JPH0653803B2 - 高硬度樹脂の製造方法 - Google Patents

高硬度樹脂の製造方法

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JPH0653803B2
JPH0653803B2 JP63146810A JP14681088A JPH0653803B2 JP H0653803 B2 JPH0653803 B2 JP H0653803B2 JP 63146810 A JP63146810 A JP 63146810A JP 14681088 A JP14681088 A JP 14681088A JP H0653803 B2 JPH0653803 B2 JP H0653803B2
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敦則 矢口
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  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は高硬度樹脂の製造方法に関し、詳しくは特定の
光重合開始剤の存在下で、硬化性ホスファゼン化合物に
紫外線等の活性エネルギー線を照射することによって、
極めて硬度の大きい樹脂を効率よく製造する方法に関す
る。
〔従来の技術および発明が解決しようとする課題〕
従来から、ガラス代替品として軽量で加工性にすぐれた
各種の透明プラスチック材料が、レンズをはじめとする
光学製品あるいは板状の構造材等として使用されてい
る。しかし、これらのプラスチック材料は、透明性には
すぐれているものの、表面硬度が充分でなく、実用上様
々な問題がある。
そのため、この硬度不足を補う目的で、これらの透明プ
ラスチック表面に保護膜を形成することが行われてい
る。この保護膜の形成には、様々な手法が使用されてい
るが、通常は真空蒸着法,スパッタリング法,PVD法
(物理吸着法)等によりクロム,酸化クロム,シリコ
ン,タンタルなどの無機系の薄膜を形成し、硬化被膜を
形成している。
しかしながら、このような方法は、薄膜形成の際、系内
を真空にするなどの手間がかかる上に、装置も比較的高
価で大型のものを使用しなければならないなど様々な問
題がある。
また、薄膜形成後、活性エネルギー線の照射や加熱を行
うことによって、硬化被膜の形成が行われている。例え
ば、アクリル系のコーティング基材の場合には、必要に
応じて基材にプライマー処理を行って、基材に対する被
膜の接着性を高めることが必要であり、またシリコーン
系のコーティング基材の場合には、熱による硬化処理が
必要であるため、熱に弱い基材には適用できないなど多
くの問題がある。
そこで、本発明者は、上記従来技術の問題を解消し、簡
単な操作ならびに安価の装置にて高硬度の透明性樹脂を
製造することのできる方法を開発すべく鋭意研究を重ね
た。
〔課題を解決するための手段〕 その研究過程において、硬化性のホスファゼン化合物に
光や熱等のエネルギーを加えて硬化させたものが、透明
性にすぐれしかも硬度が比較的大きいものになることが
判明した。本発明者は、このような事実に基いてさらに
研究を続けたところ、硬化性ホスファゼン化合物に紫外
線等の活性エネルギー線を照射するとともに、光重合開
始剤としてモルフォリン系化合物を用いることによっ
て、一層硬度の大きい透明性樹脂が得られることを見出
した。
本発明はかかる知見に基いて完成したものである。すな
わち本発明は、硬化性ホスファゼン化合物に、モルフォ
リン系化合物からなる光重合開始剤の存在下で活性エネ
ルギー線を照射することを特徴とする高硬度樹脂の製造
方法を提供するものである。
本発明の方法に用いる硬化性ホスファゼン化合物は各種
のものがあるが、通常は一般式 NP(A)a(B)b・・・(I) 〔式中、a,bはa>0,b≧0であり、かつa+b=
2を満たす実数を示し、Aは重合硬化性基を示し、Bは
非重合硬化性基を示す。〕 で表わされる繰返し単位を有し、重合度が3以上のもの
が好適に使用される。この硬化性ホスファゼン化合物の
有する繰返し単位を表示する一般式(I)は、単一の化
合物を表示するものではなく、数種の化合物の混合物の
平均値としての表示である。したがって、各基の数を示
すaおよびbは必ずしも整数に限定されず、小数をも含
む実数である。また、重合度についても同様に3以上の
範囲の整数のみならず、小数をも含む実数である。
上記一般式(I)の繰返し単位をもつホスファゼン化合
物は、各置換基の種類により様々なものがある。
式中、Aは重合硬化性基を示すが、この重合硬化性基と
は、紫外線,可視光線,電子線,X線等の活性エネルギ
ー線の照射により反応して硬化する官能基を意味し、通
常は反応性二重結合を有する基である。この反応性二重
結合を有する基としては、各種のものがあるが、例えば
アクリロイル基,メタクリロイル基,ビニル基あるいは
アリル基を含む官能基があげられる。
上記アクリロイル基を含む官能基あるいはメタクリロイ
ル基を含む官能基は、アクリロイルオキシ基やメタクリ
ロイルオキシ基、さらには一般式 〔式中、R4は水素原子またはメチル基を示し、R5は炭
素数1〜12(好ましくは1〜5)のアルキレン基(分岐
アルキレン基を含む)を示す。〕 で表わされるものである。
また、このアクリロイル基やメタクリロイル基を含む官
能基は、上述の一般式(II)のもののほかに、 一般式 〔式中、R及びRは前記と同じである。〕で表わさ
れる官能基、すなわちヒドロキシアルキル置換(メタ)
アクリルアミドの水酸基から水素原子を除いた残基、さ
らに一般式 〔式中、Rは前記と同じである。〕 で表わされる官能基、即ちアクリルアミドやメタクリル
アミドのアミノ基から水素原子を一個除いた残基をあげ
ることができる。
また、アリル基を含む官能基としては、アリル基そのも
ののほか、例えばアリルオキシ基(CH2=CH−CH2
O−)があるが、このアリルオキシ基に限らず、広く、 一般式 あるいは 〔式中、R4〜R6は前記と同じである。〕 で表わされる官能基、即ち水酸基を一個有するアリル化
合物の水酸基から水素原子を除いた残基をあげることが
できる。
一方、一般式(I)中のBは、非重合硬化性基であり、
例えば一般式 R7M− ・・・(VIII) あるいは一般式 で表わされる基を示す。ここで、式(VIII)中Mは酸素
原子,硫黄原子又はイミノ基を示し、Rは炭素数1〜
18のアルキル基あるいは炭素数1〜18のハロゲン化
アルキル基を示す。また、式(IX)中Mは前記と同じで
あり、R〜R12はそれぞれ独立に水素原子,ハロゲン
原子,炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のハ
ロゲン化アルキル基を示す。さらに、前述の一般式
(I)中のa,bについては、0<a≦2,0≦b<2
であり、かつa+b=2を満たす実数であればよいが、
好ましくは0.6≦a≦2,0≦b≦1.4である。
なお置換基Aは、一般式(I)のホスファゼン化合物に
活性エネルギー線を照射した際に、該ホスファゼン化合
物を重合硬化させる作用を示す基であり、また置換基B
は、得られる硬化樹脂の物性を調節するとともに、重合
性能を調節する作用を示す基である。したがって、a,
bを適宜選定することにより、このホスファゼン化合物
の硬化体からなる樹脂の諸物性が規定されることとな
る。
但し、a=0のものは硬化性を有しないので、このよう
なホスファゼン化合物は、本発明の硬化性ホスファゼン
化合物からは除外される。しかし、a=2,b=0のも
の、即ち、 一般式 NP(A)2 ・・・(I′) で表わされる繰返し単位を有するホスファゼン化合物
は、本発明の硬化性ホスファゼン化合物として利用でき
る。
本発明における硬化性ホスファゼン化合物は、上述の一
般式(I)の繰返し単位を有するものであるが、その重
合度は3以上、好ましくは3〜10000の範囲、さら
に好ましくは3〜18の範囲であり、とりわけ3あるい
は4もしくはそれらの混合物が最適である。また、一般
式(I)の繰返し単位が鎖状に結合(重合)したものも
あるが、好ましくは環状に結合(重合)したものであ
る。
本発明お方法では、上述の如き硬化性ホスファゼン化合
物が用いられるが、さらに必要に応じて、これらのホス
ファゼン化合物に無機微粒子、例えばTiO2,ZnO,SiN4,A
l2O3,SnO3,Y2O3,ZrO2,NbOなどの粒径200mμ以
下、好ましくは20mμ以下の無機酸化物微粒子を適量
配合してもよい。その配合量は、特に制限はないが、通
常は硬化性ホスファゼン化合物100重量部に対して5
〜150重量部、好ましくは10〜100重量部の範囲
で選定する。
本発明の方法では、上記の硬化性ホスファゼン化合物あ
るいはこれに無機微粒子を配合したものに、活性エネル
ギー線、例えば紫外線,電子線,X線,γ線あるいは可
視光線等、特に好ましくは紫外線を照射するが、この際
にモルフォリン系化合物からなる光重合開始剤を存在さ
せることが必要である。このモルフォリン系化合物は様
々なものが使用可能であるが、例えば 一般式 で表わされるものを好適なものとしてあげることができ
る。この一般式(X)において、R1,R2およびR3
それぞれ水素,炭素数1〜8のアルキル基(例えば、メ
チル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,オクチル基
など),炭素数6〜10のアリール基(フェニル基,p
−トリル基など),アリル基,炭素数2〜8のアルケニ
ル基,炭素数1〜8のヒドロキシアルキル基あるいは炭
素数1〜8のメルカプトアルコキシアルキル基などを示
す。この一般式(X)のモルフォリン系化合物の具体例
を示せば、 式 で表わされる2−メチル〔4−(メチルチオ)フェニ
ル)−2−モルフォリノ−1−プロパノン, 式 で表わされる2−メチル〔4−(メルカプト)フェニ
ル〕−2−モルフォリノ−1−プロパノン, 式 で表わされる2−メチル〔4−(メチルチオ)フェニ
ル〕−2−モルフォリノ−1−ブタノン, 式 で表わされる2−メチル〔4−(アリルチオ)フェニ
ル〕−2−モルフォリノ−1−ペンタノン, 式 で表わされる2−メチル〔4−(トリルチオ)フェニ
ル〕−2−モルフォリノ−1−プロパノンをあげること
ができる。
また、本発明の方法で使用可能なモルフォリン系化合物
としては、上記一般式(X)で表わされるもの以外に、
さらに 式 で表わされる1−フェニル−2−メチル−2−モルフォ
リノ−1−プロパノン, 式 で表わされる2−メチル〔4−(クロロ)フェニル〕−
2−モルフォリノ−1−プロパノン, 式 で表わされる2−メチル〔4−(ブロモ)フェニル〕−
2−モルフォリノ−1−プロパノン, 式 で表わされる2−メチル〔4−(ベンジル)フェニル〕
−2−モルフォリノ−1−プロパノンなどをあげること
ができる。
本発明の方法では、光重合開始剤として上述した如きモ
ルフォリン系化合物の一種類あるいは二種類以上を混合
して使用することが必要であり、他の光重合開始剤で
は、得られる硬化樹脂の硬度が充分高くならず、また硬
化に要する時間が長くなるなどの不都合が生ずる場合が
ある。また、このモルフォリン系化合物の使用量は、活
性エネルギー線を前記の硬化性ホスファゼン化合物に照
射したときに、光重合が速やかに開始するに充分な量と
すればよい。具体的には、硬化性ホスファゼン化合物1
00重量部に対して0.01〜10重量部の範囲で選定
すればよい。
上記硬化性ホスファゼン化合物に照射すべき活性エネル
ギー線の照射量は、光重合の対象である硬化性ホスファ
ゼン化合物の形状等により異なるが、通常は100mJ
/cm2〜5×103mJ/cm2、好ましくは100mJ/
cm2〜1000mJ/cm2の範囲で適宜定めればよい。
本発明の方法を行うにあたっては、ベンゼン,トルエ
ン,キシレン等の芳香族炭化水素、メチルエチルケト
ン,メチルイソブチルケトン等のケトン類、メタノー
ル,エタノール,プロパノール等のアルコール類、シク
ロヘキサン等の脂環族炭化水素などの希釈剤、あるいは
スチレン,ヒドロキシエチルアクリレート,ジビニルベ
ンゼン,トリメチルエタントリメタクリレート等の反応
型希釈剤、n−ブチルアミン,尿素,ナトリウムジエチ
ルジホスフェート,四塩化炭素などの増感剤等を適宜加
え、また、さらに重合禁止剤,紫外線吸収剤,顔料,各
種充填剤を添加することも有効である。
〔実施例〕
次に、本発明を実施例および比較例によりさらに詳しく
説明する。
製造例 2のフラスコ内でヘキサクロロシクロトリホスファゼ
ン86.8gを脱水したベンゼン338gに溶解した。
このベンゼン溶液に、155gのピリジンおよび0.2
3gのヒドロキノンを加え窒素気流中で攪拌した。
別に2−ヒドロキシエチルメタクリレート200mlを2
37mlのベンゼンに溶解し、この溶液を上記のフラスコ
中に滴下し、50℃で20時間かけて反応させた。
反応終了後、濾過をして、ピリジンの塩酸塩を除去し
た。
濾液を水洗し次いで芒硝を用いて乾燥させ、減圧蒸溜に
より溶剤を除去して、無色透明で粘稠性の1,1,3,
3,5,5−ヘキサ(メタクリロイルエチレンジオキ
シ)シクロトリホスファゼン200gを得た。
実施例1 上記製造例で得られた無色透明粘稠液体30gに、2−
メチル〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォ
リノ−1−プロパノン(商品名:Irgacure907,チバ
ガイギー製)を0.9g添加し、攪拌溶解した。これを
硬化性モノマーAとする。
次に、ガラス製型に上記硬化性モノマーAを流し込み、
真空下で20分脱気処理を施した後、紫外線照射装置を
用い、出力800W/cmで30秒間紫外線を照射して、
硬化樹脂(寸法15×15×3mm)を得た。これを硬化
物Aとする。
又、内径5mmのガラス管(肉厚1mm)に硬化性モノマー
Aを流し込み、硬化物Aと同様の条件で紫外線を照射
し、硬化樹脂(寸法:直径5mm×長さ10mm)を得た。
これを硬化物Bとする。
比較例1 市販のアクリル系紫外線硬化樹脂(光重合開始剤無添加
品)30gに、2−メチル〔4−(メチルチオ)フェニ
ル〕−2−モルフォリノ−1−プロパノンを0.9g添
加し、攪拌溶解した。これを硬化性モノマーBとする。
次に実施例1と同様の操作により硬化物C(寸法:15
mm×15mm×3mm)および硬化物D(寸法:直径5mm×
長さ10mm)をそれぞれ得た。
比較例2 市販のメタクリル樹脂を射出成型により成型し、成型物
A(寸法:15mm×15mm×3mm)および成型物B(寸
法:直径5mm×長さ10mm)をそれぞれ得た。
比較例3 市販のポリカーボネート樹脂を射出成型により成型し、
成型物C(寸法:15mm×15mm×3mm)および成型物
D(寸法:直径5mm×長さ10mm)をそれぞれ得た。
比較例4 比較例3で得られた成型物Cの片面(寸法:15mm×1
5mm)に、比較例1で用いた市販のアクリル系コーティ
ング材(アクリル系紫外線硬化樹脂)をメチルイソブチ
ルケトンおよびイソプロピルアルコールで希釈し、スプ
レー法によりコーティングした。
溶剤を乾燥により除いた後、紫外線照射装置を用い、出
力80W/cmで10秒間紫外線を照射し、硬化塗膜を形
成した。
これをコーティング品A(寸法:15mm×15mm×3m
m)とする。
なお、照射時間を10秒以上にしても、硬化塗膜の物性
値に変化は認められなかった。
それぞれのサンプルの物性評価の結果を第1表に示す。
〔発明の効果〕 以上の如く、本発明の方法によれば、透明性にすぐれる
とともに、硬度の極めて高い硬化樹脂を簡単な操作で効
率よく製造することができる。
また、本発明の方法によって製造される硬化樹脂は、薄
膜状のものから塊状のものまで様々な形状のものであ
り、これは光学レンズをはじめ光ファイバー被覆材等の
光学分野、さらにはガラス代替品としての硬質プラスチ
ックス等に幅広く、かつ有効に利用される。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】硬化性ホスファゼン化合物に、モルフォリ
    ン系化合物からなる光重合開始剤を存在下で活性エネル
    ギー線を照射することを特徴とする高硬度樹脂の製造方
    法。
  2. 【請求項2】モルフォリン系化合物が、一般式 〔式中、R1,R2およびR3はそれぞれ水素,炭素数1
    〜8のアルキル基,炭素数6〜10のアリール基,アリ
    ル基,炭素数2〜8のアルケニル基,炭素数1〜8のヒ
    ドロキシアルキル基あるいは炭素数1〜8のメルカプト
    アルコキシアルキル基を示す。〕 で表わされるものである請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】モルフォリン系化合物が、2−メチル〔4
    −(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−1−
    プロパノン,2−メチル〔4−(メルカプト)フェニ
    ル〕−2−モルフォリノ−1−プロパノン,2−メチル
    〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−
    1−ブタノン,2−メチル〔4−(アリルチオ)フェニ
    ル〕−2−モルフォリノ−1−ペンタノン,2−メチル
    〔4−(トリルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−
    1−プロパノン、1−フェニル−2−メチル−2−モル
    フォリノ−1−プロパノン,2−メチル〔4−(クロ
    ロ)フェニル〕−2−モルフォリノ−1−プロパノン,
    2−メチル〔4−(ブロモ)フェニル〕−2−モルフォ
    リノ−1−プロパノンあるいは2−メチル〔4−(ベン
    ジル)フェニル〕−2−モルフォリノ−1−プロパノン
    である請求項1記載の製造方法。
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