JPH0653623B2 - セラミツク体と金属体との接合方法 - Google Patents

セラミツク体と金属体との接合方法

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JPH0653623B2
JPH0653623B2 JP61286141A JP28614186A JPH0653623B2 JP H0653623 B2 JPH0653623 B2 JP H0653623B2 JP 61286141 A JP61286141 A JP 61286141A JP 28614186 A JP28614186 A JP 28614186A JP H0653623 B2 JPH0653623 B2 JP H0653623B2
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【発明の詳細な説明】 A.発明の目的 (1)産業上の利用分野 本発明は金属体と、成形および焼結工程を経て得られる
セラミック体との接合方法に関する。
(2)従来の技術 従来、この種接合方法として金属体とセラミック体とを
ろう接により接合することが知られている(特公昭61
−91073号公報参照)。
(3)発明が解決しようとする問題点 しかしながら、ろう接手段は、単にセラミック体と金属
体との両表面に対するろう材の濡れ性を狙ったものであ
るから、高温下等、苛酷な状況下においては接合強度が
不十分であるといった問題がある。また金属体とセラミ
ック体との熱膨脹係数の差に起因して、ろう接部分が破
断するおそれもある。
本発明は前記に鑑み、金属体とセラミック体との接合強
度を大幅に向上させると共に安定化させることのできる
前記接合方法を提供することを目的とする。
B.発明の構成 (1)問題点を解決するための手段 本発明は、金属体と、成形および焼結工程を経て得られ
るセラミック体とを接合するに当り、前記セラミック体
より、それの成形に先立って配合された、酸により溶出
し得る溶出可能粒子を前記酸を流通させると共にその酸
に超音波振動を付与しながら溶出して、該セラミック体
に、それの接合面に開口する多数の連続気孔を形成する
工程と;前記金属体の溶融状態にある表層部を前記セラ
ミック体の前記接合面に接触させた後それら金属体およ
びセラミック体を加圧して、前記表層部を前記セラミッ
ク体の前記連続気孔に加圧含浸させる工程と;を用いる
ことを特徴とする。
(2)作用 溶出可能粒子の溶出に際し、酸を流通させると共にその
酸に超音波振動を付与するので、溶出可能粒子より生じ
た可溶性塩類の連続気孔内における沈積を回避し、また
溶出反応を促進して、連続気孔の形成を迅速、且つ確実
に行うことができる。
溶融した金属体表層部をセラミック体の連続気孔に加圧
含浸させるので、その表層部によるアンカ効果を確実に
発生させ、これにより両者の接合強度を大幅に向上させ
ることができる。
また予め配合しておいた溶出可能粒子を溶出させるの
で、その粒子の配合量によってセラミック体の気孔率、
したがって表層部の加圧含浸によるアンカ効果を定常化
することは容易であり、これにより前記両者の接合強度
を安定化させることができる。
さらにセラミック体の連続気孔形成部は、その構成材料
と金属体の構成材料とよりなる複合部に変換され、その
複合部の熱膨脹係数はセラミック体および金属体の両熱
膨脹係数の中間値を呈するので、その複合部により両者
の熱膨脹率の差を緩和して、両者間の接合部分における
前記差に起因した破断を防止することができる。
さらにまた、ろう材等の金属性接合材は不要であるか
ら、その接合材に要するコストおよびその設置に伴う工
数を削減して、接合コストを下げることができる。
(3)実施例 第1図(a)はセラミック体としてのタービン羽根車1を
示し、また同図(b)はタービン羽根車1に接合される金
属体としての超耐熱・耐食合金製回転軸2を示す。この
種合金としては、Ni−Cr合金(例えば、インコネル
713C)、Ni−Cr−Mo鋼(例えば、JIS S
NCM447)等が用いられている。
タービン羽根車1は、羽根車本体3と、それと一体の接
合軸部4とよりなり、羽根車本体3は複数の羽根5を有
する支持部6、その支持部6に連設される大径軸部7お
よび大径軸部7端面に突設された小径軸部8を備えてい
る。接合軸部4は、小径軸部8の嵌入を許容し、また端
面が大径軸部7端面に衝合するような状態で羽根車本体
3と一体化されている。
タービン羽根車1は、原料の調製、成形および焼結の各
工程を経て製造される。
原料は羽根車本体3と接合軸部4とでは異なり、羽根車
本体3の原料としてはセラミック粉末、その粉末の焼結
温度で焼結作用を発揮する焼結助剤等が用いられ、また
接合軸部4の原料には、前記の外に接合軸部4を、その
接合面としての外面に開口する多数の連続気孔を持つ三
次元網目構造にするため、酸により溶出し得る溶出可能
粒子が用いられる。
セラミック粉末としては、Si、SiC、ZrO
、TiC、TiN等の単独粉末およびこれらから選択
されたものの混合粉末が該当する。
焼結助剤としては、Al、Y、MgO、S
iO等の単独粉末およびこれらから選択されたものの
混合粉末が該当する。
溶出可能粒子としては、Al、NaO、SiO
、MgO、KO、B、CaOおよび必要に応
じてCaClを混合、溶融、冷却固化および微粉砕の
各工程を経て製造されたものが該当する。
原料の調製に当たっては、前記各種構成物質をボールミ
ル等の混合機を用いて所定時間混合し、それらを均一に
分散させる。
前記原料を用いて成形体を得る場合には、加圧成形法、
射出成形法、水を分散媒としたスリップキャスティング
法等が用いられる。
前記成形体に焼結処理を施す場合の条件は、Nガス等
の不活性ガス雰囲気中にて1600〜2000℃、0.5
〜12時間である。
前記焼結処理によって緻密な組織を有するタービン羽根
車1が得られる。このタービン羽根車1の緻密化の程度
は、主として焼結助剤の配合量ならびに焼結処理におけ
る温度および時間によって制御される。また溶出可能粒
子も焼結助剤的な機能をするので、接合軸部4において
は前記粒子の配合量も緻密化に関与する因子となる。
接合軸部4から溶出可能粒子を溶出するために用いられ
る酸としては、硝酸、塩酸等の単一酸、これらの混酸、
前記単一酸または前記混酸に少量のフッ化水素酸を添加
したもの等が用いられる。
各酸により溶出可能粒子を可溶性塩類に変えて接合軸部
4より溶出し、接合軸部4を多数の連続気孔を持つ三次
元網目構造にする。その際、酸を流通させると共にそれ
に超音波振動を付与し、これにより連続気孔内における
可溶性塩類の沈積を回避し、また溶出反応を促進して、
連続気孔の形成を迅速、且つ確実に行うことができる。
この場合接合軸部4の強度は、主としてその気孔の大き
さ(直径)および気孔率により左右される。
第2図は接合軸部4の気孔率と曲げ強さとの関係を示
し、前記回転軸2との加圧下における接合を考慮する
と、気孔率は10〜30%が適当である。また連続気孔
の大きさは1〜10μmが適当である。このように連続
気孔の大きさおよび気孔率を設定することにより、前記
焼結処理における緻密化に伴うセラミック粉末の結晶成
長もあって、接合軸部4に、必要強度を持たせることが
できる。
前記連続気孔の大きさおよび気孔率は溶出可能粒子の粒
径および配合量によって左右されるものであるから、前
記適当範囲を得ることができるように前記粒径および配
合量が決定される。
前記合金製回転軸2は、羽根車本体3における大径軸部
7の直径よりも大きな一辺を有する横断面四角形の各軸
部9と、それに連設される小径軸部10とよりなり、角
軸部9にはタービン羽根車1の接合軸部4と嵌合する孔
部11が形成される。
タービン羽根車1と回転軸2とを一体化する場合は、溶
出処理後の接合軸部4に、大気下または真空下における
加熱処理により表層部を溶融状態にした角軸部9の孔部
11を嵌合し、次いで、大気下または真空下において角
軸部9をその外周から加圧することによって、孔部11
の表層部を接合軸部4の連続気孔に加圧含浸させるもの
である。
この場合、角軸部9の加熱処理および加圧工程を真空下
で行う方が、その角軸部9の酸化を防止し得るので、接
合強度を増す上に有効である。
前記表層部の加圧含浸によりアンカ効果が発生し、これ
により接合軸部4と角軸部9、したがってタービン羽根
車1と回転軸2との接合強度を大幅に向上させることが
できる。この場合、接合軸部4の外面および連続気孔内
面に蒸着等の手段により金属薄膜を形成しておくと、連
続気孔内面等に対する表層部の濡れ性が良好になる。
また予め配向しておいた溶出可能粒子を溶出させるの
で、その粒子の配合量によって接合軸部4の気孔率、し
たがって表層部の含浸によるアンカ効果を定常化するこ
とは容易であり、これによりタービン羽根車1と回転軸
2との接合強度を安定化させることができる。
さらに接合軸部4は、そのセラミック材料と角軸部9の
金属材料とよりなる複合部に変換され、その複合部の熱
膨脹係数はタービン羽根車1および回転軸2の両熱膨脹
係数の中間値を呈するので、その複合部によりタービン
羽根車1と回転軸2との熱膨脹率の差を緩和して、両者
1,2間の接合部分における前記差に起因した破断を防
止することができる。
〔実施例I〕
(a)羽根車本体用原料の調製 セラミック粉末 平均粒径0.5μm、最大粒径5μmの Si 90重量% 焼結助剤粉末 Y 6重量% Al 4重量% をボールミルにて24時間混合する。
(b)接合軸部用原料の調製 先ず、溶出可能粒子を下記の手法を用いて製造する。
Al5.9重量%、NaO11.4重量%、SiO2
5.2重量%、MgO13.0重量%、KO4.0重量%、B
38.0重量%、CaO2.5重量%よりなる配合物をボ
ールミルにて十分に混合し、その混合物を1400℃ま
で昇温して溶融し、その後溶融物を冷却固化する。この
固化物に微粉砕処理を施して平均粒径0.5μm、最大粒
径5μmの溶出可能粒子を得る。この溶出可能粒子の粒
度分布はセラミック粉末のそれに合せてある。
セラミック粉末 平均粒径0.5μm、最大粒径5μmの Si 81重量% 焼結助剤粉末 Y 2重量% Al 3重量% 溶出可能粒子 14重量% をボールミルにて24時間混合する。
前記(a)の原料および分散媒として水を用い、スリップ
キャスティング法を適用して羽根車本体3に対応する成
形体を得る。
前記(b)の原料および分散媒として水を用い、スリップ
キャスティング法を適用して接合軸部4に対応する成形
体を得ると同時にその成形体と前記成形体とを一体化し
てタービン羽根車1に対応する最終成形体を作製する。
前記最終成形体を焼結炉内に設置し、炉内にNガスを
流通させながら炉内温度を1600℃まで昇温し、この
温度を2時間維持する。
この焼結処理によってタービン羽根車1を得る。
このタービン羽根車1における密度は、理論密度の95
%以上であって非常に緻密であり、また室温での曲げ強
さは3点曲げ試験において85〜90kgf/mm2である。
また破断面を走査型電子顕微鏡を用いて観察したとこ
ろ、結晶の成長に伴いセラミック粉末は粒径3〜4μm
の六角柱状晶となっており、結晶の異常成長は認められ
ていない。
前記タービン羽根車1の接合軸部4に、以下に述べる溶
出処理を施す。
25%の硝酸および0.1%のフッ化水素酸よりなる混酸
を50℃に加熱し、その混酸を流通させると共にそれに
超音波振動を付与し、この状況下にある混酸に接合軸部
4を30分間浸漬して溶出可能粒子を溶出する。
接合軸部4の重量減少率は15.0%であり、溶出可能粒子
の略全量が溶出されたことになる。
接合軸部4の破断面観察により、接合軸部4における連
続気孔の大きさは約2μm、また気孔率は16%であ
り、大部分の気孔が連続していることが確認されてい
る。焼結後の気孔率は見掛上0%であったから、約1%
の閉鎖された気孔が存在することになる。
第3図に示すように、Ni−Cr合金(インコネル71
3C)よりなる回転軸2の角軸部9を約1200℃に加
熱し、その孔部11に、予熱されたタービン羽根車1の
接合軸部4を嵌合し、両者1,2をプレス機12に設置
する。そして真空下において上、下部パンチ13,14
により角軸部9を圧力200kgf/mm2を以て加圧し、孔
部11において溶融状態にある表層部を接合軸部4の連
続気孔に含浸させる。
前記接合作業後、回転軸2の角軸部9に仕上げ加工を施
して、第4図に示すタービン羽根車1および回転軸2の
接合体を得る。
この接合体において、連続気孔形成部である接合軸部4
は、第5図に示すようにSiを主体とするセラミ
ック材料C間の連続気孔Pを前記合金Aが埋めた構造、
したがって両者C,Aよりなる複合部に変換される。
この場合、タービン羽根車1および回転軸2の熱膨脹係
数はそれぞれ3.0×10-6/℃および1.67×10-6
℃、また複合部のそれは10.5×10-6/℃であり、した
がって複合部の熱膨脹係数は両者1,2の略中間値を呈
する。
第6図はセラミック材料単体部、複合部および合金単体
部のクリープ特性を示す。測定条件は温度1000℃、
荷重7.7kg/mm2である。線xがセラミック材料単体部
に、線xが複合部に、線xが合金単体部にそれぞれ
該当する。
第6図から明らかなように、複合部(線x)の歪率は
セラミック材料単体部(線x)のそれに近く、したが
って複合部は大きな強度を有する。
〔実施例II〕
実施例Iの溶出可能粒子の粒度分布を平均粒径0.8μ
m、最大粒径10μmに変更して実施例Iと同様のター
ビン羽根車1を得る。
そのタービン羽根車1の接合軸部4に実施例Iと同様の
溶出処理を施して、大きさが約10μmの連続気孔を形
成する。
接合軸部4の外周面および連続気孔内面に、Cu−Ni
合金を蒸着法により付着させて薄膜を形成する。この場
合、連続気孔の大きさが約10μmと大きいので、その
目詰まりが回避される。
実施例Iと同様の作業によって、接合軸部4と角軸部9
とを一体化する。
このようにして得られた複合部の破断面を観察したとこ
ろ、前記薄膜を介して前記Ni−Cr合金が接合軸部4
の外面および連続気孔内面に十分に接合していることが
確認されている。
第7図は複合部におけるNi−Cr合金含浸量と室温で
の曲げ強さとの関係を示し、また第8図はNi−Cr合
金含浸量が30体積%の複合部(線y)およびNi−
Cr合金含浸量が15体積%の複合部(線y)におけ
る温度と曲げ強さとの関係を示す。
第7,第8図から室温および高温下における複合部の強
度は、Ni−Cr合金の含浸量によって大幅には変化し
ないことが分かる。
〔実施例III〕
(a)羽根車本体用原料の調製 セラミック粉末 平均粒径0.4μm、最大粒径5μmの Si 90重量% 焼結助剤粉末 Y 5重量% Al 5重量% をボールミルにて24時間混合する。
(b)接合軸部用原料の調製 溶出可能粒子において、そのAl、MgO成分等はセ
ラミック粉末であるSiと固溶する等の報告もあ
るため、実施例Iの場合と配合量を変え、また異常な結
晶成長を抑制するため新たな成分としてハロゲン化物、
実施例ではCaClを用い、溶出可能粒子を下記の手
法を用いて製造する。
Al8.6重量%、NaO10.3重量%、SiO2
4.2重量%、MgO15.0重量%、KO2.1重量%、B
39.16重量%、CaO0.6重量%、CaCl0.05重
量%よりなる配合物をボールミルにて十分に混合し、そ
の混合物を1200℃まで昇温して溶融し、その後溶融
物を冷却固化する。この固化物に微粉砕処理を施して平
均粒径1.2μm、最大粒径3μmの溶出可能粒子を得
る。
また溶出可能粒子と焼結助剤とが反応したり、焼結助剤
のうち前記溶出処理により溶出されるものもあることが
懸念されるため焼結助剤を除き、 セラミック粉末 平均粒径0.4μm、最大粒径5μmの Si 93重量% 溶出可能粒子 7重量% をボールミルにて24時間混合する。
前記(a)の原料および分散媒として水を用い、スリップ
キャスティング法を適用して羽根車本体3に対応する成
形体を得る。
前記(b)の原料および分散媒として水を用い、スリップ
キャスティング法を適用して接合軸部4に対応する成形
体を得ると同時にその成形体と前記成形体とを一体化し
てタービン羽根車1に対応する最終成形体を作製する。
前記最終成形体を焼結炉内に設置し、炉内にNガスを
流通させながら炉内温度を1600℃まで昇温し、この
温度を2時間維持する。
この焼結処理によってタービン羽根車1を得る。
このタービン羽根車1における密度は、理論密度の95
〜97%であって非常に緻密であり、また室温での曲げ
強さは3点曲げ試験において約80kgf/mm2である。ま
た破断面を走査型電子顕微鏡を用いて観察したところ、
結晶成長に伴いセラミック粉末は粒径3〜4μmの六角
柱状晶となっており、結晶の異常成長は認められていな
い。
前記タービン羽根車1の接合軸部4に、以下に述べる溶
出処理を施す。
25%の硝酸および0.1%のフッ化水素酸よりなる混酸
を50℃に加熱し、その混酸を流通させると共にそれに
超音波振動を付与し、この状況下にある混酸に接合軸部
4を30分間浸漬して溶出可能粒子を溶出する。
接合軸部4の重量減少率は5.8%であり、溶出可能粒子
の配合量よりも少ないが、これは溶出可能粒子の成分の
うちAl、MgO等がSiと固溶し、また
SiOが窒化されたことに起因するものと思われる。
接合軸部4の破断面観察により、接合軸部4における連
続気孔の大きさは最大約3μm、また気孔率は25%で
あり、閉鎖気孔はなく全ての気孔が連続していることが
確認された。
第3図に示すように、Ni−Cr−Mo鋼(JIS S
NCM447)よりなる回転軸2の角軸部9を約120
0℃に加熱し、その孔部11に、予熱されたタービン羽
根車1の接合軸部4を嵌合し、両者1,2をプレス機1
2に設置する。そして、大気下において上、下部パンチ
13,14により角軸部9を圧力200kgf/mm2を以て
加圧し、孔部11において溶融状態にある表層部を接合
軸部4の連続気孔に含浸させる。
前記接合作業後、回転軸2の角軸部9に仕上げ加工を施
して、第4図に示すタービン羽根車1および回転軸2の
接合体を得る。
この接合体において、連続気孔形成部である接合軸部4
は、第5図に示すようにSiを主体とするセラミ
ック材料C間の連続気孔Pを前記鋼Aが埋めた構造、し
たがって両者C,Aよりなる複合部に変換される。
この場合、タービン羽根車1および回転軸2の熱膨脹係
数はそれぞれ3.0×10-6/℃、23.6×10-6/℃、ま
た複合部のそれは11.8×10-6/℃であり、したがって
複合部の熱膨脹係数は両者1,2の略中間値を呈する。
複合部の室温での強度は50kgf/mm2、0〜100℃に
おける強度は45〜55kgf/mm2である。
また、前記接合体を300℃の炉内に5分間保持し、次
いで直ちに水冷し、この操作を1000回繰返す熱サイ
クルテストを行い、その後接合軸部4と角軸部9との接
合部分についてX線による応力回折を行い、また走査型
電子顕微鏡により構造変化を調べたところ、接合軸部4
と角軸部9との間に緩みやクラックの発生のないことが
確認されている。
〔実施例IV〕
実施例IIIの溶出可能粒子の粒度分布を平均粒径0.5μ
m、最大粒径5μmに変更して実施例IIIと同様のター
ビン羽根車1を得る。
そのタービン羽根車1の接合軸部4に実施例IIIと同様
の溶出処理を施して、大きさが約10μmの連続気孔を
形成する。
接合軸部4の外面および連続気孔内面に、CuNi合
金を蒸着法により付着させて薄膜を形成する。この場
合、連続気孔の大きさが約10μmと大きいので、その
目詰まりが回避される。
実施例III同様の作業によって、接合軸部4と角軸部9
とを一体化する。このようにして得られた複合部の破断
面を観察したところ、前記薄膜を介して前記鋼が接合軸
部4の外面および連続気孔内面に十分に接合しているこ
とが確認されている。
第9図は前記複合部におけるNi−Cr−Mo鋼含浸量
と室温での曲げ強さとの関係を示す。第9図より、複合
部の強度はNi−Cr−Mo鋼の含浸量によって大幅に
は変化しないことが分かる。
なお、本発明はタービン羽根車と回転軸との接合に限ら
ず、各種セラミック体と金属体との接合、例えば板状セ
ラミック体と板状金属体の接合等にも適用される。また
セラミック体に連続気孔を形成する場合、そのセラミッ
ク体全体を連続気孔質にする、または表層部のみを連続
気孔質にする等適宜である。
C.発明の効果 本発明によれば、セラミック体への連続気孔の形成を、
溶出可能粒子の配合、その粒子の酸による溶出およびそ
の酸の流通と共にそれに対する超音波振動の付与といっ
た手段を採用することによって迅速、且つ確実に行うこ
とができる。またセラミック体は既に焼結処理を施され
ているので、連続気孔形成後においても十分な強度を有
し、取扱い性が良く、その上溶融した金属体表層部の加
圧含浸作業時破壊することもない。
さらにセラミック体への金属体表層部の加圧含浸により
アンカ効果を発生させると共にそのアンカ効果の定常化
を実現し、これによりセラミック体と金属体との接合強
度を大幅に向上させ、またその安定化を図ることができ
る。
その上、前記加圧含浸によりセラミック体の連続気孔形
成部は、その構成材料と金属体の構成材料とよりなる複
合部に変換され、その複合部の熱膨脹係数はセラミック
体と金属体の両熱膨脹係数の中間値を呈するので、その
複合部により両者の熱膨脹率の差を緩和して、両者間の
接合部分における前記差に起因した破断を回避すること
ができる。
またろう材等の金属性接合材は不要であるから、それに
応じて接合コストを低減することができる。
したがって、本発明に係る接合方法によって、苛酷な状
況下において十分な耐久性を有する、セラミック体およ
び金属体の接合体を安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)はセラミック体としてのタービン羽根車の縦
断正面図、第1図(b)は金属体としての回転軸の要部縦
断正面図、第2図はタービン羽根車における接合軸部の
気孔率と曲げ強さとの関係を示すグラフ、第3図は加圧
下における回転軸表層部の含浸作業を示す縦断正面図、
第4図は接合体の要部縦断正面図、第5図は第4図V矢
示部の拡大図、第6図はクリープ特性を示すグラフ、第
7図は複合部におけるNi−Cr合金含浸量と曲げ強さ
との関係を示すグラフ、第8図は複合部における温度と
曲げ強さとの関係を示すグラフ、第9図は複合部におけ
るNi−Cr−Mo鋼含浸量と曲げ強さとの関係を示す
グラフである。 1…セラミック体としてのタービン羽根車、2…金属体
としての回転軸、 A…Ni−Cr合金、Ni−Cr−Mo鋼、C…セラミ
ック材料、P…連続気孔

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属体(2)と、成形および焼結工程を経
    て得られるセラミック体(1)とを接合するに当り、前
    記セラミック体(1)より、それの成形に先立って配合
    された、酸により溶出し得る溶出可能粒子を前記酸を流
    通させると共にその酸に超音波振動を付与しながら溶出
    して、該セラミック体(1)に、それの接合面に開口す
    る多数の連続気孔(P)を形成する工程と;前記金属体
    (2)の溶融状態にある表層部を前記セラミック体
    (1)の前記接合面に接触させた後それら金属体(2)
    およびセラミック体(1)を加圧して、前記表層部を前
    記セラミック体(1)の前記連続気孔(P)に加圧含浸
    させる工程と;を用いることを特徴とするセラミック体
    と金属体との接合方法。
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