JPH0643643B2 - フロック加工用ポリエステル繊維 - Google Patents

フロック加工用ポリエステル繊維

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JPH0643643B2
JPH0643643B2 JP61214164A JP21416486A JPH0643643B2 JP H0643643 B2 JPH0643643 B2 JP H0643643B2 JP 61214164 A JP61214164 A JP 61214164A JP 21416486 A JP21416486 A JP 21416486A JP H0643643 B2 JPH0643643 B2 JP H0643643B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の技術分野] 本発明はフロック加工用ポリエステル繊維に関する。
[従来技術] 近年、フロック加工は繊維基材(被植毛物)の選択等に
より広範囲な利用面を得て表面工業の一つとしてその発
展はめざましい。
フロック加工法には種々の方法があるが、その主流は電
気植毛加工法である。電気植毛加工は通常熱可塑性高分
子物質をチップ状あるいはフレーク状で溶融紡糸機に供
給し、溶融紡糸しながら未延伸糸として缶に収納し、つ
いで多数の缶から未延伸糸を引き出し集束しながら数倍
延伸し、数千〜数十万デニールのトウを製造し、該トウ
を用途に応じて極めて短く(0.6 〜4.0mm )切断し、精
練処理後染色してフロックを得る。ついでフロックに電
着処理剤を施し、乾燥して高電圧界における電気植毛性
を向上せしめ、該フロックと接着剤が塗布された基布を
2枚の極板に相対するように置き、高電圧を加えてフロ
ック加工を行っている。
一般に用いられているフロック加工用繊維素材として
は、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアクリロニト
リル、ポリアミドなどがある。染色が容易であり、且つ
接着剤の面からポリアミドが最適な素材とされている。
一方、ポリエステル繊維は剛直で耐摩耗性が優れている
反面、フロックに切断する際の切断性が劣り、ミスカッ
ト品が生じやすく、フロック加工製品のフロック上端面
が不揃いであり、また、剛直故にフロックが圧縮により
変形してチョークマークを生じ、粗悪品のイメージの強
い最終製品しかできず商品価値として魅力に欠けるとい
う欠点を有していた。
更にポリエステル繊維は平衡水分率が0.5 %と低く、ま
た接着剤との親和性が悪く、電着性が劣るという欠点を
有していた。
また、ポリエステル繊維は染色性が劣り、常圧染色する
ためにはキャリアを必要とし、キャリアの排水処理等を
考慮しなければならず、極めてコストの高いものとなっ
ていた。
[発明の目的] 本発明は、上記問題点に鑑み創案されたもので、フロッ
ク加工用繊維として、電着性、チョークマーク性、易染
性、風合、光沢に優れたフロック加工用ポリエステル繊
維の提供を目的とする。
[発明の構成] 本発明は上記従来技術の欠陥を解消するために得られた
もので以下の構成要件からなる。
すなわち、 主たる繰返し単位がエチレンテレフタレート単位であ
り、5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分が全酸成分
に対して2〜6モル%、ジエチレングリコールがポリエ
ステル重量に対して1〜3重量%共重合された極限粘度
0.30〜0.55の共重合ポリエステルからなるポリエステル
繊維であって、該繊維の繊度が7デニール以下、沸水収
縮率が8%以下、捲縮数が実質的に0であるポリエステ
ル繊維をカットして繊維長10mm以下にしたフロック加工
用ポリエステル繊維、である。
本発明で用いる共重合ポリエステルは、主たる繰返し単
位がエチレンテレフタレートであり、且つ5−ナトリウ
ムスルホイソフタル酸成分の共重合量が全酸成分に対し
て2〜6モル%の範囲であることが必要である。2モル
%より少ない場合には、平衡水分率が0.5 %近くに下が
るとフロック加工時の電着性が劣り、染色性はキャリア
なし常圧染色可能なレベルに到達せず、風合も硬く外力
を受けた場合チョークマークを生じ易く好ましくない。
また全酸成分に対して6モル%を越えるとポリマー合成
時ポリマー粘度が高くなり流動性が悪くなり、溶融紡糸
が困難である。たとえフロック製品としたとしても染色
時の耐光堅牢性が低下し好ましくない。
ポリエステルに共重合せしめるジエチレングリコールの
量は、重合時の生成ポリエステルに対して1〜3重量%
の範囲が、フロック加工する際の電着性、易染性等の向
上、風合ソフト化、チョークマーク防止性の点で好まし
い。
また、本発明のフロック加工用に供する共重合ポリエス
テルの極限粘度[η](25℃のo−クロロフェノール溶
液で測定)は、0.30〜0.55の範囲内が好ましい。極限粘
度が0.30未満では重合時のポリマーの取扱性や溶融紡糸
性が悪化し、操業生産が困難となる。極限粘度[η]が
0.55を越えると、重合反応に長時間を要し、重合生産性
が低下し不適当であり、好ましくない。
なお、本発明において使用する共重合ポリエステルに
は、必要に応じて、例えば、艶消剤、安定剤、制電剤、
防炎剤等の添加剤を含有せしめてもよい。
該共重合ポリエステルを公知の方法で溶融防糸した後、
適正な延伸倍率で延伸し、次いで押込捲縮を付与するこ
となく熱処理する。その後、繊維長を10mm以下に切断す
る。フロック加工用に供する本発明のポリエステル繊維
として特に6mm以下がフロック加工時の加工性、すなわ
ち、電着性が良好であり、フロック表面が均一で風合が
良好であり好ましい。
繊維がストレートで折れ曲がりがないものは電着しやす
く、フロック加工用として望ましい。
また、染色時にフロックが熱収縮しやすいとカールしや
すく電着性の低下をまねくことがあり、沸水収縮率(10
0 ℃での10分間処理による収縮率で示す)は8%以下に
抑える。そのためには100 ℃〜170 ℃の温度で数秒〜12
0 分の時間、緊張下または弛緩状態で熱処理するのが望
ましい。
本発明のポリエステル繊維の単糸繊度は7デニール以下
が好ましい。7デニールを越えると風合が硬くなり、チ
ョークマークが生じやすく好ましくない。特に1デニー
ル以下の場合、風合は極めてソフトになり、高級感のあ
るフロック加工製品が得られるので望ましい。
ポリエステル繊維の横断面形状は、円形でも非円形でも
よいが望ましいのは偏平または多葉断面であって異形度
が1.5 以上のものである。ここで異形度とは異形断面の
外接直径(a)と内接直径(b)との比、または偏平断
面の長軸長(a)と短軸長(b)との比、すなわちa/
bである。
あるいは、横断面形状の外形が円形または非円形であっ
て、中空の繊維を用いることも望ましい。中空率は3〜
90%の範囲で用いることができる。
[発明の効果] 以上に説明した本発明のフロック加工用ポリエステル繊
維は、易染性、電着性、風合、光沢、チョークマーク、
染色時のカール性の点で極めて優れている。
かかる本発明のフロック加工用ポリエステル繊維は、車
両内装用(特に天井材、シート材、ダッシュボード材
等)、玩具用、刺繍調衣料用、毛布用、各種装飾ケース
用、壁紙用、各種部分成型品用、履物用等の各分野に用
いるのに極めて有用である。
[実施例] 以下に実施例により本発明を説明するが実施例中におけ
る易染性、電着性、風合、チョークマーク、光沢は、以
下の方法により評価した。
(1) 易染性 フロック染色時の染着率を染料としてAigen Cahthilon
Red GTLH(保土谷化学株式会社製塩基性染料)を使
用し、その濃度は、染色しようとする繊維に対し、染料
が5重量%になるような染色液を作って浴比1:100 で
100 ℃、60分にて染色した後次式に従って算出して求
め、染着率が70%以上を易染性が良好なレベルとした。
A:染色前の染色原液の染料濃度 B:染色後の染色液の染料濃度 (2) 電着性 フロックを電着処理した布帛の植毛強さをJIS L1084 、
植毛強さA−1項45R法において、乾燥状態で5000回
の摩擦後にフロック抜けが少なく地肌の露出がない場合
を良好(○印)、1000回の摩擦後にフロック抜けが多く
地肌が露出してきた場合を不良(×印)、1000回の摩擦
後ではフロック抜けは少なく地肌の露出はないが5000回
の摩擦後ではフロック抜けが多く地肌が露出してきた場
合をやや良好(△印)とした。
(3) 風合 フロックを電着処理した布帛のフロック表面を触感によ
り判定した。極めてソフトをより良好(◎印)、ソフト
を良好(○印)、ソフトとガサツキの中間をやや良好
(△印)、ガタツキを不良(×印)と判断した。
(4) チョークマーク フロックを電着処理した布帛のフロックを上方から指で
強く圧縮したとき、圧縮部分のフロックがヘタって非圧
縮部分と異なる色相となってチョークマークが生じた場
合を×印、生じない場合を○印、これらの中間を△印と
した。
(5) 光沢 フロックを電着処理した布帛のフロック表面を視感判定
した。落着いた光沢ありを○印、なしを×印と判断し
た。
[実施例1、比較例1] 5−ナトリウムスルホイソフタル酸(K剤)及びジエ
チレングリコール(DEG)の共重合量を第1表に示す
ようにそれぞれ全酸成分に対して4.5 モル%、全生成ポ
リマー中2重量%(実施例1)、4.5 モル%、0重量%
(比較例1)とし、極限粘度0.40(25℃のo−クロロフ
ェノール溶液で測定)のポリエチレンテレフタレートを
口金孔数500 個の防糸口金を通して防糸温度280 ℃と
し、防糸引取速度800 m/分で引取り缶に収缶した。こ
のようにして得られた未延伸糸を65℃で3.0 倍に延伸し
た後、140 ℃の温度で30分間弛緩熱処理した。得られた
ポリエステル繊維は単糸繊度が1.5 デニールであり、カ
ットして2mmの繊維長のフロックを得た。
該フロックを染色した後、ケイ酸ソーダ、コロイダルシ
リカ、イソプロピルホスフェートカリよりなる処理液に
浸漬、脱水、乾燥して電植用フロックした(表面漏洩抵
抗3×108 Ω・cm)。
基布としてポリエステル65%レーヨン35%の混紡平織物
(目付120 g/m)を用い、バインダーとしてポリエ
ーテル型ポリウレタンDMF溶液(25液:粘度8万セン
チポイズ(25℃))を300 g/mとなるようにナイフ
コーダで塗布し、アップ法電植M/Cで植毛した(電圧
3万V、電極間距離10cm)。パイルの植毛密度は140 g
/mであった。
植毛後120 ℃で乾燥した。
第1表にこの結果を示したが、5−ナトリウムスルホイ
ソフタル酸とDEGとの両者を共重合した実施例1は易
染性、電着性、風合、チョークマークいずれも良好であ
った。
[実施例2〜7、比較例2〜7] 実施例1において、5−ナトリウムスルホイソフタル酸
又はDEGの共重合量、又は極限粘度を第1表記載の如
く変更する以外は実施例1と全く同様に処理を行った。
結果を合わせて第1表に示した。
5−ナトリウムスルホイソフタル酸とDEGとを全く共
重合していない場合(比較例2)は、染色性、電着性、
風合、チョークマークのいずれの特性も不良であった。
DEGの共重合量が過剰の場合は防糸調子が低下し、ま
た電着性、風合、チョークマーク等の特性が低下した。
5−ナトリウムスルホイソフタル酸とDEGとの共重合
が過剰である場合(比較例5)又は極限粘度が極端に低
い場合(比較例6)、高い場合(比較例7)にはいずれ
もポリマーの生産性が悪く、溶融紡糸性も不良であり、
断念した。
[実施例8〜16] 実施例1において、繊維長、沸水収縮率(BWS)、繊
度を第2表に示す通りに変更した以外は、実施例1と同
一にて処理を行った。結果は第2表に示す通りで染色時
のカールはなく、電着性、風合は良好であった。特に実
施例14の繊度が0.5 dのものの風合は極めてソフトで
良好であった。
[比較例8〜10] 実施例1において、繊維長、BWS、捲縮数、繊度を第
2表に示す通りに変更した。BWSが高過ぎる場合(比
較例8)には染色時にフロックのカールが発生し電着性
は低下する。捲縮数が多い場合(比較例9)にもフロッ
クに折れ曲がりがあるため、電着性は低下する。また、
繊度が太すぎる場合(比較例10)に、風合がガサツキ
傾向となり品位が低下するので好ましくない。
[実施例17〜20] 実施例1において、繊維の横断面形状を変更した以外は
実施例1と同一にて処理を行った。結果は第3表に示す
通りである。
偏平断面の場合(実施例17)には、風合が極めてソフ
トで良好である。光沢、チョークマークの点でもいずれ
の異形断面でも良好である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 滋 大阪府大阪市東区南本町1丁目11番地 帝 人株式会社内 (72)発明者 唐沢 佳長 大阪府大阪市東区南本町1丁目11番地 帝 人株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−155745(JP,A) 特開 昭59−127750(JP,A) 特開 昭58−54039(JP,A) 特開 昭56−31073(JP,A)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主たる繰返し単位がエチレンテレフタレー
    ト単位であり、5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分
    が全酸成分に対して2〜6モル%、ジエチレングリコー
    ルがポリエステル重量に対して1〜3重量%共重合され
    た極限粘度0.30〜0.55の共重合ポリエステルからなるポ
    リエステル繊維であって、該繊維の繊度が7デニール以
    下、沸水収縮率が8%以下、捲縮数が実質的に0である
    ポリエステル繊維をカットして繊維長10mm以下にしたフ
    ロック加工用ポリエステル繊維。
  2. 【請求項2】単糸繊度が1デニール以下である特許請求
    の範囲第(1) 項に記載のフロック加工用ポリエステル繊
    維。
  3. 【請求項3】繊維横断面形状か偏平または多葉断面で異
    形度が1.5 以上である特許請求の範囲第(1) 項または第
    (2) 項に記載のフロック加工用ポリエステル繊維。
  4. 【請求項4】繊維が中空繊維である特許請求の範囲第
    (1) 項〜第(3) 項のいずれかに記載のフロック加工用ポ
    リエステル繊維。
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