JPH0656802A - テトラアザシクロドデカン誘導体およびその用途 - Google Patents

テトラアザシクロドデカン誘導体およびその用途

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JPH0656802A
JPH0656802A JP5067948A JP6794893A JPH0656802A JP H0656802 A JPH0656802 A JP H0656802A JP 5067948 A JP5067948 A JP 5067948A JP 6794893 A JP6794893 A JP 6794893A JP H0656802 A JPH0656802 A JP H0656802A
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JP5067948A
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Miki Kubomura
幹 久保村
Shigemi Seri
重実 世利
Kumiko Iwai
久美子 岩井
Makoto Azuma
眞 東
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NIPPON MEJIFUIJITSUKUSU KK
Nihon Medi Physics Co Ltd
Original Assignee
NIPPON MEJIFUIJITSUKUSU KK
Nihon Medi Physics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 医学的画像診断や治療に有用な金属複合体を
形成し得る二官能性錯化剤を提供する。 【構成】 で表わされる二官能性テトラアザシクロドデカン誘導
体、二官能性テトラアザシクロドデカン誘導体−機能性
物質と金属イオンを錯化させてなる金属錯体複合体、お
よび当該金属錯体複合体を含有する核磁気共鳴、X線ま
たは放射線診断用薬剤および放射線治療用薬剤。(nは
1〜6の整数;R,RはH、アルキル基;AはH、
ハロアセチル基等)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、種々の金属イオンに対
して強固な錯体形成能を有し、かつ、医学的画像診断お
よび治療など、生体内への適用に対して金属担体として
有用なテトラアザシクロドデカン誘導体、より詳しくは
1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−4,7,1
0−トリ酢酸(DO3Aと略す。)骨格を有する新規の二
官能性錯化剤およびその用途に関するものである。
【0002】
【従来の技術】医学的画像診断および治療の分野におい
て、種々の金属イオンを生体内に安全に導入することの
有効性が徐々に確立されつつある。更に近年、生体内反
応、例えば、代謝、酵素反応、受容体結合、抗原抗体反
応など、あるいは特徴的な生体内挙動性など生理学的な
生体情報を得るべく、タンパク質、ペプチド、抗体、糖
質、脂質などの生物学的物質または生物学的系と相互作
用を示す物質(これらを機能性物質と総称する。)と、こ
れらの金属イオンと組み合わせる試みが急速に進展して
いる。そこで、このような金属イオンと機能性物質とを
結合させる技術的手段のひとつとして、二官能性錯化剤
をその接合因子として応用することが従来より期待され
ている。
【0003】二官能性錯化剤に要求される医学上望まし
い性質は、診断または治療目的に応じて異なる。しか
し、全ての使用に共通して要求される望ましい性質は、
錯化剤に錯化した金属イオンの高い錯体安定性と、錯化
剤と機能性物質との結合後の機能性物質の活性保持であ
る。高い錯体安定性は錯化剤からの金属イオンの遊離を
抑制し、金属毒性による副作用の誘発を最小限にくい止
める(体内滞在性の長い化合物では特に問題となる。)。
機能性物質の良好な活性保持は、金属−二官能性錯化剤
−機能性物質から成る金属錯体複合体化合物の体内挙動
性を目的に応じてコントロールし得る。また、核磁気共
鳴診断あるいはX線診断の造影剤として金属錯体を使用
する場合には、二官能性錯化剤に望まれる性質は更に厳
しくなる。人に対する投与量が増加することに起因し
て、高い水溶性、錯体として人の体液に近い浸透圧性お
よび合成の容易さが要求される。高い水溶性は高濃度の
溶液製剤(例えば、核磁気共鳴診断用造影剤では約0.
5Mである。)の調製を可能とし、低浸透圧性は生体内
投与の際に循環系の容量あるいは体液平衡に対する負荷
を軽減させる。また、合成の容易さは合成全体を極めて
効率良くし、製造コストの低減につながる。かくしてこ
れらの要求に鑑み、二官能性錯化剤が新規に開発され、
様々な工夫が成されてきた。
【0004】古典的で代表的な二官能性錯化剤として
は、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPAと略す。)型
[特表平2−501385号/Brechbiel MWら、In
org.Chem.、25、2772頁(1986年)/Esteb
an JMら、J.Nucl.Med.、28、861頁(19
87年)/Westerberg DAら、J.Med.Chem.、
32、236頁(1989年)]あるいはエチレンジアミ
ン四酢酸(EDTAと略す。)型[Goodwin DAら、
J.Med.Chem.、17、1304頁(1974年)/
Yeh SMら、Anal.Biochem.、100、152頁
(1979年)]などの、いわゆる鎖式二官能性錯化剤が
まず開発された。しかし、このような鎖式二官能性錯化
剤による金属錯体複合体化合物は、生体内において血清
中の酸触媒型脱錯化もしくはCa2+やZn2+と結合する競
合的錯化の結果として、またはトランスフェリンとの競
合[Moerlein SMら、Int.J.Nucl.Med.Bio
l.、8、277頁(1981年)]の結果として錯体が不
安定になる傾向がある。錯体安定性の低下は金属錯体複
合体化合物から金属イオンの遊離を助長するため、遊離
金属イオンの毒性による副作用発現の一因となり、ま
た、画像診断的には遊離金属イオンの無秩序な挙動性の
ためにシグナル/ノイズ比が顕著に低下し正確な情報が
得られないことになる。更に、これらの錯化剤は3価を
とることが多い金属イオン(医学的画像診断および治療
上有用とされる金属イオンは3価をとるものが多い。)
を錯化させたとき、錯体単位当たりとしては−2または
−1価の負電荷を有することになり、浸透圧上昇などの
生体に対する有害作用因子を含むことになる。また、必
ずしも合成が容易であるとは限らない[Westerberg D
Aら、J.Med.Chem.、32、236頁(1989
年)]。
【0005】そこで最近、鎖式二官能性錯化剤に続く次
世代化合物として、環式錯化剤である二官能性1,4,
7,10−テトラアザシクロドデカン−アミノポリ酢酸
が注目されている。これらの錯化剤は、錯体安定性の向
上に特に主眼を置いて開発されたものであり、従来の鎖
式二官能性錯化剤よりも金属イオンと動態的に不活性な
錯体形成が可能であるとされている。例えば、核磁気共
鳴診断用の金属イオンとして脚光を浴びているGdイオ
ン(III)と1,4,7,10−テトラアザシクロドデカ
ン−1,4,7,10−テトラ酢酸(DOTAと略す。)と
によって形成される錯体は、Gd−DTPAあるいはGd
−EDTAに比較して極めて高い錯体安定性を有するこ
とから[Moi MKら、Cancer.Res.(Suppl.)、5
0、789s頁(1990年)]、生体に対する認容性の向
上は明らかである。従って、1,4,7,10−テトラア
ザシクロドデカン−アミノポリ酢酸を金属錯化部位とす
る二官能性錯化剤の使用は有望である。
【0006】医学上有用性が見い出されている1,4,
7,10−テトラアザシクロドデカン−アミノポリ酢酸
型の二官能性錯化剤は、一般的に3つのグループに大別
される。第一のグループはテトラアザシクロドデカン環
中の炭素原子に機能性物質との結合にあずかる反応性側
鎖が結合した1,4,7,10−テトラ酢酸誘導体[特表平
2−501141号/Moi MKら、J.Am.Chem.
Soc.110、6266頁(1988年)/Deshpande
SVら、J.Nucl.Med.、31、473頁(1990
年)]、第二のグループはテトラアザシクロドデカン環中
の1位窒素原子の環外α炭素にカルボキシル基および機
能性物質との結合にあずかる反応性側鎖が結合した1,
4,7,10−テトラ酢酸誘導体[EP−A035345
0号]である。これらは上記のDOTA誘導体であるた
め、Gdイオンなどと強固な錯体安定性を有することが
期待されるものの、錯体単位当たりとしては負電荷を帯
びることになり、浸透圧の上昇、あるいは高濃度溶液調
製の際の不必要なカウンターイオンの添加を余儀なくさ
れる。また、第一のグループは合成が一般的に厄介であ
り、分子間あるいは分子内環化反応過程を含むことが合
成全体を非効率化している。続く第三のグループはDO
3A型の二官能性錯化剤で、テトラアザシクロドデカン
環中の1位窒素原子に反応性側鎖が置換された4,7,1
0−トリ酢酸誘導体である。これらは一般的に合成が容
易であり、しかも無電荷の錯体を形成する利点を有す
る。しかし、DOTA型の二官能性錯化剤に比較して錯
体安定性は低下し、上記の鎖式二官能性錯化剤であるD
TPA誘導体とほぼ同等となる。本系統の化合物群は特
開昭63−41468号あるいは特開昭64−5276
4号などに記載されているが、1,4,7,10−テトラ
酢酸型からカルボキシル基が1個欠如したことによる錯
体安定性の低下については特別な配慮がなされておら
ず、また機能性物質との結合にあずかる反応性官能基末
端も良好に活性であるとは言えない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、DO3A型
の二官能性錯化剤に認められる上記の問題を克服し、形
成される金属錯体の安定性が高く、無電荷で良好な可溶
性を有し、生理学的に許容でき、しかも機能性物質と容
易に結合する活性な反応性官能基末端を有する、環式二
官能性錯化剤を提供することを目的とする。また、当該
二官能性錯化剤が機能性物質に結合した複合体化合物お
よびその金属錯体をも提供することを目的とし、当該金
属錯体複合体化合物は核磁気共鳴、X線または放射線診
断用薬剤および放射線治療用薬剤として使用され得る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明において、二官能
性錯化剤は、その構造の一部分としてDO3Aの1位窒
素原子に結合する反応性官能基側鎖を有し、この構造が
二官能性錯化剤から金属イオンを遊離するのに必要とさ
れる錯体構造の配座開裂を立体的に妨害するのに有利に
作用する。しかし、種々の反応性官能基側鎖の任意のも
のを使用することは必ずしもこの目的に合致しない。本
発明者らは、二官能性錯化剤から金属イオンの遊離を最
小限に抑制するという目的を達成するために種々研究を
重ねた結果、1位窒素原子のβ位に位置する反応性官能
基側鎖中にカルボニル基が結合したアミド結合部分を存
在させることが有利に作用し得る事実を見い出した。ま
た反応性官能基側鎖は、その末端部位に機能性物質と容
易に直接反応して共有結合を形成する十分に活性な反応
性を持つ官能基を有する。かかる反応性官能基には機能
性物質のチオール基、アミノ基、カルボキシル基、水酸
基、アルデヒド基、芳香族基(フェニル基など。)または
複素環基(イミダゾリル基など。)などと容易に反応し得
る、つまりは機能性物質との反応において特別な反応剤
を必要としない程の活性な基が使用される。ただし、本
発明の二官能性錯化剤の溶解性、体内における血中蛋白
質との結合性および尿中排泄性を考慮する上で、反応性
官能基側鎖構造中には直鎖あるいは分岐鎖アリール基が
存在してはならない。また、医学的画像診断および治療
上有用とされる金属イオンには3価のものが多く(例え
ば、Gd、Dy、Ho、Bi、Os、In、Ga、Tc、Y、S
mなどが具体的に挙げられる。)、かかる金属イオンと本
発明の二官能性錯化剤とは無電荷の錯体を形成する。こ
れは、低浸透圧に基づく大きな生理学的認容性の高濃度
溶液の調製を可能ならしめる。本発明はこれらの知見に
基づいて完成されたものである。
【0009】本発明の要旨は、式1:
【化3】
【0010】[式中、nは1〜6の整数を表わし、R1
よびR2は同一または異なっており、水素原子またはC1
〜C4アルキル基を表わし、Aは水素原子または末端位
に反応基を有する、カルボニル基により介在されていて
もよい飽和または不飽和の直鎖または分岐鎖のC1〜C4
アルキレン基からなる反応性官能基を表わす。]で表わ
された、金属イオンおよび機能性物質とを安定に結合さ
せることができることを特徴とする生理学的に認容性の
二官能性錯化剤にある。
【0011】式1の化合物において、R1およびR2は同
一または異なっており、水素原子またはC1〜C4のアル
キル基を表わし、R1がメチル基、R2基が水素原子、あ
るいはR1およびR2がメチル基であることが好ましい。
nは架橋鎖の長さを意味し、結合させる機能性物質およ
び金属錯体複合体化合物の有用性に実質的な影響を及ぼ
さない数が任意に選択される。しかし、水溶性としての
性質を維持するためにはその数が多くなることは好まし
くない。1〜6が適当である。中でも1〜3が最適であ
る。Aで示される基は、機能性物質のチオール基、アミ
ノ基、カルボキシル基、カルボニル基、水酸基、アルデ
ヒド基、芳香族基(フェニル基など。)または複素環基
(イミダゾリル基など。)と容易に反応し得る基が用いら
れる。例えば、水素原子(反応性側鎖末端がアミノ基に
なることを意味する。)、あるいは反応性末端基、例え
ば、塩素、臭素もしくはヨウ素原子などのハロゲン原
子、またはチオール基、ヒドラジン基(−NHNH2)お
よびその誘導体[例えば、−NH(CH3)NH2、−NH
CONHNH2もしくは−NHCSNHNH2など。]か
ら選ばれる基、−NCO、−COR3[R3はアジド(N3)
基、メトキシ基などのC1〜C4で構成されるアルコキシ
基、イミジルオキシ基(例えば、スクシンイミジルオキ
シ基など。)またはイミダゾイルオキシ基である。]、−
COX(Xは塩素もしくは臭素などのハロゲン原子。)、
N−ヒドロキシスクシンイミドエステル基などから任意
に選択される反応性末端基を有する反応性官能基であ
る。Aの反応性官能基はこれらの反応性末端基およびそ
れに連結する、カルボニル基で介在されていてもよいC
1〜C4アルキレン基より構成されるが(例、−COCH
2−、−COCH2CH2CH2−、−CH2COCH2CH
2−、−CH2CH2CH2−、−CH2CH2−など)、こ
の鎖状部分の構造中には直鎖あるいは分岐鎖アリール基
およびその誘導体が存在してはならない。これにより、
本発明の金属錯体複合体化合物は体内で分解、代謝を受
けた場合にも、金属錯体の尿中への急排泄を可能ならし
める。カルボニル基の置換もしくは介在位置は特に限定
するものではない。かくして、Aで示される反応性官能
基の例としては、−COCH2Cl、−COCH2CH2
2Cl、−CH2COCH2CH2Cl、−CH2CH2CH
2Cl、−CH2CH2COCl、−CH2CH2SHなどが
挙げられる。
【0012】また、式1で表わされる化合物の塩には、
無機あるいは有機の生理学的に危険のないカチオンをカ
ルボン酸のカウンターイオンとして含有する中性の塩が
包含される。カウンターイオンの代表例としては、無機
カチオンではナトリウム、カリウム、リチウムなど、ま
た有機カチオンではメグルミン、ジメグルミン、エタノ
ールアミン、ジエタノールアミン、モルホリン、リジ
ン、アルギニン、オルニチンなどに由来するものが挙げ
られる。
【0013】更に本発明の別の態様は、式2:
【化4】
【0014】[式中、nは1〜6の整数を表わし、R1
よびR2は同一または異なっており、水素原子またはC1
〜C4アルキル基を表わし、A'は末端位に反応基を有す
る、カルボニル基により介在されていてもよい飽和また
は不飽和の直鎖または分岐鎖のC1〜C4アルキレン基か
らなる反応性官能基残基を表わし、Zは機能性物質から
選択される化合物を表わす。]で示される生理学的に認
容性の複合体化合物およびその塩である。R1、R2
A'、nは式1で示される化合物のR1、R2、Aおよびn
と同様である。
【0015】本発明の複合体化合物の合成に用いられる
機能性物質の選択は絶対的なものではない。医学的画像
診断および治療上の目的に応じて、任意の望ましい機能
性物質を複合体化合物の合成のために用いることができ
る。なお、機能性物質とは上記のように、生物学的物質
または生物学的系と相互作用を示す物質を指す。そのよ
うな好適な物質は、例えば、アミノ酸、ペプチド、糖、
脂肪酸、ステロイド、ポルフィリン、あるいは臓器特異
性官能基などの低分子、またはタンパク質、抗体、抗体
フラグメント、酵素、多糖類、合成ポリマーなどの高分
子であって良い。なお、反応性官能基末端であるA'と
機能性物質であるZとの結合は共有結合により行われ
る。なおまた、本発明の複合体化合物およびその金属錯
体は、1分子の機能性物質のいずれかに結合した1分子
以上の式1の化合物あるいはその金属錯体を含んでいて
もよいものと理解される。
【0016】本発明の式2で示される化合物と錯体を形
成する金属イオンは、原子番号31、39、43、4
4、49、57〜71、76、77、79、81または
83の金属群の中から、画像診断あるいは放射線治療の
用途に従って選択される。通常、金属のイオン価は+3
のものが好適である。本発明の金属錯体複合体化合物が
核磁気共鳴診断に使用される場合には、金属イオンは常
磁性でなければならず、原子番号57〜70のランタノ
イド系元素のイオンからなる群から選択され、好ましく
はGd、Dy、Hoである。X線診断に使用される場合に
は、金属イオンは原子番号57〜70のランタノイド系
元素のイオンや76および83の元素のイオンからなる
群から選択され、BiまたはOsが好適である。また、放
射性診断に使用される場合には、金属イオンは放射性で
なければならず、In、Ga、Tc、Y、Gd、Smの放射
性金属イオンが適当である。なおまた、放射線治療用薬
剤として使用される場合には、Y、SmおよびBiの放射
性金属イオンが選択される。
【0017】本発明の1−置換−1,4,7,10−テト
ラアザシクロドデカン−4,7,10−トリ酢酸型の二官
能性錯化剤の製造は、自身も二官能性錯化剤として有用
な式3:
【0018】
【化5】
【0019】[式中、nは1〜6の整数を表わし、R1
よびR2は同一または異なっており、水素原子またはC1
〜C4アルキル基を表わす。]で示される化合物(Aが水
素原子の式1で表わされる化合物である。)を合成中間
体として得ることが望ましい。式3で示される化合物を
中間体原料とすることにより、機能性物質との結合様式
を広く選択できる種々の反応基を有した二官能性錯化剤
が容易に合成し得る。式3で示される化合物を製造する
ための最良の方法は、概して以下のようになる。すなわ
ち、式3構造中の反応性官能基側鎖部分を当該分野で公
知の1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン(DOT
と略す。)、式4:
【0020】
【化6】
【0021】と反応させて所望の1−置換−DOTを
得、更に残る3つの環中窒素原子にカルボン酸部分を導
入して式3で示される二官能性錯化剤、かつ合成中間体
が得られることになる。
【0022】DOTは一般に塩の形で市販されている
が、反応を容易に進行させるため脱塩操作を行うことが
望ましい。通常、脱塩操作はイオン交換樹脂を用いて行
われる。式3中の反応性官能基側鎖部分は、式5:
【0023】
【化7】
【0024】[式中、R2は水素原子またはC1〜C4アル
キル基を表わし、Xはハロゲン原子を表わし、Yはハロ
ゲン原子、水酸基またはC1〜C4アルコキシ基を表わ
す。]で示される反応性カルボン酸誘導体を、式6:
【0025】
【化8】
【0026】[式中、nは1〜6の整数を表わす。]で示
されるジアミン化合物に、トリエチルアミンなどの塩基
の存在下で反応させることにより製することができる。
本反応は、自体公知の方法によって行えば良い。例え
ば、Yがハロゲン原子[FouriePJら、Eur.J.Nuc
l.Med.、4、445頁(1979年)]あるいはアルコ
キシ基[Washburn LCら、Nucl.Med.Biol.、1
8、313頁(1991年)]である式5の反応性カルボ
ン酸誘導体と式6のジアミン化合物との反応は記載され
た公知文献を準用して行うことができる。また、式6の
ジアミン化合物の一方のアミノ基は、ペプチド合成で常
用されるアミノ保護基で保護されて良い。なお、アミノ
保護基は最終的に酸触媒による脱保護に付することによ
り式3の化合物へ容易に変換することができる。このよ
うにして得られた反応性官能基側鎖部分のDOT環中の
窒素原子への導入は、当該分野で公知の先行技術に記載
されている。続いて、DOT環中の残る3つの窒素原子
へのカルボン酸部分の結合は、式7:
【0027】
【化9】
【0028】[式中、R1は水素原子またはC1〜C4アル
キル基を表わし、X'はハロゲン原子を表わし、Y'は水
酸基またはC1〜C4アルコキシ基を表わす。]で示され
るハロカルボン酸誘導体を用いてアルキル化することに
より行われる。Y'が水酸基であるハロカルボン酸誘導
体を用いる場合は、pH約9〜10の水中で行うことが
好ましい。水酸化アルカリ金属などの無機塩基を用いて
反応pHを調整および維持し、約50〜80℃に加温す
る。また、Y'がC1〜C4アルコキシ基であるハロカル
ボン酸誘導体を用いる場合は、塩基、例えば炭酸カリウ
ムもしくは炭酸ナトリウムのような無機塩基の存在下
で、アセトニトリル、テトラヒドロフランもしくはジメ
チルホルムアミドなどの有機溶媒中で高温、例えば還流
温度で行う[EP−A0353450号]ことが好まし
い。ただし、この場合には、さらにケン化を必要とす
る。なお、DOT環中の窒素原子へのカルボン酸部分の
導入は、反応性官能基側鎖部分の導入に先んじて行って
もよい。この場合には、反応性官能基側鎖部分が導入さ
れるべきDOT環中のひとつの窒素原子をベンジル基な
どを用いて保護する[特開昭63−41468号]ことが
適当である。
【0029】例えば、式1中、R1=CH3、R2=H、n
=2、A=Hで表わされる本発明の化合物は以下のよう
に製する。まず、エチレンジアミンの一方のアミノ基を
自体公知の方法によりt−ブチルオキシカルボナートを
用いて保護した後、エーテル中、氷冷下にてクロロアセ
チルクロライドを反応させ(t−ブチルオキシカルボニ
ル)−アミノエチルカルバモイルメチルクロライドを得
る。続いて、脱塩処理したDOTに(t−ブチルオキシカ
ルボニル)−アミノエチルカルバモイルメチルクロライ
ドをアセトニトリル中、還流下にて反応させて反応性官
能基側鎖を導入する。最後に、アセトニトリル中、炭酸
カリウムの存在下で2−ブロモプロピオン酸エチルを反
応させてトリエステル体を得た後、酸溶媒を用いてアミ
ノ保護基であるt−ブチルオキシカルボニル基の脱保護
およびエステル基の加水分解を行うことにより所望の二
官能性錯化剤が得られる。また、R1が水素原子、ある
いはメチル基を除く低級アルキル基である化合物は、前
記の2−ブロモプロピオン酸エチルのかわりに、モノブ
ロモ酢酸、2−ブロモブタン酸、および2−ブロモ吉草
酸あるいは、それらのエステル誘導体を用いる(エステ
ル誘導体の場合にはケン化を要する)ことにより、所望
の化合物を製することができる。同様にして、クロロア
セチルクロライドの代わりに2−クロロプロピオニルク
ロライド、2−ブロモブチリルブロマイド、エチル−2
−ブロモ吉草酸エステル、およびブロモヘキサノイルブ
ロマイド等を用いることにより、R2がC1〜C4アルキ
ル基を有する化合物を得ることができる。これらの化合
物はそれ自身、二官能性錯化剤として有用であるが、前
述の如く種々の反応性末端を有する二官能性錯化剤のた
めの中間体化合物としても有望となる。一例としては、
本化合物の反応性官能基末端位のアミノ基に無水ジメチ
ルホルムアミド中、室温下でクロロアセチルクロライド
を反応させることにより、R1=CH3、R2=H、n=
2、A=COCH2Clで表わされる化合物を得ることが
できる。同様の手法を準用することにより、末端位にハ
ロゲン原子、チオール基、ヒドラジン基およびその誘導
体、−NCO、−COOR3(R3は低級アルキルを表わ
す。)、アルデヒド基、−COX(Xは塩素もしくは臭素
などのハロゲン原子を表わす。)またはN−ヒドロキシ
スクシンイミドエステル基を有する反応性官能基Aが置
換された化合物を得ることができる。
【0030】式1で示される二官能性錯化剤の所望の機
能性物質への結合は、自体公知の方法により、機能性物
質の求核基、例えば、チオール基、アミノ基、カルボキ
シル基、カルボニル基、水酸基、アルデヒド基、芳香族
基(フェニル基など。)または複素環基(イミダゾリル基
など。)などと式1で示される二官能性錯化剤の末端位
反応基との反応により行う。例えば、式1で示される二
官能性錯化剤と抗体との反応は、例えばリン酸緩衝液な
どの水溶液性溶媒中で、冷却〜僅かな加温、例えば室温
で数分〜数時間、例えば30〜60分撹拌することによ
り行うことができる。なお、必要ならば、結合反応の前
に、機能性物質は式1で示される二官能性錯化剤との反
応のために適当な反応基を生じるように処理することも
できる。例えば糖質の場合、ブロムシアンで活性化した
後、引き続きアミノ基を末端位反応基として有する式1
で示される二官能性錯化剤を反応させることにより所望
の複合体化合物を得ることができる。
【0031】式1または式2で示される化合物の塩は、
従来の手段、例えば適切な水溶液溶媒中で適切な塩基ま
たは酸との反応によって調製することができる。
【0032】任意所定の金属イオンに対する適当な金属
塩の選択は、当業者が選択し得る範囲のものである。使
用する金属イオンは、金属自体またはその無機化合物
(例えば、塩化物、酸化物などである。)であってよい。
錯化は、水溶液、好ましくはpH約4〜約9の弱酸〜弱
塩基媒質中で実施され、0ないし100℃の適当な任意
の反応温度が選択される。金属イオンの使用量は、トレ
ーサー量から二官能性錯化剤と等モル以上の分量とする
ことができる。なお、金属を錯化させる段階は、式1で
示される二官能性錯化剤に機能性物質を結合させる前、
または後でもよい。結合させる機能性物質に変性を来さ
ない範囲で選択される。
【0033】上記の生理学的に認容性の金属錯体複合体
化合物は、常法により医薬上許容される任意の添加成分
と混合し、任意の形態の診断用造影剤とすることができ
る。好ましくは生理学的に認容できる水性溶剤に溶解さ
せ、溶液形態の診断用あるいは治療用薬剤とする。
【0034】本発明の金属錯体複合体化合物を核磁気共
鳴診断用薬剤として使用するためには、金属イオン量と
して一般に0.0001〜10ミリモル/kg、好ましく
は0.005〜0.5ミリモル/kgの量で投与する。ま
た、X線診断用薬剤として使用するためには、金属イオ
ン量として0.01〜20ミリモル/kg、好ましくは
0.1〜10ミリモル/kgの量で投与する。更に、放射
線診断用あるいは治療用薬剤として使用するためには、
370〜18500MBqの放射能量を投与する。通常
は静脈内に投与するが、場合により経口的あるいは動脈
内に投与してもよい。
【0035】
【実施例】次に、実施例および試験例を挙げて本発明を
さらに詳しく説明するが、本発明の技術的範囲がこれら
に限定されるものではない。なお、略称は以下の意義を
有する: DO3MA: 1,4,7,10−テトラアザシクロドデカ
ン−1−アミノエチルカルバモイルメチル−4,7,10
−トリス[(R,S)−メチル酢酸] ClDO3MA: 1,4,7,10−テトラアザシクロドデ
カン[(N−クロロアセチル)アミノエチルカルバモイル
メチル]−4,7,10−トリス[(R,S)−メチル酢酸] DNS−DO3MA: 1,4,7,10−テトラアザシク
ロドデカン[(N−ダンシル)アミノエチルカルバモイル
メチル]−4,7,10−トリス[(R,S)−メチル酢酸] DOT: 1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
【0036】実施例1(DO3MAの合成) a)N−(t−ブチルオキシカルボニル)−エチレンジアミ
ンの合成。 エチレンジアミン270ml(4.04mol)をメタノール
500mlに氷水冷下にてゆっくりと滴下した。ここにメ
タノール140mlに溶解せしめたジ−t−ブチル−ジカ
ルボナート100g(0.46mol)を2時間かけて一部ず
つ滴下した後、室温下で一夜撹拌した。不溶物を濾去
し、濾液を濃縮した後、残渣に水を加えて室温下で30
分撹拌し、不溶物を濾去した。濾液を濃縮し、酢酸エチ
ルで2回抽出した。有機層を集めて、乾燥(無水硫酸ナ
トリウムを使用。)、濃縮、減圧蒸留し、油状の目的物
56.5g(収率77%)を得た。
【0037】 b)(t−ブチルオキシカルボニル)−アミノエチルカルバ
モイルメチルクロライドの合成。 N−t−ブチルオキシカルボニル−エチレンジアミン5
6.5g(0.35mol)をエーテル300mlに溶解した。
氷水冷下にて、トリエチルアミン70.8g(0.70mo
l)を加え、引き続いてエーテル300mlに溶解せしめた
クロロアセチルクロライド39.6g(0.35mol)を
3.5時間かけて一部ずつ滴下した後、室温下で2時間
撹拌した。析出した結晶を濾取し、水300mlを加え
て、室温下で混和した。再び結晶を濾取し、塩化メチレ
ン600mlに溶解した後、水を用いて2回洗浄した。有
機層を集めて、乾燥(無水硫酸ナトリウムを使用。)、濃
縮、減圧乾燥し、目的物の結晶50.2g(収率61%)
を得た。
【0038】 c)1−[(t−ブチルオキシカルボニル)−アミノエチルカ
ルバモイルメチル]−1,4,7,10−テトラアザシクロ
ドデカンの合成。 DOT・4塩酸塩23gをイオン交換カラム(強塩基性樹
脂: ダイヤイオンSA20Aを使用。)に通して脱塩処
理を行い、DOT 13g(75.5mmol)を得た。ここ
にアセトニトリル720mlを加えて、還流下にて溶解し
た。アセトニトリル180mlに溶解せしめた(t−ブチル
オキシカルボニル)−アミノエチルカルバモイルメチル
クロライド8.6g(36.3mmol)を3時間かけて一部
ずつ滴下した後、3時間還流し、更に室温下で一夜撹拌
した。析出物を濾去し、濾液を濃縮、減圧乾燥し、油状
物20.6gを得た。これをイオン交換カラム(強塩基性
樹脂: ダイヤイオンSA20A)に通して脱塩処理した
後、溶出液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(溶離液; クロロホルム:メタノール:アン
モニア水=8:4:1)にて精製し、目的物の結晶10.
0g(収率74%)を得た。
【0039】 d)1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1−ア
ミノエチルカルバモイルメチル−4,7,10−トリス
[(R,S)−メチル酢酸]−トリエチルエステルの合成。 1−[(t−ブチルオキシカルボニル)−アミノエチルカル
バモイルメチル]−1,4,7,10−テトラアザシクロド
デカン8.2g(22.0mmol)をアセトニトリル800m
lに溶解し、更に炭酸カリウム32.8g(0.237mo
l)を懸濁させた。次に、2−ブロモプロピオン酸エチル
47.6g(0.263mol)を加えて、7時間還流下で撹
拌した。不溶物を濾去し、濃縮した。残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(溶離液; 塩化メチレン:メタ
ノール=9:1)にて精製し、目的物12.0g(収率81
%)を得た。
【0040】e)DO3MA・塩酸塩の合成。 1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1−アミ
ノエチルカルバモイルメチル−4,7,10−トリス
[(R,S)−メチル酢酸]−トリエチルエステル12.0g
(17.8mmol)にて酢酸100mlを加え、室温で撹拌し
た。ここに濃塩酸50mlを少量ずつ加えた後、室温下で
1時間撹拌した。次に、水100mlを加え、4時間還流
した後、濃縮した。残渣を水100mlに溶解し、活性炭
処理した後、濾過した。濾液を濃縮、減圧乾燥し、微黄
白色結晶の目的物9.4g(収率100%)を得た。
【0041】プロトン−核磁気共鳴スペクトル(溶媒:D
2O、270MHz): 1.2〜1.7ppm(9H,m)、2.
8〜3.7ppm(22H,m)、4.2〜4.6ppm(3H,
m)。
【0042】FAB−マススペクトル(正イオン): m/z
489.5[(M+H)+]、511.5[(M+Na)+]、5
33.5[(M+2Na−H)+]。
【0043】赤外吸収スペクトル(臭化カリウム): 14
00cm-1(CH2)、1480cm-1(CONH)、1620c
m-1(NH2)、1680cm-1(COOH)。
【0044】実施例2(ClDO3MAの合成) DO3MA2.0g(4mmol)を無水ジメチルホルムアミ
ド20mlに溶解させた後、トリエチルアミン1.67ml
(12mmol)を加えた。ここにクロロアセチルクロライド
0.64ml(8mmol)を加え、室温下で24時間反応させ
た。沈澱を濾去し、濾液を留去した。得られた油状物を
水に溶解し、室温下で1時間撹拌した。本溶液を濃縮
し、イオン交換カラム(強塩基性樹脂: AG1−X4、
溶離液:水)に通した。溶出液を濃縮し、再度イオン交換
カラム(強酸性樹脂: AG50W−X8、溶離液:水)に
通した後、溶出液を蒸発乾固し、淡黄色半結晶の目的物
1.24g(収率50%)を得た。
【0045】プロトン−核磁気共鳴スペクトル(溶媒:
2O、270MHz): 1.2〜1.7ppm(9H,m)、
2.8ppm(2H,m)、3.0ppm(2H,s)、3.1〜3.
7ppm(18H,m)、4.2ppm(2H,s)、4.3ppm(3
H,s)。
【0046】FAB−マススペクトル(正イオン): m/z
565[(M+H)+]。
【0047】赤外吸収スペクトル(臭化カリウム): 12
40cm-1(CH2Cl)、1400cm-1(CH2)、1460
および1550cm-1(CONH)、1660cm-1(COO
H)。
【0048】実施例3(DO3MA−Gdの合成) DO3MA 1.49g(2.8mmol)を水15mlに溶解
させ、ここに酸化ガドリニウム506.5mg(1.4mmo
l)を加えた。水酸化ナトリウム溶液を適量加えてpHを
8.0〜9.0とし、60℃で24時間反応させた。生
成した沈澱を濾去した。濾液を濃縮した。残渣を水に溶
解し、イオン交換カラム(強酸性樹脂:AG50W−X
8、溶離液: 1Mアンモニア水)に通した。溶出液を濃
縮し、淡黄色結晶の目的物1.04g(収率57%)を得
た。
【0049】FAB−マススペクトル(正イオン): m/z
644[(M+H)+]。
【0050】赤外吸収スペクトル(臭化カリウム): 13
90cm-1(CH2)、1452cm-1(CONH)、1601c
m-1(NH2、COO-)。
【0051】実施例4(Cl−DO3MA−Gdの合成) DO3MA−Gd 642.9mg(1mmol)を無水ジメチ
ルホルムアミド20mlに懸濁させ、トリエチルアミン
0.14ml(1mmol)を加えた。ここにクロロアセチルク
ロライド0.4ml(5mmol)を滴下し、室温下で24時間
撹拌反応させた。反応溶液を濃縮し、残渣に水を加えて
溶解した後、活性炭を加えて一晩撹拌し、濾過した。濾
液を濃縮し、イオン交換カラム(強塩基性樹脂: AG1
−X4、溶離液:水)に通した。溶出液を濃縮し、白色結
晶の目的物767mg(収率100%)を得た。
【0052】FAB−マススペクトル(正イオン): m/z
720[(M+H)+]。
【0053】赤外吸収スペクトル(臭化カリウム): 13
00cm-1(CH2Cl)、1360cm-1(CH2)、1450
および1490cm-1(CONH)、1600cm-1(CO
-)。
【0054】実施例5(DO3MA−In−111の合
成) DO3MA 20mg(0.038mmol)に水を加えて溶解
した後、0.5N水酸化ナトリウム溶液を適量加えてp
Hを8.5に調整した。本溶液1mlを採り、塩化インジ
ウム溶液(In−111、1280MBq)0.1ml、次い
で1N水酸化ナトリウム溶液0.1mlを加え、10分間
加圧蒸気(1kg/cm2)下で反応させた。得られた反応溶
液を陽イオン交換カートリッジ(セップパック、溶離液:
水)に通して、DO3MA−In−111を得た。
【0055】放射化学的純度(薄層クロマトグラフィ
ー): 96.2%(Rf0.40)。
【0056】実施例6(DO3MA−Biの合成) DO3MA 105mg(0.2mmol)に水を加えて溶解した後、塩
化ビスマス69mg(0.22mmol)を加え、水酸化ナトリ
ウム溶液を適量加えてpHを8.0に調整した。本溶液
を60℃にて24時間撹拌反応させた。不溶物を濾過
し、濾液を濃縮して白色粉末の目的物156mg(収率1
00%)を得た。
【0057】プロトン−核磁気共鳴スペクトル(溶媒:
2O、270MHz): 1.4ppm(6H,m)、1.7ppm
(3H,m)、2.9ppm(2H,m)、3.2ppm(6H,m)、
3.5ppm(8H,m)、3.8ppm(4H,m)、4.1ppm(5
H,m)。
【0058】FAB−マススペクトル(正イオン): m/z
695[(M+H)+]、717[(M+Na−H)+]。
【0059】赤外吸収スペクトル(臭化カリウム): 13
87cm-1(CH2)、1450cm-1(CONH)、1593c
m-1(NH2、COO-)。
【0060】実施例7(DNS−DO3MA−Gdの合
成) DO3MA−Gd 1.323g(2.1mmol)を無水ジメ
チルホルムアミド20mlに懸濁し、ここに無水ジメチル
ホルムアミド5mlに溶解せしめたダンシルクロライド
2.832g(10.5mmol)を滴下した。さらにトリエ
チルアミン0.32ml(2.3mmol)を加え、室温で24
時間撹拌反応させた。反応溶液を濾過し、濾液を濃縮
し、水を加えて酢酸エチルで洗浄した。水層を集めて、
pHを8とした後、活性炭処理し、濃縮した。残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、
溶離液; クロロホルム:メタノール:アンモニア水=2:
2:1)に供して精製を行い、蛍光を有する橙色粉末の結
晶72.5mg(収率4%)を得た。
【0061】赤外吸収スペクトル(臭化カリウム): 79
5cm-1(Ar−H)、1140cm-1および1389cm-1(S
2NH): 1456cm-1(CH2): 1620cm-1(COO
-)。
【0062】FAB−マススペクトル(正イオン): m/z
877[(M+H)+]。
【0063】実施例8(DNS−DO3MA−Gdによる
肝臓MRI) チオペンタール麻酔を施したICR系雌性マウス(30
g。7週令)にDNS−DO3MA−Gd溶液(Gd濃度:
10mmol)を尾静脈内に投与(投与量: 50mmol/kg)し
た。投与直後に本マウスを核磁気共鳴装置の磁場内に伏
臥位固定し、肝臓を含む腹部域の撮像(冠状断像)を行っ
た。また、対照として、本化合物投与前に同一固体の同
一領域の空値撮影を行った。
【0064】装置はCSIオメガ(GE社製)で磁場強度
は2T、またイメージングコイルとして4.5cm径バー
ドケージ型コイルを使用した。撮影条件は、スピンエコ
ー法でスライス厚2mm、積算回数4回、解像度256×
256のT1強調(TR/TE:500/100msec)に
て行った。
【0065】図1は、化合物投与前の肝臓を含む腹部冠
状断層を示す生物の形態写真である。図2は、DNS−
DO3MA−Gd溶液投与約55分後の肝臓を含む腹部
冠状断層を示す生物の形態写真である。ダンシル基は肝
臓指向性を有する機能性官能基であり(特願平3−29
1260号)、血液循環系から肝臓を経て腸管中に排泄
される。本化合物によりマウス肝臓の信号強度は増強さ
れ、機能性物質により本二官能性錯化剤の体内挙動性が
明らかにコントロールされ得ることが判明した。
【0066】試験例1(血清中におけるDO3MA−Gd
の安定性) DO3MA−Gd 24.0mg(37mmol)をH2Oで正確
に10mlとし、3.7mM原液とした。SDラット(♀、
14週令)より採取した血清0.18mlを加えて検体と
した。対照としてH2O 0.02mlにラット血清0.
18mlを加えたものを調製した。
【0067】以上の検体および対照を調製後直ちに37
℃水浴中でインキュベーションした。各々をNMR
(0.5T、FSE−60パルスNMR装置、日本電子
社製)により、調製5分後、1、3、6および24時間
後に37℃における緩和時間(T1)を測定した。
【0068】その結果、検体は5分後が363msec、2
4時間後が343msecと若干低下した。一方、コントロ
ールも5分後が1970msec、24時間後が1870ms
ecと100msecも短縮した。結果を表1に示す。
【0069】
【表1】 DO3MA−Gdの緩和時間(T1; msec) 時間(hr) 検体 対照 0.083 363.1 1970 1 363.2 1930 3 356.4 1920 6 343.2 1860 24 342.6 1870
【0070】そこで検体と対照の比(S/C、%)を各時
間点で算出したところ、5分後が18.4%、24時間
後は18.3%となり、殆ど差が認められなかった。算
出結果を表2に示す。
【0071】
【表2】
【0072】血清中でDO3MA−Gdが不安定で容易
にGdが遊離するのであれば、遊離Gdによる緩和時間の
大幅な短縮が起きる。しかし、24時間経過してもDO
3MA−Gdの緩和時間短縮が認められず、本化合物の
血清中での錯体安定性は高いことが明らかとなった。
【0073】
【発明の効果】本発明は、形成される金属錯体の安定性
が高く、無電荷で良好な可溶性を有し、生理学的に許容
でき、しかも機能性物質と容易に結合する活性な反応性
官能基末端を有する、DO3A型の環式二官能性錯化剤
を提供する。また、当該二官能性錯化剤が機能性物質に
結合した複合体化合物およびその金属錯体をも提供し、
当該金属錯体複合体化合物は核磁気共鳴、放射線または
X線診断剤および放射線治療剤として使用され得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 化合物投与前の肝臓を含む腹部冠状断層を示
す生物の形態写真。
【図2】 DNS−DO3MA−Gd溶液投与約55分
後の肝臓を含む腹部冠状断層を示す生物の形態写真。
フロントページの続き (72)発明者 東 眞 千葉県袖ヶ浦市北袖3番地1 日本メジフ ィジックス株式会社中央研究所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式1: 【化1】 [式中、nは1〜6の整数を表わし、R1およびR2は同一
    または異なっており、水素原子またはC1〜C4アルキル
    基を表わし、Aは水素原子または末端位に反応基を有す
    る、カルボニル基により介在されていてもよい飽和また
    は不飽和の直鎖または分岐鎖のC1〜C4アルキレン基か
    らなる反応性官能基を表わす。]で示される生理学的に
    認容性の化合物、およびその塩。
  2. 【請求項2】 末端位の反応基がハロゲン原子、チオー
    ル基、ヒドラジン基およびその誘導体、−NCO、−C
    OOR3(R3はC1〜C4アルキル)、アルデヒド基、−C
    OX"(X"は塩素もしくは臭素などのハロゲン原子)また
    はN−ヒドロキシスクシンイミドエステル基である請求
    項1に記載の化合物。
  3. 【請求項3】 R1がメチル、R2が水素、nが1〜3で
    ある請求項1に記載の化合物。
  4. 【請求項4】 R1およびR2がメチル、nが1〜3であ
    る請求項1に記載の化合物。
  5. 【請求項5】 Aが水素である請求項1に記載の化合
    物。
  6. 【請求項6】 Aがハロアセチル基である請求項1に記
    載の化合物。
  7. 【請求項7】 式2: 【化2】 [式中、nは1〜6の整数を表わし、R1およびR2は同一
    または異なっており、水素原子またはC1〜C4アルキル
    基を表わし、A'は末端位に反応基を有する、カルボニ
    ル基により介在されていてもよい飽和または不飽和の直
    鎖または分岐鎖のC1〜C4アルキレン基からなる反応性
    官能基残基を表わし、Zは機能性物質から選択される化
    合物を表わす。]で示される生理学的に認容性の複合体
    化合物、およびその塩。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の生理学的に認容性の複
    合体化合物およびその塩と原子番号31、39、43、
    44、49または57〜71、76、77、79、8
    1、83の群から選ばれた少なくとも一種の金属イオン
    が錯化してなる生理学的に認容性の金属錯体複合体化合
    物。
  9. 【請求項9】 金属イオンがGd、Dy、Ho、Bi、O
    s、In、Ga、Tc、Y、Smである請求項8に記載の生
    理学的に認容性の金属錯体複合体化合物。
  10. 【請求項10】 請求項8および9に記載の生理学的に
    認容性の金属錯体複合体化合物を少なくとも一種含有す
    ることを特徴とする核磁気共鳴、X線または放射線診断
    用薬剤および放射線治療用薬剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005504745A (ja) * 2001-07-20 2005-02-17 シエーリング アクチエンゲゼルシヤフト 大環状金属錯体及び生体分子との結合体の製造のためのその使用

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JP2005504745A (ja) * 2001-07-20 2005-02-17 シエーリング アクチエンゲゼルシヤフト 大環状金属錯体及び生体分子との結合体の製造のためのその使用

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