧送される。このよう
に、燃料の圧送が開始された初期の段階では噴射ノズル
から燃料の初期噴射(パイロット噴射)が行われる。や
がて、プランジャ室10内部の燃料圧力が、第1図に示す
パイロット噴射装置20のリターンスプリング65の付勢力
を上回ると、アキュームレートピストン51は第1図右方
向に移動し、シート部60が隔離する。すると、アキュー
ムレートピストン51の受圧面積は、頭部端面からテーパ
形状をなす頭部側面まで増加するため、アキュームレー
トピストン51が同図右方向へ急速に移動し、アキューム
レートピストンストッパ56に当接すると停止する。この
ように、アキュームレートピストン51の移動中は、燃料
噴射ポンプ1のプランジャ室10内部の燃料圧力は一旦低
下し、燃料の圧送は一時停止される。やがて、アキュー
ムレートピストン51がアキュームレートピストンストッ
パ56に当接して停止すると、燃料噴射ポンプ1のプラン
ジャ7の移動により、再度燃料が圧送され、燃料の主噴
射が実行される。このとき、すなわち、アキュームレー
トピストン51がアキュームレートピストンストッパ56に
当接している状態では、油溜り61からの燃料の流出は極
めて微量である。その後、第2図に示す、プランジャ7
の右方向への移動によりプランジャ7に穿設されたスピ
ルポート14がスピルリング30により開放されると、プラ
ンジャ室10内の燃料がポンプ室4に溢流してプランジャ
室10内の圧力が低下し、主噴射は終了する。このとき、
プランジャ室10内の圧力が降下するので、第1図に示す
ように、リターンスプリング65の付勢力でアキュームレ
ートピストン51は、シート部60が当接する位置まで復帰
する。
ところで、アキュームレートピストン51が開弁する瞬間
に、パイロット噴射装置20のアキュームレートピストン
51に作用する力は、第3図に示すように、アキュームレ
ートピストン51の動的開弁圧(開弁時のプランジャ室内
圧力)P1、油溜り51部残圧P2、アキュームレートピスト
ン51の頭部断面積(初期受圧面積)S1、アキュームレー
トピストン51の大径部断面積S2、リターンスプリング65
の設定付勢力Fとすると、次式(1)のように記述でき
る。
P1×S1+P2×(S2−S1)−F=0 …(1) 式(1)を変形し、動的開弁圧P1を算出すると次式
(2)のように表現できる。
P1=F/S1−P2×(S2/S1−1) …(2) このように、油溜り61部の残圧P2が上昇する程、アキュ
ームレートピストン51の動的開弁圧P1は低下する。従っ
て、動的開弁圧P1を所定圧力以上に維持するには、油溜
り61部に残留している燃料を、アキュームレートピスト
ン51の摺動面51aとアキュームレートピストンガイド52
の摺動面52aとの成すクリアランスを介して、低圧室6
2、背圧室64に流出させ、油溜り61部の残圧を減圧する
必要がある。
一方、第4図に示すように、燃料粘度は燃料温度(機関
温度)の低下に応じて高まる。このため、低温時には、
特に油溜り61内部の燃料の流出が困難になる。そこで、
本実施例では、第5図に示すように、アキュームレート
ピストン51の摺動面51aと、アキュームレートピストン
ガイド52の摺動面52aとのクリアランスを拡大した。こ
のクリアランスの大きさを、パイロット噴射装置20と類
似の構造をなすディーゼルエンジンの噴射ノズルのノズ
ルニードルとノズルボデーとの摺動部のクリアランと比
較して説明する。噴射ノズルのクリアランスを介して流
出する空気の漏れ量は、空気圧力2.5[atm]の場合、1
〜10[cc/min]程度である。このクリアランスは、主と
して燃料による潤滑、ノズルニードルの潤滑不足による
吹き付き、摺動面の荒れを防止可能に設定されている。
しかし、本実施例では、第5図に示すように、アキュー
ムレートピストン51の摺動面51aとアキュームレートピ
ストンガイド52の摺動面52aとのクリアランス73を、ク
リアランス73を介して流出する空気の漏れ量が、空気圧
力2.5[atm]の場合、75〜150[cc/min]程度に増加す
るまで拡大した。この設定範囲は、燃料の種類、機関の
要求する特性に応じて設定されるもので、最も望ましい
(残圧が高くならず、常に安定した噴射量特性が得られ
る)範囲は、90〜120[cc/min]である。これにより、
油溜り61内に残留した燃料は、クリアランス73を介して
低圧室62、背圧室63へ、常時充分な量だけ積極的に流出
する。また、クリアランス73は全周に亘って設けられて
いるので、アキュームレートピストン51およびアキュー
ムレートピストンガイド52の両摺動面51a,52aの間に、
摩耗損傷等を生じない。従って、燃料温度の低温時で
も、油溜り61内部の残圧P2は減圧される。このため、ア
キュームレートピストン51の動的開弁圧は、環境温度、
例えば、燃料温度(機関温度)低下に伴う燃料粘度増加
時でも、常時一定に保持できる。ここで、クリアランス
73の大きさは、例えば、平行壁間の粘性流体の流れが、
境界条件に応じて直線分布と放物線分布との和で表現で
きることに基づき、燃料温度低下による燃料粘性増加時
でも、クリアランス73を通過する燃料流量が所定流量
(例えば、高温時の燃料流量)と同一になるように、装
置の諸元に応じた境界条件を用いて、演算式により決定
することもできる。
なお、本実施例において、油溜り61を内蔵するアキュー
ムレートピストンガイド52がアキュームレートピストン
ガイドに、アキュームレートピストン51がアキュームレ
ートピストンに、背圧室63に内蔵されたリターンスプリ
ング65が付勢部材に、各々該当する。
以上説明したように本実施例によれば、油溜り61内の燃
料圧力が減圧され、アキュームレートピストン51の頭部
側面に作用する圧力は減少するので、アキュームレート
ピストン51の動的開弁圧はほぼ一定圧力に維持され、簡
単な機械的構造で、適切、かつ、確実なパイロット噴射
の実行が可能になる。
すなわち、第5図に示すように、本実施例の構造では、
アキュームレートピストン51の摺動面51aとアキューム
レートピストンガイド52の摺動面52aとのクリアランス7
3が充分広いので、油溜り61部の内部に充填された燃料
は、クリアランス73を介して、低圧室62、背圧室63に流
出する。このため、第6図に実線で示すように、クリア
ランス73を有する摺動部リーク量は、燃料温度(機関温
度)が高温から低温に下降して燃料粘度が高くなって
も、ほぼ一定量に保持される。これにより、油溜り61内
部の燃料の残圧も、燃料温度に依存せず、比較的低い一
定圧力に維持される。
また、アキュームレートピストン51の動的開弁圧(開弁
時のプランジャ室内圧力)も、燃料温度変化から影響を
受けずに、ほぼ一定圧力となる。従って、パイロット噴
射量は、燃料温度(機関温度)が変化しても、常時一定
量に保証される。しかし、従来技術では、同図に破線で
示すように、燃料温度の低温時には、摺動部リーク量が
少量であるため、油溜り61内部の残圧が上昇していた。
このため、アキュームレートピストンの動的開弁圧が低
く、パイロット噴射量は、低温時には、ほとんど0、あ
るいは、少量であった。従って、燃料温度の悪影響を受
け易いので、燃料温度が低下すると、パイロット噴射量
がディーゼルエンジンの運転状態に対して不適切な少量
となったり、もしくは、パイロット噴射不能となる場合
もあった。
このように、燃料温度(機関温度)等の環境条件から悪
影響を受けることなく、ディーゼルエンジンの運転状態
に適合するパイロット噴射を実現できるので、装置の信
頼性・耐環境性が高まる。従って、ディーゼルエンジン
の、アイドル運転状態、低速軽負荷運転状態における燃
焼騒音を良好に抑制できる。
また、アキュームレートピストン51とアキュームレート
ピストンガイド52との摺動部にクリアランス73を設ける
といった、比較的簡単な機械的構造で燃料温度等の環境
条件に依存しない、充分安定したパイロット噴射を実現
できる。このため、アキュームレートピストン51の摺動
時に、摺動面51aや摺動面52aの特定部分に偏摩耗等を生
じない。従って、装置の耐久性もより一層向上する。
さらに、機械的構造が簡単であり、アキュームレートピ
ストン51の外径公差およびアキュームレートピストンガ
イド52の内径公差を遵守するだけで済むので、加工工数
低減や作業能率向上により製造工程も容易になる。
[考案の効果] 以上詳記したように本考案の燃料噴射ポンプのパイロッ
ト噴射装置は、アキュームレートピストンガイドとアキ
ュームレートピストンとの嵌合部に設けられた所定間隙
を介して、高圧側である燃料充填部に充填された燃料
が、低圧側である背圧室側へ流出するよう構成されてい
る。このため、燃料充填部の燃料圧力が低下し、充填さ
れた燃料圧力によりアキュームレートピストン頭部側面
に作用する押圧力は減少するので、アキュームレートピ
ストンの動的開弁圧はほぼ一定圧力に維持され、簡単な
機械的構造で、常時最適なパイロット噴射を確実に実行
できるという優れた効果を奏する。
また、適切なパイロット噴射の実行が保証されるので、
装置の信頼性・耐環境性が向上すると共に、ディーゼル
機関の燃焼騒音を充分低減できる。このことは、例え
ば、ディーゼル機関冷間時等、燃料温度が比較的低い場
合に、特に顕著な効果を示す。
さらに、アキュームレートピストンガイドとアキューム
レートピストンとの嵌合部に所定間隙を設けた構造を成
すため、アキュームレートピストン摺動時に、特定の摺
動部の偏摩耗等の弊害を生じないので、装置の耐久性も
高まる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例のパイロット噴射装置の断面
図、第2図は同じくそのパイロット噴射装置を備えた燃
料噴射ポンプの概略構成図、第3図は同じくそのアキュ
ームレートピストンに働く作用力を示す説明図、第4図
は燃料粘度と燃料温度との関係を示すグラフ、第5図は
本考案一実施例の主要部断面図、第6図は同じくそのパ
イロット噴射装置の諸量と燃料温度との関係を示すグラ
フである。 1……燃料噴射ポンプ、10……プランジャ室、20……パ
イロット噴射装置、51……アキュームレートピストン、
52……アキュームレートピストンガイド、61……油溜
り、63……背圧室、65……リターンスプリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 山田 光正 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)考案者 長田 耕治 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)考案者 桑原 善司 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)考案者 加藤 晃 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料噴射ポンプの加圧室に連通し、連通部
    近傍に燃料充填部を有するアキュームレートピストンガ
    イドと、 該アキュームレートピストンガイドと摺動自在に嵌合
    し、上記加圧室内の燃料圧力上昇に伴い、上記アキュー
    ムレートピストンガイド内部を押圧移動するアキューム
    レートピストンと、 上記アキュームレートピストンガイドに連通する背圧室
    に内設され、上記アキュームレートピストンの頭部側面
    を上記燃料充填部に近接対向させる方向の付勢力を発生
    する付勢部材と、 を具備した燃料噴射ポンプのパイロット噴射装置におい
    て、 上記アキュームレートピストンガイドと上記アキューム
    レートピストンとの嵌合部に、上記燃料充填部と上記背
    圧室側との間で所定量の燃料が流動可能な所定間隙を設
    けたことを特徴とする燃料噴射ポンプのパイロット噴射
    装置。
JP8975588U 1988-06-27 1988-07-05 燃料噴射ポンプのパイロット噴射装置 Expired - Lifetime JPH0634606Y2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
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