JPH06349632A - 常電導高磁場用コイル装置 - Google Patents

常電導高磁場用コイル装置

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JPH06349632A
JPH06349632A JP13426693A JP13426693A JPH06349632A JP H06349632 A JPH06349632 A JP H06349632A JP 13426693 A JP13426693 A JP 13426693A JP 13426693 A JP13426693 A JP 13426693A JP H06349632 A JPH06349632 A JP H06349632A
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coil
cooling water
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coil device
high magnetic
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Masami Sano
正美 佐野
Toshiki Tachikawa
敏樹 立川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ほぼ飽和状態にある磁場分布を乱すことがな
く、小型で省電力かつ経済性に優れた常電導高磁場用コ
イル装置を提供すること。 【構成】 第1のコイルユニット12は、その中心部に
通水孔13が形成された絶縁導体11が同一平面上で所
定の方向に巻回されて、前記通水孔内に冷却水を流通さ
せるように構成される。第2のコイルユニット16は、
同じく中心部に通水孔13が形成された絶縁導体11が
同一平面上で前記所定の方向と反対方向に巻回されて、
前記通水孔内に冷却水を流通させるように構成される。
これらの第1及び第2のコイルユニットを交互に重ね合
わせることによりコイル装置が構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は常電導高磁場発生用コイ
ル装置に関し、特に小型サイクロトロン用の電磁石コイ
ル装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】常電導高磁場、例えば最大3テスラの高
磁場を発生するサイクロトロンの精密な磁場分布は、そ
の磁場が鉄心の飽和領域に達しているために、コイル導
体部分の形状の精度に大きく影響を受ける。このような
サイクロトロンに適用される従来の電磁石用のコイル装
置では、主として導体の巻き成型方法に起因する形状誤
差があった。
【0003】図5は従来のコイル装置の構成を示す概略
図で、(A)はその平面図、(B)は図(A)における
直線X−Xに沿った断面図である。すなわち、従来のコ
イル装置は、図5(A)に示されるように、絶縁導体4
1が同一平面上で半径Roの最外径部から半径Riの最
内径部に至るまで所定の方向に巻回され、最内径部にお
いて絶縁導体41の直径分だけ下に下がった平面におい
て今度は最内径部から最外径部に至るまで前記の巻き方
向と同じ方向に巻回される。このようにして、図5
(B)に示されるように、絶縁導体41が上下2層重ね
で巻かれた、いわゆるパンケーキ状のコイルユニット4
2が構成される。
【0004】絶縁導体41には、図5(B)に示される
ように、導体中心部に通水孔43が形成され,この通水
孔43を介して冷却水が流通されるようになっている。
すなわち、冷却水は図5(A)に示されるように、最外
径部の絶縁導体41の巻き始め端部の冷却水入口部44
から導入され、最外径部の絶縁導体41の巻き終り端部
の冷却水出口部45から導出されるように構成されてい
る。そして、全体のコイル装置は、図5(B)にその一
部が示されるように、上記のようなコイルユニット42
が多数積み重ねられて完成されている。
【0005】次に、常電導高磁場型サイクロトロンの経
済性と小形化を実現するためには、コイルの大きさと消
費電力の兼ね合いを考慮しながら設計する必要がある。
同じ起磁力で同じ平均径を持つコイル断面においては、
その消費電力は、断面の総面積に反比例する。すなわ
ち、図6に示される通水孔43の断面積(等価径d)を
小さくすればするほど、総断面積が増えて、消費電力の
少ないコイルを実現できる。一方、圧力損失をP、通水
孔43の水路長をLとすると、その流量Qは次の数式1
で表される。
【0006】
【数1】
【0007】また、コイルの通水孔43部分の発熱量を
Wとするとき、冷却水の水温上昇をΔTとすると、ΔT
は次の数式2で表される。
【0008】
【数2】
【0009】この数式1、数式2から、通水孔43の等
価径dを小さくすれば、流量Qが減少して水温の上昇Δ
Tが大きくなる。通常、ΔTは、冷却水の出口温度To
が、コイル部分や配管部品の許容温度である約60℃以
下になるように制限される。従来はこの消費電力と温度
上昇値との兼ね合いから適当な通水孔の等価径dが決め
られていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記の常電導高磁場用
コイル装置においては、図5(A)に示されるように、
コイルユニット42における絶縁導体41の巻き始めと
巻き終り部分が存在する中心角度αの範囲内には、次の
ような種々の巻線の形状誤差が存在する。すなわち、最
内径部においては、図7(A)に示されるような2層構
造の巻線の上層61から下層62への移り変わりが存在
し、また上下の各層における巻線が形成する列(図7
(B)の63)間の移り変わりが存在する。この列間の
移動は、コイルユニット42の最内径部においては図5
(A)、(B)に示される第1列64から第2列65へ
の移動として図7(B)に示されている。このような巻
線の層間及び列間の移り変わりにより、図7(A)にδ
hで示されるコイルの屈曲部における表面平面度の誤
差、各列の半径Rαのばらつき、図7(B)に示される
巻線断面形状の理想形状(図7(C)に示される)から
のずれなどである。
【0011】なお、図7(A)は図5(A)のコイルユ
ニット42を最内径部において矢印A−Aの方向に見た
図、図7(B)、(C)はそれぞれ、図5(A)のコイ
ルユニット42を矢印B及びCの部分で切断して示す断
面図である。
【0012】また、従来のコイル装置における冷却水の
水路構成では、隣接する導体層間の放熱及び受熱によ
り、冷却水入口部44と冷却水出口部45間の水路の間
で、コイルを構成する絶縁導体41表面の温度が図8に
示すような分布を示し、コイル内部に出口温度Toより
さらに高い温度Tmaxを示す部分が生ずる。このこと
から、従来のコイル装置における冷却構造は冷却水によ
る冷却効果を十分に生かし切れていない構造といえる。
【0013】更に、コイルを構成する絶縁導体41は通
常、ガラス基布やエポキシ樹脂などの絶縁材により被覆
されており、この絶縁材の耐熱性への影響も問題であっ
た。
【0014】従って本発明の目的は、上記従来の常電導
高磁場用コイル装置の問題点を除去し、ほぼ飽和状態に
ある高磁場分布精度を攪乱することがなく、小型で省電
力かつ経済性に優れた常電導高磁場用コイル装置を提供
することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、中心部
に通水孔が形成された絶縁導体が同一平面上で所定の方
向に巻回されて、前記通水孔内に冷却水を流通させるよ
うに構成された第1のコイルユニットと、同じく中心部
に通水孔が形成された絶縁導体が同一平面上で前記所定
の方向と反対方向に巻回されて、前記通水孔内に冷却水
を流通させるように構成された第2のコイルユニットと
を備え、これらの第1及び第2のコイルユニットを交互
に重ね合わせることにより構成されることを特徴とする
常電導高磁場用コイル装置が得られる。
【0016】本発明によればまた、前記第1及び第2の
コイルユニットを構成する絶縁導体の冷却水入口部がそ
れぞれ、これらのコイルユニットの外径側であって前記
第1及び第2のコイルユニットが巻回されている平面上
におけるこれらのコイルユニットの中心を通る直線に関
して互いに対称の位置に配置されていることを特徴とす
る常電導高磁場用コイル装置が得られる。
【0017】本発明によれば更に、前記第1及び第2の
コイルユニットを構成する絶縁導体の冷却水出口部がそ
れぞれ、これらのコイルユニットの内径側であって前記
直線に関して前記冷却水入口部とは反対側かつ互いに対
称の位置に配置されていることを特徴とする常電導高磁
場用コイル装置が得られる。
【0018】
【実施例】以下に図1〜図4を用いて本発明の実施例を
説明する。図1は本発明による常電導高磁場用コイル装
置の構成を示す概略図で、(A)及び(B)はその平面
図、(C)は図(A)及び(B)における直線X−Xに
沿った断面図である。すなわち、本発明のコイル装置に
おいては、図1(A)に示されるように、絶縁導体11
が同一平面上で半径Roの最外径部から半径Riの最内
径部に至るまで所定の方向に巻回された第1のコイルユ
ニット12が形成される。絶縁導体11にはその中心部
に通水孔13が形成され、この通水孔13内を外径から
内径に向かって冷却水が流通される。すなわち、冷却水
は、図1(A)に示されるように、最外径部の絶縁導体
11の巻き始め端部の冷却水入口部14から導入され、
最内径部の絶縁導体11の巻き終り端部の冷却水出口部
15から導出されるように構成されている。
【0019】次に、本発明のコイル装置においては、図
1(B)に示されるように、絶縁導体11が同一平面上
で最外径部から最内径部に至るまで、前記第1のコイル
ユニット12の巻回方向と反対方向に巻回された第2の
コイルユニット16が形成される。絶縁導体11には、
第1のコイルユニット12と同様に、その中心部に通水
孔13が形成され、この通水孔13内を外径から内径に
向かって冷却水が流通される。すなわち、冷却水は、図
1(B)に示されるように、最外径部の絶縁導体11の
巻き始め端部の冷却水入口部17から導入され、最内径
部の絶縁導体11の巻き終り端部の冷却水出口部18か
ら導出されるように構成されている。これらの第1及び
第2のコイルユニット12及び16を図1(C)の断面
図に示されるように、交互に多層に重ね合わせることに
より全体のコイル装置が構成される。
【0020】従って、本発明のコイル装置においては、
コイルユニット12及び16は1層のみで構成されるた
め、従来のコイル装置に見られる絶縁導体の最内径部に
おける上下層間あるいは列間の移り変わりによる巻線の
形状誤差が減少する。
【0021】図2はこのように構成された本発明のコイ
ル装置の絶縁導体の巻始め部分及び巻き終り部分と冷却
水入口部及び冷却水出口部の構成を示す図で、同図
(A)は部分平面図、同図(B)、(C)はそれぞれ、
冷却水入口部及び冷却水出口部の構成を示す側面図であ
る。同図には第1のコイルユニット12の上に第3のコ
イルユニット19が、第2のコイルユニット16の下に
は第4のコイルユニット20がそれぞれ積層されてい
る。そして、第1及び第2のコイルユニット12、16
を構成する絶縁導体41の冷却水入口部14、17はそ
れぞれ、外径側であってこれらのコイルユニットが巻回
されている平面上におけるこれらのコイルユニットの中
心を通る直線に関して互いに対称の位置に配置されてい
る。一方、冷却水出口部15、18はそれぞれ、コイル
ユニットの内径側であって前記直線に関して前記冷却水
入口部14、17とは反対側かつ互いに対称の位置に配
置されている。
【0022】図3は本発明のコイル装置における冷却水
の水路構成を示すコイル装置の断面図である。本発明の
水路構成は、コイルユニット12及び16それぞれの最
外径部から周回しながら最内径部に冷却水が流れ、前述
した従来のコイル装置に比べて、水路長が半分になって
いる。このため、従来のコイル装置の水路構成と同一圧
力損失、同一水路径の場合、前記数式1から、本発明の
水路構成を流れる冷却水の量Qは、従来のコイル装置の
それに比べて約1.5倍(=20.57)となる。従って、
前記数式2から、本発明のコイル装置における冷却水の
水温上昇ΔTを従来装置の場合に比較して低く抑えるこ
とができる。
【0023】また、本発明のコイル装置における冷却水
構造は、冷却水の水路長が短く、隣接する水路間の熱の
授受がない。このため、コイル導体表面の全水路長に沿
った温度分布は、図4に示されるように、入口温度Ti
から出口温度Toに直線的に変化し、出口温度Toより
高い部分が存在しなくなり、冷却効果が十分に生かされ
ていることが解る。
【0024】
【発明の効果】前述したように、常電導高磁場型サイク
ロトロンは、ほとんど飽和領域の磁場により、精密な磁
界分布が要求されるため、コイル自体の形状及び位置の
精度が要求される。そして、イオン加速の等時性等を確
保するための理論的な磁場分布に調整するために、実際
上は、磁場測定を行いながら、鉄心の形状を局部的に変
化させる。これに対し、本発明のコイル装置において
は、コイルの形状誤差が減少したため、上記のような調
整の作業を大幅に省略することができ、必要な磁場分布
の再現性が確保しやすくなる。
【0025】また、本発明のコイル装置における冷却水
構造は、冷却水の水路長が短く、隣接する水路間の熱の
授受が無いので、コイル導体表面の全水路長に沿った温
度分布は、入口温度かTiから出口温度Toに直線的に
変化し、出口温度Toより高い部分が存在しなくなり、
冷却効果が十分に生かされる。
【0026】更に、本発明のコイル装置における冷却水
構造は、冷却水の水路長が従来装置に比較して半減する
ため、従来装置と同じ冷却効果を得る場合には、通水孔
の等価径dを小さくすることができる。このことはコイ
ル断面の総面積を大きくすることができ、これによって
消費電力を小さくでき、経済性を向上できることを意味
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の常電導高磁場用コイル装置の構成を
示す概略図で、(A)及び(B)はその平面図、(C)
は図(A)及び(B)における直線X−Xに沿った断面
図である。
【図2】 本発明の常電導高磁場用コイル装置の絶縁導
体の巻始め部分及び巻き終り部分と冷却水入口部及び冷
却水出口部の構成を示す図で、同図(A)は部分平面
図、同図(B)、(C)はそれぞれで冷却水入口部及び
冷却水出口部の構成を示す側面図である。
【図3】 本発明の常電導高磁場用コイル装置における
冷却水の水路構成を示すコイル装置の断面図である。
【図4】 本発明の常電導高磁場用コイル装置における
全水路長に沿った導体表面の温度分布を示す図である。
【図5】 従来の常電導高磁場用コイル装置の構成を示
す概略図で、(A)はその平面図、(B)は図(A)に
おける直線X−Xに沿った断面図である。
【図6】 従来の常電導高磁場用コイル装置における冷
却水の水路構成を示すコイル装置の断面図である。
【図7】 従来の常電導高磁場用コイル装置におけるコ
イルの形状誤差の例を説明するための図で、同図(A)
は図5(A)のコイルユニット42を最内径部において
矢印A−Aの方向に見た図、図7(B)、(C)はそれ
ぞれ図5(A)のコイルユニット42を矢印B及びCの
部分で切断して示す断面図である。
【図8】 従来の常電導高磁場用コイル装置における全
水路長に沿った導体表面の温度分布を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
11 絶縁導体 12 第1のコイルユニット 13 通水孔 14、17 冷却水入口部 15、18 冷却水出口部 16 第2のコイルユニット 19 第3のコイルユニット 20 第4のコイルユニット

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心部に通水孔が形成された絶縁導体が
    同一平面上で所定の方向に巻回されて、前記通水孔内に
    冷却水を流通させるように構成された第1のコイルユニ
    ットと、同じく中心部に通水孔が形成された絶縁導体が
    同一平面上で前記所定の方向と反対方向に巻回されて、
    前記通水孔内に冷却水を流通させるように構成された第
    2のコイルユニットとを備え、これらの第1及び第2の
    コイルユニットを交互に重ね合わせることにより構成さ
    れることを特徴とする常電導高磁場用コイル装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の常電導高磁場用コイル装
    置において、前記第1及び第2のコイルユニットを構成
    する絶縁導体の冷却水入口部はそれぞれ、これらのコイ
    ルユニットの外径側であって前記第1及び第2のコイル
    ユニットが巻回されている平面上におけるこれらのコイ
    ルユニットの中心を通る直線に関して互いに対称の位置
    に配置されていることを特徴とする常電導高磁場用コイ
    ル装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の常電導高磁場用コイル装
    置において、前記第1及び第2のコイルユニットを構成
    する絶縁導体の冷却水出口部はそれぞれ、これらのコイ
    ルユニットの内径側であって前記直線に関して前記冷却
    水入口部とは反対側かつ互いに対称の位置に配置されて
    いることを特徴とする常電導高磁場用コイル装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN116959840A (zh) * 2022-07-26 2023-10-27 中国科学院合肥物质科学研究院 水冷磁体装置的磁体线圈总成

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