JPH065200U - シンクロトロンにおけるsor光出射用窓装置 - Google Patents

シンクロトロンにおけるsor光出射用窓装置

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JPH065200U JP6657492U JP6657492U JPH065200U JP H065200 U JPH065200 U JP H065200U JP 6657492 U JP6657492 U JP 6657492U JP 6657492 U JP6657492 U JP 6657492U JP H065200 U JPH065200 U JP H065200U
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 SOR光12を出射させるための出射窓13
に装着するベリリウムの薄板30を曲面状に湾曲させる
とともに、その薄板の曲率を、この薄板各部を透過する
SOR光の強度との関連において設定して、薄板各部に
おけるSOR光の透過光路長dが異なるように設定して
おく。すなわち、高強度のSOR光が透過する部分ほど
透過光路長が大きくなるように薄板の曲率を設定してお
く。 【効果】 薄板各部におけるSOR光の透過光路長が異
なることから、それに応じて薄板各部でのSOR光の透
過減衰量の差が生じ、その結果、SOR光が薄板を透過
することで透過前の強度むらが自ずと解消する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、シンクロトロンにおけるSOR光取り出しラインに係り、特にそ の先端に設けられるSOR光の出射用窓装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、直径が10m以下の比較的小型の粒子加速器としてシンクロトロンが開 発されつつあり、そのようなシンクロトロンから放射されるシンクロトロン放射 光(SOR光)を利用して、たとえば超LSIの微細加工、医療分野における診 断、分子解析、構造解析等の様々な分野への適用が期待されている。
【0003】 図6はシンクロトロンの概要を示すものであって、電子銃等の電子発生装置1 で発生させた電子ビームを線形加速器(ライナック)2で光速近くまで加速し、 偏向電磁石3で偏向させてインフレクタ4を介して蓄積リングである真空ダクト 5に入射させる。真空ダクト5に入射した電子ビームは高周波加速空洞6により エネルギを与えられながら収束電磁石7で収束され、偏向電磁石8で偏向されて 真空ダクト5内を周回し続ける。そして、偏向電磁石8で偏向される際にSOR 光が発生し、それが光取り出しライン9を介してたとえば露光装置10に出射さ れて利用される。
【0004】 図7は上記シンクロトロンにおける光取り出しライン9を示すものである。 この光取り出しライン9の途中には斜入射ミラー11が配置されている。該斜 入射ミラー11は無酸素銅、SiC、Au、Pt等の平面鏡もしくはたとえば放 物面鏡等の曲面鏡で構成され、SOR光12を反射してライン9の端部に設けら れている出射窓13から出射させるようになっている。上記の斜入射ミラー11 は軸14を支点として上下方向に揺動自在に支持されている。その斜入射ミラー 11の端部にはミラー揺動機構15のロッド16が取り付けられていて、そのロ ッド16はモータ17で駆動されるカム18の回転により上下方向に動作し、こ れによって、斜入射ミラー11を上下方向に揺動させてSOR光12の反射光を 上下方向に揺動させるようになっている。そのように構成しているのは、蓄積リ ングから出射されたSOR光12は本来垂直方向の広がりが小さいので、上記の ような斜入射ミラー11の揺動により垂直方向に露光域を拡大させてLSI露光 用の露光面積を大きく確保するためである。
【0005】 ところで、SOR光12の出射窓13は、光取り出しライン9内部の高真空を 維持しつつSOR光12を大気中(もしくは内圧が大気圧程度に維持されるヘリ ウムチャンバ内)に出射させる機能を必要とするので、SOR光12の透過率が 高くかつ機械的強度に優れたベリリウムの薄板19が装着されるが、従来の窓1 3は、図8に示すように、ミラー11の揺動により拡大される全露光面積に対応 した大きな面積のものとされているので、そのような大きな窓13に装着される ベリリウムの薄板19は機械的強度を確保するためにその板厚が厚くなってしま い、その結果、SOR光12の透過率が低下してしまうという不具合があった。
【0006】 このため、たとえば図9および図10に示すように、光取り出しライン9の先 端部にベローズ20を介装して、斜入射ミラー11によるSOR光12の上下方 向の揺動に同期させてライン9の先端部を揺動させることで窓13を上下に変位 させるように構成し、それによって図11に示すように窓13の面積をSOR光 12の照射範囲と同程度にまで小さくし、それによって窓13に装着するベリリ ウムの薄板19を小型化するとともに薄くすることも提案されている。
【0007】 また、X線リソグラフィにおいては、SOR光に対してマスクとウェハとを一 体化した状態で走査させる方法が提案されている。この方法では、たとえば図1 2に示すように、SOR光21の短波長側をカットしかつ集光するために、鏡面 が円筒面状の曲面からなる集光ミラー22を該SOR光21の光路上に配置する 。この場合、窓23の形状は、図13に示すようにSOR光21の照射範囲24 より広い円形状とされ、したがって窓23に装着するベリリウムの薄板25も円 形状のものが用いられる。
【0008】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、上記のような光取り出しライン9における斜入射ミラー11として 放物面鏡等の曲面鏡を用いた場合、そのミラー11により反射される反射光には 強度むらが生じてしまうという問題を生じている。これは、図14に示すように 、ミラー11として放物面鏡を用いた場合には反射光は平行光となるが、その反 射光は図14から明らかなように上部側で密となり下部側で疎となるような疎密 状態が生じることが避けられず、それに起因して反射光の強度が上部側ほど大き くなってしまって、実際に利用されるSOR光に強度むらが生じてしまうのであ る。
【0009】 また、X線リソグラフィにおいても同様に、鏡面が円筒面状の曲面からなる集 光ミラー22を用いているために、図12に示すようにSOR光21の中央部分 の光強度が弱く、この中央部分から外側にかけて順次光強度が強くなるような、 曲面状の強度むらが生じてしまうという問題がある。これは、集光ミラー22に より反射される反射光は平行光であるが、その反射光は中心部よりも周辺部の方 が反射角が大きく、したがって、該反射光は中央部で疎となり周辺部で密となる ような疎密状態が生じることが避けられず、その光強度は中心部では疎となり該 中心部から周辺部に向かって漸次密となるような強度分布を示すこととなり、実 際に利用されるSOR光に強度むらが生じてしまうのである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本考案は、上記のような問題点を解決するために、シンクロトロンの光取り出 しラインの先端にSOR光を出射させるための出射窓を設けるとともに、その出 射窓に、ライン内の真空を保持するとともにSOR光を透過させるためのベリリ ウムの薄板を装着してなるSOR光出射用窓装置において、前記ベリリウムの薄 板を湾曲させるとともに、その曲率を、この薄板の各部を透過するSOR光の強 度に対応して透過後のSOR光の強度を均等とするべく薄板の各部におけるSO R光の透過光路長が異なるように設定したことを特徴としている。
【0011】
【作用】
本考案の装置におけるベリリウムの薄板は湾曲していることから、その薄板の 各部におけるSOR光の透過光路長が異なるものである。そして、透過光路長が 大きいほどSOR光の減衰量が大きいので、薄板各部に入射するSOR光の強度 に応じてその部分の透過光路長が最適となるように薄板の曲率を設定しておくこ とにより、つまり、高強度のSOR光が透過する部分ほど透過光路長が大きくな るように薄板の曲率を設定しておくことにより、薄板を透過する前におけるSO R光の強度のばらつきを薄板を透過させることのみで自ずと解消させ得る。
【0012】
【実施例】
以下、本考案の各実施例について図面を参照して説明する。 (第1実施例) 図1および図2は、本考案の第1実施例のシンクロトロンにおけるSOR光出 射用窓装置であって、たとえば図9ないし図11に示したような光取り出しライ ン9に適用されるものである。図1はその光取り出しライン9の先端部を示すも ので、符号5は真空ダクト、13はその先端に設けられているSOR光12の出 射窓、30はその出射窓13に装着されているベリリウムの薄板30である。
【0013】 本実施例におけるベリリウムの薄板30は、従来のものと同様に真空ダクト5 内の高真空を保持し得る機械的な強度を有するものであるが、従来の薄板19が 平板状であったのに対し、本実施例のものは真空ダクト5側に凸となるように湾 曲したものとなっている。そして、その上部側の半分程度が出射窓13に装着さ れていて、その部分をSOR光12が透過するようになっている。
【0014】 また、このベリリウムの薄板30の厚みは全体にわたって一定とされているが 、その曲率は、この薄板30の各部を透過するSOR光12の強度に対応して、 透過後のSOR光12の強度を均等とするべく、薄板30各部におけるSOR光 12の透過光路長が異なるように設定されている。
【0015】 すなわち、既に述べたように、出射窓13に入射するSOR光12は、その前 段で斜入射ミラー11により反射されているため、その強度が図1中に示すよう に上部側ほど大きくなってしまっており、従来においてはそのように強度がばら ついたままで出射窓13を透過してしまい、透過後も強度にばらつきが残ってし まうものである。
【0016】 ところが、本実施例の装置においては、薄板30が湾曲していることから、薄 板30の各部を通過するSOR光12の透過光路長dは均等にならず、図2に示 すように出射窓13の上部側を透過するものほど透過光路長dが長くなるもので ある。図2には模式的に3本のSOR光12a,12b,12cを示しているが 、出射窓13の最下部を透過するSOR光12aの透過光路長d1が最も短く( この場合には薄板30の厚みに等しい)、最上部を透過するSOR光12bの透 過光路長d2が最も長く、出射窓13の中間部分を透過するSOR光12cの透 過光路長d3はそれらの中間となる。
【0017】 そして、透過光路長dが長くなるほどSOR光12は減衰するので、出射窓1 3の上部側を透過する高強度のSOR光12ほど減衰量が大きくなる。したがっ て、薄板30各部における透過光路長dとその部分における減衰率を考慮しつつ 、透過前における各部のSOR光12の強度に応じて、各部の透過光路長dが最 適となるように薄板30の曲率を設定しておくことにより、この薄板30を透過 させることのみで透過前の強度の不均一を自ずと解消させることができるのであ る。換言すれば、透過後における各部のSOR光12の強度を均等とするべく、 薄板30の各部における透過光路長dが最適となるように、つまり、高強度のS OR光12が透過する部分ほど透過光路長dが大きくなるように、薄板30の曲 率を設定しておけば良いのである。そのように設定される薄板30の曲面形状は 、出射窓13の形状やその大きさ、薄板30の減衰率等により決定されるもので あるが、近似的にはたとえば球面や円筒面、放物面とすることができる。
【0018】 なお、薄板を平板状としたままで各部の厚みを増減する(つまり、薄板の厚み を窓の上部側程厚くする)ことによっても同様の効果が得られるであろうが、そ のようなことはベリリウムの薄板の加工精度を考慮すると現実的ではない。また 、上記実施例では、ベリリウムの薄板を真空ダクト側に凸となるように湾曲させ たが逆向きに湾曲させても良い。さらに、出射窓に対する薄板の装着構造も適宜 変更して良いことは勿論である。
【0019】 (第2実施例) 図3は、本考案の第2実施例のシンクロトロンにおけるSOR光出射用窓装置 であって、たとえば図12に示したような光取り出しライン9に適用されるもの である。図3はその光取り出しライン9の先端部を示すもので、符号5は真空ダ クト、23はその先端に設けられているSOR光21の出射窓、31はその出射 窓23に装着されているベリリウムの薄板である。
【0020】 本実施例におけるベリリウムの薄板31は、上記第1実施例の薄板30と同様 に真空ダクト5内の高真空を保持し得る機械的な強度を有するものであり、上述 した薄板30と異なる点は、真空ダクト5側に凸となるように湾曲した状態でそ の全体が出射窓23に装着され、該出射窓23全体をSOR光21が透過するよ うになっている点である。
【0021】 また、このベリリウムの薄板31の厚みは全体にわたって一定とされ、その曲 率は、この薄板31の各部を透過するSOR光21の強度に対応して、透過後の SOR光21の強度を均等とするべく、薄板31各部におけるSOR光21の透 過光路長が異なるように設定されている点も前記薄板30と同様である。
【0022】 ここで、前記薄板31にSOR光21を入射させる場合について説明する。 出射窓23に入射するSOR光21は、その反射光強度が図3中に示すように SOR光21の中央部分の光強度が弱く、この中央部分から外側にかけて順次光 強度が強くなるような曲面状の強度むらを有するが、薄板31各部における透過 光路長とその部分における減衰率を考慮しつつ、透過前における各部のSOR光 21の強度に応じて、各部の透過光路長が最適となるように薄板31の曲率を設 定しておくことにより、薄板31の各部を通過するSOR光21は出射窓23の 中心部から周辺部にかけて漸次減衰量が大きくなり、したがって、透過後におけ る各部のSOR光21の透過光強度は面方向に均一となる。
【0023】 次に、前記SOR光出射用窓装置のシミュレーション解析を行なった結果につ いて説明する。 図4は薄板31に入射する前の径方向(D)のSOR光21の反射光強度分布 (R)を示し、また、図5は、薄板31を透過した後の径方向(D)のSOR光 21の透過光強度分布(T)を示したものである。なお、これらの目盛りは任意 である。 ここで、SOR光21は1.2GeVの光の7m地点でのレジスト表面出力が 370mW/cm2のものを用い、また、薄板31は径が50mm、厚みが30 μm、曲率半径が85mmのものを用いた。 これらの結果から、SOR光21の反射光強度は中央部分の光強度が弱く、こ の中央部分から外側にかけて順次光強度が強くなるような曲面状の強度むらを呈 しているが、薄板31を透過させることにより該SOR光21の透過光強度は面 方向に均一となることが明らかである。
【0024】 以上説明した様に、本第2実施例の薄板31によれば、真空ダクト5側に凸と なるように湾曲した状態でその全体が出射窓22に装着され、該出射窓22全体 をSOR光12が透過するように構成することとしたので、出射窓23に入射す るSOR光21の反射光強度が中央部分が弱く、この中央部分から外側にかけて 順次強くなるような曲面状の強度むらを有する場合であっても、該薄板31の各 部を通過するSOR光21の透過光強度を面方向に均一とすることができ、透過 後の光強度分布を極めて均一にすることができる。
【0025】
【考案の効果】 以上で説明したように、本考案は、SOR光を出射させるための出射窓に装着 するベリリウムの薄板を湾曲させるとともに、その薄板の曲率を、この薄板の各 部を透過するSOR光の強度に対応して透過後の強度を均等とするべく薄板各部 における透過光路長が異なるように設定したものであるから、透過光路長が異な ることによる減衰量の差により透過後のSOR光の強度むらを自ずと解消させる ことができ、出射窓から出射するSOR光の強度を均等にならしめることができ るという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1実施例であるSOR光出射用窓装
置の概略構成を示す側断面図である。
【図2】同装置の要部拡大図である。
【図3】本考案の第2実施例であるSOR光出射用窓装
置の概略構成を示す側断面図である。
【図4】本考案の薄板に入射する前の径方向(D)のS
OR光の反射光強度分布(R)を示す図である。
【図5】本考案の薄板を透過した後の径方向(D)のS
OR光の透過光強度分布(T)を示す図である。
【図6】シンクロトロンの概要を示す図である。
【図7】同シンクロトロンにおける光取り出しラインの
一例を示す概略構成図である。
【図8】同ラインにおけるSOR光の出射窓を示す図で
ある。
【図9】同シンクロトンにおける光取り出しラインの他
の例を示す概略構成図である。
【図10】同ラインの動作状態を示す図である。
【図11】同ラインにおけるSOR光の出射窓を示す図
である。
【図12】同シンクロトロンにおける光取り出しライン
の他の一例を示す概略構成図である。
【図13】同ラインにおけるSOR光の出射窓を示す図
である。
【図14】斜入射ミラーによるSOR光の反射の状況を
説明するための図である。
【符号の説明】
d,d1,d2,d3 透過光路長 5 真空ダクト 9 光取り出しライン 12,12a,12b,12c SOR光 13 出射窓 23 出射窓 30 薄板 31 薄板

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シンクロトロンの光取り出しラインの先
    端にSOR光を出射させるための出射窓を設けるととも
    に、その出射窓に、ライン内の真空を保持するとともに
    SOR光を透過させるためのベリリウムの薄板を装着し
    てなるSOR光出射用窓装置において、前記ベリリウム
    の薄板を湾曲させるとともに、その曲率を、この薄板の
    各部を透過するSOR光の強度に対応して透過後のSO
    R光の強度を均等とするべく薄板の各部におけるSOR
    光の透過光路長が異なるように設定したことを特徴とす
    るシンクロトロンにおけるSOR光出射用窓装置。
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