JPH0649851B2 - 無電解めっき用接着剤 - Google Patents

無電解めっき用接着剤

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JPH0649851B2
JPH0649851B2 JP15816888A JP15816888A JPH0649851B2 JP H0649851 B2 JPH0649851 B2 JP H0649851B2 JP 15816888 A JP15816888 A JP 15816888A JP 15816888 A JP15816888 A JP 15816888A JP H0649851 B2 JPH0649851 B2 JP H0649851B2
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resin
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    • HELECTRICITY
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、プリント配線板製造のために用いる無電解め
っき用接着剤に関し、特に耐熱性,電気絶縁性,化学的
安定性が良く、とりわけめっき膜の密着性に優れたプリ
ント配線板製造用接着剤に関するものである。
〔従来の技術〕
近年、エレクトロニクスの進歩はめざましく、これに伴
い電子機器はより一層の小型化あるいは高速化が必要と
なっている。このために、プリント配線板、特にICや
LSIなどの部品を装着したプリント配線板について
は、ファインパターンによる高密度化および高い信頼性
が求められている。
従来、プリント配線板への導体回路(パターン)の形成
技術としては、基板に銅箔を積層した後、フォトエッチ
ングする形式のエッチドフォイル方法と呼ばれる方法が
代表的である。この方法は、基板との密着性に優れた導
体パターンを形成することができるという特徴がある
が、一方では銅箔の厚さが厚いためにエッチングによる
高精度のファインパターンが得難いという大きな欠点が
あり、さらに製造工程も複雑で効率が良くないなどの問
題点もあった。
そこで最近では、配線板に導体回路を形成するために、
ジエン系合成ゴムを含む接着剤を基板表面に塗布して接
着層を形成し、この接着層の表面を粗化した後、無電解
めっきを施して導体回路パターンを形成するアディティ
ブ法が脚光を浴びてきた。
ところが、この既知方法の下で使用されている接着剤
は、組成中に合成ゴムを含むため、例えば高温時に密着
強度が大きく低下したり、はんだ付けの際に無電解めっ
き膜がふくれるなどの欠点があった。また、耐熱性が低
く、表面抵抗などの電気特性が充分でないために、適用
範囲がかなり制限されるという欠点があった。
こうした無電解めっきによる導体パターンを形成するた
めに用いる「プリント配線板用樹脂組成物」として、特
開昭53−140344号公報に開示されているようなものが提
案されている。しかしながら、この組成物は、該組成物
中の球状粒子を形成する熱硬化性樹脂成分が蝕刻(酸化
剤による処理)されていない、いわゆる酸化剤に対して
不溶性のものである。この樹脂組成物が蝕刻粗化されて
得られる基板上の接着層は、深さ20μm程度の凹凸とな
るため、この接着層の上に形成される導体は微細パター
ンのものが得難く、パターン間の絶縁性も不良となり易
く、さらに耐熱性や電気特性に劣るから、部品などを実
装する上においては好ましくないという欠点があった。
〔発明が解決しようとする課題〕
以上説明したように、耐熱性,電気絶縁性,化学的安定
性が良く、とりわけ基板と無電解めっき膜との密着性が
優れ、しかも、めっきに際しての取扱いが簡単な無電解
めっき用接着剤というのは未だ知られていないし、また
このような接着剤を用いたプリント配線板の製造は未だ
試みられていないのが実情である。
これに対し、本発明者らは先に、前述の如き欠点を解消
すべく種々研究し、特願昭60−11898号(特開昭61−276
875号)にかかる発明を提案した。
しかしながら、この発明に先行して提案した前記発明に
かかる接着剤は、耐熱性樹脂微粉末とマトリックス耐熱
性樹脂の酸化剤に対する溶解性に顕著な差がないと、ア
ンカーが不明確に成り易くめっき膜の密着性が上がらな
いという解決課題を残していた。
本発明の目的は、従来の無電解めっき用接着剤が有する
前述の如き欠点および先行技術が抱えている課題を解消
し、とくに基板と無電解めっき膜との密着性が極めて優
れ、かつ取扱いが比較的容易にできる無電解めっき用接
着剤を提案するところにある。
〔課題を解決するための手段〕
そこで本発明者らは、本発明者らがこの発明に先行して
提案した前記先行発明の改良を目指し、無電解めっき膜
の密着性を向上させるのに有効なアンカーの形状を明確
なものとするのに好適な接着剤を開発すべく鋭意研究し
た結果、酸化剤に対して可溶性の母粒子の表面に酸化剤
に対して不溶性の微粉末をまぶしてなる疑似粒子を用い
れば、前述の課題を有利に解消することができることを
知見し、本発明を完成するに到った。すなわち、本発明
は、 酸化剤に対して可溶性の硬化処理をしたものであって、
かつ平均粒径が10μm以下で付着粉末の粒径よりも大
きい耐熱性樹脂粉末の表面に、その樹脂粉末の粒径より
も小さくかつ平均粒径が0.8μm以下の大きさであっ
て、しかも酸化剤に対して可溶性である硬化処理した耐
熱性樹脂微粉末、もしくは無機微粉末のいずれか少なく
とも1種を付着させてなるアンカー形成用疑似粒子を、
硬化処理することにより酸化剤に対して難溶性となる未
硬化の耐熱性樹脂液中に、分散させてなる無電解めっき
用接着剤、を提案する。
なお、上記アンカー形成用疑似粒子における耐熱性樹脂
の粉末と同種樹脂の微粉末との結合は、加熱して互いを
融着させるか結合剤を用いるのが好適である。
〔作用〕
本発明にかかる無電解めっき用接着剤は、硬化処理する
ことにより酸化剤に対して少なくとも難溶性となる性質
を有する未硬化の耐熱性樹脂液中に分散させるアンカー
形成粒子について、酸化剤により溶解することができる
予め硬化処理された耐熱性樹脂粉末(母粒子)に対し、
その母粒子の表面に、さらに酸化剤に対して可溶性の各
種微粉末(付着粉末)をまぶして得られる疑似粒子を用
いることを特徴とするものである。
すなわち、酸化剤に対して可溶性である硬化ずみ耐熱性
樹脂粉末(母粒子)の表面に、酸化剤に対して可溶性の
微粉末からなる付着粉末を被覆させてなるアンカー形成
用疑似粒子を、未硬化耐熱性樹脂液中に分散させた接着
剤を用いると、 第1に、マトリックスを形成する耐熱性樹脂(以下、こ
のことを「マトリックス形成耐熱性樹脂」という)中
に、アンカー形成用疑似粒子が均一に分散した状態の接
着層を得るのに都合がよく、 第2に、前記アンカー形成用疑似粒子の主要部をなす
“耐熱性樹脂粉末および付随的に用いる同種樹脂もしく
は無機微粉末(いずれも酸化剤に対して可溶)”と前記
“マトックス形成耐熱性樹脂”との間では、 それぞれ酸化剤に対する溶解性に差がもたせてあるため
に、前記接着層を酸化剤で処理した場合、接着層の表面
部分に分散しているアンカー形成用疑似粒子のみが選択
的に溶解除去され、その結果、接着層の表面粗化のため
の明確なアンカー確実に形成し、 第3に、第1図に示すように、酸化剤に対して可溶性で
ある母粒子の表面に、酸化剤に対して可溶性の同種の樹
脂微粉末あるいは無機微粉末をまぶした前記アンカー形
成用疑似粒子を用いているため、形成されたアンカー自
体の形状を極めて複雑なものにする、 のである。
さて、かかる本発明接着剤において、上記アンカー形成
用疑似粒子を構成する耐熱性樹脂は、母粒子および付着
粉末とも硬化処理したもので構成される(付着粉末につ
いては無機微粉末でも可)。この耐熱性樹脂について、
硬化処理したものに限ったものは、硬化処理していない
ものを用いると、マトリックスを形成する耐熱性樹脂液
あるいはこの樹脂を溶剤を用いて溶解した溶液中に添加
した場合、この樹脂も該溶液中に一緒に溶解してしまう
からである。すなわち、このような未硬化樹脂粉末を含
む接着剤を基板に塗布し乾燥硬化させると、“マトリッ
クス形成耐熱性樹脂”と“耐熱性樹脂の粉末およびその
微粉末”とが共融した状態の接着層を形成することにな
る。その結果、塗布後の酸化剤による処理に際し、接着
層がほぼ均等に溶解されることになるから、粗面化に必
要な接着層表面の選択的溶解除去(アンカーの形成)が
難しくなる。
これに対し、これらの耐熱性樹脂の粉末,微粉末が予め
硬化処理されていると、耐熱性樹脂液あるいはこの樹脂
を溶解する溶剤に対しては少なくとも難用性となるため
に溶解するようなことがなくなり、その結果、耐熱性樹
脂粉末をマトリックス形成耐熱性樹脂液中に“均一”に
分散した状態にすることができる。このように、可溶性
の粉末等を分散せしめた接着剤を使えば、硬化処理によ
って第2図に示すように、明確でしかも複雑形状で統一
されたアンカーの形成を容易にするのである。
なお、この樹脂粉末を硬化処理する方法としては、加熱
により硬化させる方法あるいは触媒を添加して硬化させ
る方法などがあるが、なかでも加熱硬化させる方法が実
用的である。
次に、かかる耐熱性樹脂の粉末およびその微粉末として
は、例えば、耐熱性樹脂を熱硬化させてからジェットミ
ルや凍結粉砕機などを用いて微粉砕したり、硬化処理す
る前に耐熱性樹脂溶液を噴霧乾燥して製造する。その
他、未硬化耐熱性樹脂エマルジョンに水溶液硬化剤を加
えて撹拌したりして得られる微粒子を、熱風乾燥器など
で単に加熱するか、あるいは各種バインダーを添加,混
合して乾燥し、その後ボールミルや超音波分散機などを
用いて解砕し、さらに風力分級機などにより分級するこ
とによって製造する。母粒子と微粉末を同じ樹脂で製造
する場合は、セディグラフなどで分級することが必要で
ある。
このようにして得られる耐熱性樹脂粉末の粒子形状は、
球形だけでなく各種の複雑な形状を有しており、そのた
めこれにより形成されるアンカーの形状もそれに応じて
複雑形状になるため、ピール強度、プル強度などのめっ
き膜の密着強度を向上させるのに有効に作用する。
ここで、母粒子となる耐熱性樹脂粉末の大きさとして
は、付着粉末の粒径よりも大きくかつ平均粒径が10μm
以下の大きさにするが、よりこの好ましくは5μm以下
の大きさにしたものがよい。その理由は、平均粒径が10
μmよりも大きいと、酸化処理に伴う溶解除去によって
形成されるアンカーの密度が小さく、かつ不均一になる
易い。その結果、密着強度が悪くなって製品の信頼性が
低下し、さらには接着層表面の凹凸が必要以上に激しく
なって、導体の微細パターンが得にくくなる、しかも部
品などを実装する上で不都合が生じるからである。
一方、付着粉末として用いる耐熱性樹脂微粉末もしくは
無機微粉末の大きさとしては、母粒子の粒径よりも小さ
くかつ平均粒径で0.8μm以下のものを用いる。その
理由は、0.8μmよりも大きいとアンカー硬化が低下
し、密着強度が悪くなるからである。
また、かかる耐熱性樹脂の粉末およびその微粉末として
は、耐熱性と電気絶縁性に優れ、薬品に対して安定な性
質のものを用いる。また、このうち母粒子として使用す
る樹脂は、硬化処理することにより耐熱性樹脂液あるい
はこの樹脂を溶解する溶剤に対して難溶性となるが、ク
ロム酸などの酸化剤に対しては可溶性となるものを用い
る。例えば、エポキシ樹脂,ポリエステル樹脂,ビスマ
レイミド−トリアジン樹脂のなかから選ばれるいずれが
少なくなるとも1種である。なかでも、前記エポキシ樹
脂は特性的にも優れており最も好適である。また、酸化
剤に対しては可溶性となる無機微粉末としては、炭酸カ
ルシウムを使用することができる。
さて、本発明の前記アンカー形成用疑似粒子は、耐熱性
樹脂粉末の母粒子に耐熱性樹脂もしくは無機の微粉末を
まぶすことにより、第1図に示すような形成のものとす
るこのように、母粒子に対して、その表面に微粉末を付
着被覆したものを用いると、可溶性粒子が酸化処理時に
溶解除去されることによって形成されるアンカーの形状
を、めっき膜の密着強度を向上させるのに有効なより複
雑なものにすることができる。
すなわち、一般的な単体粒子:すなわち、第3図に示す
ような単純球形粒子を用いた場合に形成されるアンカー
(第4図示)に比べ、本発明の第1図に示すような疑似
粒子は、形状がより複雑になるから、高いビール強度、
プル強度が得られ、従ってめっき膜の密着強度と安定性
が得られる。
また、この疑似粒子は、付着させるべき微粉末を母粒子
の表面に結合剤を使って付着結合させただけのものでも
よいが、酸化剤に対して可溶性である硬化処理した耐熱
性樹脂粉末(母粒子)に対し、この母粒子がまだ幾分軟
かい状態のときに、該微粉末各種をまぶして付着せしめ
ることにより、母粒子表面内に若干くい込ませた状態で
硬化させたものでもよく、これらは等しく効果のあるア
ンカー形成用疑似粒子である。
前記結合剤としては、例えば、エチルセルロース、ポリ
メタクリル酸メチル樹脂、ポリビニールブチラール、ポ
リアルキレンブチラール、フタル酸エステル、ポリエチ
レングリコールなどを用いることができるが、特に、実
施例1に示すように、アセトンなどで希釈したエポキシ
樹脂液などが、耐熱性に優れることから望ましい。
なお、上記耐熱性樹脂粉末(母粒子および付着粉末)の
表面には、マトリックス形成耐熱性樹脂との接合を良く
するために、マトリックスに溶解しない程度に、予め半
硬化層または未反応官能基を付与してもよい。
このようにして得られる上記疑似粒子の性質としては、
混合時に解離して元の微粉末に戻ることがない程度の接
着力で凝集されたものであることが必要である。このた
めに本発明においては、樹脂微粉末自体を加熱して融着
させるか、結合剤を介して接着し、単一粒子の如き接着
力で結合した疑似粒子とする。また、本発明にかかる耐
熱性樹脂粒子(疑似粒子)は、中心粒径となるものを基
準として±2μmの範囲内に60wt%以上が存在するよう
なバラツキを有するものが好ましい。このようなバラツ
キのものに限定する理由は、バラツキが上記範囲よりも
大きいと製品の信頼性が低下するためである。
つぎに、上記耐熱性樹脂粉末および同種の微粉末からな
るアンカー形成用疑似粒子を分散保持する側のマトリッ
クス形成耐熱性樹脂について述べる。この樹脂は、耐熱
性,電気絶縁性,化学的安定性および接着性に優れるも
のを用い、かつ硬化処理することにより酸化剤に対して
軟溶性となる特性を有する樹脂を用いる。例えば、エポ
キシ樹脂,エポキシ変成ポリイミド樹脂,ポリイミド樹
脂,フェノール樹脂のなかから選ばれるいずれか少なく
とも1種、場合によってはこれらの樹脂に感光性を付与
したものを用いる。この感光性を付与したものは、ビル
ドアップ配線基板の層間絶縁材用接着剤として好適であ
る。
既に述べたように、可溶性の前記耐熱性樹脂粉末と、硬
化処理によって難溶性となるマトリックス形成耐熱性樹
脂とでは、酸化剤に対する溶解特性に大きな差がある。
したがって、前記接着層の表面部分に分散している可溶
性の耐熱性樹脂粉末および微粉末を、酸化剤を用いて溶
解除去すると、前記酸化剤に対して難溶性を示すマトリ
ックス形成耐熱性樹脂はほとんど溶解されずに基材とし
て残るから、接着層表面には第2図に示すように、溶解
除去された上記疑似粒子の抜けた部分による明確なアン
カーが形成されることとなる。
なお、同じ種類の耐熱性樹脂であっても、例えば耐熱性
樹脂粉末として酸化剤に溶け易いエポキシ樹脂を用い、
他方前記マトリックス耐熱性樹脂として酸化剤に対して
比較的溶け難いエポキシ樹脂を組合わせて使用して同じ
ような硬化が期待できる。
その理由は、これらのエポキシ樹脂は、これらのプレポ
リマー(分子量 300〜8000程度の比較的低分子量のポリ
マー)、硬化剤の種類、架橋密度を制御することによ
り、その物性を大きく異ならしめることができるからで
ある。この物性の差は、酸化剤に対する溶解度に対して
も例外ではなく、プレポリマーの種類、硬化剤の種
類、架橋密度を適宜選択することにより、任意の溶解
度のものに調整することができる。
例えば、“酸化剤に可溶性のエポキシ樹脂”としては、
「エポキシプレポリマーとして、脂環式エポキシを選
択し、硬化剤として鎖状脂肪族ポリアミン硬化剤を使用
し、架橋点間分子量(架橋点の間の分子量のこと。大き
いこと架橋密度は低くなる。)を 700程度として穏やか
に架橋したもの」が用いられる。
これに対して、“酸化剤に難溶性のエポキシ樹脂”とし
ては、「エポキシプレポリマーとして、ビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂を用い、硬化剤としてジシアンジア
ミドを用いて、架橋点間分子量を 500程度としたも
の」、あるいは、このエポキシ樹脂よりも溶解度の低
い、「エポキシプレポリマーとしてフェノールノボラ
ック型エポキシ樹脂、硬化剤として酸無水物系硬化剤、
を使用し、架橋点間分子量を 400程度として高密度の架
橋を行ったもの」が用いられる。
また、前記のエポキシ樹脂を、“酸化剤に可溶性のエ
ポキシ樹脂”として使用することもできるが、この場合
における前記のエポキシ樹脂は“酸化剤に難溶性のエ
ポキシ樹脂”を使用することになる。
以上説明したように、エポキシ樹脂は、プレポリマー
の種類、硬化剤の種類、架橋密度を適宜選択するこ
とにより、任意の溶解度のものに調整することができ、
酸化剤に可溶性の硬化ずみ耐熱性樹脂微粉末、酸化剤に
不溶性の硬化ずみ耐熱性樹脂微粉末および酸化剤に対し
て難溶性となる樹脂マトリックスに使用できる。
また、前述の例から判るように、酸化剤に可溶性か酸化
剤に難溶性(あるいは不溶性)ということは、酸化剤に
対する相対的な溶解速度を意味しており、酸化剤に可溶
性、不溶性のエポキシ樹脂微粉末としては、溶解度差の
あるものを任意に選択すればよい。樹脂に溶解度差をつ
ける手段としては、プレポリマーの種類、硬化剤の
種類、架橋密度の調整だけに限定されるものではな
く、他の手段であってもよい。
そして、本発明では、この溶解度差を利用して、各エポ
キシ樹脂を一定の時間酸化処理するのである。このよう
にすると、最も溶解度差の大きい酸化剤に可溶性のエポ
キシ樹脂微粉末の溶解が激しく起こるが、マトリックス
は殆ど溶けないため、凹部が形成される。
本発明では、平均粒径10μm以下の耐熱性樹脂粉末の表
面に平均粒径 0.8μm以下の耐熱性樹脂粉末が付着して
いるので、これが溶けると第2図に示すような複雑なア
ンカーが形成されるのである。
第1表は、プレポリマーの種類、硬化剤の種類、
架橋密度の基づく酸化剤に対する溶解度の差を例示する
ものである。
また、前記耐熱性樹脂粉末などからなるアンカー形成用
擬似粒子を分散させるために用いる、いわゆるマトリッ
クス形成用耐熱性樹脂液としては、溶剤を含まない耐熱
性樹脂液をそのまま使用することができるが、耐熱性樹
脂を溶剤に溶解した耐熱性樹脂液の方が、低粘度である
から上記耐熱性樹脂粉末を均一に分散させやすく、かつ
基板に塗布し易いので有利に使用することができる。な
お、耐熱性樹脂の溶解に用いる溶剤としては、例えば、
メチルエチルケトン,メチルセルソルブ,エチルセルソ
ルブ,ブチルカルビトール,ブチルセルロース,テトラ
リン,ジメチルホルムアミド,ノルマルメチルピロリド
ンなどを用いることができる。
なお、このマトリックスとなる上記耐熱性樹脂液には、
シリカ,アルミナ,酸化チタン,ジルコニアなどの無機
質微粉末からなる充填剤を適宜配合して使用してもよ
い。
前記マトリックス形成耐熱性樹脂に対する耐熱性樹脂粉
末などからなるアンカー形成用擬似粒子の配合量は、マ
トリックス形成耐熱性樹脂固形分100重量部に対して2
〜350重量部の範囲内とするが、特に5〜200 重量部の
範囲は基板と無電解めっき膜との密着強度をより高くし
得るので好ましい範囲である。すなわち、擬似粒子の配
合量が2重量部より少ないと、溶解除去して形成される
アンカーの密度が低くなり、基板と無電解めっき膜との
充分な密着強度が得られない。一方350重量部よりも多
くなると、接着層全体がほとんど溶解されることになる
のでアンカーが形成されない。
なお、本発明接着剤は、無電解めっき用のものとして常
法に従う幾つかの方法の他、例えば基板に無電解めっき
を施してから回路をエッチングする方法や無電解めっき
を施す際に直接回路を形成する方法などにも有利に適用
することができる。
〔実施例〕
実施例1 (1) エポキシ樹脂粉末(東レ製、商品名:トレパールE
P−B,平均粒径3.9μm)200gを、5のアセトン中に
分散させ、ヘンシェルミキサー(三井三池化工機製、FM
10B型)内で撹拌しながらエポキシ樹脂粉末(東レ製、
商品名:トレパールEP−B,平均粒径0.5μm)300gとエ
ポキシ樹脂(三井石油化学製、商品名:TA−1800)をア
セトン1に対し30gの割合で溶解しているアセトン中
に分散させた懸濁液を、前記エポキシ樹脂粉末懸濁液中
へ滴下することにより、上記エポキシ樹脂粉末(母粒
子)の表面に該付着粉末を付着せしめた後上記アセトン
を除去し、その後 150℃に加熱して、アンカー形成用粒
子を作成した。得られたアンカー形成用擬似粒子は、平
均粒径が約4.3 μmであり、約75重量%が平均粒径を
中心として±2μmの範囲に存在していた。
(2) フェノールノボラック型エポキシ樹脂、(油化シ
ェル製、商品名:E−154)60重量部、ビスフェノール
A型エポキシ樹脂、(油化シェル製、商品名:E−100
1)40重量部、イミダゾール硬化剤(四国化成製、商品
名:2P4MHZ)4重量部、前記(1)で作成したアン
カー形成用擬似粒子50重量部からなるものに、ブチルセ
ルソルブ溶剤を添加しながらホモディスパー分散機で粘
度を120cpsに調整し、ついで三本ロールで混練して接着
剤を得た。
(3) 前記(2)で得られた接着剤を、ローラーコーターを
使用して銅箔が貼着されていないガラスポリイミド基板
(東芝ケミカル製、商品名:東芝デュライト積層板−E
L)に塗布した後、100 ℃で1時間、さらに 150℃で5
時間乾燥硬化させて厚さ20μmの接着層を形成した。
(4) 前記(3)で得られた基板を、クロム酸(Cr2O3) 500g
/水溶液からなる酸化剤に70℃で15分間浸漬して接着
層の表面を粗化してから、中和溶液(シプレイ社製、商
品名:PN−950)に浸漬し水洗した。
(5) 上記(4)で得られた接着層の表面が粗化された基板
に、パラジウム触媒(シプレイ社製、商品名:キャタポ
ジット44)を付与して接着層の表面を活性化させ、下記
に示す組成のアディティブ法用無電解銅めっき液に11時
間浸漬して、めっき膜の厚さ25μmの無電解銅めっきを
施した。
硫酸銅(CuSO4・5H2O) 0.06 モル/ ホルマリン(37%) 0.30 モル/ 水酸化ナトリウム 0.35 モル/ EDTA 0.12 モル/ 添加剤 少々 めっき温度:70〜72℃ pH:12.4 上述のようにして製造した配線板に、さらに硫酸銅めっ
き浴中で電気めっき厚さ35μmの銅めっきを施した。
このようにして製造したプリント配線板について、ま
ず、基板と銅めっき膜との密着強度を JIS−C−6481の
方法で測定した。その結果、ピール強度は1.88 kg/cmで
あった。また 100℃の煮沸水に2時間浸漬することによ
る接着層の表面抵抗の変化は、初期値5×1014Ω・cmに
対して2×1013Ω・cmであった。さらに、表面温度を 3
00℃に保持したホットプレートに配線板の表面を密着さ
せて10分間加熱する耐熱性試験を行なったところ、何の
異常も認められなかった。
実施例2 基本的に実施例1と同じ方法でプリント配線板を製造し
た。ただし、この実施例は、第2表に示す如き配合で作
成した無電解めっき用接着剤を使用してプリント配線板
を作成したものである。
基板と銅めっき膜との密着強度は、実施例1と同様の方
法で測定し、第1表に示した。
〔発明の効果〕 以上説明したように本発明接着剤は、耐熱性や電気特性
のみならず基板と無電解めっき膜との密着性が極めて優
れる。とくに好ましいアンカーができるので、該密着性
を上げるのに必要な表面粗化ができやすく、高品質のプ
リント配線板を製造できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明で用いるアンカー形成用擬似粒子の断
面図、 第2図は、前記アンカー形成用擬似粒子を用いることに
より接着層表面に形成された本発明の場合のアンカー形
状を示す部分断面図、 第3図は、従来例におけるアンカー形成用粒子の断面
図、 第4図は、前記アンカー形成用擬似粒子を用いることに
より接着層表面に形成された従来の場合のアンカーの形
状を示す部分断面図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化剤に対して可溶性の硬化処理したもの
    であって、平均粒径が10μm以下で付着粉末の粒径より
    も大きい耐熱性樹脂粉末の表面に、その樹脂粉末の粒径
    よりも小さくかつ平均粒径が 0.8μm以下の大きさであ
    って、しかも酸化剤に対して可溶性である硬化処理した
    耐熱性樹脂微粉末、もしくは無機微粉末のいずれか少な
    くとも1種を付着させてなるアンカー形成用擬似粒子
    を、硬化処理することにより酸化剤に対して難溶性とな
    る未硬化の耐熱性樹脂液中に、分散させてなる無電解め
    っき用接着剤。
  2. 【請求項2】前記アンカー形成用擬似粒子における耐熱
    性樹脂の粉末と耐熱性樹脂の微粉末との結合を、該粉末
    と該微粉末どうしを互いに融着させることによって行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の接着剤。
  3. 【請求項3】前記アンカー形成用擬似粒子における耐熱
    性樹脂の粉末と耐熱性樹脂の微粉末との結合を、該粉末
    と該微粉末との間に結合剤を介在させることによって行
    うことを特徴とする請求項1に記載の接着剤。
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