JPH064907B2 - 肉厚ボス部付カツプ状部品の浸炭焼入れ方法 - Google Patents

肉厚ボス部付カツプ状部品の浸炭焼入れ方法

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JPH064907B2
JPH064907B2 JP21330585A JP21330585A JPH064907B2 JP H064907 B2 JPH064907 B2 JP H064907B2 JP 21330585 A JP21330585 A JP 21330585A JP 21330585 A JP21330585 A JP 21330585A JP H064907 B2 JPH064907 B2 JP H064907B2
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恵司 荻野
一也 水野
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は肉厚ボス部付カップ状部品の浸炭焼入れ方法に
関し、特に自動車のオートマチック部品であるセカンド
ブレーキハブのように、略中央に肉厚のボス部が設けら
れ、このボス部とボス部より薄肉の外周のスプライン部
とがフランジ部により接続された肉厚ボス部付カップ状
部品の浸炭焼入れ方法に関する。
〔従来の技術〕
従来、自動車のオートマチック部品であるセカンドブレ
ーキハブのような肉厚ボス部付カップ状部品を製造する
には、例えば、まず合金鋼であるJIS SCM420
Hの円柱状ブロックからセカンドブレーキハブ形状に機
械加工する。このセカンドブレーキハブ1は、第1図に
示すように、略中央に肉厚のボス部2が設けられ、この
ボス部2と外周のスプライン部3とがフランジ部4によ
り接続された形状を有する。このセカンドブレーキハブ
1は、スプラグタイプの場合、ボス部2の内面がワンウ
エイクラッチアウターレース面となり、スプライン部3
にはクラッチと噛み合うインボリュートスプライン5が
設けられている。このため、ボス部2の内面の表面硬さ
として、ビッカース硬さHvで720〜850となるこ
とが要求されており、かつスプライン部3のインボリュ
ートスプライン5の歯すじ誤差は14μm以下とするこ
とが必要とされている。
このため、合金鋼であるJIS SCM420Hを材料
として用い、浸炭焼入れすることによりかかる要求を満
足させようとしている。ここで、浸炭焼入れとは、鋼部
品を浸炭性ガス雰囲気中で850℃〜950℃に加熱す
ることにより、部品の表面に炭素を侵入、溶解させた後
焼入れし、内部をねばく、表面を硬く、強くさせる処理
である。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ところで、合金鋼を用い、浸炭焼入れすることによりボ
ス部の表面と内部の硬さの要求は満たせるものの、浸炭
焼入れにより焼入れ歪が生じ、スプライン部が口開きの
状態となる。この結果、歯すじ誤差が40μm程度とな
り、要求水準である14μm以下を満足しなくなる。
この歪の原因を調査したところ、肉厚のボス部と比較的
肉薄のスプライン部の冷却速度の違いによって生じる熱
応力に起因していることが判明した。しかるに、従来は
かかる歪を防止する有効な手段がなく、フランジ部とス
プライン部を肉厚にしてボス部との冷却速度を均一にし
ていた。しかしながら、この方法は部品重量の増大を招
き、更には他の部品と干渉するという問題が発生した。
そこで、重量増等を招くことなく、ボス部とスプライン
部の冷却速度を均一にすることにより浸炭焼入れ歪を低
減する工夫が望まれていた。
〔問題点を解決するための手段〕
上記問題は、次に述べる本発明の肉厚ボス部付カップ状
部品の浸炭焼入れ方法によって解決される。
即ち、本発明は、略中央にボス部が設けられ、このボス
部とボス部より薄肉の外周のスプライン部とがフランジ
部により接続された肉厚ボス部付カップ状部品の浸炭焼
入れ方法であって、 浸炭後、室温まで徐冷し、続いてボス部の内面側を高周
波加熱し、焼入液を吹き付けあるいは焼入液中に浸漬し
て焼入れを行うことを特徴としている。
上記焼入液としては、主に油を用いるが、場合により水
でもよい。
〔作用〕
本発明によれば、まず浸炭を行い、その後徐冷する。こ
の徐冷により、ボス部とスプライン部は焼入れする場合
に比べて冷却速度の差が小さくなり、従来、冷却速度の
違いにより発生していた熱応力が大幅に軽減される。そ
の後、焼入れの必要な部位であるボス部のみ高周波加熱
を用いて油焼入れする。この高周波加熱はボス部の内面
の表層部のみを加熱するため、焼入れ時の歪は少ない。
この結果、浸炭焼入れ歪の少ない精度のよい肉厚ボス部
付カップ状部品が得られる。
〔実施例〕 次に、本発明の実施例を図面に参考にして説明する。
ここで、第1図は本発明の実施例で得られた肉厚ボス部
付カップ状部品を示す概略構成図である。
まず、合金鋼であるJIS SCM420Hの円柱状ブ
ロックからセカンドブレーキハブ形状に機械加工する。
この結果、第1図に示すように、肉厚のボス部2と、イ
ンボリュートスプライン5が形成されたスプライン部3
と、この両者を接続するフランジ部4からなるセカンド
ブレーキハブ素材が得られた。このとき、スプライン部
のインボリュートスプライン5の歯すじ誤差は5μmで
あった。
このセカンドブレーキハブ素材を浸炭炉に入れ、浸炭を
行った。即ち、炉内をRxガス等の浸炭性ガスで置換し
たのち、炉内の温度を930℃まで昇温して浸炭を行
い、その後室温まで徐冷した。この徐冷後の歯すじ誤差
は8μmであった。続いて、ボス部2の内面を高周波加
熱により、850℃まで加熱し、焼入液としての油を吹
きつけて焼入れを行った。その後、130℃で焼戻を行
い、最終製品とした。
この結果得られたセカンドブレーキハブ1は、ボス部内
面の表面硬さはビッカース硬度さHvで780であり、
十分に要求を満たすものであった。
また、歯すじ誤差は10μmであり、14μm以下とい
う要求を十分満足するものであった。
以上より、本実施例によれば、セカンドブレーキハブの
スプライン部やフランジ部を従来のように肉厚にしなく
とも、所望の硬さと精度を有するセカンドブレーキハブ
が得られる。この結果、部品の軽量化が図れ、車両性能
が向上するという優れた効果を奏する。
以上、本発明の特定の実施例について説明したが、本発
明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の
範囲内において種々の実施態様を包含するものである。
例えば、実施例ではセカンドブレーキハブを例に採って
説明したが、このセカンドブレーキハブに類似の形状の
ものであれば、どんなものにも適用できる。
〔発明の効果〕
以上より、本発明の肉厚ボス部付カップ状部品の浸炭焼
入れ方法によれば、肉厚ボス部付カップ状部品の自重を
増すことなく、浸炭焼入れ歪が大幅に低減される。従っ
て、従来に比べ部品の軽量化が図れ、車両性能が向上す
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例で得られた肉厚ボス部付カップ
状部品を示す概略構成図である。 1……セカンドブレーキハブ (肉厚ボス部付カップ状部品) 2……ボス部 3……スプライン部 4……フランジ部 5……インボリュートスプライン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 保科 栄介 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 審査官 奥井 正樹

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】略中央にボス部が設けられ、このボス部と
    ボス部より薄肉の外周のスプライン部とがフランジ部に
    より接続された肉厚ボス部付カップ状部品の浸炭焼入れ
    方法であって、 浸炭後、室温まで徐冷し、続いてボス部の内面側を高周
    波加熱し、焼入液を吹き付けあるいは焼入液中に浸漬し
    て焼入れを行うことを特徴とする肉厚ボス部付カップ状
    部品の浸炭焼入れ方法。
JP21330585A 1985-09-26 1985-09-26 肉厚ボス部付カツプ状部品の浸炭焼入れ方法 Expired - Fee Related JPH064907B2 (ja)

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