JPH06346070A - 固形燃料スラリー組成物 - Google Patents

固形燃料スラリー組成物

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JPH06346070A
JPH06346070A JP27116693A JP27116693A JPH06346070A JP H06346070 A JPH06346070 A JP H06346070A JP 27116693 A JP27116693 A JP 27116693A JP 27116693 A JP27116693 A JP 27116693A JP H06346070 A JPH06346070 A JP H06346070A
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弘信 篠原
Katsumi Ito
克美 伊藤
Noboru Yamahara
登 山原
Yoshinori Yoshida
淑則 吉田
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Kawasaki Heavy Industries Ltd
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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  • Liquid Carbonaceous Fuels (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 分散性および経時安定性に優れた固形燃料ス
ラリー組成物を提供すること。 【構成】 無水マレイン酸などのα,β−不飽和ジカル
ボン酸無水物と、芳香族ビニル化合物と、ジシクロペン
タジエンなどを共重合してなる水溶性付加共重合体の塩
を分散剤として、石炭などの固形燃料を水に分散させた
固形燃料スラリー組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定の分散剤を含有し
た貯蔵安定性の優れた固形燃料スラリー組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、石油を主体としたエネルギー構造
がとられてきたが、近年、石油資源の枯渇により、石
炭、石油コークス、ピッチなどの固形燃料が再認識さ
れ、その利用法が種々検討されている。
【0003】しかしながら、これらの固形燃料は、石油
などの液体燃料と異なり固体であるため、通常のパイプ
ライン、タンクローリーなどによる輸送が困難である。
このため、石炭などの固形燃料を微粉化し水に分散させ
スラリーとして液体と同様に取り扱う技術が種々提案さ
れている。この場合、固形燃料濃度を低くし水を多量に
使用したスラリーとすれば、低粘度のスラリーとするこ
とも可能であるが、燃料の効率の上で得策ではない。ま
た、このようにして得られたスラリーは、静置すると固
形燃料が沈降してくるという欠点を有している。固形燃
料濃度を高める方法として、スラリー中に各種分散剤を
添加し、固形燃料の水への分散性を高める手段が提案さ
れている。かかる各種分散剤を添加した固形燃料スラリ
ーは、添加しない場合に比べ流動性が大幅に改善される
ので、分散剤を使用すれば高濃度の固形燃料スラリーを
製造することが可能になると報告されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようにして製造さ
れる固形燃料スラリーは、一般に輸送、貯蔵され、燃料
として使用されるため、スラリーの長時間の静置安定性
が良いことが必要とされている。しかしながら、長期に
わたる安定性については、未だ充分満足できる域に達し
ていないのが現状である。本発明の目的は、石炭、ピッ
チ、コークスなどの固形燃料に対し優れた分散性を付与
することにより、優れた経時安定性を有する固形燃料ス
ラリー組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の第1番目
の発明は、(A)α,β−不飽和ジカルボン酸無水物
と、(B)芳香族ビニル化合物と、(C)ビニルノルボ
ルネン、プロペニルノルボルネン、エチリデンノルボル
ネンおよびジシクロペンタジエンの群から選ばれた少な
くとも1種の化合物とを共重合してなる付加共重合体か
らなり、かつ該付加共重合体に存在する酸無水物基の少
なくとも一部が塩を形成している水溶性付加共重合体塩
を分散剤とする固形燃料スラリー組成物を提供するもの
である。
【0006】また、第2番目の発明は、(A)α,β−
不飽和ジカルボン酸無水物〔以下、「(A)成分」とい
うことがある〕と、(B)芳香族ビニル化合物〔以下、
「(B)成分」ということがある〕と、(C)ビニルノ
ルボルネン、プロペニルノルボルネン、エチリデンノル
ボルネンおよびジシクロペンタジエンの群から選ばれた
少なくとも1種の化合物〔以下、「(C)成分」という
ことがある〕とを共重合してなる付加共重合体のスルホ
ン化物からなり、かつ該付加共重合体のスルホン化物に
存在する酸無水物基およびスルホン基の少なくとも一部
が塩を形成している水溶性付加共重合体塩を分散剤とす
る固形燃料スラリー組成物を提供するものである。
【0007】本発明の水溶性付加共重合体塩は、前記
(A)成分と、(B)成分と、(C)成分とを共重合し
たランダム付加共重合体からなり、これら(A)〜
(C)成分何れかの単量体が欠けても本発明の目的を達
成することはできない。
【0008】以下、第1番目の発明について述べると、
ここで使用される(A)α,β−不飽和ジカルボン酸無
水物としては、、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、
無水イタコン酸などを挙げることができるが、反応性、
品質、経済性などの点から好ましくは無水マレイン酸で
ある。これら(A)成分として使用されるα,β−不飽
和ジカルボン酸無水物は、1種でもまた2種以上を併用
することもできる。
【0009】本発明の水溶性付加共重合体塩を構成する
共重合体において、(A)成分を使用しないで(B)お
よび(C)成分だけを共重合しても殆ど共重合体を得る
ことができない。
【0010】次に、(B)芳香族ビニル化合物とは、ベ
ンゼン環にビニル基の導入された化合物であり、例えば
スチレン、α−メチルスチレン、β−ブロムスチレン、
ビニルナフタレン、p−メチルスチレン、o−メチルス
チレンなどを挙げることができるが、好ましくはスチレ
ンおよび/またはα−メチルスチレンである。これら
(B)成分として使用される芳香族ビニル化合物は、1
種でもまた2種以上を併用することもできる。
【0011】本発明で使用される付加共重合体を製造す
るに際し、(B)成分が欠けると、即ち(A)および
(C)成分だけであると共重合時に重合率を高めること
はできない。例えば(A)および(C)成分だけを共重
合するには、開始剤濃度を高めたり、重合溶媒を減らす
などの手段を用いて見掛け上重合率を高めることも可能
ではあるが、かかる手段ではt−ドデシルメルカプタ
ン、四塩化炭素などの連鎖移動剤を多量に使用せねばな
らず、得られる付加共重合体がゲル化してしまい、酸無
水物基に塩を形成させても水可溶性にはならず、実用上
分散剤として使用することは困難である。
【0012】(B)成分の使用割合は、(A)成分1モ
ルに対し(B)成分が0.05〜2モル、好ましくは
0.2〜0.5モルであり、0.05モル未満では
(B)成分の使用量が少なすぎて共重合反応が充分に進
行しない場合があり、また分散性能も不充分であり、一
方2モルを超えると分散性能が不充分である。
【0013】次に、本発明で使用される(C)成分は、
何れも分子中に二重結合を2個含有する化合物であり、
このうちビニルノルボルネンとしては5−ビニルノルボ
ルネン−2、5−ビニル−6−メチルノルボルネン−
2、5−メチル−5−ビニル−ノルボルネン−2、5−
ビニル−6−エチルノルボルネン−2などが、またプロ
ペニルノルボルネンとしては5−プロペニル−ノルボル
ネン−2、5−イソプロペニル−ノルボルネン−2など
が、更にエチリデンノルボルネンとしては5−エチリデ
ン−ノルボルネン−2などが挙げられる。これら(C)
成分として使用されるビニルノルボルネン、プロペニル
ノルボルネン、エチリデンノルボルネンあるいはジシク
ロペンタジエンは、1種でもまた2種以上を併用するこ
ともできる。
【0014】かかる(C)成分が欠けると、即ち前記
(A)および(B)成分だけを共重合して得られる共重
合体の酸無水物基に塩を形成させたものでも、水溶性で
あり分散性を有するがその分散性は小さく、かつ適度の
分子量を有する共重合体が得られ難く、必要以上に高分
子量の重合体となりがちであり、ややもすると逆にスラ
リーが増粘してしまう傾向にあり好ましくない。
【0015】(C)成分の使用割合は、(A)成分1モ
ルに対し(C)成分が0.1〜2モル、好ましくは0.
6〜1.2モルであり、0.1モル未満では(C)成分
の使用量が少なすぎて分散性が悪く、必要以上に高分子
量となりがちであり、またゲル化し易くなり、一方2モ
ルを超えると重合率が上がらないばかりか、分散性能も
劣り、更に起泡し易くなる。
【0016】本発明に使用される付加共重合体は、
(A)α,β−不飽和ジカルボン酸無水物と、(B)芳
香族ビニル化合物と、(C)ビニルノルボルネン、プロ
ペニルノルボルネン、エチリデンノルボルネンおよびジ
シクロペンタジエンの群から選ばれた少なくとも1種の
化合物とを共重合してなるが、かかる付加共重合体には
これらと更に共重合可能な他の単量体を共重合すること
も可能である。
【0017】かかる他の単量体としては、オレフィン性
二重結合を有する脂肪族、脂環族、芳香族の炭化水素、
不飽和アミド、不飽和アルコール、不飽和エステル、不
飽和ニトリル、不飽和カルボン酸のエステル、不飽和ス
ルホン酸およびそのエステルなど、または脂肪族、脂環
族、芳香族のアルコールまたはフェノール、またはアミ
ノ基、エステル基、ニトリル基、スルホン基を有するア
ルコールまたはジオールなど1種以上を任意の割合で用
いることができる。この他の単量体の具体例としては、
例えば、ブタジエン、イソプレン、メチルメタクリレー
ト、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、アクリ
ル酸、メタクリル酸、アクリロニトリルなどを挙げるこ
とができる。
【0018】このように、他の単量体を共重合させるこ
とによって、また使用する他の単量体の種類を変えるこ
とによって、得られる付加共重合体塩の界面活性特性、
付加共重合体の重合収率、共重合比、ゲル化度などを変
えることができ、これを使用してなる組成物のスラリー
分散性を更に改善することもできる。
【0019】本発明に使用される付加共重合体の分子量
は、水性分散剤としての機能を果たす範囲内であれば特
に制限されないが、通常は重量平均分子量で1,000 〜13
0,000 、好ましくは 3,000〜80,000、更に好ましくは
5,000〜20,000である。分子量が小さいと分散性能が不
充分であり、大きすぎると凝集剤として作用するように
なり分散性能が低下する。
【0020】次に、かかる付加共重合体の製造方法の一
具体例を示すと次の通りである。即ち、まず(A)α,
β−不飽和ジカルボン酸無水物と、(B)芳香族ビニル
化合物と、(C)ビニルノルボルネン、プロペニルノル
ボルネン、エチリデンノルボルネンおよびジシクロペン
タジエンの群から選ばれた少なくとも1種の化合物と
を、更に必要に応じて添加される他の単量体とを常法に
準じてラジカル共重合することによってランダム付加共
重合体が得られる。
【0021】この重合反応は、通常、溶媒の存在下もし
くは不存在下にラジカル開始剤を用いて40〜100℃
の温度で2〜20時間重合することによって行われる。
この際に重合温度が高くなるにつれてゲル化や(C)成
分の分解が生じ易くなるので注意を要する。また、反応
に供する単量体の仕込み組成は、目的とする付加共重合
体組成に応じて適宜選択される。
【0022】重合に用いられるラジカル開始剤は、例え
ばポリカルボン酸系重合体の合成に際して一般に使用さ
れているものであれば何れでもよく、その具体的な例と
して、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキ
シビバレイトなどのごときパーオキシド系、α,α′−
アゾビスイソブチロニトリル、α,α′−アゾ−α−エ
チルブチロニトリルなどのごときアゾビス系開始剤、レ
ドックス系開始剤、過硫酸塩、過酸化水素などが例示さ
れる。
【0023】また、重合溶媒は必ずしも用いる必要はな
いが、重合体のゲル化防止の点からシクロヘキサン、ア
セトン、メチルエチルケトン、ジオキサン、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、トルエン、キシレン、メタノール、イ
ソプロピルアルコール、ヘキサン、ヘプタンなどのごと
き溶媒を用いることができる。
【0024】更に、得られる付加共重合体のゲル化防止
および分子量調整のため、通常使用されている連鎖移動
剤、例えばt−ドデシルメルカプタン、ラウリルメルカ
プタン、四塩化炭素などを用いることができる。
【0025】かくして得られたランダム型の付加共重合
体は、次いで水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アン
モニア水などのごときアルカリ水溶液中で中和され、こ
こで酸無水物基の少なくとも一部が塩を形成している水
溶性の付加共重合体の塩が得られる。
【0026】かかる塩の具体例としては、ナトリウム
塩、カリウム塩などのごときアルカリ金属塩、アンモニ
ウム塩、アミン塩、カルシウム塩、マグネシウム塩など
のアルカリ土類金属塩などが例示されるが、通常は性能
および経済性の見地からナトリウム塩、アンモニウム塩
が好ましい。
【0027】また、酸無水物基の中和の度合は、付加共
重合体塩が水溶性または水分散性となる範囲内で適宜選
択すればよく、更に酸無水物基がそれぞれ異なった塩を
形成していてもよい。
【0028】以上のように、本発明の第1番目の発明で
使用する分散剤は、前記のように(A)〜(C)成分を
共重合して得られる付加共重合体からなり、かつ該付加
共重合体に存在する酸無水物基の少なくとも一部が塩を
形成してなる水溶性付加共重合体塩であるが、本発明で
は第2番目の発明として、前記付加共重合体中の(C)
成分に存在する二重結合に更にスルホン基を導入すると
ともに、該スルホン基に塩を形成させた水溶性付加共重
合体塩を使用することにより一層分散性を向上させるこ
とができる。
【0029】かかる第2番目の発明に使用する水溶性付
加共重合体塩は、重亜硫酸塩で代表されるスルホン化剤
を前記付加共重合体に、好ましくは前記第1番目の発明
の水溶性付加共重合体塩に反応せしめることによって
(C)成分に起因する共重合体中の二重結合にスルホン
基を導入することにより合成される。
【0030】反応に用いられるスルホン化剤としては、
一般に重亜硫酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニ
ウム塩などの重亜硫酸塩が用いられるが、場合によって
は亜硫酸ガスを用いて系中で亜硫酸塩を調製し、それを
反応に供することもできる。
【0031】また、反応に際しては、反応促進剤として
酸化剤を併用することが好ましく、その具体例として
は、例えば過硫酸カリウムなどの過酸化物、硝酸カリウ
ム、硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウムなどの硝酸塩、
過酸化水素、酸素、有機過酸化物などが例示される。
【0032】反応に供されるスルホン化剤の使用割合
は、目的とする生成物に応じて適宜選択されるが、一般
に反応が定量的に進行するところから、理論量またはや
や過剰とするだけで充分である。即ち、スルホン化剤の
使用量は、(C)成分を基準として該(C)成分1モル
に対し0.5〜2モルが好ましく、更に好ましくは0.
8〜1.2モルである。
【0033】また、反応時のpHは、8以下、好ましく
は7〜5に制御することが適切であり、pHの値が過度
に大きくなると反応性が阻害され、逆に過度に小さくな
ると付加共重合体塩の溶解性が劣るようになる。しか
し、前記のごときpHの範囲内であれば、反応は速やか
に進行するので、反応条件は、通常、反応温度;室温〜
180℃、反応時間;1〜25時間程度で充分である。
【0034】本発明において用いられる付加共重合体の
スルホン化物中のスルホン基の含有量は、スルホン化反
応の条件、反応に供する付加共重合体の使用量などによ
って異なるが、通常は付加共重合体中に存在する(C)
成分単位の少なくとも20モル%以上、好ましくは40
モル%以上がスルホン化したものが、得られる組成物の
分散性の点から好ましい。
【0035】かくして得られる付加共重合体のスルホン
化物の分子量は、前記第1番目の発明である付加共重合
体塩を分散剤とする場合より水溶性に優れるため、高分
子量領域まで分散性が優れており、従ってスルホン化前
の付加共重合体の重量平均分子量は、1,000 〜200,000
、好ましくは3,000 〜130,000 、更に好ましくは 5,00
0〜100,000 である。スルホン化物の重量平均分子量が
低すぎると分散性能が不充分であり、一方大きすぎると
凝集剤として作用するようになり分散性能が低下する。
【0036】なお、かかる付加共重合体のスルホン化物
は、通常、(A)〜(C)とから付加共重合体を製造し
た後スルホン化するが、これに限定されるものではな
く、(C)成分を予めスルホン化した後、(A)〜
(B)成分と共重合することによっても得ることができ
る。
【0037】本発明で使用される付加共重合体のスルホ
ン基に塩を形成させるためのカチオン種、即ちスルホン
化物のカチオン種は特に限定されるものでないが、水溶
性にするためには、水素原子、アルカリ金属、アルカリ
土類金属、アンモニウム、アミンなどが好ましい。
【0038】前記アルカリ金属としては、ナトリウム、
カリウムなどを、アミンとしてはメチルアミン、エチル
アミン、プロピルアミン、ジメチルアミン、ジエチルア
ミン、トリエチルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミ
ン、トリブチルアミンなどのアルキルアミン、エチレン
ジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラ
ミンなどのポリアミン、モルホリン、ピペリジンなど
を、アルカリ土類金属としてはカルシウム、マグネシウ
ムなどを例示することができる。また、これらのカチオ
ン種は、種々のイオン交換技法により他種のカチオン種
と相互に交換することが可能である。
【0039】かくして水溶性付加共重合体塩あるいは水
溶性付加共重合体のスルホン化物塩の水溶液が調製され
るが、必要に応じて水溶液からこれらの塩を分離乾燥す
ることによって固形の水溶性付加共重合体塩を得ること
ができる。
【0040】なお、本発明の水溶性付加共重合体塩(第
1番目の発明および第2番目の発明に用いられる)は、
イオン交換法あるいは中和反応などにより、酸型または
アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アミ
ンなどの塩に相互に交換することができる。
【0041】このような水溶性付加共重合体塩の構造
は、赤外線吸収スペクトルによって酸無水物基の吸収に
より、また第2番目の発明にあってはスルホン基の吸収
により確認でき、これらの組成比は電位差、電導度など
の酸・アルカリ滴定により知ることができる。また、核
磁気共鳴スペクトルによるノルボルナン環あるいはジシ
クロペンタン環などの存在によってその構造を確認する
ことができる。
【0042】このようにして得られる3成分系の付加共
重合体塩は、種々の粉体において分散性が大幅に改良さ
れ、かつ得られるスラリーの経時安定性も改良される。
また、かかる付加共重合体(塩)には、(C)成分に起
因する二重結合が残存しており、かかる二重結合の任意
の量をスルホン化することにより更に分散性、スラリー
安定性を任意に改良することが可能となる。
【0043】更に、このようにスルホン化することによ
り、付加共重合体(塩)が高分子量過ぎるため分散性が
小さいものでも、分散性が大幅に改良され、かかるスル
ホン化物では分散性の分子量依存性が極めて小さくな
り、品質管理上も極めて有利となる。
【0044】このように、本発明で使用される分散剤
は、前記のように(A)〜(C)成分の3成分を組み合
わせて初めて得られるものであり、これらのうちどの一
成分が欠けても、本発明の目的を達成することは不可能
である。
【0045】本発明の固形燃料スラリー組成物は、前記
水溶性付加共重合体塩を分散剤として固形燃料を水に分
散させたものである。固形燃料としては、例えば石炭、
石油コークス、ピッチ、木炭が挙げられる。固形燃料
は、通常、スラリー組成物中、40〜80重量%を占め
る。
【0046】本発明の固形燃料スラリー組成物の製造方
法は、特に限定されず、所望の方法で、固形燃料、水、
前記分散剤の一種以上および必要に応じ他の添加剤を混
合することからなる。
【0047】前記他の添加剤としては、ノニオン系ある
いはアニオン系などの界面活性剤、キレート剤、消泡
剤、凝固点降下剤、湿潤剤、その他の分散剤を挙げるこ
とができる。
【0048】この際の水溶性付加共重合体塩の添加量
は、大きくなるほどスラリーの粘度は低下するため、所
望の粘度に応じた添加量を選ぶことができ、スラリー組
成物全量に対し、通常、0.01〜10重量%、好まし
くは0.05〜5重量%でよいが、作業性および経済性
の観点から0.05〜1重量%が好ましい。
【0049】
【実施例】以下、実施例を挙げ本発明を更に詳細に説明
する。なお、実施例中「%」は、重量基準である。 実施例1〜19、比較例1〜3 (付加共重合体の製造)撹拌装置、温度計を備えてなる
1リットルの三ツ口フラスコに、(A)無水マレイン酸
と(B)成分と(C)成分とを表1に示したモル比で仕
込み、この全重量に対し、2%のベンゾイルパーオキシ
ドおよび2%のt−ドデシルメルカプタンを加えた。共
重合に際しての溶媒は酢酸エチルを用い、全モノマーに
対し重量比で1.5倍とした。重合は、撹拌下85℃に
て行い、ゲルパーミエションクロマトグラフィー(GP
C)で分子量を観察しながら所望の分子量に達したとき
に重合を停止させた。
【0050】得られた付加共重合体は、酢酸エチルに均
一に溶解しており、多量のトルエン中にこのポリマー溶
液を滴下し、付加共重合体を析出させた。析出した付加
共重合体をトルエンで充分に洗浄した後、80℃で真空
乾燥して、乾燥ポリマーを得た。仕込んだ全モノマー量
に対する得られた乾燥ポリマー量の比を重合収率とし
た。
【0051】(スルホン化反応)得られた付加共重合体
は、常法により沃素価を測定した後、撹拌装置、温度計
を備えてなる2リットルのステンレス製オートクレーブ
中でカルボキシル基含有量の90%の水酸化ナトリウム
で中和し、付加共重合体を20%含有する水溶液を得
た。この中に沃素価から算出される二重結合量に見合う
だけの亜硫酸水素ナトリウムを添加し、反応促進剤とし
てポリマーの0.2%の過酸化水素を加え、常温で撹拌
下7時間反応させた。
【0052】(石炭の分散性のテスト)中国の大同炭を
乾式ミルで粉砕し、200メッシュパス分が79.6%
の微粉炭を得た。この微粉炭の添加量を65%、分散剤
添加量を0.7%一定としてラボ用ホモミキサーにより
1,000 rpmで10分間、次いで 3,000rpmで5分間
撹拌を行い、スラリーを得た。このスラリー粘度は、B
型粘度計No. 3ロータにより60rpmで1分間の条件
で測定した。結果を併せて表1に示す。
【0053】このように調製したスラリーを直径5c
m、高さ10cmのガラス瓶の中に入れ、1月間室温に
て放置した。1月後直径8mm、長さ15cmのガラス
棒を垂直に入れ、ガラス棒が沈み込んだ長さを測定し
た。ガラス棒が沈み込まなかった長さをスラリーの高さ
で割った値をハードパック量(%)として求めた。結果
を表1に併せて示す。
【0054】
【表1】
【0055】比較例4〜5 市販の重量平均分子量5,800 のポリアクリル酸ソーダ
(比較例4)および重量平均分子量10,300のナフタレン
スルホン酸ソーダのホルマリン縮合物(比較例5)を用
いて、実施例1と全く同様にして石炭の分散性を調べ
た。その結果を表2に示す。
【0056】
【表2】
【0057】
【発明の効果】本発明は、特定の水溶性付加共重合体塩
を分散剤として用いて石炭、ピッチ、コークスなどの固
形燃料に対し優れた分散性を付与することにより、優れ
た分散性を有し、かつ優れた経時安定性を有する固形燃
料スラリー組成物を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 25/08 LEH 35/00 LHR (72)発明者 伊藤 克美 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内 (72)発明者 山原 登 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内 (72)発明者 吉田 淑則 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)α,β−不飽和ジカルボン酸無水
    物と、(B)芳香族ビニル化合物と、(C)ビニルノル
    ボルネン、プロペニルノルボルネン、エチリデンノルボ
    ルネンおよびジシクロペンタジエンの群から選ばれた少
    なくとも1種の化合物とを共重合してなる付加共重合体
    からなり、かつ該付加共重合体に存在する酸無水物基の
    少なくとも一部が塩を形成している水溶性付加共重合体
    塩を分散剤として、固形燃料を水に分散させたことを特
    徴とする固形燃料スラリー組成物。
  2. 【請求項2】 (A)α,β−不飽和ジカルボン酸無水
    物と、(B)芳香族ビニル化合物と、(C)ビニルノル
    ボルネン、プロペニルノルボルネン、エチリデンノルボ
    ルネンおよびジシクロペンタジエンの群から選ばれた少
    なくとも1種の化合物とを共重合してなる付加共重合体
    のスルホン化物からなり、かつ該付加共重合体のスルホ
    ン化物に存在する酸無水物基およびスルホン基の少なく
    とも一部が塩を形成している水溶性付加共重合体塩を分
    散剤として、固形燃料を水に分散させたことを特徴とす
    る固形燃料スラリー組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012024833A1 (en) * 2010-08-25 2012-03-01 Dow Global Technologies Llc Copolymers

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