JPH0639405B2 - エチレン低重合物からn―パラフィンの分離精製方法 - Google Patents

エチレン低重合物からn―パラフィンの分離精製方法

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JPH0639405B2
JPH0639405B2 JP33433288A JP33433288A JPH0639405B2 JP H0639405 B2 JPH0639405 B2 JP H0639405B2 JP 33433288 A JP33433288 A JP 33433288A JP 33433288 A JP33433288 A JP 33433288A JP H0639405 B2 JPH0639405 B2 JP H0639405B2
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義久 片山
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株式会社日本ワックスポリマー開発研究所
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、チーグラー法ポリエチレン製造の際に副生す
るエチレン低重合物から 経済的にn−パラフィンを分
離、精製する方法に関するものである。
〈従来の技術と解決すべき課題〉 従来、石油系、合成油原料からn−パラフィンのを分
離、精製する方法としてモレキュラーシーブ法、発汗
法、溶剤晶析法が使用されている。主として、炭素数C
22以下についてはモレキュラーシーブ法を使用してn−
パラフィンを分離し、炭素数C23以上については発汗
法、溶剤晶析法を使用することが多い。モレキュラーシ
ーブ法については高含有のn−パラフィンを分離するこ
とは工業的に困難であり、炭素数C30が限度である。ま
た、発汗法、溶剤晶析法については炭素数C23以上の処
理は可能であるが、得られるn−パラフィンの含有量は
一般的には約75%、限度は約85%と低い。したがって、
炭素数C20以上にもなれば、従来の石油系原料からn−
パラフィンを単品分離することは極めて困難であった。
一方、チーグラー法ポリエチレン製造の際に副生するエ
チレン低重合物は、燃料、ガソリンや軽油等の流動接触
分解時の添加原料、ホットメルト接着剤、ゴムの老化防
止剤、樹脂の改質及び増量剤、プラスチックペイントの
添加剤、ポリ塩化ビニルの滑剤、顔料の分散剤、パラフ
ィンワックスの改質剤などに使用されている。ところ
で、これは元来副生物であるため、各ロット毎に物性の
バラツキがあるが、安価であるからか、ユーザーがこの
ことを甘受しているのが実情である。
一方、最近になって、医薬品、香料等のバイオ関連製品
や特殊溶剤、あるいは分析機器用標準物質としてn−パ
ラフィンの単品が炭素数22位まで市販されるようにな
り、更に需要量が拡大されつつある。
更に、C24以上のものについても、高品位なn−パラフ
ィンの特色である熱安定性、熱反応性に注目されてきて
おり、転移点をもたないn−パラフィンの市場が新たに
展開されてきている。いわゆる、センサーワックスの用
途である。本発明の目的は、換言すれば、物性及び組成
管理が、より厳密にされていなかった点を解決し、従来
の用途はもとより新規な各用途に適した均質なn−パラ
フィン類を提供することにある。
〈課題を解決するための手段〉 本発明者は、以上のような状況に鑑み、チーグラー法ポ
リエチレン製造の際に副生するエチレン低重合物が基本
的に炭素数が偶数であること、基本的に含有する組成が
n−パラフィン及び限られた分子構造を持つi−パラフ
ィンが主体であり、炭素数がC6〜C400位までの蝋状
固体であることに注目し、従来のn−パラフィン分離、
精製法に比較して経済的に有利で、かつ、C6〜C400
位までの範囲で93%以上の純度のn−パラフィンを分
離、精製する技術を確立することに成功した。
すなわち、チーグラー法ポリエチレン製造の際に副生す
るエチレン低重合物を原料として、次の(イ)の工程に加
えて、(ロ)(ハ)(ニ)の各工程のいずれかを用いて処理する
ことを特徴とするエチレン低重合物からのn−パラフィ
ンの分離精製方法である。
(イ)約130℃以上に、加熱溶融した状態で過して触媒残
渣を分離する工程。
(ロ)真空精密蒸溜により 炭素数C6〜C24位までのn
−パラフィンを分離精製する工程。
(ハ)炭化水素系溶媒、ケトン系溶媒、又はこれらの混合
溶媒を使用し、晶析により炭素数C20〜C400位までの
n−パラフィンを分離精製する工程。
(ニ)上記(イ),(ロ),(ハ)の工程を適宜組合せてC20〜C400
位までn−パラフィンを分離精製する工程。
ここで用いる原料のエチレン低重合物は、ポリエチレン
の重合条件でその成分組成や物性が異なるが、一例を挙
げれば、次の通りである。
組成:炭素数C6〜C400に分布し、C10〜C80が約70
%以上で、C50付近にピークがある。n−パラフィンが
80〜96%で、炭素数偶数のものである。
物性:軟化点 85〜130℃ 粘度 6〜300(10〜60)CPS/130℃ 引火点 100〜230℃ 針入度 1〜30(6〜20)dmm/25℃ 灰分 0.01〜1.5% 一般に、チーグラー法ポリエチレン製造の際に副生する
エチレン低重合物は触媒残渣を含んでいので、これを原
料として使用するには、まず、(イ)の工程により触媒残
渣を除去する。副生エチレン低重合物の融点は約130℃
以下であるため、溶融タンク内で過助剤の存在下で充
分撹拌しながら溶融液の温度を130〜140℃に保つ。過
器をセライト等でプリコートした後、溶融液を過器に
仕込み、過して触媒残渣及び微量の不飽和炭化水素等
を除去する。又は、耐圧タンク内で加圧下に溶融液とア
ルカリ2〜6%水溶液を約150℃にて、撹拌下で充分接
触させ、触媒残渣等不純物をアルカリ水溶液に溶解又は
移行させて無機質として除去する。触媒残渣等不純物の
除去後は常温で白色固体のワックスになる。
上記(イ)の工程で触媒残渣等不純物を除去した副生エチ
レン低重合物を(ロ)の工程に移す。(ロ)の工程では、真空
精密蒸溜し、炭素数C6〜C24位までのn−パラフィン
を分離精製する。真空精密蒸溜の条件は通常280℃以上
で、0.1mmHg以下の真空度を使用する。真空蒸溜器の段
数は通常30以上を使用する。
(ハ)の工程は晶析である。
晶析分離の溶媒としての炭化水素は、石油系炭化水素、
例えば、石油ベンジン、リグロイン、n−ヘキサン等の
ほか、芳香族炭化水素、例えば、ベンゼン、トルエン、
キシレン、アントラセン等も使用できる。また、ケトン
類ではメチルエチルケトン(MEK)、メチルイソプロピ
ルケトン(MIPK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、
メチルアミルケトン(MAK)、メチルヘキシルケトン(M
HK)、ジイソブチルケトン(DIBK)、イソホロン等が好
ましい。上記の炭化水素とケトン類の混合系も好まし
く、例えば、MEK−トルエン、MIBK−トルエン、MEK−n
−ヘキサン混合系等が挙げられる。
極性溶剤を用いて晶析を行った場合、分子量分布の幅の
狭い組成を有した、融点等のシャープな物性をもった製
品が得られる。一方、芳香族炭化水素等の非極性溶剤
は、分離される分子量分布幅が広くなるが、融点および
硬度等の高い物性をもった製品を製造することができ
る。そこで、溶剤の種類ならびに混合比率等を変えるこ
とによって、溶剤の分別選択能力の相違を活用して、得
られる製品の組成を自在に変えて、目的の物性値を有す
る製品を製造することができる。
更に、晶析法においては、晶析の際の各成分の結晶速度
の相違を分別法にとり入れて、一層分離効果を上げる。
エチレン低重合物に含有される分子量約30,000以上の樹
脂分は、パラフィンならびにワックスに比較して分子量
が著しく大きいため、殊に極性溶剤に対する溶解度がパ
ラフィン及びワックスに比べて非常に小さい。そこで、
晶析に先立ってパラフィン及びワックスが溶解し、樹脂
分が溶解しないだけの溶剤量及び溶解温度を定めて、
過することによって、樹脂分を効率よく分離することが
できる。
(ニ)に記載したように、上記(ロ)(ハ)を適宜組合せて高純
度のものに仕上げる。
仕上げの段階で(ロ)並びに(ハ)の方法で得られた製品を、
活性炭及び活性白土等によって処理して、脱色並びに脱
臭等を行なう。また、C22以下の場合硫酸洗浄工程によ
って、不飽和炭化水素等の微量不純物を除去した製品を
製造する。
〈作用〉 ポリエチレン重合物からポリエチレンハイポリマー、溶
媒、触媒残渣を(イ)の工程で除去したポリエチレン低重
合物は、直鎖、分岐、環状等の飽和又は不飽和炭化水素
の集合体である。しかし、前述のように、その大部分は
n−パラフィンであり、かつ、基本的にその炭素数が偶
数であることから、(ロ)の減圧精密蒸溜でも十分高純度
のものが得られるのである。
これの真空精密蒸溜により、各沸点毎に分溜してC6〜
C30までを分離する。通常はC6〜C24位までは分溜が
容易である。
次いで、C20以上、特にC30以上C50位までは、真空薄
膜蒸溜によって、かなり、シャープな成分比に分溜する
ことができる。
C30以上になると、真空薄膜蒸溜による分離が困難とな
ってくるが、ここで、(ハ)の晶析分離法を採用する。晶
析分離の溶媒は、非極性の炭化水素系溶媒と極性のケト
ン系溶媒の混合系が、直鎖状炭化水素の析出を容易に
し、分岐、環状炭化水素の晶析混入を阻止する作用をす
るようである。晶析は、所定の温度に一定時間継持する
ことにより、所望の分子量のものが析出する操作であ
る。
原料となるポリエチレン低重合物中に、分岐状や環状炭
化水素が多いときは、上記の精密蒸溜や薄膜蒸溜前に晶
析の操作を行なうことも任意であり、これら操作の組合
せ、すなわち、(ニ)の工程の利用により、更に、シャー
プな組成の炭化水素を単離することができる。
以下実施例によって本発明を更に詳細に説明する。
〈実施例1〉 副生エチレン低重合物は通常、触媒残渣を含んでおり、
約160℃に加熱溶融した状態で過し、触媒残渣を除去
して原料とした。この触媒残渣を除去した原料を用い
て、2mmHg〜10mmHg、280℃条件下で単蒸溜装置を使用
して蒸溜した。留出物は炭素数C6〜C30位の範囲のn
−パラフィン及びi−パラフィンが主体の混合物であ
る。このC6〜C30留出物を原料として0.1mmHg、280℃
条件下で精密蒸溜すると、C6〜C24の範囲で97%以上
の純度の単品に近いn−パラフィンを得ることができ
た。単蒸溜後の原料及びこれから得られた製品A〜Dの
n−パラフィン含有量を第1表に示す。
〈実施例2〉 実施例1の単蒸溜後の蒸溜残渣及び精密蒸溜後の蒸溜残
渣を混合したものは、炭素数C20〜C400位までの蝋状
固体であり、基本的にn−パラフィン及びi−パラフィ
ンを主体に含有する。この炭素数C20〜C400位の蒸溜
残渣の混合物を原料とし、炭化水素系溶媒、ケトン系溶
媒、又はその混合溶媒を使用し、晶析によりn−パラフ
ィンを分離すると、得られるn−パラフィンの炭素数分
布は±C10程度と極めて分子量分布が狭く、かつ、n−
パラフィン含有量は約93%以上を示す。薄膜蒸溜装置を
高真空、高温条件下で使用し、原料を留出物と蒸溜残渣
に二分してから晶析をすると、n−パラフィンの分離、
精製操作が容易になる。
第2表に実施例1処理後の原料及びこれを用いて晶析分
離して得られた製品E、Fのn−パラフィン含有量を示
す。
〈発明の効果〉 本発明のエチレン低重合物からn−パラフィンの分離精
製方法で得られるC20以下の製品は、高純度n−パラフ
ィンであるので、医薬品、香料等のファインケミカル関
連製品、特殊溶剤、あるいは分析機器用標準物質(例え
ばn−ヘキサデカンC16はセタン価測定用標準燃料)等
に広く利用できる。
更に、C20以上のn−パラフィンワックスは従来の石油
系パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス
あるいは石炭合成ワックスに比べて著しく、融点がシ
ャープで、融解潜熱が高く、熱安定性が良く、化
学的に安定であるため、蓄熱材、サーモセンサー、感熱
紙、熱転写インキ、ホットメルト接着剤の分野で、従来
にない高性能の結晶体の製品を得ることができたのであ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】チーグラー法ポリエチレン製造の際に副生
    するエチレン低重合物を原料として、次の(イ)の工程に
    加えて、(ロ)(ハ)(ニ)の各工程のいずれかを用いて処理す
    ることを特徴とするエチレン低重合物からn−パラフィ
    ンの分離精製方法。 (イ)約130℃以上に加熱溶融した状態で過して触媒残査
    を分離する工程。 (ロ)真空精密蒸溜により 炭素数C6〜C24位までのn
    −パラフィンを分離精製する工程。 (ハ)炭化水素系溶媒、ケトン系溶媒、又はこれらの混合
    溶媒を使用し、晶析により炭素数C20〜C400位までの
    n−パラフィンを分離精製する工程。(ニ)上記(イ),(ロ),
    (ハ)の工程を適宜組合せてC20〜C400位までn−パラフ
    ィンを分離精製する工程。
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