JPH0647555B2 - フィブリン親和性ウロキナーゼ複合体含有血栓溶解剤 - Google Patents

フィブリン親和性ウロキナーゼ複合体含有血栓溶解剤

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JPH0647555B2
JPH0647555B2 JP61003599A JP359986A JPH0647555B2 JP H0647555 B2 JPH0647555 B2 JP H0647555B2 JP 61003599 A JP61003599 A JP 61003599A JP 359986 A JP359986 A JP 359986A JP H0647555 B2 JPH0647555 B2 JP H0647555B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はフィブリン親和性ウロキナーゼ複合体、その製
法および血栓溶解剤に関する。
詳述すると本発明は、フィブリンに対する親和性が高
く、優れた血栓溶解能を示すフィブリン親和性ウロキナ
ーゼ複合体、ヒトの尿からのフィブリン親和性ウロキナ
ーゼ複合体の製法並びにこのフィブリン親和性ウロキナ
ーゼ複合体を含有する血栓溶解剤に関するものである。
従来の技術 ウロキナーゼは尿中で発見されたプラスミノーゲン活性
化因子の一つで、腎臓で生合成されて尿中に排泄され
る。その作用はプラスミノーゲンに特異的でプラスミノ
ーゲン分子内のアルギニン−バリン(Arg−Val)
結合を切断してプラスミンとする活性を有する。周知の
ようにプラスミンは血中に形成されたフィブリン塊を溶
解させる作用を有する。すなわち繊維素溶解現象を起こ
すゆえに、ウロキナーゼは血栓溶解剤として脳血管閉
塞、心筋梗塞、肺栓塞等の血栓症の治療及び制癌剤(マ
イトマイシンC(商品名)など)との併用療法に広く用
いられている。またこのウロキナーゼは胃腸管からの吸
収が悪いために静脈注射又は静脈内点滴注射することに
より投与されている。
しかしながら、生体内に投与されたウロキナーゼは血中
のプラスミノーゲンを活性化してプラスミンを生成する
一方、血中に存在する各種の阻害物質により急速に阻害
を受ける。特にプラミンの生成に対して血中に大量に産
生されてくるα−プラスミンインヒビター等の抗プラ
スミンなどは、ウロキナーゼにより活性化されたプラス
ミンと複合体を形成することにより間接的にウロキナー
ゼを失活させてしまう。またウロキナーゼ自体の血中半
減期も約15分と比較的短い。このため生体内に投与さ
れた際のウロキナーゼの繊維素溶解持続時間は十分なも
のではない。さらにウロキナーゼはフィブリンに対する
親和性が低いためにフィブリン塊の近接部位でプラスミ
ノーゲンを活性化してプラスミンを生成することがなか
なか困難であり、血中のフィブリンを効果的に溶解する
ことができなかった。従って、所望の血栓溶解能を発揮
させるためには血中濃度をある閾値以上に上げる必要が
あり、今日の大量投与療法へと進展してきた。しかし、
必ずしも十分な臨床的効果を上げるものではなかった。
また最近、フィブリンに対する親和性の高い血栓溶解剤
として、組織型アクチベータ(t−PA)および一本鎖
ウロキナーゼの利用も考えられており、これらは上記の
ウロキナーゼよりも高い臨床的効果を与えることが予想
されているが、臨床的効果の高い成分の比活性が比較的
低く、また安定性が低いという不都合がある。更に精製
収率が低く、殊に組織型アクチベータの場合、ヒトの組
織を原料とするために、その製造に要するコストが極め
て高いという問題がある。
発明が解決しようとする課題 したがって、本発明は生体内における安定性が高くかつ
フィブリンに対する親和性の高いウロキナーゼ複合体、
その製法および血栓溶解剤を提供することを目的とす
る。本発明はまた、経静脈的または経口的に投与し得る
血栓溶解剤として臨床的効果が高くしかも安定なフィブ
リン親和性ウロキナーゼ複合体およびヒトの尿からこの
フィブリン親和性ウロキナーゼ複合体の収率の高い製法
を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段 上記諸目的は、フィブリン親和性ウロキナーゼ複合体に
より達成される。この複合体はミカエリス定数Kmが7
4μM、S−2444使用合成基質法による最大速度V
maxが0.57×10−9mol/min,Kcat
が3.8sec−1、そしてKcat/Kmが0.05
1μM/sec−1、SDS−PAGE法により分子量
が97500±3000であるという特性を有してい
る。
上記諸目的は、ヒトの尿を任意の順序でフィブリン親和
性クロマトグラフィ−およびリジン親和性クロマトグラ
フィーにかけ、フィブリン親和性クロマトグラフィーに
おいて親和吸着され、かつリジン親和クロマトグラフィ
ーにおいて吸着されない分画を取り出すことを特徴とす
るフィブリン親和性ウロキナーゼ複合体の製法により達
成される。ここに得られるフィブリン親和性ウロキナー
ゼ複合体含有分画は物理的分離法により単離精製され
る。
本発明は、ヒトの尿をフィブリン親和性クロマトグラフ
ィーにかけて得られる吸着分画を、次いでリジン親和性
クロマトグラフィーにかけて非吸着分画を取り出すもの
であるフィブリン親和性ウロキナーゼ複合体の製法を示
すものである。
本発明はまた、ヒトの尿をリジン親和性クロマトグラフ
ィーにかけて得られる非吸着分画を、次いでフィブリン
親和性クロマトグラフィーにかけて得られる吸着分画を
取り出すものであるフィブリン親和性ウロキナーゼ複合
体の製法を示すものである。
本発明はさらに、ヒトの尿は予め濾過されて沈殿物を取
り除かれたものであるフィブリン親和性複合体の製法を
示すものである。
また、本発明は、フィブリン親和性クロマトグラフィー
には、フィブリン−セライトカラムまたはフィブリン−
アガロースカラムが用いられるものであるフィブリン親
和性ウロキナーゼ複合体の製法を示すものである。
さらに本発明は、リジン親和性クロマトグラフィーには
リジン−アガロ−スカラムが用いられるものであるフィ
ブリン親和性ウロキナーゼ複合体の製法を示すものであ
る。
さらに本発明は、親和性クロマトグラフィーにより得ら
れる分画は物理的分離法にかけられる前に濃縮されるも
のであるフィブリン親和性ウロキナーゼ複合体の製法を
示すものである。
また本発明は、物理的分離法による単離はゲル濾過法ま
たは電気泳動法によって行われるものであるフィブリン
親和性ウロキナーゼ複合体の製法を示すものである。
さらに、上記諸目的はフィブリン親和性ウロキナーゼ複
合体を含有することを特徴とする血栓溶解剤により達成
される。この複合体はミカエリス定数Kmが74μM、
S−2444使用合成基質法による最大速度Vmaxが
0.57×10−9mol/min、Kcatが3.8
sec−1、そしてKcat/Kmが0.051μM/
sec−1、SDS−PAGE法による分子量が975
00±3000である。
本発明は、薬学的に許容しうる賦型剤を適当量含有する
ものである血栓溶解剤を示すものである。本発明はさら
に、静脈内投与形態を有するものである血栓溶解剤を示
すものである。本発明は又、注射剤または点滴剤の形態
を有するものである血栓溶解剤を示すものである。本発
明はさらに、経口投与形態を有するものである血栓溶解
剤を示すものである。本発明はさらに、カプセル剤、錠
剤、丸剤、顆粒剤、細粒剤または散剤の形態を有するも
のである血栓溶解剤を示すものである。本発明はさらに
また、腸溶性のものである血栓溶解剤を示すものであ
る。
本発明において用いられる「ウロキナーゼ複合体」なる
用語は、ミカエリス定数Kmが74μM、S−2444
使用合成基質法による最大速度Vmaxが0.57×1
−9mol/min、Kcatが3.8sec−1
そしてKcat/Kmが0.051μM/sec−1
SDS−PAGE法による分子量が97500±300
0である特性を有する複合体を意味する。
本発明において用いられる「親和吸着」または「吸着」
なる用語は、相互に生化学的特異性のある親和力を有す
る物質の一方よりなる吸着体に他方の物質が該生化学的
親和力をもって吸着した状態を意味する。したがって、
特に物理的吸着、化学的吸着などと「吸着」という言葉
を修飾しない限り、「吸着」という用語は上記の意味で
解されるべきである。
以下、本発明を実施態様に基づきより詳細に説明する。
本発明はヒトの新鮮な尿中には一般的なウロキナーゼと
は別に、プラスミノーゲンに対して活性化因子(アクチ
ベータ)として働き、且つフィブリンに対して親和性を
有する高分子量物質が存在するという発見に基づくもの
であり、該物質を単離し、その本体を明らかにすること
に成功して完成されるに至った。
後述するような方法を用いてヒト尿中より単離した本発
明に係る該高分子量物質に対して、免疫電気泳動を行う
と、高分子ウロキナーゼ(分子量約53000〜550
00)および低分子ウロキナーゼ(分子量約31000
〜33000)に対する抗血清に対して沈降線を形成す
る。このことからウロキナーゼと共通の抗原性を有する
ことが明らかである。
即ち、本発明のフィブリン親和性ウロキナーゼ複合体
は、ミカエリス定数Kmが74μM、S−2444使用
合成基質法による最大速度Vmaxが0.57×10
−9mol/min、Kcatが3.8sec−1、そ
してKcat/Kmが0.051μM/sec−1、S
DS−PAGE法による分子量が97500±3000
であることを特徴とするものである。
本発明のフィブリン親和性ウロキナーゼ複合体は、通常
のウロキナーゼと同様にプラスミノーゲンアクチベータ
として働き、プラスミノーゲンのArg−Val結合部
位を加水分解してプラスミンのH鎖(分子量5500
0)、L鎖(分子量26000)及び分解断片(分子量
8000)を生じさせる。該フィブリン親和性ウロキナ
ーゼ複合体のプラスミノーゲンアクチベータとしての比
活性は、通常のウロキナーゼ(分子量53000−55
000の高分子量ウロキナーゼ及び分子量31000−
33000の低分子量ウロキナーゼ)の約1/3−1/
4程度である。
しかしながら、該フィブリン親和性ウロキナーゼ複合体
は、通常のウロキナーゼよりもフィブリンに対する親和
性が高く、フィブリンへの親和性が認められる一本鎖ウ
ロキナーゼと同等かそれ以上の親和性を有し、さらにα
−プラスミンインヒビター、セリンプロテアーゼイン
ヒビターなどのような通常のウロキナーゼに対して阻害
性を示し、失活させてしまうような物質の存在下におい
てもこれらの影響を受けることなく安定である。
従って、生体内に投与された場合に、従来の血栓溶解剤
と比較してその繊維素溶解能は高く、また繊維素溶解持
続時間も長いために、極めて優れた臨床的効果が期待さ
れる。
本発明のフィブリン親和性ウロキナーゼ複合体は、室温
あるいは−20℃の条件下で長時間(約半年間)放置さ
れると分解を受けて分子量が50000〜60000程
度の物質へと変化してしまう。したがって、本発明のフ
ィブリン親和性ウロキナーゼ複合体の保存方法として
は、−20℃以下の温度、好ましくは−40℃〜−80
℃で凍結して保存するか、もしくは凍結乾燥して保存す
る。凍結乾燥にあっては一般的な条件で行ってよく、例
えば−40−−80℃で凍結し、0.3Torr以下の
減圧下で氷を昇華させる。
本発明のフィブリン親和性ウロキナーゼ複合体を血栓溶
解剤として使用する場合には、該フィブリン親和性ウロ
キナーゼ複合体を単独又は有効成分の1つとしてそのま
ま、あるいは該フィブリン親和性ウロキナーゼ複合体を
適当量含有する希釈物として用いることができる。この
場合該フィブリン親和性ウロキナーゼ複合体の安定化の
ために市販のウロキナーゼ製剤に加えられているアルブ
ミン、マンニット、ゼラチン、その他公知の薬学的に許
容しうる賦型剤を添加することは何等差し支えない。投
与量は一般に成人1日量約1万−12万I.U.であ
り、好ましくは3万−6万I.U.である。また、必要
により1−3回に分けて投与するのがよい。
また、この血栓溶解剤の生体への投与経路としては、静
脈内注射、静脈内点滴注射および経口投与等が用いられ
る。血栓溶解剤の形態もこれに応じたものとされ、例え
ば、静脈内投与系においては注射剤、点滴剤等に、また
経口投与系においてはカプセル剤、錠剤、丸薬、顆粒
剤、細粒剤または散剤等として調製される。
本発明のフィブリン親和性ウロキナーゼ複合体は生体外
的にも得られるが、ヒトの尿を原料として、以下の方法
により単離することで、優れた性能を有するフィブリン
親和性ウロキナーゼ複合体を高純度でかつ収率高く、ま
た比較的簡単に低コストで得ることができる。
即ち、ヒトの尿をフィブリン親和性クロマトグラフィー
およびリジン親和性クロマトグラフィーにかけ、フィブ
リン親和性クロマトグラフィーにおいて親和吸着されか
つリジン親和性クロマトグラフィーにおいて吸着されな
い分画を取り出し、さらにこの分画中に含まれるミカエ
リス定数Kmが74μM、S−2444使用合成基質法
による最大速度Vmaxが0.57×10−9mol/
min、Kcatが3.8sec−1,Kcat/Km
が0.051μM/sec−1,SDS−PAGE法に
よる分子量が97500±3000の物質を物理的分離
方法により単離する新規な方法を用いるのである。
この方法において、フィブリン親和性クロマトグラフィ
ーとリジン親和性クロマトグラフィーを行う順序は任意
である。即ち、(1)ヒトの尿をフィブリン親和性クロ
マトグラフィーにかけて得られる吸着分画を続いてリジ
ン親和性クロマトグラフィーにかけて得られる非吸着分
画を取り出す工程を採用しても、或いは(2)ヒトの尿
をリジン親和性クロマトグラフィーにかけて得られる非
吸着分画を続いてフィブリン親和性クロマトグラフィー
にかけて得られる吸着分画を取り出す工程を採用しても
よい。
しかしながら収率の点から見ると、後者の順序によるも
のが有利である。ここでは、その一実施態様として前者
の順序による場合を例にとり本発明によるフィブリン親
和性ウロキナーゼ複合体の製法をより具体的に説明す
る。
原料となるヒトの尿としては新鮮なものが用いられる。
好ましくは、尿を親和性クロマトグラフィーにかける前
に濾過して尿中に含まれる沈殿物を除去することが望ま
しい。
次に、尿はフィブリン親和性クロマトグラフィーにかけ
られる。用いられるカラムとしては、例えば、スロンボ
ーシスリサーチ、第2巻、第137−154頁、197
3年、ペルガモン プレス インコーポレーレッド[Th
rombosis Reseach,vol.2,pp.137-154,1973,Pergamo
n Press,Inc.]に記載されたディー.エル.ヘーンとエ
フ.アール.マチアス[D.L.Heene and F.R.Matthias]
の報告において調製されるようなフィブリン(モノマ
ー)−アガロ−スゲルカラムや、プロスィ−ディング
オブ ザ ナショナル アカデミィ− オブ サイエン
スィーズ オブ ザ ユナイテッドステート オブ ア
メリカ、第78巻、第7号、第4265−4269頁、
1981年7月、バイオケミストリー[Proc.Natl.Aca
d.Sci.USA,Vol.78,No.7,pp.4265-4269,July 1981,Bioch
emistry]に記載されたエス.ソーカット.ヒューセイ
ンら[S.Shaukat Husain et.al.]の報告において調整
されるようなフィブリン−セライト(CeliteR(商
標).SiOを骨格とするケイソウ土製品)カラムな
どが用いられる。
尿が、例えば塩化ナトリウムを含有するリン酸緩衝液で
平衡化された上記のようなフィブリン−セファロースカ
ラムに流されると、尿中に含まれるウロキナーゼは、フ
ィブリンに対して親和性を示さないため、カラムに吸着
されないが、フィブリン親和性ウロキナーゼ複合体は、
フィブリンに対する特異的な親和力によって強く吸着さ
れる。カラムに吸着したフィブリン親和性ウロキナーゼ
複合体は、0.5M塩化ナトリウム溶液でも溶出され
ず、0.2Mアルギニン溶液や6M尿素溶液などで溶出
されてくる。したがって、吸着カラムを、たとえば0.
5M塩化ナトリウム、1mMEDTAを含有する0.0
1Mリン酸緩衝液(pH7.6)を洗浄液に用いて洗浄
し、カラムに付着している未吸着物質や単に物理的に吸
着している物質を除去した後、該吸着カラムを例えば1
mMEDTAおよび0.2Mアルギニンを含有する0.
01Mリン酸緩衝液(pH7.6)を溶出液に用いて処
理し、吸着物質を溶出する。このようにして得られる吸
着分画には、フィブリン親和性ウロキナーゼ複合体のほ
か、尿中に存在しているフィブリンに特異的な親和性を
示す他の物質、例えばプラスミン、プラスミノーゲン、
組織型アクチベータ、一本鎖ウロキナーゼなどが含まれ
ている。
次に、フィブリン親和性クロマトグラフィーの吸着分画
は、さらにリジン親和性クロマトグラフィーにかけられ
る。用いられるカラムとしては、ディー.ジー.デッチ
とイ−.ティ.マーツスによるサイエンス、第170巻
第1095頁(1970年)[D.G.Deutsch and E.T.Me
rtz,Science,Voll 70 pp.1095(1970)]に記載されてい
るようなリジン−アガロースゲルカラムなどが用いられ
る。前記分画が、例えば塩化ナトリウムを含有するリン
酸緩衝液で平衡化されたリジン−アガロ−スゲルカラム
に流されると、該分画中に含まれていたプラスミノーゲ
ン、プラスミン、組織型アクチベータなどはリジンに対
して親和性を示すために吸着されるが、フィブリン親和
性ウロキナーゼ複合体、一本鎖ウロキナーゼなどは親和
性を示さないため吸着されない。なお、ウロキナーゼは
リジンやアルギニンのメチルエステルなどを加水分解す
るエステラーゼ活性を持っており、そのためかリジン−
アガロースゲルに親和性を示す。従ってフィブリン親和
性クロマトグラフィーにより先にリジン親和性クロマト
グラフィーが行われる場合、尿中に存在するウロキナー
ゼは、リジン親和性クロマトグラフィーの吸着分画中に
含まれることになる。さて、リジン親和性クロマトグラ
フィーにおいてリジン−アガロースゲルカラムを通過し
た非吸着分画、すなわち、フィブリン親和性ウロキナー
ゼ複合体含有分画が集められ、次の工程へと運ばれる。
尿とリジン親和性クロマトグラフィーにかけ、得られた
非吸着分画を続いてフィブリン親和性クロマトグラフィ
ーにかけ吸着分画を得た場合にも該吸着分画は同様のフ
ィブリン親和性ウロキナーゼ複合体含有分画となってい
る。得られた分画は、好ましくはポリエチレングリコー
ル等の除水剤を用いてあるいは凍結乾燥されて濃縮され
る。
このフィブリン親和性ウロキナーゼ複合体含有はさらに
物理的分離法によって処理され、フィブリン親和性ウロ
キナーゼ複合体が単離される。用いられる物理的分離法
としては、該分画中に含まれるフィブリン親和性ウロキ
ナーゼが高分子量物質であり、これに対して一本鎖ウロ
キナーゼなどの非目的物質が比較的低分子量物質である
ため、この物理的性質の差を利用するものが好ましく、
例えばゲル濾過法、電気泳動法などが用いられる。電気
泳動法としては分離用ゲル電気泳動(プレパラティブゲ
ルエレクトロホレーシスシステム)を用いるが、或いは
SDS−PAGE後、蛋白回収装置を用い単離物質を回
収する方法がとられている。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明する。
実施例1 フィブリン親和性ウロキナーゼ複合体の尿よ
りの単離(I) 新鮮なヒト尿41を低温条件下(4℃)で集め濾紙(東
洋濾紙No.2)を用いて吸引濾過を行った。濾過され
た尿を予め0.01Mリン酸緩衝液(pH7.6)をも
って平衡化されたリジン−セファロースカラム(ゲル容
量20ml)に添加し、リジン−セファロースカラムを
通過した分画を集める。次いでこの分画をフィブリンセ
ファロースカラム(ゲル容量40ml,0.01Mリン
酸緩衝液(pH7.6.)で平衡化)に添加し、このカ
ラムを0.5M塩化ナトリウム、1mMEDTAを含有
する0.01Mリン酸緩衝液、(pH7.6)で十分洗
浄し、その後、1mMEDTA,0.2Mアルギニンを
含有する0.01Mリン酸緩衝液(pH7.6)を用い
てこのカラムに吸着している蛋白質分を溶出させた。最
後にこの溶出分画をポリエチレングリコールで濃縮し、
得られた濃縮分画(2ml)をセファデックスG−10
0(ファルマシア製)(ゲル容量2.0×90ml、
0.01Mリン酸緩衝液(pH7.6)で平衡化)に添
加し、0.01Mリン酸緩衝液(pH7.6)でゲル濾
過を行った。フィブリン親和性ウロキナーゼ複合体は前
半部分に主要ピークを示して溶出し(分子量97500
±3000の位置)、後半部分に僅かながら一本鎖ウロ
キナーゼが溶出されてきた。得られたフィブリン親和性
ウロキナーゼ複合体は0.51mgであった。
実施例2 フィブリン親和性ウロキナーゼ複合体の尿よ
りの単離(II) 新鮮なヒト尿41を低温条件下(4℃)で集め濾紙(東
洋濾紙No.2)を用いて吸引濾過を行った。濾過され
た尿を、予め0.01Mリン酸緩衝液(pH7.6)を
もって平衡化されたフィブリン−セファロースカラム
(ゲル容量40ml)に添加し、このカラムを0.5M
塩化ナトリウム、1mMEDTAを含有する0.01M
リン酸緩衝液(pH7.6)で十分洗浄し、その後、1
mMEDTA、0.2Mアルギニンを含有する0.01
Mリン酸緩衝液(pH7.6)を用いてこのカラムに吸
着している蛋白質分を溶出させた。次にこの溶出分画を
予め0.01Mリン酸緩衝液(pH7.6)をもって平
衡化されたリジン−セファロースカラム(ゲル容量20
ml)に添加し、リジン−セファロースカラムを通過し
た分画を集める。最後にこの非吸着分画をポリエチレン
グリコールで濃縮し、得られた濃縮分画(2ml)をセ
ファデックスG−100(ゲル容量2.0×90ml、
0.01Mリン酸緩衝液pH7.6で平衡化)に添加
し、0.01Mリン酸緩衡液,pH7.6でゲル濾過を
行った。フィブリン親和性ウロキナーゼ複合体は前半部
分に主要ピークを示して溶出し(分子量97500±3
000の位置)、後半部分に僅かながら1本鎖ウロキナ
ーゼが溶出されてきた。得られたフィブリン親和性ウロ
キナーゼ複合体は0.32mgであった。
実施例3 フィブリン親和性ウロキナーゼ複合体の確認 実施例3.1 免疫電気泳動法 1%アガロースを含有する0.05Mベロナール緩衝液
(pH8.6、μ=0.06)を用いて、アガロースゲ
ルの厚さが約1mmとなるようにガラス平板上に、電気
泳動用ゲルを作製した。ゲル上に10μ1用のサンプル
添加用スポットを作製し、これにサンプル10μ1を添
加する。
電気泳動用緩衝液として、同じく0.05Mベロナール
衝衝液(pH8.6、μ=0.06)を準備し、アガロ
ースゲルの両端が、濾紙を通して泳動用緩衝液に浸るよ
うにした。電気泳動は150Vの定電圧で約2時間行っ
た。泳動したサンプルの側部に、泳動方向と平行にゲル
上に溝を作製し、これに抗血清を満たし、37℃のイン
キュベーター中で一夜放置した。翌日泳動サンプルと抗
体との沈降線形成を目視あるいはイムノビュアー下で観
察した。
この結果より、実施例1および実施例2で得られたフィ
ブリン親和性ウロキナーゼ複合体がウロキナーゼと共通
の抗原性を有することが確認された。
実施例3.2 ザイモグラフィー 実施例1で得られたフィブリン親和性ウロキナーゼ複合
体の0.01Mリン酸緩衝液を、10%SDS(ドデシ
ル硫酸ナトリウム)、50%グリセリンを含有する0.
5Mトリス緩衝液と等量混合し、SDS化したのち0.
1%SDSを含有する0.025Mトリス−0.19M
グリシン緩衝液(pH8.3)を電気泳動用緩衝液とし
てSDS−ポリアクリルアミドゲルスラブ電気泳動法
(10%ゲル、サイズ14×14×0.2cm)にて8
mAで約16時間、4℃条件で電気泳動した。電気泳動
後、ゲルを2.5%トリトンX−100(tritonX−1
00)溶液中に1時間浸し、その後水洗してSDSを取
り除いた。ゲルの付着水分を濾紙で除き、プラスミノー
ゲン含有フィブリン平板上にのせ、37℃で約15時間
インキュベーションした。この結果分子量97500±
3000の位置に溶解窓が認められた。
なお、本実験において用いられたプラスミノーゲン含有
フィグリン平板は以下に記載の方法により調製された。
プラスミノーゲン含有フィブリン平板の作製45℃に保
温した10U/mlトロンビン溶液[(0.85%塩化
ナトリウムを含有する5mMリン酸緩衝液(pH7.
2)]10mlに、25mg/ml寒天溶液[(0.8
5%塩化ナトリウムを含有する5mMリン緩衝液(pH
7.2)]20ml.500CU/mlプラスミノー
ゲン溶液[(0.85%塩化ナトリウムを含有する5m
Mリン酸緩衝液(pH7.2)]100μlを加えて混
和した。さらに、0.4%フィブリノーゲン(ボビン、
タイプ2**)溶液(0.85%塩化ナトリウムを含有
する5mMリン酸緩衝液(pH7.2)10mlを加
え、静かに撹拌均一とし、角型シャーレ(栄研・225
×75×15mm)に注ぎ込み,室温にて放冷・固化さ
せた。ここで得られたプラスミノーゲン含有フィブリン
平板はフィブリン濃度0.1%、プラスミノーゲン濃度
1.25CU/mlである。
* カゼインユニット ** 第一化学薬品 実施例4 フィブリン親和性ウロキナーゼ複合体の酵素
学的定数測定 実施例1で得られたフィブリン親和性ウロキナーゼ複合
体の酵素学的定数の測定は合成基質S−2444(スウ
ェーデンKAB1社製)を用い、14.2μg/mlお
よび8.0μg/mlの濃度で0.33M塩化ナトリウ
ムを含有する0.05Mトリス−塩酸緩衝液(pH8.
8)を用いて37℃において15分間反応させた。比較
のためウロキナーゼの酵素学的定数を同条件下で測定し
た。その結果を第1表に示す。
またフィブリン親和性ウロキナーゼ複合体は、合成基質
S−2251を加水分解せず、プラスミノーゲンを含有
しないフィブリン平板を溶解しない。しかしながらプラ
スミノーゲン含有フィブリン平板を溶解した。
実施例5 フィブリン親和性ウロキナーゼ複合体の保存
性 実施例1および2で得たフィブリン親和性ウロキナーゼ
複合体の保存安定性を調べるため種々の温度条件下(室
温、−20℃、−40℃、−80℃)に保ち、分子量の
変化を調べた。なお、分子量は実施例3.2と同様にし
てスラブ電気泳動後、プラスミノーゲン含有フィブリン
平板にのせ、フィブリン分解活性を調べることにより測
定した。この結果室温および−20℃に保存されたもの
は約半年後に分子量が約50000に減少した。
実施例6 フィブリン親和性ウロキナーゼ複合体の血中
安定性(生体外) 実施例1で得られたフィブリン親和性ウロキナーゼ複合
体およびウロキナーゼを生体外(in vitro)でヒト血漿
にそれぞれ40IU/mlとなるように添加し、37℃
で経時的にサンプリングし、プラスミノーゲン含有フィ
ブリン平板を用いて残存プラスミノーゲンアクチベータ
活性を測定した。その結果を第1図に示す。この結果ウ
ロキナーゼが100分後に67%、8時間後に46%の
残存活性であったのに対し、フィブリン親和性ウロキナ
ーゼ複合体の場合は100分後に83%、8時間後に7
3%の残存活性を保持していた。
またウロキナーゼは40時間後においても34%の残存
活性を示したがこの活性の大部分はウロキナーゼが血漿
中に存在していたフィブリン親和性物質と形成した複合
体によるものであることがザイモグラフィーの結果から
明らかになった。
実施例7 セリン・プロテアーゼ・インヒビタ−(DF
P)に対する感受性 セリン・プロテアーゼ・インヒビターのウロキナーゼお
よびフィブリン親和性ウロキナーゼ複合体に対する影響
を以下のようにして調べた。
1)尿中 ヒト新鮮尿(排泄24時間以内)200mlを水(脱イ
オン水)に対して一夜透析後、ポリエチレングリコール
で約100倍に濃縮し、これをウロキナーゼ親和性セフ
ァロース(1ml容)に通した。1M塩化ナトリウムを
含有する0.01Mリン酸緩衝液(pH7.6)で非吸
着物質を除去後、0.17Mグリシン−塩酸緩衝液(p
H2.3)で溶出し、この溶出液を0.5M炭酸緩衝液
(pH9.5)で直ちに中和した。この調整液25μl
にDFPを25mMとなるように添加し、37℃で1時
間処理した。これを前述の方法でザイモグラフィーを行
った。
2)血漿中 ヒト血漿500μlにウロキナーゼを9単位添加し、3
7℃で20分間インキュベートした。0.01Mリン酸
緩衝液(pH7.6)で5倍容に希釈後、ウロキナーゼ
親和性セファロース(0.1ml容)に通した。0.5
M塩化ナトリウムを含有する0.01Mリン酸緩衝液
(pH7.6)で非吸着物質を除去後、0.17Mグリ
シン−塩酸緩衝液(pH2.3)で溶出し、この溶出液
を0.5M炭酸緩衝液(pH9.5)で直ちに中和し
た。この調整液100μlにDPFを10mMとなるよ
うに添加し、37℃で20分間処理した。これを前述の
方法でザイモグラフィーを行った。
その結果、尿中および血漿中の遊離ウロキナーゼ(分子
量33000の低分子ウロキナーゼ:および分子量55
000の高分子ウロキナーゼ)がセリンプロテアーゼイ
ンヒビターにより活性が阻害されるに対し、フィブリン
親和性のウロキナーゼ複合体はなんら阻害されないこと
が明らかとなった。この理由としては、ウロキナーゼ複
合体においてはウロキナーゼ分子表面に露出しているセ
リン活性基がフィブリン親和性物質と結合することによ
り保護されるような分子構造となるためと考えられる。
実施例8 フィブリン親和性ウロキナーゼ複合体のラッ
トにおける投与後の血中持続性 ウロキナーゼおよび実施例1で得られたフィブリン親和
性ウロキナーゼ複合体を用い、ラットへ静脈注射画の血
中半減期を比較した。
ウロキナーゼおよびフィブリン親和性ウロキナーゼ複合
体をそれぞれ10,000単位/0.5ml(生理食塩
水)づつ、体重200−250gのウィスター系雄性ラ
ットの尾静脈内へ投与した。投与後、下大静脈よりアプ
ロチニン(50KIE/ml)を含む3.8%クエン酸
(1/10量)にて採血し、4℃下、3000rpmに
て10分間遠心分離し、血漿を得た。血漿中のウロキナ
ーゼ活性は合成基質S−2444にて測定した。
その結果を第2図に示した。ウロキナーゼは血中半減期
が約3分であるのに対して、本発明のフィブリン親和性
ウロキナーゼ複合体は約16分であり、血中での持続性
に優れていることが確認された。それぞれの値は3匹の
平均値で示した。
実施例9 フィブリン親和性ウロキナーゼ複合体のビー
グル犬における血中持続性 ウロキナーゼおよび実施例1で得られたフィブリン親和
性ウロキナーゼ複合体を用い、ビーグル犬へ静脈投与後
の血中半減期を比較した。
ウロキナーゼおよびフィブリン親和性ウロキナーゼ複合
体をそれぞれ60,000単位/5ml(生理食塩水)
づつ、体重約10kgのビーグル犬の右後肢静脈内へ投
与した。投与後、前腕静脈より実施例8と同様にアプロ
チニン含有クエン酸にて採血し、血漿中のウロキナーゼ
活性を合成基質S−2444にて測定した。
その結果を第3図に示した。ウロキナーゼは血中半減期
が約13分であるに対し、本発明のフィブリン親和性ウ
ロキナーゼ複合体は約45分であり、血中での持続性に
優れていることが確認された。それぞれの値は3頭の平
均値で示した。
実施例10 フィブリン親和性ウロキナーゼ複合体の急
性毒性 ウィスター系雄性ラット(7週令)を用いて、静脈内投
与による急性毒性試験を行った。
本発明に係わるフィブリン親和性ウロキナーゼ複合体を
1×10I.U./kg、7日間投与したが死亡例は
認められないため、LD50値は1×10I.U./
kg以上であり、高い安全性が確認された。
実施例11 注射剤の製造(I) 実施例1で得られたフィブリン親和性ウロキナーゼ複合
体24,000単位に精製ゼラチン10mg、マンニト
ール100mgを加え、メンブランフィルターを用いて
無菌的に濾過した。濾液を滅菌済みのバイアル瓶に分注
し、−60℃で1時間予備凍結し、25℃、0.1To
rrで24時間凍結乾燥し、凍結乾燥注射剤を製造し
た。
実施例12 注射剤の製造(II) 実施例1で得られたフィブリン親和性ウロキナーゼ複合
体60,000単位にヒト血清アルブミン20mg,マ
ンニトール200mgを加え、実施例11と同様に操作
し凍結乾燥注射剤を製造した。
実施例13 カプセル製剤の製造 実施例1で得られたフィブリン親和性ウロキナーゼ複合
体を凍結乾燥し、その30,000単位にコーンスター
チ100mg、乳糖120mg、軽質無水ケイ酸1mg
を加えて混合した後2号ゼラチン硬カプセルに充填し
た。このカプセルにヒドロキシプロピルメチルセルロー
スフタレートの腸溶性被膜を施して腸溶性カプセル製剤
を製造した。
実施例14 錠剤の製造 実施例1で得られたフィブリン親和性ウロキナーゼ複合
体を凍結乾燥し、その60,000単位に乳糖100m
g、コーンスターチ30mg、タルク80mg、ステア
リン酸マグネシウム2mgを加えて混合した後打錠し
た。この錠剤に実施例13と同様に腸溶性被膜を施して
腸溶剤を製造した。
実施例15 フィブリン親和性ウロキナーゼ複合体のビ
ーグル犬における薬効持続性 市販注射用ウロキナーゼ製剤および実施例13で得たフ
ィブリン親和性ウロキナーゼ複合体腸溶性カプセル製剤
を用いてビーグル犬へ経腸投与あるいは静脈注射後の薬
効持続性を比較した。
市販注射用ウロキナーゼ製剤およびフィブリン親和性ウ
ロキナーゼ複合体腸溶性カプセル製剤をそれぞれ60,
000単位づつ、体重約10kgのビーグル犬の十二指
腸内へ投与した。別に市販注射用ウロキナーゼ製剤は静
脈内への投与も行った。
投与後、前腕静脈より3.8%クエン酸(1/10量)
にて採血し、4℃下、3000rpmにて10分間遠心
分離し血漿を得た。血漿中のα−プラスミンインヒビ
ター量(α−PI量)を合成基質S−2251を用い
て測定した。
その結果を第4図に示した。市販注射用ウロキナーゼ製
材を十二指腸へ投与した場合には、ほとんど吸収され
ず、α−PI量は低下しなかった。
また、静脈内投与した場合には急速な低下が認められた
が、速やかに回復してしまい持続性に欠けた。一方、フ
ィブリン親和性ウロキナーゼ複合体腸溶性カプセル製剤
を投与した場合には、1時間後に最大60%まで低下
し、8時間以上持続した。
実施例16 フィブリン親和性ウロキナーゼ複合体抗血
清製造法 実施例1で得られたフィブリン親和性ウロキナーゼ複合
体を、フロイントの完全アジュバンドと等量づつ混和
し、家兎に1−2ml注射して免疫を行う。4週間後に
同様の操作を行い追加免疫を行い、その後、2−3週間
後に、採血してフィブリン親和性ウロキナーゼ複合体に
対する抗血清を得た。この家兎抗血清を用いることで、
尿中のフィブリン親和性ウロキナーゼ複合体の抗原量お
よび血中のフィブリン親和性複合体の抗原量をローレル
法または1次免疫拡散法で測定することができる。
発明の効果 本発明によるフィブリン親和性ウロキナーゼ複合体はそ
の分子量が97500±3000であることを特徴とす
るものであり、フィブリンに対する親和性が高く、また
血中における安定性が良好であるため、プラスミノーゲ
ンに対するアクチベータとして高い効率を有し、優れた
繊維素溶解能を発現すためにその臨床的効果は極めて高
い。
また本発明のフィブリン親和性ウロキナーゼ複合体の製
法は、ヒトの尿をフィブリン親和性クロマトグラフィー
およびリジン親和性クロマトグラフィーにかけ、フィブ
リン親和性クロマトグラフィーにおいて親和吸着されか
つリジン親和性クロマトグラフィーにおいて吸着されな
い分画を取り出し、さらにこの分画中に含まれるミカエ
リス定数Kmが74μM、S−2444使用合成基質法
による最大速度Vmaxが0.57×10−9mol/
min、Kcatが3.8sec−1、Kcat/Km
が0.051μM/sec−1、SDS−PAGE法に
よる分子量が97500±3000である物質を物理的
分離法により単離することを特徴とするものであるか
ら、フィブリン親和性ウロキナーゼ複合体を高純度かつ
高収率で経済的にしかも大量に精製することができ、血
栓症の治療に対して大きな貢献をすることができる。ま
たヒトの尿が予め濾過されて沈殿物を取り除かれている
ものであり、フィブリン親和性クロマトグラフィーに
は、フィブリンセライトカラムまたはフィブリンアガロ
ースカラムが用いられ、リジン親和性クロマトグラフィ
ーにはリジンアガロースカラムが用いられ、親和性クロ
マトグラフィーにより得られる分画は物理的分離法にか
けられる前に濃縮され、さらに物理的分離法はゲル濾過
法または電気泳動法である場合により高純度および高収
率で経済的にしかも大量に精製することができる。
さらに本発明の血栓溶解剤はミカエリス定数Kmが74
μM、S−2444使用合成基質法による最大速度Vm
axが0.57×10−9mol/min、Kcatが
3.8gsec−1、Kcat/Kmが0.015μM
/sec−1、SDS−PAGE法による分子量が97
500±3000であるフィブリン親和性ウロキナーゼ
複合体を含有することを特徴とするものであり、上記し
たように優れた繊維素溶解能を有するフィブリン親和性
ウロキナーゼ複合体を有効成分として含有するために脳
血栓閉塞、心筋梗塞、肺栓塞等の血栓症の治療に好適に
用いられることができ、またその投与経路も静脈内、経
口等を用いることができる。
またフィブリン親和性ウロキナーゼ複合体に対する抗血
清を用いて尿中のフィブリン親和性ウロキナーゼ複合体
抗原量が測定可能になるに伴い様々な病態と疾患との関
連が解明でき、さらにウロキナーゼ治療中や組織型プラ
スミノーゲンアクチベータ治療中にフィブリン親和性ウ
ロキナーゼ複合体の血中濃度を監視することにより、一
層効果的な治療が実現可能となることも期待できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のフィブリン親和性ウロキナーゼ複合体
とウロキナーゼのヒト血漿中における残存プラスミノー
ゲンアクチベータ活性の経時変化を示すグラフ、 第2図はフィブリン親和性ウロキナーゼ複合体とウロキ
ナーゼをラットに投与した場合の血中持続性を示すグラ
フ、 第3図はフィブリン親和性ウロキナーゼ複合体とウロキ
ナーゼをビーグル犬に投与した場合の血中持続性を示す
グラフ、 第4図はフィブリン親和性ウロキナーゼ複合体腸溶性カ
プセル製剤と市販注射用ウロキナーゼ製剤をビーグル犬
に投与した場合の薬効持続性をすグラフである。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ミカエリス定数Kmが74μM、S−24
    44使用合成基質法による最大速度Vmaxが0.57
    ×10−9mol/min、Kcatが3.8sec
    −1、SDS−PAGE法による分子量が97500±
    3000であるフィブリン親和性ウロキナーゼ複合体を
    含有することを特徴とする血栓溶解剤。
  2. 【請求項2】薬学的に許容しうる賦型剤を適当量含有す
    るものである特許請求の範囲第1項に記載の血栓溶解
    剤。
  3. 【請求項3】静脈内投与形態を有するものである特許請
    求の範囲第1項に記載の血栓溶解剤。
  4. 【請求項4】注射剤または点滴剤の形態を有する特許請
    求の範囲第3項に記載の血栓溶解剤。
  5. 【請求項5】経口投与形態を有するものである特許請求
    の範囲第1項に記載の血栓溶解剤。
  6. 【請求項6】カプセル剤、錠剤、丸剤、顆粒剤、細粒
    剤、または散剤の形態を有するものである特許請求の範
    囲第5項に記載の血栓溶解剤。
  7. 【請求項7】腸溶性のものである特許請求の範囲第5項
    に記載の血栓溶解剤。
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