JPH0643491B2 - ポリ(アリーレンスルフィド)反応混合物からのポリ(アリーレンスルフィド)オリゴマーの回収方法 - Google Patents

ポリ(アリーレンスルフィド)反応混合物からのポリ(アリーレンスルフィド)オリゴマーの回収方法

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JPH0643491B2
JPH0643491B2 JP63008194A JP819488A JPH0643491B2 JP H0643491 B2 JPH0643491 B2 JP H0643491B2 JP 63008194 A JP63008194 A JP 63008194A JP 819488 A JP819488 A JP 819488A JP H0643491 B2 JPH0643491 B2 JP H0643491B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、芳香族化合物からポリマーを製造する方法に
関する。さらに本発明は、アリーレンスルフィドポリマ
ーの製造方法に関する。さらに本発明は、ポリハロゲン
置換芳香族化合物を極性有機溶媒中で反応させてポリ
(アリーレンスルフィド)を生成させたといの反応混合
物における固体成分と液体成分の分離に関する。さらに
本発明は、前記反応混合物の他の成分からの分離による
ポリ(アリーレンスルフィド)オリゴマーの回収に関す
る。
米国特許第4,415,729号明細書および4,524,200号明細書
には、ポリハロゲン置換芳香族化合物を極性有機溶媒の
存在下で反応させたときの反応混合物から、粒状のポリ
(アリーレンスルフィド)を分離・回収する“水中急
冷”法が開示されている。さらにこれらの特許には、反
応混合物中に少量のポリ(アリーレンスルフィド)オリ
ゴマー部分が存在すること、およびこのオリゴマーは前
記の粒状ポリ(アリーレンスルフィド)から分離できる
ことが記載されている。上記特許を参照すると、このオ
リゴマー部分を“スライム”と述べ、またその粒子サイ
ズを“微細”と述べていることから、ポリ(アリーレン
スルフィド)オリゴマーの処理における従来からの問題
点が依然として現れていることがわかる。実際、上記特
許には、過助剤を被覆したフィルター上に前記オリゴ
マーを回収すること、そして過助剤とポリ(アリーレ
ンスルフィド)オリゴマーの混合物をフィルターから定
期的に掻き取って廃棄することが記載されている。分離
操作の作業労力を少なくすること以外の理由はないとし
ても、ポリ(アリーレンスルフィド)反応生成物中にお
けるオリゴマー部分の相対量を減少させるのが望ましい
ことは明らかである。さらに、ポリ(アリーレンスルフ
ィド)オリゴマーを廃棄することは経済的に不利益を被
ることになる。なぜならばこれらの重合物の形成におい
ては高価な反応物が消費されているからである。さら
に、ポリ(フェニレンスルフィド)オリゴマーは、もし
回収できれば、これを硬化させて有用な生成物にするこ
とができることが知られている(米国特許第4,046,749
号明細書)。
本発明によれば、 (a)アルカリ金属水酸化物とアルカリ金属水硫化物の極
性有機溶媒中における水性混合物を脱水し、このとき脱
水前および脱水後の水性混合物におけるアルカリ金属水
酸化物対アルカリ金属水硫化物のモル比がそれぞれ、約
0.90:1〜約1.05:1,および約0.99:1〜約1.05:1
となるようにすること; (b)使用された水硫化物に対して重合反応混合物を形成
するのに足る量(比)の少なくとも1種のポリハロゲン
置換芳香族化合物を、工程(a)の脱水剤混合物と混合す
ること; (c)工程(b)の前記反応混合物を、ポリ(アリーレンスル
フィド)からなる重合反応混合物を生成させるのに有効
な重合条件下にさらすこと; (d)工程(c)の前記重合反応混合物に、前記ポリ(アリー
レンスルフィド)が溶融相となる温度以上の温度におい
て、前記極性有機溶媒に実質的に溶解しかつ前記ポリ
(アリーレンスルフィド)に対して非溶媒であることを
特徴とする分離剤を、前記溶融ポリ(アリーレンスルフ
ィド)を前記極性有機溶媒から相分離させるのに足る量
を混合すること; (e)工程(d)から得られる前記重合反応混合物を冷却し
て、前記極性有機溶媒および分離剤を含む液体中で、粒
状ポリ(アリーレンスルフィド)およびポリ(アリーレ
ンスルフィド)オリゴマーからなるスラリーを生成させ
ること; (f)工程(e)の前記スラリーを、粒状ポリ(アリーレンス
ルフィド)を回収して、ポリ(アリーレンスルフィド)
オリゴマーの分散液を生成させる処理をすること;およ
び (g)工程(f)から得られるポリ(アリーレンスルフィド)
オリゴマーの前記分散液を過して前記オリゴマーを回
収することからなる、ポリ(アリーレンスルフィド)オ
リゴマーの回収方法が与えられる。
驚くべきことに、上記の工程(a)における反応物比の簡
単な調節によって、本発明の方法において得られるポリ
(アリーレンスルフィド)オリゴマーは、その生成量の
減少およびその容易な回収可能性に関して著しく影響を
受けた。
水は本発明の方法の工程(d)において使用される好まし
い分離剤である(従って、“水中急冷”法と呼ばれる)
けれども、反応混合物に使用される極性有機溶媒に実質
的に溶解することを特徴とし、ポリ(アリーレンスルフ
ィド)に対する非溶媒であって、しかも本方法の反応条
件および回収条件に適した沸騰特性を有するような液体
であればいかなる液体も使用することができる。通常、
パラフィン系炭化水素、高沸点アルコール、高沸点エー
テル等が適しており、単独または併用して使用すること
ができる。適切な化合物の例としては、ケロシン、1−
ヘキサノール、1−オクタノール、アニソール、および
フェニルエーテル等がある。
本発明において有用な極性有機溶媒は、アリーレンスル
フィドポリマーの製造に使用されるポリハロゲン置換芳
香族化合物用の溶媒である。このような極性有機溶媒の
例としては、アミド(ラクタムを含む)およびスルホン
がある。このような極性有機溶媒の特定の例としては、
ヘキサメチルリン酸アミド、テトラメチルウレア、N,
N′−ジメチルエチレンウレア、N,N′−エチレンジピロ
リドン、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ピロリド
ン、カプロラクタム、N−エチルカプロラクタム、スル
ホラン、N,N′−ジメチルアセトアミド、低分子量ポリ
アミド等がある。現時点で好ましい極性有機溶媒はN−
メチル−2−ピロリドン(NMP)である。
本発明の方法において使用することのできるアルカリ金
属水硫化物としては、水硫化リチウム、水硫化ナトリウ
ム、水硫化カリウム、水硫化ルビジウム、水硫化セシウ
ム、およびこれらの混合物などがある。
アルカリ金属水硫化物は通常、水和した形および/また
は水性混合物として、好ましくは使用温度において液体
状態として使用される。アルカリ金属水硫化物と共に存
在する水の量は広範囲にわたって変化しうるけれども、
アルカリ金属水硫化物とこれに関連した水を合わせた全
重量を基準として、水和および/または遊離水の形で、
通常約20〜約60重量%、好ましくは約25〜約40重量%の
範囲で存在する。
本発明の方法において使用することのできるアルカリ金
属水酸化物としては水酸化リチウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウ
ム、およびこれらの混合物などがある。
アルカリ金属水酸化物は無水の形で使用することもでき
るけれども、好ましくは水和した形および/または水性
混合物として使用され、さらに好ましくは使用温度にお
いて液体状態として使用される。アルカリ金属水酸化物
と共に存在する水の量は広範囲にわたって変化しうるけ
れども、アルカリ金属水酸化物とこれに関連した水を合
わせた全重量を基準として、水和水および/または遊離
水の形で、通常最大約70重量%、好ましくは約25〜約60
重量%存在する。
本発明の方法によるアリーレンスルフィドポリマーの製
造においては、アルカリ金属水酸化物は通常、アルカリ
金属水硫化物と極性有機溶媒(例えばNMP)からなる
水性混合物と混合される。アルカリ金属水酸化物を加え
た後、蒸留法によって実質的に全ての水を除去すること
により、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属水硫化
物、および極性有機溶媒から導かれる脱水された混合物
が得られる。
脱水すべき水性混合物におけるアルカリ金属水酸化物対
アルカリ金属水硫化物のモル比を約0.90:1〜約1.05:
1とし、脱水された混合物におけるアルカリ金属水酸化
物対アルカリ金属水硫化物のモル比を約0.99:1〜約1.
05:1とすることによって、ポリ(アリーレンスルフィ
ド)オリゴマーの生成量は減少し、また生成したオリゴ
マーは、上記の条件に適合しないモル比を採用したとき
より容易に回収される。
本明細書にて使用しているポリハロゲン置換芳香族化合
物とは、1分子当たり2〜6個のハロゲン置換基を有す
る反応性のポリハロゲン芳香族化合物を表すものとす
る。しかしながら、一般には、本発明の方法に従って製
造されるアリーレンスルフィドポリマー(オリゴマーも
含む)は、前記した工程によって製造されるフェニレン
スルフィドポリマーである。1分子当たり3個以上のハ
ロゲン置換基を有する少量のポリハロゲン芳香族化合物
のような任意の反応混合物成分、および/またはアルカ
リ金属カルボキシレートもしくはハロゲン化リチウムの
ような重合調節化合物なども使用することができ、有利
な結果が得られる。これらの反応混合物中の通常使用さ
れる成分のいくつかを以下に挙げる。
本発明の方法において使用することのできるp−ジハロ
ゲンベンゼンは、 という式で表すことができ、式中、Xは塩素、臭素、お
よびヨウ素からなる群から選ばれるものであり、各Rは
アルキル基、シクロアルキル基、もしくはアリール基の
ような炭化水素基、またはアルカリール基、もしくはア
ラルキル基等のような、これらの組み合わせ基であるよ
うな炭化水素基および水素からなる群から選ばれるもの
であり、使用されるp−ジハロゲンベンゼンの少なくと
も50モル%において各Rは水素でなければならないとい
う条件で、各分子における炭素原子のトータル数が6〜
約24の範囲内である。
本発明の方法において使用することのできるp−ジハロ
ゲンベンゼンの例としては、p−ジクロロベンゼン、p
−ジブロモベンゼン、p−ジヨードベンゼン、1−クロ
ロ−4−ブロモベンゼン、1−クロロ−4−ヨードベン
ゼン、1−ブロモ−4−ヨードベンゼン、2,5−ジクロ
ロトルエン、2,5−ジクロロ−p−キシレン、1−エチ
ル−4−イソプロピル−2,5−ジブロモベンゼン、1,2,
4,5−テトラメチル−3,6−ジクロロベンゼン、1−ブチ
ル−4−シクロヘキシル−2,5−ジブロモベンゼン、1
−ヘキシル−3−ドデシル−2,5−ジクロロベンゼン、
1−オクタデシル−2,5−ジヨードベンゼン、1−フェ
ニル−2−クロロ−5−ブロモエチル、1−(p-トリ
ル)−2,5−ジブロモベンゼン、1−ベンジル−2,5−ジ
クロロベンジル、1−オクチル−4−(3−メチルシクロ
ペンチル)−2,5−ジクロロベンゼン等、およびこれら
の混合物がある。
本発明の方法において使用することのできる、1分子当
たり3個以上のハロゲン置換基を有するポリハロゲン芳
香族化合物はR′X′n′という式で表すことができ、
このとき各X′は塩素および臭素からなる群から選ばれ
るものであって、好ましくは塩素であり、nは3〜6の
整数であり、R′は最高約4つのメチル置換基を有する
ことのできるn価の多価芳香族基であって、R′におけ
る炭素原子のトータル数は6〜約16の範囲内である。
本発明の方法において使用することのできる、1分子当
たり3個以上のハロゲン置換基を有するポリハロゲン芳
香族の例としては、1,2,3−トリクロロベンゼン、1,2,4
−トリクロロベンゼン、1,3−ジクロロ−5−ブロモベ
ンゼン、2,4,6−トリクロロトルエン、1,2,3,5−テトラ
ブロモベンゼン、ヘキサクロロベンゼン、1,3,5−トリ
クロロ−2,4,6−トリメチルベンゼン、2,2′,4,4′−テ
トラクロロビフェニル、2,3′,6,6′−テトラブロモ−
3,3′,5,5′−テトラメチルビフェニル、1,2,3,4−テト
ラクロロナフタレン、1,2,4−トリブロモ−6−メチル
ナフタレン等、およびこれらの混合物がある。
本発明の方法において使用することのできるアルカリ金
属カルボキシレートはR″CO2Mという式で表すこと
ができ、このときR″はアルキル、シクロアルキル、お
よびアリールのような炭化水素基、およびアルカリー
ル、アラルキル等の、これらの基の組み合わさったよう
な炭化水素基からなる群から選ばれるものであり、前記
R″における炭素原子の数は1〜約20の範囲内であり、
Mはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、お
よびセシウムからなる群から選ばれるアルカリ金属であ
る。必要であれば、アルカリ金属カルボキシレートは水
和物として、または水溶液もしくは水中分散液として使
用することもできる。
本発明の方法において使用することのできるアルカリ金
属カルボキシレートの例としては、酢酸リチウム、酢酸
ナトリウム、酢酸カリウム、プロピオン酸リチウム、ピ
ロピオン酸ナトリウム、2−メチル−プロピオン酸リチ
ウム、酪酸ルビジウム、バレリアン酸チリウム、バレリ
アン酸ナトリウム、ヘキサン酸セシウム、ヘプタン酸リ
チウム、2−メチルオクタン酸リチウム、ドデカン酸カ
リウム、4−エチルテトラデカン酸ルビジウム、オクタ
ン酸ナトリウム、ヘンエイコサン酸ナトリウム、シクロ
ヘキサンカルボン酸リチウム、3−メチルシクロペンタ
ンカルボン酸ナトリウム、シクロヘキシル酢酸カリウ
ム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム、安息香酸ナ
トリウム、m-トルイル酸カリウム、フェニル酢酸ナトリ
ウム、4−フェニルシクロヘキサンカルボン酸ナトリウ
ム、p-トリル酢酸カリウム、4−エチルシクロヘキシル
酢酸リチウム等、およびこれらの混合物がある。
重合反応において一般に重合調節剤として使用されるア
ルカリ金属カルボキシレートの量は、p-ジハロゲンベン
ゼンの1グラム分子当たり、通常約0.05〜約4、好まし
くは約0.1〜約2グラム分子カルボキシレートという量
が、必要とされる分離剤の量を低減させるのに有効であ
る。
本発明の方法において使用することのできるハロゲン化
リチウムとしては、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ
化リチウム、およびこれらの混合物がある。
本発明の方法の前記工程(b)によれば、少なくとも1種
のポリハロゲン置換芳香族化合物を、追加の極性有機溶
媒および1つ以上の任意の上記反応混合物成分と併用し
た形で、あるいは併用せずに、工程(a)からの脱水され
た組成物と混合する。ポリハロゲン置換芳香族化合物全
量対アルカリ金属水硫化物のモル比は変えることができ
るけれども、通常は約0.99:1〜約1.2:1、好ましく
は約1:1〜約1.1:1の範囲である。さらに、このモ
ル比は、工程(a)の水性混合物における、アルカリ金属
水酸化物対アルカリ金属水硫化物のモル比より大きいこ
とが好ましい。
重合反応混合物に使用される極性有機溶媒の量は広範囲
に変えることができる。通常、極性有機溶媒対アルカリ
金属水硫化物のモル比は約1:1〜約10:1、好ましく
は2:1〜約5:1の範囲である。
重合反応温度は広範囲に変えることができるけれども、
通常は約150℃〜約400℃、好ましくは約200℃〜300℃の
範囲である。反応時間は、ある程度は反応温度に応じて
広範囲に変えることができるが、通常は約10分〜約72時
間、好ましくは約1時間〜約8時間の範囲である。反応
圧力は、ポリハロゲン置換芳香族化合物と極性有機溶媒
を実質的に液相に保持するのに十分な程度の圧力でなけ
ればならない。
上記した種々の成分を重合させると、ポリ(アリーレン
スルフィド)が溶融相となる温度以上の温度において、
反応混合物中の主たる成分として、ポリ(アリーレンス
ルフィド)、極性有機溶媒、アリーレンスルフィドオリ
ゴマー(“スライム”)、塩化ナトリウム、および未反
応原料からなる反応混合物が得られる。工業上の目的の
ため、ポリ(アリーレンスルフィド)はポリ(フェニレ
ンスルフィド)(PPS)が、また極性有機溶媒はN−メチ
ル−2−ピロリドン(NMP)が通常適用されている。
無水の、または殆ど分離剤(通常は水)を含まない反応
混合物において、分離剤(好ましくは脱イオン水)を添
加すると、溶融状態のポリ(アリーレンスルフィド)と
極性有機溶媒との間に相分離が起こる。アルカリ金属カ
ルボキシレートを使用したポリ(アリーレンスルフィ
ド)の作製においては、反応混合物中に十分な量の分離
剤を存在させることによって、溶融ポリ(アリーレンス
ルフィド)と極性有機溶媒との間に相分離を起こさせる
ことができる、しかしこの反応混合物に分離剤(好まし
くは脱イオン水)をさらに加えれば、分離をさらに増大
させることができる。アルカリ金属カルボキシレートが
存在しない場合、溶媒1ポンド当たり約0.01〜約0.5ポ
ンドの分離剤、好ましくは溶媒1ポンド当たり約0.05〜
約0.2ポンドの分離剤が反応混合物中に存在すれば、望
ましい相分離を起こさせるのに十分である。アルカリ金
属カルボキシレートが存在する場合、相分離を起こさせ
るのに必要な分離剤の量は通常少なくなる。溶媒1ポン
ド当たり約0.05〜約0.15ポンドの分離剤を使用するのが
好ましい。
相分離が完了した後、分離した相の温度を、ポリ(アリ
ーレンスルフィド)が溶融状態である温度範囲からポリ
(アリーレンスルフィド)が固化する温度範囲にまで低
下させる。通常、PPS混合物は、含有されている不純
物に依存して278±6℃の転移温度を有する。言い換え
ると、溶融ポリ(アリーレンスルフィド)の温度を、約
260℃〜約315℃の温度範囲から約220℃以下の温度にま
で、好ましくは約100℃〜約200℃の温度範囲にまで低下
させる。溶融ポリ(アリーレンスルフィド)の相分離を
起こさせた後、温度を低下させることによって、アリー
レンスルフィドポリマーは約0.04〜約4mm、好ましくは
約0.1〜約2mmの粒径の、比較的大きめの粗い粒子とな
り、極性有機溶媒中における粒状ポリ(アリーレンスル
フィド)のスラリーが形成される。
“水急冷”法の結果形成される、粒状ポリ(アリーレン
スルフィド)およびポリ(アリーレンスルフィド)オリ
ゴマーからなるスラリーを処理して、粒状ポリ(アリー
レンスルフィド)を回収するには、従来の方法に従って
これを行うことができる。例えば、粒状ポリ(アリーレ
ンスルフィド)を通過させずに、極性有機溶媒と分散し
ているポリ(アリーレンスルフィド)オリゴマーからな
る液体を液として通過させるような網篩を使用してス
ラリーを過することができる。またこれとは別の方法
として、“水急冷”法により得られたスラリーを減圧下
で加熱し、実質的に全ての極性有機溶媒と存在する水を
蒸発除去して、粒状ポリ(アリーレンスルフィド)、ポ
リ(アリーレンスルフィド)オリゴマー、およびアルカ
リ金属ハロゲン化物からなる固体残留物を得る。この固
体残留物を液体(好ましくは水)中で再びスラリーと
し、粒状ポリ(アリーレンスルフィド)およびポリ(ア
リーレンスルフィド)オリゴマーからなる液体スラリー
とする。粒状ポリ(アリーレンスルフィド)を上記した
ように分離し、必要に応じてさらに水洗した後、これを
乾燥すると有用なポリマーが得られる。ポリ(アリーレ
ンスルフィド)オリゴマーからなる液または分散液を
最終過工程にかけて、ポリ(アリーレンスルフィド)
オリゴマーを回収することができる。この最終過は通
常、少なくとも直径約1ミクロンの粒子をフィルター上
に捕集することのできる過手段を使用する。必要に応
じて、分離させたオリゴマーを少なくとも1回洗浄して
純度を上げてから、従来法による乾燥およびその後の処
理を行うことができる。
実施例 本発明を当業者に対してさらに理解し易いものとするた
めに実施例を挙げて説明するが、本発明の範囲がこれに
よって限定されるものではない。また特定の反応物、条
件、比率等は、全て我々の発明を例証するためのもので
あって、妥当かつ適切な範囲を限定するためのものでは
ない。
実施例I 以下に示した反応混合物処方を用いて、ポリ(アリーレ
ンスルフィド)(PPS)の調製に対し、一連の重合実験を
行った。
化合物,g(g-分子) N-メチル-2-ピロリドン(NMP) 1,643(16.6) 水硫化ナトリウム(a)(NaSH) 336.4(6.00) ペレット状水酸化ナトリウム(NaOH) 可変 酢酸ナトリウム(NaOAc) 147.6(1.80) p-ジクロロベンゼン(DCB) 可変 1,2,4-トリクロロベンゼン(TCB) 1.41(0.0078)(a) 58.46重量%のNaSH水溶液として仕込む。本水溶液は
さらに、NaSH1モル当たり0.0073モルのNaOHを含む。
これらの実験においては、温度測定手段、圧力測定手
段、攪拌手段、外部加熱手段、および内部冷却手段を備
えた2ガロン容量のオートクレーブ反応器中に、水性の
NaSH、NaOHペレット、NaOAc、およびNMPを仕込ん
だ。反応器を窒素がパージし、回転数250rpmで160℃に
加熱した。脱水工程において、混合物から水とそれに伴
ういくらかのNMPを蒸留した。温度を200℃まで上昇
させつつ、約350mの〔水+NMP〕を除去した。D
CBとTCBを325mのNMPに溶かし、これを反応
器に仕込んだ。反応器の温度を235℃に上げて2時間保
持し、次いで265℃に上げて3時間保持した。3時間の
反応時間の最後の部分(約15分)において温水(250m
)を徐々に加え、この温水添加中、攪拌速度を500〜7
50rpmに上げた。次いで、冷却媒体として空気を使用し
て、反応混合物を周囲温度にまで一晩徐々に放置冷却し
た。
反応器に2,250mの脱イオン水を仕込み、250rpmで10
分攪拌した。こうして得られたスラリーを反応器から3
ガロン容量の容器に移し、2ガロンの水で希釈した。次
いで、PPSとPPSオリゴマー(“スライム”)から
なる希釈したスラリーを、200メッシュ(開口74ミクロ
ン)の金属篩を使用して粒状のPPSを篩上に捕集し、
PPSオリゴマーからなる液と分離した。液を短時
間静置した後、デカントして1ガロン容積程度残し、次
いでこの残留物を、ワットマンNo.1の紙を被覆した
大きめのブフナー漏斗上に注ぎ込んだ。漏斗を保持した
吸引フラスコをアスピレーター(約25インチHg)に接続
する。1ガロン容積量の過を完了してPPSオリゴマ
ーを回収するのに要する時間について調べた。一連の実
験について得られた結果を第I表に示す。
第I表の実験4,5および6と実験1,2および3の結果を比
較すると、重合処方において、NaOH/NaSHのモル比を下
げる、例えば約1.065/1以下にすることによって、P
PSオリゴマーを含有した液サンプルに対する過時
間を大幅に短縮できる、すなわち過速度を大幅に増大
させることができることがわかる。
実施例II ポリ(フェニレンスルフィド)(PPS)の調製に関し、2
ガロン容量の反応器中で、他の重合実験を行った。これ
らの実験は、上記実施例Iの場合と同様の重合反応処方
および反応工程を適用して行った。ただし、これらの実
験においてはDCBの量は、DCB/NaSHのモル比を1.
035/1として一定に保持したままで、NaOHの量を変化
させた。
これらの実験においては、粒状PPSの収率および回収
PPSオリゴマー(“スライム”)の収率について検討
した。これらの実験において使用した回収手順は次の通
りである。
1)重合反応混合物(急冷した後2,250mの水で希
釈)を3ガロン容量の容器に移した。
2)反応混合物をさらに2ガロンのH2Oで希釈した。
3)粒状PPSを反応混合物から別し、200メッシュ
(74ミクロン開口)の金属篩上に捕集した。
4)篩上に捕集した粒状PPSを2ガロンの水中で再び
スラリーにした。
5)スラリー状にした粒状PPSを再び200メッシュの
金属篩上に別し、このとき液相(液)は前記工程
(3)で得られた液に加えた。
5)篩に捕集した粒状PPSを2ガロンの水で洗浄し
た。
7)粒状PPSを125℃で4時間乾燥し、灰分および揮
発物の含有量についての分析に供した。
8)沈降したPPSオリゴマーを含む液から液体をデ
カントし、新たに水を加え、そして所定時間静置するこ
とによって、PPSオリゴマーからなる液を数回洗浄
した。
9)次いで過を行って、ワットマンNo.1の紙を取
りつけたブフナー漏斗上に、PPSオリゴマーを回収し
た。
10)回収したPPSオリゴマーを125℃で4時間乾燥
し、灰分および揮発物の含有量についての分析に供し
た。これらの実験においては、PPSオリゴマーの過
速度に関するデータは得られなかった。これらの実験に
より得られた結果を第II表に示す。
実験番号10,11および12に対する第II表の結果から、NaO
H/NaSHのモル比が1.03/1以下である場合は、NaOH/NaS
Hのモル比が1.06/1以上のときに比べて(実験番号7,8お
よび9)、粒状PPSの収率は一般に上昇し、これに伴
ってPPSオリゴマーの収率は減少することがわかる。
実施例III 実施例Iの場合と実質的に同様の重合反応処方と反応工
程を使用して、PPSの調製に関し、2ガロン容量の反
応器中でさらに重合実験を行った。これらの実験におい
ては、NaOH/NaSHおよびDCB/NaSHのモル比を変化さ
せた。実施例IIに記載した方法に従って粒状PPSの収
率に関する結果を得た。また実施例Iに記載した方法に
従って、PPSオリゴマーからなる液に対する過速
度のデータを得た。これらの実験で得られた結果を第II
I表に示す。
実験15〜18に対する結果を実験13および14に対する結果
と比較することにより、NaOH/NaSHのより低いモル比に
おいて、PPSオリゴマーの過速度が大幅に向上して
いることがわかる。この場合も、より低いNaOH/NaSHモ
ル比を使用したときに、粒状PPSの収率が増大する傾
向が認められた。
実施例IV NaOH/NaSHモル比を1.00/1に一定に保持したこと、お
よびNaSH6.00グラム分子当たり酢酸ナトリウムを2.16グ
ラム分子増大させたこと以外は、実施例Iに記載したよ
うな2ガロン容量の反応器中で、また実施例Iに示した
のと類似の反応混合物処方を使用して、本発明に従って
さらに重合を行った。この一連の実験では、DCB/Na
SHのモル比を変えて行った。なお対照標準実験(実験番
号19)も第IV表に記載した。粒状PPSおよびPPSオ
リゴマーの収率、並びにPPSオリゴマーに対する過
速度についての結果が得られた。粒状PPSについては
メルトフロー値も求めた。
本発明による実験(実験番号20〜26)に対する第IV表の
結果を対照基準実験(実験番号19)と比較すると、PP
Sオリゴマーの過速度が大幅に増大していること、ま
たPPSオリゴマーの収率が減少していることがわか
る。この場合も、対照基準実験(実験19)と比べると、
本発明による実験(実験26を除く)に対して粒状PPS
の収率の増大が認められた。実験21〜25は繰り返し実験
であり、メルトフロー値は103〜38g/10min.の範囲で変
化しているけれども、収率の値(%)はあまり変動せず、
またPPSオリゴマーの過速度は4.0〜1.5ガロン/mi
n.の範囲で変化しているものの、それでもなお対照標準
実験(実験19)の場合の値の少なくとも7.5倍もある。
実施例V 本発明の方法に従って、大きめの反応容器(90ガロン容
量)中でいくつかの重合実験を行った。比較のため、対
照標準実験も同じ反応器中で行った。反応混合物処方
は、各バッチの実験において理論的に100ポンドのPP
Sを生成するように反応原料を使用した。各実験におい
て、NMPを35.7ガロン(305.2ポンド、3.079ポンド−
モル)使用した。反応原料の仕込み量を下記第V表に示
す。
第V表の最後の欄に記載されているように、脱水工程に
より、脱水済混合物のNaOH/NaSHのモル比を効果的に増
大する有効な反応性イオウ化学種の損失が起こった。イ
オウ化学種の損失の程度は、水性媒体中で、脱水された
混合物のサンプルを標定した塩酸(1N)で直接滴定するこ
とによって求めた。2つの終点は、1番目の終点がNaOH
含量を指示し、2番目の終点がNaSH含量を指示するもの
として検出した。NaOH/NaSHのモル比は: 〔1番目の終点に対する滴定量(m)÷{2番目の終
点に対する滴定量(m)−1番目の終点に対する滴定
量(m)}〕 という関係から直接算出した。第VI表に各実験に対する
いくつかの反応原料のモル比を示す。
上記の各実験において、水急冷した(125℃以下)1ガ
ロンの反応混合物サンプルを2つ採取し、このうち1つ
のサンプルは、実施例Iに記載した方法に従ってPPS
オリゴマーの過速度を測定するのに使用し、もう1つ
のサンプルは、実施例IIに記載した方法に従って粒状P
PSとPPSオリゴマーに対する収率(灰分を含めない
基準で)を求めるのに使用した。これらの実験で得られ
た結果を下記の第VII表に示す。
第VII表において、実験29〜32の結果を実験27および28
と比較すると、NaOH/NaSHモル比が1.050/1以下の場
合、粒状PPSの収率が増大してPPSオリゴマーの収
率が低下し、同時にPPSオリゴマーの過速度がかな
り増大していることがわかる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリ(アリーレンスルフィド)の製造にお
    けるポリ(アリーレンスルフィド)オリゴマーを回収す
    る方法であって、 (a)極性有機溶媒中で、アルカリ金属水酸化物対アルカ
    リ金属水硫化物のモル比が0.90:1〜約1.05:1のアル
    カリ金属水酸化物とアルカリ金属水硫化物からなる水性
    混合物を脱水し、それにより前記モル比が0.99:1〜約
    1.05:1となるような脱水済混合物を生成すること; (b)少なくとも1種のポリハロゲン置換芳香族化合物を
    前記脱水済混合物と混合して、重合反応原料混合物とす
    ること; (c)前記の反応原料混合物を、ポリ(アリーレンスルフ
    ィド)を含む重合反応混合物を生成するのに有効な重合
    条件下にさらすこと; (d)工程(c)の前記重合反応混合物に、前記ポリ(アリー
    レンスルフィド)が溶融相となる温度以上の温度におい
    て、前記極性有機溶媒に実質的に溶解しかつ前記ポリ
    (アリーレンスルフィド)に対して非溶媒である分離剤
    を、前記溶融ポリ(アリーレンスルフィド)を前記極性
    有機溶媒から相分離させるのに足る量で混合すること; (e)工程(d)から得られた前記の相分離した重合反応混合
    物を冷却して、前記極性有機溶媒および分離剤を含む液
    体中で粒状ポリ(アリーレンスルフィド)およびポリ
    (アリーレンスルフィド)オリゴマーからなるスラリー
    を生成させること; (f)工程(e)において得られた前記スラリーから前記粒状
    ポリ(アリーレンスルフィド)を回収して、前記ポリ
    (アリーレンスルフィド)オリゴマー、前記分離剤、お
    よび前記極性有機溶媒からなる混合物を与えること;そ
    して (g)工程(f)において得られた前記混合物を過して前記
    のポリ(アリーレンスルフィド)オリゴマーを回収する
    こと; からなる前記方法。
  2. 【請求項2】前記水性混合物におけるアルカリ金属水酸
    化物:アルカリ金属水硫化物のモル比が、脱水前におい
    て約0.90:1〜約1.03:1であり、また脱水後において
    約0.99:1〜約1.03:1、である特許請求の範囲第1項
    に記載の方法。
  3. 【請求項3】前記のアルカリ金属水酸化物が水酸化ナト
    リウムであり、そして前記のアルカリ金属水硫化物が水
    硫化ナトリウムである、特許請求の範囲第1項または2
    項に記載の方法。
  4. 【請求項4】前記のポリハロゲン置換芳香族化合物がp
    −ジハロゲンベンゼンからなる、特許請求の範囲第1〜
    3項のいずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】前記p−ジハロゲンベンゼンがp−ジクロ
    ロベンゼンであり、前記極性有機溶媒がN−メチル−2
    −ピロリドンである、特許請求の範囲第4項に記載の方
    法。
  6. 【請求項6】前記ポリハロゲン置換芳香族化合物が、1
    分子当たり3〜6個のハロゲン置換基を有する少なくと
    も1種のポリハロゲン置換芳香族化合物とp−ジハロゲ
    ンベンゼンとの混合物からなる、特許請求の範囲第1〜
    3項のいずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】前記p−ジハロゲンベンゼンがp−ジクロ
    ロベンゼンであり、前記ポリハロゲン置換芳香族化合物
    が1,2,4−トリクロロベンゼンであり、前記極性有
    機溶媒がN−メチル−2−ピロリドンである、特許請求
    の範囲第6項に記載の方法。
  8. 【請求項8】前記分離剤が水である、特許請求の範囲第
    1〜7項のいずれかに記載の方法。
  9. 【請求項9】工程(f)からの粒状ポリ(アリーレンスル
    フィド)の回収が、 前記極性有機溶媒の標準沸点以下の温度において、極性
    有機溶媒、前記極性有機溶媒に溶解する分離剤、および
    揮発性不純物を蒸発させるのに足る圧力条件下で前記ス
    ラリーを加熱し、これによってポリ(アリーレンスルフ
    ィド)、ポリ(アリーレンスルフィド)オリゴマー、お
    よびアルカリ金属ハロゲン化物からなる乾燥した混合物
    を生成させること; 前記の乾燥した混合物を水で再びスラリーにして、前記
    アルカリ金属ハロゲン化物を抽出し且つ前記ポリ(アリ
    ーレンスルフィド)オリゴマーを再スラリー化された混
    合物中に分散させること; 前記の再スラリー化された混合物から粒状ポリ(アリー
    レンスルフィド)を分離させ、ポリ(アリーレンスルフ
    ィド)オリゴマーおよびアルカリ金属ハロゲン化物水溶
    液からなる液を残すこと;および 前記液を過してポリ(アリーレンスルフィド)オリ
    ゴマーを回収することによって行われる、特許請求の範
    囲第1〜8項のいずれかに記載の方法。
JP63008194A 1987-01-23 1988-01-18 ポリ(アリーレンスルフィド)反応混合物からのポリ(アリーレンスルフィド)オリゴマーの回収方法 Expired - Lifetime JPH0643491B2 (ja)

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