JPH0657243B2 - 医科用または歯科用硬化性組成物 - Google Patents

医科用または歯科用硬化性組成物

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JPH0657243B2
JPH0657243B2 JP61299625A JP29962586A JPH0657243B2 JP H0657243 B2 JPH0657243 B2 JP H0657243B2 JP 61299625 A JP61299625 A JP 61299625A JP 29962586 A JP29962586 A JP 29962586A JP H0657243 B2 JPH0657243 B2 JP H0657243B2
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利夫 足立
康晴 今井
靖人 田中
和男 小山
治 松田
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、医科用または歯科用硬化性組成物に関する。
より詳しくは、病的あるいは外的原因等により生じた骨
や歯牙の欠損部や空隙部に適用し、当該個所に新生骨や
歯牙を発生させ易くし、後には生体の骨組織や歯牙組織
と一体化する、無機質材料と有機質材料との複合体を形
成し得る硬化性組成物に係る。
従来の技術 従来から歯科用セメント組成物として、リン酸亜鉛セメ
ント、酸化亜鉛−ポリカルボキシレートセメント、グラ
スアイオノマーセメント等が開発されており、さらに生
体充填材料としてメタアクリレート系重合体を用いたレ
ジンセメント材料が使用されて来た。しかしながら、こ
れ等のセメント組成物はいずれも化学的に歯や骨の成分
と異なるため、生体適合性の点で充分とは云えなかっ
た。これらの問題点を解決するため、生体との親和性が
比較的良好であるセラミックス系の材料が提案されてい
る。例えばAl23の単結晶もしくは焼結体からなる人
工骨、人工関節や人工歯根、あるいはヒドロキシアパタ
イトの焼結体からなる人工骨、人工歯根等が提案されて
いる。しかしながら、これ等の焼結体はインプラント材
として使用するには適しているが、骨、歯牙欠損部およ
び空隙部への充填材や合着材として使用することは出来
ないという欠点があった。
最近では、骨や歯の主成分と近似した組成を有するα−
リン酸三カルシウム粉末を利用したセメント組成物が提
案されている。例えば、α−リン酸三カルシウム粉末と
水との練和物に、極く少量の無機または有機酸を添加し
て硬化物を得る方法が知られている(例えば、特開昭59
−182263号公報参照)。
しかしながら、前記公知技術においては、硬化物の崩壊
率が異常に高く、かつ硬化物の圧縮強度も50kg/cm2
以下と低く、医科用または歯科用セメントとしての要求
性能を満足しないという問題があった。
一方、本発明等は先に、流動性に優れ、圧縮強度が高
く、X線造影性のある硬化物を得るための医科用または
歯科用硬化性組成物を提案した(特願昭61−66795
号)。
しかしながら、その後検討の結果該組成物は水中溶解性
(崩壊率)の点でやや難点があることがわかった。
発明が解決しようとする問題点 以上述べたように、医科用または歯科用セメント組成物
に対する要件は生体適合性を有し、崩壊率が低く、かつ
必要な圧縮強度を有することである。さらに骨や歯牙の
欠損部へ充填する場合には、X線造影性を有しているこ
とも重要な要件である。
しかしながら、上記の如く、従来提案された組成物は、
生体適合性の点で不十分であったり、生体適合性に優れ
ているものは崩壊率、圧縮強度などにおいて不十分であ
るなど問題となっていた。従って、当分野において人工
骨や人工歯牙材料として使用することのできる、上記各
種特性に優れたセメント組成物の開発が待望されてい
る。
本発明の目的はこのような従来技術の問題点を解決し、
生体適合性に優れ、崩壊率が低く、かつ圧縮強度が高い
とともに、X線造影性のある硬化物が得られる医科用ま
たは歯科用硬化性組成物を提供しようとすることにあ
る。
問題点を解決するための手段 本発明者等は、上記の問題点を解決すべく、種々研究、
検討した結果、α−リン酸三カルシウム粉末と硫酸バリ
ウム粉末との混合粉末に、クエン酸水溶液と、不飽和カ
ルボン酸の単独重合体または共重合体の水溶液との混合
物を練和液として用いることが、上記問題点の解決のた
めに極めて有効であることを見出し、本発明を完成させ
たものである。
即ち、本発明は、 (1) α−リン酸三カルシウム粉末及び硫酸バリウム粉
末からなる粉末成分と、 (2) 濃度30〜55重量%の不飽和カルボン酸の単独
重合体または共重合体水溶液及び濃度30〜55重量%
のクエン酸水溶液からなり、かつ両者の固形分混合比が
1/9〜9/1である混合水溶液と、 からなる医科用または歯科用硬化性組成物に関する。
本発明の組成物において使用するα−リン酸三カルシウ
ムは公知の方法で製造することが出来、たとえば次の方
法がある。
即ち、γ−ピロリン酸カルシウムと炭酸カルシウムとを
等モル量で均一に混合し、十分に乾燥させた後1000
〜1400℃、好ましくは1300℃前後で約1〜2時
間焼成し、得られる生成物を微粉砕して粒径100μm
以下の微粉末とすることによって得ることができる。
また、上記の如くして得たα−リン酸三カルシウム粉末
をラバープレス法等により、加圧圧縮した後、再度焼成
し、同様に微粉末とすることも出来る。上記加圧圧縮処
理において、圧力は300〜1200kg/cm2であるこ
とが好ましい。このように、2度にわたり焼成、微粉化
処理を施すのは、まず第1回目の処理でα−リン酸三カ
ルシウムを形成し、続く第2回目の操作により密度の向
上を図り、それによって圧縮強度を高めることを意図す
るものである。たヾし、第1回目の焼成、微粉化により
得られる生成物でも本発明のセメント組成物の成分とし
て十分に機能することはいうまでもない。
一方、練和液として用いるクエン酸水溶液の濃度は30
〜55重量%の範囲である。即ち、クエン酸水溶液の濃
度が30重量%に満たない場合には、硬化物の圧縮強度
が低くセメント材料としては好ましくない。また、クエ
ン酸水溶液の濃度が55重量%をこえると、クエン酸が
析出するようになるため、好ましくないのである。
もう一方の不飽和カルボン酸の単独重合体または共重合
体は、好ましくはポリアクリル酸、またはアクリル酸と
メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、及びイタコン酸
からなる群から選ばれる少くとも1種の不飽和カルボン
酸との共重合体から成り、公知の任意の方法で製造でき
る。これ等の水溶液の濃度は30〜55重量%の範囲で
ある。水溶液の濃度が30重量%に満たない場合には、
硬化物の圧縮強度が低くセメント材料としては好ましく
なく、また水溶液の濃度が55重量%をこえると溶解し
にくくなる傾向にある好ましくない。
前記のクエン酸水溶液と、不飽和カルボン酸の単独重合
体または共重合体水溶液との固形分混合割合は、重量比
にして1対9から9対1であり、特に3対7から7対3
の範囲が好ましい。この混合割合を変化させると硬化物
の特性が微妙に変化する。すなわち、α−リン酸三カル
シウムをクエン酸水溶液のみで練和した硬化物の圧縮強
度は非常に高くなり好ましいが、崩壊率は悪くなる。ま
たα−リン酸三カルシウムを不飽和カルボン酸の重合体
または共重合体水溶液のみで練和した硬化物の崩壊率は
低く好ましいが、圧縮強度がやゝ低くなる。具体的に
は、濃度46重量%のクエン酸水溶液のみで練和した場
合、粉液比(P/L比)2.5で圧縮強度は1800kg
/cm2となるが、崩壊率は4.8%と高い値を示す。ま
た、濃度45重量%のアクリル酸、イタコン酸の共重合
体水溶液のみで練和した場合、P/L比1.5で崩壊率
は3.0%と比較的低い値を示すが、圧縮強度は800
kg/cm2とやゝ低い値を示す。本発明は、上記したよう
なクエン酸水溶液と、不飽和カルボン酸の単独重合体ま
たは共重合体水溶液とを混合して新しい硬化液を提供す
るもので、両水溶液の欠点を補うものである。
α−リン酸三カルシウム粉末に添加すべき硫酸バリウム
粉末は市販のものが支障なく使用出来、その使用量は、
α−リン酸三カルシウム粉末に対して30重量%以下、
好ましくは5重量%以上、より好ましくは10〜20重
量%の範囲で使用する。前記硫酸バリウム粉末の添加量
が30重量%をこえると、硬化物の圧縮強度が低下する
傾向となりあまり好ましくない。
更に本発明の組成物においてはα−リン酸三カルシウム
粉末と硫酸バリウム粉末との混合物(P)と、不飽和カ
ルボン酸の単独重合体又は共重合体とクエン酸の混合水
溶液(L)の重合混合割合(粉液比)、即ちP/Lが
0.5〜2.5の範囲にあることが好ましい。特に好ま
しくはP/L=1〜2の範囲である。
前記割合においてP/Lが0.5より少ない場合には、
粉末量が少なく、水分量が過剰となるため硬化物の強度
が低くなり、逆にP/Lが2.5より大きくなると水分
が過少となり、練和が著しく困難となるためいずれもあ
まり好ましくない。
本発明の硬化性組成物の練和操作法は特に限定されず、
従来から歯科用セメントの分野で使用されている方法の
いずれでも良く、例えばJIS−6602に規定される
ものを使用できる。
作 用 既に繰返し述べたように医科用、歯科用セメント組成物
によって重要なことは生体適合性であり、この点につい
て本発明の組成物では化学的に骨、歯の成分に近いα−
リン酸三カルシウムを使用しているので、この点の問題
は解決される。
ちなみに、ドリスケル(Driskell)はCa(PO3)2とCa2(PO
4)2(β−TCP)の多孔質セラミックが埋入後速やかに
吸収されて骨置換することを報告しており、またマッコ
イ(McCoy)等はβ−TCP含有多孔質セラミックが、
ウサギの頭蓋冠に埋入したところ6カ月で自家骨に置換
されたことを報告している。夫々「ファインセラミック
スハンドブロック」第425頁(浜野編、1984年2
月10日朝倉書店刊)を参照されたい。
また、硬化時間の短縮および圧縮強度の改善も重要であ
り、これは不飽和カルボン酸の単独重合体又は共重合体
と、クエン酸との混合水溶液を練和液として選択し、上
記のα−リン酸三カルシウムと組合せて使用したことに
より解決される。
さらに練和作業性やX線造影性の改善も重要であり、こ
れはα−リン酸三カルシウムに硫酸バリウム粉末を添加
することで改善することが出来る。このように本発明に
おける組合せにより極めてすぐれた医科用または歯科用
組成物が得られ、その硬化時間、作業性、圧縮強度等の
各物性は従来のこの種の製品と比較して著しく改善され
た。
従って、本発明の硬化性組成物は病的あるいは外的原因
等により生じた骨や歯牙の欠損部並びに空隙部に適用す
るのに有利であり、また適用後には生体の骨組成や歯牙
組成と一体化することが期待できる複合材料であるとい
える。
実施例 以下に本発明の硬化性組成物を実施例によって更に詳し
く説明すると共に、該組成物の有する効果を実証する
が、本発明の範囲はこれによって何等制限されるもので
はない。
実施例1〜2 公知の方法によりγ−ピロリン酸カルシウムと炭酸カル
シウムを焼成してα−リン酸三カルシウムを合成し、粉
砕して300メッシュの篩を通過させて、所定の粒度の
α−リン酸カルシウム粉末を得た。
こうして得られたα−リン酸三カルシウム粉末に、以下
の第1表記載の割合で硫酸バリウム粉末を混合し、JI
S−T−6602の方法に準拠して以下の練和液と練和
した。
(練和液) アクリル酸−イタコン酸共重合体(イタコン酸含有量3
0重量%)26重量部と、クエン酸23重量部及び水5
1重量部よりなる混合水溶液を練和液とした。
かくして得た練和物の流動性、24時間後の圧縮強度、
X線造影性及び崩壊率を測定した結果を第1表に示し
た。尚、X線造影性および流動性は夫々以下のようにし
て決定した。
(i)X線造影性:2.5mm厚の硬化物に、80KV20
0mAのX線を0.02秒間照射し、X線フィルムを感光
させて比較した。
(ii)流 動 性:練和したセメント組成物0.5mlを
ガラス板上に置き、練和開始後3分経過した後、これに
重さ20gのガラス板を載せ、その上に100gのおも
りを載せる。練和開始後10分経過したときに、広がっ
た試料の最大径と最小径の平均値を求め、これを流動性
の尺度とした。
比較例1 実施例1で得たα−リン酸三カルシウムの粉末をクエン
酸の46重量%水溶液と粉/液比2.5の割合で練和し
た。かくして得た練和物につき実施例1と同様に物性値
を測定した結果を第1表に併せて示した。
上記結果から明らかな如く、BaSOを添加すること
により練和物の流動性が向上し、作業性が改善されると
ともに、崩壊率が極端に低下し、同時にX線造影性も発
現した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 靖人 神奈川県秦野市渋沢1352−80 (72)発明者 小山 和男 神奈川県秦野市渋沢706−1 (72)発明者 松田 治 神奈川県横浜市港北区樽町3−7−14 (56)参考文献 特開 昭62−211069(JP,A) 特開 昭62−217969(JP,A)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1) α−リン酸三カルシウム粉末及び硫
    酸バリウム粉末からなる粉末成分と、 (2) 濃度30〜55重量%の不飽和カルボン酸の単独
    重合体または共重合体水溶液及び濃度30〜55重量%
    のクエン酸水溶液からなり、かつ両者の固形分混合比が
    1/9〜9/1である混合水溶液と、 からなる医科用または歯科用硬化性組成物。
  2. 【請求項2】前記不飽和カルボン酸の単独重合体または
    共重合体が、ポリアクリル酸、またはアクリル酸と、メ
    タクリル酸、マレイン酸、フマル酸及びイタコン酸から
    なる群から選ばれた少なくとも1種の不飽和カルボン酸
    との共重合体である特許請求の範囲第1項記載の医科用
    または歯科用硬化性組成物。
  3. 【請求項3】前記硫酸バリウム粉末を、α−リン酸三カ
    ルシウム粉末に対し、5〜30重量%で添加する特許請
    求の範囲第1項記載の医科用または歯科用硬化性組成
    物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0793941B2 (ja) * 1986-03-12 1995-10-11 三金工業株式会社 生体硬組織修復材料の製法
JPH0793942B2 (ja) * 1986-03-18 1995-10-11 三金工業株式会社 生体材料用硬化液

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