JPH0653555A - 発電素子 - Google Patents

発電素子

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JPH0653555A
JPH0653555A JP4201281A JP20128192A JPH0653555A JP H0653555 A JPH0653555 A JP H0653555A JP 4201281 A JP4201281 A JP 4201281A JP 20128192 A JP20128192 A JP 20128192A JP H0653555 A JPH0653555 A JP H0653555A
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positive electrode
composition
negative electrode
polyethylene glycol
power generation
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Shigeyuki Yasuda
繁之 安田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低温度の熱エネルギーを効率良く電気エネル
ギーに変換する。 【構成】 正極1及び負極2を共に銅箔で形成する。正
極組成物3は、40重量%のグラファイトと60重量%
のポリエチレングリコールとを加熱溶融してポリエステ
ル繊維の不織布に含浸させて構成する。この正極組成物
3を、溶融状態のときに正極1に密着することにより正
極1に接着する。一方、負極組成物4は、30重量%の
塩化リチウムと70重量%のポリエチレングリコールと
から成り、上述した正極組成物3と同じ方法で負極2に
一方の面を接着させ、反対側の面にセパレータ5として
例えばクラフト紙を接着して、全体をこのセパレータ5
で包み込んでいる。このセパレータ5付の負極組成物4
を正極組成物3に圧着して、全体をポリエステルフィル
ムのパッケージ(図示せず)に収納している。この発電
素子の寸法は、例えば幅10mm・長さ65mm・厚さ約1
mmである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低温度の熱エネルギー
を効率良く電気エネルギーに変換できる発電素子に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、エネルギー資源の多様化・低コス
ト化等の要請から、小規模発電に、ゼーベック効果を利
用した熱電発電素子による熱電発電を利用することが考
えられている。この熱電発電は、例えば、プロパン等の
化石燃料をバーナーで燃焼させて得られた〜820Kの
熱源によりPbTe系の熱電発電素子を加熱して、ゼー
ベック効果により熱起電力を発生させたり、或は、化石
燃料を白金触媒によって徐燃させて得られた〜600K
の熱源によりBiTe系の熱電発電素子を加熱するよう
にしたものもある。その他、化石燃料の補給が困難な場
合には、原子炉や放射性同位元素を熱源としてSiGe
系の熱電発電素子により熱電発電することが考えられて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の熱電発電素
子を用いた熱電発電では、高温度の熱源を必要として、
熱電変換効率が低いという欠点がある。しかも、高温度
の熱源を得るために、化石燃料や原子炉、放射性同位元
素を必要とするため、装置全体が大掛かりとなって、コ
ンパクト化・低コスト化の要請に反するばかりか、ラン
ニングコストも高くつき、省エネ効果もあまり期待でき
ない。
【0004】本発明はこの様な事情を考慮してなされた
もので、その目的は、熱源として廃熱等の低温度の熱エ
ネルギーを利用できて、その低温度の熱エネルギーを効
率良く電気エネルギーに変換でき、発電を経済的なもの
にすると共に、十分な省エネ効果を得ることができ、し
かも、装置全体のコンパクト化・低コスト化も実現でき
る発電素子を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の発電素子は、正
負両極又はいずれか一方の極の組成物の主剤をポリエチ
レングリコールとし、正極にグラファイト又はグラファ
イト組成物を有する構成である(請求項1)。
【0006】この場合、正極と負極との間にセパレータ
を介在させたり(請求項2)、正負両極又はいずれか一
方の極の組成物に、イオン導電性を与える塩類を含ませ
たり(請求項3)、或は、正極の組成物に二酸化マンガ
ン等の賦活剤を含ませても良い(請求項4)。
【0007】更には、負極を、イオン化傾向が銅と同等
かそれよりも大きい金属又はその組成物で形成しても良
い(請求項5)。
【0008】また、正負両極又はいずれか一方の極の組
成物を不織布に含浸させても良い(請求項6)。ここ
で、不織布は、ポリエステル繊維等の合成繊維で作られ
たものを使用することが好ましい(請求項7)。
【0009】
【作用】本発明者は、自己温度調節面状発熱体としての
ポリエチレングリコール−グラファイト系(以下「PG
−GC系」と略称する)の研究を続け、その研究成果が
特許第1647696号(特公平3−10203号)等
として特許されている。その後、このPG−GC系の導
電機構を解明する過程で、GCからPGへの電子移動の
存在を仮定すると、この系のスイッチングや電流−電圧
の関係を説明することができた。この事から、PG−G
C系は、発電素子として機能するかもしれないとの発想
が生まれ、実験を行ったところ、予想以上の起電力・短
絡電流を発生する発電素子を発明するに至った。
【0010】本発明の発電素子の構成は、正負両極又は
いずれか一方の極の組成物の主剤をポリエチレングリコ
ールとし、正極にグラファイト又はグラファイト組成物
を有するものである。この発電素子では、正極側の反応
として、グラファイトからポリエチレングリコールへの
電子移動が考えられる。
【0011】
【化1】 ここで、PGはポリエチレングリコール、GCはグラフ
ァイトである。従来、この様な反応は知られていなかっ
たが、ポリエチレングリコールへの電荷移動を示す実験
結果が得られている。
【0012】一方、負極側の反応であるが、誘導結合高
周波プラズマ分光分析(ICP分光分析)の結果、Li
Cl(イオン導電性を与える塩類)−ポリエチレングリ
コール溶液中に、銅(負極の金属)イオンが存在するこ
とが確認された。この事から負極では、銅が電子を電極
内に残し、正イオンとしてポリエチレングリコール中に
溶出するものと考えられる。
【0013】
【化2】 この反応により、銅電極に残された電子が外部回路を流
れて正極に到達し、ポリエチレングリコール中に移動す
ることにより、外部電流が流れるものと考えられる。従
来の常識では、ポリエチレングリコール中に銅が溶出す
ることは考えられにくいことである。本発明において、
銅が溶出する理由としては、銅がイオンとしてポリエチ
レングリコールに配位した方が安定であるのか、或は、
正極での電子の移動によって生じたポテンシャルの効果
により銅の溶出が容易になるのかも知れない。
【0014】最初は、ポリエチレングリコールの熱分解
生成物(アルデヒド、ケトン等のカルボニル)が銅電極
を酸化して銅イオンを溶出せしめると考えたが、後述す
る実施例1において、放電後のポリエチレングリコール
を赤外分光分析(FTIR)により測定し、未使用のポ
リエチレングリコールの測定結果と比較した結果、両者
のスペクトルは全く同じであり、アルデヒド、ケトン等
の熱分解生成物は存在しないことが確認されている。
【0015】また、後述する実施例1で詳細に説明する
が、ポリエチレングリコールに対して、塩化リチウム、
塩化ナトリウム、塩化カリウムをモル濃度がほぼ等しく
なるように添加して、起電力と短絡電流を比較したとこ
ろ、三つの塩の系の間でほとんど差はなかったので、こ
れらの塩の存在は、単に系の導電性を増加する役割を演
じているに過ぎないと思われる。従って、塩の種類は問
わず、系に導電性さえ与えれば、無機酸塩、有機酸塩の
いずれであっても良い。但し、溶解度の大きな塩ほど有
利である。
【0016】以上、これまでに判明した事実を基に、本
発電素子の構成を述べると、ポリエチレングリコールと
グラファイトが基本であり、電解質としては系に導電性
を付与する塩類であればなんでも良い。また、電極は、
正極にグラファイト又はグラファイト組成物を有し、負
極はイオン化傾向が銅と同等かそれよりも大きい金属又
はその組成物で形成されていれば良い。
【0017】更に、正極と負極との間にセパレータを介
在させれば、発電素子を薄型化しても、両電極どうしが
接触することをセパレータにより確実に防止できる。ま
た、正極の組成物に二酸化マンガン等の賦活剤を添加す
れば、電極反応を効率良く進行させることができる。更
に、負極にイオン化傾向の高い金属を用いれば、起電力
を効率良く高めることができる。また、極の組成物を不
織布に含浸させれば、発電素子の厚みを薄くすることが
できて、内部抵抗を減少させて短絡電流を増加させるこ
とができる。しかも、不織布をポリエステル繊維等の合
成繊維で形成すれば、不織布の繊維の内部に組成物が染
み込まずに済み、染み込みによる組成物成分の濃度の変
動を防止できる。
【0018】
【実施例】[実施例1] (1)まず、図1に基づいて、実施例1における発電素
子の概略構成を説明する。この発電素子の正極1及び負
極2は、共に銅箔により形成されている。正極組成物3
は、40重量%のグラファイト(西村黒鉛90−300
M)と60重量%のポリエチレングリコール(第一工業
製薬#6000)とを加熱溶融してポリエステル繊維の
不織布に含浸させて構成されている。この正極組成物3
を、溶融状態のときに正極1に密着することにより正極
1に接着している。
【0019】一方、負極組成物4は、30重量%の塩化
リチウム(ナカライテスク特級試薬)と70重量%のポ
リエチレングリコール(#1000)とから成り、上述
した正極組成物3と同じ方法で負極2に一方の面を接着
させ、反対側の面にセパレータ5として例えばクラフト
紙を接着して、全体をこのセパレータ5で包み込んでい
る。このセパレータ5で包み込まれた負極組成物4を正
極組成物3に圧着して素子全体をポリエステルフィルム
のパッケージ(図示せず)に収納している。この発電素
子の寸法は、幅10mm・長さ65mm・厚さ約1mmであ
る。
【0020】この発電素子をホットプレートで約0.4
5deg /分の割合で加熱したときの温度と起電力との関
係は、図2のように測定された。この際、電圧・電流の
測定は、デジタルマルチメータ(タケダTR6841、
TR6848)を使用し、温度の測定はデジタル温度計
(タカラD611)を使用した。この図2から明らかな
ように、室温(20℃)で約0.6Vの起電力が発生
し、この起電力が温度と共に徐々に増加して、120℃
付近で約0.9Vの起電力が得られた。一方、この発電
素子の短絡電流は、室温(20℃)で数十μAであった
が、110℃では約20mAまで増加した。この発電素
子のサイズから見て、大きな短絡電流が得られることが
解り、低温度の熱エネルギーが効率良く電気エネルギー
に変換されることが確認された。
【0021】(2)この発電素子における発電機構を解
明するために、液層素子を製作して実験した。この液層
素子は、図示はしないが、ガラス製サンプル瓶(直径3
5mm・高さ75mm)に40gの塩化リチウム−ポリエチ
レングリコール(#300)溶液を入れ、幅20mm・長
さ65mm・厚み1mmの銅電極と、同じサイズのグラファ
イト電極とをポリカーボネート板に固定し、両者の電極
間距離を5mmにして、シリコーンゴム栓でサンプル瓶上
部より吊したものである。この状態で、両電極の液に浸
っている深さは37mmである。
【0022】このサンプル瓶の底部にホットスターラー
を入れると共に、サンプル瓶上部よりポリエチレンチュ
ーブで絶縁したPt温度センサを入れている。そして、
ホットスターラーでサンプル瓶内の液を撹拌しつつ、
0.45deg /分の割合で加熱して、種々の塩化リチウ
ム濃度の系の短絡電流と温度との関係を測定し、その測
定結果を図3に示している。
【0023】この図3から明らかなように、塩化リチウ
ムが含まれていない純ポリエチレングリコール系の短絡
電流は、○印で2点しか示していないが非常に小さいこ
とが解る。また、この短絡電流と塩濃度との関係は複雑
ではなく、短絡電流は、温度と塩濃度に依存しているこ
とが解る。これは、短絡電流が電極反応と内部抵抗に依
存しているためと考えられる。
【0024】(3)本発電素子に対する塩化アルカリの
種類の影響 上記(2)と同じ方法で、ポリエチレングリコール(#
300)に塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウ
ムを添加した系の起電力と短絡電流を種々の温度で測定
し、その測定結果を図4及び図5に示している。この場
合、各塩のモル濃度がほぼ同一になるようにしている。
これら図4及び図5から解ることは、三つの塩の系の間
に、起電力、短絡電流の差はほとんど無いことである。
この事はこれらの塩の役割は、系に導電性を付与するこ
とであり、希望する濃度が維持できれば、用いる塩は種
類を問わないことを意味する。
【0025】(4)本発電素子の起電力、短絡電流と温
度との関係 図3及び図5から明らかなように、いずれの場合も、温
度が上昇すれば短絡電流が増加する傾向にある。しか
し、図4から明らかなように、起電力は、高温側で低下
する傾向がある。これらのデータを綿密に検討すると、
起電力は、高温側でばらつき、また塩化リチウムの濃度
が高い場合にもばらつく傾向がある。この原因として、
高温側及び高濃度側では、外部回路を流れる放電電流に
は関係のない、後述する妨害反応(電流が外部回路を流
れずに負極から銅イオンが溶出する反応)が存在するた
めと考えられる。もし、この妨害反応が除去できれば、
高温における起電力・短絡電流を十分に増加できる可能
性がある。
【0026】(5)短絡電流と経過時間との関係及びそ
の後の系の分析 前記(2)と同じ方法で、1重量%の塩化リチウムのポ
リエチレングリコール(#300)溶液を一定温度(例
えば111℃)に保ち、短絡電流を一定時間流したとき
の電流変化を測定し、その測定結果を図6に示してい
る。この図6から明らかなように、初期に電流が大きく
減衰するが、その後の減衰は極端に小さくなっている。
ちなみに、1時間放電後のポリエチレングリコール溶液
中の銅の含有量は、ICP分光分析によると510ppm
であった。一方、未使用のポリエチレングリコール(#
300)中の銅の量は分析限界以下(>0.5ppm )で
あった。しかるに、図6から計算される溶出銅の計算値
は、溶出するのが一価銅であれば48ppm 、二価銅であ
れば24ppm である。
【0027】一方、放電後のポリエチレングリコール溶
液と未使用のポリエチレングリコールとのFTIRスペ
クトルには全く差がなかった。しかし、放電後に、紫外
可視分光分析(UV分光分析)によりUVスペクトルを
測定し、未使用のものと比較したところ、放電後の試料
には二つのピークが新たに現れた。このピークは、短波
長側の366nmの大きなピークと、長波長側の426
nmの小さなピークである。これらのピークは、電気化
学反応に関係しているのか、これとは無関係に進行する
熱分解生成物なのか、或は溶出した銅イオンがポリエチ
レングリコールに配位した生成物の吸収なのかどうかに
ついては、今後の検討課題である。
【0028】最後に、溶出した銅イオンについて検討す
る。図6の測定結果について、二価銅が溶出したものと
すると、前述した通り、銅の濃度は24ppm と計算され
るが、この計算値は前述した実測値510ppm の1/2
0に過ぎない。この事から、電流が外部回路を流れず
に、負極から銅イオンが溶出する機構(一種の妨害反
応)が同時に存在していると考えられる。この性質と、
図2に見られる塩化リチウム濃度の増加に伴う起電力の
低下(低温側)との間に何等かの因果関係があるかも知
れない。また、上述した妨害反応が存在するとしたら、
この点の改良が将来の性能向上につながるものと思われ
る。
【0029】[実施例2]まず、図7に基づいて、実施
例2における発電素子の概略構成を説明する(図7は実
施例2〜5の共通の構造を示している)。この発電素子
の正極6は銅箔で形成されている。また、正極組成物7
は、10重量%の二酸化マンガン(賦活剤)、40重量
%のグラファイト(西村黒鉛90−300M)及び50
重量%のポリエチレングリコール(#1540)とを含
有している。
【0030】一方、負極組成物8は、28重量%の塩化
リチウム(ナカライテスク特級試薬)、12重量%の亜
鉛末及び60重量%のポリエチレングリコール(#20
0)とを含有している。また、負極9は、窒素中で少量
のリチウムをメノウ乳鉢(図示せず)で薄く延ばしてア
ルミ箔に押し付けて一体化したものを用いている。この
場合、負極組成物7の水分との反応を考慮すると、負極
7に用いたリチウムの一部のみが金属として機能するに
過ぎないと考えられる。
【0031】この実施例2においても、実施例1と同じ
く、正極組成物7と負極組成物8は加熱溶融してポリエ
ステル繊維の不織布に含浸させた状態で、各々の電極
6,9に接着し、セパレータ10を介して組み立てられ
ている。
【0032】この発電素子の起電力、短絡電流と温度と
の関係を図8に示している。この実施例2では、実施例
1よりも高い起電力(3.1V)と高い短絡電流密度
(16mA/cm2 )が得られた。この理由は、負極7
がイオン化傾向の高いリチウム、アルミニウムで形成さ
れているためと考えられる。
【0033】[実施例3]この実施例3では、実施例1
と同じく、正極6及び負極9は、共に銅箔により形成さ
れている。正極組成物7は、10重量%の二酸化マンガ
ン(賦活剤)、40重量%のグラファイト(西村黒鉛9
0−300M)及び50重量%のポリエチレングリコー
ル(#1540)とを含有している。
【0034】一方、負極組成物8は、28重量%の塩化
リチウム(ナカライテスク特級試薬)、12重量%の亜
鉛末及び60重量%のポリエチレングリコール(#20
0)とを含有している。これら正極組成物7と負極組成
物8は、実施例2と同様にセパレータ10を介して組み
立てられている。
【0035】この発電素子の起電力、短絡電流と温度と
の関係を図9に示している。この実施例3では、実施例
2よりも起電力・短絡電流が共に低いが、実施例1より
は高い値を示している。この理由は、二酸化マンガンが
賦活剤として作用して、電極反応を促進するためと考え
られる。
【0036】[実施例4]この実施例4でも、実施例
1,3と同じく、正極6及び負極9は、共に銅箔により
形成されている。正極組成物7は、10重量%の二酸化
マンガン(賦活剤)、40重量%のグラファイト(西村
黒鉛90−300M)及び50重量%のポリエチレング
リコール(#1540)とを含有している。
【0037】一方、負極組成物8は、28重量%の塩化
リチウム(ナカライテスク特級試薬)、12重量%のマ
グネシウム末及び60重量%のポリエチレングリコール
(#200)とを含有している。これら正極組成物7と
負極組成物8は、実施例2,3と同様にセパレータ10
を介して組み立てられている。
【0038】この発電素子の起電力、短絡電流と温度と
の関係を図10に示している。この実施例4では、実施
例2よりも起電力・短絡電流が共に低いが、実施例1よ
りは高い値を示している。
【0039】[実施例5]この実施例5でも、実施例
1,3,4と同じく、正極6及び負極9は、共に銅箔に
より形成されている。正極組成物7は、10重量%の二
酸化マンガン(賦活剤)、40重量%のグラファイト
(西村黒鉛90−300M)及び50重量%のポリエチ
レングリコール(#1540)とを含有している。
【0040】一方、負極組成物8は、28重量%の塩化
リチウム(ナカライテスク特級試薬)、12重量%のア
ルミニウム末及び60重量%のポリエチレングリコール
(#200)とを含有している。これら正極組成物7と
負極組成物8は、実施例2,3,4と同様にセパレータ
10を介して組み立てられている。
【0041】この発電素子の起電力、短絡電流と温度と
の関係を図11に示している。この実施例5では、実施
例2よりも起電力・短絡電流が共に低いが、実施例1よ
りは高い値を示している。
【0042】以上説明した各実施例によれば、低温度の
熱エネルギーを効率良く電気エネルギーに変換できる高
性能の発電素子の製作が可能になった。この理由は、
正極組成物に二酸化マンガン(賦活剤)を添加すること
により電極反応を促進して起電力を高めるようにしたこ
と、負極にイオン化傾向の高い金属を用いて起電力を
高めるようにしたこと、両極の組成物を不織布に含浸
させて発電素子の厚みを薄くすることにより内部抵抗を
減少させて、短絡電流を増加させたことにあると考えら
れる。
【0043】尚、正極又は負極組成物にイオン導電性を
与える塩類としては、金属ハロゲン化物(LiCl、N
aCl)に限らず、無機酸の金属塩(Na2 SO4 、K
3 PO4 、NaNO3 )や過塩素酸金属塩(LiClO
4 、NaClO4 )、或はシュウ酸塩、ギ酸塩、カルボ
ン酸塩等の有機酸塩類であっても良い。
【0044】また、賦活剤としては、二酸化マンガンに
限定されず、例えば塩化銀であっても良い。更に、正極
に、グラファイトに代えて、カーボンブラック等のグラ
ファイト組成物を配置するようにしても良い。
【0045】或は、セパレータとして、クラフト紙に代
えて、硫酸紙や各種のイオン導電膜を用いるようにして
も良い。これらのセパレータを正極と負極との間に介在
させれば、発電素子を薄型化しても、両電極どうしが接
触することをセパレータにより確実に防止できる。但
し、本発明は、セパレータを用いた構成に限定されず、
セパレータ以外の他の手段により両電極の接触を防止す
るようにしても良いことは言うまでもない。
【0046】また、正極・負極組成物を含浸させる不織
布としては、ポリエステル繊維のものに限定されず、繊
維の内部への染み込みが生じない他の合成繊維(例えば
ポリプロピレン繊維等)であっても良い。尚、繊維の内
部への染み込みが生じる天然繊維系の不織布では、ポリ
エチレングリコールとカーボン粒子が同じ割合で染み込
まず、組成物成分の濃度が不均一になってしまう欠点が
ある。
【0047】また、前記各実施例では、正負両極の組成
物の主剤をポリエチレングリコールとしているが、いず
れか一方の極のみにポリエチレングリコールを用いるよ
うにしても良い。但し、正極についてはグラファイト又
はグラファイト組成物を有する必要がある。
【0048】その他、本発明は、負極を構成する金属と
しては、銅に限定されず、イオン化傾向が銅と同等かそ
れよりも大きい金属又はその組成物を用いても良い等、
種々変更して実施できることは言うまでもない。
【0049】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の発電素子によれば、ゼーベック効果を利用した熱電発
電素子と比較して、低温度の熱エネルギーを効率良く電
気エネルギーに変換できる。このため、熱源として廃熱
(例えば冷蔵庫の放熱、太陽熱、地熱、温泉熱等)の低
温度の熱エネルギーを有効に利用できて、発電を経済的
なものにすることができると共に、十分な省エネ効果を
得ることができる。更に、本発明の発電素子は組成物の
原材料コストが安価であると共に、大量生産に適し、低
コスト化が可能であり、しかも、扁平・薄型化・小型化
も可能である。
【0050】また、正極と負極との間にセパレータを介
在させているので、発電素子を薄型化しても、両電極ど
うしが接触することをセパレータにより確実に防止でき
る。更に、正極の組成物に二酸化マンガン等の賦活剤を
添加しているので、電極反応を効率良く進行させること
ができる。更に、負極にイオン化傾向の高い金属を用い
ているので、起電力を効率良く高めることができる。ま
た、極の組成物を不織布に含浸させているので、発電素
子の厚みを薄くすることができ、内部抵抗を減少させて
短絡電流を増加させることができる。しかも、不織布を
ポリエステル繊維等の合成繊維で形成しているので、不
織布の繊維の内部に組成物が染み込まずに済み、染み込
みによる組成物成分の濃度の変動を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の構成を示す断面図
【図2】発電素子の起電力と温度との関係を示すグラフ
【図3】塩化リチウム−ポリエチレングリコール(#3
00)系よりなる液層素子(正極:グラファイト板、負
極:銅板)の短絡電流と温度の関係を示すグラフ
【図4】ポリエチレングリコール(#300)にほぼ等
モル濃度の塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウ
ムを添加した三つの系の液層素子(正極:グラファイト
板、負極:銅板)の起電力と温度の関係を示すグラフ
【図5】ポリエチレングリコール(#300)にほぼ等
モル濃度の塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウ
ムを添加した三つの系の液層素子(正極:グラファイト
板、負極:銅板)の短絡電流と温度の関係を示すグラフ
【図6】1重量%の塩化リチウム−ポリエチレングリコ
ール(#300)系の液層素子(正極:グラファイト
板、負極:銅板)の短絡電流と経過時間の関係を示すグ
ラフ
【図7】本発明の実施例2〜5における発電素子の断面
【図8】本発明の実施例2における発電素子の起電力と
温度の関係(○)及び短絡電流密度と温度の関係(△)
を示すグラフ
【図9】本発明の実施例3における発電素子の起電力と
温度の関係(○)及び短絡電流密度と温度の関係(△)
を示すグラフ
【図10】本発明の実施例4における発電素子の起電力
と温度の関係(○)及び短絡電流密度と温度の関係
(△)を示すグラフ
【図11】本発明の実施例5における発電素子の起電力
と温度の関係(○)及び短絡電流密度と温度の関係
(△)を示すグラフ
【符号の説明】
1は正極、2は負極、3は正極組成物、4は負極組成
物、5はセパレータ、6は正極、7は正極組成物、8は
負極組成物、9は負極、10はセパレータである。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正負両極又はいずれか一方の極の組成物
    の主剤をポリエチレングリコールとし、正極にグラファ
    イト又はグラファイト組成物を有する発電素子。
  2. 【請求項2】 正極と負極との間にセパレータが介在さ
    れていることを特徴とする請求項1記載の発電素子。
  3. 【請求項3】 正負両極又はいずれか一方の極の組成物
    に、イオン導電性を与える塩類が含まれていることを特
    徴とする請求項1又は2記載の発電素子。
  4. 【請求項4】 正極の組成物に二酸化マンガン等の賦活
    剤が含まれていることを特徴とする請求項1乃至3のい
    ずれかに記載の発電素子。
  5. 【請求項5】 負極は、イオン化傾向が銅と同等かそれ
    よりも大きい金属又はその組成物で形成されていること
    を特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の発電素
    子。
  6. 【請求項6】 正負両極又はいずれか一方の極の組成物
    が不織布に含浸されていることをことを特徴とする請求
    項1乃至5のいずれかに記載の発電素子。
  7. 【請求項7】 前記不織布は、ポリエステル繊維等の合
    成繊維で形成されていることを特徴とする請求項6記載
    の発電素子。
JP4201281A 1991-11-25 1992-07-28 発電素子 Pending JPH0653555A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013179301A (ja) * 2005-10-05 2013-09-09 Beretich Thomas 熱的に制御可能なエネルギ生成システム

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013179301A (ja) * 2005-10-05 2013-09-09 Beretich Thomas 熱的に制御可能なエネルギ生成システム

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