JPH0644341B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents
磁気記録媒体Info
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- JPH0644341B2 JPH0644341B2 JP58174184A JP17418483A JPH0644341B2 JP H0644341 B2 JPH0644341 B2 JP H0644341B2 JP 58174184 A JP58174184 A JP 58174184A JP 17418483 A JP17418483 A JP 17418483A JP H0644341 B2 JPH0644341 B2 JP H0644341B2
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- resin
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Description
本発明は繰返し使用される場合の耐久性、信頼性と共に
シンチング現象、粘着性および耐摩耗性の改善された磁
気記録媒体に関するものであり、特に磁気記録層の電気
抵抗を高くして電磁変換特性を高めると共に、磁気記録
層の設けられた面とは反対側の面に設けられた塗膜層
(バックコート層)の電気抵抗を低下させてドロップア
ウトを少なくし、かつヤング率およびその表面粗度を特
定してバック面のケズレを解決し、電磁変換特性の低下
のない、すぐれた特性を付与した磁気記録媒体に関する
ものである。 現在、磁気記録媒体は、オーディオ、ビデオ、コンピュ
ーター、磁気ディスク等の分野で広範囲に使用されるよ
うになっており、それに伴い、磁気記録媒体に記録する
情報量も年々増加の一途をたどり、そのため磁気記録媒
体に対しては記録密度の向上が益々要求されるようにな
ってきている。 高密度記録のためには短波長記録方式が採られるが、こ
の方式は次に述べるドロップアウトの問題を生じ易い。
即ち、ドロップアウトとは磁気記録媒体に書き込まれて
いる情報を読み出す際、存在すべきパルスを見落す誤り
であり、これは磁気記録媒体と磁気ヘッドとの間のスペ
ーシング損失が瞬間的に増加することが主因となってい
る。即ちドロップアウトは磁気記録媒体製造工程あるい
は使用過程から由来する異物が磁性面に存在し、これら
異物がヘッドと媒体間のスペーシングを拡げる作用をす
ることによって起こるのであるが、これ等異物の発生原
因として走行中に磁性層又はベース材から削れ落ちたも
のやほこり等がベース面に付着し、それ等が磁性面に転
移することが考えられる。 ところで磁気ヘッドを用いる現在の記録方式において
は、テープ−ヘッド間のスペーシング損失は54.6d
/λ〔dB〕(d:テープ−ヘッド間距離、λ:記録波
長)で表わされる。この式からわかるように、記録密度
の高い短波長記録においては、スペーシングによる出力
低下の割合が長波長のそれより著しく大きくなる。した
がって、小さな異物がテープ表面上にあってもスペーシ
ング損失が大きくなり、それがドロップアウトとして検
出されることになる。 又、一方では高密度化のために短波長記録での出力を増
大させる必要があり、合金テープが現われてきた。即
ち、従来、強磁性粉末としては例えばγ−Fe2O3、
Co含有γ−Fe2O3、Fe3O4、Co含有Fe3
O4、CrO2等がよく使用されていたが、これら強磁
性金属酸化物粉末の保磁力および最大残留磁束密度等の
磁気特性は高感度高密度記録用としては不十分であり、
約1μm以下の記録波長の短い信号や、トラック巾の狭
い磁気記録にはあまり適していない。そこで前述のよう
に、磁気記録媒体に対する要求が厳しくなるにつれて、
高密度記録に適する特性を備えた強磁性粉末、例えばF
e、Co、Fe−Co、Fe−Co−Ni、Co−Ni
等の金属または合金、これらとAl、Cr、Si等との
合金などが開発され、また提案されている。かかる合金
粉末を用いた磁気記録層は高密度記録の目的には高い保
磁力と高い残留磁束密度とを有する必要があり、上記磁
性粉末がこれらの基準に合致するように種々の製造方法
或いは合金組成を選択するのが好ましい。 本発明者等は種々の合金粉末を用いて磁気記録媒体を製
作したところ、BET法による比表面積が48m2/g
以上で、磁性層の保磁力が1000Oe以上で、しかも
磁性層の表面粗度〔後述のタリステップによる測定にお
いてカットオフ0.17mmでR20(20回平均値)の
こと、以下同じ〕が0.08μ以下のとき、ノイズレベ
ルが充分に低く、高密度、短波長の記録に適する磁気記
録媒体が得られることを見出した。しかし、良く検討し
て見ると、磁気記録媒体をビデオテープ等として巻回
し、或いは走行させるとき、磁性層の特性が上記と要件
を満たすだけでは所期の効果を達成できないことが判っ
た。 すなわち、これら強磁性合金粉末を用いた磁気記録媒体
について更に研究を深めた結果、これらの磁気記録媒体
の電気抵抗は1010Ω/cm2以上と高いため、帯電に
よりごみ、ほこりがつき易く、ドロップアウトが発生し
易いことが判った。一方、磁性層の電気抵抗が1010Ω
/cm2以下の場合は、上記のような現象はなく、10
10Ω/cm2が分岐点となることが判明したのである。 そして、さらにその点について検討したところ、このよ
うに磁気記録層の電気抵抗が1010Ω/cm2以上と高
い場合、磁気記録層に電気抵抗を低下し得る物質を添加
して帯電による上記の問題点を解決しようとしても、不
純物の混入による電磁変換特性の劣化を来たし、高密度
記録には適さなくなってしまうこと、及び、磁性層を支
持するプラスチック(通常ポリエステル)フィルムの裏
面の特性が磁気記録媒体の物理的及び電気的特性に対し
て密接な関係を有することが判った。従来、プラスチッ
クフィルム基体の裏面にバック層を塗布形成すること、
例えば、磁性面とは反対側のベース面にカーボンブラッ
クあるいはグラファイト等の無機充填剤を有機結合剤と
共に混練した塗料を塗布したり、帯電防止剤を塗布した
りする等の方法により、ベースの強靭化や帯電性の減
少、それに走行時の摩擦抵抗の減少等をはかることが提
案されている。しかしながら、これらの処理により、繰
返し走行に対する耐久性及びドロップアウトの増加傾向
はかなり改善されてきているが、その水準は現状ではま
だ満足すべきものではなく、更に改善する必要が有るも
のであった。 そこで本発明者等はその点について研究を重ねた結果、
磁気記録媒体のS/Nが磁性層に用いた合金粉末のBE
T法による比表面積、磁性層の表面粗度に関係するだけ
でなく、バック層の表面粗度も関係すること、またシン
チング現象(急速停止時の巻きゆるみ)、バック層の摩耗
や摩擦、磁性層とバック層の粘着の問題などがあり、優
れたバック層を用いなければ電磁変換特性、走行性、耐
久性などの優れた磁気記録媒体を提供することができな
いことを見出し、またバック層によって磁性テープをリ
ールに巻回したときの強い巻きしまりが生じ、そのため
バック層の表面凹凸が磁性層に食い込んで磁性表面を荒
らし、このためバック層の磁性が十分に生かされないこ
とも見出した。 このように従来、磁性層の電気抵抗は1010Ω/cm2
以下が通常であったが、磁性層として金属酸化物を結合
剤に分散させて基板に塗布したものから、金属粉末を結
合剤に分散させて基板に塗布したものへと変るに伴い、
磁性層の電気抵抗が1010Ω/cm2以上と高くなる傾
向にあり、電磁変換特性は良くなるものの、他方で種々
の問題が生じていたわけであるが、この度、本発明者等
は磁性層の電気抵抗が1010Ω/cm2以上であっても
バックコート層(面)の電気抵抗を1010Ω/cm2以
下とすることにより、意外にも磁性層にごみやほこりが
つき難くなり、従ってドロップアウトが激減し、シンチ
ング現象がなくなり、粘着性もなくなること、またバッ
クコート層のヤング率を200〜1500kg/mm2
とすることによってバックコート面が強じんとなるため
耐久性を増し、バック面のもろさによるケズレがなくな
ること、更にバックコート層の表面粗度をカットオフ
0.17mmでR20が0.20μm以下にすることに
より、電磁変換特性の低下のないものとなり、更に耐摩
耗性が改善されることを見出し、本発明に到達したもの
である。 即ち本発明は、磁性層の電気抵抗は1010Ω/cm2以
上と高くして電磁変換特性を良好に保つと共に、バック
層の電気抵抗1010Ω/cm2以下でE′(ヤング率)
200〜1500Kg/mm2、その表面粗度がカット
オフ0.17mmでR20、0.20μm以下とするこ
とによって、ドロップアウトも抑えることができ、且つ
破断強度、シンチング現象、粘着性及び耐摩耗性、電磁
変換特性の低下のない点ですぐれた磁気記録媒体を提供
するものであり、本発明は非磁性基材の一方の面に磁気
記録層、他方の面にバックコート層を設けた磁気記録媒
体において、磁気記録層がBET法で48m2/g以上の
比表面積を有する強磁性合金粉末を樹脂バインダー中に
分散したものからなり、該磁気記録層の電気抵抗が10
10Ω/cm2以上、保磁力が1000 Oe以上であり、
磁性層の表面粗度がカットオフ0.17mmでR20、
0.08μm以下であり、バックコート層が電気抵抗1
010Ω/cm2以下でE′(ヤング率)が200〜150
0Kg/mm2、その表面粗度がカットオフ0.17m
mでR20、0.20μm以下であることを特徴とする
磁気記録媒体に関するものである。 本発明においてバックコート層のE′(ヤング率)40
0〜1500Kg/mm2、その表面粗度がカットオフ
0.17mmでR20、0.10μm以下の場合に上記
特性の特にすぐれた磁気記録媒体が得られ、好ましいも
のである。 本発明の磁気記録層は、強磁性合金粉末および結合剤を
含む塗膜からなり、強磁性合金はFe−Co、Fe−N
i、Fe−Co−Ni、Co−Ni、Fe−Rh、Fe
−Cu、Fe−Au、Co−Cu、Co−Au、Co−
Y、Co−La、Co−Pr、Co−Gd、Co−S
m、Co−Pt、Ni−Cu、Fe−Co−Nd、Mn
−Bi、Mn−Sb、Mn−Alのような磁性合金を挙
げることができる。 中でも電磁変換特性のすぐれたものとして、Fe−C
o、Fe−Co−Ni、Co−Niなど、、またこれに
Cr、Al、Si等を添加した微粉末が用いられる。こ
れらは金属塩をBH4等の還元剤で湿時還元した微粉
末、酸化鉄表面をSi化合物で被膜した後、H2ガス中
で乾式還元した微粉末、或いは合金を低圧アルゴン中で
真空蒸発させるなど、各種製法によって得られた合金微
粒子が用いられる。電気抵抗が1010Ω/cm2以上の
場合、電磁変換特性においてすぐれたものであるが、前
記のように塗膜面の電気抵抗対策として磁性粉表面のに
おけるSi化合物処理量を増加させたりすると1010Ω
/cm2以下となり、またカーボンブラック等を入れて
1010Ω/cm2以下とすると、電磁変換特性の低下を
招き、高密度磁気記録媒体として役立たなくなる。 本発明の磁気記録媒体における磁性層は、含有する合金
磁性粉のBET法による比表面積が48m2/g以上
で、磁性層の保磁力(Hc)が1000Oe以上で、し
かも磁性層の表面粗度〔後述のタリステップによる測定
においてカットオフ0.17mmでR20(20回平均
値)の値、以下同じ〕が0.08μm以下のものを用い
る場合である。保磁力の好ましい範囲は1000〜20
00Oeであり、これ以上の範囲では記録時に磁気ヘッ
ドが飽和し、また消磁が困難になる。磁性粉の比表面積
は大きい程S/N比を改善する傾向があるが、あまり比
表面積が大きいと磁性粉へのバインダー中への分散が悪
くなり、また効果が飽和する傾向を有することが分っ
た。一方、磁気記録層における表面粗度は記録感度に影
響を与え、その表面粗度が小さいと短波長の記録感度が
上昇する。 前記のとおり、上記の特性を満足させ得る強磁性合金と
してはFe−Co、Fe−Co−Ni、Co−Niな
ど、またこれにCr、Al、Si等を添加した微粉末が
用いられる。これらは金属塩をBH4等の還元剤で湿時
還元した微粉末、酸化鉄表面をSi化合物で被覆した
後、H2ガス中で乾式還元した微粉末、或いは合金を低
圧アルゴン中で蒸発させた微粉末などで、軸比1:5〜
1:10を有し、残留磁束密度Br=2000〜300
0ガウスのもので、且つ上記保磁力及び比表面積の条件
を満たすものである。 合金磁性粉は各種バインダーを用いて磁性塗料とするこ
とができるが、一般には熱硬化性樹脂系バインダー及び
放射線硬化系バインダーが好適であり、その他添加剤と
して分散剤、潤滑剤、帯電防止剤を常法に従って用いる
ことができる。BET比表面積が48m2/gの磁性粉
を用いるため、分散性に問題があるので分散剤としては
界面活性剤や有機チタンカップリング剤などを用いると
良い。バインダーとしては塩化ビニル・酢酸ビニル・ビ
ニルアルコール共重合体、ポリウレタンプレポリマー及
びポリイソシアネートより成るバインダー、或いはこれ
に更にニトロセルロースを加えたバインダー、その他公
知の熱硬化性バインダー、或いはイオン化エネルギーに
感応するアクリル系二重結合やマレイン系二重結合など
を樹脂の基として含有する放射線硬化型バインダーなど
が使用できる。 通常の方法に従って、合金磁性粉末をバインダー及び所
定の溶剤並びに各種添加剤と混合して磁性塗料とし、こ
れをポリエステルベース等の基体に塗布し、熱硬化また
は放射線硬化して磁性膜を形成し、そしてさらにカレン
ダー加工を行なって、所定の表面粗度のものに仕上げ
る。 本発明のバックコート層を電気抵抗1010Ω/cm2以
下でE′(ヤング率)が200〜1500Kg/mm2、
その表面粗度がカットオフ0.17mmでR20、0.
20μm以下とするためには次のような方法を採ること
ができる。即ち、電気抵抗を1010Ω/cm2以下とす
るためには、1)導電性のあるカーボンブラック、グラ
ファイト、また2)無機充填剤としてSiO2、TiO
2、Al2O3、Cr2O3、SiC、CaO、CaC
O3、酸化亜鉛、ゲーサイト、αFe2O3、タルク、
カオリン、CaSO4、窒化硼素、フッ化黒鉛、二硫化
モリブデン等を添加する方法が主に採用される。E′
(ヤング率)は導電性充填剤、無機充填剤、バックコー
ト用樹脂により種々に変えることができ、表面粗度は導
電性充填剤、無機充填剤の粒径及び分散方法により変え
ることができる。なお、分散方法は分散剤、分散機、分
散時間により変えることができる。 バックコート層の電気抵抗を1010Ω/cm2以上とす
るとホコリやごみが付着し易く、それによりドロップア
ウトが増大して好ましくなく、E′(ヤング率)が200
Kg/mm2以下では破断強度の点で劣り、耐久走行中
バック面のケズレが発生し、1500Kg/mm2以上
では固すぎて、磁性面を削ってしまうため好ましくな
い。またバックコート層の表面粗度がカットオフ0.1
7mmでR20、0.20μm以上であると、電磁変換
特性が低下し、シンチング現象、バックコート面の削
れ、粘着性が生じ、ドロップアウトも大となる。 又、本発明のバックコート層で用いるバインダーは、従
来、磁気記録媒体用に利用されている熱可塑性、熱硬化
性又は反応型樹脂やこれらの混合物が使用されるが、得
られる塗膜強度等の点から硬化型の樹脂が好ましい。 熱可塑性樹脂としては軟化温度が150℃以下、平均分
子量が10,000〜200,000、重合度が約20
0〜2,000程度のもので、例えば塩化ビニール−酢
酸ビニール共重合体(カルボン酸導入のものも含む)、
塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体
(カルボン酸導入のものも含む)、塩化ビニール−塩化
ビニリデン共重合体、塩化ビニール−アクリロニトリル
共重合体、アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重
合体、アクリル酸エステル−塩化ビニリデン共重合体、
アクリル酸エステル−スチレン共重合体、メタクリル酸
エステル−アクリロニトリル共重合体、メタクリル酸エ
ステル−塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステ
ル−スチレン共重合体、ウレタンエラストマー、ナイロ
ン−シリコン系樹脂、ニトロセルロース−ポリアミド樹
脂、ポリフッ化ビニル、塩化ビニリデン−アクリロニト
リル共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合
体、ポリアミド樹脂、ポリビニールブチラール、セルロ
ース誘導体(セルロースアセテート、セルロースダイア
セテート、セルローストリアセテート、セルロースプロ
ピオネート、ニトロセルロース等)、スチレン−ブタジ
エン共重合体、ポリエステル樹脂、クロロビニルエーテ
ル−アクリル酸エステル共重合体、アミノ樹脂、各種の
合成ゴム系の熱可塑性樹脂及びこれらの混合物が使用さ
れる。 熱硬化性樹脂又は反応型樹脂としては、塗布液の状態で
は200,000以下の分子量であり、塗布、乾燥後に
加熱することにより、縮合、付加等の反応により分子量
は無限大のものとなる。又、これらの樹脂のなかで、樹
脂が熱分解するまでの間に軟化又は溶融しないものが好
ましい。具体的には例えばフェノール樹脂、エポキシ樹
脂、ポリウレタン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹
脂、アルキッド樹脂、シリコン樹脂、アクリル系反応樹
脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、ニトロセルロースメラ
ミン樹脂、高分子量ポリエステル樹脂とイソシアネート
プレポリマーの混合物、メタクリル酸塩共重合体とジイ
ソシアネートプレポリマーの混合物、ポリエステルポリ
オールとポリイソシアネートの混合物、尿素ホルムアル
デヒド樹脂、低分子量グリコール/高分子量ジオール/
トリフェニルメタントリイソシアネートの混合物、ポリ
アミン樹脂、及びこれらの混合物である。 而して特に好ましいものは、硝化綿(繊維素樹脂)、塩
化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、ウ
レタンの組合せからなる熱硬化性樹脂(硬化剤使用)、
或いは塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重
合体、又はアクリル変性塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニ
ルアルコール共重合体及びウレタンアクリレートからな
る放射線硬化系樹脂からなるものであり、放射線硬化系
樹脂については前記の好ましい組合せの外に、ラジカル
重合性を有する不飽和二重結合を示すアクリル酸、メタ
クリル酸、あるいはそれらのエステル化合物のようなア
クリル系二重結合、ジアリルフタレートのようなアリル
系二重結合、マレイン酸、マレイン酸誘導体等の不飽和
結合等の、放射線照射による架橋あるいは重合乾燥する
基を、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂の分子中に含有ま
たは導入した樹脂等を用いることができ、その他放射線
照射により架橋重合する不飽和二重結合を有するものを
用いることができる。 放射線照射による架橋あるいは重合乾燥する基を熱可塑
性樹脂の分子中に含有する樹脂としては次の様な不飽和
ポリエステル樹脂がある。 分子鎖中に放射線硬化性不飽和二重結合を含有するポリ
エステル化合物、例えば下記(2)の多塩基酸と多価ア
ルコールのエステル結合から成る飽和ポリエステル樹脂
で多塩基酸の一部をマレイン酸とした放射線硬化性不飽
和二重結合を含有する不飽和ポリエステル樹脂を挙げる
ことができる。放射線硬化性不飽和ポリエステル樹脂は
多塩基酸成分1種以上と多価アルコール成分1種以上に
マレイン酸、フマル酸等を加え常法、すなわち触媒の存
在下で、180〜200℃、窒素雰囲気下、脱水あるい
は脱アルコール反応の後、240〜280℃まで昇温
し、0.5〜1mmHgの減圧下、縮合反応により得るこ
とができる。マレイン酸やフマル酸等の含有量は、製造
時の架橋、放射線硬化性等から酸成分中1〜40モル%、
好ましくは10〜30モル%である。 放射線硬化性樹脂に変性できる熱可塑性樹脂及び熱硬化
性樹脂の例としては、次のようなものを挙げることがで
きる。 (1)塩化ビニール系共重合体 塩化ビニール−酢酸ビニルー−ビニールアルコール共重
合体、塩化ビニール−ビニールアルコール共重合体、塩
化ビニール−ビニールアルコール−プロピオン酸ビニー
ル共重合体、塩化ビニール−酢酸ビニール−マレイン酸
共重合体、塩化ビニール−酢酸ビニール−末端OH側鎖
アルキル基共重合体、たとえばUCC社製VROH、V
YNC、VYBGX、VERR等が挙げられ、このもの
に後述の手法により、アクリル系二重結合、マレイン酸
系二重結合、アリル系二重結合を導入して放射線感応変
性を行う。 (2)飽和ポリエステル樹脂 フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、ア
ジピン酸、セバシン酸のような飽和多塩基酸と、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ト
リメチロールプロパン、1,2プロピレングリコール、
1,3ブタンジオール、ジプロピレングリコール、1,
4ブタンジオール、1,6ヘキサンジオール、ペンタエ
リスリット、ソルビトール、グリセリン、ネオペンチル
グリコール、1,4シクロヘキサンジメタノールのよう
な多価アルコールとのエステル結合により得られる飽和
ポリエステル樹脂又はこれらのポリエステル樹脂をSO
Na等で変性した樹脂(例えばバイロン53S)が例と
して挙げられ、これらも同様にして放射線感応変性を行
う。 (3)ポリビニルアルコール系樹脂 ポリビニルアルコール、ブチラール樹脂、アセタール樹
脂、ホルマール樹脂及びこれらの成分の共重合体で、こ
れら樹脂中に含まれる水酸基に対し後述の手法により放
射線感応変性を行う。 (4)エポキシ系樹脂、フェノキシ系樹脂 ビスフェノールAとエピクロルヒドリン、メチルエピク
ロルヒドリンの反応によるエポキシ樹脂、例えばシェル
化学製(エピコート152、154、828、1001、1004、100
7)、ダウケミカル製(DEN431、DER732、DER51
1、DER331)、大日本インキ製(エピクロン400、80
0)、更に上記エポキシの高重合度樹脂であるUCC社
製フェノキシ樹脂(PKHA、PKHC、PKHH)、
臭素化ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの共重
合体、大日本インキ化学工業製(エピクロン145、152、
153、1120)等がある。これら樹脂中に含まれるエポキ
シ基を利用して放射線感応変性を行う。 (5)繊維素誘導体 各種のものが用いられるが、特に効果的なものは硝化
綿、セルローズアセトブチレート、エチルセルローズ、
ブチルセルローズ、アセチルセルローズ等が好適であ
る、樹脂中の水酸基を活用して後述の方法により放射線
感応変性を行う。 その他、放射線感応変性に用いることのできる樹脂とし
ては、多官能ポリエステル樹脂、ポリエーテルエステル
樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂及び誘導体(PVPオ
レフィン共重合体)、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹
脂、フェノール樹脂、スピロアセタール樹脂、水酸基を
含有するアクリルエステル及びメタクリルエステルを重
合成分として少くとも一種含むアクリル系樹脂等も有効
である。 さらに放射線硬化性樹脂には耐摩耗性、接着性、柔軟性
を改善するために、熱可塑性エラストマーまたはプレポ
リマーをブレンドすることができ、これらエラストマー
あるいはプレポリマーが同様に放射線感応変性された場
合はより効果的である。以下にエラストマー及びプレポ
リマーの例を挙げる。 (1)ポリウレタンエラストマー及びプレポリマーポリ
ウレタンの使用は耐摩耗性、及び基体フィルム、例えば
PETフィルムへの接着性が良い点で特に有効である。
ウレタン化合物の例としては、イソシアネートとして、
2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエン
ジイソシアネート、1,3−キシレンジイソシアネー
ト、1,4−キシレンジイソシアネート、1,5−ナフ
タレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネ
ート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3′−ジ
メチル−4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、
3,3′−ジメチルビフェニレンジイソシアネート、
4,4′−ビフェニレンジイソシアネート、ヘキサメチ
レンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネー
ト、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、デスモ
ジュールL、デスモジュールN等の各種多価イソシアネ
ートと、線状飽和ポリエステル(エチレングリコール、
ジエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプ
ロパン、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジ
オール、ペンタエリスリット、ソルビトール、ネオペン
チルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール
の様な多価アルコールと、フタル酸、イソフタル酸、テ
レフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸の様な
飽和多塩基酸との縮重合によるもの)、線状飽和ポリエ
ーテル(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、ポリテトラメチレングリコール)やカプロラク
タム、ヒドロキシル含有アクリル酸エステル、ヒドロキ
シル含有メタクリル酸エステル等の各種ポリエステル類
の縮重合物より成るポリウレタンエラストマー、プレポ
リマーが有効である。 これらのウレタンエラストマーの末端のイソシアネート
基又は水酸基と、アクリル系二重結合又はアリル系二重
結合等を有する単量体とを反応させることにより、放射
線感応性に変形することは非常に効果的である。 (2)アクリロニトリル−ブタジエン共重合エラストマ
ー シンクレアペトロケミカル社製ポリBDリタイッドレジ
ンとして市販されている末端水酸基のあるアクリロニト
リルブタジエン共重合体プレポリマーあるいは日本ゼオ
ン社製ハイカー1432J等のエラストマーは、特にブタジ
エン中の二重結合が放射線によりラジカルを生じ架橋及
び重合させるエラストマー成分として適する。 (3)ポリブタジエンエラストマー シンクレアペトロケミカル社製ポリBDリタイッドレジ
ンR−15等の低分子量末端水酸基を有するプレポリマ
ーが特に熱可塑性樹脂との相溶性の点で好適である。R
−15プレポリマーにおいては分子末端が水酸基となっ
ている為、分子末端にアクリル系不飽和二重結合を付加
することにより放射線感応性を高めることが可能であ
り、バインダーとして更に有利となる。 またポリブタジエンの環化物、日本合成ゴム製CBR−
M901も熱可塑性樹脂との組合せによりすぐれた性質を
有している。 その他、熱可塑性エラストマー及びそのプレポリマーの
系で好適なものとしては、スチレン−ブタジエンゴム、
塩化ゴム、アクリルゴム、イソプレンゴム及びその環化
物(日本合成ゴム製CIR701)があり、エポキシ変性
ゴム、内部可塑化飽和線状ポリエステル(東洋紡バイロ
ン#300)等のエラストマーも下記に述べる放射線感応
変性処理を施こすことにより有効に利用できる。 次に、放射線感応性バインダーの合成例を説明する。 a)塩化ビニール酢酸ビニール共重合体系樹脂のアクリ
ル変性体(放射線感応変性樹脂)の合成 OH基を有する一部ケン化塩ビ−酢ビ共重合体(UCC
社製、ビニライドVAGH)750部とトルエン1250
部、シクロヘキサノン500部を51の4つ口フラスコに
仕込み加熱溶解し、80℃昇温後トリレンジイソシアネ
ートの2−ヒドロキシエチルメタクリレートアダクト※
を61.4部加え、更にオクチル酸スズ0.012部、ハイドロ
キノン0.012部を加え80℃でN2気流中、NCO反応
率が90%となるまで反応せしめる。反応終了後冷却
し、メチルエチルケトン1250部を加え希釈する。
シンチング現象、粘着性および耐摩耗性の改善された磁
気記録媒体に関するものであり、特に磁気記録層の電気
抵抗を高くして電磁変換特性を高めると共に、磁気記録
層の設けられた面とは反対側の面に設けられた塗膜層
(バックコート層)の電気抵抗を低下させてドロップア
ウトを少なくし、かつヤング率およびその表面粗度を特
定してバック面のケズレを解決し、電磁変換特性の低下
のない、すぐれた特性を付与した磁気記録媒体に関する
ものである。 現在、磁気記録媒体は、オーディオ、ビデオ、コンピュ
ーター、磁気ディスク等の分野で広範囲に使用されるよ
うになっており、それに伴い、磁気記録媒体に記録する
情報量も年々増加の一途をたどり、そのため磁気記録媒
体に対しては記録密度の向上が益々要求されるようにな
ってきている。 高密度記録のためには短波長記録方式が採られるが、こ
の方式は次に述べるドロップアウトの問題を生じ易い。
即ち、ドロップアウトとは磁気記録媒体に書き込まれて
いる情報を読み出す際、存在すべきパルスを見落す誤り
であり、これは磁気記録媒体と磁気ヘッドとの間のスペ
ーシング損失が瞬間的に増加することが主因となってい
る。即ちドロップアウトは磁気記録媒体製造工程あるい
は使用過程から由来する異物が磁性面に存在し、これら
異物がヘッドと媒体間のスペーシングを拡げる作用をす
ることによって起こるのであるが、これ等異物の発生原
因として走行中に磁性層又はベース材から削れ落ちたも
のやほこり等がベース面に付着し、それ等が磁性面に転
移することが考えられる。 ところで磁気ヘッドを用いる現在の記録方式において
は、テープ−ヘッド間のスペーシング損失は54.6d
/λ〔dB〕(d:テープ−ヘッド間距離、λ:記録波
長)で表わされる。この式からわかるように、記録密度
の高い短波長記録においては、スペーシングによる出力
低下の割合が長波長のそれより著しく大きくなる。した
がって、小さな異物がテープ表面上にあってもスペーシ
ング損失が大きくなり、それがドロップアウトとして検
出されることになる。 又、一方では高密度化のために短波長記録での出力を増
大させる必要があり、合金テープが現われてきた。即
ち、従来、強磁性粉末としては例えばγ−Fe2O3、
Co含有γ−Fe2O3、Fe3O4、Co含有Fe3
O4、CrO2等がよく使用されていたが、これら強磁
性金属酸化物粉末の保磁力および最大残留磁束密度等の
磁気特性は高感度高密度記録用としては不十分であり、
約1μm以下の記録波長の短い信号や、トラック巾の狭
い磁気記録にはあまり適していない。そこで前述のよう
に、磁気記録媒体に対する要求が厳しくなるにつれて、
高密度記録に適する特性を備えた強磁性粉末、例えばF
e、Co、Fe−Co、Fe−Co−Ni、Co−Ni
等の金属または合金、これらとAl、Cr、Si等との
合金などが開発され、また提案されている。かかる合金
粉末を用いた磁気記録層は高密度記録の目的には高い保
磁力と高い残留磁束密度とを有する必要があり、上記磁
性粉末がこれらの基準に合致するように種々の製造方法
或いは合金組成を選択するのが好ましい。 本発明者等は種々の合金粉末を用いて磁気記録媒体を製
作したところ、BET法による比表面積が48m2/g
以上で、磁性層の保磁力が1000Oe以上で、しかも
磁性層の表面粗度〔後述のタリステップによる測定にお
いてカットオフ0.17mmでR20(20回平均値)の
こと、以下同じ〕が0.08μ以下のとき、ノイズレベ
ルが充分に低く、高密度、短波長の記録に適する磁気記
録媒体が得られることを見出した。しかし、良く検討し
て見ると、磁気記録媒体をビデオテープ等として巻回
し、或いは走行させるとき、磁性層の特性が上記と要件
を満たすだけでは所期の効果を達成できないことが判っ
た。 すなわち、これら強磁性合金粉末を用いた磁気記録媒体
について更に研究を深めた結果、これらの磁気記録媒体
の電気抵抗は1010Ω/cm2以上と高いため、帯電に
よりごみ、ほこりがつき易く、ドロップアウトが発生し
易いことが判った。一方、磁性層の電気抵抗が1010Ω
/cm2以下の場合は、上記のような現象はなく、10
10Ω/cm2が分岐点となることが判明したのである。 そして、さらにその点について検討したところ、このよ
うに磁気記録層の電気抵抗が1010Ω/cm2以上と高
い場合、磁気記録層に電気抵抗を低下し得る物質を添加
して帯電による上記の問題点を解決しようとしても、不
純物の混入による電磁変換特性の劣化を来たし、高密度
記録には適さなくなってしまうこと、及び、磁性層を支
持するプラスチック(通常ポリエステル)フィルムの裏
面の特性が磁気記録媒体の物理的及び電気的特性に対し
て密接な関係を有することが判った。従来、プラスチッ
クフィルム基体の裏面にバック層を塗布形成すること、
例えば、磁性面とは反対側のベース面にカーボンブラッ
クあるいはグラファイト等の無機充填剤を有機結合剤と
共に混練した塗料を塗布したり、帯電防止剤を塗布した
りする等の方法により、ベースの強靭化や帯電性の減
少、それに走行時の摩擦抵抗の減少等をはかることが提
案されている。しかしながら、これらの処理により、繰
返し走行に対する耐久性及びドロップアウトの増加傾向
はかなり改善されてきているが、その水準は現状ではま
だ満足すべきものではなく、更に改善する必要が有るも
のであった。 そこで本発明者等はその点について研究を重ねた結果、
磁気記録媒体のS/Nが磁性層に用いた合金粉末のBE
T法による比表面積、磁性層の表面粗度に関係するだけ
でなく、バック層の表面粗度も関係すること、またシン
チング現象(急速停止時の巻きゆるみ)、バック層の摩耗
や摩擦、磁性層とバック層の粘着の問題などがあり、優
れたバック層を用いなければ電磁変換特性、走行性、耐
久性などの優れた磁気記録媒体を提供することができな
いことを見出し、またバック層によって磁性テープをリ
ールに巻回したときの強い巻きしまりが生じ、そのため
バック層の表面凹凸が磁性層に食い込んで磁性表面を荒
らし、このためバック層の磁性が十分に生かされないこ
とも見出した。 このように従来、磁性層の電気抵抗は1010Ω/cm2
以下が通常であったが、磁性層として金属酸化物を結合
剤に分散させて基板に塗布したものから、金属粉末を結
合剤に分散させて基板に塗布したものへと変るに伴い、
磁性層の電気抵抗が1010Ω/cm2以上と高くなる傾
向にあり、電磁変換特性は良くなるものの、他方で種々
の問題が生じていたわけであるが、この度、本発明者等
は磁性層の電気抵抗が1010Ω/cm2以上であっても
バックコート層(面)の電気抵抗を1010Ω/cm2以
下とすることにより、意外にも磁性層にごみやほこりが
つき難くなり、従ってドロップアウトが激減し、シンチ
ング現象がなくなり、粘着性もなくなること、またバッ
クコート層のヤング率を200〜1500kg/mm2
とすることによってバックコート面が強じんとなるため
耐久性を増し、バック面のもろさによるケズレがなくな
ること、更にバックコート層の表面粗度をカットオフ
0.17mmでR20が0.20μm以下にすることに
より、電磁変換特性の低下のないものとなり、更に耐摩
耗性が改善されることを見出し、本発明に到達したもの
である。 即ち本発明は、磁性層の電気抵抗は1010Ω/cm2以
上と高くして電磁変換特性を良好に保つと共に、バック
層の電気抵抗1010Ω/cm2以下でE′(ヤング率)
200〜1500Kg/mm2、その表面粗度がカット
オフ0.17mmでR20、0.20μm以下とするこ
とによって、ドロップアウトも抑えることができ、且つ
破断強度、シンチング現象、粘着性及び耐摩耗性、電磁
変換特性の低下のない点ですぐれた磁気記録媒体を提供
するものであり、本発明は非磁性基材の一方の面に磁気
記録層、他方の面にバックコート層を設けた磁気記録媒
体において、磁気記録層がBET法で48m2/g以上の
比表面積を有する強磁性合金粉末を樹脂バインダー中に
分散したものからなり、該磁気記録層の電気抵抗が10
10Ω/cm2以上、保磁力が1000 Oe以上であり、
磁性層の表面粗度がカットオフ0.17mmでR20、
0.08μm以下であり、バックコート層が電気抵抗1
010Ω/cm2以下でE′(ヤング率)が200〜150
0Kg/mm2、その表面粗度がカットオフ0.17m
mでR20、0.20μm以下であることを特徴とする
磁気記録媒体に関するものである。 本発明においてバックコート層のE′(ヤング率)40
0〜1500Kg/mm2、その表面粗度がカットオフ
0.17mmでR20、0.10μm以下の場合に上記
特性の特にすぐれた磁気記録媒体が得られ、好ましいも
のである。 本発明の磁気記録層は、強磁性合金粉末および結合剤を
含む塗膜からなり、強磁性合金はFe−Co、Fe−N
i、Fe−Co−Ni、Co−Ni、Fe−Rh、Fe
−Cu、Fe−Au、Co−Cu、Co−Au、Co−
Y、Co−La、Co−Pr、Co−Gd、Co−S
m、Co−Pt、Ni−Cu、Fe−Co−Nd、Mn
−Bi、Mn−Sb、Mn−Alのような磁性合金を挙
げることができる。 中でも電磁変換特性のすぐれたものとして、Fe−C
o、Fe−Co−Ni、Co−Niなど、、またこれに
Cr、Al、Si等を添加した微粉末が用いられる。こ
れらは金属塩をBH4等の還元剤で湿時還元した微粉
末、酸化鉄表面をSi化合物で被膜した後、H2ガス中
で乾式還元した微粉末、或いは合金を低圧アルゴン中で
真空蒸発させるなど、各種製法によって得られた合金微
粒子が用いられる。電気抵抗が1010Ω/cm2以上の
場合、電磁変換特性においてすぐれたものであるが、前
記のように塗膜面の電気抵抗対策として磁性粉表面のに
おけるSi化合物処理量を増加させたりすると1010Ω
/cm2以下となり、またカーボンブラック等を入れて
1010Ω/cm2以下とすると、電磁変換特性の低下を
招き、高密度磁気記録媒体として役立たなくなる。 本発明の磁気記録媒体における磁性層は、含有する合金
磁性粉のBET法による比表面積が48m2/g以上
で、磁性層の保磁力(Hc)が1000Oe以上で、し
かも磁性層の表面粗度〔後述のタリステップによる測定
においてカットオフ0.17mmでR20(20回平均
値)の値、以下同じ〕が0.08μm以下のものを用い
る場合である。保磁力の好ましい範囲は1000〜20
00Oeであり、これ以上の範囲では記録時に磁気ヘッ
ドが飽和し、また消磁が困難になる。磁性粉の比表面積
は大きい程S/N比を改善する傾向があるが、あまり比
表面積が大きいと磁性粉へのバインダー中への分散が悪
くなり、また効果が飽和する傾向を有することが分っ
た。一方、磁気記録層における表面粗度は記録感度に影
響を与え、その表面粗度が小さいと短波長の記録感度が
上昇する。 前記のとおり、上記の特性を満足させ得る強磁性合金と
してはFe−Co、Fe−Co−Ni、Co−Niな
ど、またこれにCr、Al、Si等を添加した微粉末が
用いられる。これらは金属塩をBH4等の還元剤で湿時
還元した微粉末、酸化鉄表面をSi化合物で被覆した
後、H2ガス中で乾式還元した微粉末、或いは合金を低
圧アルゴン中で蒸発させた微粉末などで、軸比1:5〜
1:10を有し、残留磁束密度Br=2000〜300
0ガウスのもので、且つ上記保磁力及び比表面積の条件
を満たすものである。 合金磁性粉は各種バインダーを用いて磁性塗料とするこ
とができるが、一般には熱硬化性樹脂系バインダー及び
放射線硬化系バインダーが好適であり、その他添加剤と
して分散剤、潤滑剤、帯電防止剤を常法に従って用いる
ことができる。BET比表面積が48m2/gの磁性粉
を用いるため、分散性に問題があるので分散剤としては
界面活性剤や有機チタンカップリング剤などを用いると
良い。バインダーとしては塩化ビニル・酢酸ビニル・ビ
ニルアルコール共重合体、ポリウレタンプレポリマー及
びポリイソシアネートより成るバインダー、或いはこれ
に更にニトロセルロースを加えたバインダー、その他公
知の熱硬化性バインダー、或いはイオン化エネルギーに
感応するアクリル系二重結合やマレイン系二重結合など
を樹脂の基として含有する放射線硬化型バインダーなど
が使用できる。 通常の方法に従って、合金磁性粉末をバインダー及び所
定の溶剤並びに各種添加剤と混合して磁性塗料とし、こ
れをポリエステルベース等の基体に塗布し、熱硬化また
は放射線硬化して磁性膜を形成し、そしてさらにカレン
ダー加工を行なって、所定の表面粗度のものに仕上げ
る。 本発明のバックコート層を電気抵抗1010Ω/cm2以
下でE′(ヤング率)が200〜1500Kg/mm2、
その表面粗度がカットオフ0.17mmでR20、0.
20μm以下とするためには次のような方法を採ること
ができる。即ち、電気抵抗を1010Ω/cm2以下とす
るためには、1)導電性のあるカーボンブラック、グラ
ファイト、また2)無機充填剤としてSiO2、TiO
2、Al2O3、Cr2O3、SiC、CaO、CaC
O3、酸化亜鉛、ゲーサイト、αFe2O3、タルク、
カオリン、CaSO4、窒化硼素、フッ化黒鉛、二硫化
モリブデン等を添加する方法が主に採用される。E′
(ヤング率)は導電性充填剤、無機充填剤、バックコー
ト用樹脂により種々に変えることができ、表面粗度は導
電性充填剤、無機充填剤の粒径及び分散方法により変え
ることができる。なお、分散方法は分散剤、分散機、分
散時間により変えることができる。 バックコート層の電気抵抗を1010Ω/cm2以上とす
るとホコリやごみが付着し易く、それによりドロップア
ウトが増大して好ましくなく、E′(ヤング率)が200
Kg/mm2以下では破断強度の点で劣り、耐久走行中
バック面のケズレが発生し、1500Kg/mm2以上
では固すぎて、磁性面を削ってしまうため好ましくな
い。またバックコート層の表面粗度がカットオフ0.1
7mmでR20、0.20μm以上であると、電磁変換
特性が低下し、シンチング現象、バックコート面の削
れ、粘着性が生じ、ドロップアウトも大となる。 又、本発明のバックコート層で用いるバインダーは、従
来、磁気記録媒体用に利用されている熱可塑性、熱硬化
性又は反応型樹脂やこれらの混合物が使用されるが、得
られる塗膜強度等の点から硬化型の樹脂が好ましい。 熱可塑性樹脂としては軟化温度が150℃以下、平均分
子量が10,000〜200,000、重合度が約20
0〜2,000程度のもので、例えば塩化ビニール−酢
酸ビニール共重合体(カルボン酸導入のものも含む)、
塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体
(カルボン酸導入のものも含む)、塩化ビニール−塩化
ビニリデン共重合体、塩化ビニール−アクリロニトリル
共重合体、アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重
合体、アクリル酸エステル−塩化ビニリデン共重合体、
アクリル酸エステル−スチレン共重合体、メタクリル酸
エステル−アクリロニトリル共重合体、メタクリル酸エ
ステル−塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステ
ル−スチレン共重合体、ウレタンエラストマー、ナイロ
ン−シリコン系樹脂、ニトロセルロース−ポリアミド樹
脂、ポリフッ化ビニル、塩化ビニリデン−アクリロニト
リル共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合
体、ポリアミド樹脂、ポリビニールブチラール、セルロ
ース誘導体(セルロースアセテート、セルロースダイア
セテート、セルローストリアセテート、セルロースプロ
ピオネート、ニトロセルロース等)、スチレン−ブタジ
エン共重合体、ポリエステル樹脂、クロロビニルエーテ
ル−アクリル酸エステル共重合体、アミノ樹脂、各種の
合成ゴム系の熱可塑性樹脂及びこれらの混合物が使用さ
れる。 熱硬化性樹脂又は反応型樹脂としては、塗布液の状態で
は200,000以下の分子量であり、塗布、乾燥後に
加熱することにより、縮合、付加等の反応により分子量
は無限大のものとなる。又、これらの樹脂のなかで、樹
脂が熱分解するまでの間に軟化又は溶融しないものが好
ましい。具体的には例えばフェノール樹脂、エポキシ樹
脂、ポリウレタン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹
脂、アルキッド樹脂、シリコン樹脂、アクリル系反応樹
脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、ニトロセルロースメラ
ミン樹脂、高分子量ポリエステル樹脂とイソシアネート
プレポリマーの混合物、メタクリル酸塩共重合体とジイ
ソシアネートプレポリマーの混合物、ポリエステルポリ
オールとポリイソシアネートの混合物、尿素ホルムアル
デヒド樹脂、低分子量グリコール/高分子量ジオール/
トリフェニルメタントリイソシアネートの混合物、ポリ
アミン樹脂、及びこれらの混合物である。 而して特に好ましいものは、硝化綿(繊維素樹脂)、塩
化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、ウ
レタンの組合せからなる熱硬化性樹脂(硬化剤使用)、
或いは塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重
合体、又はアクリル変性塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニ
ルアルコール共重合体及びウレタンアクリレートからな
る放射線硬化系樹脂からなるものであり、放射線硬化系
樹脂については前記の好ましい組合せの外に、ラジカル
重合性を有する不飽和二重結合を示すアクリル酸、メタ
クリル酸、あるいはそれらのエステル化合物のようなア
クリル系二重結合、ジアリルフタレートのようなアリル
系二重結合、マレイン酸、マレイン酸誘導体等の不飽和
結合等の、放射線照射による架橋あるいは重合乾燥する
基を、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂の分子中に含有ま
たは導入した樹脂等を用いることができ、その他放射線
照射により架橋重合する不飽和二重結合を有するものを
用いることができる。 放射線照射による架橋あるいは重合乾燥する基を熱可塑
性樹脂の分子中に含有する樹脂としては次の様な不飽和
ポリエステル樹脂がある。 分子鎖中に放射線硬化性不飽和二重結合を含有するポリ
エステル化合物、例えば下記(2)の多塩基酸と多価ア
ルコールのエステル結合から成る飽和ポリエステル樹脂
で多塩基酸の一部をマレイン酸とした放射線硬化性不飽
和二重結合を含有する不飽和ポリエステル樹脂を挙げる
ことができる。放射線硬化性不飽和ポリエステル樹脂は
多塩基酸成分1種以上と多価アルコール成分1種以上に
マレイン酸、フマル酸等を加え常法、すなわち触媒の存
在下で、180〜200℃、窒素雰囲気下、脱水あるい
は脱アルコール反応の後、240〜280℃まで昇温
し、0.5〜1mmHgの減圧下、縮合反応により得るこ
とができる。マレイン酸やフマル酸等の含有量は、製造
時の架橋、放射線硬化性等から酸成分中1〜40モル%、
好ましくは10〜30モル%である。 放射線硬化性樹脂に変性できる熱可塑性樹脂及び熱硬化
性樹脂の例としては、次のようなものを挙げることがで
きる。 (1)塩化ビニール系共重合体 塩化ビニール−酢酸ビニルー−ビニールアルコール共重
合体、塩化ビニール−ビニールアルコール共重合体、塩
化ビニール−ビニールアルコール−プロピオン酸ビニー
ル共重合体、塩化ビニール−酢酸ビニール−マレイン酸
共重合体、塩化ビニール−酢酸ビニール−末端OH側鎖
アルキル基共重合体、たとえばUCC社製VROH、V
YNC、VYBGX、VERR等が挙げられ、このもの
に後述の手法により、アクリル系二重結合、マレイン酸
系二重結合、アリル系二重結合を導入して放射線感応変
性を行う。 (2)飽和ポリエステル樹脂 フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、ア
ジピン酸、セバシン酸のような飽和多塩基酸と、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ト
リメチロールプロパン、1,2プロピレングリコール、
1,3ブタンジオール、ジプロピレングリコール、1,
4ブタンジオール、1,6ヘキサンジオール、ペンタエ
リスリット、ソルビトール、グリセリン、ネオペンチル
グリコール、1,4シクロヘキサンジメタノールのよう
な多価アルコールとのエステル結合により得られる飽和
ポリエステル樹脂又はこれらのポリエステル樹脂をSO
Na等で変性した樹脂(例えばバイロン53S)が例と
して挙げられ、これらも同様にして放射線感応変性を行
う。 (3)ポリビニルアルコール系樹脂 ポリビニルアルコール、ブチラール樹脂、アセタール樹
脂、ホルマール樹脂及びこれらの成分の共重合体で、こ
れら樹脂中に含まれる水酸基に対し後述の手法により放
射線感応変性を行う。 (4)エポキシ系樹脂、フェノキシ系樹脂 ビスフェノールAとエピクロルヒドリン、メチルエピク
ロルヒドリンの反応によるエポキシ樹脂、例えばシェル
化学製(エピコート152、154、828、1001、1004、100
7)、ダウケミカル製(DEN431、DER732、DER51
1、DER331)、大日本インキ製(エピクロン400、80
0)、更に上記エポキシの高重合度樹脂であるUCC社
製フェノキシ樹脂(PKHA、PKHC、PKHH)、
臭素化ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの共重
合体、大日本インキ化学工業製(エピクロン145、152、
153、1120)等がある。これら樹脂中に含まれるエポキ
シ基を利用して放射線感応変性を行う。 (5)繊維素誘導体 各種のものが用いられるが、特に効果的なものは硝化
綿、セルローズアセトブチレート、エチルセルローズ、
ブチルセルローズ、アセチルセルローズ等が好適であ
る、樹脂中の水酸基を活用して後述の方法により放射線
感応変性を行う。 その他、放射線感応変性に用いることのできる樹脂とし
ては、多官能ポリエステル樹脂、ポリエーテルエステル
樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂及び誘導体(PVPオ
レフィン共重合体)、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹
脂、フェノール樹脂、スピロアセタール樹脂、水酸基を
含有するアクリルエステル及びメタクリルエステルを重
合成分として少くとも一種含むアクリル系樹脂等も有効
である。 さらに放射線硬化性樹脂には耐摩耗性、接着性、柔軟性
を改善するために、熱可塑性エラストマーまたはプレポ
リマーをブレンドすることができ、これらエラストマー
あるいはプレポリマーが同様に放射線感応変性された場
合はより効果的である。以下にエラストマー及びプレポ
リマーの例を挙げる。 (1)ポリウレタンエラストマー及びプレポリマーポリ
ウレタンの使用は耐摩耗性、及び基体フィルム、例えば
PETフィルムへの接着性が良い点で特に有効である。
ウレタン化合物の例としては、イソシアネートとして、
2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエン
ジイソシアネート、1,3−キシレンジイソシアネー
ト、1,4−キシレンジイソシアネート、1,5−ナフ
タレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネ
ート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3′−ジ
メチル−4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、
3,3′−ジメチルビフェニレンジイソシアネート、
4,4′−ビフェニレンジイソシアネート、ヘキサメチ
レンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネー
ト、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、デスモ
ジュールL、デスモジュールN等の各種多価イソシアネ
ートと、線状飽和ポリエステル(エチレングリコール、
ジエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプ
ロパン、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジ
オール、ペンタエリスリット、ソルビトール、ネオペン
チルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール
の様な多価アルコールと、フタル酸、イソフタル酸、テ
レフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸の様な
飽和多塩基酸との縮重合によるもの)、線状飽和ポリエ
ーテル(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、ポリテトラメチレングリコール)やカプロラク
タム、ヒドロキシル含有アクリル酸エステル、ヒドロキ
シル含有メタクリル酸エステル等の各種ポリエステル類
の縮重合物より成るポリウレタンエラストマー、プレポ
リマーが有効である。 これらのウレタンエラストマーの末端のイソシアネート
基又は水酸基と、アクリル系二重結合又はアリル系二重
結合等を有する単量体とを反応させることにより、放射
線感応性に変形することは非常に効果的である。 (2)アクリロニトリル−ブタジエン共重合エラストマ
ー シンクレアペトロケミカル社製ポリBDリタイッドレジ
ンとして市販されている末端水酸基のあるアクリロニト
リルブタジエン共重合体プレポリマーあるいは日本ゼオ
ン社製ハイカー1432J等のエラストマーは、特にブタジ
エン中の二重結合が放射線によりラジカルを生じ架橋及
び重合させるエラストマー成分として適する。 (3)ポリブタジエンエラストマー シンクレアペトロケミカル社製ポリBDリタイッドレジ
ンR−15等の低分子量末端水酸基を有するプレポリマ
ーが特に熱可塑性樹脂との相溶性の点で好適である。R
−15プレポリマーにおいては分子末端が水酸基となっ
ている為、分子末端にアクリル系不飽和二重結合を付加
することにより放射線感応性を高めることが可能であ
り、バインダーとして更に有利となる。 またポリブタジエンの環化物、日本合成ゴム製CBR−
M901も熱可塑性樹脂との組合せによりすぐれた性質を
有している。 その他、熱可塑性エラストマー及びそのプレポリマーの
系で好適なものとしては、スチレン−ブタジエンゴム、
塩化ゴム、アクリルゴム、イソプレンゴム及びその環化
物(日本合成ゴム製CIR701)があり、エポキシ変性
ゴム、内部可塑化飽和線状ポリエステル(東洋紡バイロ
ン#300)等のエラストマーも下記に述べる放射線感応
変性処理を施こすことにより有効に利用できる。 次に、放射線感応性バインダーの合成例を説明する。 a)塩化ビニール酢酸ビニール共重合体系樹脂のアクリ
ル変性体(放射線感応変性樹脂)の合成 OH基を有する一部ケン化塩ビ−酢ビ共重合体(UCC
社製、ビニライドVAGH)750部とトルエン1250
部、シクロヘキサノン500部を51の4つ口フラスコに
仕込み加熱溶解し、80℃昇温後トリレンジイソシアネ
ートの2−ヒドロキシエチルメタクリレートアダクト※
を61.4部加え、更にオクチル酸スズ0.012部、ハイドロ
キノン0.012部を加え80℃でN2気流中、NCO反応
率が90%となるまで反応せしめる。反応終了後冷却
し、メチルエチルケトン1250部を加え希釈する。
【※トリレンジイソシアネート(TDI)の2−ヒドロ
キシエチルメタクリレート(2HEMA)アダクトの製
法 TDI348部をN2気流中11の4つ口フラスコ内で8
0℃に加熱後、2−エチレンメタクリレート260部、
オクチル酸スズ0.07部、ハイドロキノン0.05部
を反応缶内の温度が80〜85℃となるように冷却コン
トロールしながら滴下終了後80℃で3時間撹拌し反応
を完結させる。反応終了後取り出して冷却後白色ペース
ト状のTDIの2HEMAを得た。】 b)ブチラール樹脂アクリル変性体の合成(放射線感応
変性樹脂) ブチラール樹脂積水化学製BM−S100部をトルエ1
91.2部、シクロヘキサン71.4部と共に51の4
つ口フラスコに仕込み加熱溶解し80℃昇温後TDIの
2HEMAアダクト※を7.4部加え、更にオクチル酸
スズ0.015部、ハイドロキノン0.015部を加
え、80℃でN2気流中NCO反応率が90%以上とな
るまで反応せしめる。反応終了後冷却し、メチルエチル
ケトンにて希釈する。 c)飽和ポリエステル樹脂アクリル変性体の合成(放射
線感応変性樹脂) 飽和ポリエステル(東洋紡製バイロンRV−200)、
100部をトルエン116部、メチルエチルケトン11
6部に加熱溶解し80℃昇温後TDIの2HEMAアダ
クト※を3.55部加え、オクチル酸スズ0.007
部、ハイドロキノン0.007部を加え、80℃、N2
気流中NCO反応率が90%以上となるまで反応せしめ
る。 d)エポキシ樹脂アクリル変性体の合成(放射線感応変
性樹脂) ビスフェノール系エポキシ樹脂(シエル化学製エピコー
ト1007)、400部をトルエン50部、メチルエチ
ルケトン50部に加熱溶解後、N,N−ジメチルベンジ
ルアミン0.006部、ハイドロキノン0.003部を
添加し80℃とし、アクリル酸69部を滴加し80℃で
酸価5以下となるまで反応せしめる。 e)ウレタンエラストマーアクリル変性体の合成(放射
線硬化性エラストマー) 末端イソシアネートのジフェニルメタンジイソシアネー
ト(MDI)系ウレタンプレポリマー(日本ポリウレタ
ン製ニッポラン4040)250部、2HEMA32.
5部、ハイドロキノン0.07部、オクチル酸スズ0.
009部を反応缶に入れ、80℃に加熱溶解後TDI4
3.5部を反応缶内の温度が80〜90℃となるように
冷却しながら滴下し、滴下終了後80℃で反応率95%
以上となるまで反応せしめる。 f)ポリエーテル系末端ウレタン変性エラストマーアク
リル変性体(放射線硬化性エラストマー)の合成 日本ポリウレタン社製ポリエーテルPTG−500、2
50部、2HEMA32.5部、ハイドロキノン0.0
07部、オクチル酸スズ0.009部を反応缶に入れ、
80℃に加熱溶解後TDI43.5部を反応缶内の温度
が80〜90℃となるように冷却しながら滴下し、滴下
終了後80℃で反応率95%以上となるまで反応せしめ
る。 g)ポリブタジエンエラストマーアクリル変性体の合成
(放射線硬化性エラストマー) シンクレアペトロケミカル社製低分子量末端水酸基ポリ
ブタジエンポりBDリクイットレジンR−15、250
部、2HEMA32.5部、ハイドロキノン0.007
部、オクチル酸スズ0.09部を反応缶に入れ、80℃
に加熱溶解後TDI43.5部を反応缶内の温度が80
〜90℃となるように冷却しながら滴下し、滴下終了後
80℃で反応率95%以上となるまで反応せしめる。 高分子には放射線照射により崩壊するものと分子間に架
橋を起こすものが知られている。分子間に架橋を起こす
ものとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリス
チレン、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリルアミ
ド、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリビニルピロリ
ドンゴム、ポリビニルアルコール、ポリアクロレインが
ある。この様な架橋型ポリマーであれば上記のような変
性を特に施さなくても、架橋反応が起るので、前記変性
体の他に、これらの樹脂はそのまま放射線架橋用バック
コート樹脂として使用可能である。 更にまた、この方法によれば溶剤を使用しない無溶剤型
の樹脂であっても短時間で硬化することができるので、
この様な樹脂をバックコート用として用いることができ
る。 また本発明のバックコート層に用いる樹脂の架橋に使用
する活性エネルギー線としては、放射線加速器を線源と
した電子線、Co60を線源としたγ−線、Sr90を線源
としたβ−線、X線発生器を線源としたX線あるいは紫
外線等が使用される。 特に照射線源としては吸収線量の制御、製造工程ライン
への導入、電離放射線の遮蔽等の見地から放射線加熱器
により放射線を使用する方法が有利である。 バックコート層を硬化する際に使用する放射線特性とし
ては、透過力の面から加速電圧100〜750KV、好
ましくは150〜300KVの放射線加速器を用い吸収
線量を0.5〜2.0メガラッドになるように照射する
のが好都合である。 本発明のバックコート層硬化に際しては、米国エナージ
ーサイエンス社にて製造されている低線量タイプの放射
線加速器(エレクトロカーテンシステム)等がテープコ
ーティング加工ラインへの導入、加速器内部の2次X線
の遮蔽等に極めて有利である。 勿論、従来より放射線加速材として広く活用されている
ところのファンデグラフ型加速器を使用してもよい。 また放射線架橋に際しては、N2ガス、Heガス等の不
活性ガス気流中で放射線をバックコート層に照射するこ
とが重要であり、空気中で放射線を照射することは、バ
インダー成分の架橋に際し放射線照射により生じたO3
等の影響でポリマー中に生じたラジカルが有利に架橋反
応に働くことを阻害するので極めて不利である。従っ
て、活性エネルギー線を照射する部分の雰囲気は、特に
酸素濃度が最大で5%である、N2、He、CO2等の
不活性ガス雰囲気に保つことが重要となる。 その他使用可能なバインダー成分としては、単量体とし
てアクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、メタク
リルアミド等がある。二重結合のあるバインダーとして
は種々のポリエステル、ポリオール、ポリウレタン等を
アクリル系二重結合を有する化合物で変性することがで
きる。必要に応じて多価アルコールと多価カルボン酸を
配合することによって種々の分子量のものもできる。放
射線感応樹脂としては上記内容は一部を記したにすぎな
い。これらのものが混合されていてもかまわない。 磁気テープのベースであるポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、ポリアミ
ド等のプラスチックフィルムが約11μ程度以下という
薄いものが用いられる傾向からテープを巻装したときの
巻締りが大きく、バック面の粗さが磁性面へ移転し易
く、出力低下の原因となり易い。 一方、放射線硬化型樹脂及び必要に応じ所定の充填剤を
分散させたバック層を用いると、テープ状に裁断して巻
装したときの巻締りが少なくなり、そのためバック装表
面の粗さが磁性面に転写するおそれがなく、電磁特性が
改善され、また粘着性も大幅に改善されてシンチング現
象が抑制され、またバック装は強靭である。 なお、磁性面、バック面がいずれも放射線硬化型のバイ
ンダーを用いる場合には、製造上、連続硬化が可能であ
り、上記の裏型転写がないのでドロップアウトが防止で
き、さらに好ましい。その上、放射線硬化はオンライン
上で処理できるので省エネルギー対策、製造時の人員の
減少にも役立ち、コストの低減につながる。特性面では
熱硬化時の巻きしまりによるドロップアウトの外に、ロ
ール状に巻かれたときの内外径の個所の圧力のちがいに
より磁気テープの長さ方向の距離による出力差が生じる
こともなくなる。上記の巻締まりにより生ずる問題はベ
ース厚が11μ以下と薄くなり、また金属磁性粉の硬度
がγ−Fe2O3などの磁性酸化物よりも小さいために
磁性層の表面硬度が小さく巻きしまりの影響を受け易い
ため起こるものであるが、放射線硬化型のバックコート
層ではこの影響を取除くことができ、内外径での出力差
やドロップアウトの差を除くことができるため特に好ま
しい。 本発明のバックコート層に含有される非磁性体粉末とし
ては充填剤、分散剤、潤滑剤等がある。 充填剤としては、1)導電性のあるカーボンブラック、
グラファイト、また2)無機充填剤としてSiO2、T
iO2、Al2O3、Cr2O3、SiC、CaO、C
aCO3、酸化亜鉛、ゲーサイト、αFe2O3、タル
ク、カオリン、CaSO4、窒素硼素、フッ化黒煙、二
硫化モリブデン等があり、中でもCaCO3やカーボン
が使用される。この様な充填剤の使用量は1)に関して
はバインダー100重量部に対して20〜200重量
部、又2)に関しては10〜300重量部が適当であ
り、充填剤量があまり多くなると、塗膜がもろくなり、
かえってドロップアウトが多くなるという欠点がある。 分散剤としては従来この種バックコート層に用いられる
種類のものはいずれも用いることができるが、カプリル
酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチ
ン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、エライジ
ン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアロール酸等の炭
素数12以上の脂肪酸(RCOOH、Rは炭素数11以
上のアルキル基);前記の脂肪酸のアルカリ金属(L
i、Na、K等)またはアルカリ土類金属(Mg、C
a、Ba等)から成る金属石鹸;レシチン等が使用され
る。この他に炭素数12以上の高級アルコール、および
これらの硫酸エステル、界面活性剤、チタンカップリン
グ剤、シランカップリング剤等も使用可能である。これ
らの分散剤はバインダー100重量部に対して1〜20
重量部の範囲で添加される。 潤滑剤としてはシリコンオイル、グラファイト、二硫化
モリブデン、二硫化タングステン、炭素数12〜16個
の一塩基性脂肪酸と炭素数3〜12個の一価のアルコー
ルからなる脂肪酸エステル類、炭素数17個以上の一塩
基性脂肪酸と該脂肪酸の炭素数と合計して炭素数が21
〜23個より成る一価のアルコールとから成る脂肪酸エ
ステル等が使用される。これらの潤滑剤はバインダー1
00重量部に対して0.2〜20重量部の範囲で添加さ
れる。 また帯電防止剤しとてサポニンなどの天然界面活性剤;
アルキレンオキサイド系、グリセリン系グリシドール系
などのノニオン界面活性剤;高級アルキルアミン類、第
4級アンモニウム塩類、ピリジンその他の複素環類、ホ
スホニウム又はスルホニウム類などのカチオン界面活性
剤;カルボン酸、スルホン酸、燐酸、硫酸エステル基、
燐酸エステル基等の酸性基を含むアニオン界面活性剤;
アミノ酸類、アミノスルホン酸類、アミノアルコールの
硫酸または燐酸エステル類等の両性活性剤などが使用さ
れる。 なお本発明のバックコート層の塗布乾燥後の厚みは0.
3〜10μmの範囲が一般的である。 本発明の磁気記録媒体はオーディオテープ、ビデオテー
プ、コンピュータ用テープ、エンドレステープ、磁気デ
ィスク等の分野に広範囲に使用されるが、中でもドロッ
プアウトが最も重要な特性の1つであるビデオテープ、
コンピューター用テープに用いることはかなり有効であ
る。 以下に本発明の実施例を示す。なお、本発明がこの実施
例に限定されるものでないことは理解されるべきであ
る。 実施例 以下のようにして数種の磁性層、バック層を形成し、こ
れを組合せて磁気記録媒体を製造し、本発明の効果をみ
た。 磁性層の形成 湿式還元法により種々の合金粉末を製造した。これらは
軸比(短軸/長軸)が1/5〜1/10の針状粒子より
成り、残留磁束密度2000〜3000ガウス、保磁力
1000〜2000Oe:BET比表面積48〜70m
2/gを有するものであった。これらの磁性粉を次の配
合比で通常の方法で混合し、各磁性層を形成した。 磁性層1 重量部 Fe−Co−Ni合金粉末 100 (Hc=1200Oe、長軸0.4μm、短軸0.05μmBET
比表面積 52m2/g) 塩化ビニル・酢酸ビニル・ビニルアルコール共重 合体(米国UCC社製VAGH) 15 ポリウレタンプレポリマー 10 (バイエル社製デスモコール22) メチルエチルケトン/トルエン(1/1) 250 ミリスチン酸 2 ソルビタンステアレート 2 この混合物にポリイソシアネート(バイエル社製デスモ
ジュールL)30重量部加えて磁性塗料とし、ポリエス
テルフィルムに3.5μの厚さで形成し、カレンダー加
工した。 磁性層2 磁性層1と同様な磁性合金粉末及びベースを用い、次の
混合物 重量部 Fe−Co−Ni合金粉末 100 (磁性層1と同一) 塩化ビニル・酢酸ビニル・ビニルアルコール共重 合体(米国UCC社製VAGH) 15 ポリビニルブチラール樹脂 10 アクリル二重結合導入ウレタン 10 メチルエチルケトン/トルエン(50/50) 250 をポリエステルフィルムに3.5μの厚さに塗布し、電
子線硬化とカレンダー加工を行った。 磁性層3 磁性層2の製造法と同じ方法を用い、次の組成を用いて
磁性層を形成した。 重量部 Fe−Co−Ni合金粉末(BET60m2/g)100 飽和ポリエステル樹脂 5 アクリル導入塩化ビニルアルコール共重合体 (重合度300) 10 アクリル二重結合導入ポリエーテルウレタンエラ ストマー 10 混合溶剤(磁性層1と同じ) 250 バック層の形成 バック層1 下記混合物をボールミル中で5時間分散せしめた。 重量部 カーボンブラック 40mμ(ファーネス法) 50 硬化剤 コロネートL 20 潤滑剤 ステアリン酸 4 ステアリン酸ブチル 2 硝化綿 40 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共 重合体(積水化学製、エスレックA) 30 ポリウレタンエラストマー 30 (日本ポリウレタン製、エッセン5703) 混合溶剤(MIBK/トルエン) 250 分散後の混合物を、先に磁気記録層を形成した基材の反
対面側に乾燥厚みが1μmになるように塗布、乾燥を行
ない、カレンダーにて表面平滑化処理を行なった後、6
0℃の温度で24時間加熱処理し硬化を行なわせた。 バック層2 重量部 CaCO3(粒径 80mμ) 30 αFe2O3(150mμ) 20 アクリル変性塩ビ−酢ビ−ビニルアルコール共重 合体 30 アクリル変性ポリウレタンエラストマー 30 混合溶剤(MIBK/トルエン=1/1)300 上記混合物をボールミル中5時間混合させ、磁性面が形
成されているポリエステルフィルムの裏面に乾燥厚1.
5μになるように塗布し、エレクトロカーテンタイプ電
子線加速装置を用いて加速電圧150KeV、電極電流
10mA、吸収線量5Mrad、N2ガス中で電子線を
バックコート層に照射し、硬化を行った後カレンダー加
工して巻き取り、1/2″ビデオ巾に切断した。 バック層3 重量部 カーボンブラック(80mμ) 15 CaCO3(40mμ) 35 アクリル変性ポリウレタンエラストマー 30 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重 合体(U.C.C.VAGH) 70 混合溶剤(MIBK/トルエン=1/1)300 上記混合物をバック層2と同様に調製した。 これら磁性層の電気抵抗、バック層を設けない場合のド
ロップアウト、及びバック層の電気抵抗、E′(ヤング
率)、表面粗度を第1表に示す。 上記磁性層2とバック層3とを組合せた磁気記録媒体に
ついて、バック層における、顔料のバインダーに対する
割合を変更し、そのE′(ヤング率)、電気抵抗、バッ
ク面粗度を調整し、それに伴う各特性の変化をみた結果
を第2表に示す。 第2表から、磁性層の電気抵抗1010Ω/cm2以上で
あり、バック面が電気抵抗1010Ω/cm2以下、E′
が200〜1500Kg/mm2、その表面粗度がカッ
トオフ0.17mmでR20、0.20以下である範囲
(No.3〜7)のものが全特性にわたって良好なこと
が判る。 次いで、上記の磁性層1、2、3とバック層1、2、3
とを適当に組合せ、その形成順序を変えて磁気記録媒体
を製造した。ただし、この場合は各層の形成ごとにカレ
ンダー加工を実施した。各特性の測定結果を第3表に示
す。表中、、は形成順序を示す。比較例として磁性
層1とバック層1における顔料を除いたバック層を組合
せた磁気記録媒体を採用した。 第3表より次のことが判る。即ち、ドロップアウトは、
磁性層、バック層のいずれか一方が放射線硬化型の場合
(B、C)は両層共に熱硬化型の場合(A)よりも、裏
型転写がないため良好となり、またそのため出力も大き
くなる。磁性面及びバックコート面が放射線硬化の場合
(D)には電気変換特性等の点でさらにすぐれている。
表中のグループにおけるA−1、A−2を比較すると、
A−2の場合は初めに形成されるバックコート層のため
に薄いベースが補強されてベースのヤング率が大きくな
り、A−1の場合よりも巻きしまりによる悪影響がな
く、ロール状に巻いたテープの外側と内側での電磁変換
特性の差が少なくなっていることが判る。この傾向は
B、CについてもCがすぐれている点で同様である。さ
らにDのグループでは連続走行中に硬化が行なわれるた
めに巻きしまりによる影響が全くない。さらに脂肪酸
(場合により脂肪酸エステル)を添加することによりバ
ックコート面の削れ及び画像上で問題となるジッターの
発生が抑制され、例えばD−1における摩擦係数は0.
22であるが、D−1に脂肪酸を3重量部加えると、摩
擦係数は0.15となり、高温走行下で摩擦が低くなる
ためバックコート面の削れやジッターがなくなり、走行
性もスムーズとなる。このようにバック層に潤滑剤を入
れる方が、高温走行下でのスムーズな走行が達成され、
好ましいものである。 次に上記の第2表におけるビデオテープの表面粗度につ
いて検討した。第1図はビデオテープを3.8m/se
cで駆動し、中心周波数4.5MHzで記録、再生した
場合のS/N比(相対値)を示す。ただし曲線の添字は
磁性層の表面粗度である。これから判るように、磁性層
の表面粗度が0.08μm以下で、バックコート層の表
面粗度が0.6μm以下のときにS/N比を高く保つこ
とができる。他の組合せの場合も全く同様であった。 上記のビデオテープについて、磁性層の表面粗度が0.
08μm以下で且つバックコート層の表面粗度が0.0
5〜0.6μmの範囲にあるものについて、合金粉末の
BET比表面積とS/Nとの関係を調べたところ第2図
に示す結果を得た。ただし55dBを基準とした。これ
からBET値48m2/g以上のときにすぐれた特性が
得られることが判る。他の場合も同様であった。 更に巻きしまりを測定したところ、40℃、80%RH
では全て良好であった。 なお、上記の各特性の測定は次のようにして行なった。 1)シンチング現象、巻姿 一般市販のVHS方式VTRを用いて、テープ全長を早
送りした後早戻しを行ない、残り50mの所で停止し、
更に早戻しを最後まで行なう。然る後、テープの巻き状
態を目視により観察した。 テープ層間にすき間がなく巻き状態が良好な場合を○ま
たは◎とし、テープ層間にすき間が発生した場合を×と
した。 2)バックコート面削れ 一般市販のVHS方式VTRを用い、40℃、60%の
環境下で100回走行させた後カセットケース内の汚れ
を観察した。○は汚れがない状態、×は汚れがひどい状
態を示す。 3)走行中ガイド付着 一般市販のVHSVTRを用い、40℃、60%の環境
下で100回走行させた後、カセットケース内のガイ
ド、VHSデッキのガイド付着を観察した。 4)接着 固定板に両面テープを貼り、その上にバックコート面を
貼り合わせ、180゜方向に引張ったとき、バックコー
ト面のはがれる張力を読みとる。測定は島津製作所オー
トグラフ、20℃で行った。 5)製造中のカレンダー汚れ 製造時70℃のカレンダー処理をした時のカレンダー付
着を観察した。 6)ヤング率 粘弾性スペクトロメーター(岩木製作所、東洋ボートウ
ィン、東洋精工社)での20℃での測定値による。 7)ドロップアウト 20℃、60%RH、VHSデッキを用い、4MHzの
単一信号を記録し、再生した場合の信号が、平均再生レ
ベルより18dB以上低下する時間が15μ秒以上であ
るものの個数を、サンプル10個について1分間当りで
数え、その平均をとった。磁気テープ走行前のもの
(初)と、100回走行後のものについて測定した。 8)表面粗度 タリステップ(TAYLOR−HOBSON社製)を用
いて得たチャートから20点平均法で求めた。カットオ
フ0.17mm、針圧0.1×2.5μを用いた。 9)電磁変換特性 中心周波数5MHzで記録、再生した場合のS/N比
(相対値)を示す。VHSのVTRを改造し5MHzま
で測定できるようにした。 10)電顕撮影法 a)透過電顕によりテープからの抽出法により、平均粒
子径を測定する。 b)走査型電顕による断面写真法による。この場合、粒
子が凝集している場合があるので、バラツキが大の場合
は最小粒子径を平均粒子径とする。 11)摩擦係数 直径4mmの表面を研磨したアルミ円柱に磁気テープの
バック面を内側にして180゜の抱き角で巻きつけ、2
cm/秒で走行し、送り出し側と巻き取り側のテンショ
ンを測定し計算より求めた。
キシエチルメタクリレート(2HEMA)アダクトの製
法 TDI348部をN2気流中11の4つ口フラスコ内で8
0℃に加熱後、2−エチレンメタクリレート260部、
オクチル酸スズ0.07部、ハイドロキノン0.05部
を反応缶内の温度が80〜85℃となるように冷却コン
トロールしながら滴下終了後80℃で3時間撹拌し反応
を完結させる。反応終了後取り出して冷却後白色ペース
ト状のTDIの2HEMAを得た。】 b)ブチラール樹脂アクリル変性体の合成(放射線感応
変性樹脂) ブチラール樹脂積水化学製BM−S100部をトルエ1
91.2部、シクロヘキサン71.4部と共に51の4
つ口フラスコに仕込み加熱溶解し80℃昇温後TDIの
2HEMAアダクト※を7.4部加え、更にオクチル酸
スズ0.015部、ハイドロキノン0.015部を加
え、80℃でN2気流中NCO反応率が90%以上とな
るまで反応せしめる。反応終了後冷却し、メチルエチル
ケトンにて希釈する。 c)飽和ポリエステル樹脂アクリル変性体の合成(放射
線感応変性樹脂) 飽和ポリエステル(東洋紡製バイロンRV−200)、
100部をトルエン116部、メチルエチルケトン11
6部に加熱溶解し80℃昇温後TDIの2HEMAアダ
クト※を3.55部加え、オクチル酸スズ0.007
部、ハイドロキノン0.007部を加え、80℃、N2
気流中NCO反応率が90%以上となるまで反応せしめ
る。 d)エポキシ樹脂アクリル変性体の合成(放射線感応変
性樹脂) ビスフェノール系エポキシ樹脂(シエル化学製エピコー
ト1007)、400部をトルエン50部、メチルエチ
ルケトン50部に加熱溶解後、N,N−ジメチルベンジ
ルアミン0.006部、ハイドロキノン0.003部を
添加し80℃とし、アクリル酸69部を滴加し80℃で
酸価5以下となるまで反応せしめる。 e)ウレタンエラストマーアクリル変性体の合成(放射
線硬化性エラストマー) 末端イソシアネートのジフェニルメタンジイソシアネー
ト(MDI)系ウレタンプレポリマー(日本ポリウレタ
ン製ニッポラン4040)250部、2HEMA32.
5部、ハイドロキノン0.07部、オクチル酸スズ0.
009部を反応缶に入れ、80℃に加熱溶解後TDI4
3.5部を反応缶内の温度が80〜90℃となるように
冷却しながら滴下し、滴下終了後80℃で反応率95%
以上となるまで反応せしめる。 f)ポリエーテル系末端ウレタン変性エラストマーアク
リル変性体(放射線硬化性エラストマー)の合成 日本ポリウレタン社製ポリエーテルPTG−500、2
50部、2HEMA32.5部、ハイドロキノン0.0
07部、オクチル酸スズ0.009部を反応缶に入れ、
80℃に加熱溶解後TDI43.5部を反応缶内の温度
が80〜90℃となるように冷却しながら滴下し、滴下
終了後80℃で反応率95%以上となるまで反応せしめ
る。 g)ポリブタジエンエラストマーアクリル変性体の合成
(放射線硬化性エラストマー) シンクレアペトロケミカル社製低分子量末端水酸基ポリ
ブタジエンポりBDリクイットレジンR−15、250
部、2HEMA32.5部、ハイドロキノン0.007
部、オクチル酸スズ0.09部を反応缶に入れ、80℃
に加熱溶解後TDI43.5部を反応缶内の温度が80
〜90℃となるように冷却しながら滴下し、滴下終了後
80℃で反応率95%以上となるまで反応せしめる。 高分子には放射線照射により崩壊するものと分子間に架
橋を起こすものが知られている。分子間に架橋を起こす
ものとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリス
チレン、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリルアミ
ド、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリビニルピロリ
ドンゴム、ポリビニルアルコール、ポリアクロレインが
ある。この様な架橋型ポリマーであれば上記のような変
性を特に施さなくても、架橋反応が起るので、前記変性
体の他に、これらの樹脂はそのまま放射線架橋用バック
コート樹脂として使用可能である。 更にまた、この方法によれば溶剤を使用しない無溶剤型
の樹脂であっても短時間で硬化することができるので、
この様な樹脂をバックコート用として用いることができ
る。 また本発明のバックコート層に用いる樹脂の架橋に使用
する活性エネルギー線としては、放射線加速器を線源と
した電子線、Co60を線源としたγ−線、Sr90を線源
としたβ−線、X線発生器を線源としたX線あるいは紫
外線等が使用される。 特に照射線源としては吸収線量の制御、製造工程ライン
への導入、電離放射線の遮蔽等の見地から放射線加熱器
により放射線を使用する方法が有利である。 バックコート層を硬化する際に使用する放射線特性とし
ては、透過力の面から加速電圧100〜750KV、好
ましくは150〜300KVの放射線加速器を用い吸収
線量を0.5〜2.0メガラッドになるように照射する
のが好都合である。 本発明のバックコート層硬化に際しては、米国エナージ
ーサイエンス社にて製造されている低線量タイプの放射
線加速器(エレクトロカーテンシステム)等がテープコ
ーティング加工ラインへの導入、加速器内部の2次X線
の遮蔽等に極めて有利である。 勿論、従来より放射線加速材として広く活用されている
ところのファンデグラフ型加速器を使用してもよい。 また放射線架橋に際しては、N2ガス、Heガス等の不
活性ガス気流中で放射線をバックコート層に照射するこ
とが重要であり、空気中で放射線を照射することは、バ
インダー成分の架橋に際し放射線照射により生じたO3
等の影響でポリマー中に生じたラジカルが有利に架橋反
応に働くことを阻害するので極めて不利である。従っ
て、活性エネルギー線を照射する部分の雰囲気は、特に
酸素濃度が最大で5%である、N2、He、CO2等の
不活性ガス雰囲気に保つことが重要となる。 その他使用可能なバインダー成分としては、単量体とし
てアクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、メタク
リルアミド等がある。二重結合のあるバインダーとして
は種々のポリエステル、ポリオール、ポリウレタン等を
アクリル系二重結合を有する化合物で変性することがで
きる。必要に応じて多価アルコールと多価カルボン酸を
配合することによって種々の分子量のものもできる。放
射線感応樹脂としては上記内容は一部を記したにすぎな
い。これらのものが混合されていてもかまわない。 磁気テープのベースであるポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、ポリアミ
ド等のプラスチックフィルムが約11μ程度以下という
薄いものが用いられる傾向からテープを巻装したときの
巻締りが大きく、バック面の粗さが磁性面へ移転し易
く、出力低下の原因となり易い。 一方、放射線硬化型樹脂及び必要に応じ所定の充填剤を
分散させたバック層を用いると、テープ状に裁断して巻
装したときの巻締りが少なくなり、そのためバック装表
面の粗さが磁性面に転写するおそれがなく、電磁特性が
改善され、また粘着性も大幅に改善されてシンチング現
象が抑制され、またバック装は強靭である。 なお、磁性面、バック面がいずれも放射線硬化型のバイ
ンダーを用いる場合には、製造上、連続硬化が可能であ
り、上記の裏型転写がないのでドロップアウトが防止で
き、さらに好ましい。その上、放射線硬化はオンライン
上で処理できるので省エネルギー対策、製造時の人員の
減少にも役立ち、コストの低減につながる。特性面では
熱硬化時の巻きしまりによるドロップアウトの外に、ロ
ール状に巻かれたときの内外径の個所の圧力のちがいに
より磁気テープの長さ方向の距離による出力差が生じる
こともなくなる。上記の巻締まりにより生ずる問題はベ
ース厚が11μ以下と薄くなり、また金属磁性粉の硬度
がγ−Fe2O3などの磁性酸化物よりも小さいために
磁性層の表面硬度が小さく巻きしまりの影響を受け易い
ため起こるものであるが、放射線硬化型のバックコート
層ではこの影響を取除くことができ、内外径での出力差
やドロップアウトの差を除くことができるため特に好ま
しい。 本発明のバックコート層に含有される非磁性体粉末とし
ては充填剤、分散剤、潤滑剤等がある。 充填剤としては、1)導電性のあるカーボンブラック、
グラファイト、また2)無機充填剤としてSiO2、T
iO2、Al2O3、Cr2O3、SiC、CaO、C
aCO3、酸化亜鉛、ゲーサイト、αFe2O3、タル
ク、カオリン、CaSO4、窒素硼素、フッ化黒煙、二
硫化モリブデン等があり、中でもCaCO3やカーボン
が使用される。この様な充填剤の使用量は1)に関して
はバインダー100重量部に対して20〜200重量
部、又2)に関しては10〜300重量部が適当であ
り、充填剤量があまり多くなると、塗膜がもろくなり、
かえってドロップアウトが多くなるという欠点がある。 分散剤としては従来この種バックコート層に用いられる
種類のものはいずれも用いることができるが、カプリル
酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチ
ン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、エライジ
ン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアロール酸等の炭
素数12以上の脂肪酸(RCOOH、Rは炭素数11以
上のアルキル基);前記の脂肪酸のアルカリ金属(L
i、Na、K等)またはアルカリ土類金属(Mg、C
a、Ba等)から成る金属石鹸;レシチン等が使用され
る。この他に炭素数12以上の高級アルコール、および
これらの硫酸エステル、界面活性剤、チタンカップリン
グ剤、シランカップリング剤等も使用可能である。これ
らの分散剤はバインダー100重量部に対して1〜20
重量部の範囲で添加される。 潤滑剤としてはシリコンオイル、グラファイト、二硫化
モリブデン、二硫化タングステン、炭素数12〜16個
の一塩基性脂肪酸と炭素数3〜12個の一価のアルコー
ルからなる脂肪酸エステル類、炭素数17個以上の一塩
基性脂肪酸と該脂肪酸の炭素数と合計して炭素数が21
〜23個より成る一価のアルコールとから成る脂肪酸エ
ステル等が使用される。これらの潤滑剤はバインダー1
00重量部に対して0.2〜20重量部の範囲で添加さ
れる。 また帯電防止剤しとてサポニンなどの天然界面活性剤;
アルキレンオキサイド系、グリセリン系グリシドール系
などのノニオン界面活性剤;高級アルキルアミン類、第
4級アンモニウム塩類、ピリジンその他の複素環類、ホ
スホニウム又はスルホニウム類などのカチオン界面活性
剤;カルボン酸、スルホン酸、燐酸、硫酸エステル基、
燐酸エステル基等の酸性基を含むアニオン界面活性剤;
アミノ酸類、アミノスルホン酸類、アミノアルコールの
硫酸または燐酸エステル類等の両性活性剤などが使用さ
れる。 なお本発明のバックコート層の塗布乾燥後の厚みは0.
3〜10μmの範囲が一般的である。 本発明の磁気記録媒体はオーディオテープ、ビデオテー
プ、コンピュータ用テープ、エンドレステープ、磁気デ
ィスク等の分野に広範囲に使用されるが、中でもドロッ
プアウトが最も重要な特性の1つであるビデオテープ、
コンピューター用テープに用いることはかなり有効であ
る。 以下に本発明の実施例を示す。なお、本発明がこの実施
例に限定されるものでないことは理解されるべきであ
る。 実施例 以下のようにして数種の磁性層、バック層を形成し、こ
れを組合せて磁気記録媒体を製造し、本発明の効果をみ
た。 磁性層の形成 湿式還元法により種々の合金粉末を製造した。これらは
軸比(短軸/長軸)が1/5〜1/10の針状粒子より
成り、残留磁束密度2000〜3000ガウス、保磁力
1000〜2000Oe:BET比表面積48〜70m
2/gを有するものであった。これらの磁性粉を次の配
合比で通常の方法で混合し、各磁性層を形成した。 磁性層1 重量部 Fe−Co−Ni合金粉末 100 (Hc=1200Oe、長軸0.4μm、短軸0.05μmBET
比表面積 52m2/g) 塩化ビニル・酢酸ビニル・ビニルアルコール共重 合体(米国UCC社製VAGH) 15 ポリウレタンプレポリマー 10 (バイエル社製デスモコール22) メチルエチルケトン/トルエン(1/1) 250 ミリスチン酸 2 ソルビタンステアレート 2 この混合物にポリイソシアネート(バイエル社製デスモ
ジュールL)30重量部加えて磁性塗料とし、ポリエス
テルフィルムに3.5μの厚さで形成し、カレンダー加
工した。 磁性層2 磁性層1と同様な磁性合金粉末及びベースを用い、次の
混合物 重量部 Fe−Co−Ni合金粉末 100 (磁性層1と同一) 塩化ビニル・酢酸ビニル・ビニルアルコール共重 合体(米国UCC社製VAGH) 15 ポリビニルブチラール樹脂 10 アクリル二重結合導入ウレタン 10 メチルエチルケトン/トルエン(50/50) 250 をポリエステルフィルムに3.5μの厚さに塗布し、電
子線硬化とカレンダー加工を行った。 磁性層3 磁性層2の製造法と同じ方法を用い、次の組成を用いて
磁性層を形成した。 重量部 Fe−Co−Ni合金粉末(BET60m2/g)100 飽和ポリエステル樹脂 5 アクリル導入塩化ビニルアルコール共重合体 (重合度300) 10 アクリル二重結合導入ポリエーテルウレタンエラ ストマー 10 混合溶剤(磁性層1と同じ) 250 バック層の形成 バック層1 下記混合物をボールミル中で5時間分散せしめた。 重量部 カーボンブラック 40mμ(ファーネス法) 50 硬化剤 コロネートL 20 潤滑剤 ステアリン酸 4 ステアリン酸ブチル 2 硝化綿 40 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共 重合体(積水化学製、エスレックA) 30 ポリウレタンエラストマー 30 (日本ポリウレタン製、エッセン5703) 混合溶剤(MIBK/トルエン) 250 分散後の混合物を、先に磁気記録層を形成した基材の反
対面側に乾燥厚みが1μmになるように塗布、乾燥を行
ない、カレンダーにて表面平滑化処理を行なった後、6
0℃の温度で24時間加熱処理し硬化を行なわせた。 バック層2 重量部 CaCO3(粒径 80mμ) 30 αFe2O3(150mμ) 20 アクリル変性塩ビ−酢ビ−ビニルアルコール共重 合体 30 アクリル変性ポリウレタンエラストマー 30 混合溶剤(MIBK/トルエン=1/1)300 上記混合物をボールミル中5時間混合させ、磁性面が形
成されているポリエステルフィルムの裏面に乾燥厚1.
5μになるように塗布し、エレクトロカーテンタイプ電
子線加速装置を用いて加速電圧150KeV、電極電流
10mA、吸収線量5Mrad、N2ガス中で電子線を
バックコート層に照射し、硬化を行った後カレンダー加
工して巻き取り、1/2″ビデオ巾に切断した。 バック層3 重量部 カーボンブラック(80mμ) 15 CaCO3(40mμ) 35 アクリル変性ポリウレタンエラストマー 30 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重 合体(U.C.C.VAGH) 70 混合溶剤(MIBK/トルエン=1/1)300 上記混合物をバック層2と同様に調製した。 これら磁性層の電気抵抗、バック層を設けない場合のド
ロップアウト、及びバック層の電気抵抗、E′(ヤング
率)、表面粗度を第1表に示す。 上記磁性層2とバック層3とを組合せた磁気記録媒体に
ついて、バック層における、顔料のバインダーに対する
割合を変更し、そのE′(ヤング率)、電気抵抗、バッ
ク面粗度を調整し、それに伴う各特性の変化をみた結果
を第2表に示す。 第2表から、磁性層の電気抵抗1010Ω/cm2以上で
あり、バック面が電気抵抗1010Ω/cm2以下、E′
が200〜1500Kg/mm2、その表面粗度がカッ
トオフ0.17mmでR20、0.20以下である範囲
(No.3〜7)のものが全特性にわたって良好なこと
が判る。 次いで、上記の磁性層1、2、3とバック層1、2、3
とを適当に組合せ、その形成順序を変えて磁気記録媒体
を製造した。ただし、この場合は各層の形成ごとにカレ
ンダー加工を実施した。各特性の測定結果を第3表に示
す。表中、、は形成順序を示す。比較例として磁性
層1とバック層1における顔料を除いたバック層を組合
せた磁気記録媒体を採用した。 第3表より次のことが判る。即ち、ドロップアウトは、
磁性層、バック層のいずれか一方が放射線硬化型の場合
(B、C)は両層共に熱硬化型の場合(A)よりも、裏
型転写がないため良好となり、またそのため出力も大き
くなる。磁性面及びバックコート面が放射線硬化の場合
(D)には電気変換特性等の点でさらにすぐれている。
表中のグループにおけるA−1、A−2を比較すると、
A−2の場合は初めに形成されるバックコート層のため
に薄いベースが補強されてベースのヤング率が大きくな
り、A−1の場合よりも巻きしまりによる悪影響がな
く、ロール状に巻いたテープの外側と内側での電磁変換
特性の差が少なくなっていることが判る。この傾向は
B、CについてもCがすぐれている点で同様である。さ
らにDのグループでは連続走行中に硬化が行なわれるた
めに巻きしまりによる影響が全くない。さらに脂肪酸
(場合により脂肪酸エステル)を添加することによりバ
ックコート面の削れ及び画像上で問題となるジッターの
発生が抑制され、例えばD−1における摩擦係数は0.
22であるが、D−1に脂肪酸を3重量部加えると、摩
擦係数は0.15となり、高温走行下で摩擦が低くなる
ためバックコート面の削れやジッターがなくなり、走行
性もスムーズとなる。このようにバック層に潤滑剤を入
れる方が、高温走行下でのスムーズな走行が達成され、
好ましいものである。 次に上記の第2表におけるビデオテープの表面粗度につ
いて検討した。第1図はビデオテープを3.8m/se
cで駆動し、中心周波数4.5MHzで記録、再生した
場合のS/N比(相対値)を示す。ただし曲線の添字は
磁性層の表面粗度である。これから判るように、磁性層
の表面粗度が0.08μm以下で、バックコート層の表
面粗度が0.6μm以下のときにS/N比を高く保つこ
とができる。他の組合せの場合も全く同様であった。 上記のビデオテープについて、磁性層の表面粗度が0.
08μm以下で且つバックコート層の表面粗度が0.0
5〜0.6μmの範囲にあるものについて、合金粉末の
BET比表面積とS/Nとの関係を調べたところ第2図
に示す結果を得た。ただし55dBを基準とした。これ
からBET値48m2/g以上のときにすぐれた特性が
得られることが判る。他の場合も同様であった。 更に巻きしまりを測定したところ、40℃、80%RH
では全て良好であった。 なお、上記の各特性の測定は次のようにして行なった。 1)シンチング現象、巻姿 一般市販のVHS方式VTRを用いて、テープ全長を早
送りした後早戻しを行ない、残り50mの所で停止し、
更に早戻しを最後まで行なう。然る後、テープの巻き状
態を目視により観察した。 テープ層間にすき間がなく巻き状態が良好な場合を○ま
たは◎とし、テープ層間にすき間が発生した場合を×と
した。 2)バックコート面削れ 一般市販のVHS方式VTRを用い、40℃、60%の
環境下で100回走行させた後カセットケース内の汚れ
を観察した。○は汚れがない状態、×は汚れがひどい状
態を示す。 3)走行中ガイド付着 一般市販のVHSVTRを用い、40℃、60%の環境
下で100回走行させた後、カセットケース内のガイ
ド、VHSデッキのガイド付着を観察した。 4)接着 固定板に両面テープを貼り、その上にバックコート面を
貼り合わせ、180゜方向に引張ったとき、バックコー
ト面のはがれる張力を読みとる。測定は島津製作所オー
トグラフ、20℃で行った。 5)製造中のカレンダー汚れ 製造時70℃のカレンダー処理をした時のカレンダー付
着を観察した。 6)ヤング率 粘弾性スペクトロメーター(岩木製作所、東洋ボートウ
ィン、東洋精工社)での20℃での測定値による。 7)ドロップアウト 20℃、60%RH、VHSデッキを用い、4MHzの
単一信号を記録し、再生した場合の信号が、平均再生レ
ベルより18dB以上低下する時間が15μ秒以上であ
るものの個数を、サンプル10個について1分間当りで
数え、その平均をとった。磁気テープ走行前のもの
(初)と、100回走行後のものについて測定した。 8)表面粗度 タリステップ(TAYLOR−HOBSON社製)を用
いて得たチャートから20点平均法で求めた。カットオ
フ0.17mm、針圧0.1×2.5μを用いた。 9)電磁変換特性 中心周波数5MHzで記録、再生した場合のS/N比
(相対値)を示す。VHSのVTRを改造し5MHzま
で測定できるようにした。 10)電顕撮影法 a)透過電顕によりテープからの抽出法により、平均粒
子径を測定する。 b)走査型電顕による断面写真法による。この場合、粒
子が凝集している場合があるので、バラツキが大の場合
は最小粒子径を平均粒子径とする。 11)摩擦係数 直径4mmの表面を研磨したアルミ円柱に磁気テープの
バック面を内側にして180゜の抱き角で巻きつけ、2
cm/秒で走行し、送り出し側と巻き取り側のテンショ
ンを測定し計算より求めた。
第1図は磁気記録媒体の磁性層及びバックコート層の表
面粗度とS/Nの関係を示すグラフ、第2図は合金磁性
粉末のBET比表面積とS/Nの関係を示すグラフであ
る。
面粗度とS/Nの関係を示すグラフ、第2図は合金磁性
粉末のBET比表面積とS/Nの関係を示すグラフであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 有岡 博之 東京都中央区日本橋1丁目13番1号 テイ ーデイーケイ株式会社内 (72)発明者 久保田 悠一 東京都中央区日本橋1丁目13番1号 テイ ーデイーケイ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭49−11305(JP,A) 特開 昭57−200937(JP,A) 特開 昭57−130234(JP,A) 特開 昭58−91528(JP,A) 特開 昭57−200938(JP,A) 特開 昭57−154618(JP,A) 特開 昭57−143733(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】非磁性基材の一方の面に磁気記録層、他方
の面にバックコート層を設けた磁気記録媒体において、
磁気記録層がBET法で48m2/g以上の比表面積を有
する強磁性合金粉末を樹脂バインダー中に分散したもの
からなり、該磁気記録層の電気抵抗が1010Ω/cm2以
上、保磁力が1000 Oe以上であり、磁性層の表面
粗度がカットオフ0.17mmでR20、0.08μm
以下であり、バックコート層が電気抵抗1010Ω/cm2
以下でE′(ヤング率)が200〜1500Kg/mm
2、その表面粗度がカットオフ0.17mmでR20、
0.20μm以下であることを特徴とする磁気記録媒
体。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP58174184A JPH0644341B2 (ja) | 1983-09-22 | 1983-09-22 | 磁気記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP58174184A JPH0644341B2 (ja) | 1983-09-22 | 1983-09-22 | 磁気記録媒体 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6066319A JPS6066319A (ja) | 1985-04-16 |
| JPH0644341B2 true JPH0644341B2 (ja) | 1994-06-08 |
Family
ID=15974182
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP58174184A Expired - Lifetime JPH0644341B2 (ja) | 1983-09-22 | 1983-09-22 | 磁気記録媒体 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0644341B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
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|---|---|---|---|---|
| JPH0782637B2 (ja) * | 1987-10-16 | 1995-09-06 | コニカ株式会社 | 磁気記録媒体 |
| US5063105A (en) * | 1989-01-17 | 1991-11-05 | Fuji Photo Film Co., Ltd. | Magnetic recording medium in which certain physical properties of the magnetic layer and the backcoat layer are specified |
Family Cites Families (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS55818B2 (ja) * | 1972-05-31 | 1980-01-10 | ||
| JPS57130234A (en) * | 1981-02-02 | 1982-08-12 | Fuji Photo Film Co Ltd | Magnetic recording medium |
| JPS57143733A (en) * | 1981-03-02 | 1982-09-06 | Hitachi Ltd | Magnetic recording medium |
| JPS57154618A (en) * | 1981-03-19 | 1982-09-24 | Sony Corp | Magnetic recording medium |
| JPS57200937A (en) * | 1981-06-05 | 1982-12-09 | Tdk Corp | Magnetic recording medium |
| JPS57200938A (en) * | 1981-06-05 | 1982-12-09 | Tdk Corp | Magnetic recording medium |
| JPS5891528A (ja) * | 1981-11-24 | 1983-05-31 | Hitachi Maxell Ltd | 磁気記録媒体 |
-
1983
- 1983-09-22 JP JP58174184A patent/JPH0644341B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6066319A (ja) | 1985-04-16 |
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