JPH0656580B2 - ファジイ推論演算方法及び演算装置 - Google Patents

ファジイ推論演算方法及び演算装置

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JPH0656580B2
JPH0656580B2 JP2117753A JP11775390A JPH0656580B2 JP H0656580 B2 JPH0656580 B2 JP H0656580B2 JP 2117753 A JP2117753 A JP 2117753A JP 11775390 A JP11775390 A JP 11775390A JP H0656580 B2 JPH0656580 B2 JP H0656580B2
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勲 藤森
茂 松森
隆 加納
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株式会社イセキ開発工機
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明はファジイ制御やエキスパートシステム等に於け
るファジイ推論の演算方法及び演算装置に関し、詳しく
は後件部に於ける操作量を演算する際の演算方法と、こ
の方法を実施するための演算装置に関するものである。
<従来の技術> ファジイ推論の演算を行う場合、制御規則の前件部演算
では、前件部に於けるメンバーシップ関数と観測情報と
を近似照合し、前記観測情報に応じたメンバーシップ関
数の最大値を有効度として後件部に出力し、後件部演算
では、前件部に於けるメンバーシップ関数に対応する後
件部のメンバーシップ関数を前件部演算により求めた有
効度で割り引く演算を行うと共に、これ等の演算を全て
の制御規則について実行したとき得られる推論結果の波
形を合成して重心を演算している。そして前記の如くし
て算出された重心の値を操作量として出力している。
後件部に於けるメンバーシップ関数を前件部演算により
求めた有効度で割り引く方法には、min(ファジイ論理
積)法や代数積法がある。また全ての制御規則について
割引き演算して得られた推論結果を合成する方法には、
max(ファジイ論理和)法や加算法がある。
第9図(a)〜(d)は前述の割引き方法及び加算方法を説明
するものであり、例えば後件部の二つのファジイ集合の
メンバーシップ関数がY軸上で半分重複するような三角
形で表された場合であって、且つ右側のメンバーシップ
関数が有効度60%で割り引かれる時に生ずる波形の相違
を示している。尚、点線は割引き,合成を実施する以前
のメンバーシップ関数の波形を示しており、実線は推論
結果の波形を示している。
上記の如くして得られた波形から操作量の演算(デファ
ジフィケーション)を行うには、横軸Yの関数で定義さ
れる夫々の波形を区間a〜bについて積分することによ
りY軸上の重心の位置を計算している。そして得られた
値を操作量として出力している。
上記積分演算をアナログ演算器で実行する場合には積分
計算を実施するための複雑な演算回路の設計が必要とな
る。またディジタル演算器で実行する場合には、波形に
沿った点列データ(離散的データ)を記憶装置に記憶さ
せ、これを読み出して近似演算する方法が採られている
ので、大容量の記憶装置が必要となり、また演算に要す
る時間も長くなるという問題があった。
上記問題を解決するために、例えば特開昭63−113734号
公報に開示された技術が提案されている。
この技術は第9図(a)に示す代数値−max法を採用してお
り、推論結果の波形を隣接する三角形の頂点間を単位と
して(n+1)個の領域に分割し、その領域毎に割引き
されたメンバーシップ関数の積分演算を行って重心の位
置を求めるものである。
然し、前記技術にあっても未だ複雑な演算手続きが必要
であり、且つこの演算にかなりの時間を要する。
<発明が解決しようとする課題> 上述の如く、従来のファジイ推論演算にあっては、制御
規則のメンバーシップ関数と観測情報から得られた推論
結果から操作出力値を求めるデファジフィケーションの
演算を実施する場合、アナログ演算器を用いる場合には
複雑な回路が必要であり、またディジタル演算器を用い
る場合には大容量の記憶装置を必要とする等、装置が高
価になったり、演算時間が長かったりする問題があっ
た。
本発明の目的は、演算時間を短縮することが出来るファ
ジイ推論演算方法を提供し、同時にこの演算方法を実施
するための演算装置を提供するものである。
<課題を解決するための手段> 上記課題を解決するために本発明に係る演算方法は、制
御規則の前件部演算を行って得た有効度に基づいて後件
部演算を行うファジイ推論演算方法に於いて、後件部に
於けるn個のファジイ集合のメンバーシップ関数を夫々
三角形(B1〜Bn)で表し、個々の三角形(B1〜Bn)の重
心の横軸上の値(G1〜Gn)と底辺の長さ(W1〜Wn)の積
によって回転モーメント(M1〜Mn)を算出し、前記前件
部の演算によって得られた後件部に於ける個々のメンバ
ーシップ関数に対応する有効度(α1〜αn)と回転モー
メント(M1〜Mn)との積(α1・M1〜αn・Mn)を算出す
ると共に算出された値を加算し、更に前記有効度(α1
〜αn)と底辺の長さ(W1〜Wn)との積(α1・W1〜αn
・Wn)を算出すると共に算出された値を加算し、前記有
効度と回転モーメントとの積を加算した値を前記有効度
と底辺の長さとの積を加算した値で除した値を操作量と
することを特徴とするものである。
また演算装置は、制御規則の前件部演算を行って得た有
効度に基づいて後件部演算を行うファジイ推論演算装置
に於いて、後件部のメンバーシップ関数となるn個の三
角形の底辺長さデータ及び重心位置データ又はn個の三
角形の底辺長さデータ及び回転モーメントデータ、或い
はn個の三角形の頂点位置データを記憶するための後件
部メンバーシップ関数記憶部と、前件部演算を行って得
たn個の有効度を記憶するための有効度記憶部と、前記
有効度記憶部に記憶された有効度とこの有効度と対応す
る前記後件部メンバーシップ関数記憶部に記憶されたデ
ータとによって有効度と回転モーメントとの積を算出す
ると共に算出された値を加算するための分子演算部と、
前記有効度記憶部に記憶された有効度とこの有効度と対
応する前記後件部メンバーシップ関数記憶部に記憶され
たデータとによって有効度と三角形の底辺の長さとの積
を算出すると共に算出された値を加算するための分母演
算部と、前記分子演算部によって算出された値を前記分
母演算部によって算出された値で除算するための除算演
算部と、前記除算演算部によって算出された値を操作量
として出力するための出力部と、を有して構成されるも
のである。
<作用> 上記ファジイ推論演算方法によれば、操作量を演算する
ためのデファジフィケーションを容易に行うことが出来
る。
即ち、制御規則の後件部に記述された出力に関するファ
ジイ集合のメンバーシップ関数を三角形B1〜Bnで与える
と共に、これ等の三角形B1〜Bnを制御規則に応じてY軸
上に並列させると、各三角形B1〜Bnに於ける底辺の長さ
W1〜Wn、及びY軸上の重心位置G1〜Gnは一義的に定ま
る。
従って、三角形B1〜Bnで表された後件部のメンバーシッ
プ関数を前件部から出力された有効度α1〜αnで割引き
しても、割引きされた三角形B1′〜Bn′に於ける底辺の
長さ、及びY軸上の重心位置は変化しない。
また割引きされた三角形B1′〜Bn′の面積は元の三角形
B1〜Bnの底辺の長さW1〜Wn、及び有効度α1〜αnによっ
て容易に計算することが出来る。
従って、割引きされた個々の三角形B1′〜Bn′に於ける
面積と重心位置との積によって回転モーメントを求める
と共にこの回転モーメントの値を加算した値を演算し、
この値を三角形B1′〜Bn′の面積を加算した値で除算す
ることによって合成された重心位置Gを演算することが
出来る。そして前記重心位置Gの値を操作量Y0として出
力することが出来る。
この演算方法に於いて、操作量Y0の値は隣接する三角形
例えばB2′,B3′との重複部分が加算された状態で演算
されている。従って、この演算方法が第9図(a)に示す
代数積−max法に係る演算をしつつ、結果的に同図(b)に
示す代数積−加算法の演算を行うものである。
また上記ファジイ推論演算装置によれば、上記演算方法
を容易に実行することが出来る。
即ち、後件部メンバーシップ関数記憶部にn個の三角形
の底辺長さデータ及び重心位置データ、又はn個の三角
形の底辺長さデータ及び回転モーメントデータ、或いは
n個の三角形の頂点位置データを記憶させると共に前件
部演算を行って得たn個の有効度を有効度記憶部に記憶
させ、分子演算部に於いて前記有効度とこの有効度と対
応するデータとによって有効度と回転モーメントとの積
を算出すると共に算出された値を加算し、且つ分母演算
部に於いて前記有効度とこの有効度と対応するデータと
によって有効度と三角形の底辺の長さとの積を算出する
と共に算出された値を加算し、除算演算部に於いて分子
演算部によって算出された値を分母演算部によって算出
された値で除算することによって合成された重心位置を
演算し、この演算結果を出力部からの操作量として出力
するすることが出来る。
<実施例> 以下上記手段を適用したファジイ推論の演算方法と、演
算装置の一実施例を図を用いて説明する。
第1図は制御規則の後件部に於けるファジイ集合のメン
バーシップ関数に関する説明図、第2図は第1図のメン
バーシップ関数を前件部演算によって得られた有効度で
割引きした説明図、第3図は掘進機に於ける方向修正を
行う場合の前件部のメンバーシップ関数の説明図、第4
図は第3図に対応する後件部のメンバーシップ関数の説
明図、第5図(a)〜(d)は後件部に於ける三角形の重心位
置の説明図、第6図はブロック図、第7図(a)〜(c)は後
件部に於けるメンバーシップ関数の三角形を有効度で割
引きしたときの説明図、第8図は本発明に係る演算方法
によって得られた操作量と従来の演算方法によって得ら
れた操作量とを比較する説明図である。
先ずファジイ推論の演算方法について具体的に説明す
る。
第1図に示すように制御規則の後件部に記述された出力
に関するファジイ集合のメンバーシップ関数をY軸上に
並列した三角形B1〜Bnで表したとき、これ等の三角形B1
〜BnのY軸上の位置及び形状は一義的に設定される。即
ち、三角形B1〜Bnの高さは全て等しく、且つ個々三角形
B1〜Bnの底辺長さW1〜Wnは一義的に設定される。従っ
て、任意の三角形Biを想定し、この三角形Biの各頂点の
Y軸上の座標をa,b,cとすると、底辺の長さW1は Wi=c−bで求めることが出来、また三角形BiのY軸上
に於ける重心の座標Giは、通常の代数計算である Gi=(a+b+c)/3によって容易に求めることが出
来る。
また前件部にある観測量が入力されたとき、制御規則の
前件部に於ける演算によって求めた有効度α1〜αnとの
代数積で三角形B1〜Bn割引くことによって、第2図に示
す三角形B1′〜Bn′を得ることが出来る。
ここで、三角形Biと三角形Bi′とを比較すると、底辺Wi
は共通であり、且つ各頂点のY軸上の位置は変化しな
い。従って、三角形Bi′に於ける重心の位置は三角形Bi
の重心位置と同位置である。
即ち、三角形B1〜BnのY軸上の位置と形状は、後件部の
メンバーシップ関数が決定された時点で確定するもので
あり、従って、個々の三角形B1′〜Bn′の重心位置は割
り引く以前の元の三角形B1〜Bnの重心位置G1〜Gnと同位
置である。また三角形B1〜BnのY軸上の位置と形状が確
定したとき、これ等の三角形B1〜Bnに於けるY軸上の重
心位置G1〜Gnは上式に基づいて容易に求めることが出来
る。
上記の如くして求めた三角形B1〜Bnの重心を夫々G1〜Gn
とし、操作出力用のメンバーシップ関数の推論結果、即
ち、三角形B1′〜Bn′個々の三角形についてその面積を
重さとする回転モーメントを計算して合成モーメントY0
を求めると、 Y0={(G1・α1・W1+……+Gi・αi・Wi+…… +Gn・αn・Wn)/2}/{(α1・W1+…… +αi・Wi+……+αn・Wn)/2} となる。
ここで、 M1=G1・W1……,Mi=Gi・Wi,Mn=Gn・Wnとすると、 となり、得られたY0の値が三角形B1′〜Bn′を合成した
重心位置となる。従って、前記Y0の値を操作量として出
力することが出来る。
このように、本発明に係る演算方法によれば、推論結果
として得られたメンバーシップ関数を積分計算する必要
が無く、且つメンバーシップ関数を点列データとして記
憶させる必要もない。このため、ファジイ推論の演算時
間を短縮することが出来る。
尚、上式に於いて、回転モーメントMiと底辺長さWiは、
出力に関する後件部のメンバーシップ関数が決定された
時点で確定するクリスプな値として得られる。
次に上記演算方法をトンネル掘進機の方向修正に適用し
た場合の実施例を説明する。
トンネル掘進機は予め設定された計画ラインに沿ってト
ンネルを掘削するものであって、トンネル掘削作業の進
行に伴って発生する計画ラインと実際の掘進方向の偏位
(ズレ)を測定し、この偏位量に応じて掘進機の方向修
正を行うようにしている。前記方向修正作業は微妙な技
術に属するものであって、オペレータによって個性があ
り、所謂ファジイ的な要素を有している。
第3図は掘進機の計画ラインからの水平方向の偏位に関
する前件部のメンバーシップ関数であり、この偏位は掘
進機の内部に配置したターゲットに形成されたレーザス
ポットの位置とこのターゲット上に設定されたトンネル
の計画ラインに対応する点とのズレ量をmm単位で示した
ものである。
第4図は偏位の各々のファジイ集合に対する水平方向の
方向修正量に関する後件部のメンバーシップ関数であ
り、ターゲット上に上記偏位が計測されたとき、この偏
位に応じて修正すべき掘進機の方向を分単位で示したも
のである。
尚、上記メンバーシップ関数はベテランオペレータに対
するアンケート調査により得られたものである。
また本実施例では、前件部及び後件部に於けるメンバー
シップ関数は零を中心として左右対称になっている。従
って、デファジフィケーション演算を実行する場合に
は、入力された偏位の絶対値に応じた演算を実行し、得
られた値に入力された偏位の正負の反対の符号を与える
ことで操作量として出力することが出来る。
第5図(a)〜(d)は後件部に於ける修正量に関する右向き
に修正する部分について、右向零,右向小,右向中,右
向大のメンバーシップ関数の三角形B1〜B4を別々に取り
出し、個々の三角形B1〜B4のY軸上の重心の位置G1〜G4
と底辺の長さW1〜W4、及び各々の重心位置G1〜G4と底辺
の長さW1〜W4との積としての回転モーメントM1〜M4を求
めたものである。
即ち、右向零のメンバーシップ関数に対応する三角形B1
は、Y軸上に於ける3点の座標が(0,0,10)として
設定されている。従って、底辺の長さW1=10,重心の位
置G1は、 G1=(0+0+10)/3=3.33となり、回転モーメント
M1は、 M1=W1・G1=10×3.33==33.3となる。
また右向小のメンバーシップ関数に対応する三角形B
2は、Y軸上に於ける3点の座標が(0,10,30)とし
て設定されている。従って、底辺の長さW2=30,重心の
位置G2は G2=(0+10+30)/3=13.3 となり、回転モーメントM2=400となる。
同様にして、右向中のメンバーシップ関数に対応する三
角形B3は、底辺の長さW3=40,重心位置G3=25,回転モ
ーメントM3=1000となり、また右向大のメンバーシップ
関数に対応する三角形B4は、底辺の長さW4=70,重心位
置G4=51.6,回転モーメントM4=3616.6となる。
第6図はトンネル掘進機に於ける偏位量の計測部及び偏
位に応じた操作量を演算するための演算装置を示すブロ
ック図である。
図に於いて10は掘進機に於ける計測部を示している。ト
ンネルの計画ライン11に沿って設置されたレーザー発振
器12からレーザービームが発射されている。掘進機の軸
心13と直角方向にターゲット14が設けられ、このターゲ
ット14にレーザースポット15が形成されるように構成さ
れている。このターゲット14はテレビカメラ16によって
撮像され、画像解析器17によって画像解析されてレーザ
ースポット15と掘進機の軸心13との偏位量を計測し得る
ように構成されている。そして偏位量に応じた信号が入
力器18を介して前件部20に入力される。
前件部20は入力された信号に応じて有効度αを演算して
出力するものであって、前件部のメンバーシップ関数を
記憶する記憶部と、入力信号の正負を判断する判別部
と、入力信号の値に対応するメンバーシップ関数から有
効度α1〜αnを演算する演算部とを有している。本実施
例では各メンバーシップ関数が零を中心として左右対象
に設定されることから4つの記憶部を有しており、有効
度としてα1〜α4を出力し得るように構成している。
21は有効度記憶部21であり、前件部から出力された有効
度α1〜α4を記憶する部分である。
30は後件部メンバーシップ関数記憶部であって、第4図
に示すメンバーシップ関数のデータを記憶する部分であ
る。この記憶部30は個々のメンバーシップ関数のデータ
を記憶するn個の記憶部31,32,…,によって構成され
ている。本実施例では後件部のメンバーシップ関数の数
に応じて4つの記憶部31〜34によって構成されている。
そして各記憶部31〜34には、キーボード40によって入力
された第5図に示す後件部のメンバーシップ関数となる
三角形B1〜B4の底辺長さW1〜W4、及び重心位置データG1
〜G4が記憶される。
また後件部に於けるメンバーシップ関数を設定する際
に、三角形B1〜B4が決定されると底辺の長さW1〜W4及び
重心位置G1〜G4は一義的に決定される。従って、予め各
三角形B1〜B4に於ける回転モーメントM1〜M4を計算する
ことが出来る。このため、各記憶部31〜34には三角形の
底辺長さデータ及び回転モーメントデータを記憶させて
も良い。
更に、三角形B1〜B4に於ける底辺長さW1〜W4及び重心位
置G1〜G4は、各三角形B1〜B4の頂点のY軸上の座標によ
って演算することが出来る。従って、各記憶31〜34に各
三角形B1〜B4の頂点位置データを記憶させても良い。然
し、この場合には頂点位置データから底辺長さW1〜W4
び重心位置G1〜G4を演算するための演算部が必要とな
る。
50は分子演算部であって、後件部のメンバーシップ関数
の数に応じた個々の演算部51〜54によって構成され、有
効度記憶部21に記憶された有効度α1〜α4を読み出すと
共に記憶部30に記憶された三角形B1〜B4のデータを読み
出し、各演算部51〜54に於いて夫々対応する三角形B1
B4の底辺長さW1〜W4と重心位置G1〜G4との積である回転
モーメントM1〜M4を演算し、更に、回転モーメントM1
M4と有効度α1〜α4との積を演算してこの値を加算する
ものである。即ち、前述した式の分子を演算するもの
である。
60は分母演算部であって、後件部のメンバーシップ関数
の数に応じた個々の演算部61〜64によって構成され、分
子演算部50と同様にして三角形B1〜B4の底辺長さW1〜W4
と有効度α1〜α4との積を演算してこの値を加算するも
のである。即ち、前述した式の分母を演算するもので
ある。
70は除算演算部であって、分子演算部によって算出され
た値を分母演算部によって算出された値で除算するもの
である。即ち、前述した式の除算を実行して対応する
有効度α1〜α4によって割引きされた後件部のメンバー
シップ関数の合成重心位置を演算するものである。
80は出力部であって、除算演算部70によって算出された
後件部メンバーシップ関数の合成重心位置に応じた操作
量を出力するものであって、本実施例では前記一連の演
算を絶対値によって実行することから、この出力部では
入力された偏位の正負の符号に応じた符号を付した操作
量を掘進機の方向修正駆動部90に伝達している。
上記トンネル掘進機に於ける制御規則は、 IF偏位=左/右零THEN修正=右/左零 IF偏位=左/右小THEN修正=右/左小 IF偏位=左/右中THEN修正=右/左中 IF偏位=左/右大THEN修正=右/左大 として記述されている。
トンネル掘進機に於ける方向修正では、計測部10によっ
て測定された偏位量が所定の周期でサンプルアンドホー
ルドされて前件部20に入力される。そして前件部20に於
いて、入力された偏位量に応じて第3図のメンバーシッ
プ関数に於ける有効度α1〜α4が算出される。そしてこ
の有効度α1〜α4に基づいて、後件部では第4図の出力
に関するメンバーシップ関数の割引きが行われ、割引き
が行われたメンバーシップ関数をデファジフィケーショ
ン演算して、観測された入力値に対応した出力値が算出
されている。
次に上記の如き一連の演算に際し、計測部10に於いて測
定された偏位量を2mm,7mm,12mmとした場合のデファ
ジフィケーション演算について詳説する。
先ず、偏位が左に2mmである場合の修正量、即ち、操作
量の演算について説明する。
この場合、前件部のメンバーシップ関数(第3図)から
有効度αを算出すると、左零に対する有効度α1は0.6で
あり、また左向小のメンバーシップ関数に対する有効度
α2は0.3である。
次に後件部のメンバーシップ関数(第4図)の右向零,
右向小に対応する三角形B1,B2を夫々有効度とα1=0.6
とα2=0.3を用いて割引きすることによって、第7図
(a)に示す三角形B1′,B2′を得る。
また第5図(a)から三角形B1の底辺長さW1=10,重心位
置G1=3.33,回転モーメントM1=33.3であり、且つ同図
(b)から三角形B2の底辺長さW2=30,重心位置G2=13.
3,回転モーメントM2=400である。
従って、分子演算部50では M1・α1+M2・α2 =33.3×0.6+400×0.3の計算を行って =139.98を得る。
また分母演算部60では W1・α1+W2・α2 =10×0.6+30×0.3の計算を行って =15を得る。そして除算演算部70に於いて、分子演算部
50で算出された値を分母演算部60で算出された値で除算
して 139.98÷15=9.583(分)なる値を得ることが出来る。
前記値(9.583)は掘進機の計測部10で測定された偏位2m
mに対応する方向修正量の絶対値を示しており、この絶
対値に偏位方向に応じた正負の符号を付することで操作
量をすることが出来る。
同様にして、計測部10で測定した偏位が7mmである場合
には、前件部演算によって有効度α2=0.75,α3=0.25
が算出され、この有効度α2,α3から後件部のメンバー
シップ関数(第4図)の右向小,右向中に対応する三角
形B2,B3を夫々有効度α1=0.75とα2=0.25を用いて割
引きすることによって、第7図(b)に示す三角形B2′,B
3′を得ることが出来る。
前記三角形B2′,B3′のデータを用いて分子演算部50,
分母演算部60,除算部70で演算することによって、この
場合の操作量として16.923なる値を得ることが出来る。
また同様にして、偏位12mmの場合には第7図(c)に示す
ような右向中,右向大に対応した三角形B2′,B3′をう
ることが出来る。そしてこの場合の操作量として31.321
なる絶対値を得ることが出来る。
第8図は上記の如くして得た偏位1mm〜25mmに対応する
操作量と、従来の方法で演算した操作量との比較を示す
ものである。
図に於いて、Aは本発明に係る演算装置を用いて算出し
た操作量を示し、Bは代数積−加算法を用いて割引き,
積分演算して算出した操作量を示し、Cはmin−max法を
用いて割引き,積分演算して算出した操作量を示してい
る。
同図に明らかなように、本発明に於ける式を用いて演
算して得た値は、第9図(b)に示す代数積−加算法の処
理をした時に得られる波形を従来の積分演算により実行
した結果と同一となる。
<発明の効果> 以上詳細に説明したように、本発明に係るファジイ推論
の演算方法によれば、後件部の出力に関するn個のメン
バーシップ関数を夫々三角形で表すことによって、該メ
ンバーシップ関数の設定と同時にこれ等の三角形に於け
る重心位置,底辺の長さを一義的に設定し、これによ
り、各三角形の回転モーメントを演算すると共に前件部
演算によって得た有効度との積を加算して分子とし、ま
た各三角形の底辺長さと有効度との積を加算して分母と
して、これ等の値を除算することで操作量を演算するこ
とが出来る。
従って、従来技術に於ける後件部のメンバーシップ関数
を有効度に応じて割引きした後、このメンバーシップ関
数を積分演算して合成重心位置を演算する必要が無い。
このため、デファジフィケーション演算に於ける演算時
間を短縮することが出来る。
また本発明に係るファジイ推論演算装置によれば、上記
演算を最適に実行することが出来る。
従って、従来技術の如く複雑なアナログ演算回路を必要
とせず、且つ点列データの記憶手段を必要とすることが
ない。このため装置コストを低減することが出来る等の
特徴を有するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は制御規則の後件部に於けるファジイ集合のメン
バーシップ関数に関する説明図、第2図は第1図のメン
バーシップ関数を前件部演算によって得られた有効度で
割引きした説明図、第3図は掘進機に於ける方向修正を
行う場合の前件部のメンバーシップ関数の説明図、第4
図は第3図に対応する後件部のメンバーシップ関数の説
明図、第5図(a)〜(d)は後件部に於ける三角形の重心位
置の説明図、第6図はブロック図、第7図(a)〜(c)は後
件部に於けるメンバーシップ関数の三角形を有効度で割
引きしたときの説明図、第8図は本発明に係る演算方法
によって得られた操作量と従来の演算方法によって得ら
れた操作量とを比較する説明図、第9図(a)〜(d)は割引
き方法の説明図である。 B1〜Bi〜Bnは後件部に於けるメンバーシップ関数の三角
形、W1〜Wi〜Wnは各三角形の底辺長さ、G1〜Gi〜Gnは各
三角形の重心位置、M1〜Mi〜Mnは各三角形の回転モーメ
ント、α1〜αi〜αnは有効度、10は計測部、20は前件
部、30は後件部メンバーシップ関数記憶部、40はキーボ
ード、50は分子演算部、60は分母演算部、70は除算演算
部、80は出力部、90は駆動部である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】制御規則の前件部演算を行って得た有効度
    に基づいて後件部演算を行うファジイ推論演算方法に於
    いて、 後件部に於けるn個のファジイ集合のメンバーシップ関
    数を三角形(B1〜Bn)で表し、 個々の三角形(B1〜Bn)の重心の横軸上の値(G1〜Gn
    と底辺の長さ(W1〜Wn)の積によって回転モーメント
    (M1〜Mn)を算出し、 前記前件部の演算によって得られた後件部に於ける個々
    のメンバーシップ関数に対応する有効度(α1〜αn)と
    回転モーメント(M1〜Mn)との積(α1・M1〜αn・Mn
    を算出すると共に算出された値を加算し、 更に前記有効度(α1〜αn)と底辺の長さ(W1〜Wn)と
    の積(α1・W1〜αn・Wn)を算出すると共に算出された
    値を加算し、 前記有効度と回転モーメントとの積を加算した値を前記
    有効度と底辺の長さとの積を加算した値で除した値を操
    作量とすることを特徴としたファジイ推論演算方法。
  2. 【請求項2】後件部に於けるファジイ集合のメンバーシ
    ップ関数をn個の三角形(B1〜Bn)で表すと共に、三角
    形(Bi)の回転モーメントを算出するに際し、該三角形
    (Bi)の各頂点(Bia,Bib,Bic)の座標をBia(a,
    0),Bib(b,1),Bic(c,0),(a<b<c)
    とし、三角形(Bi)の重心の横軸上の値(Gi)を Gi=(a+b+c)/3 底辺Wiの長さを Wi=c−a として算出することを特徴とした請求項(1)記載のファ
    ジイ推論演算方法。
  3. 【請求項3】制御規則の前件部演算を行って得た有効度
    に基づいて後件部演算を行うファジイ推論演算装置に於
    いて、 後件部のメンバーシップ関数となるn個の三角形の底辺
    長さデータ及び重心位置データ又はn個の三角形の底辺
    長さデータ及び回転モーメントデータ、或いはn個の三
    角形の頂点位置データを記憶するための後件部メンバー
    シップ関数記憶部と、 前件部演算を行って得たn個の有効度を記憶するための
    有効度記憶部と、 前記有効度記憶部に記憶された有効度とこの有効度と対
    応する前記後件部メンバーシップ関数記憶部に記憶され
    たデータとによって有効度と回転モーメントとの積を算
    出すると共に算出された値を加算するための分子演算部
    と、 前記有効度記憶部に記憶された有効度とこの有効度と対
    応する前記後件部メンバーシップ関数記憶部に記憶され
    たデータとによって有効度と三角形の底辺の長さとの積
    を算出すると共に算出された値を加算するための分母演
    算部と、 前記分子演算部によって算出された値を前記分母演算部
    によって算出された値で除算するための除算演算部と、 前記除算演算部によって算出された値を操作量として出
    力するための出力部と、 を有して構成したことを特徴としたファジイ推論演算装
    置。
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