JPH0652997A - 高効率酸素イオン中性化器および高効率酸素イオン中性化器を用いた耐酸素原子性評価装置 - Google Patents
高効率酸素イオン中性化器および高効率酸素イオン中性化器を用いた耐酸素原子性評価装置Info
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- JPH0652997A JPH0652997A JP22359792A JP22359792A JPH0652997A JP H0652997 A JPH0652997 A JP H0652997A JP 22359792 A JP22359792 A JP 22359792A JP 22359792 A JP22359792 A JP 22359792A JP H0652997 A JPH0652997 A JP H0652997A
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- Oxygen, Ozone, And Oxides In General (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 中性化効率が最大となる酸素ガスを選定して
最良の地上模擬実験を可能にするとともに効率のよい劣
化加速実験を可能とすることを目的とする。 【構成】 差動排気室のオリフィスから劣化反応室に流
出するガスを最小限とし、かつ、真空排気路を二重構造
としたものである。
最良の地上模擬実験を可能にするとともに効率のよい劣
化加速実験を可能とすることを目的とする。 【構成】 差動排気室のオリフィスから劣化反応室に流
出するガスを最小限とし、かつ、真空排気路を二重構造
としたものである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、低地球軌道における
酸素原子による宇宙用材料の表面劣化現象を地上で模擬
実験する地上模擬実験装置や前記宇宙用材料の劣化加速
試験装置に用いられる高効率酸素イオン中性化器、およ
び、この高効率酸素イオン中性化器を用いた耐酸素原子
性評価装置に関するものである。
酸素原子による宇宙用材料の表面劣化現象を地上で模擬
実験する地上模擬実験装置や前記宇宙用材料の劣化加速
試験装置に用いられる高効率酸素イオン中性化器、およ
び、この高効率酸素イオン中性化器を用いた耐酸素原子
性評価装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】スペースシャトルによる低地球軌道(高
度約100〜1,000km)での飛行成功以来、宇宙
基地を初めとする低地球軌道宇宙機(宇宙航行体)の開
発が盛んに行われるようになった。しかし、ジェー ス
ペースクラフト アンド ロケッツ 23巻 (J.S
pacecraft and Rockets,Vo
l.23(1986)),p.505−511に示され
ているように、低地球軌道での大気の主成分は酸素原子
であり、この中を宇宙機が飛行すると、酸素原子がエネ
ルギー:5eV、フラックス:1013〜1015/cm2
・secで衝突するため、宇宙機の大気に曝されている
部分(宇宙用材料)の表面は著しい劣化を起こす。この
ため、例えば、「トゥエンティ サード エアロ サイ
ミート ペーパー(23rd Aero.Sci.M
eet,Paper)」 No.85−0415(19
84)に示された酸素原子による宇宙機表面材料の劣化
に関するフライト実験の結果に見られるように、宇宙用
材料として使用されているCFRP等の炭素繊維系材料
では、膜厚減少等の表面劣化が生じ、現在開発中あるい
は今後開発予定の宇宙基地を初めとした長期利用(数ヶ
月〜数十年以上)の宇宙機の構造材料に使うのは困難な
状況である。
度約100〜1,000km)での飛行成功以来、宇宙
基地を初めとする低地球軌道宇宙機(宇宙航行体)の開
発が盛んに行われるようになった。しかし、ジェー ス
ペースクラフト アンド ロケッツ 23巻 (J.S
pacecraft and Rockets,Vo
l.23(1986)),p.505−511に示され
ているように、低地球軌道での大気の主成分は酸素原子
であり、この中を宇宙機が飛行すると、酸素原子がエネ
ルギー:5eV、フラックス:1013〜1015/cm2
・secで衝突するため、宇宙機の大気に曝されている
部分(宇宙用材料)の表面は著しい劣化を起こす。この
ため、例えば、「トゥエンティ サード エアロ サイ
ミート ペーパー(23rd Aero.Sci.M
eet,Paper)」 No.85−0415(19
84)に示された酸素原子による宇宙機表面材料の劣化
に関するフライト実験の結果に見られるように、宇宙用
材料として使用されているCFRP等の炭素繊維系材料
では、膜厚減少等の表面劣化が生じ、現在開発中あるい
は今後開発予定の宇宙基地を初めとした長期利用(数ヶ
月〜数十年以上)の宇宙機の構造材料に使うのは困難な
状況である。
【0003】そこで、原子状酸素による材料劣化メカニ
ズムを探り、劣化防止対策を確率するためには、宇宙環
境の地上模擬実験装置によって、中性の酸素原子ビーム
を宇宙用材料に照射し、その影響を定量的に評価するこ
とが重要である。これまでに、例えば、ゲーリー ダブ
リュ スジョレンダー マテリアルズデグレデーション
イン ロー アース オービット (ザ ミネラル
ズ,メタルズ アンド マテリアルズ ソサエティ,1
990)(Gary W.Sjolander,Mat
erials Degradation in Low
Earth Orbit(The Minerals,
metals&Materials Society,
1990),175−188.に示されているような、
酸素原子ビーム発生器によって生成した中性の酸素原子
ビームを、真空容器中の宇宙用材料に照射する地上模擬
実験装置が開発されている。
ズムを探り、劣化防止対策を確率するためには、宇宙環
境の地上模擬実験装置によって、中性の酸素原子ビーム
を宇宙用材料に照射し、その影響を定量的に評価するこ
とが重要である。これまでに、例えば、ゲーリー ダブ
リュ スジョレンダー マテリアルズデグレデーション
イン ロー アース オービット (ザ ミネラル
ズ,メタルズ アンド マテリアルズ ソサエティ,1
990)(Gary W.Sjolander,Mat
erials Degradation in Low
Earth Orbit(The Minerals,
metals&Materials Society,
1990),175−188.に示されているような、
酸素原子ビーム発生器によって生成した中性の酸素原子
ビームを、真空容器中の宇宙用材料に照射する地上模擬
実験装置が開発されている。
【0004】図6は従来の地上模擬実験装置として例示
した酸素原子ビーム発生器の概略的な構造図である。図
において、1は酸素ガスに対するアーク放電を行って酸
素イオン(O’)を生成するためのイオン源、3は前記
酸素イオン(O’)をkeVのオーダーまで加速するた
めの加速電極、4はその加速電極3から入射した酸素イ
オン(O’)だけを選別する質量分離マグネット、5は
試料に対する前記酸素イオン(O’)の照射速度を所定
速度(5eV)まで減速する減速器の減速電極、6はそ
の減速電極5から入射した酸素イオン(O’)ビームを
酸素ガスとの電荷交換によって中性化し、中性の酸素原
子ビームを生成する酸素イオン中性化器(以下、単に中
性化器という)、7は偏向電極であり、これらによっ
て、酸素原子ビーム発生器の主要部が構成されている。
した酸素原子ビーム発生器の概略的な構造図である。図
において、1は酸素ガスに対するアーク放電を行って酸
素イオン(O’)を生成するためのイオン源、3は前記
酸素イオン(O’)をkeVのオーダーまで加速するた
めの加速電極、4はその加速電極3から入射した酸素イ
オン(O’)だけを選別する質量分離マグネット、5は
試料に対する前記酸素イオン(O’)の照射速度を所定
速度(5eV)まで減速する減速器の減速電極、6はそ
の減速電極5から入射した酸素イオン(O’)ビームを
酸素ガスとの電荷交換によって中性化し、中性の酸素原
子ビームを生成する酸素イオン中性化器(以下、単に中
性化器という)、7は偏向電極であり、これらによっ
て、酸素原子ビーム発生器の主要部が構成されている。
【0005】図7は図6の地上模擬実験装置に使用され
ている中性化器の概略的な断面構成図である。図におい
て、60は中性化器6の中性化室、61はこの中性化室
60内に酸素イオン(O’)ビーム8を入射させる入口
側オリフィス、62は前記中性化室60から中性酸素原
子ビーム9を出射させる出口側オリフィスであり、前記
入口側オリフィス61と前記出口側オリフィス62は前
記中性化室60のビーム経路に設けられている。63は
前記中性化室60内に酸素ガスを導入充満させるための
ガス導入管であり、このガス導入管63はガス流量コン
トローラー(図示せず)を備えている。64は前記中性
化室60から反応生成イオンや未反応酸素ガスを排気す
るための排気管であり、この排気管64は真空排気装置
(図示せず)に接続されている。
ている中性化器の概略的な断面構成図である。図におい
て、60は中性化器6の中性化室、61はこの中性化室
60内に酸素イオン(O’)ビーム8を入射させる入口
側オリフィス、62は前記中性化室60から中性酸素原
子ビーム9を出射させる出口側オリフィスであり、前記
入口側オリフィス61と前記出口側オリフィス62は前
記中性化室60のビーム経路に設けられている。63は
前記中性化室60内に酸素ガスを導入充満させるための
ガス導入管であり、このガス導入管63はガス流量コン
トローラー(図示せず)を備えている。64は前記中性
化室60から反応生成イオンや未反応酸素ガスを排気す
るための排気管であり、この排気管64は真空排気装置
(図示せず)に接続されている。
【0006】次に動作について説明する。まず、イオン
源1では酸素ガスに対してアーク放電が行われることに
より、酸素イオン(O’)が生成される。この酸素イオ
ン(O’)は次の加速電極3によってkeVのオーダー
まで加速された後、質量分離マグネット4によって酸素
イオン(O’)だけが選別される。次いで、減速電極5
により酸素イオン(O’)ビーム8を試料に照射した速
度(5eV)まで減速し、その酸素イオン(O’)ビー
ム8が中性化器6に入射する。この中性化器6では、入
射した酸素イオンを中性化して中性酸素原子を生成す
る。そして、前記中性化器6から出射された中性酸素原
子ビームは、最後に、偏向電極7で電荷を持つ酸素イオ
ン(O’)が取除かれ、酸素原子だけから成る中性酸素
原子ビーム9が生成される。
源1では酸素ガスに対してアーク放電が行われることに
より、酸素イオン(O’)が生成される。この酸素イオ
ン(O’)は次の加速電極3によってkeVのオーダー
まで加速された後、質量分離マグネット4によって酸素
イオン(O’)だけが選別される。次いで、減速電極5
により酸素イオン(O’)ビーム8を試料に照射した速
度(5eV)まで減速し、その酸素イオン(O’)ビー
ム8が中性化器6に入射する。この中性化器6では、入
射した酸素イオンを中性化して中性酸素原子を生成す
る。そして、前記中性化器6から出射された中性酸素原
子ビームは、最後に、偏向電極7で電荷を持つ酸素イオ
ン(O’)が取除かれ、酸素原子だけから成る中性酸素
原子ビーム9が生成される。
【0007】このような中性酸素原子ビーム9の生成過
程において、中性化器6では、図7に示すように、入口
側オリフィス61から中性化室60内に入射した酸素イ
オン(O’)が、前記中性化室60内に充満している酸
素ガスとの電荷交換によって中性化することにより、中
性酸素原子ビーム9が生成される。この中性酸素原子ビ
ーム9は出口側オリフィス62から出射され、且つ、反
応生成イオンや未反応酸素ガスは排気管64から排気さ
れる。この場合、前記酸素イオン(O’)ビーム8が安
定して生成されていれば、前記中性化室60の酸素ガス
導入量がガス流量コントローラーで調整されて、その中
性化室60内に酸素ガス圧が一定に保たれることによっ
て、中性酸素原子ビーム9が安定生成される。
程において、中性化器6では、図7に示すように、入口
側オリフィス61から中性化室60内に入射した酸素イ
オン(O’)が、前記中性化室60内に充満している酸
素ガスとの電荷交換によって中性化することにより、中
性酸素原子ビーム9が生成される。この中性酸素原子ビ
ーム9は出口側オリフィス62から出射され、且つ、反
応生成イオンや未反応酸素ガスは排気管64から排気さ
れる。この場合、前記酸素イオン(O’)ビーム8が安
定して生成されていれば、前記中性化室60の酸素ガス
導入量がガス流量コントローラーで調整されて、その中
性化室60内に酸素ガス圧が一定に保たれることによっ
て、中性酸素原子ビーム9が安定生成される。
【0008】ここで、前記中性化器6によって生成され
る酸素原子ビームのフラックスは、中性化室60に入射
する酸素イオン(O’)ビーム8のフラックスが一定の
場合、前記中性化室60の酸素ガス圧を高めることによ
って上昇し、あるピーク値を取った後、逆に減少する。
従って、地上模擬実験の条件に合わせて前記酸素ガス圧
を変えることにより、酸素原子ビームのフラックスも変
化させることができる。
る酸素原子ビームのフラックスは、中性化室60に入射
する酸素イオン(O’)ビーム8のフラックスが一定の
場合、前記中性化室60の酸素ガス圧を高めることによ
って上昇し、あるピーク値を取った後、逆に減少する。
従って、地上模擬実験の条件に合わせて前記酸素ガス圧
を変えることにより、酸素原子ビームのフラックスも変
化させることができる。
【0009】このような地上模擬実験装置によって発生
した酸素イオン(O’)ビームのエネルギーをエネルギ
ーアナライザーで測定したところ、ピークエネルギーが
4.5eV、半値全幅1.5eVであった。また、酸素
イオン(O’)ビームのフラックスは、5*1014個/
cm2 secであり、低地球軌道環境をイオンビームに
関して良く再現していることが分かった。即ち、前記地
上模擬実験装置において、酸素イオン(O’)を加速電
極3で一旦高速まで加速してから減速電極5で5eVま
で減速することは、空間電荷効果によるイオンビームの
広がりを少なくする効果が得られ、また、質量選別の方
法として信頼性の高い方法を使用可能にするという利点
がある。従って、前記地上模擬実験装置によれば、宇宙
用材料の酸素原子による表面劣化現象を地上で模擬する
ことができる。
した酸素イオン(O’)ビームのエネルギーをエネルギ
ーアナライザーで測定したところ、ピークエネルギーが
4.5eV、半値全幅1.5eVであった。また、酸素
イオン(O’)ビームのフラックスは、5*1014個/
cm2 secであり、低地球軌道環境をイオンビームに
関して良く再現していることが分かった。即ち、前記地
上模擬実験装置において、酸素イオン(O’)を加速電
極3で一旦高速まで加速してから減速電極5で5eVま
で減速することは、空間電荷効果によるイオンビームの
広がりを少なくする効果が得られ、また、質量選別の方
法として信頼性の高い方法を使用可能にするという利点
がある。従って、前記地上模擬実験装置によれば、宇宙
用材料の酸素原子による表面劣化現象を地上で模擬する
ことができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来の酸素イオン中性
化器および酸素イオン中性化器を用いた地上模擬実験装
置は以上のように構成されているので、この地上模擬実
験装置においては、低地球軌道の大気圧を再現するため
に、劣化反応室の圧力を10-5Torr以下に保たなけ
ればならず、一方、中性化器では、低地球軌道で宇宙機
表面に衝突する酸素原子フラックス:1013〜1015/
cm2 ・secを再現するために、中性化室60内の酸
素ガス圧を劣化反応室内の圧力(10-6Torr程度)
よりもはるかに高くして(10-2Torr程度)中性化
効率を高くしなければならない。しかし、上記従来の中
性化器6では、中性化室60内の酸素ガス圧を高くする
と、その中性化室60内の反応生成イオンや酸素ガスが
入口側および出口側のオリフィス61,62から流出
し、劣化反応室の圧力を高くするばかりでなく、反応生
成イオンが試料付近に回り込んで試料と何らかの反応を
起こす可能性が生じるため、模擬試験としての精度が落
ち、模擬試験後に試料の表面分析をする場合に大きな悪
影響を受けるという問題点があった。また、前記中性化
器6を真空容器内に設置する際、この真空容器には、前
記中性化器6のガス導入管63と排気管64のそれぞれ
を通すための2つの穴を設けなければならず、従って、
それらの穴による隙間で前記真空容器は真空洩れが生じ
る確率が高くなるという問題点もあった。
化器および酸素イオン中性化器を用いた地上模擬実験装
置は以上のように構成されているので、この地上模擬実
験装置においては、低地球軌道の大気圧を再現するため
に、劣化反応室の圧力を10-5Torr以下に保たなけ
ればならず、一方、中性化器では、低地球軌道で宇宙機
表面に衝突する酸素原子フラックス:1013〜1015/
cm2 ・secを再現するために、中性化室60内の酸
素ガス圧を劣化反応室内の圧力(10-6Torr程度)
よりもはるかに高くして(10-2Torr程度)中性化
効率を高くしなければならない。しかし、上記従来の中
性化器6では、中性化室60内の酸素ガス圧を高くする
と、その中性化室60内の反応生成イオンや酸素ガスが
入口側および出口側のオリフィス61,62から流出
し、劣化反応室の圧力を高くするばかりでなく、反応生
成イオンが試料付近に回り込んで試料と何らかの反応を
起こす可能性が生じるため、模擬試験としての精度が落
ち、模擬試験後に試料の表面分析をする場合に大きな悪
影響を受けるという問題点があった。また、前記中性化
器6を真空容器内に設置する際、この真空容器には、前
記中性化器6のガス導入管63と排気管64のそれぞれ
を通すための2つの穴を設けなければならず、従って、
それらの穴による隙間で前記真空容器は真空洩れが生じ
る確率が高くなるという問題点もあった。
【0011】また、上記従来の地上模擬実験装置におい
ては、中性化器6で生成される中性酸素原子の量が安定
していること、および、実際に宇宙用材料(試料)に照
射される酸素原子の量を正確に把握することは、材料劣
化の定量的な評価を行う上で重要であり、加速実験を行
う際にも不可欠である。しかし、前記中性化器6の中性
化室60内では複雑な原子・分子の反応が起こっている
ため、その中性化器6で生成する中性酸素原子量を反応
断面積などから理論的に求めることは精度にも限度があ
って非常に困難である。このため、中性酸素原子量の量
や、その安定性は何らかの方法で測定するしかないが、
上記従来の地上模擬実験装置には、そのための手段がな
いため、例えば、試料に対する酸素原子ビームの照射量
と劣化による質量減少との関係を調べるというような劣
化の定量的評価が困難であり、加速実験の信頼性に欠け
るという問題点があった。
ては、中性化器6で生成される中性酸素原子の量が安定
していること、および、実際に宇宙用材料(試料)に照
射される酸素原子の量を正確に把握することは、材料劣
化の定量的な評価を行う上で重要であり、加速実験を行
う際にも不可欠である。しかし、前記中性化器6の中性
化室60内では複雑な原子・分子の反応が起こっている
ため、その中性化器6で生成する中性酸素原子量を反応
断面積などから理論的に求めることは精度にも限度があ
って非常に困難である。このため、中性酸素原子量の量
や、その安定性は何らかの方法で測定するしかないが、
上記従来の地上模擬実験装置には、そのための手段がな
いため、例えば、試料に対する酸素原子ビームの照射量
と劣化による質量減少との関係を調べるというような劣
化の定量的評価が困難であり、加速実験の信頼性に欠け
るという問題点があった。
【0012】さらに、上記地上模擬実験装置では、効率
よく酸素イオン(O’)ビーム8を中性酸素原子ビーム
9に変換するために、中性化器6での中性化効率を最大
にする必要がある。しかし、上述のように、中性化器6
で生成する中性酸素原子量を理論的に求めることは困難
であるため何らかの方法で測定し最適条件を求めるしか
ないが、上記地上模擬実験装置の場合、生成した中性酸
素原子の密度を測定する手段がないため、中性化効率を
最大にする条件を調べることができないという問題点が
あった。
よく酸素イオン(O’)ビーム8を中性酸素原子ビーム
9に変換するために、中性化器6での中性化効率を最大
にする必要がある。しかし、上述のように、中性化器6
で生成する中性酸素原子量を理論的に求めることは困難
であるため何らかの方法で測定し最適条件を求めるしか
ないが、上記地上模擬実験装置の場合、生成した中性酸
素原子の密度を測定する手段がないため、中性化効率を
最大にする条件を調べることができないという問題点が
あった。
【0013】請求項1の発明は上記のような問題点を解
消するためになされたもので、反応生成イオンや酸素ガ
スが外部に流出する量を最小限に抑えることができる構
成とすることにより、中性化室の酸素ガス圧を高くして
中性化効率を高めても、劣化反応室の圧力を低地球軌道
環境と同程度に保つことができ、且つ、前記中性化室で
の反応生成イオンが試料と反応することがなく、中性化
効率が最大となる酸素ガスを選定して最良の地上模擬実
験を可能とする高効率酸素イオン中性化器を得ることを
目的とする。
消するためになされたもので、反応生成イオンや酸素ガ
スが外部に流出する量を最小限に抑えることができる構
成とすることにより、中性化室の酸素ガス圧を高くして
中性化効率を高めても、劣化反応室の圧力を低地球軌道
環境と同程度に保つことができ、且つ、前記中性化室で
の反応生成イオンが試料と反応することがなく、中性化
効率が最大となる酸素ガスを選定して最良の地上模擬実
験を可能とする高効率酸素イオン中性化器を得ることを
目的とする。
【0014】請求項2の発明は、中性の酸素原子だけか
ら成るビームの高濃度生成が可能で、且つ、その酸素原
子の絶対密度をその場で計測できるようにすることによ
って、酸素原子ビームの照射条件を正確に把握でき、酸
素原子の照射量と宇宙用材料劣化との関係を定量的に評
価することができると共に、加速実験においても信頼性
の向上が図れる耐酸素原子性評価装置を得ることを目的
とする。
ら成るビームの高濃度生成が可能で、且つ、その酸素原
子の絶対密度をその場で計測できるようにすることによ
って、酸素原子ビームの照射条件を正確に把握でき、酸
素原子の照射量と宇宙用材料劣化との関係を定量的に評
価することができると共に、加速実験においても信頼性
の向上が図れる耐酸素原子性評価装置を得ることを目的
とする。
【0015】請求項3の発明は、酸素原子ビームの試料
への照射角度と材料劣化との関係を調べることができ、
宇宙機表面の部位による宇宙用材料の劣化の違いを正確
に模擬できる耐酸素原子性評価装置を得ることを目的と
する。
への照射角度と材料劣化との関係を調べることができ、
宇宙機表面の部位による宇宙用材料の劣化の違いを正確
に模擬できる耐酸素原子性評価装置を得ることを目的と
する。
【0016】請求項4の発明は、試料交換時の都度、劣
化反応室の真空吸引力を解放した後再度、真空吸引力を
発生させるという手間をかけることなく、複数試料の連
続劣化加速実験を行うことができる耐酸素原子性評価装
置を得ることを目的とする。
化反応室の真空吸引力を解放した後再度、真空吸引力を
発生させるという手間をかけることなく、複数試料の連
続劣化加速実験を行うことができる耐酸素原子性評価装
置を得ることを目的とする。
【0017】請求項5の発明は、試料に酸素原子を照射
する前後の生成ガスを分析し、材料劣化メカニズムに関
する情報を得ることができる耐酸素原子性評価装置を得
ることを目的とする。
する前後の生成ガスを分析し、材料劣化メカニズムに関
する情報を得ることができる耐酸素原子性評価装置を得
ることを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る高
効率酸素イオン中性化器は、中性化室内に酸素ガスを導
入し且つ該酸素ガス導入量を制御するガス流入量コント
ローラーを有するガス導入管と、前記中性化室を囲み、
且つ、該中性化室の前記入口側オリフィスおよび前記出
口側オリフィスにそれぞれ対向する入口側オリフィスお
よび出口側オリフィスを同一直線上に有する差動排気室
と、この差動排気室を真空排気装置に接続し、且つ、前
記ガス導入管を囲んで該ガス導入管との間で真空排気路
を形成する真空排気管とを備え、前記中性化室の前記入
口側および出口側オリフィスのコンダクタンスをC2 ,
C3 、前記差動排気室の前記入口側および出口側オリフ
ィスのコンダクタンスをC1 ,C4 、前記差動排気室系
統の真空排気装置の実効排気速度をS1 、前記真空容器
系統の真空排気装置の実効排気速度をS2 とすると、 (C1 +C4 )*(C2 +C3 )/(S1 *S2 )<1
0-2 を満たすようにしたものである。
効率酸素イオン中性化器は、中性化室内に酸素ガスを導
入し且つ該酸素ガス導入量を制御するガス流入量コント
ローラーを有するガス導入管と、前記中性化室を囲み、
且つ、該中性化室の前記入口側オリフィスおよび前記出
口側オリフィスにそれぞれ対向する入口側オリフィスお
よび出口側オリフィスを同一直線上に有する差動排気室
と、この差動排気室を真空排気装置に接続し、且つ、前
記ガス導入管を囲んで該ガス導入管との間で真空排気路
を形成する真空排気管とを備え、前記中性化室の前記入
口側および出口側オリフィスのコンダクタンスをC2 ,
C3 、前記差動排気室の前記入口側および出口側オリフ
ィスのコンダクタンスをC1 ,C4 、前記差動排気室系
統の真空排気装置の実効排気速度をS1 、前記真空容器
系統の真空排気装置の実効排気速度をS2 とすると、 (C1 +C4 )*(C2 +C3 )/(S1 *S2 )<1
0-2 を満たすようにしたものである。
【0019】請求項2の発明に係る耐酸素原子性評価装
置は、イオン源、加速手段、減速手段、酸素イオン中性
化器のそれぞれを、この順に配置して構成された酸素原
子ビーム発生器と、この酸素原子ビーム発生器に接続さ
れてビームライン上に試料ホルダーが設置され、少なく
とも2つの窓を持つ真空の劣化反応室と、試料に照射さ
れる原子状酸素の密度を測定するレーザー誘起蛍光測定
装置とを備え、前記劣化反応室は真空排気装置に接続さ
れ、前記レーザー誘起蛍光測定装置は、前記劣化反応室
の窓を通して、前記酸素原子ビーム発生器で生成された
酸素原子ビームにレーザー光が照射され、このレーザー
光と前記酸素原子ビームとの交点が蛍光検出のための観
測体積となるように配置したものである。
置は、イオン源、加速手段、減速手段、酸素イオン中性
化器のそれぞれを、この順に配置して構成された酸素原
子ビーム発生器と、この酸素原子ビーム発生器に接続さ
れてビームライン上に試料ホルダーが設置され、少なく
とも2つの窓を持つ真空の劣化反応室と、試料に照射さ
れる原子状酸素の密度を測定するレーザー誘起蛍光測定
装置とを備え、前記劣化反応室は真空排気装置に接続さ
れ、前記レーザー誘起蛍光測定装置は、前記劣化反応室
の窓を通して、前記酸素原子ビーム発生器で生成された
酸素原子ビームにレーザー光が照射され、このレーザー
光と前記酸素原子ビームとの交点が蛍光検出のための観
測体積となるように配置したものである。
【0020】請求項3の発明に係る耐酸素原子性評価装
置は、劣化反応室内の試料ホルダーを回転可能に支持し
たものである。
置は、劣化反応室内の試料ホルダーを回転可能に支持し
たものである。
【0021】請求項4の発明に係る耐酸素原子性評価装
置は、前記試料ホルダーを前記劣化反応室内で脱着可能
に支持すると共に、前記劣化反応室は、複数の試料が備
えられる真空の試料準備室を真空バルブを介して接続
し、前記試料ホルダーを前記劣化反応室と前記試料準備
室との間でマニピュレーターにより移動可能とし、前記
劣化反応室内の試料ホルダーを前記試料準備室に備え付
けの試料ホルダーと順次交換可能にしたものである。
置は、前記試料ホルダーを前記劣化反応室内で脱着可能
に支持すると共に、前記劣化反応室は、複数の試料が備
えられる真空の試料準備室を真空バルブを介して接続
し、前記試料ホルダーを前記劣化反応室と前記試料準備
室との間でマニピュレーターにより移動可能とし、前記
劣化反応室内の試料ホルダーを前記試料準備室に備え付
けの試料ホルダーと順次交換可能にしたものである。
【0022】請求項5の発明に係る耐酸素原子性評価装
置は、劣化反応室に、試料から放出されるガスをサンプ
ルガスとする四重極型質量分析計を備え付けものであ
る。
置は、劣化反応室に、試料から放出されるガスをサンプ
ルガスとする四重極型質量分析計を備え付けものであ
る。
【0023】
【作用】請求項1の発明における高効率酸素イオン中性
化器は、中性化室にガス導入管から酸素ガスを導入充満
させ、入口側および出口側オリフィスによって酸素イオ
ン(O’)を通過させると、入口側オリフィスから前記
中性化室内に入射した酸素イオン(O’)ビームは、そ
の中性化室内で酸素ガスとの電荷交換が行われて中性化
し、これによって中性酸素原子ビームが生成され、この
中性酸素原子ビームは出口側オリフィスから出射され
る。この場合、反応生成イオンや未反応の酸素ガスは前
記中性化室の少なくとも2つのオリフィスから流出し、
差動排気室の真空排気管から排気される。また、前記中
性化室内のガス流量コントローラーで一定に保つことが
できるため、前記酸素原子ビームは安定して生成され
る。ここで、前記中性化室の入口側および出口側オリフ
ィスのコンダクタンスをC2 ,C3 、前記差動排気室の
入口側および出口側オリフィスのコンダクタンスをC
1 ,C4 、前記差動排気室系統の真空排気装置の実効排
気速度をS1 、前記真空容器系統の真空排気装置の実効
排気速度をS2 とすると、 (C1 +C4 )*(C2 +C3 )/(S1 *S2 )<1
0-2 を満たすことにより、前記差動排気室のオリフィスから
劣化反応室に流出するガスは最小限に抑えられる。この
ため、前記中性化室の酸素ガス圧を高くして中性化効率
を10-2Torr程度まで高めても前記劣化反応室の圧
力は10-5Torr以下に保たれる。従って、中性化室
の酸素ガス圧を高くして中性化効率を高めても、劣化反
応室の圧力は低地球軌道環境と同程度に保たれ、且つ、
中性化室での反応生成イオンが試料と反応するようなこ
とがなくなる。また、ガス導入管と真空排気管との二重
構造によって真空排気路が形成されていることから、ガ
スの導入・排気部がコンパクトになり、中性化室を真空
容器中に取り付けるときは、この真空容器には、前記ガ
ス導入管・真空排気管挿通用として共通の一つの穴を設
けるだけでよいという利点が得られる。
化器は、中性化室にガス導入管から酸素ガスを導入充満
させ、入口側および出口側オリフィスによって酸素イオ
ン(O’)を通過させると、入口側オリフィスから前記
中性化室内に入射した酸素イオン(O’)ビームは、そ
の中性化室内で酸素ガスとの電荷交換が行われて中性化
し、これによって中性酸素原子ビームが生成され、この
中性酸素原子ビームは出口側オリフィスから出射され
る。この場合、反応生成イオンや未反応の酸素ガスは前
記中性化室の少なくとも2つのオリフィスから流出し、
差動排気室の真空排気管から排気される。また、前記中
性化室内のガス流量コントローラーで一定に保つことが
できるため、前記酸素原子ビームは安定して生成され
る。ここで、前記中性化室の入口側および出口側オリフ
ィスのコンダクタンスをC2 ,C3 、前記差動排気室の
入口側および出口側オリフィスのコンダクタンスをC
1 ,C4 、前記差動排気室系統の真空排気装置の実効排
気速度をS1 、前記真空容器系統の真空排気装置の実効
排気速度をS2 とすると、 (C1 +C4 )*(C2 +C3 )/(S1 *S2 )<1
0-2 を満たすことにより、前記差動排気室のオリフィスから
劣化反応室に流出するガスは最小限に抑えられる。この
ため、前記中性化室の酸素ガス圧を高くして中性化効率
を10-2Torr程度まで高めても前記劣化反応室の圧
力は10-5Torr以下に保たれる。従って、中性化室
の酸素ガス圧を高くして中性化効率を高めても、劣化反
応室の圧力は低地球軌道環境と同程度に保たれ、且つ、
中性化室での反応生成イオンが試料と反応するようなこ
とがなくなる。また、ガス導入管と真空排気管との二重
構造によって真空排気路が形成されていることから、ガ
スの導入・排気部がコンパクトになり、中性化室を真空
容器中に取り付けるときは、この真空容器には、前記ガ
ス導入管・真空排気管挿通用として共通の一つの穴を設
けるだけでよいという利点が得られる。
【0024】請求項2の発明における耐酸素原子性評価
装置は、酸素原子ビーム発生器において、イオン源でイ
オン化された酸素イオンを、加速手段によって試料照射
速度に加速し、次いで、質量分離手段で酸素イオンだけ
を選別し、選別した酸素イオンを減速手段で試料に照射
したい速度まで減速し、この後、前記請求項1の酸素イ
オン中性化器による電荷交換によって、ほぼ均一な粒子
エネルギーを持つ中性酸素原子ビームが生成される。こ
のような電荷交換による中性化法は、例えば電子との再
結合などと比較すると効率が高くなる。また、前記加速
手段としては引出し電極を用いることができ、酸素原子
ビームのエネルギーは前記引出し電極の電圧に等しくな
るため、この引出し電極の電圧を変えることによって簡
単に制御することができる。さらに、レーザー誘起蛍光
測定装置では、例えばレーザー誘起蛍光用レーザーで2
26nmのレーザー光を発生して酸素原子ビームに照射
する。226nmのレーザー光は中性酸素原子だけを励
起し、励起した酸素原子は844nmの蛍光を放出す
る。この蛍光は前記レーザー誘起蛍光測定装置によって
検出され、蛍光強度を構成することにより酸素原子の絶
対密度が求められる。従って、前記レーザー誘起蛍光測
定装置により、酸素原子密度をその場で正確に計測する
ことができる。前記中性化器での酸素イオンの中性化効
率は、真空排気装置の排気量が一定の場合、酸素ガスの
導入量に依存するが、中性化効率を最大にする酸素ガス
の導入量は、前記レーザー誘起蛍光測定装置によって、
酸素ガスの導入量と中性酸素原子の密度との関係を調べ
ることによって明らかにすることができる。また、酸素
イオンビームのフラックスは、イオン源での酸素イオン
発生条件によって変化する。従って、前記レーザー誘起
蛍光測定装置により、前記フラックスをコントロールし
ながら劣化模擬実験による劣化の定量的評価が可能とな
り、加速実験においても信頼性が向上する。
装置は、酸素原子ビーム発生器において、イオン源でイ
オン化された酸素イオンを、加速手段によって試料照射
速度に加速し、次いで、質量分離手段で酸素イオンだけ
を選別し、選別した酸素イオンを減速手段で試料に照射
したい速度まで減速し、この後、前記請求項1の酸素イ
オン中性化器による電荷交換によって、ほぼ均一な粒子
エネルギーを持つ中性酸素原子ビームが生成される。こ
のような電荷交換による中性化法は、例えば電子との再
結合などと比較すると効率が高くなる。また、前記加速
手段としては引出し電極を用いることができ、酸素原子
ビームのエネルギーは前記引出し電極の電圧に等しくな
るため、この引出し電極の電圧を変えることによって簡
単に制御することができる。さらに、レーザー誘起蛍光
測定装置では、例えばレーザー誘起蛍光用レーザーで2
26nmのレーザー光を発生して酸素原子ビームに照射
する。226nmのレーザー光は中性酸素原子だけを励
起し、励起した酸素原子は844nmの蛍光を放出す
る。この蛍光は前記レーザー誘起蛍光測定装置によって
検出され、蛍光強度を構成することにより酸素原子の絶
対密度が求められる。従って、前記レーザー誘起蛍光測
定装置により、酸素原子密度をその場で正確に計測する
ことができる。前記中性化器での酸素イオンの中性化効
率は、真空排気装置の排気量が一定の場合、酸素ガスの
導入量に依存するが、中性化効率を最大にする酸素ガス
の導入量は、前記レーザー誘起蛍光測定装置によって、
酸素ガスの導入量と中性酸素原子の密度との関係を調べ
ることによって明らかにすることができる。また、酸素
イオンビームのフラックスは、イオン源での酸素イオン
発生条件によって変化する。従って、前記レーザー誘起
蛍光測定装置により、前記フラックスをコントロールし
ながら劣化模擬実験による劣化の定量的評価が可能とな
り、加速実験においても信頼性が向上する。
【0025】請求項3の発明における耐酸素原子性評価
装置は、試料ホルダーが回転することにより、酸素原子
ビームの試料への照射角度と劣化との関係を明らかにす
ることが可能となり、これによって、宇宙機表面の部位
による材料劣化の違いを正確に調べることができる。
装置は、試料ホルダーが回転することにより、酸素原子
ビームの試料への照射角度と劣化との関係を明らかにす
ることが可能となり、これによって、宇宙機表面の部位
による材料劣化の違いを正確に調べることができる。
【0026】請求項4の発明における耐酸素原子性評価
装置は、試料準備室を備え、この試料準備室内に複数の
試料が予め備え付けていることにより、試料交換時の都
度、劣化反応室の真空吸引力を解放した後、再度、真空
吸引力を発生させるという手間が省け、複数試料の継続
的な劣化加速実験を行うことが可能となる。
装置は、試料準備室を備え、この試料準備室内に複数の
試料が予め備え付けていることにより、試料交換時の都
度、劣化反応室の真空吸引力を解放した後、再度、真空
吸引力を発生させるという手間が省け、複数試料の継続
的な劣化加速実験を行うことが可能となる。
【0027】請求項5の発明における耐酸素原子性評価
装置は、四重極型質量分析計によって、酸素原子を試料
に照射する前後の生成ガスを分析することができ、これ
によって、材料劣化メカニズムに関する情報が得られ
る。
装置は、四重極型質量分析計によって、酸素原子を試料
に照射する前後の生成ガスを分析することができ、これ
によって、材料劣化メカニズムに関する情報が得られ
る。
【0028】
【実施例】 実施例1.以下、この発明の一実施例を図について説明
する。図1はこの発明の請求項1に対応した実施例1に
よる高効率酸素イオン中性化器の概略的な断面構成図で
あり、図7と同一または相当部分には同一符号を付して
説明を省略する。図において、65は中性化器6の外側
を囲む差動排気室で、この差動排気室65に接続されて
前記中性化器6のガス導入管63を囲む真空排気管64
を一体に有しおり、この真空排気管64は前記ガス導入
管63との間で真空排気路64aを形成している。従っ
て、この真空排気路64aは、ガス導入管63と真空排
気管64とによる二重管構造から成っている。66は前
記差動排気室65の一側に設けられて前記中性化器6の
入口側オリフィス61に対向する入口側オリフィス、6
7は前記差動排気室65の他側に設けられて前記中性化
器6の出口側オリフィス62に対向する出口側オリフィ
スであり、これらのオリフィス61,62,66,67
はビーム経路として同一直線上で並ぶ配列としてある。
する。図1はこの発明の請求項1に対応した実施例1に
よる高効率酸素イオン中性化器の概略的な断面構成図で
あり、図7と同一または相当部分には同一符号を付して
説明を省略する。図において、65は中性化器6の外側
を囲む差動排気室で、この差動排気室65に接続されて
前記中性化器6のガス導入管63を囲む真空排気管64
を一体に有しおり、この真空排気管64は前記ガス導入
管63との間で真空排気路64aを形成している。従っ
て、この真空排気路64aは、ガス導入管63と真空排
気管64とによる二重管構造から成っている。66は前
記差動排気室65の一側に設けられて前記中性化器6の
入口側オリフィス61に対向する入口側オリフィス、6
7は前記差動排気室65の他側に設けられて前記中性化
器6の出口側オリフィス62に対向する出口側オリフィ
スであり、これらのオリフィス61,62,66,67
はビーム経路として同一直線上で並ぶ配列としてある。
【0029】このように構成された中性化器6は、耐酸
素原子性評価装置の劣化反応室内部で酸素イオン
(O’)ビームの入口付近に設置される。なお、前記中
性化器6のガス導入管63は従来と同様にガス流量コン
トローラー(図示せず)を有するものである。
素原子性評価装置の劣化反応室内部で酸素イオン
(O’)ビームの入口付近に設置される。なお、前記中
性化器6のガス導入管63は従来と同様にガス流量コン
トローラー(図示せず)を有するものである。
【0030】そして、前記中性化器6と差動排気室65
の各オリフィス61,62,66,67の径を4mm、
コンダクタンスC1 =C2 =C3 =C4 =1.51/s
とし、前記差動排気室65の真空排気装置としてターボ
分子ポンプ(実効排気速度150l/s)、前記劣化反
応室の真空排気装置としてクライムポンプ(実効排気速
度700l/s)を使用する。ここで、前記オリフィス
から流出するガスの量を少なくするための条件 (C1 +C4 )*(C2 +C3 )/(S1 *S2 )=
8.6*10-5<10-2 は満たされている。
の各オリフィス61,62,66,67の径を4mm、
コンダクタンスC1 =C2 =C3 =C4 =1.51/s
とし、前記差動排気室65の真空排気装置としてターボ
分子ポンプ(実効排気速度150l/s)、前記劣化反
応室の真空排気装置としてクライムポンプ(実効排気速
度700l/s)を使用する。ここで、前記オリフィス
から流出するガスの量を少なくするための条件 (C1 +C4 )*(C2 +C3 )/(S1 *S2 )=
8.6*10-5<10-2 は満たされている。
【0031】次に動作について説明する。前記構成の中
性化器6による酸素イオン(O’)ビーム8の中性化は
以下のようにして行われる。まず、耐酸素原子性評価装
置を酸素イオン(O’)ビーム発生可能な状態にする。
この状態において、差動排気室65に接続された真空排
気装置を作動させ、ガス導入管63を介して中性化器6
内に酸素ガスを導入する。この時、前記ガス導入管63
が備えているガス流量コントローラーを調節し、中性化
器6内の圧力を5*10-2Torr程度にする。中性化
器6内の酸素ガスは、この中性化器6のオリフィス6
1,62を通って流出するが、その殆どは差動排気機構
による差動排気室65から真空排気路64aを通って排
出される。
性化器6による酸素イオン(O’)ビーム8の中性化は
以下のようにして行われる。まず、耐酸素原子性評価装
置を酸素イオン(O’)ビーム発生可能な状態にする。
この状態において、差動排気室65に接続された真空排
気装置を作動させ、ガス導入管63を介して中性化器6
内に酸素ガスを導入する。この時、前記ガス導入管63
が備えているガス流量コントローラーを調節し、中性化
器6内の圧力を5*10-2Torr程度にする。中性化
器6内の酸素ガスは、この中性化器6のオリフィス6
1,62を通って流出するが、その殆どは差動排気機構
による差動排気室65から真空排気路64aを通って排
出される。
【0032】この状態において、酸素イオン(O’)ビ
ーム8が中性化器6内に入口側オリフィス61から入射
すると、酸素ガスとの電荷交換によって中性の酸素原子
が生成され、その中性酸素原子ビーム9が前記中性化器
6および差動排気室65の出口側オリフィス62,67
から出射される。この場合、前記中性化器6からの流出
ガスの一部は作動排気されずにオリフィスを通って中性
化器6外部に流出するが、前記オリフィスのコンダクタ
ンスと真空排気装置の実効排気速度の場合、劣化反応室
の圧力は凡そ4.3*10-6Torrになり、低地球軌
道環境と同程度の値に保たれる。このため、中性化器6
の酸素ガス圧を高くして中性化効率を高めても、劣化反
応室の圧力は低地球軌道環境と同程度に保たれ、且つ、
中性化器6での反応生成イオンが試料と反応することは
ない。
ーム8が中性化器6内に入口側オリフィス61から入射
すると、酸素ガスとの電荷交換によって中性の酸素原子
が生成され、その中性酸素原子ビーム9が前記中性化器
6および差動排気室65の出口側オリフィス62,67
から出射される。この場合、前記中性化器6からの流出
ガスの一部は作動排気されずにオリフィスを通って中性
化器6外部に流出するが、前記オリフィスのコンダクタ
ンスと真空排気装置の実効排気速度の場合、劣化反応室
の圧力は凡そ4.3*10-6Torrになり、低地球軌
道環境と同程度の値に保たれる。このため、中性化器6
の酸素ガス圧を高くして中性化効率を高めても、劣化反
応室の圧力は低地球軌道環境と同程度に保たれ、且つ、
中性化器6での反応生成イオンが試料と反応することは
ない。
【0033】実施例2.図2は請求項2の発明に対応し
た実施例による耐酸素原子性評価装置の概略的な断面構
成図である。図において、11は低エネルギー酸素原子
ビーム発生装置(酸素原子ビーム発生器)であり、この
低エネルギー酸素原子ビーム発生装置11は、酸素ガス
をイオン化するイオン源1と、このイオン源1からの酸
素イオンを試料照射速度の加速る引出し電極(加速手
段)2と、前記酸素イオンを更に加速する加速電極(加
速手段)3と、前記酸素イオンだけを選別する質量分離
マグネット(質量分離手段)4と、選別された酸素イオ
ンを試料に照射したい速度まで減速する減速電極(減速
手段)5と、実施例1で述べた中性化器6とを、この順
で配置した構成となっており、前記質量分離マグネット
4において、酸素イオン(O’)ビーム8の経路は90
゜曲げられるようになっている。
た実施例による耐酸素原子性評価装置の概略的な断面構
成図である。図において、11は低エネルギー酸素原子
ビーム発生装置(酸素原子ビーム発生器)であり、この
低エネルギー酸素原子ビーム発生装置11は、酸素ガス
をイオン化するイオン源1と、このイオン源1からの酸
素イオンを試料照射速度の加速る引出し電極(加速手
段)2と、前記酸素イオンを更に加速する加速電極(加
速手段)3と、前記酸素イオンだけを選別する質量分離
マグネット(質量分離手段)4と、選別された酸素イオ
ンを試料に照射したい速度まで減速する減速電極(減速
手段)5と、実施例1で述べた中性化器6とを、この順
で配置した構成となっており、前記質量分離マグネット
4において、酸素イオン(O’)ビーム8の経路は90
゜曲げられるようになっている。
【0034】12は劣化反応室であり、この劣化反応室
12と前記低エネルギー酸素原子ビーム発生装置11
は、それぞれ真空排気装置(図示せず)に接続されて真
空引きされている。このため、劣化反応室12は低圧に
保たれ宇宙環境に近づけられている。
12と前記低エネルギー酸素原子ビーム発生装置11
は、それぞれ真空排気装置(図示せず)に接続されて真
空引きされている。このため、劣化反応室12は低圧に
保たれ宇宙環境に近づけられている。
【0035】13はレーザー誘起蛍光測定装置、14は
そのレーザー誘起蛍光測定装置13の一つの構成要素で
あるレーザー誘起蛍光用レーザー、15は前記レーザー
誘起蛍光測定装置13のもう一つの構成要素としてのレ
ーザー誘起蛍光用蛍光検出装置である。ここで、前記レ
ーザー誘起蛍光用レーザー14は、レーザー光16を劣
化反応室12の窓を通して酸素原子ビームに照射できる
位置に設置されている。また、前記レーザー誘起蛍光用
蛍光検出装置15は、レーザー光16に対して垂直方向
に設置され、レーザー光16と酸素原子ビームの交点か
ら放出される蛍光17を劣化反応室12の窓を通して検
出するようになっている。
そのレーザー誘起蛍光測定装置13の一つの構成要素で
あるレーザー誘起蛍光用レーザー、15は前記レーザー
誘起蛍光測定装置13のもう一つの構成要素としてのレ
ーザー誘起蛍光用蛍光検出装置である。ここで、前記レ
ーザー誘起蛍光用レーザー14は、レーザー光16を劣
化反応室12の窓を通して酸素原子ビームに照射できる
位置に設置されている。また、前記レーザー誘起蛍光用
蛍光検出装置15は、レーザー光16に対して垂直方向
に設置され、レーザー光16と酸素原子ビームの交点か
ら放出される蛍光17を劣化反応室12の窓を通して検
出するようになっている。
【0036】次に動作について説明する。前記のように
構成された耐酸素原子性評価装置において、低エネルギ
ー酸素原子ビームは以下のようにして発生する。まず、
イオン源1ではタングステンフィラメントによるアーク
放電によって酸素ガスをイオン(O’)化した後、引出
し電極2が酸素イオン(O’)を試料に照射する速度
(V)に加速し、加速電極3で酸素イオン(O’)を更
に加速(25keV)し、質量分離マグネット4で酸素
イオン(O’)だけを選別する。次いで、減速電極5は
酸素イオン(O’)を試料に照射する速度(V)まで減
速し、次の中性化器6で酸素ガスとの交換によって中性
酸素原子ビーム9が生成される。
構成された耐酸素原子性評価装置において、低エネルギ
ー酸素原子ビームは以下のようにして発生する。まず、
イオン源1ではタングステンフィラメントによるアーク
放電によって酸素ガスをイオン(O’)化した後、引出
し電極2が酸素イオン(O’)を試料に照射する速度
(V)に加速し、加速電極3で酸素イオン(O’)を更
に加速(25keV)し、質量分離マグネット4で酸素
イオン(O’)だけを選別する。次いで、減速電極5は
酸素イオン(O’)を試料に照射する速度(V)まで減
速し、次の中性化器6で酸素ガスとの交換によって中性
酸素原子ビーム9が生成される。
【0037】この結果、ほぼ均一な粒子エネルギーを持
つ中性酸素原子ビーム9が生成される。酸素原子ビーム
のエネルギーは、引出し電極2の電圧の等しいため、こ
の引出し電極2の電圧を変えることによって、10eV
〜5keVの範囲で制御することができる。
つ中性酸素原子ビーム9が生成される。酸素原子ビーム
のエネルギーは、引出し電極2の電圧の等しいため、こ
の引出し電極2の電圧を変えることによって、10eV
〜5keVの範囲で制御することができる。
【0038】低エネルギー酸素原子ビーム発生装置11
によって発生した中性酸素原子ビーム9は劣化反応室1
2内の試料18に照射される。レーザー誘起蛍光測定装
置13では、レーザー誘起蛍光用レーザー14で226
nmのレーザー光16を発生し中性酸素原子ビーム9に
照射する。226nmのレーザー光16は中性酸素原子
だけを励起する。励起した酸素原子は844nmの蛍光
17を放出する。この蛍光17はレーザー誘起蛍光用蛍
光検出装置15によって検出され、蛍光強度を校正する
ことにより酸素原子の絶対密度が求められる。このた
め、レーザー誘起蛍光測定装置13によって、酸素原子
密度を正確にその場で計測できる。
によって発生した中性酸素原子ビーム9は劣化反応室1
2内の試料18に照射される。レーザー誘起蛍光測定装
置13では、レーザー誘起蛍光用レーザー14で226
nmのレーザー光16を発生し中性酸素原子ビーム9に
照射する。226nmのレーザー光16は中性酸素原子
だけを励起する。励起した酸素原子は844nmの蛍光
17を放出する。この蛍光17はレーザー誘起蛍光用蛍
光検出装置15によって検出され、蛍光強度を校正する
ことにより酸素原子の絶対密度が求められる。このた
め、レーザー誘起蛍光測定装置13によって、酸素原子
密度を正確にその場で計測できる。
【0039】また、フラックスはイオン源1での酸素イ
オン(O’)発生条件を変えることによって制御するこ
とができる。従って、レーザー誘起蛍光測定装置13を
取り付けることにより、フラックスをコントロールしな
がらの劣化模擬実験による劣化の定量的評価が可能とな
り、また、加速実験においても信頼性を向上させること
ができる。
オン(O’)発生条件を変えることによって制御するこ
とができる。従って、レーザー誘起蛍光測定装置13を
取り付けることにより、フラックスをコントロールしな
がらの劣化模擬実験による劣化の定量的評価が可能とな
り、また、加速実験においても信頼性を向上させること
ができる。
【0040】実施例3.図3は請求項3に対応した実施
例による試料ホルダー取付部の断面構成図であり、図に
おいて、19は試料18が取り付けられる試料ホルダ
ー、Sはこの試料ホルダー19を回転可能に支持してい
る鉛直軸であり、この実施例では、試料ホルダー19に
試料18を取付け固定するだけでなく、その試料ホルダ
ー19を回転可能な支持構成とすることにより、中性酸
素原子ビーム9の試料18への照射角度と劣化の関係を
調べることができる。
例による試料ホルダー取付部の断面構成図であり、図に
おいて、19は試料18が取り付けられる試料ホルダ
ー、Sはこの試料ホルダー19を回転可能に支持してい
る鉛直軸であり、この実施例では、試料ホルダー19に
試料18を取付け固定するだけでなく、その試料ホルダ
ー19を回転可能な支持構成とすることにより、中性酸
素原子ビーム9の試料18への照射角度と劣化の関係を
調べることができる。
【0041】実施例4.図4は請求項4に対応した実施
例による劣化反応室の断面図である。図において、20
は劣化反応室12内に設けられ試料ホルダー19を支持
するための支持具であり、この支持具20は鉛直軸を中
心として回転可能になっている。21は前記劣化反応室
12に接続された真空容器構成の試料準備室、22はこ
の試料準備室21と前記劣化反応室12との接続部を開
閉する真空バルブ、23はマニピュレーターで、このマ
ニピュレーター23は、前記試料ホルダー19を劣化反
応室12内の前記支持具20と前記試料準備室21との
間で移動させるためのものである。25は前記試料準備
室21内に配置された試料台、26はこの試料台25に
一体的に配列された複数の受取具であり、これらの受取
具26のそれぞれに試料ホルダー19が着脱可能に取付
可能となっている。26aは前記受取具26に設けられ
たL型など鉤状をなした係合用スリット、Pは前記試料
ホルダー19の外周壁部に設けられ前記係合用スリット
26aに係脱可能に係合させるための係合ピンである。
この実施例4では、マニピュレーター23によって、前
記劣化反応室12内の支持具20と前記試料準備室21
内の試料台25との間で試料ホルダー19を移動させる
ことができる。この場合、前記劣化反応室12内の支持
具20は、これに支持された試料ホルダー19が試料準
備室21側を向くように回転させておくこととする。こ
のように試料準備室21を備え、この試料準備室21内
に複数の試料18を予め備え付け、これを、マニピュレ
ーター23で劣化反応室12内の支持具20との間で移
動させることができることにより、試料交換時の都度、
劣化反応室12の真空吸引力を解放した後、その真空吸
引力を再度発生させるという手間が省け、前記複数の試
料18により継続的な劣化加速実験を行うことが可能で
ある。また、前記試料準備室21にも真空排気装置を取
り付けておけば、劣化反応室12内は真空のままで前記
試料準備室21の試料を交換することができる。
例による劣化反応室の断面図である。図において、20
は劣化反応室12内に設けられ試料ホルダー19を支持
するための支持具であり、この支持具20は鉛直軸を中
心として回転可能になっている。21は前記劣化反応室
12に接続された真空容器構成の試料準備室、22はこ
の試料準備室21と前記劣化反応室12との接続部を開
閉する真空バルブ、23はマニピュレーターで、このマ
ニピュレーター23は、前記試料ホルダー19を劣化反
応室12内の前記支持具20と前記試料準備室21との
間で移動させるためのものである。25は前記試料準備
室21内に配置された試料台、26はこの試料台25に
一体的に配列された複数の受取具であり、これらの受取
具26のそれぞれに試料ホルダー19が着脱可能に取付
可能となっている。26aは前記受取具26に設けられ
たL型など鉤状をなした係合用スリット、Pは前記試料
ホルダー19の外周壁部に設けられ前記係合用スリット
26aに係脱可能に係合させるための係合ピンである。
この実施例4では、マニピュレーター23によって、前
記劣化反応室12内の支持具20と前記試料準備室21
内の試料台25との間で試料ホルダー19を移動させる
ことができる。この場合、前記劣化反応室12内の支持
具20は、これに支持された試料ホルダー19が試料準
備室21側を向くように回転させておくこととする。こ
のように試料準備室21を備え、この試料準備室21内
に複数の試料18を予め備え付け、これを、マニピュレ
ーター23で劣化反応室12内の支持具20との間で移
動させることができることにより、試料交換時の都度、
劣化反応室12の真空吸引力を解放した後、その真空吸
引力を再度発生させるという手間が省け、前記複数の試
料18により継続的な劣化加速実験を行うことが可能で
ある。また、前記試料準備室21にも真空排気装置を取
り付けておけば、劣化反応室12内は真空のままで前記
試料準備室21の試料を交換することができる。
【0042】実施例5.図5は請求項5に対応した実施
例による劣化反応室の概略的断面図であり、図におい
て、24は劣化反応室12に備え付けられた四重極型質
量分析計であり、この四重極型質量分析計24は、前記
劣化反応室12内の試料18から放出されるガスをサン
プルガスとし、前記試料18に酸素原子を照射する前後
の生成ガスを分析することにより、材料劣化メカニズム
に関する情報を得ることができる。
例による劣化反応室の概略的断面図であり、図におい
て、24は劣化反応室12に備え付けられた四重極型質
量分析計であり、この四重極型質量分析計24は、前記
劣化反応室12内の試料18から放出されるガスをサン
プルガスとし、前記試料18に酸素原子を照射する前後
の生成ガスを分析することにより、材料劣化メカニズム
に関する情報を得ることができる。
【0043】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、中性化室を差動排気室で囲んだ構成としたことによ
り、前記中性化室内から反応生成イオンや酸素ガスが流
出する量を最小限に抑えることができ、この結果、低地
球軌道において宇宙機が曝される酸素原子フラックス:
1013〜1015個/cm2 secと同程度のフラックス
を持つ酸素原子ビームを発生させることができ、このた
め、前記中性化室の酸素ガス圧を高くして中性化効率を
高めても、劣化反応室の圧力は低地球軌道環境と同程度
に保たれ、且つ、中性化室での反応生成イオンが試料と
反応するようなことがないという効果が得られる。ま
た、ガス導入管と真空排気管との二重構造によって真空
排気路が形成されていることから、ガスの導入・排気部
がコンパクトになり、中性化室を真空容器中に取り付け
るときは、この真空容器には、前記ガス導入管・真空排
気管挿通用として共通の一つの穴を設けるだけでよいと
いう利点が得られる。
ば、中性化室を差動排気室で囲んだ構成としたことによ
り、前記中性化室内から反応生成イオンや酸素ガスが流
出する量を最小限に抑えることができ、この結果、低地
球軌道において宇宙機が曝される酸素原子フラックス:
1013〜1015個/cm2 secと同程度のフラックス
を持つ酸素原子ビームを発生させることができ、このた
め、前記中性化室の酸素ガス圧を高くして中性化効率を
高めても、劣化反応室の圧力は低地球軌道環境と同程度
に保たれ、且つ、中性化室での反応生成イオンが試料と
反応するようなことがないという効果が得られる。ま
た、ガス導入管と真空排気管との二重構造によって真空
排気路が形成されていることから、ガスの導入・排気部
がコンパクトになり、中性化室を真空容器中に取り付け
るときは、この真空容器には、前記ガス導入管・真空排
気管挿通用として共通の一つの穴を設けるだけでよいと
いう利点が得られる。
【0044】請求項2の発明によれば、イオン源でイオ
ン化された酸素イオンを、加速手段によって試料照射速
度に加速し、次いで、質量分離手段で酸素イオンだけを
選別し、選別した酸素イオンを減速手段で試料に照射し
たい速度まで減速し、この後、前記請求項1の酸素イオ
ン中性化器による電荷交換によって、ほぼ均一な粒子エ
ネルギーを持つ中性酸素原子ビームが生成されるので、
例えば電子との再結合などと比較すると効率が高くなる
という効果がある。また、前記加速手段としては引出し
電極を用いることができ、酸素原子ビームのエネルギー
は前記引出し電極の電圧に等しくなるため、この引出し
電極の電圧を変えることによって簡単に制御することが
できるという効果がある。さらに、レーザー誘起蛍光測
定装置では、例えばレーザー誘起蛍光用レーザーで22
6nmのレーザー光を発生して酸素原子ビームに照射す
る。226nmのレーザー光は中性酸素原子だけを励起
し、励起した酸素原子は844nmの蛍光を放出する。
この蛍光は前記レーザー誘起蛍光測定装置によって検出
され、蛍光強度を構成することにより酸素原子の絶対密
度が求められる。従って、前記レーザー誘起蛍光測定装
置により、酸素原子密度をその場で正確に計測すること
ができるという効果がある。前記中性化器での酸素イオ
ンの中性化効率は、真空排気装置の排気量が一定の場
合、酸素ガスの導入量に依存するが、中性化効率を最大
にする酸素ガスの導入量は、前記レーザー誘起蛍光測定
装置によって、酸素ガスの導入量と中性酸素原子の密度
との関係を調べることによって明らかにすることができ
る。また、酸素イオンビームのフラックスは、イオン源
での酸素イオン発生条件によって変化する。従って、前
記レーザー誘起蛍光測定装置により、前記フラックスを
コントロールしながら劣化模擬実験による劣化の定量的
評価が可能となり、加速実験においても信頼性が向上す
るという効果がある。
ン化された酸素イオンを、加速手段によって試料照射速
度に加速し、次いで、質量分離手段で酸素イオンだけを
選別し、選別した酸素イオンを減速手段で試料に照射し
たい速度まで減速し、この後、前記請求項1の酸素イオ
ン中性化器による電荷交換によって、ほぼ均一な粒子エ
ネルギーを持つ中性酸素原子ビームが生成されるので、
例えば電子との再結合などと比較すると効率が高くなる
という効果がある。また、前記加速手段としては引出し
電極を用いることができ、酸素原子ビームのエネルギー
は前記引出し電極の電圧に等しくなるため、この引出し
電極の電圧を変えることによって簡単に制御することが
できるという効果がある。さらに、レーザー誘起蛍光測
定装置では、例えばレーザー誘起蛍光用レーザーで22
6nmのレーザー光を発生して酸素原子ビームに照射す
る。226nmのレーザー光は中性酸素原子だけを励起
し、励起した酸素原子は844nmの蛍光を放出する。
この蛍光は前記レーザー誘起蛍光測定装置によって検出
され、蛍光強度を構成することにより酸素原子の絶対密
度が求められる。従って、前記レーザー誘起蛍光測定装
置により、酸素原子密度をその場で正確に計測すること
ができるという効果がある。前記中性化器での酸素イオ
ンの中性化効率は、真空排気装置の排気量が一定の場
合、酸素ガスの導入量に依存するが、中性化効率を最大
にする酸素ガスの導入量は、前記レーザー誘起蛍光測定
装置によって、酸素ガスの導入量と中性酸素原子の密度
との関係を調べることによって明らかにすることができ
る。また、酸素イオンビームのフラックスは、イオン源
での酸素イオン発生条件によって変化する。従って、前
記レーザー誘起蛍光測定装置により、前記フラックスを
コントロールしながら劣化模擬実験による劣化の定量的
評価が可能となり、加速実験においても信頼性が向上す
るという効果がある。
【0045】請求項3の発明によれば、試料ホルダーを
回転可能な支持構成としたことにより、酸素原子ビーム
の試料への照射角度と劣化との関係を明らかにすること
が可能となり、これによって、宇宙機表面の部位による
材料劣化の違いを正確に調べることができるという効果
がある。
回転可能な支持構成としたことにより、酸素原子ビーム
の試料への照射角度と劣化との関係を明らかにすること
が可能となり、これによって、宇宙機表面の部位による
材料劣化の違いを正確に調べることができるという効果
がある。
【0046】請求項4の発明によれば、試料準備室を備
え、この試料準備室内に複数の試料が予め備え付けてい
ることにより、試料交換時の都度、劣化反応室の真空吸
引力を解放した後、再度、真空吸引力を発生させるとい
う手間が省け、複数試料の継続的な劣化加速実験を行う
ことが可能という効果がある。
え、この試料準備室内に複数の試料が予め備え付けてい
ることにより、試料交換時の都度、劣化反応室の真空吸
引力を解放した後、再度、真空吸引力を発生させるとい
う手間が省け、複数試料の継続的な劣化加速実験を行う
ことが可能という効果がある。
【0047】請求項5の発明によれば、四重極型質量分
析計によって、酸素原子を試料に照射する前後の生成ガ
スを分析することができ、これによって、材料劣化メカ
ニズムに関する情報が得られるという効果がある。
析計によって、酸素原子を試料に照射する前後の生成ガ
スを分析することができ、これによって、材料劣化メカ
ニズムに関する情報が得られるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の請求項1に対応した実施例1による
高効率酸素イオン中性化器を示す概略的な断面構成図で
ある。
高効率酸素イオン中性化器を示す概略的な断面構成図で
ある。
【図2】請求項2の発明に対応した実施例による耐酸素
原子性評価装置の概略的な断面構成図である。
原子性評価装置の概略的な断面構成図である。
【図3】請求項3に対応した実施例による試料ホルダー
取付部の断面構成図である。
取付部の断面構成図である。
【図4】図4(a)は請求項4に対応した実施例による
劣化反応室の断面図である。図4(b)は図4(a)に
おける試料台と試料との関連構成を説明するための側面
図である。
劣化反応室の断面図である。図4(b)は図4(a)に
おける試料台と試料との関連構成を説明するための側面
図である。
【図5】請求項5に対応した実施例による劣化反応室の
概略的断面図である。
概略的断面図である。
【図6】従来の地上模擬実験装置として例示した酸素原
子ビーム発生器の概略的な構造図である。
子ビーム発生器の概略的な構造図である。
【図7】図6の地上模擬実験装置に使用されている中性
化器の概略的な断面構成図である。
化器の概略的な断面構成図である。
1 イオン源 2 引出し電極(加速手段) 3 加速電極(加速手段) 4 質量分離手段 5 減速手段 6 中性化器 8 酸素イオン(O’)ビーム 9 中性酸素原子ビーム 10 酸素イオン(O’) 11 酸素原子ビーム発生器 12 劣化反応室 13 レーザー誘起蛍光測定装置 16 レーザー光 17 蛍光 18 試料 19 試料ホルダー 20 支持具 21 試料準備室 23 マニピュレーター 24 四重極型質量分析計 60 中性化室 61 入口側オリフィス 62 出口側オリフィス 63 ガス導入管 64 真空排気管 64a 真空排気路 65 差動排気室 66 入口側オリフィス 67 出口側オリフィス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01J 49/42 4230−5E
Claims (5)
- 【請求項1】 真空排気装置を備えた真空容器中に設置
され、酸素イオン(O’)ビームを酸素ガスとの電荷交
換によって中性化し、中性酸素原子ビームを生成する酸
素イオン中性化器において、前記酸素イオン(O’)ビ
ームの入口側オリフィスと出口側オリフィスを同一直線
上に有する中性化室と、この中性化室内に酸素ガスを導
入し且つ該酸素ガス導入量を制御するガス流入量コント
ローラーを有するガス導入管と、前記中性化室を囲み、
且つ、該中性化室の前記入口側オリフィスおよび前記出
口側オリフィスにそれぞれ対向する入口側オリフィスお
よび出口側オリフィスを同一直線上に有する差動排気室
と、この差動排気室を真空排気装置に接続し、且つ、前
記ガス導入管を囲んで該ガス導入管との間で真空排気路
を形成する真空排気管とを備え、前記中性化室の前記入
口側および出口側オリフィスのコンダクタンスをC2 ,
C3 、前記差動排気室の前記入口側および出口側オリフ
ィスのコンダクタンスをC1 ,C4 、前記差動排気室系
統の真空排気装置の実効排気速度をS1 、前記真空容器
系統の真空排気装置の実効排気速度をS2 とすると、 (C1 +C4 )*(C2 +C3 )/(S1 *S2 )<1
0-2 を満たすことを特徴とする高効率酸素イオン中性化器。 - 【請求項2】 酸素ガスをイオン化するイオン源、この
イオン源からの酸素イオンを試料照射速度に加速する加
速手段、酸素イオンだけを選別する質量分離手段、その
選別された酸素イオンを試料に照射したい速度まで減速
する減速手段、この減速手段を通過して入射した酸素イ
オンビームを酸素ガスとの電荷交換によって中性化し、
ほぼ均一な粒子エネルギーを持つ中性酸素原子ビームを
生成する酸素イオン中性化器のそれぞれを、この順に配
置して構成された酸素原子ビーム発生器と、この酸素原
子ビーム発生器に接続されてビームライン上に試料ホル
ダーが設置され、少なくとも2つの窓を持つ真空の劣化
反応室と、試料に照射される原子状酸素の密度を測定す
るレーザー誘起蛍光測定装置とを備え、前記劣化反応室
は真空排気装置に接続され、前記レーザー誘起蛍光測定
装置は、前記劣化反応室の窓を通して、前記酸素原子ビ
ーム発生器で生成された酸素原子ビームにレーザー光が
照射され、このレーザー光と前記酸素原子ビームとの交
点が蛍光検出のための観測体積となるように配置されて
いることを特徴とする高効率酸素イオン中性化器を用い
た耐酸素原子性評価装置。 - 【請求項3】 前記劣化反応室内の試料ホルダーは回転
可能に支持されていることを特徴とする請求項2記載の
耐酸素原子性評価装置。 - 【請求項4】 前記試料ホルダーは前記劣化反応室内で
脱着可能に支持され、前記劣化反応室は、複数の試料が
備えられる真空の試料準備室を真空バルブを介して接続
し、前記試料ホルダーを前記劣化反応室と前記試料準備
室との間で移動させるマニピュレーターを備え、前記劣
化反応室内の試料ホルダーを前記試料準備室に備え付け
の試料ホルダーと順次交換可能にしたことを特徴とする
請求項2または3に記載の耐酸素原子性評価装置。 - 【請求項5】 前記劣化反応室に、試料から放出される
ガスをサンプルガスとする四重極型質量分析計を備えた
ことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の
耐酸素原子性評価装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP22359792A JP3167444B2 (ja) | 1992-07-31 | 1992-07-31 | 高効率酸素イオン中性化器および高効率酸素イオン中性化器を用いた耐酸素原子性評価装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP22359792A JP3167444B2 (ja) | 1992-07-31 | 1992-07-31 | 高効率酸素イオン中性化器および高効率酸素イオン中性化器を用いた耐酸素原子性評価装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0652997A true JPH0652997A (ja) | 1994-02-25 |
| JP3167444B2 JP3167444B2 (ja) | 2001-05-21 |
Family
ID=16800674
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP22359792A Expired - Fee Related JP3167444B2 (ja) | 1992-07-31 | 1992-07-31 | 高効率酸素イオン中性化器および高効率酸素イオン中性化器を用いた耐酸素原子性評価装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3167444B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH11255505A (ja) * | 1998-03-10 | 1999-09-21 | Nissan Motor Co Ltd | 原子状酸素収集装置 |
-
1992
- 1992-07-31 JP JP22359792A patent/JP3167444B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH11255505A (ja) * | 1998-03-10 | 1999-09-21 | Nissan Motor Co Ltd | 原子状酸素収集装置 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3167444B2 (ja) | 2001-05-21 |
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Legal Events
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|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |