JPH0793942B2 - 生体材料用硬化液 - Google Patents

生体材料用硬化液

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JPH0793942B2
JPH0793942B2 JP61058133A JP5813386A JPH0793942B2 JP H0793942 B2 JPH0793942 B2 JP H0793942B2 JP 61058133 A JP61058133 A JP 61058133A JP 5813386 A JP5813386 A JP 5813386A JP H0793942 B2 JPH0793942 B2 JP H0793942B2
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征一郎 沢野
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三金工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、リン酸カルシウム系生体材料用の硬化液に関
する。
従来の技術 リン酸カルシウム系の生体材料は、生体硬組織欠損部に
補填する生体硬組織修復材料として使われる。
生体硬組織修復材料は、生体外にて目的の形状に成型加
工されたものをそのままあるいは多生の修正を施して挿
入する方法と、練成物を複雑な形状をした欠損部へ充填
し生体内にて硬化させる方法とがある。
いずれの場合も素材となるものは、生体との親和性、生
体に対する無刺激性および無毒性が必要で、近年生体硬
組織と類似の組成を有するリン酸カルシウム系生体材料
(セラミックス粉剤)が注目されている。
この粉剤を使用に耐え得る凝結硬化体にするには、上記
のように生体外では高温高圧焼結法等が採用されるが一
般的には生体内にて直接硬化させる方法が望ましい。
この場合粉剤を反応硬化させることのできる水、生理食
塩液、無機酸、有機酸、それらの塩類およびポリアクリ
ル酸系水溶液等で混練し、パテ状あるいはペースト状に
した練成物(混和泥)を患部に適応させている。
水、生理食塩液、無機酸、一部の有機酸、易水溶性塩類
の水溶液等で混練したものは、いわゆる湿り砂状を呈
し、パサパサした取扱いにくい状態が長時間継続し、凝
結完了時間がきわめて長く粉液比も合わせにくいので実
用的でない。
一方、ポリエステル酸系の硬化液は、混練することによ
り短時間に凝固硬化し、圧縮強さも比較的高い値が出せ
る。
発明が解決しようとする問題点 しかしながら、従来のポリアクリル系硬化の場合、硬化
液の粘度(動粘度)が約1,000mm2/s以上とかなり高いた
め、混和泥の流動性が低下し操作性を重視する臨床分野
では、低粘性硬化液の出現を望んでいる。なお、本明細
書において粘度とは、液剤そのものの粘性を動粘度によ
る数値で表現したもので、液剤の流動性、取扱い易さを
示す尺度である。
例をあげれば、歯内療法分野では、治療により歯髄を除
去された根部歯髄腔を充填するために、リン酸カルシウ
ム系生体材料を根管充填用シーラーあるいは糊材根管充
填材として用いる。その場合は硬化液と生体材料の混和
泥の流動性が不可欠要因となり、流動性が欠如すること
により、根部歯髄腔への充填が不可能となってしまう。
そこで、混和泥の稠度(言換れば混和泥の流動性)を臨
床操作上の好ましい値にして根部歯髄腔に混和泥を充填
しやするするには、粉剤の量をへらして粉剤/液剤(粉
液比)を大幅に下げなくてはいけない。しかし、これで
は、粉剤量が少なくなり、所望の物性ないし生体への親
和性が得られず、臨床上使用するには好ましくない。
他方、粘度が低すぎると、所望の圧縮強度は得られる
が、曲げ強度が不足して、もろい欠点がある。
発明の目的 本発明は上記の欠点を解消するためになされたものであ
り、硬化液固有の液粘性(硬化液の粘度)を下げて、混
和泥の粉液比を臨床操作上好ましい値まで上げても臨床
操作上好ましい混和泥の流動性を確保できて臨床上使用
しやすいとともに、所望の曲げ強度を得て、ねばり強い
生体材料用硬化液を提供することを目的とする。
発明の要旨 この目的を達成するために、本発明は、リン酸カルシウ
ム系生体材料に使用する硬化液において、硬化液が、ク
エン酸及びDL−リンゴ酸の一方と、平均分子量24,000〜
28,800のアクリル酸イタコン酸共重合体を含み、硬化液
の粘度(動粘度)が900mm2/s以下であり、粉剤と混和し
たとき稠度が30以上になることを特徴とする生体材料用
硬化液を要旨としている。
実施例 本発明の硬化液は、リン酸カルシウム系生体材料の粉末
(粉剤)に用いる。この対象となるリン酸カルシウム系
生体材料としては、例えば、Ca10(PO4)6(OH)
2[合金ハイドロキシアパタイト:HAP]、非晶質リン酸
カルシウム〔Ca3(PO4)2・χH2O:χ=3〜4.5〕、α
−Ca3(PO4)2[アルファ型リン酸三カルシウム:αTC
P、β−Ca3(PO4)2[ベータ型リン酸三カルシウム:
βTCP]、CaHPO4・2H2O、CaHPO4、Ca8H2(PO4)6・5H2
O[リン酸八カルシウム:OCP]等がある。これらの生体
材料は、20〜50μm以下に粒度調整して微粉末とする
が、なかでもαTCPを使用するのが最も好ましい。
これらのリン酸カルシウム系生体材料は粉剤として単身
のまま用いても良く、2種〜数種の混和粉剤として用い
ても良い。
一方、これらのリン酸カルシウム系生体材料の単身また
は混合粉剤に更に追加物を添加しても良い。添加する追
加物としては、カルシウム化合物、アルミニウム化合
物、マグネシウム化合物、亜鉛化合物、珪素化合物、フ
ッ素化合物、ナトリウム化合物等があげられる。これら
は酸化物、水酸化物、リン酸塩、高次化合物等の化合物
として粉剤総量の0〜15重量%添加される。
添加の目的は、凝結硬化体の諸物性の向上を主目的と
し、生体に用いることを考慮して酸性度を調整する役割
もはたす。いずれにしても、これらの追加物は、硬化液
との硬化反応を著しく阻害するものであってはならない
ことから、例えば、酸化カルシウム、水酸化カルシウ
ム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、珪酸カルシウム、ク
エン酸カルシウム、リン酸ナトリウム、珪酸ジルコニウ
ム、酸化アルミニウム等をあげることができる。
本発明の硬化液は、硬化液の粘度が900mm2/s以下であ
る。この硬化液固有の粘性が極めて低いので、前記リン
酸カルシウム系生体材料に本発明の硬化液を使用する
と、この生体材料と硬化液との混和泥の流動性は従来の
混和泥のそれに比べて極めて優れている。
このため得られた混和泥の用途としては、混和泥の流動
性を積極的に利用して臨床療法において特に細く狭い狭
窄部、深在性窩洞等の充填に最適である。
たとえば、得られた混和泥は、歯内療法分野において治
療により歯髄を除去された根部歯髄腔を充填する際に用
いる根管充填用シーラーあるいは糊材根管充填材として
の使用が好ましい。
また、得られた混和泥の用途としては、歯科領域におい
て、たとえばエナメル質および象牙質欠損部を保存修復
する際に歯髄保護のためのベースとなる歯髄覆罩材ある
いは裏装用セメントとしての使用が好ましい。
硬化液の粘度が極めて低いので、混和泥の粉液比を上げ
ても、その稠度はその値が低くなりすぎることがなく臨
床操作上好ましい値にでき、かつ圧縮強さも高くでき
る。
比較例1〜3と実施例4〜16 比較例1〜3と実施例4〜16を表−1に示す。
ここで稠度とは、粉剤と液剤の混和後の流れを定荷重加
圧後の泥の広がりによる数値で表現したもので、混和泥
との流動性、取扱いやすさを示す尺度である。
表1に示した実施例4〜16と比較例1〜3の粘度は、ガ
ラス管内流動式毛細管粘度計を用い、液温25±0.5℃に
て測定した。
実施例4〜16と比較例1〜3における混和泥の稠度、硬
化時間、圧縮強さは、JIST−6602を準用して測定した。
比較例1〜3の硬化液は、易水溶液カルボン酸もしくは
その誘導体を主成分とする水溶液からなる例であり、こ
れらの易水溶性カルボン酸もしくはその誘導体は、たと
えばギ酸、酢酸、アクリル酸、メタクリル酸等の脂肪酸
類、メリト酸等の炭素環カルボン酸類、シュウ酸、マロ
ン酸、コハク酸、グルタン酸、マレイン酸等のジカルボ
ン酸類、アコニット酸、トリカルバリル酸等のトリカル
ボン酸類、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、グリセリン
酸、酒石酸、クエン酸等のアルコール酸類等が挙げられ
るが、一般に、無毒な多塩基性低脂肪酸、なかんずくα
ヒドロキシカルボン酸が望ましく、水に対する溶解性の
難易度、混和泥の操作性、凝結硬化体の諸物性の点から
は、酸味料として食品添加物に認定されて生体に対する
安全性の高いクエン酸、DL−リンゴ酸等が好ましい。
これらの易水溶性カルボン酸もしくはその誘導体は、粉
剤として単身のままの水溶液として用いても良く、2〜
数種の混和水溶液として用いても良い。
選択された所定量の易水溶性カルボン酸もしくはその誘
導体と、この主成分に必要に応じて追加成分あるいは添
加成分を加えて精製水とよく混和し、必要に応じて加熱
して溶解することにより硬化液を得ることができる。
これらの易水溶性カルボン酸もしくはその誘導体を好ま
しくは5〜65重量%含有させるが、それぞれの酸によっ
て溶解度が異なり、追加成分配合率による含有量の変化
または操作性、諸物性面からの至適濃度が存在するの
で、より好ましくは含有量が10〜50重量%となる。
易水溶液カルボン酸もしくは誘導体の含有量が5重量%
より少ない場合、硬化時間が遅くなり、強度が充分でな
い。
また、易水溶性カルボン酸もしくは誘導体の含有量が65
重量%より多い場合、硬化時間が早くなりすぎ、粘稠性
が増大して操作しにくい。そして酸性度が高まる(pHが
低すぎて刺激性が出る)。
実施例4〜16の硬化液は、易水溶性カルボン酸もしくは
その誘導体の不飽和カルボン酸共重合体のを主成分とす
る水溶液からなる。
不飽和カルボン酸共重合体は、液粘性調整剤として効果
的に作用するが、諸物性面においても改善することがで
きるもので圧縮強さを増強改善させる。
選択された所定量の易水溶性カルボン酸もしくはその誘
導体と不飽和カルボン酸共重合体を主成分とし、この主
成分に必要に応じて追加成分あるいは添加成分を加えて
精製水とよく混合し、必要に応じて加熱して溶解するこ
とにより硬化液を得ることができる。
易水溶性カルボン酸もしくは誘導体と、不飽和カルボン
酸共重合体の総含有量が好ましくは5〜65重量%であ
る。
この総含有量が5重量%より少ない場合、硬化時間が遅
くなり、強度が充分でない。
また、総含有量が65重量%より多い場合、硬化時間が早
くなりすぎ粘稠性が増大して操作しくい。そして酸性度
が高まる(pHが低すぎで刺激性がでる)。
また、この不飽和カルボン酸共重合体を多量に追加する
と、従来のポリアクリル酸系硬化液と同様のものとなっ
てしまい、液粘性が上昇し、混和泥の扱いが困難にな
る。従って含有量は、硬化液総量の25重量%以下で良
く、特に5〜15重量%程度が最も好ましい。
この追加配合量が25重量%より多い場合、液粘性が高ま
り、混和泥の稠度が上がり、流動性が悪くなる。
不飽和カルボン酸共重合体としては、たとえば、イタコ
ン酸とアクリル酸と共重合体、フマル酸とアクリル酸の
共重合体、マレイン酸とアルリル酸の共重合体などがあ
る。
実施例1〜16および比較例1〜3のアクリル酸イタコン
酸共重合体は、平均分子量が24,000〜28,800のものであ
る。
ところで、比較例3と実施例5〜16は、他の少量追加成
分を含んでいる。追加成分は、混和泥および凝結硬化体
のより一層の操作性の改善、諸物性の向上、生体に対す
る刺激性、為害性の緩和等の目的で、キレート化剤、PH
調整剤、アミノ酸類、無機酸等が随時添加される。
これらと例としてたとえば、、ニトリロ三酢酸[NT
A]、NTA−2Na、NTA−3Na、エチレンジアミン四酢酸[E
DTA−4H]、EDTA−4Na、Ca(OH)2、Mg(OH)2、Al
(OH)3、NaOH、グリシン、アスパラギン酸、グルタミ
ン酸、正リン酸、塩酸、硝酸、Na2HPO4等が挙げられ
る。これらは硬化液の総重量に対して0〜10重量%程度
添加される。
比較例1〜3と、実施例4〜6、9〜11、13〜15は、リ
ン酸カルシウム系生体材料のαTCPを粉剤として用い混
和泥にする。実施例7、8、12、16は、αTCPに珪酸カ
ルシウムを5重量%添加したものを粉剤として用い混和
泥にする。得られた各混和泥は生体への刺激性および毒
性がない。また混和泥の状態はパサパサしない。比較例
1〜3の実施例4〜16の硬化液は、硬化液の粘度が従来
のポリアクリル酸系硬化液のそれに比べて低くできてい
るので、混和泥の流動性を優れたものにすることができ
る。
また、混和泥の稠度を好ましい値に確保しながら、αTC
Pまたは追加成分の添加されたαTCPと各実施例の硬化液
との粉液比を上げることができ、凝結硬化体は短時間で
より強い圧縮強さを得られる。
表−2は従来の比較例17、18を示している。粉剤はαTC
Pを用いた。各比較例はともに硬化液の粘度が少なくと
も1000mm2/s以上で、混和泥の粉液比は本発明の実施例
の粉液比に比べて低く稠度も低い。
発明の効果 本発明によれば、従来に比べて硬化液固有の液粘性(硬
化液の粘度)を下げているので、リン酸カルシウム系生
体材料と本発明の硬化液から成る混和泥の粉液比を臨床
操作上好ましい値まで上げても臨床操作上好ましい混和
泥の流動性を確保できる。
したがって、従来操作性を重視する臨床分野(特に歯内
治療法分野や保存修復分野)では、リン酸カルシウム系
の生体材料の臨床操作が容易となる。
また、平均分子量24,000〜28,800のアクリル酸イタコン
酸共重合体を使用し、それをクエン酸又はDL−リンゴ酸
に組み合わせて使用するため、曲げ強度が良好となり、
もろさの点で優れている。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リン酸カルシウム系生体材料に使用する硬
    化液において、硬化液が、クエン酸及びDL−リンゴ酸の
    一方と、平均分子量24,000〜28,800のアクリル酸イタコ
    ン酸共重合体を含み、硬化液の粘度(動粘度)が900mm2
    /s以下であり、粉剤と混和したとき稠度が30以上になる
    ことを特徴とする生体材料用硬化液。
JP61058133A 1986-03-18 1986-03-18 生体材料用硬化液 Expired - Fee Related JPH0793942B2 (ja)

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