JPH06346205A - 絞り成形用アルミニウム合金板の製造方法 - Google Patents
絞り成形用アルミニウム合金板の製造方法Info
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- JPH06346205A JPH06346205A JP16016993A JP16016993A JPH06346205A JP H06346205 A JPH06346205 A JP H06346205A JP 16016993 A JP16016993 A JP 16016993A JP 16016993 A JP16016993 A JP 16016993A JP H06346205 A JPH06346205 A JP H06346205A
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- Metal Rolling (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】Mn 0.1〜1.5wt%、Mg 0.8〜5.
0wt%、Fe 0.7wt%以下、S 0.3wt%以
下、Cu 0.25wt%以下、Zn 0.25wt%以
下を含有し、残部Alおよび不可避不純物からなるアル
ミニウム合金を連続鋳造を行った後、析出が生じない速
度により室温まで急速冷却を行い、所定の温度にまで再
加熱を行い、熱間圧延を行ってから室温まで急速冷却
し、次いで、通常の方法により冷間圧延および中間焼鈍
を行う絞り成形用アルミニウム合金板の製造方法であ
る。 【効果】深絞り性および耳率に優れており、さらに、肌
荒れ状況も良好である。
0wt%、Fe 0.7wt%以下、S 0.3wt%以
下、Cu 0.25wt%以下、Zn 0.25wt%以
下を含有し、残部Alおよび不可避不純物からなるアル
ミニウム合金を連続鋳造を行った後、析出が生じない速
度により室温まで急速冷却を行い、所定の温度にまで再
加熱を行い、熱間圧延を行ってから室温まで急速冷却
し、次いで、通常の方法により冷間圧延および中間焼鈍
を行う絞り成形用アルミニウム合金板の製造方法であ
る。 【効果】深絞り性および耳率に優れており、さらに、肌
荒れ状況も良好である。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は絞り成形用アルミニウム
合金板の製造方法に関し、さらに詳しくは、アルミニウ
ム食缶、飲料缶用材料として使用される絞り成形用アル
ミニウム合金板の製造方法に関するものである。 【0002】 【従来技術】一般的に、アルミニウム合金板は絞り成形
性が極めて良好であるので、食缶、飲料缶等の材料とし
て、最近では、スチールおよびブリキ等に代わってアル
ミニウム合金を使用することが多くなってきている。そ
して、このアルミニウム合金を使用するのは、主として
軽量化が図れることである。 【0003】従来における、成形用のアルミニウム合金
板の製造方法としては、DC鋳造法(半連続鋳造法)に
よって鋳塊を鋳造し、面削、均熱処理、熱間圧延、冷間
圧延、焼鈍等の工程を経て製造されている。このように
して製造された絞り成形用アメミニウム合金板は、絞り
成形性が良好であり、かつ、ある程度の強度が保持され
ている。 【0004】しかしながら、最近になって、生産性の向
上を図ることが強く要望されており、かつ、コストダウ
ンも強く要求されるようになつてきており、そのため
に、連続鋳造、連続圧延法を適用することにより、合金
溶湯から板厚4〜25mm程度の鋳造板を鋳造し、次い
で、連続熱間圧延を行い、面削および均質化熱処理を省
略する方法が検討されている。 【0005】しかし、この方法は、鋳造後も室温にまで
冷却することなく、熱間圧延温度において直接圧延を行
うため、充分な析出が生じるための駆動力が発生し難く
析出物の密度が低下する。 【0006】従って、冷間圧延後に焼鈍を行う場合、析
出物による結晶粒のピンニング効果が充分に発揮するこ
とができず、再結晶粒が異常に粗大化してしまい、絞り
成形時の肌荒れが発生し易くなるという問題が生じる。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上記に説明し
たように、従来技術における絞り成形姓に優れたアルミ
ニウム合金板の連続鋳造および連続圧延を行う製造方法
の問題点を解決するために、本発明者が鋭意研究を行
い、検討を重ねた結果、連続鋳造により得られたアルミ
ニウム合金鋳造板の急速冷却後の、熱間圧延により固溶
量が低下し、かつ、析出物が高密度に微細となり成形時
の肌荒れ性が向上することを知見し、この知見より製造
条件を調整することにより、絞り成形性に優れたアルミ
ニウム合金板の製造方法を開発したのである。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明に係る絞り成形用
アルミニウム合金板の製造方法の特徴とするところは、
Mn 0.1〜1.5wt%、Mg 0.8〜5.0wt
%、Fe 0.7wt%以下、S 0.3wt%以下、C
u 0.25wt%以下、Zn 0.25wt%以下を含
有し、残部Alおよび不可避不純物からなるアルミニウ
ム合金を連続鋳造を行った後、析出が生じない速度によ
り室温まで急速冷却を行い、所定の温度にまで再加熱を
行い、熱間圧延を行ってから室温まで急速冷却し、次い
で、通常の方法により冷間圧延および中間焼鈍を行うこ
とにある。 【0009】本発明に係る絞り成形用アルミニウム合金
板の製造方法について、以下詳細に説明する。先ず、本
発明に係る絞り成形用アルミニウム合金板の製造方法に
おいて、使用するアルミニウム合金の含有成分および成
分割合について説明する。 【0010】Mnは固溶強化により強度を向上させ、A
l−Fe−Mn系晶出物によるしごき加工性を向上させ
る元素であり、含有量が0.1wt%未満では固溶強化
による強度向上効果は期待することができず、また、
1.5wt%を越えて含有させると強度が高くなり過ぎ
て成形性が劣化する。よって、Mn含有量は0.1〜1.
5wt%とする。 【0011】Mgは強度を向上させる元素であり、特
に、Al−Cu−Mg系析出物による析出効果を示し、
硬度強化に有効であり、含有量が0.8wt%未満でそ
の効果は少なく、また、5.0wt%を越えて含有させ
ると強度が高くなり過ぎ、成形性の劣化を招来する。よ
って、Mg含有量は0.8〜5.0wt%とする。 【0012】Fe、Si、CuおよびZnは、強度を向
上させる元素であり、Fe含有量が0.7wt%、Si
含有量が0.3wt%、Cu含有量が0.25wt%、Z
n含有量が0.25wt%をそれぞれ越えて含有させる
と、粗大な不溶性化合物が不可避的に発生して成形性の
劣化を招来する。よって、Fe含有量は0.7wt%以
下、Si含有量は0.3wt%以下、Cu含有量は0.2
5wt%以下、Zn含有量は0.25wt%以下とす
る。 【0013】次に、本発明に係る絞り成形用アルミニウ
ム合金板の製造方法における製造条件について説明す
る。 【0014】本発明に係る絞り成形用アルミニウム合金
板の製造方法において、アルミニウム合金を溶解後、連
続鋳造を行うのであるが、この場合、アルミニウム合金
を樹枝状晶枝間隔が60μm以下となるようにする。な
お、連続鋳造方法としては、水冷式連続鋳造方法、双ロ
ール連続鋳造方法(ハンターエンジニアリング社)、ベ
ルト式連続鋳造方法(ハザレー社)、ブロック式連続鋳
造方法(アルスイス社)等が挙げられる。 【0015】このようにアルミニウム合金を樹枝状晶枝
間隔が60μm以下とすることによって、含有元素が過
飽和に固溶され、晶出物の微細化を図ることができ、ま
た、この過飽和度が大きいほど、加熱時に析出する析出
物の寸法が微細になる。 【0016】そして、樹枝状晶枝間隔が60μmを越え
ると過飽和固溶効果および微細化効果が充分に発揮する
ことが出なくなる。そのため、樹枝状晶枝間隔は60μ
m以下とする。 【0017】なお、この樹枝状晶枝間隔d(μm)は、
凝固時の冷却速度T(℃/s)と関係があり、本発明に
係る絞り成形用アルミニウム合金板の製造方法において
使用するアルミニウム合金における、関係式は d=48.9T-0.43 で表される。従って、樹枝状晶枝間隔を60μm以下に
するためには、この関係式から凝固時の冷却速度を0.
6℃/s以上にする必要がある。また、凝固時の冷却速
度を0.6℃/s以上とする手段としては、鋳塊寸法
(特に、厚さ)を小さくするか、または、鋳型の材質を
熱伝導性の良好なものとするか、或いは、冷却水量を多
くする等が挙げられる。 【0018】このように連続鋳造されたアルミニウム合
金鋳塊を析出が起こらない速度で室温まで急速冷却を行
うことによって、析出の駆動力が増加する。さらに、高
温域において存在した熱平衡原子空孔が急速冷却中に二
次欠陥として転位ループ・空孔集合体等の格子欠陥を生
成し、析出物の核生成サイトが増加する。これらから、
その後の再加熱の際に高密度の微細な析出物が析出され
る。 【0019】連続鋳造後のアルミニウム合金鋳塊の室温
までの急速冷却速度は、50℃/s以上とするのが最適
であり、連続鋳造されたアルミニウム合金鋳塊を析出が
起こる速度(50℃/s未満)により、室温まで急速冷
却した後、再加熱した場合には、析出の駆動力が少な
く、析出物の核生成サイトが少ないので析出物は低密度
となる。 【0020】従って、連続鋳造されたアルミニウム合金
鋳塊は析出が起こらない速度(50℃/s以上)によ
り、室温まで急速冷却した後、再加熱を行うのである。 【0021】この再加熱の昇温速度は鋳塊寸法、圧延温
度にもよるが、100〜400℃/mとするのが最適で
あり、100℃/m未満では設備、装置に制約されて再
加熱は不可能となり、また、400℃/mを越えると析
出物の核生成サイトとなる格子欠陥が析出が起こる前に
消滅するために、析出物は低密度となる。 【0022】さらに、熱間圧延後の急速冷却は、析出物
の粗大化を抑制し、肌荒れを防止するために必要な工程
であり、この急速冷却速度は10℃/s以上が最適であ
る。 【0023】 【実 施 例】本発明に係る絞り成形用アルミニウム合
金板の製造方法の実施例を比較例と共に説明する。 【0024】 【実 施 例 1】表1に示す含有元素および成分割合の
アルミニウム合金を溶解して得られた溶湯を、フィルタ
ーを通過させることにより非金属介在物を除去した後、
連続鋳造を行い7mm厚さのに鋳造を行い、この時の、
樹枝状晶枝間隔は約40μmであった。 【0025】鋳造後、60℃/sの冷却速度により室温
まで冷却した後、昇温速度30℃/mで450℃の温度
まで再加熱を行い、3mm厚さまで、圧延開始温度45
0℃、圧延終了温度340℃の熱間圧延を行い、20℃
/sの冷却速度により冷却を行った。 【0026】その後、400℃の温度で1時間の荒焼鈍
を行ってから、1mm厚さまで冷間圧延を行い、急速加
熱により530℃の温度において1分間保持した後、急
速冷却を行い、さらに、冷間圧延を行って0.3mmの
厚さのアルミニウム合金板を製造した。 【0027】製造されたアルミニウム合金板について、
深絞り性、耳率、肌荒れの状況の試験を行い、その結果
を表2に示す。この表2から本発明に係る絞り成形用ア
ルミニウム合金板の製造方法により製造されたアルミニ
ウム合金板は、深絞り性、耳率、肌荒れの状況は比較例
に比べて格段に優れていることがわかる。 【0028】 【表1】【0029】 【表2】 【0030】 【実 施 例 2】表3に示す含有元素および成分割合の
アルミニウム合金を溶解して得られた溶湯を、フィルタ
ーを通過させることにより非金属介在物を除去した後、
連続鋳造を行い7mm厚さのに鋳造を行い、この時の、
樹枝状晶枝間隔を表3に示してある。 【0031】連続鋳造後、アルミニウム合金鋳塊を表3
に示す冷却速度により室温まで冷却を行った後、表3に
示す昇温速度で再加熱を行い、圧延開始温度450℃、
圧延終了温度340℃の熱間圧延により3mm厚さと
し、表3に示す冷却速度により冷却を行った。 【0032】その後、400℃の温度において1時間の
荒焼鈍を行って1mm厚さまで冷間圧延を行い、急速加
熱により530℃の温度に1分間保持した後、急速冷却
を行い、さらに、冷間圧延を行って0.3mm厚さのア
ルミニウム合金板を製造した。 【0033】このアルミニウム合金板について、深絞り
性、耳率、肌荒れの状況について試験を行った、その結
果を表4に示す。この表4から、本発明に係る絞り成形
用アルミニウム合金板の製造方法にり製造されたアルミ
ニウム合金板は、深絞り性、耳率に優れており、さら
に、肌荒れの状況も良好であることがわかる。 【0034】 【表3】 【0035】 【表4】【0036】 【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る絞り
成形用アルミニウム合金板の製造方法は上記の構成であ
るから、深絞り性および耳率に優れており、さらに、肌
荒れ状況も良好であるという効果を有する。
合金板の製造方法に関し、さらに詳しくは、アルミニウ
ム食缶、飲料缶用材料として使用される絞り成形用アル
ミニウム合金板の製造方法に関するものである。 【0002】 【従来技術】一般的に、アルミニウム合金板は絞り成形
性が極めて良好であるので、食缶、飲料缶等の材料とし
て、最近では、スチールおよびブリキ等に代わってアル
ミニウム合金を使用することが多くなってきている。そ
して、このアルミニウム合金を使用するのは、主として
軽量化が図れることである。 【0003】従来における、成形用のアルミニウム合金
板の製造方法としては、DC鋳造法(半連続鋳造法)に
よって鋳塊を鋳造し、面削、均熱処理、熱間圧延、冷間
圧延、焼鈍等の工程を経て製造されている。このように
して製造された絞り成形用アメミニウム合金板は、絞り
成形性が良好であり、かつ、ある程度の強度が保持され
ている。 【0004】しかしながら、最近になって、生産性の向
上を図ることが強く要望されており、かつ、コストダウ
ンも強く要求されるようになつてきており、そのため
に、連続鋳造、連続圧延法を適用することにより、合金
溶湯から板厚4〜25mm程度の鋳造板を鋳造し、次い
で、連続熱間圧延を行い、面削および均質化熱処理を省
略する方法が検討されている。 【0005】しかし、この方法は、鋳造後も室温にまで
冷却することなく、熱間圧延温度において直接圧延を行
うため、充分な析出が生じるための駆動力が発生し難く
析出物の密度が低下する。 【0006】従って、冷間圧延後に焼鈍を行う場合、析
出物による結晶粒のピンニング効果が充分に発揮するこ
とができず、再結晶粒が異常に粗大化してしまい、絞り
成形時の肌荒れが発生し易くなるという問題が生じる。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上記に説明し
たように、従来技術における絞り成形姓に優れたアルミ
ニウム合金板の連続鋳造および連続圧延を行う製造方法
の問題点を解決するために、本発明者が鋭意研究を行
い、検討を重ねた結果、連続鋳造により得られたアルミ
ニウム合金鋳造板の急速冷却後の、熱間圧延により固溶
量が低下し、かつ、析出物が高密度に微細となり成形時
の肌荒れ性が向上することを知見し、この知見より製造
条件を調整することにより、絞り成形性に優れたアルミ
ニウム合金板の製造方法を開発したのである。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明に係る絞り成形用
アルミニウム合金板の製造方法の特徴とするところは、
Mn 0.1〜1.5wt%、Mg 0.8〜5.0wt
%、Fe 0.7wt%以下、S 0.3wt%以下、C
u 0.25wt%以下、Zn 0.25wt%以下を含
有し、残部Alおよび不可避不純物からなるアルミニウ
ム合金を連続鋳造を行った後、析出が生じない速度によ
り室温まで急速冷却を行い、所定の温度にまで再加熱を
行い、熱間圧延を行ってから室温まで急速冷却し、次い
で、通常の方法により冷間圧延および中間焼鈍を行うこ
とにある。 【0009】本発明に係る絞り成形用アルミニウム合金
板の製造方法について、以下詳細に説明する。先ず、本
発明に係る絞り成形用アルミニウム合金板の製造方法に
おいて、使用するアルミニウム合金の含有成分および成
分割合について説明する。 【0010】Mnは固溶強化により強度を向上させ、A
l−Fe−Mn系晶出物によるしごき加工性を向上させ
る元素であり、含有量が0.1wt%未満では固溶強化
による強度向上効果は期待することができず、また、
1.5wt%を越えて含有させると強度が高くなり過ぎ
て成形性が劣化する。よって、Mn含有量は0.1〜1.
5wt%とする。 【0011】Mgは強度を向上させる元素であり、特
に、Al−Cu−Mg系析出物による析出効果を示し、
硬度強化に有効であり、含有量が0.8wt%未満でそ
の効果は少なく、また、5.0wt%を越えて含有させ
ると強度が高くなり過ぎ、成形性の劣化を招来する。よ
って、Mg含有量は0.8〜5.0wt%とする。 【0012】Fe、Si、CuおよびZnは、強度を向
上させる元素であり、Fe含有量が0.7wt%、Si
含有量が0.3wt%、Cu含有量が0.25wt%、Z
n含有量が0.25wt%をそれぞれ越えて含有させる
と、粗大な不溶性化合物が不可避的に発生して成形性の
劣化を招来する。よって、Fe含有量は0.7wt%以
下、Si含有量は0.3wt%以下、Cu含有量は0.2
5wt%以下、Zn含有量は0.25wt%以下とす
る。 【0013】次に、本発明に係る絞り成形用アルミニウ
ム合金板の製造方法における製造条件について説明す
る。 【0014】本発明に係る絞り成形用アルミニウム合金
板の製造方法において、アルミニウム合金を溶解後、連
続鋳造を行うのであるが、この場合、アルミニウム合金
を樹枝状晶枝間隔が60μm以下となるようにする。な
お、連続鋳造方法としては、水冷式連続鋳造方法、双ロ
ール連続鋳造方法(ハンターエンジニアリング社)、ベ
ルト式連続鋳造方法(ハザレー社)、ブロック式連続鋳
造方法(アルスイス社)等が挙げられる。 【0015】このようにアルミニウム合金を樹枝状晶枝
間隔が60μm以下とすることによって、含有元素が過
飽和に固溶され、晶出物の微細化を図ることができ、ま
た、この過飽和度が大きいほど、加熱時に析出する析出
物の寸法が微細になる。 【0016】そして、樹枝状晶枝間隔が60μmを越え
ると過飽和固溶効果および微細化効果が充分に発揮する
ことが出なくなる。そのため、樹枝状晶枝間隔は60μ
m以下とする。 【0017】なお、この樹枝状晶枝間隔d(μm)は、
凝固時の冷却速度T(℃/s)と関係があり、本発明に
係る絞り成形用アルミニウム合金板の製造方法において
使用するアルミニウム合金における、関係式は d=48.9T-0.43 で表される。従って、樹枝状晶枝間隔を60μm以下に
するためには、この関係式から凝固時の冷却速度を0.
6℃/s以上にする必要がある。また、凝固時の冷却速
度を0.6℃/s以上とする手段としては、鋳塊寸法
(特に、厚さ)を小さくするか、または、鋳型の材質を
熱伝導性の良好なものとするか、或いは、冷却水量を多
くする等が挙げられる。 【0018】このように連続鋳造されたアルミニウム合
金鋳塊を析出が起こらない速度で室温まで急速冷却を行
うことによって、析出の駆動力が増加する。さらに、高
温域において存在した熱平衡原子空孔が急速冷却中に二
次欠陥として転位ループ・空孔集合体等の格子欠陥を生
成し、析出物の核生成サイトが増加する。これらから、
その後の再加熱の際に高密度の微細な析出物が析出され
る。 【0019】連続鋳造後のアルミニウム合金鋳塊の室温
までの急速冷却速度は、50℃/s以上とするのが最適
であり、連続鋳造されたアルミニウム合金鋳塊を析出が
起こる速度(50℃/s未満)により、室温まで急速冷
却した後、再加熱した場合には、析出の駆動力が少な
く、析出物の核生成サイトが少ないので析出物は低密度
となる。 【0020】従って、連続鋳造されたアルミニウム合金
鋳塊は析出が起こらない速度(50℃/s以上)によ
り、室温まで急速冷却した後、再加熱を行うのである。 【0021】この再加熱の昇温速度は鋳塊寸法、圧延温
度にもよるが、100〜400℃/mとするのが最適で
あり、100℃/m未満では設備、装置に制約されて再
加熱は不可能となり、また、400℃/mを越えると析
出物の核生成サイトとなる格子欠陥が析出が起こる前に
消滅するために、析出物は低密度となる。 【0022】さらに、熱間圧延後の急速冷却は、析出物
の粗大化を抑制し、肌荒れを防止するために必要な工程
であり、この急速冷却速度は10℃/s以上が最適であ
る。 【0023】 【実 施 例】本発明に係る絞り成形用アルミニウム合
金板の製造方法の実施例を比較例と共に説明する。 【0024】 【実 施 例 1】表1に示す含有元素および成分割合の
アルミニウム合金を溶解して得られた溶湯を、フィルタ
ーを通過させることにより非金属介在物を除去した後、
連続鋳造を行い7mm厚さのに鋳造を行い、この時の、
樹枝状晶枝間隔は約40μmであった。 【0025】鋳造後、60℃/sの冷却速度により室温
まで冷却した後、昇温速度30℃/mで450℃の温度
まで再加熱を行い、3mm厚さまで、圧延開始温度45
0℃、圧延終了温度340℃の熱間圧延を行い、20℃
/sの冷却速度により冷却を行った。 【0026】その後、400℃の温度で1時間の荒焼鈍
を行ってから、1mm厚さまで冷間圧延を行い、急速加
熱により530℃の温度において1分間保持した後、急
速冷却を行い、さらに、冷間圧延を行って0.3mmの
厚さのアルミニウム合金板を製造した。 【0027】製造されたアルミニウム合金板について、
深絞り性、耳率、肌荒れの状況の試験を行い、その結果
を表2に示す。この表2から本発明に係る絞り成形用ア
ルミニウム合金板の製造方法により製造されたアルミニ
ウム合金板は、深絞り性、耳率、肌荒れの状況は比較例
に比べて格段に優れていることがわかる。 【0028】 【表1】【0029】 【表2】 【0030】 【実 施 例 2】表3に示す含有元素および成分割合の
アルミニウム合金を溶解して得られた溶湯を、フィルタ
ーを通過させることにより非金属介在物を除去した後、
連続鋳造を行い7mm厚さのに鋳造を行い、この時の、
樹枝状晶枝間隔を表3に示してある。 【0031】連続鋳造後、アルミニウム合金鋳塊を表3
に示す冷却速度により室温まで冷却を行った後、表3に
示す昇温速度で再加熱を行い、圧延開始温度450℃、
圧延終了温度340℃の熱間圧延により3mm厚さと
し、表3に示す冷却速度により冷却を行った。 【0032】その後、400℃の温度において1時間の
荒焼鈍を行って1mm厚さまで冷間圧延を行い、急速加
熱により530℃の温度に1分間保持した後、急速冷却
を行い、さらに、冷間圧延を行って0.3mm厚さのア
ルミニウム合金板を製造した。 【0033】このアルミニウム合金板について、深絞り
性、耳率、肌荒れの状況について試験を行った、その結
果を表4に示す。この表4から、本発明に係る絞り成形
用アルミニウム合金板の製造方法にり製造されたアルミ
ニウム合金板は、深絞り性、耳率に優れており、さら
に、肌荒れの状況も良好であることがわかる。 【0034】 【表3】 【0035】 【表4】【0036】 【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る絞り
成形用アルミニウム合金板の製造方法は上記の構成であ
るから、深絞り性および耳率に優れており、さらに、肌
荒れ状況も良好であるという効果を有する。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 Mn 0.1〜1.5wt%、Mg 0.8〜5.0wt
%、 Fe 0.7wt%以下、S 0.3wt%以下、Cu
0.25wt%以下、 Zn 0.25wt%以下を含有し、残部Alおよび不
可避不純物からなるアルミニウム合金を連続鋳造を行っ
た後、析出が生じない速度により室温まで急速冷却を行
い、所定の温度にまで再加熱を行い、熱間圧延を行って
から室温まで急速冷却し、次いで、通常の方法により冷
間圧延および中間焼鈍を行うことを特徴とする絞り成形
用アルミニウム合金板の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP16016993A JPH06346205A (ja) | 1993-06-04 | 1993-06-04 | 絞り成形用アルミニウム合金板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP16016993A JPH06346205A (ja) | 1993-06-04 | 1993-06-04 | 絞り成形用アルミニウム合金板の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06346205A true JPH06346205A (ja) | 1994-12-20 |
Family
ID=15709351
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP16016993A Withdrawn JPH06346205A (ja) | 1993-06-04 | 1993-06-04 | 絞り成形用アルミニウム合金板の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06346205A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6120621A (en) * | 1996-07-08 | 2000-09-19 | Alcan International Limited | Cast aluminum alloy for can stock and process for producing the alloy |
| WO2005064025A1 (ja) * | 2003-12-26 | 2005-07-14 | Nippon Light Metal Company, Ltd. | ベークハード性に優れたAl-Mg-Si系アルミニウム合金板の製造方法 |
| CN102899546A (zh) * | 2012-10-29 | 2013-01-30 | 虞海香 | 一种车身用铝合金 |
| CN108311551A (zh) * | 2017-11-20 | 2018-07-24 | 新疆众和股份有限公司 | 一种采用连铸连轧法生产高镁铝合金焊丝线坯的冷却工艺 |
-
1993
- 1993-06-04 JP JP16016993A patent/JPH06346205A/ja not_active Withdrawn
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6120621A (en) * | 1996-07-08 | 2000-09-19 | Alcan International Limited | Cast aluminum alloy for can stock and process for producing the alloy |
| WO2005064025A1 (ja) * | 2003-12-26 | 2005-07-14 | Nippon Light Metal Company, Ltd. | ベークハード性に優れたAl-Mg-Si系アルミニウム合金板の製造方法 |
| JPWO2005064025A1 (ja) * | 2003-12-26 | 2008-04-17 | 日本軽金属株式会社 | ベークハード性に優れたAl−Mg−Si系アルミニウム合金板の製造方法 |
| CN102899546A (zh) * | 2012-10-29 | 2013-01-30 | 虞海香 | 一种车身用铝合金 |
| CN108311551A (zh) * | 2017-11-20 | 2018-07-24 | 新疆众和股份有限公司 | 一种采用连铸连轧法生产高镁铝合金焊丝线坯的冷却工艺 |
| CN108311551B (zh) * | 2017-11-20 | 2020-10-09 | 新疆众和股份有限公司 | 一种采用连铸连轧法生产高镁铝合金焊丝线坯的冷却工艺 |
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