JPH0648521B2 - 垂直磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

垂直磁気記録媒体の製造方法

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JPH0648521B2
JPH0648521B2 JP16117485A JP16117485A JPH0648521B2 JP H0648521 B2 JPH0648521 B2 JP H0648521B2 JP 16117485 A JP16117485 A JP 16117485A JP 16117485 A JP16117485 A JP 16117485A JP H0648521 B2 JPH0648521 B2 JP H0648521B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は高分子フィルム基板上に磁性層が形成されてな
る垂直磁気記録媒体の製造方法に関するものである。
〔発明の技術的背景とその問題点〕
近年、磁気記録媒体の媒体面に垂直な方向の残留磁化を
利用して高密度な記録を行なう垂直磁気記録方式が注目
されている。
この垂直磁気記録のための垂直磁気記録媒体の代表的な
ものとしては、膜面に垂直な方向に磁化容易軸を有する
Co-Cr系合金層をスパッタリングにより形成して磁性層
とするものが知られている。
次に垂直磁気記録媒体の1例を第2図により説明する
と、ポリイミド,ポリエチレンテレフタレート,芳香族
ポリアミド等の耐熱性高分子フィルタからなる基板(1)
と、この基板(1)の少くとも1方の表面に Co-Cr系合金
層などからなる磁性層(2)を形成し、この磁性層(2)上に
保護膜(3)及び潤滑層(4)を順に設けることにより垂直記
録媒体を完成している。この垂直記録媒体は磁気テープ
やフロッピーディスクへの使用が考えられている。
ところで磁性層としての Co-Cr合金層はアルゴン雰囲気
中で通常のコンベンショナル・スパッタリング法あるい
はマグネトロン・スパッタリング法で形成される。そし
て形成された Co-Cr系合金層はC軸に配向された柱状構
成であり、磁気特性は主として Co-Cr系合金層の組成に
よって決まる飽和磁化Msの他に膜面に垂直な磁気異方性
エネルギーKuが大きく、膜面に垂直方向の保磁力Hc
が大きく高密度記録が可能となる条件を揃えている。
しかるに上述した製造法によって所望の磁気特性を有す
る Co-Cr系合金層を形成する場合、基板である高分子フ
ィルムを真空中で80℃乃至 200℃に加熱する必要があ
る。このため、より耐熱性のポリイミドフィルムや芳香
族ポリアミドフィルムの方がポリエステルフィルムより
成膜上取り扱い容易でオリゴマーの表面析出などの問題
点もない。
しかし、ポリイミドフィルムや芳香族ポリアミドフィル
ムのように流延法で成膜し、加熱処理によって容媒を除
去する工程が必要なフィルムにおいては容媒が残留する
という問題がある。
有機容媒の具体例として、N,N′−ジメチルアセトア
ミド,ジメチルスルホキシド,ヘキサメチル,ホスホル
アミド,N−メチル−2−ピロリドン,テトラメチル尿
素,テトラメチレンスルホン,フェノール,モノハロゲ
ン化フェノール,モノハロゲン化クレゾール,クレゾー
ル,キシレン等が挙げられる。
このため、耐熱性の優れたポリイミドフィルムや芳香族
ポリアミドフィルムを基板として真空中で加熱し、強磁
性合金層を形成する場合、これらフィルム中に含有され
た容媒が基板表面へにじみ出し、強磁性合金層の付着強
度が低下するという問題点がある。この付着強度の低下
は、磁気ヘッドによる同一トラック上での走行試験にお
いて、強磁性合金層の基板からのはがれやすさを伴なう
ため、垂直磁気記録媒体の寿命、信頼性という観点から
致命的な問題点である。
上記のような問題点は、スパッタリングや蒸着の前工程
として行なわれる加熱脱ガス処理のような通常の基板の
表面処理では解決できない。
例えば特開昭 59-129956号公報には、光磁気記録媒体の
アクリル樹脂基板を10−4Torr以下の真空下で70〜85℃
で1時間以上熱処理することにより、アクリル樹脂基板
の表面の脱ガスを行ない、基板上に形成される磁性層の
磁気特性を向上させるということが記載されている。し
かしながら、光磁気記録媒体では、ヘッドと非接触で使
用されるため、垂直磁気記録媒体のようにヘッドと接触
状態で使用させるものとは異なり、基板と磁性層との付
着強度は問題とはならない。
これに対して、ポリイミドフィルム,芳香族ポリアミド
フィルム等の膜中に残留している溶媒が主にN,N′−
ジメチルアセトアミド(沸点 165℃[760mmHg]63℃[1
2mmHg])の場合、10−4Torrよりもよい真空下で 100
℃、1時間程度の脱ガス処理を行なってもフィルム全体
の残存溶媒量はほとんど変らない。そのため、強磁性合
金層の付着強度も改善されず、フィルム中の残存溶媒に
よると考えられている磁気ヘッド走行経過に伴なう基板
フィルムと磁性層との間の球状部分はくりの数も軽減さ
れない。この原因は、残存溶媒とポリマー分子が相互作
用していて溶媒がフィルムから蒸発しにくなっているた
めである。実際に上記溶媒の場合、大気中での熱天秤装
置評価結果では、 260℃以上でないと試料フィルムの重
量変化は観測されない。
また、表面だけでなくフィルム全体の残存溶媒量の減少
は、上記磁気ヘッド走行による球状部分はくりに加え
て、強磁性合金層及び保護膜形成時の温度上昇に伴なう
残存溶媒のフィルム内部からフィルムと強磁性合金層と
の界面への熱拡散による付着強度の低下等から重要であ
る。
〔発明の目的〕
本発明は、上述の諸問題点に鑑みてなされたものであ
り、長寿命、かつ高信頼性の垂直磁気記録媒体を得る製
造方法を提供するものである。
〔発明の概要〕
本発明は、高分子フィルム基板中に残存する溶媒量を0.
7 重量%以下とするように基板を加熱する工程と、この
工程の後、基板上に膜面に垂直な方向に磁化容易軸を有
する磁性層を形成する工程とを有する垂直磁気記録媒体
の製造方法である。
以下本発明を完成するに至った実験について説明する。
即ち、まず残存溶媒量の異なるポリイミドフィルムの基
板上に強磁性合金層として Co-Cr膜をアルゴン雰囲気中
でスパッタリング法で5000Å形成し、 Co-Cr膜の基板へ
の付着強度を評価した。
このフィルム中の残存溶媒量の測定方法としては、ガス
クロマトグラフィ法、溶媒抽出法、熱天秤法等があるが
一番簡便である熱天秤法によって残存溶媒分の蒸発に伴
なう重量変化から求めた。
この場合、 Co-Cr膜の形成は条件を一定とし、かつポリ
イミドフィルムは厚さおよび表面性などの同一なものを
用い、残存溶媒だけを変化したものを使用した。この条
件により作製した垂直磁気記録媒体については、まず C
o-Cr膜とポリイミドフィルムとの間の付着強度を次のよ
うな方法で評価した。即ち、格子状に切り目をいれた C
o-Cr膜に付着力が6kg/cm2の接着テープを Co-Cr膜の
表面に均一に接着し、一定速度、一定方向へ引きはが
し、ポリイミドフィルム上に残存している Co-Cr膜の面
積量を求めることによって相当付着強度を評価した。
その結果、残存溶媒量 0.7wt%以下のポリイミドフィル
ムでは Co-Cr膜のはがれが起きなかったが、 1.0重量%
以上のポリイミドフィルムでは30乃至80%程度のはがれ
が生じた。この結果から Co-Cr膜の相対付着強度が残存
溶楳量 0.7重量%を越すと著しく低下することがわかっ
た。
次に、 Co-Cr膜とポリイミドフィルムとの付着強度と関
連があると思われる耐久性寿命の変化を調べた。この評
価は Co-Cr膜上に Al2O3 保護膜を 200Å程度形成し、
更にフロロカーボンを潤滑層として塗布した垂直磁気記
録媒体を磁気ヘッドを用いて同一トラック上を走行さ
せ、寿命にいいたるまでの走行回数を測定することによ
って行なった。第1図ポリイミドフィルムの残存溶媒量
と走行回数の結果、得られた曲線(11)を示す。この測定
結果はサンプル数をそれぞれ10個とした時の平均値であ
る。この曲線(11)は付着強度試験とよく対応している。
この場合、残存溶楳量の多いポリイミドフィルム上に形
成した Co-Cr膜の方が局部的なはがれが起き易いため
か、ドロップアウトの増加速度が非常に速くなるという
傾向にある。
また、フィルム基板の内部から Co-Cr膜との界面への溶
楳の熱拡散による付着強度低下の調査した。結果を第3
図に示す。これは保護膜形成時の温度上昇に伴なう溶媒
の熱拡散によるフィルムと Co-Cr膜の付着強度への影響
を調べる上で重要である。基板温度が高い方が媒体のカ
ール、保護膜の膜質等の観点から望ましい。第3図は
0.3重量%と 1.26 重量%の残存溶媒量のポリイミドフ
ィルムに Co-Cr膜を形成し、各温度である時間加熱した
のち相対付着強度低下率を示したものである。ここで、
相対付着強度の低下率とは、加熱処理する前の相対付着
強度を 100%とした場合の相対付着強度を示している。
残存溶媒量が 0.3重量%のものでは 200℃、2時間の加
熱処理後も相対付着強度に変化はみられない。しかしな
がら 1.26重量%のものでは、 150℃の温度では50分以
上、 175℃では10分以上、200℃では7分以上で相対付
着強度の著しい低下がおきる。このことは、フィルムと
Co-Cr膜との界面まで拡散してきた溶媒が薄い層を形成
し、付着強度をさらに下げるものと考えられる。
以上の結果から Co-Crなどの強磁性合金層をスパッタリ
ング法などで高分子フィルム基板上に形成して磁気媒体
を作成する場合、高分子フィルム基板中の残存溶媒量が
0.7重量%以下のものを用いることが必要であり、そう
することによって垂直磁気記録媒体の耐久性寿命が飛躍
的に改善される。
また以上の理由により使用する高分子フィルム基板中の
残存溶媒量を 0.7重量%以下にしなければならない。も
し、最初から残存溶媒の少ないフィルムの入手が難しい
場合は、大気中または真空中で加熱前処理をして 0.7重
量%以下にしてから、強磁性合金層を形成しなければな
らない。
以下に高分子フィルム基板中の残存溶媒量を減少させる
加熱処理条件の例について説明する。加熱処理条件の決
定には、特に大気中処理の場合において、熱天秤装置に
よる溶媒蒸発に伴なう重量変化測定が有効である。当然
残存している溶媒の種類によって処理温度を変える必要
がある。そこで処理温度は熱天秤測定結果の重量変化が
始まる温度以上に設定し、処理時間に伴なって残存溶媒
量を調べ処理時間を決定するとよい。ただし、真空装置
内で行なう場合は温度は上記よりも当然低くてもよい。
例えばN,N′−ジメチルアセトアミドが主にポリイミ
ドフィルム中に残存している場合、熱天秤の測定結果に
よると毎分15℃の昇温速度で 260℃程度から重量変化が
はじまり、 360℃程度で終了する。この結果に基づいて
種々の条件の実験を行ない処理法を決定した。
従って、ポリイミドフィルムを例にとれば、大気中では
260℃以上に加熱するとが好ましい。また真空度10−5
Torrでは 220℃以上に加熱することが好ましい。なお、
加熱温度の上限は、高分子フィルムの分解温度によって
制限される。一般的に高分子フィルム基板中の残存溶媒
量を減少させる加熱する処理は、大気中で行なうのが、
処理整備を容易に構成でき実用的である。
実施例1 残存溶媒量が 1.3重量%、厚さ75μmのポリイミドフィ
ルムを、大気中で320℃、1時間加熱処理を施した。こ
の結果、残存溶媒量は 0.3重量%であった。第2図に示
すように、このポリイミドフィルムを基体(1)として、
両面に磁性層(2)として Co-Cr合金層を直流マグネトロ
ンスパタリングにより厚さ 0.5μm、保護層(3)として
Al2O3 をスパッタリングにより厚さ 200Å、また潤滑層
(4)としてフロロカーボンを 200Å以下の厚さにスピン
塗布して垂直磁気記録媒体を作成した。
この垂直磁気記録媒体は寿命試験を行なったところ、10
00万パス以上の寿命特性が得られた。
実施例2 残存溶媒量が 1.3重量%、厚さ75μmのポリイミドフィ
ルムを、真空度10−5Torr、 250℃、30分間熱処理を施
した。この結果、残存溶媒量は、上述実施例と同様に
0.3重量%であった。以上上述の実施例と同様にして垂
直磁気記録媒体を作成した。この垂直磁気記録媒体は、
1000万パス以上の寿命特性が得られた。
実施例3 残存溶媒量が2重量%、厚さ50μm芳香族ポリアミドフ
ィルムを、大気中 300℃、20分間熱処理を施した。この
残存溶媒量は 0.5重量%であった。以下上述の実施例と
同様にして垂直磁気記録媒体を作成した。この垂直磁気
記録媒体も、1000万パス以上の寿命特性が得られた。
また実施例では強磁性合金層が Co-Cr膜単層の場合につ
いて述べたが、これに限定されるものではなく Co-Cr膜
下に Fe-Ni合金を基とするパーマロイ等の軟磁性層を裏
打ちした場合にも本発明が適用されるのは勿論である。
また、 Co-Cr合金のみでなく、Coを基とする他の強磁性
合金層などをスパッタリング或は蒸着法によって磁性層
を形成する場合にもそのまま適用できる。
〔発明の効果〕 上述のように本発明によれば高分子フィルムの残存溶媒
量を 0.7重量%以下にすることにより磁性層の付着強度
を上げることにより高寿命、高信頼性の垂直磁気記録媒
体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の垂直磁気記録媒体のフィルムの残存溶
媒量と走行回数の関係を示す図、第2図は垂直磁気記録
媒体の断面図、第3図は加熱処理による Co-Cr膜の相対
付着強度低下率を示す図である。 1……基体、2……磁性層 3……保護膜、4……潤滑層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大内 義昭 神奈川県川崎市幸区堀川町72 株式会社東 芝堀川町工場内 (56)参考文献 特開 昭60−121532(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】残存溶媒を含有する高分子フィルムからな
    る基板を加熱して前記基板中に残存する前記溶媒を0.7
    重量%以下にする第1の工程と、この工程の後前記基板
    上に膜面に垂直な方向に磁化容易軸を有する磁性層を形
    成する第2の工程とを有することを特徴とする垂直磁気
    記録媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】前記高分子フィルムがポリイミドフィルム
    でなり、且つ前記第1の工程は大気中で前記基板を260
    ℃以上に加熱する工程を含むことを特徴とする特許請求
    の範囲第1項記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
JP16117485A 1984-11-14 1985-07-23 垂直磁気記録媒体の製造方法 Expired - Lifetime JPH0648521B2 (ja)

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JP2616711B2 (ja) * 1994-09-14 1997-06-04 東レ株式会社 磁気記録媒体

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