JPH0635642B2 - 高温強度および耐酸化性に優れたフェライト系耐熱鋼 - Google Patents

高温強度および耐酸化性に優れたフェライト系耐熱鋼

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JPH0635642B2
JPH0635642B2 JP61208859A JP20885986A JPH0635642B2 JP H0635642 B2 JPH0635642 B2 JP H0635642B2 JP 61208859 A JP61208859 A JP 61208859A JP 20885986 A JP20885986 A JP 20885986A JP H0635642 B2 JPH0635642 B2 JP H0635642B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、超臨界圧ならびに超々臨界圧用ボイラの蒸
発管、過熱器管、再熱器管、主蒸気配管、化学工業用
プラントの加熱器管、熱交換器管、高速増殖炉の蒸気
発生器管、過熱器管、核融合炉第一炉壁材料等に用い
て好適な、高温強度および耐酸化性に優れたフェライト
系耐熱鋼に関する。
[従来の技術] 最近、火力発電用ボイラとしては超臨界圧ボイラが用い
られているが、熱効率を上げ、燃料節減を図るため、超
々臨界圧用ボイラが必要とされている。この種のボイラ
は、電力需要の少ない夜間は操業をダウンさせるため、
高温低温の熱サイクルをもった操業となる。熱膨張率の
大きいオーステナイト系ステンレス鋼では、熱疲労やス
ケール剥離が問題となる。剥離したスケールは鋼管ベン
ド部が堆積して局所的に高温となり管が噴破したり、ま
たスケールがタービンに達することもあり種々の障害を
もたらす。一方、フェライト系の場合、オーステナイト
系に比べ熱膨張率が小さいばかりでなく、高温での応力
腐食割れや粒界腐食が軽減され、熱伝導率が高く、しか
も低廉であるという長所を備えている。このため、フェ
ライト系高クロム鋼は超臨界圧ならびに超々臨界圧用ボ
イラの蒸発管、過熱器管、再熱器管や、化学工業用各種
機器の加熱器管、熱交換器管、あるいは、高速増殖炉の
蒸気発生器管、過熱器管用材料としても好適である。
現時点で実用化されている最も蒸気条件の厳しいボイラ
は超臨界圧ボイラ(246気圧、566℃)である。管壁温度
が580℃までは通常、2・1/4Cr−1Mo鋼(STBA24)、620
℃までは9Cr-1Mo〜2Mo系鋼(例えばSTBA26や STBA27)もしくは、18Cr-8Ni系ステンレス鋼、620℃を
超えると専ら18Cr-8Ni系ステンレス鋼が管材として用い
られる。
[発明が解決しようとする問題点] 従来の9Cr-1Mo〜2Mo系鋼は、2・1/4Cr-1Mo鋼に比べて
耐酸化は向上するものの、高温強度が低いので使用上制
約を受ける。18Cr-8Ni系は高温強度、耐高温酸化性に優
れているものの、既述のようなオーステナイト系特有の
欠点があり、その上、Cr、Niを多量に含有しているため
に、経済性に問題がある。
ところで、超々臨界圧ボイラとしての第1段階の蒸気条
件(316気圧、566℃)での実用化が近いが、第2段階で
は316気圧、593℃の蒸気条件となるため、過熱器管や再
熱器管の管壁温度はおよそ620℃にもなり、この温度で
の長時間強度が要求される。しかしながら、通産省の発
電用火力技術基準に則って決められた許容応力を比較す
ると、既出のフェライト系高クロム鋼の許容応力は620
℃で18Cr-8Ni系ステンレス鋼の(SUS304HTB)のおよそ4
/5以下である。したがって、高温長時間強度保持のため
には肉厚を厚くしなければならず、熱交換上好ましくな
い上に、材料費がかさみ、建設コストを高める。
このように、超々臨界圧用ボイラチューブに対しては高
温強度の一層の改善が求められると同時に、高温環境下
で使用されるため耐高温腐食性の向上が求められる。
ところで、従来の2・1/4Cr-1Mo鋼やSTBA26(9Cr-1Mo
鋼)、 STBA27(9Cr-2Mo鋼)の高温強度を改善した鋼として国
オークリッジ国立研究所が中心となって開発したSuper
9CrすなわちASTMA213 T91鋼(9Cr-1Mo Nb,V鋼)が知
られている。
しかしながら、これらの鋼は従来鋼に比べてある程度高
温強度が改善されているものの、まだ不十分なため、更
に一層の向上が必要であり、また耐酸化性の向上が求め
られていた。
9〜12Cr系鋼にWを添加することにより高温強度が改善
されることや、Nb、Vの添加により高温強度が改善でき
ることは既に知られている。本発明者等は、先に特開昭
60−293092号において、高温強度を改善し、さ
らに溶接性を向上させた鋼を提案した。その後、更に詳
細に検討を続けた結果、高温強度の改善には種々の元素
の適切な組み合わせが効果的であること、その上高温で
の耐酸化性の向上には、CuとVおよびWの適正な組み合
わせにより著しく改善されることが知見された。本発明
ではMo量とW量の最適値、V量とNb量の最適値、Nb量と
C+N量の最適値、V量とMo+W量の最適値ならびにMo、
W、Nb、V量とC+N量の最適値を検討することにより、
高温強度の大幅な向上を達成することができた。さら
に、高温耐酸化性を向上させるために、成分元素の影響
を検討した結果、高Cr-Mo鋼において、V、WとともにC
uを最適添加することにより、高温耐酸化性を大幅に向
上させることが可能となった。
本発明は、上記要求される特性を満足するために開発さ
れたものであり、下記の特性を備えた比較的安価な高温
用耐熱鋼を提供することを目的とする。
高温強度:650℃×5000hのクリープ破断強度で10k
g/mm2以上、同じく650℃×105hで5kg/mm2以上。
耐高温酸化性:650℃×1000hの大気中酸化による腐
食減量が1mg/mm2以下。
本発明は、フェライト系耐熱鋼において、高温強度の一
層の改善と、耐酸化性の向上を図ることを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明に係る高温強度および耐酸化性に優れたフェライ
ト系耐熱鋼は、 重量%で C :0.08越え〜0.20%、Si:1.0%以下 Mn:0.1〜1.5%、Cu:0.05〜0.30% Ni:0.1〜1.0%、Cr:7.0〜13.0% Mo:0.4〜2.5%、Nb:0.02〜0.15% V:0.02〜0.35%、W:0.5越え〜2.50
% N :0.005〜0.080% かつ、前記WとMo量の関係が下記の座標点を占める第
1図ABCに囲まれた範囲、また、VとNb量の関係が下記
の座標点を占める第2図EFGHIJに囲まれた範囲、また、
NbとC+N量の関係が下記の座標点を占める第3図KLMNに
囲まれた範囲、また、VとMo+W量の関係が下記の座標点
を占める第4図OPQRに囲まれた範囲、また、Mo+W+2V+Nb
とC+N量の関係が下記の座標点を占める第5図STUVに囲
まれた範囲にあり、残部Feおよび不可避的不純物よりな
ることを特徴とする高温強度および耐酸化性に優れたフ
ェライト系耐熱鋼。
WとMo量 VとNb量 W% Mo% V% Nb% A(0.50,2.11) E(0.02,0.15) B(0.50,0.40) F(0.02,0.04) C(2.50,0.40) G(0.06,0.02) H(0.35,0.02) I(0.35,0.075) J(0.20,0.15) NbとC+N量 VとMo+W量 Nb% C+N% V% Mo+W% K(0.02,0.15) O(0.02,2.5) L(0.02,0.085) P(0.04,0.9) M(0.15,0.085) Q(0.32,1.2) N(0.15,0.28) R(0.30,2.9) Mo+W+2V+NbとC+N量 Mo+W+2V+Nb% C+N% S(1.1,0.20) T(1.1,0.09) U(3.6,0.115) V(3.6,0.28) [作用] 本発明を達成するために、まずMoとWの添加が高温強度
に及ぼす影響を詳細に検討した結果、Wの添加が高温強
度、中でも600℃を越える温度でのクリープ破断強度を
著しく向上させることを見い出した。Mo、Wはともにフ
ェライト形成元素であり、あまり多量に添加するとデル
タフェライトの体積率が増し、高温強度が低下する。一
方、Mo、W添加量が少なくては強度向上効果が薄れる。
この考えのもとに、Mo、W添加量の多くの組合わせにわ
たって、650℃×5000hのクリープ破断強度を調べた結
果、クリープ破断応力σr≧10kg/mm2の領域として第1
図の斜線の領域を得た。すなわち、WとMoは第1図の斜
線の領域内にある時、優れたクリープ破断強度が得られ
る。
ここで、直線ABはW量が0.50%を示す直線であり、
これ未満ではクリープ強度を向上させる効果が極めて弱
い。直線BCはMo量が0.4%を示す直線であり、これ未
満ではクリープ強度の向上効果が弱い。一方、直線ACよ
り上の領域ではW+Mo量が多すぎるためデルタフェライト
の体積が増し、クリープ強度が低下する。
次に、VとNbの添加が高温強度に及ぼす影響を詳細に検
討した結果、VとNbを複合して適量添加することによ
り、高温強度を著しく向上させることが知見された。そ
の結果得られた最適範囲を示すと、第2図の斜線で示す
領域である。
ここで、直線EFはV量が0.02%を示す直線であり、
直線GHはNb量が0.02%を示す直線であり、VもNbも
これ未満ではクリープ強度を向上させる効果が極めて弱
い。直線IHはV量が0.35%を示す直線であり、直線
EJはNb量が0.15%を示す直線であり、VおよびNbが
それぞれの値より多いと炭化物が粗大化してクリープ強
度が低下するとともに、切欠靭性や溶接性を低下させる
ことになる。直線FGより下の領域では、Nb、V量が少な
すぎるためクリープ強度を向上させる効果が弱く、直線
IJより上の領域では炭化物が粗大化してクリープ強度が
低下する。
次に、Nb量とC+N量が高温強度に及ぼす影響を詳細に検
討した結果、Nb量に対するC+N量の関係が第3図の斜線
の内部にある時、優れた高温強度が得られることが知見
された。
ここで、直線KLはNb量が0.02%を示す直線であり、
これ未満ではクリープ強度を向上させる効果が極めて弱
い。直線LMはC+N量が0.085%を示す直線であり、
これ未満ではNbとの炭窒化物が有効に生成されないた
め、クリープ強度を向上させる効果がない。直線MNはNb
量が0.15%を示す直線であり、この値より多くなる
と炭窒化物が粗大化してクリープ強度が低下するととも
に、切欠靭性や溶接性を低下させる。直線KNはNb量の増
加によりC+N量の上限が上昇することを示し、この直線
より上の領域では粗大な炭窒化物が生じるためクリープ
強度が低下する。
続いて、V量とMo+W量が高温強度に及ぼす影響を詳細に
検討した結果、Vの添加が効果があり、このV量はMo+W
量と密接な関係があり、第4図の斜線の内部にある時、
優れた高温強度が得られることが知見された。
ここで、直線OPはMo+W量の低下に判ない、高温強度を達
成するためにはV量を増加させる必要があることを示
し、直線RQはMo+W量の増加に伴ない、高温強度を達成す
るためにはV量を低下させる必要があることを示してお
り、直線OPより左側の領域ではVの炭窒化物の形成が不
十分であるため、高温強度の改善効果が弱く、直線RQよ
り右側の領域では炭化物が粗大化しクリープ強度を下
げ、しかも切欠靭性や溶接性を低下させる。直線ORやPQ
は、高温強度を達成するためにはV量の増加に伴ない、
Mo+W量を増加させる必要があることを示しており、直線
ORより上の領域ではMo+W量が多すぎるため、フェライト
量が多くなり、クリープ強度が低下する。直線PQより下
の領域ではMo+W量が少なすぎるため、高温強度を向上さ
せる効果が少ない。
さらに、Mo、W、V、Nb量とC+N量の関係が高温強度に
及びす影響を詳細に検討した結果、Mo+W+2V+Nb量に
対するC+N量が第5図の斜線の範囲にある時、優れた高
温強度が得られることが知見された。
ここで、直線STはMo+W+2V+Nb量が1.1%を示す直
線であり、これ未満では炭窒化物の生成量が少ないた
め、クリープ強度を向上させる効果が弱い。直線VUはMo
+W+2V+Nb量が3.6%を示す直線であり、これより多い
と炭化物が粗大化するためにクリープ強度が低下する。
直線SVやTUは、Mo+W+2V+Nb量の増加とともに、C+N量を
増加させる必要があることを示しており、直線TUより下
の領域では、炭窒化物の生成量が少ないため、クリープ
強度を向上させる効果が弱い。直線SVより上の領域で
は、炭窒化物が粗大化するためクリープ強度が低下す
る。
さらに高Cr鋼において、CuをWとVとともに適量添加す
ることにより、高温での耐酸化性向上に著しい効果があ
ることが知見された。その結果を第6図に示す。すなわ
ち、750℃の大気中で500h加熱後の腐食減量変化におい
てCuを添加することによる影響を示すと、V、Wを複合
添加した高Cr鋼では、Cuを0.05%以上添加すること
により腐食減量が急激に低下する。一方、V、Wを添加
しない高Cr鋼では前者に比べ著しい効果は認められな
い。
本発明は上記の6つの知見を根幹に完成した。以下、本
発明の成分限定理由について説明する。
Cは低温変態生成物の形成、炭化物の析出からクリープ
破断強度の向上に寄与する低廉な元素である。0.20
%を越えると焼入れ性が著しく増し強度は増加するが、
溶接性、加工性が劣化するので、Cは0.20%以下と
した。0.08%以下では高温強度の確保が困難であ
り、デルタフェライト量が増加し、切欠靭性の劣化をも
たらすので、Cは0.08%越えとした。
Siは脱酸剤として添加するが、多量に用いると鋼の靭性
が劣化するので、上限を1.00%とした。
Mnは脱酸、脱硫剤として、また強度、熱間加工性を改善
し適正な組織を得るために有用な元素であるが、0.1
%未満では有用な効果がなく、1.5%を越えると焼入
れ性が高くなり、強度が上がるものの曲げ等の加工性や
靭性の劣化を招くので、0.1〜1.5%とした。
Cuは高Cr鋼に添加する場合、Crを含んだ酸化被膜に粘性
を与え、さらに被膜の定着性を良くし、Cr鋼の耐酸化性
を助ける。特に高温での耐酸化性向上に対し、高Cr-Mo
鋼にWおよびVとともにCuを複合添加することにより、
第6図に示すように著しい効果があることが知見され
た。この効果を発揮するためには、Cuは0.05%以上
の添加が必要である。一方、多量に添加すると靭性の劣
化を招くので上限を0.3%とした。
Niはデルタフェライト量を適正値に制御し、高温強度を
維持することと、靭性の改善のために添加するが、0.
10%未満では効果なく、1.0%を越えると熱間変形
抵抗が増し熱間加工上好ましくない上に、1.0%を越
えても一層の靭性改善効果はみられず、しかもNiは高価
な元素であるので上限を1.0%とした。
Crは耐高温酸化性、高温長時間強度の向上のために添加
するもので、600℃以上の高温長時間強度はCrが7.0
〜13.0%のとき高く、13.0%を越えてCrが多く
なるとデルタフェライトが増し、高温長時間強度が低下
する。一方、7.0%未満ではCr炭化物による析出強
化、Crの固溶強化が期待できず、高温長時間強度が低下
し、しかも7.0%未満では高温の耐酸化性に乏しい。
このため、Crの成分範囲は7.0〜13.0%とした。
Mo、Wは高温長時間強度を著しく高めるため、耐熱鋼に
は、不可欠の元素であり、高Cr鋼においてMoとWの複合
添加で著しい効果が認められる。両元素は鋼中固溶し強
化するほか、炭化物を析出してクリープ強度を向上させ
るが、0.4%未満のMoや0.5%以下のWではこの効
果がなく、第1図に示した直線BCより下の範囲では高温
強度の向上は十分発揮されない。さらに高Cr-Mo鋼にお
いて、適量のCu、VとともにWを添加することにより、
高温耐酸化性が著しく向上することが知見された。この
効果を発揮するためにも、Wは0.5%越えでなければ
ならない。一方、2.5%を越えるMo、2.5%を越え
るWもしくは直線ACより上の範囲ではデルタフェライト
量が増し高温強度を低下させる上に、Mo、Wは高価な元
素であるからコスト高となり経済性の上からも好ましく
ない。
Nb、Vは炭化物もしくは炭窒化物として析出し、長時間
にわたって高温強度の低下を抑制する。Nb炭化物もしく
はNb炭窒化物の溶解度積はV炭化物もしくはV炭窒化物
の溶解度積より小さく、析出しやすいので高温短時間強
度を著しく高めるが、単独添加ではNb炭化物、Nb炭窒化
物は凝集、粗大化しやすく長時間高温強度を維持するの
が困難となる。長時間強度の向上にはNb、Vの複合添加
が有効で、製造過程で析出したNb(C,N)に高温で使
用中M23C6、M6Cの炭化物が析出し、VはV4C3の炭化物の
ほかに固溶状態にあるVが上記炭化物M23C6、M6Cに拡散
し、これら炭化物の粗大化を抑制する。Nb、Vの複合添
加により微細析出したNb、Vの析出物、さらに長時間経
過後に微細析出するM23C6、M6C、固有Vが高温長時間強
度を向上させる。したがって、V単独でも微細炭化物M
23C6、M6Cは得られず、長時間強度を改善することはで
きない。さらに、Vにおいては、適量のW、Cuとともに
添加することにより、高温耐酸化性の改善に著しい効果
のあることが知見された。Nb、Vはいずれも0.02%
未満では上記の効果が不充分である。また、Nbもしくは
Vが多すぎても炭化物が著しく粗大化しクリープ破断強
度を下げ、しかも切欠靭性や溶接性を低下させるので、
Nbは0.15%以下、Vは0.35%以下とした。
Nは窒化物もしくは炭窒化物の形成、さらに固有Nの残
存から高温長時間強度を向上させるが、0.005%未
満ではその効果がなく、0.080%を越えると溶接時
ブローホールが形成され、著しく溶接性を劣化するの
で、Nは0.005%〜0.080%とした。
しかるに、本発明によれば、下記〜の作用効果があ
る。
高温強度の改善のため、WとMo量、VとNb量、NbとC+
N量、VとMo+W量、Mo+W+2V+NbとC+N量の各組合わせを適
正化した。
高温での耐酸化性を著しく向上させるため、CuとVお
よびWの組合わせを適正化した。高Cr鋼にCuを添加する
ことにより、Crを含んだ酸化被膜に粘性を与え、さらに
被膜の定着性を良くしてCr鋼の耐酸化性を助けるもので
ある。そしてこの際、CuにWとVを複合添加することに
より、著しい効果が得られることを知見したものであ
る。
C量およびW量の限定により、上記、の効果を下
記(a)、(b)の如くにさらに鮮明にした。
(a)C範囲を0.08%を越え〜0.20%とした。C
はクリープ破断強度の向上に寄与し、0.08%越え以
上とすることによりクリープ破断強度に優れた特性の鋼
に限定できる。
(b)W範囲を0.5%越え〜2.50%とした。Wは高
温長時間強度を高めるのに著しい効果があり、0.5%
越え以上にすることにより、この効果をより向上でき
る。
すなわち、後述する実施例で明らかなように、本発明
による耐熱鋼の高温強度は、例えば従来の9Cr系改良鋼
(例えば本願の第2表ASTMT91)に比べて著しく改善さ
れた(例えばクリープ破断時間が従来の995時間から774
0〜10562時間に延長)。また、高温耐酸化性について
も、例えば従来の9Cr系改良鋼(例えばASTMT91)に対し
て大幅に改善された(例えば腐食減量が2.14mg/cm2から
0.77〜0.43mg/cm2に減少)。
[実施例] 第1表は本発明鋼、第2表は比較鋼の化学成分を示す。
これら化学成分の鋼塊を高周波溶解炉にて製造し、その
鋼塊を熱間圧延で20mm厚みの鋼板とし、1050℃で焼きな
らし、760℃で1時間焼戻しの処理を行なった。その
後、6mmφ丸棒クリープ試験片と3mm厚×30×30の大気
中高温酸化試験片、溶接硬さ試験片を採取した。クリー
プ試験は、650℃で応力10Kg/cm2における破断時間、大
気中高温酸化試験は、700℃で1000時間保持後の重量減
少量(mg/cm2)、溶接性試験は18Cr-8Niステンレス溶接
棒を用いた一層の肉盛溶接後、750℃、1時間の後熱処
理をした後の熱影響部最高硬さを調べた。
本発明例における鋼種としては、C、Si、Mn、Cu、Ni、
Cr、Mo、Nb、V、W、Nの重量%を変化させた鋼種を示
した。比較鋼のうちイ鋼はSTBA26、ロ鋼は STBA27の従来鋼、ハ〜ホ鋼はNb、Vが単独または複合添
加されるものの、W、Cuが添加されていないもの、ヘ鋼
はWが添加されるものの、Nb、V、Cuが添加されていな
いもの、ト鋼はCuが添加されていないもの、チ鋼はCuが
添加されておらず、かつC量が本発明鋼を越えているも
のである。リ、ヌ鋼はCuが添加されているが、それぞれ
W、Vが添加されていないもの、ル鋼はASTM T91(Supe
r9Cr)鋼である。
本発明の試験結果は第1表右欄に示すごとく、優れた高
温強度を有し、クリープ破断時間は7000時間以上となっ
ている。高温耐酸化性も本発明鋼の場合、すべて0.8
mg/cm2以下の低い値であり、優れた耐酸化性を示してい
る。最高硬さ(Hv)は最高強度が優れている割には大き
な上昇はなく、すべてHv<320であり、溶接性にも優れ
ている。
一方、第2表右欄に示すごとく、比較鋼イ、ロ鋼はNb、
V、Wを含有せず、650℃、10Kg/mm2応力下の破断時間
が著しく短い。Nbを含有するハ鋼、Vを含有するニ鋼は
破断時間が改善されるが、本発明鋼に比べると著しく短
かい。NbとVを複合添加したホ鋼は破断時間が更に改善
されるが、Wを含まないため本発明鋼に比べると短かく
劣っている。Nb、Vを含まずWを含むヘ鋼はホ鋼と同程
度に破断時間が改善されているものの本発明鋼に比べる
と短かい。ト、チ鋼はNb、V、Wが複合添加されて破断
強度は著しく長時間側に改善される。しかし、比較鋼の
場合、いずれもCuを含有しておらず、高温耐酸化性が本
発明鋼に比べて著しく劣っている。また、チ鋼ではCの
重量%が本発明における範囲を上回っているため、最高
硬さが大幅に大きくなっている欠点がある。リ、ヌ鋼は
WまたはVが添加されていないためクリープ破断時間が
短いとともに、高温耐酸化性は本発明鋼に比べて劣って
いる。
上記のように、本発明鋼は、現用のCr-Mo鋼より高温長
時間強度に優れ、600〜650℃の温度範囲で、SUS304以上
の長時間クリープ破断強度を有する鋼である。しかも、
高温耐酸化性も著しく優れた鋼であり、溶接性も考慮
し、最高硬さ(Hv)が320以下となって実用上差しつか
えなく使用できる範囲である。したがって、高価な18Cr
-8Ni系オーステナイトステンレス鋼の代替使用が可能
で、本発明鋼は経済的な熱交換器材等の耐熱鋼として極
めて有用である。
本発明鋼の用途としては、ボイラ管、化学プラント用耐
熱鋼管、高速増殖炉用蒸気発生器管、過熱器管のような
耐熱用鋼管として好適であり、さらに、一般に耐熱性が
要求される部材としても広く使用可能である。
[発明の効果] 以上のように、本発明に係る高温強度および耐酸化性に
優れたフェライト系耐熱鋼は、 重量%で C :0.08越え〜0.20%、Si:1.0%以下 Mn:0.1〜1.5%、Cu:0.05〜0.30% Ni:0.1〜1.0%、Cr:7.0〜13.0% Mo:0.4〜2.5%、Nb:0.02〜0.15% V:0.02〜0.35%、W:0.5越え〜2.50
% N :0.005〜0.080% かつ、前記WとMo量の関係が下記の座標点を占める第1
図ABCに囲まれた範囲、また、VとNb量の関係が下記の
座標点を占める第2図EFGHIJに囲まれた範囲、また、Nb
とC+N量の関係が下記の座標点を占める第3図KLMNに囲
まれた範囲、また、VとMo+W量の関係が下記の座標点を
占める第4図OPQRに囲まれた範囲、また、Mo+W+2V+Nbと
C+N量の関係が下記の座標点を占める第5図STUVに囲ま
れた範囲にあり、残部Feおよび不可避的不純物よりなる
ことを特徴とする高温強度および耐酸化性に優れたフェ
ライト系耐熱鋼。
WとMo量 VとNb量 W% Mo% V% Nb% A(0.50,2.11) E(0.02,0.15) B(0.50,0.40) F(0.02,0.04) C(2.50,0.40) G(0.06,0.02) H(0.35,0.02) I(0.35,0.075) J(0.20,0.15) NbとC+N量 VとMo+W量 Nb% C+N% V% Mo+W% K(0.02,0.15) O(0.02,2.5) L(0.02,0.085) P(0.04,0.9) M(0.15,0.085) Q(0.32,1.2) N(0.15,0.28) R(0.30,2.9) Mo+W+2V+NbとC+N量 Mo+W+2V+Nb% C+N% S(1.1,0.20) T(1.1,0.09) U(3.6,0.115) V(3.6,0.28) したがって、従来のフェライト系耐熱鋼に比べ、高温特
に600℃以上の強度(特にクリープ破断強度)が大幅に
改善されており、かつ高温の耐酸化性が改善された鋼で
あり、しかも溶接性、加工性も良好な鋼であり、例え
ば、高温、高圧環境下で使用される超々臨界圧ボイラ材
料としてやFBR用蒸気発生管、過熱器管等に使用し、
薄肉化、長寿命化に寄与できるフェライト系耐熱鋼を得
ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図はMo、W量とクリープ破断強度の関係を示す線
図、第2図はNb、V量とクリープ破断強度の関係を示す
線図、第3図はC+N、Nb量とクリープ破断強度の関係を
示す線図、第4図はMo+W、V量とクリープ破断強度の関
係を示す線図、第5図はC+N、Mo+W+2V+Nb量とクリープ
破断強度の関係を示す線図、第6図は750℃×500h大気
中における酸化試験後の腐食減量に及ぼすCu量の影響を
示す線図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で C :0.08越え〜0.20%、Si:1.0%以下 Mn:0.1〜1.5%、Cu:0.05〜0.30% Ni:0.1〜1.0%、Cr:7.0〜13.0% Mo:0.4〜2.5%、Nb:0.02〜0.15% V:0.02〜0.35%、W:0.5越え〜2.50
    % N:0.005〜0.080% かつ、前記WとMo量の関係が下記の座標点を占める第1
    図ABCに囲まれた範囲、また、VとNb量の関係が下記の
    座標点を占める第2図EFGHIJに囲まれた範囲、また、Nb
    とC+N量の関係が下記の座標点を占める第3図KLMNに囲
    まれた範囲、また、VとMo+W量の関係が下記の座標点を
    占める第4図OPQRに囲まれた範囲、また、Mo+W+2V+Nbと
    C+N量の関係が下記の座標点を占める第5図STUVに囲ま
    れた範囲にあり、残部Feおよび不可避的不純物よりなる
    ことを特徴とする高温強度および耐酸化性に優れたフェ
    ライト系耐熱鋼。 WとMo量 VとNb量 W% Mo% V% Nb% A(0.50,2.11) E(0.02,0.15) B(0.50,0.40) F(0.02,0.04) C(2.50,0.40) G(0.06,0.02) H(0.35,0.02) I(0.35,0.075) J(0.20,0.15) NbとC+N量 VとMo+W量 Nb% C+N% V% Mo+W% K(0.02,0.15) O(0.02,2.5) L(0.02,0.085) P(0.04,0.9) M(0.15,0.085) Q(0.32,1.2) N(0.15,0.28) R(0.30,2.9) Mo+W+2V+NbとC+N量 Mo+W+2V+Nb% C+N% S(1.1,0.20) T(1.1,0.09) U(3.6,0.115) V(3.6,0.28)
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